戻る


資料3
   

「スカウトの日」事業報告

財団法人ボーイスカウト日本連盟
理   事      杉   原         正

■ 「スカウトの日」事業を実施するに至った経緯
  平成3年(1991年)にスタート。今年度で11回目。
起源は、昭和49年(1974年)8月第1回シニア−スカウトフォーラム(北海道千歳市内で、第6回日本ジャンボリー開催期間中に高校生年代を対象に実施)。
    ・ テーマ「よりよい社会を目指して、スカウトは何をなすべきか」を討議の結果、「スカウト奉仕の日」の全国展開を採択、提案
昭和49年(1974年)、この提案を日本連盟で協議し、翌昭和50年(1975年)5月の「子どもの日」を中心とした1週間を「スカウト週間」と定め、「よりよき社会を目指して/美しい日本を作ろう」を統一テーマとし、全国的にスカウトが街へ出て奉仕活動を展開することとした。
・ 平成元年(1989年)「第15回スカウト週間」実施。同年、本事業の15年間の実施状況を再検討「スカウト奉仕の日」として、9月15日(敬老の日)に全国一斉展開を決定。また、プログラム内容の一つとして、空き缶回収を「カントリー(缶トリー)大作戦」として全国的に取り組むこととした。
平成2年(1990年)、「スカウト奉仕の日」スタート。全国で5万6千人が参加、55万本の空き缶を回収した。その後、参加団からの報告内容を検討の結果、「スカウトの日」として翌平成3年(1991年から実施することを決定、現在に至る
     
■ 事業の目的
  ◎ 全国の加盟団・隊のスカウト・指導者が地域社会への奉仕活動をはじめ様々なスカウト活動を、全国各地域において一斉に展開し、加盟員一人一人が地域社会に貢献するとともに、スカウト運動が地域社会に根ざした実践活動であることを広く社会にアピールすることを目的とする。
     
■ 事業の実施体制
  ◎ 事前に全国全加盟団に対し、「スカウトの日」とりわけ「カントリー大作戦」への参加希望アンケート実施→アンケート結果に基づき実施のための用品(のぼり、トング、ゴミ袋、軍手等)を参加団に送付→9月15日全国展開→実施報告(実施プログラム、参加人員、回収空き缶数量(カントリー大作戦)等→都道府県連盟を通じ、日本連盟にて即日集計→県連へフィードバック(主に広報のため)
     
■ 具体的な事業内容
    ◎ 空き缶、ペットボトル、投棄物等の回収・処理および駅、街路、公園等公共場所の清掃奉仕など、環境を大切にする活動の実施。(カントリー大作戦)
◎ 地域福祉、協力活動。(老人ホーム訪問など敬老の日にちなむ活動、養護施設清掃、車椅子等備品整備奉仕)
◎ 人権、平和、国際理解をテーマとした活動(ユニセフ募金・災害被災地救援など、主旨の理解を前提とした各種募金活動)。
     
■ 地域社会との連携にあたっての工夫
  ◎ 地域組織(町内会、老人会、ライオンズ、ロータリークラブ、福祉施設、教育、環境行政)との日常的な接触と協働関係の促進・維持。
◎ 地域のスカウト運動未加入青少年への活動招待。
◎ 公共的機関へのポスター掲示等、活動のアピールに関わる調整等を通じて連携
     
■ 事業の成果
  ◎ 平成12年度
    ・ 参加者総数72,118人(1,666団)
・ 実施活動数:   1,950(内、カントリー大作戦72%)
・ 回収空缶数:518,985本
  ◎ 「カントリー大作戦」11年間の累計
    延べ参加者数:80万人
回収空缶総数:1000万本
  ◎ 参加団の恒例活動として定着(当日の天候にもよるが、参加団数に変化が少ない。1700団程度。参加者数は6万人から8万人の間で推移)。
◎ 環境美化活動の意義に対する意識の個人的成長(小学生から高校生くらいまで毎年参加)と保護者を含むボーイスカウト団(地域に根ざした、スカウト活動を実施する単位組織)の結束強化。
◎ 地域社会との交流とスカウト運動のアピール
     
■ 今後の課題
  ◎ 活動の成長と深化
    ・ 環境美化活動として定着してきたが、広い意味での「環境」に対する認識、問題意識という点からは、空き缶回収をきっかけとした環境教育活動としての内容的な成長と深化がさらに望まれる。
・ このために、過去にも数種類の活動資料を配布してきたが、さらに環境教育に関する指導資料を充実させ配布したい。
・ また、本事業についての分析・評価を実施し、よりよい将来像を模索していきたい。
     
■ その他
  ○ 事業(行事)ではなく、個人プロジェクトとして一人ひとりが行う
○ そのためには、プレゼンテーションが大切である
○ 出会い(人、物、出来事)→気付き→新しい発見→自分で考える
                              →広める
                              →行動する
○ まず<お手伝い>から始める。役割分担、責任を持つ、行う、ほめる
○ 小学校年代のスカウトの"やくそく"
    ・ すなおである
・ 自分のことは自分でする
・ 互いに助け合う
・ 幼いもの(弱いもの)をいたわる
すすんで良いことをする
  ○ スカウト教育の4つの柱
    人格.   健康.   技能.   奉仕.
  ○ 人のお世話にならぬよう
         人のお世話をするように
            そして報いを求めぬよう      <初代総長   後藤新平>
                                                      自治の三訣として
  ○ 21世紀の教育の指針(ユネスコ「21世紀教育国際委員会」)
             <知ることを学ぶ>
         <為すことを学ぶ>
         <共に生きることを学ぶ>
         <人間として生きることを学ぶ
  ○ 教育方法の3つのタイプ
    ・ フォーマル教育(学校での教育)
・ インフォーマル教育(家族やメディアによる教育)
ノン・フォーマル教育(教育目的をもち、養育システムによる教育)
     
    以上

 


ページの先頭へ