社会教育の在り方に関する特別部会(第15回) 議事録

1.日時

令和8年2月19日(木曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省会議室 ※WEB会議併用

3.議題

  1. 一般社団法人 全国社会教育委員連合について(全国社会教育委員連合発表)
  2. 各都道府県・政令指定都市ヒアリング結果について(事務局説明)
  3. 審議事項2に関する意見の整理(案)について(事務局説明)
  4. 社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制/社会情勢の変化を踏まえた社会教育に関する現行法令の在り方について
  5. その他

4.出席者

委員

(委員)内田委員,清原委員,萩原委員
(臨時委員)青山委員,安齋委員,小田切委員,柏木委員,金澤委員,古賀委員,小見委員,杉野委員, 関委員, 東委員,牧野委員,美田委員,村井委員,八木委員,山本委員      

文部科学省

(事務局)塩見総合教育政策局長,橋爪大臣官房審議官,神山社会教育振興総括官,中園男女共同参画共生社会学習・安全課長,降籏日本語教育課長,坪田教育改革調整官,髙田地域学習推進課長,林社会教育企画調整官 他                                    

5.議事録

【清原部会長】  皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第15回社会教育の在り方に関する特別部会を開催いたします。

 本日は、何かと御多用のところ、皆様、御出席いただきまして、どうもありがとうございます。本会議は対面とオンラインを併用して開催いたします。なお、本日は、YouTubeのライブ配信にて、報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者からは、会議の全体について録画を行いたい旨、申出がありまして、許可しておりますので、皆様、御承知おきください。よろしくお願いいたします。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。本日の会議は、12時までの開催を予定しています。委員の皆様の貴重なお時間をいただいていますので、限られた時間ではございますが、自由に充実した議論ができますように進行に努めてまいります。会議の円滑な進行に皆様の御協力を改めてよろしくお願いいたします。

 本日は、前回に引き続きまして、諮問における審議事項の3「社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制」及び「社会情勢の変化を踏まえた社会教育に関する現行法令の在り方」について、意見交換をしていただきます。

 皆様の意見交換が自由濶達なものとなりますよう、本日はまず、一般社団法人全国社会教育委員連合の鈴木眞理会長より御発表をいただきます。その後、事実関係の確認に関する質疑応答を行います。

 続いて、事務局より、各都道府県と政令指定都市の社会教育担当課へのヒアリング結果、また、皆様に御意見をいただいて、まとめております『審議事項2に関する「意見の整理」』について報告をしていただきます。

 その上で、本日の審議事項について説明をしていただき、その後、委員の皆様に意見交換をしていただく、このような進行で進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まずは全国社会教育委員連合の鈴木会長より、「一般社団法人全国社会教育委員連合について」御発表をお願いいたします。15分程度でよろしくお願いいたします。

【鈴木一般社団法人全国社会教育委員連合会長】  おはようございます。15分程度で発表ということを承っておるのですが、主にお手元の資料をご説明します。社会教育委員連合の概要というA4のものが一つと、委員連合の7年度の主な事業というものが1枚と、役員一覧と、あと、さらにニューズレターという数字が入っているものがあります。これは社会教育委員の数なんですが、それぐらいで説明をさせていただきます。

 私共の団体、全国社会教育委員連合は「社教連」といいます。その社教連の会報というのが入っていたりとか、会場の皆様にはお配りしてあるのがあるのですが、「社教情報」という冊子もあります。随時御覧いただければなと思います。社会教育委員連合の概要というもので話をさせていただこうと思っております。経緯と組織運営、研究活動と書いてありますが、少しずつ説明させていただきます。

 この団体が任意団体として、全国社会教育委員連絡協議会、社会教育委員の制度ができてから後、戦後の話なわけですが、昭和38年、東京オリンピックのちょっと前というような言い方をしています。それでそのときに「全社連会報」というような会報を出しているんですが、53年にこれを「社教連会報」というタイトルに変えました。全社連という言葉がよく間違って使われることがあるんですが、この辺りが「社教連」の起源のようです。その後、昭和53年に略称を「社教連」というふうに決めています。

 ただ、全然この略称、広がっていなくて、両方とも使われるような社教連という言葉も使われるし、全社連という言葉も今でもまだ使われているような状況があります。いずれにせよ社教連というのは、元は昭和38年からだということになります。前の東京オリンピックのちょっと前だということです。「社教情報」という小冊子が配られていると思いますが、それもかなり古くて昭和49年ぐらいから出されているということです。

 そして、大会名を「全国社会教育研究大会」というふうに、昭和59年からそういうふうになるんですが、実は、「(社会教育)業界」の人なら分かるんですが、社会教育の全国大会というのは、「社会教育推進全国協議会(社全協)」という別の団体がありまして、そこがやっているもののほうがかなり優勢な時代もあったわけです。内容的にも濃いようなことをやっていたものがあります。

 私の大学関係者の友人によると、彼もよく「社会教育の大会に行くんだ」というふうな言い方をしていたのですが、その際、私はこの社会教育委員のほうの大会をイメージするし、彼は別の団体(社全協)のほうの大会をイメージする。行くとかって言って食い違うようなこともありました。そんな任意団体としてかわいくやっているのが、だんだん制度化をしていく、お金を集め出す、そういうこともやっています。

 社団法人化するのが昭和58年です。社会教育委員連合というふうに言っています。それで、全国公民館連合会もそうなんですが、幾つかの文部省(当時)の外郭団体のような団体が集まって、東京・四ツ谷にあった共済会館みたいな建物に入っていました。後にその建物が手狭になったのか、他に建物に入っていた組織の統合や廃止などもあり、私ども社協連も場所を移転するわけです。

 平成19年、単独の事務所設置、専従職員採用とありますが、それぞれ独立をしてきている、一応形の上で独立をしてきているというような状況があります。今、事務所が神保町のあるビルの一室を借りているというようなことになっています。一応、資料には単独の、そこには事務所設置って書いてあるんですが、単独の事務所といったって、この会議室のスペースの4分の1、5分の1ぐらいのスペースで事務的なことをやっているということです。

 平成23年9月というのは一般社団へ、これは法人改革でこのようになったと。好きとか嫌いとかではありません。後から知るのですが、先ほどの資料の上のほうに書いてあった拠出金というか、寄附金を集めてなどということをやっていたということもあります。これは6,000万円とかあったはずです。私どもの組織は、都道府県と政令市が会員になっています。都道府県が47、実は48あるんですが、ちょっとおかしいところも一つありまして、都道府県関係が48ある。それと政令市が20ある。それから同じ10万円、計680万円が会費として入ってくる。それが運営のための基礎になる財源だということです。あと、細々(こまごま)さっき申し上げた社教情報という冊子の売上金だとか、そんなものがあるんですが、基本的にはそういう「きれいな」お金でやっているということです。何か収益事業をやっているわけではないため、大変苦しい団体で、いつ財源が途切れるか分からないようなことでやってきているわけです。

 現に、7年、8年ぐらい前かな、にはもう駄目じゃないかというようなことがありました。私は何も知らないまま、そこで前会長に言われて、「おい、やれ」とかって言われて引き受けたということです。そこで様々な改革をしてきたということになります。

 (資料には)組織の運営と書いてありますが、会長、副会長、常務理事は学識経験者、あと理事として各県、全国大会をこれから申し上げますが、やるわけですが、そこの開催県から出すような形になって、理事がこれだけいるということです。実はあした理事会で、今日随行できている豊田常務理事は大変なんですが、すぐに帰らなければいけないということにもなりますが、それを先ほど言いました日本弘道会というところを拠点として、そこでやっているということになります。

研究活動として何点か挙がっていますが、先ほど申しました全国大会、それが持ち回りで全国どこかで行われます。このほかにブロックでは、ブロック大会と言ったりとか地区大会とかと言ったりとかするんですが、それが関東甲信越静、静岡まで入れての地区の大会とかというようなことでやったりとか、もしています。去年は秋は神奈川でした。北海道、東北、このように分けてやっているということです。

 この全国大会の財源をどうしているかというと、先ほど説明した都道府県や指定都市からの会費を基本的に使っているわけなんですが、その会費からの支出が全国大会は70万円、地区大会は10万円充てるというようなことになっています。様々なことを県のレベルでは、県から助成もらったりとか様々なことをやっているということです。全くどこか2つか3つの県が、無理だというふうなことを言い出したら、もう(この会の継続は)無理だよねというふうに私はいつも副会長や常務理事らと話をしているところです。

 先ほどの「社教情報」という雑誌ですが、会場ではお手元にあるんですが、あんまり面白いかどうか、あんまりと言ったら面白くないということになるんですが、どうなのか分からない雑誌なんですが、それも様々な事例を載せるというようなことを関係者に書いてもらうということでやっているものなんですが、それが各9,000部出ているんです。ちなみに、社会教育委員は全国で1万8,000人とか2万人とかってそのぐらいいるわけです。その人たちに一部ずつ渡してもらう、買ってもらうというようなことで考えてつくっているものなんですが、編集委員会を構成し、つくっているということです。その他、助成事業、社会活性化セミナー等々のものを僅かな予算でやっているということになります。ホームページもありますので、あるといっても充実してないので、今、ちょっと改定しなきゃということで動いていますが、そういうようなこともしておりますので、御覧いただければいいかと思います。

 大きな事業としては、表彰事業ですが文科省の社会教育功労者表彰とかぶるんですが、社教連の表彰をまずもらって、そして文科省の表彰をもらって、そして、めでたく叙勲ということになる、そんなようなルートをたどる。私どもが一番基礎になっているというような言い方ができるかと思います。大体そういうようなことで回しているということです。

 でも、先ほど申しましたように、10万円を捻出してくれる自治体が危うくなってきているという状況もあるので、すごく心配な状況にもなっております。

 以上が社協連の事業になります。

全国社会教育委員連合の立場からは、特にここにもいらっしゃいますが、国社研のセンター長がいらっしゃいますが、国社研あたりでいろんな研究絡みのことでも、様々なことで救っていただきたいというのが本音であります。社会教育士にばかり目を向けないで、社会教育委員にこそ目を向けてほしい、座長、うなずかれましたね、ありがたいです。あしたの総会で座長がうなずいていたって報告します。

 制度としてきちんと位置づいている社会教育委員をないがしろにするということはないわけで、ただそれは難しいわけで、国社研は、社会教育委員は職員ではないわけですから、非常勤特別職ですから、さらに都道府県や市町村が「勝手に」やっているものだということになるわけでしょうから、そこに手を貸すということはなかなか難しいことだとは思いますが、何らかの形で御支援をいただけないかと思います。そのためには組織として、社会教育委員に関心を持ってくれることが必要なんじゃないかと思っています。

