社会教育の在り方に関する特別部会(第13回) 議事録

1.日時

令和7年12月11日(木曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室 ※WEB会議併用

3.議題

  1. 青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策について(事務局説明)
  2. 自然の家の新しい姿(株式会社R.project発表)
  3. 青少年教育施設等における青少年の体験活動の推進方策(青木教授発表)
  4. 青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策について(意見交換)
  5. その他

4.出席者

委員

(委員)清原委員,萩原委員
(臨時委員)青山委員,安齋委員,伊東委員,柏木委員,古賀委員,小見委員,杉野委員,関委員,田名部委員,野津委員,東委員,牧野委員,美田委員,八木委員

文部科学省

(事務局)塩見総合教育政策局長,橋爪大臣官房審議官,神山社会教育振興総括官,吉田政策課長,中安生涯学習推進課課長,坪田教育改革調整官,髙田地域学習推進課長,田中地域学習推進課青少年教育室長,林社会教育企画調整官 他

5.議事録

【清原部会長】  皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第13回社会教育の在り方に関する特別部会を開催いたします。
 まず冒頭に、先日、北海道、青森県を中心に大きな地震が発生し、その後も余震が続いているようでございます。委員の皆様と思いを一つに、被災地の皆様をお見舞いし、一日も早い復旧、復興、そして鎮静化を願っております。
 委員の皆様におかれましては、本日は誠に御多用のところ御参集いただきまして、どうもありがとうございます。特に自治体関係者におかれましては、定例議会開会中でもあり、なかなか御出席には御苦労があるところだと思いますが、万難を排して御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 本会議は、対面とオンラインを併用して開催いたします。なお、本日は、ユーチューブのライブ配信にて、報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者から、会議の全体について録画を行いたい旨、申出がございまして、許可しておりますので、皆様、御承知おきください。
 それでは議事に入りたいと思いますが、本日の会議は、12時までの開催を予定しております。委員の皆様の貴重なお時間をいただいておりますので、限られた時間の中で、自由に充実した議論ができますように、進行に努めたいと思います。会議の円滑な進行への御協力を心からお願い申し上げます。
 本日は、諮問における審議事項の2「社会教育活動の推進方策」のうちの3つ目、「青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策」について、意見交換をしていただきます。皆様の意見交換が自由濶達なものとなるよう、今年の8月までの間、髙田地域学習推進課長と、文部科学省において開催されておりました「国立青少年教育施設の振興方策に関する検討会」にも御参画いただいた株式会社R.projectの代表取締役、丹埜倫様、そして國學院大學教授の青木康太朗様より、御発表いただきます。お三人の発表に続きまして、事実関係の確認に関する質疑応答を行いたいと思います。そして続けて、委員の皆様によります本日の議題に関する意見交換をしていただく、このような進め方にさせていただきます。
 それでは、まず事務局の髙田地域学習推進課長より、資料1-1を基に御説明いただきたいと思います。それでは、髙田課長、お願いいたします。

