社会教育の在り方に関する特別部会(第14回) 議事録

1.日時

令和8年1月16日(金曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室 ※WEB会議併用

3.議題

  1. 社会教育主事と社会教育士の配置・在り方に関する調査研究 中間報告(社会教育 実践研究センター発表)
  2. 審議事項2に関する意見の整理(案)について(事務局説明)
  3. 社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制/社会情勢の変化を踏 まえた社会教育に関する現行法令の在り方について(事務局説明)
  4. 社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制/社会情勢の変化を踏 まえた社会教育に関する現行法令の在り方について(意見交換)
  5. その他

4.出席者

委員

(委員)清原委員,萩原委員
(臨時委員)内田委員,青山委員,安齋委員,伊東委員,小田切委員,柏木委員,古賀委員,小見委員,関委員,東委員,牧野委員,八木委員,山本委員

文部科学省

(事務局)塩見総合教育政策局長,橋爪大臣官房審議官,神山社会教育振興総括官,中安生涯学習推進課課長,坪田教育改革調整官,髙田地域学習推進課長,林社会教育企画調整官 他

5.議事録

【清原部会長】  皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第14回社会教育の在り方に関する特別部会を開催いたします。
 まず、寒中お見舞い申し上げます。そして、今年になりましてから初めての特別部会になりますので、改めまして、皆様、新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日は都内におきまして、JRが停電のために山手線はじめ複数の路線で運行が中止されているということで、大変皆様におかれましては交通事情が厳しい中、御参集いただきましたことに感謝を申し上げます。また、そのために会議に多少遅れてこられる方もいらっしゃると思いますが、まずは定刻になりましたので、始めさせていただきます。
 本会議は対面とオンラインを併用して開催いたします。なお、本日はYouTubeのライブ配信で報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者からは会議の全体について録画を行いたい旨申出がございまして、許可をしております。皆様、御承知おきください。よろしくお願いいたします。
 それでは早速、議事に入らせていただきます。本日の会議は正午までの開催を予定しております。委員の皆様の貴重なお時間をいただいておりますので、限られた時間ではございますが、皆様の御意見を活発に交わしていただきまして、充実した議論ができるように進行に努めてまいります。会議の円滑な進行への御協力を改めてよろしくお願い申し上げます。
 本日より、諮問における「審議事項3、社会教育を総合的に推進するための国・地方公共団体の体制及び社会情勢の変化を踏まえた社会教育に関する現行法令の在り方について」、意見交換をしていただきます。皆様の意見交換が自由濶達なものとなりますよう、本日は、まず、社会教育実践研究センターの佐藤センター長と志々田総括研究官より、「社会教育主事と社会教育士の配置・在り方に関する調査研究(中間報告)」について、御発表をいただきます。そして、それについての事実関係の確認に関する質疑応答を行っていただきます。
 そして、事務局より、昨年皆様に御議論いただきました「審議事項2に関する意見の整理の案」と審議事項3の内容について説明をいただきます。そして、その後、委員の皆様に意見交換をお願いすることとなります。本日は、このような進め方になりますので、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まずは、社会教育実践研究センターの佐藤センター長と志々田総括研究官より、「社会教育主事と社会教育士の配置・在り方に関する調査研究(中間報告)」について、御発表をお願いいたします。それでは、まず、佐藤センター長よろしくお願いいたします。

【佐藤国立教育政策研究所社会教育実践研究センター長】  ありがとうございます。社会教育実践研究センター長の佐藤でございます。本日は報告の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、私のほうから、当センターで行っております調査研究の概要につきましてだけお話しさせていただいた後、具体の調査結果及びその解説等につきましては、志々田総括研究官のほうからお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 資料の1のほうを御覧いただければと思います。タイトルとしましては「社会教育主事と社会教育士等の配置・在り方に関する調査研究」ということで、昨年度から来年度までの3か年ということで調査研究のほうを行っているものでございます。
 ページを飛ばしていただきまして、3ページ、4ページはこの場では十分お話のある内容ですので、飛ばさせていただきます。こういった背景がございまして、調査研究のほうやらせていただいておりますという内容のものでございますので、御覧いただければと思います。
 5ページ目を御覧いただければと思います。この調査研究、令和5年に一度前段となる基礎調査というのを社会教育人材部会のほうで御報告のほうさせていただいたことがあるかと思うんですけども、一応その調査研究がベースになっておりまして、その際に見えてきた課題、具体的には3つ書いておりますけれども、各自治体の教育委員会事務局において社会教育主事の有用性が理解されていないとか、社会教育士が活躍できる環境が整備されていない、社会教育主事としての知見の蓄積ができていないというような、見えてきた課題に対しての解決のための論点としまして、地域コミュニティを支える社会教育人材、専門性を発揮して活躍する場面というのはどういう場面なのかということとか、あるいは社会教育主事としての知見を蓄積するためにはどのようなシステム、ネットワークが必要であるかというようなことを調査研究の主な目的として、昨年度より実施のほう始めているものでございます。
 6ページ目も飛ばしていただきまして、7ページ目、本調査研究に当たりましては、志々田総括研究官、あと、この場の委員であります青山先生などにも加わっていただいて、調査研究のほうを実施しているところでございます。
 次のページをお願いいたします。一応流れとこれからの方向性だけ私のほうから御紹介させていただきたいと思います。昨年度から実施のほうしておりまして、今年の3月から4月にかけて質問紙調査というのを行いました。具体的にどういった方々から調査を行ったかというのは、後ほど志々田先生のほうからお願いしてもいいですかね。御説明させていただきたいと思います。
 この後の流れとしましては、今回調べました結果、実際には自由記述なども含めていろいろデータのほう取っておりますので、そういった内容に基づいて、今後はヒアリングをしたいと思っております。そのヒアリング調査を行った後、最終的に来年度末までに報告書のほうをまとめたいということです。今後求められる活躍場面と、その必要性について整理したいというふうに思っているところでございます。
 大枠につきましては以上のとおりでございますが、ここから先は志々田先生お願いしても大丈夫ですか。よろしくお願いします。

【清原部会長】  では、志々田総括研究官、よろしくお願いいたします。

【志々田国立教育政策研究所総括研究官(兼)社会教育調査官】  ありがとうございます。皆さん、おはようございます。それでは、10分ぐらいしか時間がございませんので、全体の調査について御報告をポイントを絞ってお話をさせていただければと思います。
 1枚おめくりください。今回の全体の調査につきましては、合計で5つの種類の調査を実施をしています。調査表1と2につきましては、都道府県、市町村の社会教育担当部局から主に課長級の皆さんに御回答いただいているところです。
 その次おめくりください。調査表の3と4につきましては、都道府県の社会教育主事、社会教育部局で仕事をされている皆さんに対して調査を取っています。
 社会教育主事がいらっしゃる場合には社会教育主事の皆さんに回答いただいておりますし、いない場合には担当しておられる職員の方々に御回答いただくようにということで、都道府県では5名まで、市町村では3名までお願いをしています。
 さらにおめくりください。最後5つ目の調査票につきましては、社会教育士という称号を取得されている皆さんの声を聞くために、本社会教育実践研究センターで令和5年に社教主事講習を修了された方に協力をお願いしたのと、それから、文科省が開いています社会教育士noteでご協力をお願いさせていただきました。121名の皆さんに任意調査をさせていただいています。この合計5つの調査から見えてきたことを御報告させていただきます。
 それでは、1枚おめくりください。まず最初に、社会教育主事が配置されているかどうか、本部会においても社教主事を各教育委員会に配置するためにはどうしたらいいのかということで、どれほど配置されているのかをまず調べてみました。
 社会教育主事を配置している自治体というのは、特に都道府県の場合は9割近くですね、しかも複数の社会教育主事が配置されている状況が分かってきています。それと比較しますと、市町村におきましては社会教育主事の配置率が低いのが現状です。一部複数配置しているところもあるんですが、配置していないという回答が42.3%あるという状況です。
 1枚おめくりください。社会教育主事の配置の実態を自治体の規模別に分析したのがこのスライドになります。
 大都市や中都市におきましては、社会教育主事を特に複数配置している自治体が多くなってきていますが、配置をしていない自治体を見ていきますと、町村といった小さな自治体において社会教育主事の配置が進められていない状況があることがわかります。この先、社会教育主事を全ての自治体に配置してもらうためには、こうした小さな自治体規模の町村の御事情や状況というものをしっかりと聞きながら、配置を考えていかなければいけないということがこうしたデータからは見えてくるかと思います。
 次おめくりください。この次に、じゃ、実際にそこで働いてくださっている皆さんはどのような方たちなのかという具体像を見るための質問をいたしました。
 1つ目に、公務員として社会教育主事とか社会教育担当の職員は働いておられますので、採用時にどういう職として任用されているのかということを見てみますと、都道府県の場合は9割近くが教員として採用されていることがわかりました。
 一方、市町村では約85%がもともとは行政職として採用されたで方たちが社会教育担当部局でお仕事をしてくださっているという状況になっています。
 さらに、これをもう少し詳しく見ていくと、次のスライドを御覧ください。行政職の皆さんたちと教員職の皆さんとの間で、任用資格を持っておられるかどうかという状況が異なるのか、それから、発令を受けているのかという状況が異なるのか、この2点を明らかにするためにクロス集計したものがこちらの図になります。そうすると、社会教育担当部局でお仕事をしてくださっている行政職の方の約半数が、社会教育主事の任用資格をお持ちでない状態のまま職務についているということが分かります。
 しかも、資格があり発令されているという方たちは、行政職の場合は4割程度ですこうしたデータからは、行政職の方々は社会教育主事講習を受けるという、資格を取るという段階からハードルが高い状況が見えてまいります。
 一方、教員職のほうを見ていただきますと、資格があり発令をされている方たちが約6割です。特に都道府県において任用資格を持っているかどうかだけという結果を見ていただくと88%近くが持っているという回答になっています都道府県で社会教育担当部局で仕事をしてくださっている方たちというのは、教員職の場合は資格を受け発令されててから仕事をしている場合が多い。一方、行政職の場合は、任用資格を持つも割合が5割程度、そのうち発令されている割合も4割程度で、社会教育主事資格自体を取りに行くという状況が教員職と比較して難しい状況があることが見えてくるかと思います。
 1枚おめくりください。今度は市町村のデータになります。市町村では、都道府県と比較しますと、行政職において社会教育主事資格の任用資格をもち発令されている割合というのがぐっと少なくなっていることがわかります34%といった数字になります。市町村の場合、任用資格をそもそもお持ちでない方の割合が教員っ職であっても割合が高くなっていることがわかります。
 このようなデータからは、都道府県の社会教育行政について考えていくときと、市町村のときとでは、大きな差があることが明らかになりましたこのあたりはしっかりと意識しながら、今後の議論をしていく必要があるのではないかということを指摘しておきたいと思います。
 1枚おめくりください。今度は、社会教育部局で働いている方たちがどんな内容のお仕事をされているかについて調べたデータをご説明させていただきます。中教審の中でも社会教育主事をはじめとする社会教育人材の役割として議論をされているような、例えば学習の課題とか学習ニーズを把握するとか、地域の人材や教育資源把握しておくとか、それから、人と人とのつながりをつくる環境づくりや体制づくり、それから近年、地域学校協働活動やコミュニティスクールといった部分で注目されている、学校教育との連携をしっかり取っているか、こうした4つの側面をとりあげ、どのような職務を担当されているかという点を具体的にお尋ねしました。
 1枚おめくりください。その結果、都道府県ではあまりその違いはありませんでしたが、市町村においては社会教育主事の任用資格を持っているか、それから発令を受けている方たちといった違いによって、職務への取り組み方に違いがあることが明らかになりました。市こちらのデータからは、資格を持っておられる方のほうが、先ほど申しましたに学習課題・ニーズの把握といった4つの職務いずれにおいても、に対して、資格を持っておられない方と比較するとしっかりと携わってくださっていると回答した割合が高くなっていることが分かるかと思います。
 これは、任用資格を持っているだけではなく、きちんと発令をされているかどうかという側面においても同じ傾向が見られます。資格を持たず、発令もされていないままであると、もちろん一生懸命仕事をしてくださっていると思うんですが、なかなか有意義な活躍ができていないという状況があることが分かってくるかと思います。
 1枚おめくりください。社会教育の担当の仕事をしていく上では、しっかりと研修を受け続けることがとても大事なことです。職務としてあるいは自主的に社会教育に関する研修を受けているかどうかを尋ねた回答を、任用資格の有無で分析してみますと、資格を持つ方のほうがない方よりも研修を受けてくださっていることがわかります。これは、資格があるかだけでなく発令があるかどうかという点においても、同じような差が出ていることが分かります。
 ここまで見てきたように、有意義な仕事をしていくという上でも、スキルアップし続けていていくという意味でも、社会教育主事の有資格者であること、さらに発令をされているということが、かなり重要なポイントになっているということがデータとして明らかにできたと思います。
 1枚おめくりください。今度は社会教育士の資格、社会教育士の称号を取られた皆さんの調査に触れたいと思っています。サンプル数が121と十分な数ではなく、その抽出方法もバランスが取れているものではありませんので、こちらの調査票5の結果については、ここまでご報告してきた調査票1から4のデータ結果ほど正確なものではいないという点をご留意ください。
 調査票5に回答してくださった8割の皆さんが、社会教育士の称号を生かした活躍ができているというふうに答えてくださっています。さらに言いますと、地域の社会教育主事と連携しながらながらしながら活動ができていると答えてくださっている社会教育士の皆さんは、約3割にとどまっている状況です。社会教育士の皆さんは社会教育主事の皆さんたちと一緒に連携をしながら仕事をしていくことによって、活動が有意義になるということが想定されていますので、このあたりのつながり、連携ということをしっかり考えていかなければなりません。
 1枚おめくりください。そのためには、やはり社会教育人材のネットワークづくりが大事だということがこの分科会の中でも議論され続けている点です。最後にその現状についてのデータを紹介させていただきます。現在のところ、都道府県の場合では約8割が行政主導でこうした社会教育人材のネットワークづくりを進めているということが分かっています。
 しかし、市町村の場合には6%にとどまっており、こうした行政主導のネットワークを持っていない状況になっています。少なくとも現段階では、都道府県という広域行政の中では行政主導で社会教育人材のネットワーク化が、それでも半数程度ではありますが進んでいることが明らかになりました。このあたりをいかに引き上げていけるかということも、今後の課題になるかと思います。
 もう1枚おめくりください。行政主導の社会ネットワークも大事ですが、社会教育士などでいいますと、自発的な自分たちで横につながっていくようなネットワークづくりも重要な意味があるかと思います。こちらの自発的なネットワークについても調べてみました。すると、都道府県では46%、約半数の自治体でそうしたネットワークがあると答えています。しかし、今市町村では、3%ぐらいです。
 しかも、この図の水色の部分を見ていただければと思うんですが、こうした自発的なネットワーク、横のつながりがあるかどうかことが「分からない」という回答が、都道府県も市町村も4割を超えている点は注意が必要だと思います。調べていない、把握できていない、自自発的な社会教育人材とのつながりをいまだ持てていないということですので、このあたりも課題かと思います。
 もう1枚おめくりください。こうした社会教育人材の連携の実態と、その自治体の社会教育主事の配置実態とをクロス集計してみますと、社会教育主事が発令されている自治体ほど、社会教育人材との連携を進めているという回答が多くなっています。こうしたデータからは、社会教育主事が配置されていない、つまり、核となるハブとなる社会教育主事がいない自治体においては、こうした社会教育人材同士の連携にも支障が出ているということが読み取れるかと思います。
 今後こうした差が出てきている実態について、小さな自治体や、社会教育主事の配置を進めづらい状況にある自治体を中心にヒアリング調査をしてまいりたいというふうに思っています。 少し時間が超過しましたが、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