 昔は、国社研の職員などは、すごく熱心に社会教育の様々なことについて勉強していたと、ある人から聞いたことがあるんですが、そのOBの人から聞いたことがあるんですが、『社会教育必携』という分厚い本、あれを職員がお互いどこまで読んだとかといって、どこまで読むって、あれは読むものじゃないんだと思うんだけども、手あかをつけるかと。昔、学生の頃、辞書に手あかがどれだけついているかで、俺、勉強したんだと思ったりとかすること、と同じように。それで、それを手あかにつけて何も覚えていないところもあるんですが、そういうようなことをやって競ってやっていたなんていう話を聞いたこともあります。ただ、それをやればいいって話じゃないんだけれども、みんなで勉強するということです。今、そういうようなことも、社会教育の関係の職員がやっているかというと、さあ、どうだろうねと思えることがたくさんあります。それをやらないと、その人たちが中心になって、社会教育委員の人たちに影響を与える、一緒になって勉強するって、それがないといけないんじゃないかと思います。

社教連のほうもちょっと問題ありなんだけれども、「行動する社会教育委員」などというようなキャッチコピーをつくったりとかしているんですが、行動するだけじゃないんだ、いろんなことを考えて問題点を自分たちで考えていくような、そういうような社会教育委員でなければいけないのかもしれない。そういうような落ち着いたことをやらなければいけない。あちこちから有名な先生を呼んで、講師に呼んで何か大会を開けばそれでやったというふうなことになるか。なるんでしょうが、ならないでしょう、本当のところ。そういうような把握では地道にやっている職員や、あるいはその周辺にいる社会教育委員をどう捉えるかって困難でしょう。職員の系で考えるのか、それとも住民の参加・行政への参加という系で考えるのか、そっち(後者)のほうが正しいと思いますが、どうなのかということなどをちゃんと整理しながらやらないと、突然、社会教育士なんていうものが出てくる、なんていうものがなんて言うとまずいんですが。昔、国の社会教育政策に批判的な立場の研究者がいたんですが、もう私と同じ年で定年になっていますが、彼と年賀状のやり取りで、社会教育士、あれって何だろうねってお互い言いあった、今年そういうことがありましたが、そういうようなまともな、批判的であるがゆえに国の社会教育に詳しい研究者なんですが、そういう人だって理解ができなくなるようなものにもなっている。基本のところから、きちんと検討し直さなければいけないことがたくさんあるんだろうと思います。

 何をどの程度話せばいいのかよく分からないまま勝手なことを話しましたが、社会教育主事や社会教育委員がどこかで何かを話せばいいんだという話でもないんです。多分もっと言ってはいけないようなことを言うかもしれませんが、ここの委員の方々もどこかへ行って講演をなさればそれでいいんだということではないんだろうと思うんですが、いろんな人たちに議論を吹っかけて、その中で、様々な新しいことを考えていく。そういうようなことをするような風潮というのが、全くなくなってきているんだと思います。

 まともな研究者がともかくいなくなってきている。そういうようなところからきちんとしていくべきであるんだと思います。

昨日かおととい、誰かと話をしていたら、「生涯学習学会」がどうのこうのと言ったので、私が「怒った」ら、「いやいや、言い間違いでした」と。言い間違いでそんなことを言うはずはないんですよね。生涯教育学会というのは、昭和47年にできました。物事には、それこそ、いろいろな背景・経緯があるわけです。何か表面だけで動いてきてしまったらもったいないことになると思うところがこの頃、特に多々あります。

 何をしゃべったんでしょうか、よく分かりませんが、この程度で終わりでいいですか。

【清原部会長】  ありがとうございます。私たちの特別部会では、委員の皆様から改めて、「現行法の社会教育法に定められている社会教育委員の在り方についてもしっかりと議論していきたい」と、このような問題意識を提起していただいていたところ、本日、全国社会教育委員連合の鈴木眞理会長にお越しいただきました。

 鈴木会長は、東京大学及び青山学院大学で社会教育学を教えていらして、全国に多くの社会教育人材を輩出されてこられました。その社会教育学の専門の有識者として、現在、一般社団法人全国社会教育委員連合の会長をお務めであり、今、この団体の設立の経緯と組織の運営と社会教育委員をめぐる課題についての認識をお話しいただきました。

 それでは、皆様、ここから今の鈴木会長のお話を聞かれまして、事実関係の確認について御質問がありましたら、どなたでも、御発言をお願いいたします。会場の方は名札を立てていただいて結構です。オンラインで御参加の方は挙手ボタンを押してください。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか、御質問ありますか。

 では、古賀委員、お願いいたします。

【古賀委員】  御発表と忌憚のない御意見ありがとうございました。

 こちらのニューズレターの緑色のもの、これも興味深く拝見しました。冒頭の1ページの最後のほうに「社会教育委員数は全体として減少傾向にあり、引き続きその理由の把握に」ということなんですが、現時点でこの背景かなり理由をどのようにお感じでしょうか。

【清原部会長】  ありがとうございます。社会教育委員数調査をニューズレターで公表していただいていて、委員の減少傾向が報告されていますが、その要因、背景について教えていただければと思います。

【鈴木一般社団法人全国社会教育委員連合会長】  基本的には分かりやすいのは、都道府県や市町村が社会教育委員を置かなくなったからであるだけなんです。その理解を基礎に置いたほうがいいのだということは分かるかもしれないけども、なぜ設置しなければいけないのかということを全然検討もしないで、そのまま置かなくなっているというところもあります。そこのところをだから、国社研などがまさに担当課長会議や何からとか、いろんな形で社会教育委員がいるといいよねということを分かるようなことをしたい、していただくといいと。今、国社研が、社会教育委員ってこんなことをやっていますよというような、ビデオか何かをつくっているはずです。何人か紹介しろとか、社教連にも来ております。科研費などで、そんな関係の研究をしている研究者もいるので、その調査報告書などを基にして紹介をしたりとか、したりしています。

 だから、そこのところをちゃんと見ていくということです。やっぱり職員の問題と連動して、社会教育委員が必要であるのだと、どういう役に立つのかということ、それも考えていかないといけないんだろうと思います。

 実は社教連がこの調査を毎年かけているのは、表彰をするときの基礎になる数字を得ようと思ってやっているということでもあります。

【清原部会長】  よろしいですか、ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

 それでは、安齋委員、よろしくお願いします。

【安齋委員】  安齋でございます。御発表ありがとうございました。

 今日いただいた資料などを見て本当に改めて学ぶことが多くて、社会教育情報ですか、これにいろんなすばらしい実践例も載っていまして、前回のこの委員会の中でも、社会教育委員の在り方というのが、私は社会教育を推進する上ですごく大切な役割を果たしているというふうに感じておりました。

 実際、私も社会教育委員を僅かながら務めさせていただいたことがあるんですけども、ただ残念ながら、社会教育法の第17条に、社会教育の職務について書かれている内容があるわけですけども、自分の経験からも、なかなかこういった職務を果たした記憶がなかった。でも、その一方で、今日御紹介いただいたように、すばらしい実践をしているところもある。こういうふうに法律で定められた職務がうまく果たせていない、そういう社会教育委員の会とか社会教育委員があるのも事実だと思うんですが、この辺のうまく働かない要因というのを先生の立場ではどのように御理解されて、また、その改善の取組などもされているのであれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【清原部会長】  今御紹介いただきました「社会教育法」第17条には、「社会教育委員は、社会教育に関し教育委員会に助言するため、次の職務を行う」と書かれています。第1項目めは、「社会教育に関する諸計画を立案すること」。2項目めは、「定時又は臨時に会議を開き、教育委員会の諮問に応じ、これに対し、意見を述べること」。第3に、「前二号の職務を行うために必要な研究調査を行うこと」。そして、「社会教育委員は教育委員会の会議に出席して社会教育に関し意見を述べることができる」と。また、「青少年教育に関しても、あるいは社会教育関係団体等についても、助言と指導を与える」と書かれていることが、なかなか十分にできていない要因などについて、御質問いただきました。いかがでしょうか。

【鈴木一般社団法人全国社会教育委員連合会長】  一にも二にも職員というか、人の問題だろうと思います。制度的にはこのようにやればいいというんですが、はて、誰がそこの県の社会教育主事になっているのかとか社会教育委員になっているのかとか、首長がどういう人なのか、だから、清原という人が三鷹市長になったときはよかったんだとは思いますが、だからそういう理解がある人がいるかどうかは、重要なことです。これは昔から言われていたことなんですが、首長に教育をしなきゃいけないというのは、心ある社会教育の研究者は言っていたんですよね。そういう機会もあまりないわけです。都道府県教育長協議会の第2部会でしたっけ、今もそうなのかな、そういうところでいろんなことをやっても、社会教育のことなんて見向きもされないような状況になっているわけです。

 だから首長になるためには、社会教育士でも何でもいいや、社会教育主事の基礎資格を持っているとか、そういうような規定を公職選挙法のどこかにつけるとか、そういうようなことでもしない限りできないと思うんですよね。

 だから例えば各政党歩いて説明し、きちんと社会教育についての理解、社会教育委員についての理解というのを分かってもらうというような方策が一つ重要なこととしてあるんだろうというふうに思います。知らないほうがいけないんだ、ではないというわけなので。



【清原部会長】  安齋委員、よろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、お二人から大変重要な御質問いただきまして、ありがとうございました。鈴木会長には、率直に丁寧に回答いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、今の御発表に感謝の拍手をさせていただければと思います。鈴木会長、どうもありがとうございます。(委員より拍手)

 それでは、ただいまの鈴木会長の御発表も踏まえて、本日私たちが共有し、意見交換をさせていただく内容について、髙田地域学習推進課長より、御説明をいただきます。その後、皆様と意見交換をいたします。それでは、髙田課長、お願いします。

【髙田地域学習推進課長】  本日は、資料2、3、4について一括して御説明したいと思います。

 まず、本日の意見交換の参考として、昨年の12月から今年の1月末にかけて、文科省で行いました社会教育の振興に向けた各教育委員会との意見交換会の概要についてまとめたものが、資料2でございます。

 これは今まさに中教審で議論している中最中で、各都道府県、政令指定都市に今対し、それぞれの社会教育の状況について、ざっくばらんに意見交換するという目的で行ったものですので、調査というようなかっちりしたものではありませんが、主に、意見交換した内容で特記すべき事項についてまとめた資料でございます。

 大きく3つです。社会教育行政の状況について、それぞれの地方公共団体の社会教育人材や団体の状況について、そして、社会教育人材のネットワーク構築に向けた取組状況、もともとこれは、先日の補正予算で社会教育人材のネットワーク構築を促進するための事業としたところです。その周知を兼ねるような形で行ったものということでございます。