【髙田地域学習推進課長】  地域学習推進課長の髙田です。よろしくお願いいたします。
 初めに、今日は幹部が少なくなっておりますけれども、ちょうど今、予算の折衝の佳境期に入っておりまして、場合によっては急に抜ける者も出るかもしれませんけれども、そこは御理解いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 資料1-1でございますけれども、こちら、いつも、まず初めに確認いただいているところとして、諮問内容、社会教育活動の推進方策、2ページですけれども、その中で、今日は青少年教育施設等における青少年体験活動の推進方策について議論いただくということで、3ページに少し詳しい内容を書いております。青少年の健全な育成に向け、青少年体験活動やその推進に資する民間活力の活用も含めた青少年教育施設の在り方、青少年体験活動に携わる人材の資質向上、関係団体や民間企業等の多様な主体との連携・協働を促すネットワーク強化の観点からの検討をお願いするものでございます。
 それに先立ちまして、4ページ、先ほど御紹介がありましたけれども、今年の8月に、国立青少年教育施設の振興方針についてという報告書をまとめております。これも国立施設のものですけれども、この国立施設の振興方策の検討に当たっては、当然、全体の青少年活動の振興の観点から議論させていただいております。御参考までに申し上げますと、報告書の骨子の中では、少子高齢化が進む中で、あるいは施設の老朽化が進む中で、今後どうしていくかということで、国立施設については、ナショナルセンターとしても先導的な取組ですとか指導者の養成みたいなものを引き続ききちんとやっていくということもございます。一方で、体験活動がコロナ以降なかなか戻らないという中で、改めて体験活動に御興味、関心を持ってもらうために、いろいろなプログラムの開発ですとか新たな利用者層の拡大、そして経営面の課題として、いろいろなインフラのマネジメントでありますとか、民間活力を活用した経営の改革などについての議論が行われて、そういった方向性で改革を進めるべしというのが、この報告書の内容でございます。
 あと、特に一番下の5のところに、国立施設の在り方ということで、機能強化と再編という2つの対応のために、一部の施設を拠点化したり、機能の適正化、目標管理体制を徹底して経営面をしっかりしていくというような議論を行ったところでございます。
 この議論の中で、特に民間活力の導入という観点で、今日御発表いただくR.projectの丹埜様などにもいろいろ御意見いただき、これに参画いただきました。また、青木先生からも、大所高所の観点から様々な御意見をいただいているということで、今回の発表に至ったというところでございます。
 最後に5ページ、改めての確認でございますけれども、青少年教育施設が減っていく中でも、施設が引き続き柔軟に、今後の青少年活動の中で重要な役割を担っているということで、機能強化に加えまして、利便性や快適性、安全性といった観点をどうしていくかですとか、改めて今、この部会でも社会教育人材のことについて様々な議論がありましたけれども、やはり指導者、人材の育成というのが重要になっておりますので、そういった観点の御議論をいただければと思っております。
 また、通常、これまでの施設が学校利用を中心に行われてきたわけですけれども、学校利用あるいは青少年利用を中心としつつも、様々な観点から、いろいろな民間企業とタイアップしながら、より活動を活性化させたり、新たなネットワークの中で、非常に活性化していく事例もあるということで、そういった観点からの議論をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 この後、お二人にバトンをつなぎたいと思います。私からの説明は以上です。