【清原部会長】  国立教育政策研究所社会教育実践研究センターの佐藤センター長、そして志々田総括研究官、御報告をどうもありがとうございます。
 この調査につきましては、都道府県主管課調査、市区町村主管課調査、そして、都道府県発令者及び担当者調査、市区町村発令者及び担当者調査、そして社会教育士対象調査と、対象の多くの方に御協力もいただいておりまして、部会長としても調査に回答していただいた皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今の御報告で、資格者や発令者ほど多岐にわたる活動を企画していたり、研修に積極的に参加していること、また、社会教育主事がいるところほどネットワーク化が進んでいるということなどが報告されました。
 以上の報告につきまして、皆様から事実関係で確認したい御質問がありましたら、お受けしたいと思います。会議室で御参加の方は名札を立ててください。オンラインで御参加の方は挙手ボタンを押してください。どなたからでもどうぞ。
 それでは、古賀委員、どうぞ御発言ください。

【古賀委員】  御報告ありがとうございます。スライド番号の16について確認的なお尋ねですが、16のところの右のほう、市区町村においての教職員についてのデータがございまして、意外と市区町村の教職員で発令及び資格ありが多いんだなということを意外性を持って感じたんですけども、これ、もしかすると特別区とか政令市、中核市辺りが母数として上げているのかなと思ったんですが、そのあたりいかがでしょうか。

【清原部会長】  ありがとうございます。16ページの市区町村のデータについて、特別区とか指定都市の動向について含まれているかどうか、いかがでしょうか。

【志々田国立教育政策研究所総括研究官(兼)社会教育調査官】  では、私のほうから回答させていただきます。御指摘どおりです。やはり大規模な自治体ほど教員籍で社会教育主事の発令者が多い状況です。市町村の場合は、1つの担当部局、社会教育担当部局の人数自体が少なくて、そこに教員籍が入っているというところは珍しい部分もあったりもしまして、なので、どうしても大規模な自治体のデータに偏っていることは御指摘どおりかと思います。

【古賀委員】  ありがとうございます。

【清原部会長】  ありがとうございます。それでは、ほかに御質問いかがですか。よろしいですか。大丈夫でしょうか。オンラインの方もよろしいでしょうか。
 それでは、この貴重な資料も後ほどの意見交換でもぜひ反映していただければと思います。なお、このような貴重な資料を基に、令和8年度までの3か年の調査ということで、今後ヒアリングにも取り組まれるということでございます。また折に触れて、その調査結果なども共有させていただければありがたいと思います。どうもありがとうございます。
 それでは、ここで次の御説明をお願いしたいと思います。髙田地域学習推進課長から、審議事項2に関する意見の整理の案と審議事項3の内容について、これから御説明をしていただき、皆様と共有をしたいと思います。資料2と3をどうぞ御参照ください。それでは、髙田課長お願いします。

【髙田地域学習推進課長】  それでは、御説明いたします。まず審議事項2に関する意見の整理の案ということで、これについては資料2-1と資料2-2の2つがございます。資料2-2については、より詳細な本体の資料でございまして、資料2-1がそれの概要ということになります。お時間もあまりございませんので、資料2-1の概要に基づいて説明いたしますし、また、資料2の概要につきましては、主にキーワードを拾うような形になるかと思いますが、御確認いただければと思います。
 まず、資料2-1の構成についてでございますけれども、これは初めに審議事項1の初め、社会教育人材のことについての意見の整理と同じような構成という形にしておりました。まず意見の整理の趣旨というようなことと、それぞれ主な議論がありましたそれぞれの事項についての現状認識、課題だとか主な検討の視点についてまとめているというものでございます。
 審議事項2につきましては、社会教育活動の推進方策ということでまとめて議論していただいたものでございますけれども、これについては、活動そのものに焦点を当てて、具体的な在り方と多様な主体との連携による効果的な推進方策について御議論いただいたものでございます。
 この推進方策に、推進に向けた基本的認識ということの確認でございますけれども、社会教育活動に地域住民の開かれたプラットフォームとしての役割が期待されるということですとか、民主主義と住民自治を成立させるための社会的基盤であり、ひいては地域全体のウェルビーイングの向上に貢献する、そういったような基本認識に基づいて議論していくというものでございます。
 また、社会教育の優位性を最大限に生かしていこうだとか、地方自治体としての一体的な施策の基礎として社会教育を位置づけ、共通の目標を持って人づくりや活動づくりをしていこうというような基本的認識に基づいて意見を整理しております。
 2つ目の社会教育活動の具体的な推進方策については、これは1番から5番までは諮問事項に沿ってそれぞれ現状認識、課題と主な検討の視点をまとめた形になっております。
 まず、地域と学校の連携・協働のさらなる推進方策についてですけれども、簡単にキーワードだけ拾いますと、学校と地域の関係性を一方向の支援から共通の目標を持つ双方向のパートナーへ移行させることが求められるというような現状認識・課題でございますとか、検討の視点の中では、学校と地域の目標の共有などが図られて、当事者意識が高まり、地域の社会教育が発展していくのではないかという目標の共有というような話でございますとか、社会教育主事養成課程の一部の科目を教職課程の中に位置づけることで、社会教育を学んだ教員が地域と学校の協働が求められている学校現場において活躍できるという流れをつくることが重要ではないかというような、そういった意見をいただいたところでございます。
 2つ目の公民館、図書館、博物館等における社会教育、社会教育活動の推進方策につきましては、現代的な社会課題に対応した多機能化でございますとか、社会教育主事等の専門性を生かした運営の質の向上などが課題として挙げられております。
 また、主な検討の視点の中では、ショッピングセンターなどの生活に密着した施設として複合化し、こうした活動内容が可視化されることも有効ではないかということや、社会福祉協議会や国際交流協会と公民館とが合同で事業を行うことなどについて、また、社会教育側が待ちの姿勢ではなくて、提案を積極的に投げかけていくというような視点が議論されたところでございます。
 続いて、次のページでございますけれども、青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策について、これは前回やったところでございますけれども、改めてデジタル環境が進化する今だからこそ、体験活動は人づくりの原点ということを再確認する必要があるとか、青少年教育施設に様々な主体と連携しながら体験活動を創出・支援する機能が求められていることだとか、民間事業者のノウハウを生かした創意工夫といったことが課題として挙げられておりました。
 また、検討の視点の中では、昨今、体験格差というようなことが言われている中で、学校外でこそ格差が広まることもあれば埋めることもできるといいった視点で今後の取組に留意する必要があるというようなことですとか、利用者に提供する価値を適切に評価する仕組みも必要であるということですとか、昨今のコロナ禍以降の情勢を踏まえて、改めて中教審でこの問題について議論する必要があるのではないかというような御意見がございました。
 4つ目、地域コミュニティに関する多様な主体との連携・推進方策につきましては、首長部局との施策の連携ですとか、首長のリーダーシップの下、教育委員会と首長部局の垣根を越えた社会教育人材の横断的な活用だとかが課題であるというようなことが言われております。
 それに基づいて、検討の視点としていただいた御意見としては、行政としてNPOの専門性を正当に評価し、その活動が持続可能なものとなるように取り組むべきではないかということですとか、企業における人材育成や大学における地域連携が社会教育士の称号を取得することで、社会教育の視点を持って地域とともに学ぶことが促進されるのではないかということや、あるいは、大学の研究者を起点としたネットワークやプラットフォームの可能性についての御意見をいただいたところでございます。
 最後、5つ目、共生社会の実現に向けた障害者・外国人等を含めた社会教育の推進方策につきましては、この課題に対する生涯学習に関する事業が遅れているのではないかとか、あるいは人材不足、そういった人材が育っていないというようなことなどが挙げられております。
 それを踏まえた御意見や検討視点につきましては、外国の文化や言葉について、日本人に対してですけども、これはそういったようなことの理解を深めるという視点も必要ではないかということですとか、外国人を含むマイノリティの人々が社会に包摂され、地域にどのように溶け込んでいくのかということは非常に大事な問題であって、情報弱者に情報が届きにくく、孤立してしまうような状況についても在り方を考えるべきではないかというような御意見もいただいております。
 また、障害者・外国人などが意見を表明できるような環境ですとか、社会参加とその過程における学びを促すことなどについても御意見をいただいております。
 最後、答申に向けてということで、こちらについては部会長などとも相談してまとめたところでございますけれども、人、場、ネットワークという3つの要素を三位一体で強化していくことが必要という観点で、今後答申に向けての議論を進めていく。
 そして、人づくり、つながりづくり、地域づくりの好循環を後押しし、社会全体のウェルビーイングの向上に貢献する。そういったこれまで議論してきたことを踏まえて、答申に向けてさらに今後議論していきたいというふうに思っております。
 特にこれから議論していただく審議事項3、国・地方公共団体における社会教育の推進体制の在り方の検討に当たっては、審議事項2からの接続事項として以下の3点ということで、ウェルビーイングの向上に貢献する観点ですとか、それは民主主義と住民自治を成立させるための社会基盤ということも重要ですけども、それに加えて、課題を未然に防ぎながら、社会教育を通じて持続可能な社会の実現を目指すという観点、取組の価値を引き継ぐだけではなく、再構築、発展させていくような観点、そういった観点で今後答申に向けてまとめていくべきではないかという形で意見の整理をまとめているところでございます。
 続けて、最後、今日の議論に当たっての確認ですが、資料3の2ページの後半ですけれども、これまで人材と、今回の2つ目の社会教育活動の推進方策について議論が終わったところでございますので、いよいよ国・地方公共団体における社会教育の推進体制の在り方について御議論をいただきたいというふうに思っております。
 次の3ページで諮問理由に書かれていることとして、特に社会教育人材の養成・資質向上、地方公共団体や関係団体の情報提供、相談対応等、国において求められる役割の観点からの検討をお願いしますということで、いわゆる国の体制の在り方、そして2つ目、地方公共団体の体制の在り方。この地方公共団体の体制の在り方については、都道府県と市区町村でまた対応も異なっているかと思っております。
 そして、3点目に、現状の社会教育情勢の変化を踏まえた現行法令の在り方について御議論いただきたいというふうに思っております。
 最後に4ページですが、課題についてもう少し説明いたしますと、今、文科省の地域学習推進課、そして国の研究機関である国立教育政策研究所の社会教育実践研究センターで、社会教育行政の推進が担われているという体制がございます。
 各自治体においては、配置された社会教育主事を中心に様々な施策が行われているところでございますけれども、社会教育主事の配置率が低下傾向にある中で、社会教育士の位置づけによって、新たな人材が活躍していくという状況も生じております。
 また、社会教育法については、法制定後約75年経ちまして、これまでも何度か改正しているところではございますけれども、この後の論点のところでも書いてございますけれども、従来のものを修正していくという観点に加えて、より今日の情勢に合わせて刷新、今の時代に合った新たな段階に転換していくべきではないかという観点での御議論をお願いできればと思っているところでございます。
 また、社会教育主事や社会教育士をはじめとした地域の社会教育人材が持つ能力を十分に活用するための都道府県、市町村の体制の在り方を、社会教育人材を核としながら、都道府県、市町村、国の体制、そして制度や法令の在り方について、改めて忌憚のない議論をしていただければと考えているところでございます。
 説明は以上でございます。