 めくっていただきまして、次のページから、それぞれ意見交換で議論した内容についてまとめたものでございます。先進的な取組事例と書いておりますが、先進的というよりも、むしろ印象に残ったこと話などをまとめたものになっております。

 それぞれ御覧いただければと思いますが、私のほうから黄色マーカーや下線を引いている箇所について簡単に触れさせていただきますと、例えば社会教育主事について、計画的に人数を把握しながら養成している地域があったり、あるいは現在も社会教育主事を活用しながら、市町村に社会教育主事の配置を併せて促すような、派遣と同時に促していく取組ですとか、社会教育主事が、首長部局のいわゆる地域の相談員などと連携して、地域の課題解決に当たっている取組もございました。

 また、先ほどの鈴木先生のご発表にもございましたが、「行動する社会教育委員」というものを掲げて様々な取組をしている事例もございました。例えばここで話題になったのは、び、若い人が公募で社会教育委員に選出されたが、その人が社会教育士の資格を持っており、様々な新しい提案や企画立案に取組んでいたという事例でございました。

 そのほか、首長部局の職員にも社会教育主事講習の受講を積極的に促す取組や、域内の大学と連携した取組などについての発表がございました。

 課題といたしまして、社会教育主事の発令が十分に進んでいないということがあります。社会教育主事講習を受ける人が少ないという話でもありますが、社会教育主事講習をきちんと受けているのに、発令が一人だけだとか、あるいは指導主事の発令がされているといった例が、我々が数字として把握している以上にあり、本来であれば社会教育主事が把握されている以上にいたのではないかというようなこともございました。

 また、首長部局に移管している例がありますが、その場合、引き続き教育委員会としっかり連携しているという例もあれば、以前は生涯学習課あるいは生涯学習部でまとまっていたところが、例えば家庭教育、子育て支援、青少年教育やNPO関連の部局などに分散して、なかなか固まりとして生涯学習、あるいは社会教育の取組を推進する体制の構築が難しいというような事例もありました。

 続きまして、域内の社会教育人材・団体の状況でございますけれども、社会教育人材の養成について、社会教育主事講習を積極的に受けやすいように、夜間やオンラインなどを積極的に活用して主事講習を行っている例ですとか、受講後にきちんとフォローアップ研修をしている例などについての話もございました。

 また、社会教育人材の活躍促進の例として、本人の許可を得て、名簿を県内市町村に共有したり、県が実施する研修など様々な取組において社会教育士をファシリテーターに活用したり、あるいは処遇面で優遇したりしているなどのお話もございました。

 また、社会教育関係団体について、委託事業などを通して行政と民間企業、NPO等が一体的に取組んでいたり、指定管理を担う団体に対して、社会教育主事講習を積極的に受講してもらうような取組を通じて、社会教育人材の活躍を促すような取組、あるいは社会教育としての専門的な知見が蓄積されるような取組がなされているというものでございました。

 めくっていただきまして、次のネットワークの構築に向けた取組状況を御覧いただければと思いますが、これについて、現在は社会教育主事の主事講習の会場を担っている都道府県とそうでない都道府県があるところ、やはり担っている地域では、人材ネットワークが比較的つくられているという状況があったり、いわゆる有志の社会教育士のグループなどがあったりというようなことがございました。

 また、ネットワークとして既に社会教育主事のネットワーク、あるいは社会教育主事にとどまらず、社会教育主事を中心として、様々な社会教育に関係のある人たちが参画するネットワークを構築している地域もありましたし、首長部局が実施している地域人材ネットワークなどに取り組んでいるような地域もございました。

 一方、まだまだこれからとだいうことや、特に大学の養成課程出身者については、なかなか把握が難しいといった話がございました。

 また、国への要望として、社会教育士の活躍イメージが分かるような取組を一層進めてほしいですとか、社会教育主事講習の枠を増やしてほしいですとか、社会教育主事講習の短期集中・簡易版、入門プログラムのようなものを提供されてはどうかというようなことがございました。

 そして、現在、社会教育主事は教育委員会に置くとされておりが、実務的には教育委員会との兼務としての発令もあり得るわけですが、首長部局においても社会教育主事として活躍できるようにといった話がございました。そのほか予算について、公民館をはじめとした社会教育施設やコミュニティ・スクール関係の予算を増やしてほしいというような話があったところでございます。

 以上がヒアリングの内容でございます。

 続いて資料の3-1、3-2でございますが、これについては前回御意見をいただきまして、また前回の審議後メールなどで御意見きましてをいただきましたので、それをまとめたものでございます。

 皆様からいただいた意見全てを取り込んだということでございます。資料3-2がその見え消し版でございますが、青字の部分が皆様からいただいた意見を反映した部分、赤字の部分は部会長などとも相談のうえ、追記したほうがより確かな記述になるのではということで記載したものでございます。

 こちらについての説明は割愛させていただきますが、いま一度御確認いただき、何かございましたら事務局まで御連絡いただければと思います。最後の「答申に向けて」にて追記した部分については適宜事務局で修正させていただきます。

 また、前回は便宜上、概要もつけておりましたが、こちらは今回のご意見を反映したものを、改めて事務局の責任で適切に作成していきたいと思っております。

 続いて資料4でございます。本日の審議に当たってのおさらいでございますが、2ページ目の一番下について、本日は社会教育の推進体制の在り方について議論していただきたいということでございます。

 3ページ目、先ほど社会教育委員が減っている理由について御質問がございましたけれども、御覧のとおり、社会教育委員や社会教育主事、公民館主事はずっと減少傾向にあります。特に平成17年から20年の間で大きく減っておりますが、この時期は市町村合併が進んでおりましたので、減り方が大きくなっており、その後、緩やかに減っているというのが現状でございます。一方、司書や学芸員については、増えているという状況がございます。

 4ページ目、「分野別の社会教育委員数の変化」について、大体において減少傾向ですが、家庭教育に関する部分についてはそれほど減っていないという状況が見てとれるかと思います。

 5ページ目、先ほど社会教育委員の話題がございましたけれども、社会教育法上の社会教育委員の規定を抜粋した部分でございます。今回は社会教育法全体の資料も参考として机上に配付させていただきました。

 6ページ目もこれに関連する規定でございます。

 7ページ目、今回審議していく内容です。特に赤字の部分の2つ目「社会教育を総合的に推進するための地方公共団体の体制の在り方」について、先ほど申し上げたとおり、社会教育施設を首長部局が所管することができるようになった中での在り方、あるいは県と市町村、政令市で役割が違うようなところがあったと思いますので、その辺りについて御意見をいただければと考えております。

 8ページ目、本日御議論いただきたい事項ですが、前回も御説明いたしましたが、社会教育主事の配置率低下や社会教育士の活躍促進などの新たな課題を踏まえての御議論でありますとか、情勢の変化に合わせた新しい段階における社会教育の展開をどのように図っていくべきか、都道府県・市町村それぞれに期待される役割とは何かなどについて、御議論いただければと考えております。また今回、社会教育委員についてのヒアリングを行いましたので、こちらについてもまた御意見をいただければと思っております。

 そして、9ページ目からは、社会教育法の経緯についての資料でございます。

 10ページ目について、こちらは参考資料の3の中に入っていたものを抜粋したものでございます。

 専門の先生もいらっしゃる中で大変恐縮ですが、ざっと御説明いたしますと、昭和24年に社会教育法という形で制定後、図書館法、博物館法なども制定されて、まさにこの時期、戦後を迎えて新しい民主的な社会を創造、構築していくという理念の基に、こういった法律ができて進めていったわけでございます。これまで議論になっていました社会教育主事の配置の義務づけについて、昭和26年の法改正で、まずは都道府県に義務づけるという話がありその後しばらく経って市町村にも義務づけようという話が進んだのが、昭和20、 30年代の話でございます。

 続いて次のページに移りまして、昭和40年代に入りまして、以前は社会教育主事ではなく、社会教育主事補の必置といった制度もあったわけですが、、この必置制が廃止されたり、それ以前に派遣社会教育主事、あるいは公民館に対する補助制度などもこの30、40年代に予算措置として充実して進められていたということでございます。

 その後、12ページに移りまして、平成に入りまして、臨時教育審議会の中で生涯学習の話題が出てきまして、文科省の組織も生涯学習局に移行したり、そして平成元年から、いわゆる生涯学習フェスティバルなどの予算事業も行い、平成2年には生涯学習センターの設置を促進するといった動きをしてきたというのが、社会教育に関する大きな話でございます。

 一方、平成の初期、平成9年に社会教育施設の整備事業について、そして派遣社会教育主事の制度について、一般財源化して地方交付税にて措置というのがございますが、地方分権、その後は地方分権だけでなく規制緩和という話がある中で、この時期様々なものが、一旦関わっていたということで、例えば平成10年の法改正では、公民館運営審議会の任意設置化などもございました。

 また、平成11年に青年学級振興法が廃止されて、これに基づいて公民館活動の大部分が行われていたと思いますが、そういった中で、戦後の節目を迎えてきたと考えております。

 その後、社会教育法に関しては様々な業務を追加するような改正がしばらく行われてきました。平成12年に教育改革国民会議で議論された、奉仕体験活動の内容について教育委員会の事務に追加したりですとか、いわゆるボランティア問題ですとか、その後、次の13ページにありますように、教育基本法の改正を受ける形で例えば家庭に関する記述あるいは「放課後子供教室」や「学校支援地域本部」が追加されるというようなことがありました。この少し前から学社融合、あるいは地域の教育力を再構築するというような観点で、学校、家庭、地域の連携といった文脈で、こういったものが重要だということで進んできたと思っております。

 そして、これもまた少し前の話でございますけれども、学校週5日制などが導入された際には、土曜日の学習はどうするのかといった観点でかなり社会教育分野の方面に力が割かれた時期だったのではないかなと思っております。

 一方、平成25年の意見の整理などでは、これは要する大学などでに自分たちが勉強した学習内容が履修証明だといった議論がある中で、社会教育主事の任用資格の有用性をどう保障していくのかという議論が平成25年頃から出てきたというのがこの資料でございます。

 めくっていただきまして、14ページ、平成27年には、コミュニティ・スクールを努力義務化しようという流れの中で、さらに法改正で「地域学校協働活動」や「地域学校協働活動推進員」といった規定が、社会教育法の中に整備されたというものでございます。

 そして、平成30年で先ほど申し上げました公民館、図書館、博物館などの社会教育育施設を、地方公共団体の長が所管することを可能とするというような改正が行われたりして、首長部局が事実上社会教育を担うような動きが進んだというようなものがございます。