【清原部会長】  髙田課長、御説明ありがとうございます。
 私たちが諮問として受けている「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策」においては、社会教育活動の充実方策、そして、社会教育施設の機能強化方策として、青少年教育施設等についても、しっかりと議論を深めていきたいと考えております。その問題意識と問題の所在について、今、髙田課長から御説明いただきましたので、皆様と共有して、本日の審議に入っていきたいと思います。
 それでは初めに、株式会社R.projectの丹埜様から、国立青少年教育施設の振興方策にも参画された御経験を踏まえて、15分程度で御発表をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【丹埜株式会社R.project代表】  改めまして、R.projectの丹埜でございます。よろしくお願いします。
 今日、限られた時間ですけれども、当社の今の事業の紹介と、あと、実際、事業を通して感じている自然の家の運営の今後のあるべき姿について、お話しできればと思います。
 我々R.projectは、幾つかの事業を行っているグループでございます。この後、それぞれの事業についてお話ししますけれども、大体、規模感としては、今グループの売上げが60億円ぐらい、正社員で250名、夏の間のアルバイトさんなんかを含めると1,000名ぐらいのこういう組織で行っているグループでございます。
 僣越ながら、私の自己紹介一枚だけさせていただくと、もともと東京で生まれ、平日は都心、週末は千葉のいすみという二拠点生活をずっとしてまいりまして、その当時から、自然体験の価値だったり、地方地域の潜在価値、ポテンシャルのようなものを感じておりました。20代は今と全く違う仕事をしておったんですけれども、証券会社というのは、一言で言うと投資の世界ですね。投資というのは、すなわち過小評価しているものを探すというところだと思いますので、その考え方というのが、その後の事業にも大いに影響しているのではないかなと思っております。
 2006年にR.projectを起業しまして、一番初めに行ったのが、千代田区が持っていた臨海学園施設を千代田区から買い取って、合宿施設として、リノベーションして運営するということをやりました。私自身がこのすぐ裏の麹町中学校に通っていまして、自分自身が通った臨海学園施設が閉鎖になってしまった、それを再生したいということでR.projectを始めたので、まさに自然の家の事業を行うために始まったような会社でございます。その後は、全国で少しずつ合宿施設を広げております。
 そして、キャンプ場の運営も行っております。2014年に千葉市の公園の中にあったユースホステル、これも言ってみれば自然の家のような施設で、これを運営する際に、隣接していたキャンプ場も運営するという形でキャンプ事業に入りまして、その後はRECAMPという会社を立ち上げて、その中で全国でキャンプ場を運営しております。
 そしてコロナに入って、ますます、アウトドア事業、自然体験の事業に振り切らないといけないということで、都内の公園等の自然の中でバーベキュー施設を運営していた会社をM&Aしまして、その後は西武と一緒にバーベキューの施設の事業を行っております。
 なので、施設運営という意味では、合宿、キャンプ、バーベキューという施設運営の事業を行っているグループでございます。
 今は全国で約50拠点、全てが自然の家ではないんですけれども、自治体が所有している自然にまつわるような施設を運営させていただいている会社です。
 最近の大きな動きとして、予約機能、キャンプ場の予約サイトを他社から買い取ることをしまして、アウトドアのDXにも取り組んでいるグループでございます。
 なので、いろいろな形で自然体験、アウトドアに力を入れている会社なんですけれども、その根底にある我々の考え方を御紹介させていただくと、グループのビジョンとしては、「生きる力を、自然から。」と掲げております。自然体験っていろいろな魅力がありますけれども、特に我々が感じる魅力というのは、自分たちの想像力、クリエイティビティを発揮するような、そういうところだと思っていまして、これがまさにこれからのテクノロジーが進化する時代に必要となってくる考え方、価値観なのではないかという思いの下で、今、運営をしております。なので、我々のミッションというのは、これからどんどん大事になるであろう、予定不調和の価値というのを信じて、自然とのつながりをいろいろな形で開いていく、こういうことを取り組んでおります。
 まさにそれを表現する事業が少年自然の家ということで、特に最近は力を入れております。今運営している、そしてこれから運営する施設、ここに紹介させていただいていますが、いわゆる少年自然の家の施設で、今、5施設、運営しております。いわゆると申し上げたのは、我々の合宿施設、自然の家は合宿事業の中で行っているんですけれども、自治体が少年自然の家と掲げている事業については、この左側3つですが、それ以外も、もともと自治体が自然体験の施設として所有していたもの、もしくは学校法人が所有していた施設なんかを運営しておりますので、まさに自然の家の自然体験のこういう事業を合宿事業では行っている、そういう会社でございます。
 我々の話は以上とさせていただきまして、この後、自然の家の業界と言ったらいいんでしょうか、今の状況だったり、課題、もしくは今後の我々の考え、今後発展させていくための考え方を共有させていただければと思いますが、まず、現状については、言うまでもないんですけれども、本当にかけがえのない体験を子供たちに提供する施設というのが、今、少しずつ、少しずつ減ってしまっている、存続が難しくなっているという状況があるかと思います。
 一方で、我々もポテンシャルをたくさん感じているので、全ては御紹介できないんですけれども、幾つか特に可能性を感じるところを紹介させていただくと、やはり、とにかく圧倒的な立地といいますか、通常の民間企業が事業できないような国立公園の中だったり、もしくは敷地内からハイキングロードが出ていたり、まさに自然体験のためにはすばらしい立地ですし、今後、国も力を入れていくであろう例えば海外からのアドベンチャーツーリズムなんかにとっても、すごくいい機能、立地なのではないかと感じております。