【清原部会長】  髙田課長、ありがとうございます。
 私からもちょっと論点を示させていただきますが、資料2-1については、審議事項2に関する意見の整理の概要をまとめていただきました。事務局と、そして、萩原副部会長、牧野副部会長と私とで意見交換をしながら、この資料をまとめさせていただきました。昨年の3月31日に主な審議事項1の「社会教育人材を中核とした社会教育の推進方策」について取りまとめました。そして、その後、4月以降12月までの間、審議事項2に関しまして、ゲストもお迎えしながら多角的な意見交換を行ってまいりました。それを整理したのが資料2-1と資料2-2になります。
 ポイントといたしましては、私たちは改めて活発に活動されている皆様の声を聞きながら、2に「社会教育活動の推進に向けた基本認識」を確認したところでございますが、「社会教育活動は地域住民の開かれたプラットフォームとしての役割が期待される」ということ、そして、「社会教育は民主主義と住民自治を成立させるための社会的基盤」であり、また、「地域全体のウェルビーイングの向上に貢献するということ」。そして、地方自治体においては教育委員会だけではなくて、「首長部局との連携の重要性」も確認をしたところです。
 そこで、社会教育活動の具体的な推進方策として、1、地域と学校の連携協働のさらなる推進方策。2、公民館・図書館・博物館等における社会教育活動の推進方策。3、青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策。4、地域コミュニティに関する多様な主体との連携振興方策。5、共生社会の実現に向けた障害者・外国人等を含めた社会教育の推進方策について、皆様の意見交換や事例をまとめていただきました。
 最後に、「3、答申に向けて」でございまして、これは今後、審議事項3を議論していただくとともに、私たちが審議事項1、2、3を通して、部会として生涯学習分科会に対して役に立つ答申案に向けての取りまとめをしていきたいとの思いから、3の答申に向けても整理をさせていただきました。
 この中で先ほどのキーワードを込めさせていただいております。「人、場、ネットワークという3つの要素を三位一体で強化していくことが必要」。「人づくり、つながりづくり、地域づくりの好循環を後押しし、ウェルビーイングの向上に貢献」するもの。
 そして、審議事項3については、審議事項2からの接続事項として、「1、社会教育が民主主義と住民自治を成立させるための社会的基盤であり、地域全体のウェルビーイングの向上に貢献する」という観点。そして2番目に、「対症療法的な改善策ではなくて、課題を未然に防ぎながら、社会教育を通じて持続可能な社会の実現を目指す」。
 そして3点目に、「これからの社会教育の推進方策は、現行制度下で積み上げられてきた取組の価値を引き継ぐだけではなくて、それらを再構築、発展させていく」。これまでの社会教育の実践の皆様に心から敬意を払いますし、それがあればこそ今の議論ができていると私は思っております。
 したがいまして、今回、多くの事例に学びながら、多くのゲストを迎えながら、審議事項2に関する意見の整理の案をまとめておりますので、本日、皆様にこの内容を充実するための御意見、御提案をいただきたいと思います。
 そして、審議事項3につきましては、先ほど髙田課長から整理をしていただきましたように、この資料3の最後のページ、4ページに論点が整理されております。この論点でよろしいかどうか、これにさらに付け加えるものがあれば、それを建設的に提言していただければありがたいと思います。
 なお、そうは申しましても、今日の時間だけでは十分御意見が出してしまえるかどうかという不安もおありになると思いまして、会議終了後、改めてメールでも御意見を伺いたいと思っております。
 それはそうとして、今日は、これから約1時間以上ありますよ、皆さん。それで、日頃皆様から、1回発言したんだけれど、後でほかの方の意見を聞いて、もう1回発言したいと思ったけど、時間がなかったという御意見も届いておりますので、皆様、1回目の発言は2、3分に凝縮していただきまして、ほかの方が発言されても、また遠慮なく、2回目も遠慮しないで今日は手を挙げていただきまして、御意見を付け加えさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、どなたからでも結構ですので、審議事項2及び審議事項3について、どうぞ。それでは、まず、八木委員、お願いします。オンラインの方は挙手ボタンを押してください。お願いします。

【八木委員】  熊本市国際交流振興事業団、八木です。本年もよろしくお願いします。私からは審議事項2に関する意見の整理【概要】(資料2−1)のローマ数字2、社会教育活動の具体的な推進方策のところで3点、御検討いただきたいことを発表させていただきます。
 まず、1点目は、項目1.地域と学校の連携・協働のさらなる推進方策の2つ目に「学校と地域の関係を一方的な支援(ボランティア)」と記載されていますが、ボランティアには、ボランティアをする側と受ける側双方がお互いに必要とする活動という考えがあります。ボランティアという言葉の使用は慎重に検討すべきと考えます。私の考えは、ボランティアは、する側、される側双方向の関係性が大事であるということです。 2点目は、項目2.の公民館、図書館、博物館における社会教育活動の推進方策で、右側の主な検討の視点の2つ目に、「障害者や外国人」と記載されています。障害者や外国人を巻き込んだ社会教育推進を進めていくために、社会福祉協議会、国際交流協会と公民館等が協働することが必要ですが、でさらにここには外国人自体が当事者として参画して視点が大切であると考えます。
 最後の3点目は、資料2−1の裏面項目5.共生社会の実現に向けた障害者・外国人等を含めた社会教育の推進方策に関してです。最近、外国人住民数が急激に増加をしています。毎年30万人ぐらい増えています。以前であれば、100万人増えるのに10年、15年かかっていたのですが、ここ3年間で100万人の外国人住民が増えている状況があります。
 このような中で、論点整理として、社会教育の主体としての外国人視点を強調するため、外国人住民と共に学ぶ」のような書き方を検討できればと考えます。

【清原部会長】  八木委員、ありがとうございます。ボランティアの用語の扱い方、そして、外国人を当事者として、さらには急増している外国人の皆様の視点や外国人と共に、というような書きぶりを御提案いただきました。
 それでは、関委員、続いて牧野副部会長。関委員どうぞ。

【関委員】  関でございます。この内容を見せていただいて、改めて今までの社会教育の中ではインクルーシブな感覚というものが実現できていなかったのかなと強く反省しております。
 実際にインクルーシブな学びにこれから取り組もうとする際に、今までそのためのスキルやマインドの蓄積が希薄だったと思うので、どうすればそれが実現できるかということをきちんと社会教育に取り組んでいる人に伝え、学びを深めていく必要性があるのかと考えます。それが一点目であります。
 二点目ですが、先ほどのお話の中に、学校と地域の関係性がありました。一方向の支援、双方向のパートナーという学校と地域の関係ですが、平成の後半に中央教育審議会においてコミュニティスクールや地域学校協働活動の議論をしたときには、共通の場において対等の関係の中でいろんな議論を深めていく、熟議や対話を活発に行うという土台があったような気がします。しかし今では、例えば地域と学校が一緒になって熱く語り合うような機会、例えば学校のグランドデザインをともに考えていくような場面がいつの間にか減ってきているのではないかなということを懸念しております。導入したら良いのではなく、魂を込めることが大事だと思います。その意味も、深い対話が大切だと考えます。
あと一点だけ、ポンチ絵の一番にある論点で、「これからの社会教育の推進方策は現行制度下で積み上げられてきた取組の価値」という表現があるのですが、現行の体制だけではなくて、本来は過去の社会教育の長年の歴史の中で、様々な積み重ねがあったと思うのですが、ともすれば歴史の意義あるものがいつの間にか忘れられているような気がします。民主主義の学校、住民自治の推進というものに対して、社会教育が取り組んできた今までの営みをきちんと振り返ってみることが大事ではないかなと考えています。
 以上です。