 一方、その裏で、先ほど申し上げましたような社会教育主事の資格の有用性をどう担保していくのかという議論が進められていく中で、令和2年に、社会教育主事の講習規定を改正して、社会教育士が創設されました。社会教育士については、この主事講習規程の改正という形で創設されたものでございますので、社会教育法上は、社会教育委員などは規定されておりますけれども、社会教育士は規定がないという現状でございます。

 その後、第4期教育振興基本計画で社会教育の在り方について言及されました。以前から議論があったわけでございますけれども、振興基本計画というのは閣議決定ということです。そういった中で、地域コミュニティの基盤を形成するという観点からの社会教育の振興が、閣議決定でも明確に確認されて、行政として推進していくというふうなことがなされたり、一昨年令和6年、今回の新しい諮問が行われたりだとか、諮問に至るまでの前段階として、障害者の生涯学習のようないわゆる共生社会的な観点が重要であるということ、そして人材部会で議論されているような社会教育主事と社会教育士の両方を整理し直した形で、改めて社会教育人材の活躍を質的な向上と量的な拡大の両面でやっていこうと、今まさにこの審議に至ったというのが全体的な流れでございます。

 少し長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。適宜、先生方にも補足していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

【清原部会長】  髙田課長、御説明ありがとうございます。皆様、改めまして、資料4を御覧ください。

 その表紙にありますように、本日は、「社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制」、そして、「社会情勢の変化を踏まえた社会教育に関する現行法令の在り方」について、これから意見交換をさせていただきます。それに先立ちまして、本日は、先ほど鈴木会長より「一般社団法人社会教育委員連合の活動について」御報告をいただきましたし、ただいま資料として、「社会教育の振興に向けた各教育委員会との意見交換会について」、事務局がこの間、昨年末から、今年の1月末まで行っていただきました内容について共有をしていただきました。

 さらに、審議事項2として、「社会教育活動の推進方策について」、私たち特別部会が、昨年の春から昨年末まで意見交換してきた内容については資料3-1、資料3-2に、その取りまとめとして、皆様の御意見を反映したものの御説明をいただきました。

 これまでの審議事項1、審議事項2についての皆様の意見交換を踏まえつつ、さらに加えて、事務局が各都道府県教育委員会、そして指定都市の教育委員会の社会教育担当者と濃密な意見交換をしていただきました内容も、参考にさせていただくことができるというわけでございます。

 そこで、改めまして、皆様と今日意見交換をさせていただく上で、参考資料として、「社会教育法制定以降の主な社会教育施策関連の動向」も振り返らせていただいたので、現時点、私たちがどの場所に立って、法律の在り方についても提案をできるのかということも確認することができました。

 それでは、資料を4の本日は8ページに整理をしていただいております御議論いただきたい事項を踏まえながら、これから順次、皆様から御意見をお聞きしたいと思います。

 すなわち、論点の1としては、「社会情勢の変化に合わせて、新たなるステージとしての社会教育の展開を図るために、国として新たに果たすべき役割や強化すべき機能、制度改正の在り方について」。

 また、「社会教育主事や社会教育士をはじめとした地域の社会教育人材が大いに活躍していただくために、各自治体に求められる取組は何か」。

 3点目に、社会教育法の各規定のうち、社会情勢の変化等も踏まえ、また、先ほど社会教育士については、規定されていないですよという御紹介もありましたが、そのような「現状を踏まえて、刷新すべきと考えられる点について」、さらに、「社会教育委員が果たす役割について」も御意見をいただければと思います。

 それでは、挙手ボタンを押していただくか、会議室で御参加の方は名札を立ててください。どの論点からでも結構です。それでは、山本委員、よろしくお願いします。

【山本委員】  東神楽町長の山本です。ありがとうございます。よろしくお願いします。

 私どもも首長として、この社会教育に対してどう対峙をするのかというのを結構考えておりました。社会教育に関して全く無関心が首長はいないとは思うんですが、ただ、これは教育委員会サイドから関係ないよねと思っているのもなくはないだろうと思っています。しかし、今コミュニティとか、そういった政策において本当に社会教育は非常に重要な要素だというふうに私も考えておりますので、社会教育が大事だと思っている首長さんも増えてきている。これは北海道の事例でもそうですけれども、事実だというふうに思っています。

 その意味では、一つがまず首長に対するいわゆる文部科学省をはじめとする教育行政サイドのアプローチがどこまであるのか。つまり、何となく文部科学省が言っていること全て教育委員会に行っちゃうような話ではなくて、総合教育会議も含め、首長に対して特に社会教育の部分について必要性とか、あるいは意義、そういったものを含めたアプローチをもう少し見直していただく必要があるんじゃないかというのが一つ思っています。

 そういう意味では、総合教育会議の中で、社会教育を両方に所管をしている場合が結構多いですので、社会教育の議論をしていただくというのも一つこれは大事かなと思っています。

 2つ目として、その逆のサイドとして、各自治体がどういうガバナンスを持って教育全体を統括していくのかということになるんですが、もちろん学校教育とかを含めた教育委員会制度というのは非常に重要なもので、守っていかなければいけないと思うんですが、ただ、相互に乗り入れることでやっていかなきゃいけない部分、特にこの面では、地学協働とか含めたコミスクとか、そういった部分はある程度、首長サイドとそれから教育委員会制度で共同でやっていかなければいけないというのは非常に見えてきておりますので、そういったガバナンス全体も首長あるいは教育委員会がしっかり対応しながらできるような仕掛けというのをしていく必要があるんだろうと思っています。

 社会教育法全体が少し古めかしいというか、戦後の社会教育の全体の中でのやってきた意義というのはすごく大事だと思うんですが、総合教育会議とか含めた現代的に改正されてきたときに、そこの部分が少し落ちていった部分があると思うので、そういった部分の改正なんかをひとつお願いをできればと思っております。

 以上でございます。

【清原部会長】  山本委員、ありがとうございます。1点目は、首長へのアプローチについて、総合教育会議の意義を含めて社会教育についてもっと周知をという方向性、2点目には、各自治体のガバナンスを踏まえて、コミュニティ・スクールをはじめ学校教育だけではなくて、社会教育の意味、意義も大きいことから、法改正の中に、そのような内容を現代化して含めてはどうかという御提案です。

 確かに今、御紹介いただきましたように、私たち審議事項の2においては、特に、「地域と学校の連携、協働のさらなる推進方策」として、「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進」については、「社会教育人材の役割強化」も含めて提案をしているところでございますので、それを踏まえて、審議事項3についても、国や自治体の在り方について提案をしていければなと思います。ありがとうございます。

 それでは、皆様いかがでしょうか。オンラインの方も大丈夫ですかね。

 では、古賀委員、お願いいたします。

【古賀委員】  古賀です。前回社会教育委員について意見をさせていただいたことによって、今回発表の機会も設けていただき、非常に理解が進みました。

 改めて、社会教育法の第17条を拝見して、今回その追加の論点として、社会教育委員の果たす役割ということが示されているんですが、「計画立案、提言、調査研究」とあり、まさしく中間支援と同じ機能とも読みました。

 一方で、先ほどのご発表では、公募が行われているところが多いとのことでしたが、私が存じ上げる範囲なんですが、社会教育委員自体の任用は非公募で行われている例も多いように見受けております。中にはもはや充て職のようになっていて、それゆえにマンネリ化したり、事務局である行政も含めて主体性がなくなっていたりする例も見受けられます。

 一方で、先ほど「社会教育士と社会教育委員が、距離がある」といった御発言もありましたが、社会教育士の取得をきっかけにして、もっと地元でコミットしていきたいという意欲的な方も増えてきている印象です。そこで、ここはぜひ公募という形を取っていただいて、新しい息吹が入る流れにし、条例でもオーソライズされる形で社会教育士なり社会教育主事が活躍できる、ひいてはキャリアパスとして民間の人材にも社会教育委員という職務が認知されるようになったらいいなと思いました。

 それからもう一つ、先進事例のヒアリングでネットワーキングについても触れておられたことに関連して、今年度、社会教育講習の対面講習と併せて、オンラインの講習も担当させていただいたときに、恐らく受託業者によって、事後のフォローアップも異なっているのかもしれないと感じました。

 長らく担当している対面の講習では、懇親会も含めて、事後のネットワーキングを当たり前のように行われているんですけども、どうしてもオンラインとなりますと広域的に参加する方も多く、いろんな立場の方もいらっしゃって、なかなかネットワークまで落とし込むことが難しいと思います。国へのお願いになるかもしれないんですが、社会教育主事講習の委託に際しての仕様書なりで、その事後のネットワーキングの創意工夫についても加味をしていただくとよりよいと思いました。

 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。古賀委員が前回、そして安齋委員も「社会教育委員の在り方についての検討」を問題提起していただいたおかげさまで、本日、ゲストをお呼びすることができまして、ありがとうございます。

 その社会教育委員については、中間支援的な機能もあることであるし、社会教育士の増加とも関連して、公募制ということをより明確にしていってはどうかということ。そして、ネットワーキングについては、例えば社会教育主事講習等のオンラインの取組をしている受託事業者に対しても、ネットワークやフォローアップを必要な要素として加えてはどうかという御提案でした。ありがとうございます。

 それでは、安齋委員、お願いします。

【安齋委員】  安齋です。古賀委員のほうからも社会教育委員については、御意見があったと思うんですけども、私も本日のこのニューズレターという資料を見ても、全国1万8,000人も社会教育委員という方たちがいて、ほとんど95%以上設置されている社会教育委員、この機能、人材をやはり社会教育をこれからどんどん推進していく上で、有効に活用していく、機能させていくということはすごく重要なのではないのかなと、形骸化しているからもう要らないというよりは、やっぱりそれを活用していくためにはどうしていったらいいのかという議論をもっともっと深めていかなきゃいけない。

 古賀委員のほうから委員の公募制というのも一つの案だと思いますし、私が一番課題として感じているのは、鈴木会長さんが首長の理解というのを強く言っていましたけど、もちろんそうだと思うんですが、やはり社会教育委員が力を発揮できるかどうかというのは、私は自分の経験から言うと事務局である生涯学習課とか社会教育課と言われているところの担当者の力と言うんですか、課としての力と言ってもいいだろうし、もっと言うと教育委員会としての力なんだろうかと思うんですけども、やっぱりそこがないところは結局ほぼ活用できていない。

 今日の実践事例にあるようなところはきっと事務担当がやっぱり社会教育を活性させるために、この人たちをこんなふうに使って調査研究をして、そして教育委員会の行政に反映させていくという明確な方向性を持って取り組んでいる。だとすると、やっぱりなぜ力がないのかというと、社会教育主事の発令が進んでいないというところにも行き着くのかなと。