【清原部会長】  関委員ありがとうございます。インクルーシブの視点の重要性、そして、学校と社会教育の対等性、そして、さらなるグランドデザインへの取組。3番目に、従来からの社会教育の中での民主主義や住民自治について、振り返って、きちんと伝えていくことの意義をお話しいただきました。
 それでは、牧野副部会長、お願いします。

【牧野副部会長】  ありがとうございます。お願いいたします。取りまとめどうもありがとうございました。
 私はどちらかというと、今日から議論を始める審議事項3についてのことなのですけれども、今、関委員が少しおっしゃいましたが、また先ほど清原部会長からもお話がありましたが、社会教育概念の組替えが始まっている、特に第4期教育振興基本計画で、私たちがいわゆる習ってきたように、社会教育は学校教育主流の社会において学校教育以外のところで青少年や成人に対して行われる教育の営みという解釈をしてきたことに対して、今日もお話がありましたけれども、社会の基盤づくり、つまり人々の「つながり」や「かかわり」の土壌を耕す営みであるという観点が示されています。
 特に今日も資料の2-1の基本的認識というところで、普遍的な価値といいますか、民主主義と住民自治を成立させるための社会的基盤であり、さらに今問われているウェルビーイングを実現し、向上させていくという、そういう大きな役割を担うものであるという形で。社会教育概念の組替えが始められています。
 審議事項の3では、現行法制の在り方についても検討せよということですので、先ほど志々田さんからお話がありましたように、例えば、なぜ社会教育主事の配置がここまで落ち込んでしまっているのかとか、もともと社会教育とは一体何であったのかといったようなことを、少し振り返りながら検討する必要があるのではないかと考えています。
 その意味では、少し大変かもしれませんが、いわゆる温故知新と言ったりしますが、歴史を振り返りながら、その中に私たちがこれから目指すべき大きな課題を見つけていくということがあるかもしれませんし、それから、さらに不易流行という言葉もありますけども、変わらないためには変わらなければならない、つまり普遍的な価値をきっちりと認識をして、それを実現していくためには、やはり変えなければいけないこともあるのだろうと思うのです。
 そんなことも含めて、資料にありますように、2-1の答申に向けてということ、それから今日の議論いただきたい事項に入っておりますけれども、社会教育が目指してきた価値とは一体何であるのかといったこと、そして、社会の変化に応じて、それをどう組み替えてきたのか、または、どう制度をつくってきたのか、さらに、今どういう状況に立ち至っていて、だからこそ何をどう変えなければいけないのか、または変えるべきではないのかといったことが言えるような、歴史を振り返っていくというか、そんなことをきっちりとやっておかなければいけないのではないかなと強く感じています。
 特に、公民館に関しましては、社会教育の主な施設ではあるわけですけれども、戦後あるだけ切望されて全国に広がったものが、今日では、ある意味で非常に軽く扱われてしまっているように見える。博物館・図書館には物があって、その施設としての社会的役割もきっちりと位置づけられてきており、専門職員も配置されているのですが、公民館はどちらかというと、住民が学習するということが基本にはなっているわけですが、教育委員会から一般部局へ移して、コミュニティセンター化していくような、また、貸し館事業を中心にするような形に組み替えられていくという事例も多くなってきていますので、なぜそうなっていくのかといったことも含めて、きちんと検討する必要があるのではないか、そう思います。
 そこから、これから私たちが現行法制や現行制度を検討し、さらに新しいよりよいものをつくっていくというときに、そういう歴史的な経緯から得られる知見を参考にしながら私たちなりの論理をつくっていく必要があるのではないかとも思います。ちょっと大変かもしれませんが、歴史的な研究をきっちりやっておくようなちょっとしたワーキンググループとかを本当はつくれるといいなとは思っているのですけれども、大変ですよね・・・。
 ですから、この期に及んでという感じはしますけれども、もし可能でしたら、少しそういう概念を含めた基本的な事項や歴史的な経緯もどこか頭の隅に置いて議論していただけるとありがたいなと思います。私もできるだけ貢献したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【清原部会長】  牧野副部会長ありがとうございます。審議事項2の社会教育活動の推進に向けた基本的認識や審議事項3に向けたところを踏まえて、現行の「第4期教育振興基本計画」の中で改めて社会教育概念が組替えを行うきっかけを私たちは得ているということ。
 さらには、その上でも、今回、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターにしていただいた調査を踏まえて、社会教育主事の配置状況やあるいは社会教育士の活躍なども念頭に置きながら、施設としては公民館の位置づけなどについてもしっかりと問題認識を持っていこうという趣旨の問題提起をいただきました。
 ぜひ審議事項2について、私たちが取りまとめていくことを継続して、審議事項3に生かしていきたいと思います。
 それでは、まず山本委員、続いて青山委員、お願いします。

【山本委員】  東神楽町長の山本でございます。今まで御議論していただいた中で、整理をしていただいた中で、私の立場から、首長の立場として行政全体のガバナンスの中でどういうふうに考えていくのかというのを少し議論させていただきたいと思います。
 まず、ここ20年、30年ぐらいの間で、かなり教育に関する首長の立ち位置が変わってきたというようなイメージが僕らの中であります。総合教育会議もさることながら、例えば、文化スポーツの首長の移管だったりとか、あるいは博物館、そういった社会教育施設の移管、公民館も含めて、そういったところを含めて、首長サイドでも教育に対して様々できるんだということ。
 あるいは、例えば、幼児教育の部分で言ったら、保育園からさらに幼稚園へのコミット、あるいは認定こども園というような形で、様々な部分で首長が教育分野に関わることができるということは分かってきたということと、それに伴って、首長はかなり自分のところに持ってくるということを始めているというふうに思っています。特に文化スポーツは都道府県においてはかなり進んでいるんじゃないかというふうに思います。
 しかしながら、そのことがよかったのかというのは1回評価をしたほうがいいのかなというふうに思っております。特に文化スポーツの部分でいうと、イベントばっかりになっていないかと。教育的な視点の欠如だったりとか、あるいはコミュニティとの関係とか、そういったところはどうなのか。あるいは、既存の教育委員会における文化スポーツ的なところを所管している教育部局との連携とかも含めて、一度整理をしたほうがいいのではないかというふうに思っています。
 それと同時に、総合教育会議においても、実はこの総合教育会議、これ担当じゃないのでどうかとは思うんですけれども、形骸化しているんじゃないかという議論が実はあって、教育大綱を決めるというのはいいんですけれども、それ以外トラブルがなければ総合教育会議をやることがないんじゃないか、特に小さな町においては。ということがあって、逆に言うと、総合教育会議の中で今の話みたく教育関係が首長サイドにどんどんどんどん来ているにもかかわらず、教育のことで教育委員会と議論を交わすとか、あるいは意見交換をするという場がもう少しあってもいいんじゃないか。
 その意味で言うと、社会教育の部分ってまさにどちらにも関わってくる部分であるので、こういった部分で総合教育会議とかを含めて、首長が社会教育に対する認識をさらに強固にしていただきながら、そういった部分で発露できるような、そういった場面が必要なんじゃないかなというふうに思っております。そういった教育のガバナンスがまず1点。
 2点目が、社会教育施設の在り方として、今、社会教育施設が社会教育施設として単純な施設というよりは、議論が出ているように複合的な施設になってきている。あるいは民間との連携なんかもどんどん出てきているという中で、じゃ、その在り方みたいなのを教育委員会だけで議論してもやっぱり駄目なんです。
 それと、やっぱり首長サイドも議論する、あるいはコミュニティの中でも議論をする。もしくは場合によっては民間の会社、営利企業なんかも議論をするということも含めて、やっていかなければいけないというふうになってくれば、こういった部分の社会教育施設の在り方みたいなのも少し考える必要がある。
 あと、それと同時に公民館みたいな部分も、逆にもっとコミュニティに寄ってもいいんじゃないかとか、そういった議論も出てくるんじゃないかというふうに思っております。
 いずれにしても、今までの在り方、どんどん何となくなし崩し的に変わってきた部分をもう1回整理をしながら、次の時代に向けた社会教育の在り方みたいなのを法制化というか、制度化していくような立場に立てればなというふうに思っていまして、私ども首長サイドとしても非常に期待をしているというところだと思っています。ありがとうございます。

【清原部会長】  山本委員ありがとうございます。町長としての、要するに首長としての取組の視点から、1点目、行政全体のガバナンスの中での社会教育の位置づけについて問題提起いただきました。すなわち、総合教育会議というものが形骸化しないように、それをさらに教育委員会と首長部局の連携を強化するキーワードに社会教育があるのではないかということを提起していただきましたし、施設の在り方についても、首長部局と、そして教育委員会と民間との新しい連携の中で地域の施設としての公民館とか社会教育施設を考える意義について問題提起いただきました。ありがとうございます。
 それでは、青山委員、お願いいたします。

【青山委員】  青山です。よろしくお願いいたします。私、この審議事項2の2と3のあたりに関わることについて主に2点申し上げたいと思います。
 1点は、前回も議論しました青少年教育に関することです。1つは、2-2の中に公民館、図書館、博物館における社会教育活動のことがあって、3に青少年教育施設のことが書いてあるわけですけれども、当然、青少年教育施設も2の中に含まれる要素をたくさん含んでいるということを改めて確認をしておきたいというふうに思います。
 公民館、図書館、博物館はコミュニティのことをやって、青少年教育施設は体験と非日常のことだけをやるという前提になってしまいがちだと思いますが、青少年教育施設も地域とか社会とか、そういった中で生活に密着した施設でもあるべきだと思いますし、社会教育調査の結果を見れば、いわゆる非日常型の少年自然の家のような施設以外の「その他」の施設がたくさん含まれているということもあります。
 また、近年の居場所やユースワークという文脈においては、必ずしも非認知能力を高めるために非日常的な体験活動をするという枠組み以外の青少年教育のことを考えておく必要があります。なので、大きな2番の中にも青少年教育施設がある程度想定されるべきだと思いますし、3の体験活動というときにも、青少年教育のより広い役割についても視野の中に入れておけるといいのではないかというふうに思います。
 あまり教育的であることを批判し過ぎると、専門性も見えなくなっちゃうという痛しかゆしもあるんですけれども、でも、非認知能力を高めるために体験活動のプログラムを精緻化していくというだけではない、遊びとか自由さとか、そういうものと学びを結びつけていくようなところにこそ指導者の専門性があって、インストラクター的な機能だけではない専門性の在り方や居場所などにつながるような体験の在り方が重要ではないかというのが1点。
 もう1点は、関連して2番のところに関するところなんですけれども、これまでも申し上げてきたとおり、ある種の学びの手前のようなところまでを社会教育が視野に入れられるかということがすごく重要ではないか、ということです。複合化や生活に密着した施設、といった文言とも関連することだと思います。
 以前に、審議事項1のときによく申し上げたことかもしれませんけれど、ある種の楽しさや面白さからうっかり活動や学びが始まっていくような自由さや居場所、そういった余白を私は「学びの手前」とか図書館の場合は「本棚の手前」って言い方をよくするんですけれど、そういった目的的な学びの手前の部分の重要性をこの2番の中では改めて確認しておきたいなというふうに思いました。
 以上です。

【清原部会長】  青山委員ありがとうございます。項目の3に上げている青少年教育施設について、いわゆる非認知的な体験教育だけではなくて、地域と結びついた、あるいは遊びや自由さもある。そうした居場所としての機能なども認識した整理をということですね。ありがとうございます。そして、キーワードいただきました。「学びの手前への注目、働きかけ」ということも重要だと思います。
 それでは、安齋委員、柏木委員、そして古賀委員の順で御発言をお願いします。まず、安齋委員、お願いします。

【安齋委員】  安齋です。遅れてきて申し訳ありませんでした。
 実は先日、福島県の大熊町という東日本大震災で原発災害を受けて、全町避難し、いまだになかなか住民帰還が行われない町に行ってまいりました。そこでは今、学び舎ゆめの森という義務教育学校がスタートして、地域の人、いろんな人たちが学校づくりを通して地域づくりに取り組んでいるという、すてきなそういう姿を見ることができました。
 今、日本全国では様々な災害が起きて、災害からの復興が期待されていますし、同時に防災への意識も高まっているということで、そういった姿を見てきた中で、社会教育の手法とか社会教育の考えというのはそういう防災に対する強靱な地域づくりであったり、また、災害からの復興に向けたときでもすごい有効なのではないかということを感じています。
 一方で、災害から復興といったときに、住民が置き去りにされてしまった復興というのも一方で見られるということを考えたときに、基本とする住民の自治を中心したそういう思いが生かされる、今後起きるだろう災害が起きたときでもそういったものに生かされるということを考えると、社会教育を推進していくことがすごく重要なのかなというふうに感じているところです。
 今回の2-1の資料では、防災というのは、4のところに福祉、防災という防災って言葉が一言出てくるだけなんですけども、もう少しこの辺の価値を強調してもいいのかなというふうに思っています。
 実際にコミュニティスクールや地域学校協働活動を進めている多くのところが、防災を課題というか、テーマにしながら学校と地域の連携を図っているところが非常に多いんです。そういったことを考えたときに、そういったことももう少しこの中に入れていくことによって、首長部局をもっと動かす力になっていくのではないか、そんなふうに期待しているところです。
 あともう1点、これまでの議論の中でも既に考えられている、次回の3のほうの議論で考えられていると言われていた社会教育委員の在り方、私自身も社会教育委員を務めさせていただいた経験があるんですが、なかなか社会教育委員の活用、それから活躍が見られないという、この議論なんかは3のところでぜひ取り上げていただいて議論したいなというふうに思っています。以上です。

【清原部会長】  安齋さん、ありがとうございます。1点目、防災や、あるいは災害からの復興という課題に対して、社会教育の親和性が高いということ、あるいは地域学校協働活動との親和性、首長部局との連携の力、これらについて、私は市長経験者として実感しておりまして、これだけ全国で災害が起きている中、山火事も含めて地震、台風、そして風水害、さらには、今日は、私はこれも災害だと思うんですが、JRの停電によるこれだけの交通困難な状況によって、ある意味で多くの人が被災しているわけでございます。日常生活が侵害される災害対策、防災というのは、ぜひ入れたいと思います。
 2点目、これも大変重要な問題提起いただきまして、私も市長になる前の大学教員時代に社会教育委員を務めさせていただき、諮問について答申も書いた経験もございますけれども、社会教育委員がどういう活動することが住民の皆様のためになるのかというのは、社会教育委員を引き受けていたときの大きな課題でした。
 ですから、私、最近も社会教育委員の皆様の学習のときに講師として呼んでいただくと、ありがたくて飛んでいくわけですが、ぜひ社会教育委員の皆様の問題意識も共有する機会を事務局と相談して近く持ちたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、柏木委員、お願いいたします。

【柏木委員】  失礼いたします。柏木です。これまでの議論を丁寧に御整理いただきまして、本当にありがとうございました。
 その中で、民主主義という言葉を出していただいているのが非常に重要かなと思っております。ただ、民主主義についての若干の補足があってもよいのではないかと思っております。民主主義というのは単なる政治形態以上のものであると思っています。それは多様な人々が声を出すことのできる、そして、それが拾い上げられることで、多様な人々が仲間を信頼できたり、社会を信頼できて、そこに希望を見いだすことができるような、そういう互恵的な関係から成る共生社会を実現できるような、そういう社会のことを民主主義社会と言うのではないかと思っています。それは社会の自己責任論と無関心を乗り越える民主主義というところになりますので、そういう内実がもう少し反映されるといいなというふうに思います。
 次に、国の役割として、そうした民主主義と住民自治、そして、ウェルビーイングに関する理念を普及すること。そのための政策と制度を構想すること。その中に社会教育における中心的役割を果たす社会教育士等の社会教育人材の養成と、そのネットワーク化が入ると思われます。
 また、国と自治体の役割として、以前の議論にあったように、各省庁や部局が位置づけているコーディネーターの存在が様々にありますので、ネットワーク化と併せまして、コーディネーターの位置づけや整理を行う必要があると思っています。
 加えて、社会教育法について御検討いただきたいことが5点、少し多いんですけれども、ございます。1点目は、本日の資料の2-1、審議事項2に関する意見の整理の中の2ポツ、社会教育活動の推進に向けた基本的認識に書かれている事柄の中でも、民主主義と自治といった文言を社会教育法の前文等に入れられないかということです。
 2点目は、社会教育が学校教育の支援の基盤として広く関わることができるような文言を追加する必要がないかの御検討です。先ほど牧野副部会長もおっしゃっていましたけれども、現在、法律では学校教育と社会教育の役割というのが明確に区分されて書かれており、その重要性を理解することができます。
 ただ、一方で、多様な子供を支援するための学校のプラットフォーム化や探究学習の推進が求められている状況の中で、学校だけでは教育活動が十分に展開できない課題が指摘されています。また、民主的な社会を学校がどう築いていくのかという観点の議論もあるというところから考えたときに、社会教育が学校教育と地域学校協働活動にて連携協働するというよりも、もっと広く基盤として成り立つというようなイメージを描けるような文言があってもいいのではないかと思います。
 この点と併せまして、3点目として、こども家庭庁が推進するようなこども政策や法規との関連を明記する必要がないかの検討をお願いしたいと思います。
 そして、4点目に、社会教育法の第5条9のところでは生活の科学化といった言葉が出ていたり、また、10は情報化について書かれていて、11は運動会、競技会、その他体育指導、12には音楽、演劇、美術、その他芸術の発表会等といったような文言が並ぶんですけれども、そうした文言の使い方が、そして、情報化といった言葉の中でも、今現在はやはりSNSやAIの発展などがありますので、当時の状況と現在の状況とが相当異なってくる中で、ちょっと現在とずれている、あるいは現在からしたら難しいワードが入り込んでいる気がします。これらのあたりの刷新をお願いできたらと思います。
 そして、5点目に、社会教育法にはこの間議論してきました社会教育士の明記の検討をお願いしたいなというふうに思います。
 以上になります。

【清原部会長】  柏木委員ありがとうございます。1点目、民主主義について補足が必要ではないかということ。2点目に、国の役割として「コーディネーターのコーディネーター」が地域社会には必要ではないかということ。そして、社会教育法の改正についても5点御意見をいただきました。
 特に今御指摘いただいた点などは、そういうことも踏まえて、審議事項2に関する意見の整理には、キーワードとして「民主主義」や「住民自治」について入れさせていただきましたが、加えて、「こども基本法」との関連であるとか、あるいは「地域学校協働活動との連携」についてはかなり審議事項2の中には含めているので、そうしたことの反映などについても提案をいただくとともに、社会教育士の取扱いなどについても御提案いただきました。これにつきましては、ほかの委員の皆様も恐らく御意見があると思いますので、今後、審議事項3の中ではさらに御一緒に意見交換をしていきたいと思います。
 それでは、これから古賀委員、内田委員、小田切委員の順で御発言をお願いします。まず、古賀委員、お願いします。

【古賀委員】  古賀です。私からは、審議事項2で得られた人、場、ネットワークのネットワークということに関連し、審議事項3の地方公共団体の推進体制について意見をさせていただきます。
 先ほど安齋委員が2つ目として社会教育委員のことを御指摘になられまして、私も自分が過去に拝命したり、あと研修に呼ばれたりとかいう機会があるんですけれども、割と市区町村の担当者の本音を聞くと、形骸化をしているとか、中には手詰まり感とか、ちょっとお荷物感も出てきているようなところも見られます。
 よくよく見ると、異分野、異世代で構成されているところなんかは、それこそ実質的ネットワーク的な機能を持っている一方で、国社研さんのデータを見ると、市区町村において既存のネットワークがある、それから、あるかどうか分からないというふうな認識のほうが高くなっていて、この社会教育委員という制度自体がやはり形骸化をしているのかなというふうに感じています。
 これから首長部局のほうで社会教育行政がグリップされていくであろう中で、無資格で、なおかつ発令のない方が、行政職員が担当されていく中で、推進体制の現実的なところを考えると、主管課が一手に担うというよりも、外部人材をいかに活用していくかというところが重要かと思います。
 社会教育委員の構成員を見ると、自ら社会教育というところに関わっていることに非常に自覚的で、社会教育というタグに活動している人たちが大半なんですが、一方で、移住者とか外国人あるいは障害者の方の中には、自主的にそういう教育活動、体験活動を推進されている方もいらっしゃるので、社会教育委員という制度を発展させるなり、一旦見直すなりして、外部人材を活用し、その推進体制に車の両輪のようにうまく取り込んでいくというようなアプローチをぜひ国として推進をしていただければなと思います。なかなか手詰まり感を抱えているのが実情ではないかと感じているところです。
 以上です。

【清原部会長】  古賀委員ありがとうございます。社会教育委員制度を発展するなり、見直しするなりというときに、推進体制の中に外部人材、障害者や外国人を含めて、そうした皆様の活躍を反映してはどうかという御提案いただきました。ありがとうございます。
 それでは、内田委員、小田切委員、小見委員の順でお願いします。それでは、内田委員、お願いいたします。

【内田委員】  これまでの議論をかなりよく整理していただいて、また、改善されているということで、ありがとうございます。
 その上で新たな視点で考えてみたときに、これが政府の決まった事項、あるいはこれが市区町村へ広がっていったときに、どのように住民あるいは行政に受け止められるかなということを考えてみると、1点どうしても気になるかもしれないと思ったのが、社会教育ということのニュアンスです。「学び」とか「教育」という言葉が何度も繰り返し資料の中には出てきます。これまで私たちはこの議論をずっとしてきたので、当然のようにそれが何かというのは分かっているんですけれども、一般的なところに広まっていったときに、教育とか学びというものは「何かを」学ぶ、という「目的語」が明確にあるイメージを意識されやすいのではないかと思います。例えばスキルを学ぶなど、何々を学ぶというターゲットが明確なものを人々は多分想定してしまう。
 だけれども、ここで述べられているのは、必ずしも単一のターゲットをとらえている者ではなく、むしろ社会教育という「プロセス」であり人とか、つながり、地域というものを創造していくプロセスそのものにとても重要視、重点が置かれていて、目的性そのものというよりは、そのサイクルを生み出していきましょうという、まさに社会的なインフラとして社会教育の在り方を形成していきましょうということなんだろうというふうに思います。要はここまで議論してきた社会教育の本質性はそのプロセスにある。だけれども、受け止め方としては、じゃ何をやればいいんですか、何を学びますかみたいに目的指向性になってしまうことのギャップをどう埋めるべきかということは、このフェーズに入ってくると、考えておいたほうがいいかなというふうに思います。
 そのために何をするべきかということを思うと、そこをもうちょっとはっきり書いてもいいのではないかということです。プロセス循環そのものを生み出す仕組みづくりであって、教育を、あるいは学びを参画する場所をつくるということそのものに主眼が置かれていることを明確にする。もちろん学びの幾つかの事例、こういうことがそこの中でターゲットとして用いられても構いませんよというようなことと同時に入れてもいいと思いますが。プロセスを重視しているということを明確にしないまま、多分初めて資料を目にした人が受けるリアクションを考えると、広がる中でだんだん方向性がずれていくということをちょっと懸念したというのが全体的なところに関するものでございます。
 ちょっと審議事項と絡んでいるかどうか分からないですけど、ここは整理しておいたほうがいいかなと思いましたので、発言させていただきました。以上です。