 各都道府県教育委員会の意見聴取の中で、社会教育主事を発令しない理由として、発令者がいなくても業務遂行は可能であることというのが挙げられているんですが、本当にそうなんだろうかというところを、教育委員会が言っていることをうのみにするんじゃなくて、その辺が本当に社会教育主事の活用をできない言い訳になっているんじゃないのかなということをちょっと心配しています。

 ですから、やっぱりその社会教育委員も含めて私は事務局としての教育委員会、そして生涯学習課とかそういう担当する課の力を上げていく。社会教育を推進するためにもそういった力を上げていくために、国や各地方公共団体が、何ができるのかをもう少し突き詰めていく必要があるのかなというふうに感じました。

【清原部会長】  安齋委員、ありがとうございます。社会教育委員の全国的な配置状況、もちろん人数は減少傾向にあるけれども、やはり有効に機能していることをより活性化していく必要性、そのためにも市長の理解のみならず事務局の取組みが重要ということでした。

 私もそれで思い出しました、私の経験は数は少ないのですが、やはり私もある市の社会教育委員の皆様の企画による社会教育大会というか、生涯学習まつりのようなところに講師としてお招きをいただいたことがあって、社会教育委員の皆様が企画して運営をして、様々な活動報告もされているんですが、今おっしゃったように、それができているのはやはり事務局がそうした社会教育委員の皆様の活動を事務的に支えているし、そのような取組を絶やさず継続しているという、そういう力にあったのかなと私も共感したところです。ありがとうございます。

 それでは、美田委員、まず、お願いします。

【美田委員】  ちょっと同じような点でもございますが、首長様次第といったところ、すごく私も感じています。かなり温度差があるなというのがありますが、私も社会教育委員の方って、いわゆる御用的にというか、よく出てきてくれる人が結局地域ごとになってくださっているというのもあって、社会教育に関して造詣深く何か取り組んでいらっしゃるというわけでは決してないんだなと昔から感じていました。なので、何なら今回のこの社会教育士であるとか社会教育主事というものが、何かの単位、一部だけでもやっぱり必須的に学んでいただく、知っていただいたほうが、より各地での議論が広まるような、深まるような気もしておるところです。

 教育委員会なのか首長様なのかによって違ってくる、もう多々感じているところなんですけど、先ほど、そういった選挙の資格をという話も出ていましたけど、一番最初の会議の牧野先生がおっしゃった、学校教育と社会教育とあって、大きく社会教育というものが生まれてから死ぬまでにこの日本社会を取り巻いていって、その中に当然のように学校教育があるというようなこの絵図といいますか、構図といいますか、何か無理に学ばない、それを知らないと社会教育に入っていけないという空気よりも、本当は何か生まれてから当たり前のように感じていけるような社会というのが最終的に構築できると、何かわざわざつくるものではないような気もしていて、ちょっとその辺の仕組みを深く考えてみたいなと私自身は考えるところでございます。

 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。改めて社会教育委員の皆様の多様性を尊重しつつも、社会教育について一定の専門性を身につけていただくことと、生まれてからの生涯にわたる学びの環境の重要性ということを改めて御提案いただきました。

 それでは、杉野委員お願いします。

【杉野委員】  すみません、感想レベルになるかもしれませんが、ずっと首長部局への働きかけという話はこの底流に流れていたと思います。

 地方自治といいますか、地方行政を担うには、最小の経費で最大の効果を生まなければならず、常に必要な行政の在り方というのを見直すということが私たち行政には求められております。

 そのときに、この社会教育という分野にどこまで予算がかけられるかというと、非常に難しいと私は現実的に思っておりまして、意義は十分にあるというのは、今回こうして参加させていただいて、社会教育分野や社会教育士というものに対する期待感というのは改めて認識をしましたし、首長部局のほうにもそれを私は今、働きかけをしておりますけれども、ただ、全体自治体の予算の中で、社会教育の分野にどれだけ目を開けられるかというのは、もちろん首長次第であったり、教育委員会教育長の考え方もあると思いますが、なかなか厳しいのが現実かなと思っております。

 ただ一つだけ、私がこの参加させていただいて思いますのは、この地域コミュニティの基盤を支えるのが社会教育だという点は自治体にとって重要な観点です。この少子高齢化の中にあって、また、地域の中の人材不足ということもあって、地域コミュニティ自体が衰退化している中で、地域の担い手、地域コミュニティの担い手というのを首長部局のほうも渇望しているというか、打開策を探っています。

 ただ、ここにも予算がなかなか振り向けられない中で、学校を拠点とした地域のネットワークというのはとても強いと思いますし、人材としても、社会教育委員もしくは社会教育士もしかり、首長部局で地域の中で不足している人材をここが社会教育人材基盤となって、地域コミュニティに貢献できるという視点はとっても重要です。なので、社会教育ありきというよりは地域基盤を支えるという観点から、共通テーマで何かできるといいなと思いますのと、できれば財政的措置があると本当はもっといいなとは、思ってみたりします。

 この仕掛けをどうやってやっていくか。名古屋市でいえば生涯学習センターに通う人たちは同じように福祉会館にも通っている、両施設が必要かという統廃合の議論が浮かんで消え、浮かんでは消えしながら何年かおきに出てきています。

 これも、地域の中で社会資源としてどう維持していくかという視点もとても重要だと思っておりますので、これを横串に刺す仕掛け、工夫が具体的にちょっと私は申し訳ありませんが、そういう知恵が必要ではないかと思います。

【清原部会長】  杉野委員、ありがとうございます。名古屋市副市長として、市長部局、自治体行政の観点から問題提起いただきました。

 最小コストで最大利益を上げるという中で、行財政改革の中では、なかなか社会教育にきめ細かい人や財源は出せないかもしれないけれども、人口減少社会の中で人材確保、そして、地域のコミュニティの希薄化を避けるというのは、市長部局ももちろん認識しているわけだから、仕掛けや、いい意味でのすみ分けや、市長部局への適切な働きかけも重要であるという現状を踏まえた問題提起いただきまして、ありがとうございます。

 それでは、金澤委員、お願いします。

【金澤委員】  首長の皆さん方も、やっぱりこれだけ社会情勢が変化して、複雑化して、学校教育もしかりですけれども、孤立・孤独、あとはコミュニティがなかなか薄くなってきている中で悩まれていろいろやられていると思うんです。

 そういう中で、今日いろいろお話を聞いていると、社会教育委員とか社会教育士とかすばらしいリソースがあるにもかかわらず、やっぱりその歯車がなかなかうまくかみ合っていなくて、この首長サイドの方々とこのリソースをいかに活用できるか、歯車を合わせるかということをうまくできないかなとはすごく感じます。

 そういう中で、やっぱり首長サイドもいろいろ多少のグラデーション、濃淡はあろうとは思うんですけど、皆様方も課題認識をしている中でどうやっていこうと思い悩む中で、もっともっと好事例みたいなものを発信、どこかでしていただいて、それは文科省なのかもしれないですけれども、やっぱりそういうものをもっともっと横展開をするような仕組みとか仕掛けをつくっていく必要があるのかなと。

 私たちやっぱり民間企業で何かをやるときには、地域によってグラデーションがありますけれども、ここの地域でこんなすばらしいことをしている。それをやっぱり横展開をして、先ほどの副市長の話もありましたけど、コストをかけずにいかに最大化していくということは、やっぱり事例共有をして横展開をする。その横展開をさせる仕組み、仕掛け、インセンティブを与えてあげるということがすごく必要なのかなと思いました。

 以上です。

【清原部会長】  金澤委員、ありがとうございます。それだけ人材が豊かにあっても、しかし、十分に活用ができていない、あるいは認知されていないということであれば、好事例を発信して横展開をしていくことが必要であると。

 これは、私もこの間、両副部会長とお話ししたんですけれども、今回、事務局で社会教育の振興に向けた各教育委員会との意見交換会をしていただいて、かなり、自治体において御努力されている好事例が集まったとも思いますので、今回の御報告というのはちょっと抽象度が高く、皆様と共有をさせていただくためにまとめていただいているんですけれども、やっぱり、47都道府県、20指定都市に対して、しっかりとヒアリングをしていただいた今回の取組というのは大変重要な意義があると思います。そこで、この中での好事例については、ぜひ固有名詞を出す、出さないは別として、発信をしていただければいいかなと思いましたが、いかがでしょうか。皆さん、知りたいですよね。

 それから、もちろん困難な事例というのも私たちは直視しなければいけないと思うんです。なぜ、なかなか円滑に社会教育の展開がいかないか、やりにくいかということも、今回聞いていただいたと思います。それは文部科学省への要望の中にも表れていたと思うんですが、私は、皆様が求めているのは、財政的な措置だけではないと思うんですよね。

 実は昨年、国立教育政策研究所社会教育実践センターがめでたく60周年を迎えられたということで、先ほどの髙田課長の御説明で歴史的な経過を見たときに、まさに本当に60年前、このセンターができたということは、社会教育の課題を調査研究するとともに人材育成の必要性を持って取り組まれてきたと思うんです。そういう両者が相まって好事例と、なかなか困難な事例というのをやっぱり発信していくというのは重要だと思いますし、金澤委員におかれては、御社が大変地域に根づいた自治体との多くの連携協定に基づく取組をされているので、国及び自治体への政策提案のときには、地域の企業の皆様の取組みを巻き込んで、人材においてもいろいろな資源においても協働していくというようなことはもちろん、好事例の中に含めつつ提案をしていければなと思いました。

 ありがとうございます。それでは、牧野副部会長、お願いします。

【牧野副部会長】  ありがとうございます。今日は少し議論の抽象度が高いので、皆さん、発言があまりないようなので、発言させていただきます。少し多くしゃべるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

 ちょっと歴史を振り返りたいのですが、今年は実は公民館構想80年なのです。それからあと、新しい教育基本法ができて20年で、旧法から入れると79年、学校教育法も79年で、社教法が77年になるかと思うのですけれども、それら法的な体制も含めて今、社会の一つの大きな転機を迎えているのではないかと思います。

 それは大きくいえば少子高齢化、それから人口減少といったことが各地にいろんなことを、いろんな事態をもたらしていて、特に東京一極集中が終わらない中で、いわゆる地方と呼ばれているところが非常に急速に疲弊するということが起こっているのでだと思いますが、さらに今、学校そのものも大きく変化しなければならない時期に来ているのではないかと思います。

 例えばコミュニティ・スクールの構想が出てもう既に10年経ち、各地で展開されていると思いますし、さらには総合的探求の時間等が入ってきて、子供たちが地域社会に出ていくようになって、従来の学校のように、ある意味で子供たちを学校に入れていって、同じような空間で同じ教育内容を同じように与えていくという一斉教育の在り方が、どんどんこれから変わっていく、そういう変化のとば口に、いまわたしたちはいるのではないかと思います。

 実は、つい二、三日前も長野県の飯田市に行っていたのですが、そこで公民館大会があって、高校生に壇上に上がってもらって話を聞いたのですけれども、女の子たちなのですが、彼女たちが言ったのが総合的な探究の時間とか、いろんな形で地域に触れ合うことができるようになって、自分たちの世界が広がったと言うのです。

 そして、そういう学びの過程で新しいことを何かしたいと思って、大人の人と相談しながら、自分たちがサークルを立ち上げて、地域で様々な情報発信の試みをしていると言っていましたけれども、そういうような事例が各地で今起こっているのだと思います。例えば町内会ですとか自治会の会長を、高校生がやったりする地域も出てきたりしていますので、そういう意味でも、このような新しい世代が出てきているということにおいても、すでに従来のような社会ではなくなってきているのではないかと思います。

 さらに、今日の議論には法改正の話もあるのですけれども、日本社会はここ40年ほど「失われた」とずっと言われているわけですけれども、地方分権の議論がずっとあって、それは従来のような国が引っ張っていくですとか、過去よく言われた護送船団方式と言われるような、国が経済政策をつくり、企業がそれにくっついていくといいますか、一体として、全体として同じような経済発展のモデルを組み込んでいって、経済発展、規模を拡大していくという社会がずっと続いてきたわけですけれども、それが崩れてきて、既に40年近く経つのです。

 その過程で様々な試みがあり、地方分権もしかりですし、さらにはいわゆる新自由主義と言われるようなサービス化の議論があったりですとか、そんなことの中で国民一人一人の価値観がどんどん多様になっていくということの過程で、多様になっていく価値観にどのように対応するのかということで、政策的にも随分悩み、右往左往してきた。さらには、それが教育政策にも反映する中で、様々な取組がなされてきながら、また十分に成果が得られないまま、ある種の停滞をしてきたというか、そんなような時期を私たちは過ごしてきたのではないかなと思うのです。

 こういう社会の中で、例えば社会教育を考えますと、私たちが学んできたのは、社会教育とは学校教育以外の社会において行われる組織的な教育活動であるということが基本であるということであり、常に学校教育を基本に社会教育を捉えることが、ある種、習い性になっているというか、そういうような認識の構造になっていたのですけども、これは当然なのだろうと思います。例えば明治維新以降、明治5年に、1872年に日本は学校制度を導入をし、近代学校制度の整備に入ってきて、学校をつくり、そこを生活の基本単位にし、自治単位にしてきた。

 さらに、特に戦後は学歴社会が出来上がる中で、学校に行くことが自分の人生を決めるというような社会をつくってきて、学校化社会というふうに揶揄されるような状況をつくり出してきた。こうして、私たちが教育と聞くと、学校を思うような社会の在り方をつくってきたということにおいては、社会教育はやはり学校教育以外のということになっていたのだろうと思います。しかも、戦前から学校教育からこぼれ落ちてくる人々をすくい上げて、社会福祉ではなくて、むしろ自ら自立できるように支援していくというのが社会教育の役割の一部でもありましたので、そういう意味では、戦前から社会事業と重なるところがとても多くある営みであって、単に教育行政ということだけではなくて、戦前であれば内務行政、戦後であれば一般行政と重なるところがとても多い分野としてあった。

 その意味では、社会教育を敢えて教育というふうに語ろうとすると、どうしても学校教育以外のというように言わざるを得なかったのだと思いますけれども、それが実はこの間、先ほども御紹介ありましたが、第4期の教育振興基本計画で概念規定を変えるという方向性が強く出てきて、学校教育以外のではなくて、むしろ社会基盤をきちんとつくっておく、人々の「つながり」や「かかわり」の土壌を耕しておくのが社会教育なのだという規定が入ってくるようになって、学校教育を置かなくても自らを規定することができるような概念に社会教育が変わってきた。

 言い方を変えれば、こちらの分科会でもずっと第9期の分科会以降議論してきましたように、人々の生活がとてもある意味では毀損し、疲れ、崩れてきてしまっていて、そして、社会の底が抜けるという表現を私は使ったりしますけれども、格差が広がり、貧困という問題が広がったりする中で、従来一律に見ていればよかったこの国の地域社会が、どんどんどんどん多様化していくといいますか、言い方を変えれば個別化していってしまうということの中で、人々が孤立するという状況が生まれているのではないか。

 それに対して何とか社会教育のほうで手当てができないかという議論の中で、改めて「つながり」や「かかわり」をつくりなおすということが重視されたのが、第4期の振興計画ではないかと思うのです。こういう経緯の中で、新たに法的なものを考えていくということになりますと、現行法でも社会教育は、家庭教育及び勤労の場所以外、社会において行われるという規定になったままになっていますので、これは旧教育基本法ですね、すみません、現行の社会教育法では、学校教育における教育課程以外のところは社会教育だという規定になっていますから、そうしたものを改めていく必要があるのではないかとも思います。

 さらにもう一つ、やはりここのところどんどん多様化して社会や個人のニーズに応えようとして、分権化の中で何を国ができるのかといったことが問われているのだと思いますが、その多様になっていくものに何かサービスを提供して、応えていくということよりは、むしろ人々が社会をつくり出していく自由を保障するために、国として何ができるかという議論をすべきではないかという印象を持っています。

 まだこれはうまく言えないのですけれども、例えば現行の社会教育法は、いわゆる社会教育の自由のための法律だと言われることがあって、非常に禁止事項の少ない法律なのです。しかも、公民館中心に書かれたものになっていて、さらに図書館法と博物館法が別にあるのですけれども、これはある戦前・戦時中への反省を基にして、抑圧や制約からの自由を最大限保障するために社会教育法があるのだというような表現をされてきたのですけれども、これからはむしろそうではなくて、つまり何かサービスを提供して要求に応えていくとか、または何か制約から解放していくということではなくて、むしろ一人一人が当事者として地域コミュニティをつくっていく自由を保障するというような、何かそういうような方向性を強く持たせるような法改正、改正するとすればですけれども、そういう方向性が出てくるとよいなというふうに私、個人的には考えています。

 その意味では、社会基盤をどうつくっていくのかというときに、今の分権化の流れの中では、例えば各自治体が住民サービスを提供するという議論がとても強くなっているわけですけれども、多様化していくものすべてに、行政がサービスを提供して、そのニーズを満足させることができるかというと、そうではないはずですので、むしろ、住民の方々一人一人が自分の生活をきっちり支えつくっていく、新しい生活をつくり出して、自らそこで当事者性を持ちながら、自分の人生を謳歌することをきちんと行政が支えていくというか、保障するために、社会教育法があるのだというような、何かそういうようなつくり方になっていくといったことが求められるのではないかとも思います。

 この意味では、社会教育はいわゆる教育行政の内部だけの問題ではなくて、このところ、社会教育人材論で議論していますように、教育委員会の中にあって教育という手法を使うのだけれども、一般行政とも連携を取りながら、もっと言えば一般行政そのものが、住民がきちんとそこに参画することによって、本来やるべきことができるような社会をつくっていく、そういうことにつながるようなものだということを押さえておく必要がある。

 その意味では、「つながり」や「かかわり」の基盤をつくっていくというか、土壌を耕すというようなことが、今一番大事になってくるのではないかと思います。そんなことを少し議論に反映できるとありがたいなと思って、お話を聞いていました。

 その中で、今日の鈴木会長がおっしゃったような社会教育委員の位置づけ、きちんと法的には規定されているのですけれども、私たちも十分議論してきませんでしたし、私もある自治体の社会教育委員をやっているのですけども、そこはとても活発で、毎月1回ぐらいあって、調査研究までやらされるという、やらされると言ってはいけませんけれども、やらされるような大変な社会教育委員会なのですけども、やはり楽しいですよね。

 そしてそれが行政施策に反映していくがやりがいを感じたりします。社会教育委員の在り方も含めて改めて議論し、社会教育委員、それから社会教育主事はきっちりと必置であることを示す。さらに社会教育士を広く養成していく過程で、社会全体の基盤整備をしていくということを、社会教育の使命として書き込めると、とても魅力的な法律になっていくのではないかと思っております。

 すみません、長くなりました。以上です。

【清原部会長】  牧野副部会長、ありがとうございます。

 改めまして、社会教育法の第2条に定義されている社会教育の定義の再検討の必要と、むしろその社会教育をめぐる理念といいましょうか、教育の中だけにとどまらない、まさに行政全体に関わるようなことの記載がなかなか見つからない中、そのような方向性のことも含めていけないかということです。

 今、小見委員、小田切委員、八木委員、手が挙がっているんですけど、先ほど冒頭、牧野副部会長から高校の探求学習によって、まさに若い人たちが変化してきているという事例を紹介されたこともあるので、東委員に、一言触発されて発言していただいて、その後、小見委員、小田切委員、八木委員、青山委員の順でお願いします。

【東委員】  突然振られて何をしゃべろうみたいな感じなんですけど、そうですね、本当に探求の授業によって、初めて地域の方たちと関わってみて、自分の地元ってこんなに面白いんだみたいに言っている子も私もすごくたくさん見ていて、私の団体の子たちも、地域活動として地域の方たちと関わって、将来の夢ができたとか言っている子もいたりとか、本当に自分の視野が広がっているみたいなのを実感していますというのと、この流れでちょっとしゃべってもいいですか。

【清原部会長】  どうぞ。

【東委員】  せっかくなので、しゃべろうかなと思っていたことをついでにお話しさせていただくんですけど、社会教育委員って結構形式的なものみたいなイメージを持っていたんですけど、実習で行ったところでちょうど社会教育委員の会議に参加させていただいて、そのところはワークショップ形式で会議をされていて、それがすごくびっくりして、何かがっつり会議みたいな感じじゃなくて、みんなでわいわい話し合いながらやっているような形で、私も参加させていただいたんですけど、すごく楽しくて、いいなと思って、その委員の方たちは、読み聞かせとか子育て支援とかされている実践者も多かったような委員会だったので、何かワークショップ形式というのが生かされた、生かされているんだなというふうに感じたんですけど、そんなに工夫してやっているのが地域住民にあまり知られていないというのがすごくもったいないなと感じて、公民館だよりとかみたいにもっと地域住民の人たちも、社会教育委員の皆さんがどういうことされているみたいなのを知れる機会があったらいいなと思いました。何か会議で話したこととかがどう政策に反映されているかとかを分かりやすい形で見えるようにしていただくのはどうかなと思って、会議の内容とか後で文書とかで出されたりとかすると思うんですけど、文書とかだとなかなか見るときにハードルがあるというか、ちょっとやる気が要るかなと思うので、分かりやすい形で、私たち地域住民にももっと身近に感じられるような工夫というのも大事なのかなと思いました。ありがとうございます。