【清原部会長】  内田委員、大変重要な御指摘をありがとうございます。社会教育について、一般的な認識はどうしても「教育、学習、学び」ということになると、御指摘のように、学習目的だとか教育目的とか、あるいは何についてというターゲットが重要になるけれども、私たちが議論している社会教育というのは、まさに地域社会の地域コミュニティの基盤としてと言った場合には、「プロセス」であるとか「インフラ」ということが重要で、私たちはそのために「答申に向けて」というところで、例えば、「人、場、ネットワーク」という3つの要素を三位一体で強化していくことが必要というふうに書いています。何となく私たち的には納得してきたんですが、幅広く社会教育について御理解いただくときには、今、内田委員が御指摘いただいたような、社会教育というものが持つ概念について、出発点としてきちんと示していく必要があると思いますし、これは先ほど柏木委員が言われたこととも重なるし、牧野副部会長、そして萩原副部会長、私も常に現行の社会教育法の中での社会教育では表し切れない「社会教育概念の広がりと意義」というものを、法律改正も含めながら発信していくことの重要性を共有しているところです。
 大変重要な確認を御指摘いただきましたので、皆様と共有して、ぜひそのような誤解がないように、そして理解が深まるように取りまとめに力を尽くしていきたいと思います。
 それでは、これから小田切委員、小見委員、そして東委員の順で御発言お願いします。それでは、小田切委員、お願いいたします。

【小田切委員】  小田切です。オンラインで失礼いたします。部会長を中心に取りまとめいただきありがとうございます。いよいよなんだという認識を私自身も持ちました。
 その際に、私は、先ほど牧野部会長がおっしゃったことに強く賛同させていただきます。私の言葉で言えば、社会教育から地域を見るのではなくて、むしろ地域から社会教育を見る、あるいはこれ逆転させるというよりも、この両輪が必要なんだろうという、そんなことを牧野部会長おっしゃったのではないかなと思っております。
 地域から社会教育を見ることによって、先ほど安齋委員がおっしゃったような防災という視点も見えてくるでしょうし、そういう意味では、革新性がここにこそあるというふうに考えております。
 その点で、私は農村コミュニティや、あるいは地域政策を専門としておりますので、その視点から見させていただいて、2点ほど御指摘させていただきたいと思います。
 ひとつは、今、地域のコミュニティから見て、何が必要なのかということを改めて見ると、実は公民館で言われ続けている、集う、学ぶ、結ぶという、この3点が改めて重要なんだと実感しております。もちろん従来から言われているものと次元が違うと思いますが、しかし、例えば、学ぶは、地域の皆さんが当事者意識を持っていく、そういう意味での学びという点はかつても今もまさに必要なんだろうと思います。
 その意味では、社会教育といいましょうか、公民館活動の原点回帰、その充実というものを改めて認識してもいいのではないかというふうに思います。これが1点目です。
 それから2点目は、とはいうものの、人口減少、国際化の中で、この3つの機能に、新たに混ぜて新しい価値をつくるということも求められています。単に結ぶだけでは混ざりません。これを混ぜて、いろんな主体が混ざって、そこに新しい価値をつくるという、この視点が大変重要になってきていると思います。いわゆる創発という考え方だと思います。その意味では、恐らく従来以上にエネルギーが必要だ、つまり、制度、施策は充実しなくてはいけないということだろうと思います。
 その点に関わって2点申し上げてみたいと思いますが、1つは、社会教育人材の高度化です。今日、研究センターから御報告いただきまして、実態がよく分かりました。その際に、これは研究センターへのお願いというよりも、むしろ文科省へのお願いということになるでしょうか。社会教育士が、例えば集落支援員の中にどのぐらい入っているのかという、このあたりの実態認識を持っていきたいというふうに思います。
 何度も申し上げていますように、集落支援員という仕組み、特に専任型は毎年数百人ずつ数が増えるような、そういう状況になっておりまして、そして、これは地域おこし協力隊と違って住民票の異動が必要ありませんので、言わば地域の有識者、60代、70代の男性が多いというのは今も続いているんですが、実は20代、30代、40代の女性が第2のボリュームゾーンで見えてきております。そういう意味では、事例的には、女性の中で社会教育士を持って、例えば島根大学の講座を受けて、社会教育士を獲得して、そして集落支援員として活動しているという事例などを見ることができます。
 1万人いる中で、その数というのはひょっとしたら数百人もいないのかもしれませんが、そういう形で地域コミュニティづくりに関わっている方々、ここにも光を当てる必要があるんだろうと思います。
 それから、細かい2点目ということになりますが、先ほど従来以上にエネルギーが必要だと申しました。恐らくそれは教育委員会や行政、首長部局だけではなく、いわゆる中間支援組織という、そういったものも含めて重要性が高まっているんだろうと思います。
 今日の中でもNPOを正当に評価するという話がありました。そういう意味では、中間支援組織の話がもっと前面に出てもいいのかなというふうに思いますが、ただ、注意点が2つあります。
 1つは、中間支援組織というふうに言ってしまうと、まさに組織に限定されてしまうわけなんですが、よく見ていると、重要なのは中間支援機能だと思います。機能に注目することによって、組織もあるし、人もあるし、あるいは逆に中間支援機能を持っている人がいる場所を中間支援組織というふうに呼んでもいいんだという、かなり応用力が出てきます。
 正しい意味では中間支援組織ではないんですが、例えば、県の出先でそういう方が頑張っているとか、つまり、中間支援的な機能を持って地域づくりに頑張っているという、そういう姿をよく見ることができますので、機能に注目するという考え方が必要になります。
 それからもう一つの注意点は、ともすれば、こういった中間支援組織に行政が、あるいは教育委員会が丸投げをしてしまうという、そういう状況が出てきております。これは一歩進んだ課題なんですが、こういう丸投げすることによって、むしろ行政サイドには何も残らないといいましょうか、人脈さえ残らないという、そういう実態なども私たち把握し始めております。その意味では、中間支援組織や機能を強調する場合、ある程度の注意点が必要だということ、この点も申し添えておきたいと思います。
 以上です。

【清原部会長】  小田切委員どうもありがとうございます。「社会教育から地域を見る」、「地域から社会教育を見る」、これは両輪であるということ。そして、今、地域で必要なことは、公民館が実践してきた「集う、学ぶ、結ぶ」の原点回帰の充実であって、何よりも「当事者意識」ということが重要であるということ。
 2点目に、「混ぜて新しい価値を生む」。「創発」というキーワードをいただきました。私も大好きな言葉で、創造する、クリエートする創造に出発の発の字でよろしいですよね。私もこれは社会学の概念の中でとても重要だと思っていて、混ぜて、そして交流して新しい価値が生まれる。これがまさに社会教育のプロセスが示してきたことではないかなと思います。
 いわゆる「中間支援機能等」の中で、組織ではなく、要するに機能が大事っておっしゃってくださったこと。それから、これは文部科学省に御検討をということでしたが、「就学支援員と社会教育士の専門性の関係」についても御提案いただきました。ありがとうございます。いずれも私たちがこの審議事項2から考えてきたことを審議事項3につなげる上で重要な視点だと思います。
 それでは、小見委員、お願いします。そして、次に東委員です。

【小見委員】  ありがとうございます。みらいずworksの小見まいこです。審議事項2についてです。事務局の皆さん、まとめていただいてありがとうございます。
 まず、社会教育活動の具体的な推進方策の1の地域と学校の連携協働のさらなる推進方策についてです。何人かの方が、一方向の支援から双方向のパートナーというところの表記についてボランティアというところを少し考えていただきたいというご発言があったんですが、私はボランティアかどうかというよりも、単発で一過性ということにちょっと問題があるのではないかと思っていて、ゲストが来て、それでおしまいではなくて、子供たちの学びを継続的に伴走することとか、それが地域づくりに発展していくというところが、学校と地域をつないで社会教育に結びついていく上では大事だと思うので、ここを単発性からとか一過性から継続性とか、もしくは先ほどの創発性という表現などの表記に御検討をいただきたいと思いました。
 あと、右側の主な検討の視点というところでいくと、今、学校教育と社会教育をつないでいく人材として、地域学校協働活動推進員という方が位置づけられています。専門性を求められている一方で、まだまだボランティアですとか非常に低い賃金で雇用されたり、任用されているという実態もあるので、地域学校協働活動推進員の方々の活躍ですとか専門性をいかに担保していくかとか、身分を保障していくという点でもぜひ検討の視点として入れていただきたいというふうに考えています。
 次に、審議事項3の社会教育行政についてです。行政については専門外なので、誤ったことを言ってしまうかもしれないんですけれども、まず1点目なんですが、社会教育行政の成果が見えにくくて分かりにくいという点です。
 先ほど内田委員もおっしゃっておられた部分であるんですが、現在、社会教育行政の評価というと、何回実施したか、あの市町村は何人どんなことに参加したかといった実績に基づくものが中心になっているというところがあります。
 社会教育の成果というのはすぐに数値として現れるものではなく、人と人との関係性の変化とか当事者性とか自治とか民主主義の醸成というところで、時間をかけて育まれるものが多くあるので、短期的な何回やったか、何人来たかというところではなく、長期的な変化やプロセスをどのように評価したり、見える化したりしていくのかという点が大事だと思っています。
 こうした見える化がなされることで、首長や首長部局の方にも社会教育の重要性とか価値というのが伝わりやすくなるのではないかと思いました。
 2点目は、行政における社会教育主事の専門性の確保という点です。先ほど国社研のほうでの調査研究において、行政において社会教育の発令者が少ない結果をしめしていただきました。社会教育士の有資格者の方が行政に採用されるときにインセンティブになるとか、自分の専門性をより生かしやすくなるという採用というのができないかなというふうに考えました。
 以前私が関わっていた市町村では、正規の専門枠で社会教育主事というのが採用されていたんですが、40年も50年も前で、ほんの数年で終わってしまったというふうに聞いています。そのときに採用された皆さん、すごく社会教育を引っ張っておられたなと思うんですけれども、退職してしまってからちょっと公民館が元気なくなったなという印象が主観レベルですがあります。地域によって事情は異なると思うんですけれども。
加えて、非常に失礼な言い方になってしまうんですが、社会教育行政に回されると、左遷されたというふうな印象を受ける行政の方々もいるというのは度々聞いてきました。今、社会教育の重要性が増しているのにもかかわらず、社会教育がまだまだ隅に追われているという現状を今こそ変えていく必要があるなと思っています。
 そのためにも、社会教育がきちんと専門性に裏づけられたものであり、誇りとか専門性を持った専門職の方が位置づけられれば、社会教育のさらなる推進につながっていくのではないかと考えました。
 以上です。