【清原部会長】  東委員、突然、ごめんなさい、御意見いただきありがとうございます。

 私は特別部会に高校時代の探求学習を契機に、社会教育に関心を持ち、今社会教育主事講習も受けていただいて、実習先で社会教育委員の皆さんのワークショップなどもまさに見学して、触発されている東さんの発言というのは大変重要だと思って、お願いをしてしまいました。ありがとうございます。ぜひこれからも遠慮なく発言をし続けていただければと思います。

 それでは、オンラインで御参加の小見委員、お願いします。

【小見委員】  ありがとうございます。社会教育委員のことだけじゃなくて社会教育法についても意見述べても大丈夫でしょうか。

【清原部会長】  もちろん大丈夫です。全然オーケーです。お願いします。

【小見委員】  ありがとうございます。NPO法人みらいずworksの小見まいこです。

 社会教育委員について1点、社会教育法で刷新すべき点や重視すべき点について2点述べさせていただきます。

 まず、社会教育委員についてです。私自身も県の社会教育委員を務め、現在、社会教育行政に対する提言を検討している立場として、また、CSマイスターとして各地の社会教育委員会議を見聞きして感じていることがあります。先ほど安齋委員がおっしゃったように、社会教育行政の側が社会教育委員の役割を正しく理解し、その機能を戦略的に生かしていくという視点が必要だと考えています。社会教育委員は地域の実態を踏まえながら、行政と市民をつなぎ、方向性を示す存在だと考えているのですが、その機能を十分に発揮できる設計になっているのかどうか改めて問い直す必要があります。

 その上で、古賀委員や美田委員がおっしゃったように、委員の選定と育成というのは大事だと考えています。社会教育法第17条に示されている役割を見ると、単に意見を述べるだけでなく調査、審議を行い、専門的な知見に基づき提言を行うことが期待されているんですけれども、そういった人選がなされているのかどうかというところが気になっています。例えば学校教育、社会教育、地域づくり、子供・若者支援など多様な実践を横断的に理解できる人材ですとか、政策と現場をつなげられる人材、また、公募を含めた機能を意識した選任というところが求められるのではないかと思っています。また、委員同士が目線を合わせながら議論できるような育成やオリエンテーションの仕組みも重要です。

 コミュニティ・スクールにおける学校運営協議会の委員でもそうなのですが、充て職での選定や、年に二、三回の会議では、なかなか期待されている機能が発揮できずに形骸化するというふうにも言われています。社会教育委員も同様に単に任命して終わりではなくて、社会教育の理念や地域の課題を共有し、対話を重ねながら熟議できる土壌を整えるということも、社会教育行政には求められているのではないかと感じています。

 次に、社会教育法で刷新すべき点や重視すべき点についてです。今ほど牧野副会長がおっしゃったように、自由を保障するという議論に非常に賛同しています。NPOや市民として公民館に関わろうと思ったときに、もっと自由だとよいのになと思ったことが多々あります。まず、公民館が行ってはいけない行為について述べている社会教育法の第13条第1項についてです。皆さん、お手元の資料にもあると思うんですが、1のところに、専ら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させ、その他営利事業を援助することという規定についてです。

 公民館の公共性や中立性を守るために重要な役割を果たしてきた規定だと考えております。ただ、今まで文科省からもその解釈や事例についての通知などをしていることは承知しています。その上で人口減少や地域課題の複雑化、そして営利とか非営利の協会が多様化する現在の社会状況の中で、専ら営利を目的としてという文言の受け止め方や解釈の仕方が様々であるため、社会教育法の中でももう少し明確にしたほうがよいのではないかと考えています。

 公民館が地域の企業やNPO、ソーシャルビジネスなどと協働しながら、地域課題に向き合う取組が各地で少しずつ広がってきていますが、現場では、持続可能な運営のために協働する側として経費は必要だが、どこまで可能なのか、それを許容できるのかというのが分かりにくいという声も耳にしますし、私たちも実際そう思っていて、なかなか公民館が協同先になりにくいなというふうに感じていて、一緒にやるという挑戦を控えてしまうケースもあるように思います。

 そこで専ら営利という概念を公共性との関係でより丁寧に整理をしていくということがこの社会教育法においても必要ではないかと考えています。また、公共性が担保され、住民の学習権の保障に資する場合には、一定の収益事業を可能とするという方向性も明文化するということも検討に値するのではないかと思っています。今、地域運営組織においても経済を回すということも重視されています。公民館も民間と協働しながらノウハウを学んで、持続可能な運営の視点というのを制度の中に位置づけていくということが、公民館の将来を守るということにもつながるのではないかと感じています。

 2つ目、社会教育法について2つ目です。公民館の目的を示した第20条と事業を示した第22条についてです。公民館の役割そのものを改めて前向きに位置づけ直すことが必要ではないかと考えています。公民館は単に学習機会を提供する施設というだけでなく、地域の多様な主体が出会い、対話し、共に学びながら、地域の未来を形づくっていけるソフト的な拠点でもあると考えています。

 私自身、子供や若者の探究学習や社会参画の実践に関わる中で、地域企業やNPOと協働する学びが子供たちのキャリア形成、先ほどの東さんの話にもありましたけれども、社会へのまなざしを大きく広げるという場面を数多く見てきました。そうした学びを地域で支える基盤として、公民館がより柔軟に学校や地域、企業、NPO等、多主体と協働できる環境を整えていくことは、これからの社会教育にとって大きな意味があると思っているのですが、一方で、そこまでは公民館の役割ではないというブレーキをかけているケースというのも多々見てきました。

 それゆえに、公民館の役割として、施設として受け身でできるということだけを担うのではなく、地域にアウトリーチしながら、地域課題解決や多主体協働のハブ的役割、多世代の居場所、子供・若者の社会参画の支援等、現代的な課題に即したものも追加してはどうかと考えています。もちろん、そういったことを既にやっている公民館が多々あることは、よくよく分かってはいるんですけれども、そうでない公民館というのも多々ある中で、そういったことも期待されているということを明記することが各公民館の挑戦、またさらなるイノベーションを生むのではないかと思っています。

 以上です。長くなってすみませんでした。ありがとうございます。

【清原部会長】  小見委員、大変にありがとうございます。1点目、社会教育委員については、委員の選任と育成が重要であるということ。また、社会教育法の改正については、特に第22条あるいは第23条の公民館の在り方について、具体的に御提案いただきました。特に多様な団体が、多様な目的で使えるようなものにするということと、営利の考え方についての問題提起いただきました。どうもありがとうございます。

 それでは、小田切委員、よろしくお願いします。

【小田切委員】  ありがとうございます。地域研究の立場から3点ほど簡潔に申し上げてみたいと思います。

 その際、資料3の意見の整理、多分これをどういうふうに強調して、制度、施策にするべきかということになると思いますので、それに即して3点ということになります。

 一つは、非常に細かいことかもしれないんですが、実はこの中に、前回青山委員が発言された「目的が明確な学びの手前」と、これが入ったことは大変重要だろうと思っています。社会教育の楽しさとか面白さとか、あるいはそのために社会教育が持っている柔軟性という社会教育的態度といいましょうか。それを明確にしているという話だと思います。

 実は地域研究でも同じような議論をしております。いわゆる関係人口をめぐって、助ける、助けられるという、そういう枠組みで議論してしまうと事が進まない。むしろそこに楽しさなどを入れていくことが重要だという議論です。ただ、そこでの経験から分かることなんですが、実は手前に広げるというのはひと手間かかることです。つまり、そこにコーディネーターが必要であったりとか、自然に手前まで行くわけではなくて、ここの広げるということを社会教育行政の中でどう考えるのかということを位置づけていただきたいと思います。

 それから2点目は、地域コミュニティに関わること、もちろんこの諮問自体が地域コミュニティの基盤となる社会教育ということですので、当然なんですが、それを今回の意見の制度の中で明確に位置づけたということは大変重要かなと思います。

 その際、杉野委員、杉野副市長が先ほどおっしゃったように、コミュニティ政策の位置づけの難しさというのは確かにあると思います。振り返ってみればいろんな市町村、県でコミュニティ推進課という課ができるんですが、これは新しい首長の登場とともにできて、そして、その退出ともに消えてしまうという非常に不安定なもの、そういうふうに考えると、今回社会教育法の中でコミュニティの基盤としての社会教育という位置づけがなされることによって、実はこうした行政の領域や分野の安定化が期待できるのではないかと思います。

 ちなみに先ほども、小見委員から地域運営組織の話が出ましたが、最新の速報ですが、組織数で8,500ぐらい。それから約1,700の市町村数に対する割合でいうと52%ぐらいまで広がっておりまして、そういう意味では、既存のコミュニティをサポートするような、あるいは場合によったら代替するような新しいコミュニティが広がり始めている。ただそれを支えるような政策的基盤がないということ、これを改めて共有化してみたいと思います。

 それから3番目は、この意見の整理の最後のほうで主事・教育士、CS推進員、これが連携するということが書いてあって、このことは大変重要だと思います。間違っても、役割分担とは書かないでいただきたいなと。これは社会教育行政でも大変重要な論点だと思いますが、どうしても役割分担ということになると、一本の線を引いてしまう。霞ヶ関用語で言うとデマケーションということになってしまいますが、そうではなく重複感が仮にあっても、それがチームをつくるような、そういうふうなイメージを持つということが大変重要なんだろうと思います。ひょっとしたら、社会教育委員もそこに入ってくるのかなというふうに思いますので、そんなチームづくり、これも政策の中に取り入れていただきたいなと思います。

 以上です。

【清原部会長】  小田切委員、ありがとうございます。コミュニティ行政の視点から学びの手前は重要だけど、ひと手間かかるという確認、そして地域コミュニティの位置づけを明確にしていくことの意義を再確認していただくとともに、人材の連携は重要であるけれども、役割分担というよりもむしろチームでという、これは境界は引かないでむしろ越境していくというか、そういうチームづくりだと思います。ありがとうございます。

 それでは、オンラインで御参加の八木委員、お願いします。

【八木委員】  八木です。どうもありがとうございます。資料4の8ページの論点の1のところで、「社会情勢の変化に合わせ、新たなステージとしての..」と記載があり、外国人住民の増加の現状に沿って、社会教育との関係を御報告させていただきます。

 現状として、行政で社会教育を担当する部署と国際、外国人受入れを担当する部署間に縦割りの壁があることと、また、外国人住民の場合は、コミュニケーション、文化・習慣の違いから、どうしても一般向けの社会教育から取り出して、別事業として実施されていることが多いと思います。この特別部会で、公民館が中心になって、外国人住民向けの日本語教室を開催したり、多文化共生の事業を展開したり、されていることが取り上げられました。