【清原部会長】  小見委員ありがとうございます。1点目、地域と学校の連携協働のさらなる推進方策については、単発や一過性ではなくて、継続性や創発性をということ。また、地域学校協働活動推進員の専門性や活躍の担保のために、身分保障などについても御提案いただきました。
 2点目、行政の評価については、なかなかそれが社会教育の場合には数値的なものだけではなくて、関係性や当事者意識や民主主義度であるとか、長期的な視点からの評価や見える化が必要であるという御指摘。そして、社会教育の専門性を考えるときに、学校教育と関連して、根拠のない上下関係みたいなものがあるようなところも御指摘いただきまして、社会教育の意義をしっかりと発信して、評価を高めていくことの重要性を御指摘いただきました。ありがとうございます。
 それでは、これから東委員、そして関委員、そして牧野副部会長と発言をお願いします。まだ時間大丈夫です。東委員、どうぞ。

【東委員】  喜入マナビバの東です。私は審議事項3について2点お話しさせていただければなと思います。私も専門ではないので変なこと言っちゃうかもしれないと先に保険をかけておきます。
 まず1点目。私、昨年度、社会教育実習で市区町村の教育委員会の生涯学習課に実習で行かせていただいたんですけど、そこの自治体は教員職が多い自治体で、そもそも社会教育主事がいないような自治体でした。そこで出会った職員さんが、任用資格は持っているけど、発令されていないという職員さんで、その方から伺ったのが、資格を持っていても持っていなくても、会計やお給料が変わらないというお話を伺って、そもそも資格を持っているかどうかというのを把握していない自治体とかもあると思うんですけど、資格を持っているということを正当に評価されるべきなんじゃないかなということを感じました。
 発令されていなくても、有資格者がその力を十分に発揮するような体制を整えるべきなのではないかなというふうに感じました。
 そして2点目が、社会教育人材ネットワークを構築する際に、社会教育職員がハブとなると思うんですけど、今日の調査報告でもあったように、資格を持っていない方がハブとなるような可能性も出てくるのかなと思っていて、社会教育の知識とか理解が不十分なままのネットワークをつくるということに私はちょっと危機感を感じていて、ネットワークをつくるというのは、ただ社会教育人材同士をつなげればいいというわけではなくて、地域の実態を把握しつつも、やっぱり地域住民にしか分からない部分もあるということを理解した上で、その地域の一員だという自覚を持ってコーディネートすることでネットワークのよさが出てくるのではないかなと私は思っています。
 だからこそ、社会教育人材を活用できているような自治体は、ネットワーク構築というのにすごく意味、意義があると思うんですけど、社会教育に精通していない職員が多いような自治体というのは、ネットワークを構築する前に社会教育についての理解をそもそも深めることというのがすごく大事なのかなと思います。
 以上です。

【清原部会長】  東委員ありがとうございます。御自身の社会教育の実習の御経験から、社会教育に関する資格を持っている人が把握されて、しっかりと処遇されていくことの意義を御提案いただきましたのと、社会教育人材のネットワークについても、社会教育を正しく認識している人がネットワーク化を図ることが有意義であるという問題提起いただきました。
 それでは、関委員、お願いします。

【関委員】 関でございます。社会教育主事の話が様々出ています。改めて自分のことを思い返すと、私は一番の基本にあったのは、社会教育主事としての仕事の愉しさだったような気がしております。それを愉しいと思えるかどうかで、社会教育主事としての関わり方が変わるのではないかと思ったりもします。
 それと、日本全国いろんな地域があるので、社会教育の目指すものや手法も日本全国違うはずですよね。でも、それがともすれば全国共通の社会教育として発信してしまっているところがあるのではないかなというふうに思っています。
 多分、東京のような都市の社会教育と愛媛、あるいは北海道の社会教育が目指している姿は本来違うのではないかと最近よく思います。それぞれの地域には地域特性があり、価値観も違う人がいて、そこでいろんな活動を自分たちでやってきたはずです。その体験を経て、自分たちにとって良い地域、良い社会は何かというものをみんなが、その理想を持っていると思うのです。社会教育とは何かを語る上で本当に大事なのは、そういった自分たちの実体験に支えられた、いろんな思いや価値をみんなで語り合えるような場、さらに言えば、自分たちの地域社会にとってのウェルビーイングとは何なのかということを丁寧に議論してみるような場が必要じゃないでしょうか。
 もともとそれこそが社会教育の存在意義だったと思うのですが、悲しいかな、新型コロナ禍もあって、人が対話することから距離を置いてしまう社会に我々がしてしまったのではないかなというふうな危惧を持ちます。
 「哲学対話」という言葉がこの頃はやっていますけど、「社会教育対話」があっていいのではないかと思うのです。その際は本質を観取だけではなく、その先に、どうやったら自分たちでいいまちをつくっていくのか、実践への道筋についても話し合えるような対話の場をつくっていったらいいのかなというのを今日感じました。以上です。

【清原部会長】  関委員ありがとうございます。何よりも関委員は社会教育主事として楽しさを享受してこられたということ。そして、地域独自のいろいろな社会教育の形があるわけであり、それを「対話」を通して、それぞれがお互いに共有するとともに、違いも知りながら高め合うというような場の必要性も提案していただきました。
 それでは、牧野副部会長、続いて萩原副部会長、お願いします。

【牧野副部会長】  すいません度々。お願いいたします。
 先ほどの内田委員のお話、学びといったことが目的指向的になっているのではないかということに対して、今の東委員の話がある意味で対応するのではないかなと思うのです。
 もともと、例えば社会教育法というのは非常に短い法律で、しかも禁止事項がほとんどないと言われていて、これ社会教育の自由を保障するための法律なのだという形で立法されてきたという経緯があると思いますけれども、それなぜかといいますと、今、東委員がおっしゃったように、非常に多様なものを扱わなければいけないというか、もっと言えば、戦後、私たちが新しい社会、民主主義と自由で平和な社会をつくっていくということにおいて、上から上意下達ではなくて、むしろ目的指向型ではなくて、自分たちの日常生活において、それをきちんと引き受けて、民主主義ですとか自由ですとかを引き受けていきながら新しい社会をつくっていく、あるいは当事者を自らが育成していく、そういうような教育の営みとして社会教育が捉えられてきたということの中で、社会教育法が制定されたのだろうというふうに思います。その意味では、目的指向型ではなくて、例えば先ほど関委員がおっしゃったように、楽しみながら日々自分たちの生活を成り立たせていくのにどうしたらいいかといったことを常に考え続けて、自らが生活の当事者になっていくような学びというものを組織していくという、ある意味でプロセスをつくっていくということの中で社会教育を展開してきたのだろうと思うのですが、それが、私が冒頭に少しお話をしたような、学校教育以外の社会における教育の営みという議論になってくるのだろ思います。
 これは日本が明治以降、学校を中心に社会をつくり、国をつくってきたということがあって、そして、人々の感覚からいえば当然、学校に行くことが基本であって、学校に行かなければ人生が成り立たないような、そういう社会をつくってきた。それは言い方変えると、きちんと与えられる教育があり、さらにはそこに、少し言い方はきついかもしれませんが、依存するというか、そういう人々の傾向があり、そして、ある意味では、国なり、または社会なりが準備してくれたものを身につけていけば、社会できちんと生活ができるような仕組みづくりが行われてきたのだと思いますけれども、今日、改めてそれとは違う社会に入ってきている、こういう事態に行き着いているのだと思います。
 つまり生涯学習社会といいますか、または学習社会というような社会に入ってくる中で、学校の在り方も変えなければいけなくなっていますし、一人一人が自分の生活の当事者としてこの社会の中で生きていくということを考えなければいけない時代に入ってしまったのではないかと思うのです。
 そんなことの中で、学びといったものが一体何をこれからつくり出していくのかというときに、例えば、一つの考え方なのですけれども、経済学者の宇沢弘文さんが昔言っていた言葉で、いわゆる社会的共通資本という議論をされるのですが、この社会には、医療とか、それから教育や福祉やいろんな制度があるのですが、そうしたものというのは一体なぜあるかというと、実は社会に信任をつくるためにあるのだとおっしゃっていたのです。
 これも、解釈が間違っていたら申し訳ないのですが、医療がなぜあるかというと、医療は当然、人間は寿命が来れば死んでしまいますので、最終的には失敗せざるを得ないように宿命づけられている。けれども、なぜ、痛みや苦しみを取ろうとするのかというと、それがあることによって、自分はこの社会にきちんと生きているのだ、自分が苦しいときには誰かがきちんと専門家として手当てをしてくれると思える、信じられるという、そういう信任をつくっていくようなものとしてあるのだとおっしゃる。
 教育も、すこし極論をいえば、子どもたちは教えたとおりになるわけはありませんので、失敗することがその本質だろうと思うのですけれども、なぜ教育があるかというと、この社会の中できっちりと自分が生きることができるようにしてもらえるのだというような、そういう信任をきちんとつくっていくものとしてあるのだろうと思うのです。
 その意味で、社会教育といったものは、社会に信認をつくる。そうすることによって、自分がそこで受け止められて、きちんとと生きている、社会に参画し、そして民主主義を担っていると思える。それは当事者として、ほかの人々と一緒になってこの社会をつくり、担っていくというような、そういうものにつながっていくのではないか。そのときに社会教育がどれくらい重要であるかといったことが今問われているのだろうと思うのです。
 そのときに一つ、ずっとこの部会で議論してた職員論ですとか、それから社会教育士、社会教育主事といういわゆる担い手論というか、専門の方々の在り方、さらには今日お話が出た社会教育委員の在り方も、もう一度きちんと検討しなければいけないのだろうと思うのです。
 さらにもう少し言わせていただくと、例えば、公民館の話を少ししましたけれども、公民館主事という役割の方々が本来いらっしゃって、実は少し前に社会教育主事を調べたときに国会の議論の議事録を見たのですけども、そこにこう書かれているのです。公民館の関係者が、社会教育法の制定と改正によって、公民館主事も制度化されるのではないかと思って期待をしていたという話が出ていて、結果的には社会教育主事が制度化されて、公民館主事が制度化されなかったのですが、そのときに公民館関係者から何と言われたかというと、「パンを求めて石を与えられた」と、がっかりしたと批判をされているんです。
 その意味では、今、改めて、図書館には司書の方々、博物館には学芸員の方々がいらっしゃるのですが、公民館には今、主事といういわゆる法的な規定のある専門職がないことになっていますので、社会教育士の活用の仕方、活躍の仕方も含めて、公民館主事のようないわゆる専門職の在り方も検討していく必要があるのではないかと思います。さらにまた、行政との中間に入ってきて、住民の方と一緒になって学びを組織していく人々、さらには住民自身が自ら学習を担い、進めていくような、そういう体制づくりといったこともこれから考えていく必要があるのではないかなと思って、お話を伺っていました。
 その意味では、先ほど関委員がおっしゃったように、楽しく、次へ次へ新しいものが生まれてきて、やめられなくなってしまうような、そういう実践というか、そんなものがこれから求められてくるのではないかと思っています。
 すいません。失礼しました。

【清原部会長】  牧野副部会長ありがとうございます。「社会教育の自由の保障」ということは大切ですし、社会的共通資本としての教育の意義を考えたときに、学校教育だけではなくて、社会教育の意義が改めて重要になってくるということ、そして地域づくりの、あるいは地域社会の当事者であるということ、そして、その取組に参画するということの意義が改めて共通認識としてあったと思います。

【牧野副部会長】  すいません、補足ですけど、今、社会教育の自由と言いましたが、社会教育、とくにその実践は自由にせざるを得ないのだと思います。生活が多様なので。ですから、一元的に管理するという話にならないのだと思うのです。その意味で、自らの生活を基にして自由に社会教育活動を行うことによって、社会基盤が豊かに形成されていく、そうすることによって社会が安定するのだという、そういう話になっているのだと思います。
 その意味では、自由と日常生活、また多様性といったことは切り離せない。さらにそこに民主主義が関わってくる、そういうふうに考えています。

【清原部会長】  ありがとうございます。それでは、萩原副部会長、お願いします。

【萩原副部会長】  早口で行きたい。ありがとうございました。
 キーワードとすると、社会教育という概念の再定義、アップデートというふうなことになるかなというふうに思います。
 そして、私自身は先ほど小田切委員の発言が非常に重要かと思って、今の話にもつながるんですが、地域ごとに全部違うわけですから、地域から見る社会教育という考え方はとても大事なのかなと思います。それによって、それぞれの地域によって新たな課題が発見されたりとかする。その発見をするプロセスにおいて、そこには集う、学ぶ、結ぶ、中に混ぜてというのがありましたけど、創発するためには様々な方たちがそこに関わっていくという非常に重要な、そのプロセスですよね。このプロセスをデザインをしていく、そのときに社会教育主事なり社会教育委員、様々な人たちが関わっていく、そうすると多様な方たちが関われるようなものになっていくのではないかな。そのためには、機能というものをしっかり見ていくということも非常に私は賛同したいなというふうに思っております。
 もう一つ、小田切委員が20代、30代、40代の女性に注目って言っていただいたのは大変ありがたく思います。男女共同参画センターも機能強化が今、法律で決まりましたので、入れていただけるとありがたいなと思います。
 そして、答申に向けてのところの人、場、ネットワークのところに、場のところに入ってくるかとは思いますが、かつて新しい公共という概念の中に居場所と出番というふうな言葉があったと思います。その出番というのが活躍の機会ということですので、先ほど皆さんのお話を伺っていると、せっかく資格を持つ、あるいは資格を持たなくても地域社会の中で活躍できる人たちがたくさんいるのに、活躍する機会がないんじゃないかというふうなことをちょっと感じましたので、ぜひその活躍の機会をつくり出していく、そういったことも重要なのではないかなと思いましたので、今日、皆さんの意見を伺いまして、様々な気づきもいただいたかなというふうに思っております。
 決してアウトカムだけを求めず、定量的だけじゃなくて、定性的なものもしっかりと見ていく、そのプロセスを見ていく、評価していく、そのプロセスでエンパワーメントやエデュケーションが生まれてくるんじゃないかなというふうに思っておりますので、アップデートということが重要かなと思いました。
 以上です。

【清原部会長】  萩原副会長ありがとうございます。社会教育概念のアップデートということ、そして、エンパワーメントというキーワードもいただきました。何よりも地域から見る社会教育の重要性や、居場所だけではなくて、活躍の出番もということを御提案いただきました。ありがとうございます。
 それでは、皆様の御協力によりまして、2回目の発言をする方も今日は生まれるほど意見交換できたことに感謝をいたします。熱心に意見交換をしていただきまして、ありがとうございます。本日の審議はこれまでといたします。
 それで、審議事項2に関する御意見でございますが、本日の意見交換を取りまとめに向けて大いに反映させていただきたいと思います。それに加えて、皆様、今日御欠席の方もいらっしゃいますので、御出席の方も御欠席の方も改めてお気づきの点はメールにて事務局までお寄せください。それを集約させていただいて、部会長である私に取りまとめを御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか、会議室の方も。(「異議なし」の声あり)

【清原部会長】  責任重大でございますが、副部会長、どうぞ、ご一緒に協力していただきまして、3人と事務局で皆様の御意見を最大限反映して、まとめさせていただきます。
 今日は、塩見総合教育政策局長、そして、神山社会教育振興総括官に御出席いただいています。塩見局長あるいは神山振興総括官、一言御発言があればどうぞ御遠慮なく。では、塩見局長、お願いします。

【塩見総合教育政策局長】  すいません。ありがとうございます。塩見でございます。本当に熱心な御議論いただきまして、ありがとうございました。
 私も以前、社会教育課長を務めさせていただいたこともありまして、社会教育の重要性ということは本当に身に染みて感じているところでございます。特に今日、先生方いろいろ御議論いただいたこと本当にどれもいずれもそのとおりだということで強く感じたんですけれど、何回か先生方からも言及ありました小田切先生が地域から見た社会教育という話をしていただきました。
 私、特に最近感じていますのは、少子化、超高齢化の中で、特に地域の中で非常に弱ってきているところが多いということは個人的にも非常に実感しているところでありまして、特に高齢者の方々中心に困り事が山積しているような状況があります。そういった中で、みんながよりよく生き延びていくための社会教育の在り方というふうなことも大事なテーマの1つではないかと思っておりまして、今日の御議論でも地域地域でそれぞれの社会教育、求められているものが違うということがあったんですけれど、そうした視点からも、今回の御議論を踏まえて、大きくつながっていくような社会教育の新しい姿が実現できればということで、本当に今日の御議論を聞いて、期待がむくむくと沸き起こっておりまして、ぜひ御一緒にまとめのほうをさせていただければと思っております。
 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【清原部会長】  ありがとうございます。神山振興総括官どうぞ。

【神山社会教育振興総括官】  ありがとうございます。発言の機会いただきまして、ありがとうございます。
 非常に活発な御議論いただきまして、また、理念的な部分について非常に支えていただくような御発言が多かったかなと思っております。
 実は今、審議事項の1でも御提言をいただいておった社会教育人材のネットワークの構築ですか、それの強化に向けて、各都道府県の教育委員会とも事務的にいろいろ御意見を伺っている、全都道府県、また、政令市とも御意見を伺っている最中でございまして、そうした中でも社会教育の重要性というのを一方で実感をしておるところでございますけれども、他方で、社会教育というのはなかなか分かりにくいよねという話は、自分たちが頑張ってはいるんだけど、分かってもらいにくいよねという話をいただいており、そこを中教審のほうでの御議論を踏まえながら、いかにうまく伝えていけるか、制度改正なども含めてやっていく必要があるかなというふうに実感をしております。
 その意味では、今日御議論いただいた中では、目的、何を学ぶかということだけではなくて、プロセスの中で学んでいくことの大事さですとか、それをうまく伝えていくといったこと、あるいは、同じ趣旨だと思いますけれども、学びの手前といった御指摘もございましたので、そういったところの社会教育の役割と社会教育の本質的な役割みたいなものをうまく伝えていけるように、これから中教審の御議論を踏まえて、制度ですとか、あるいは施策にどう落とし込んでいけるかというところに意を用いてまいりたいなと改めて感じた次第です。本日は御議論ありがとうございました。

【清原部会長】  ありがとうございます。塩見局長、神山振興総括官ありがとうございます。 何よりも塩見局長が言われましたように、私たちは「地域コミュニティの基盤としての社会教育の在り方」を検討しているのであり、どの地域も取り残すことがなく、それぞれの地域の実情を尊重しつつ、必要な社会教育における支援の取組を国や自治体が進めていただけますような提案にしていきたいと改めて受け止めたところです。
 また、神山振興総括官に御紹介いただきました、今、総括官そして髙田課長、林調整官を中心に、地域学習推進課の皆様が全都道府県及び指定都市の社会教育担当者の方と濃密な長時間の対話を重ねていらっしゃるということで、それはとても大事だと思うんです。
 「対話」というキーワードを関さんからもいただきましたけれど、現場に即した御提案を私たちしていきたいと思っておりますので、全ての委員がそれぞれの現場をお持ちで、それぞれの現場を踏まえた御発言していただいていますが、事務局におかれても、それに取り組んでいただいていることを本当に心強く思います。
 それでは、最後に事務局から御発言、髙田課長、お願いします。

【髙田地域学習推進課長】  すいません。ちょっと関連で、今ヒアリングしておりますけれども、その内容について、調査がなかったので定量的なものの資料という形にならないんですけれども、こんな議論があったとか、そういったようなことについてちょっとまとまったものをまたこちらのほうにバックしたいというふうに思っております。
 その中にも実は総合教育会議の話も、やはりあまりやられていないところもあれば、首長がちょっと人材のことで急にやりたいと言って、急に3回開きましたみたいな話もあったりとか。
 あと、あったのは、社会教育主事の発令について、社会教育主事を発令してしまうと、ずっと教育委員会に塩漬けになっちゃうから発令しないみたいな発言もあったりもして、単なるそこはその市町村なり自治体でそう思っているという話ではあるんですけれども、そういったようないろんな話もありましたので、うまく定性的にまとめて、こちらに報告したいというふうに思っております。
 また、今日、議論は主に意見の整理に対しての意見も多いのかなと思って、用意しなかったんですけれども、法令の改正については、これまでの改正の経緯というか、そもそも法律がどうだったかということについて資料を用意して、次の審議の参考にしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、事務的な発言については林からまた行います。

【清原部会長】  では、林調整官、お願いします。

【林社会教育企画調整官】  続きまして、事務局からの連絡でございます。
 1点御紹介させてください。参考資料の4でございます。昨年末に成立いたしました文部科学省の本年度の補正予算におきまして、社会教育人材ネットワークを活用した地域づくり活性化事業が盛り込まれましたので、紹介させていただきます。
 本日も御議論いただきました社会教育人材に対する活躍支援をもっとすべきではないかということも、この資料の2ページ目にございますように、メニューで盛り込んでございます。御覧いただければと思います。
 今後の審議予定につきましては、また皆様に別途メールで御連絡いたします。
 事務局からは以上でございます。

【清原部会長】  ありがとうございます。髙田課長に御紹介いただきましたように、現在、事務局で行っている都道府県及び指定都市の社会教育担当者との対話については、定性的な内容を私たちが共有することは大変にありがたいことですので、ぜひそういう機会をつくっていただければと思います。
 また、私たちの議論を通じて、早速に令和7年度の補正予算で社会教育人材ネットワークに関するものが提案され、可決されているということですので、全国の自治体の皆様にこれが周知されて、活用をしていただき、社会教育士、社会教育人材の皆様のネットワーク化が促進されることを願っております。
 そして、今日の資料3の4ページの最後に、「社会教育法の各規定のうち、社会情勢の変化等も踏まえ、刷新すべきと考えられる点や今後も重視していくべきと考えられる点としてどのようなものがあるか」ということについては、例えば、柏木委員から今日具体的な御提案もいただきましたし、皆様の御発言の中にもそれに関係する具体的な御提案が含まれていたことを心強く思います。
 法改正について発言するというのは、一国民としてはなかなか気後れするところがないわけではないと思います。しかしながら、国民、そして地域住民の皆様のためになることだと私たちは信じて、ぜひ具体的な提案を、この部会での意見交換を行い、その内容を精査して、答申に向けて準備をしていきたいと思います。本件についても、謙虚に、しかし、積極的に皆様のチームワークで取り組んでいきたいと思います。
 というわけで、時間をまた若干過ぎてしまってごめんください。今日はJRの思いもよらない停電事故があり、遅刻された方にも本当に御苦労をおかけしたと思います。こういうときこそリアルとオンラインのハイブリッドの会議が効果をもたらすということも確信をいたしました。オンラインで御参加の皆様もいつもありがとうございます。ぜひ今年も皆様と心を合わせながら、諮問の答申に向けて力を尽くしてまいりましょう。
 改めて皆様の御参画と御協力をお願いして、本日の第14回社会教育の在り方に関する特別部会の閉会を宣言いたします。皆様、御出席ありがとうございました。お風邪を召しませんように。失礼いたします。

―― 了 ――

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