今、外国人住民が急増している中、外国人住民を取り出すよりも、一般的な社会教育に、外国人住民の視点を入れていくことの方が効果的です。これを目的としたら、外国人住民向けの事業を実施している国際交流協会のスタッフや地域日本語教室で活動するボランティアの方々が、社会教育主事講習を受け社会教育人材となることができれば良いと考えます。社会教育で必要となる外国人を含めた地域の多様性を学ぶ機会と位置付け、国際交流協会に社会教育主事・社会教育士講習を宣伝、広報し、社会教育人材が増えれば、活躍できる場も拡大していけると考えます。

 例えば文科省では、登録日本語教員の資格制度を進められていますが、社会教育人材育成と連携して制度設計ができたら双方に相乗効果が期待できるものと思っております。

 外国人を取り出して事業を行うよりも、地域包括的な取り組みの中で、外国人住民と共に社会教育を広げ、多文化共生社会づくりを推進していく視点を持つことが重要であると思っています。

 最後1点、社会教育主事講習に、「外国人の人権」、「異文化コミュニケーション」、「異文化理解」のような科目があると良いのではないかと思います。

 以上です。

【清原部会長】  八木委員、ありがとうございます。外国人住民の増加の中で、社会教育についても地域包括的、多文化共生の視点から、社会教育主事や社会教育士の理解も含めながら、対象であるだけではなくて主体にというような観点からの問題提起いただきました。ありがとうございます。

 それでは、時間の関係で本日最後になると思いますが、青山委員から御発言をお願いいたします。

【青山委員】  青山です。大きく3点、提案させてください。

 1点目は今日お話しいただいた社会教育委員に関することです。社会教育委員、95%の設置率ということで、社会教育法の13条の補助金の規定による側面もあると思うんですけれども、やっぱり1万8,000人が全国にいるこの規模感というのは、今後も非常に貴重でありますし、つなげていく必要があるだろうと思います。

 ただ、私自身も社会教育委員をいろんなところでやっていたりしますけれども、よく思うのは、社会教育委員本人も事務局も何のための組織かということがあまり自覚されていないケースが多々あるのではないか、ということです。特に社会教育法の規定が1回目の会議とかで配られたりするんですけれども、教育委員会への助言とか、教育委員会の会議への出席などの役割が書いてある一方で、教科書とかちゃんと見てくださる方は分かると思うんですけど、何のために社会教育委員がいるのかということがなかなか理解されていないということが多いと思います。

 よく社会教育委員の大会とかで、自分の立場をどうやって人に説明しているんですかという質問をするんですけど、皆さん、ごにょごにょ黙ってしまうこともあります。。私としては、社会教育委員制度の本質は住民参加とか自治に近いところだと思っていて、やっぱりそのまちの社会教育のことを行政が上から決めるのではなくて、住民自身が自分たちの社会教育をつくっていくための組織だという点がとても重要だと思っています。その意味で、行動する社会教育委員という発想の是非についての発言が先ほど鈴木会長からもありましたけれども、行動することそのものに第一的な意義があるわけではなくて、むしろ、公的な社会教育を行政だけでつくるのではなくて、住民の代表として一緒につくっていく立場ですよねというようなことを事務局も委員の人たちもあまり分かっていない。今述べたことをそのまま社会教育法に書き込めるかどうか分かりませんけれども、現状は「何のために」がなく、役割だけが書いてあるような形になっているので、その辺りは一つ改善点ではないかと思います。

 また、私が関わっているある都道府県では、都道府県の教育委員会事務局が市町村の社会教育委員のネットワークのサポートから手を引くというようなことがあって、市町村ごとの組織のネットワーク組織から脱退などといったことが起きています。PTAや自治会などでも同じようなこと起きているかもしれませんが、あくまでも自主的な組織ですから、そもそも退会や脱退が想定されていないような組織であるわけですが、現在ではそういったことが起きやすくなっているように思います。。

 そういう意味で、やはり社会教育士でも同じ議論がありますけれども、都道府県などの広域行政の役割の中に市町村ごとの社会教育士や社会教育委員を取りまとめていく役割をもっと強調できるような形が、何らかの形で取れないかというふうにも考えているところです。これが1点目です。

 2点目は社会教育施設に関することです。公民館に関することが社会教育法の中には中心的に書かれていますが、社会教育法の記述を充実させるよりはむしろ設置運営に関する基準のほうに書き込んでいくほうが現実的かもしれませんけれども、1点は先ほど小見委員からもあった23条の禁止事項の扱い、23条を理由には公民館でなくなってしまうような施設が散見されますので、そこをもっと明確にしていくということが1点。

 もう1点は、公民館や図書館の設置運営に関する基準などの中でやはり社会教育士のことを書き込めるといいのではないか。従来から公民館主事の専門性をどうやって制度的に担保するかということがずっと議論されてきたわけですけれども、一定の専門性を持った職員がちゃんと配置されるために、社会教育士の仕組みがうまく使えるのであれば、そういった努力義務のようなものを法そのものか設置運営に関する基準などに書き込んでいくのが現実的なのではないか。

 これは公民館だけでなく図書館法や図書館の設置運営に関する基準でも、司書の話だけじゃなくい図書館職員の専門性に関する話として書きこめるとことだと思っています。

 さらに図書館も公民館もですけど、やはり先ほどもおっしゃっていただいた学びの手前の部分というものを、やっぱりもうちょっと法レベルで巻き込んでいけるといいのではないかと思っています。

 3点目です。先ほど牧野副部会長がおっしゃった、社会教育の捉え方を教育行政の中の学校外教育のセクションよりもっと広げていくということは、大きな方向性としてあると思うんですけど、社会教育法の定義を書き変えるとなったときに、この法律が誰に向けたメッセージなのかを考えたときに、ある程度縦割りの制度的なセクションを前提に書かれている法律だから実行力を持っている部分もあると思いますので、社会教育を現実の制度とのつながりが見えないほどにまでは拡散させ過ぎないバランスが求められるんじゃないかということも思っています。

 その意味で、幾つかあり得ることとしては、生涯学習振興法という法律が、一応、多様な領域の横串を刺して、横断的な生涯学習振興をするという趣旨ではあるんですけど、あまり注目されてこなかったところもありました。生涯学習振興法のエッセンスのようなものを社会教育法の中に取り込んでいき、既存の社会教育行政を一つ軸足にしながら、その外側を見据えた法体系にしていくようなことであったりとか、社会教育主事の役割の中に、他部局への働きかけの部分をもっと明確に書き込んでいくとか、そういったような書き方が考えられるのかなと思います。その辺のバランスをどうとっていくかが課題だなと思って聞いていました。

 すみません、長くなりました。以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます、青山委員。まず、社会教育委員については、住民参加、自治という役割で一緒につくっていくという、何のための組織かということの重要性。2点目に、社会教育施設として特に公民館のとりわけ23条の扱いなど、どのようにしていくかという論点、そしてさらには社会教育法の改正については、誰にとって有効な法律かということを考えると、他の法律、例えば「生涯学習振興法」との関係などを踏まえつつも、社会教育士や、あるいは社会教育主事が他部門にも働きかけることができるというような、そのような在り方というのも論点があるのではないかと提起していただきました。大変重要だと思います。

 私も三鷹市長に就任する前、ある市の社会教育委員をさせていただいたときに、諮問がありまして、答申を事務局ではなく社会教育委員だけで主体的に書いたという、そういう経験があります。もう二十数年前のことですけど、やっぱり改めて住民参加、自治の在り方を社会教育委員自らが、事務局に依存するのではなくて示していたという経験が私自身もあるものですから、今日、皆様の御意見をお聞きして共感するものが多々ありました。

 さて、ごめんなさいです。正午を過ぎてしまいました。それでは、熱心に意見交換をしていただきましたけれども、本日、御発言し切れなかった御意見がありましたら、引き続き事務局までメール等で御連絡ください。

 また、本日、髙田課長から御説明いただきました審議事項2に関する意見の整理につきましては、本日までの意見を集約の上、文言整理も副詞などの使い方で少し必要になってまいりましたので、部会長である私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【清原部会長】  うなずいていただきました。ありがとうございます。それでは、責任を持って取り組ませていただきます。

 本日、いつものように、塩見総合教育政策局長、そして橋爪大臣官房審議官、神山社会教育振興総括官もずっと聞いていただきましたが、何か一言ありますか。局長、ぜひ一言。

【塩見総合教育政策局長】  もう時間もあまりないので。

【清原部会長】  一言、大丈夫です。ぜひぜひ、せっかくですのでお願いします。

【塩見総合教育政策局長】  ありがとうございます。本日も大変すばらしい御議論ありがとうございました。

 委員の皆様からのお話にもありましたけれども、私自身も社会教育というのは目的ではなく、あくまでもみんながみんなでより生きやすい、よりよい地域社会をつくっていくための手段なのだろうとに感じているところでもあります。ですので、一般行政とも非常に関わりが深いというのは当然のことでもあろうかと思うところでもございまして、そうした意義をいま一度確認するということが大変大事な時代になっておりますし、それを具体的に進めていく際の大きな鍵になるのがやはり人材、人の部分かなだろうということは、御議論いただいているとおりだと思っております。

 特にこうした社会教育ですとか地域づくりに関わっていく全ての人が、自分の能力を形成したり、あるいはネットワーキングをしていったりするためのプラットフォームとして、この社会教育士の育成プロセスというものが今後より一層うまく使えるようにならないかということを非常に強く思うところでもありまして、皆様からいただいた御議論を踏まえて、事務局でもまたいろいろと考えてまいりたいと思っております。

 それから、併せまして、首長の皆様へのアプローチでありますとか、もたらしかすれば改めて教育委員会へのアプローチも必要かもしれないということを重ねて今回の議論でも思いました。そこは我々がすぐにでもかかれるところだと思いますので、積極的に進めていきたいと思っております。本当にありがとうございました。

【清原部会長】  私たちの意見を傾聴していただきまして、前向きに意思表明していただいて、局長、心強く思います。本当にいつもありがとうございます。

 それでは、林社会教育企画調整官、事務局から何か連絡ありますか。

【林社会教育企画調整官】  事務局でございます。今後の審議予定につきましては、別途メールで委員の皆様に御連絡いたします。

 事務局からは以上でございます。

【清原部会長】  それでは、本日も大変熱心な御審議いただきまして、部会長として心から感謝申し上げます。

 それでは、本日の「社会教育の在り方に関する特別部会(第15回)」はこれで閉会いたします。春は名のみのまだ寒さがあったり、急に週末は暖かくなるようです。皆さん、体調管理に気をつけていただきまして、次回も元気に御参集いただきますようお願いいたします。

 それでは、閉会です。どうもありがとうございます。



―― 了 ――

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