 もう一つ、私、個人的にすごく大きな特徴だなと思っているのが、地元地域にとって、すごく大事な施設であるという、思い出の施設であるというところだと思います。ちょっと言葉が多いので、ハイライトのところだけ読み上げますけど、実際に我々が取り組んでいる施設、兵庫県にある丹波少年自然の家の公募要項の中でも、世代を超えて約200万人の利用があったとか、自然風土とか交通の拠点としてとても大事な場所にあるとか、地域振興のハブなんだということを書いております。
 審査項目の中でも、いかに地域と連携するかというところは非常に重要視されている。これ、逆を返すと、我々が地域と何か連携をしたり、地域に対して発信をしたいというときに、その自治体からも非常に協力を得やすい、そういう魅力もあると思っております。
 もう一つ、ちょっと変わったアングルでのポテンシャルを紹介させていただくと、海外、特にアメリカでは、自然の家って「サマーキャンプ」と呼ぶ施設になるのかななんて思うんですけれども、実は日経でも一度、2兆円ぐらいの市場規模があるという記事が出ていたり、海外で非常に大きな産業です。この前、すごく面白い記事を見つけまして、ブルームバーグでの金融情報の記事なんですけれども、ゴールドマンサックスの社長が、自分自身が通ったサマーキャンプ施設を買ったと。当初は私が千葉の臨海学園を買ったように、思い出の場所という、少しプライベートの観点でと捉えていたんですけれども、実はそれを実際に買った後に、経済的にもすごく可能性があるということで、そのほかの自然の家の施設なんかも、サマーキャンプ施設も買っている。これはもちろん、あらゆる金融商品の中ですごくもうかるというわけではないかもしれないですが、社会性と経済性をしっかりと両立できると考えての行動だと思うので、我々もすごく参考にしたい、言わば勇気づけられる出来事だなと思っております。
 ということで、ポテンシャルと課題が混在しているというのが現在の少年自然の家、青少年教育施設だと思っていまして、少し在り方を変えていく必要があるんだろうと感じております。
 先ほど、自然の家が減ってきてしまっているという状況をお話しさせていただきましたけれども、もう少し、そこの課題を分解させていただくと、このような課題があるのかなと感じております。先ほど髙田様からもお話が少しありましたけれども、学校利用しかないため、運営の収入が少ない、そして、施設が老朽化してしまっている。今までだと、短期間の指定管理者制度、短期間で3年とか5年で運営者を区切るという制度が中心だったかと思います。かつ、学校利用も少子化で利用者が減ってきている。課題をもう少しまとめると、この2つについては、自治体にとっての財政負担がどんどん増えていってしまう。そして、短期間の指定管理者制度だと、どのぐらいの負担がかかっていくのかの見込みが立てづらい、そして、運営の担い手という意味でも、短い期間継続していると、次の担い手が見つかるのかというところも、なかなか見込みが立てられない。こういう課題がある中で利用者が減っていると、そもそも、ここまで財政負担をする必要があるのか、少年自然の家を継続する正当化が難しくなってしまっているというのが、自然の家の廃止のニュースのたびに、こういう議論が自治体の中で行われたということが見てとれるかと思います。なので、この後の話についても、課題の3つの要素として、運営の課題と開発の課題と制度の課題というところを分けてお話しさせていただければと思います。
 今お話ししたような課題というのを、今、我々がどうチャレンジしているかというと、まず、利用者のところでいうと、学校利用と収益事業を両立していくというところ。開発についても、コストパフォーマンスの高い開発をしていくということが必要、開発というのはリニューアルとかの話ですね。
 運営の制度についても、短期の指定管理から今始まっている長期のPFI制度。
 そして、一部の人しか使わないために、これだけ財政負担をしていいのかというところについても、利用者層を増やしていって多様化することで、社会的意義、そして経済効果、地元への経済効果という意味で書いています。両方の意味で、財政負担の正当化というのをしていく、こういう必要があるのではなかろうかと思っています。
 この後、先ほどの運営、開発、制度の順で少しお話しさせていただきます。運営のところについては、今までの課題でいうと、やはり、学校旅行のみであったというところですね。学校旅行だけですと、低廉な価格で提供しているので、年間数百万円の売上げしかないというような少年自然の家も多数あります。今、我々がチャレンジしているのは、学校利用はそのまま受け入れて、自然体験も提供しながら、様々なスポーツ合宿だったり、企業研修だったり、もしくはキャンプ場を運営したり、大学生のサークルなんかも受け入れてみたりということで、収益事業を両立させようとしております。
 我々の年間の営業カレンダーのようなイメージを共有させていただきますけれども、自然の家のコンセプトに、広い意味でのコンセプトに合致し得る顧客、何でもいいということではないと思いますので、コンセプトに合致し得る顧客を幾つかカテゴリーで分けたときに、実は年間で、ある程度、行動パターンが分散しているというか、年がら年中埋まるという意味ではないんですけれども、ただ、行動パターンとしては、自然学校という学校行事として行う合宿以外にも、それ以外のシーズンに様々な利用者層を獲得しようと思えば獲得できるということで、できるだけ通年で集客できるように、今、我々は頑張っているところです。
 ここでは顧客の多様性みたいな話になりますけれども、違う見方をすると、我々、公募で必ず自治体にお伝えしていることなんですけれども、人生の中で、同じ人のというイメージですね、同じ人の人生の中で何度も訪れる施設にしていくというのも、とても大事な要素なのではないかと思います。一番上の子供の頃、学校の旅行で行った、その後はスポーツの合宿で訪れてみた、今度、大学生になって友達同士で来てみて、企業に入ったら、企業の社員の方たちと一緒にオフサイトで使って、今度は家族ができたらファミリーで泊まりに来る、こういうサイクルをできるだけつくれるようにしようとしております。
 そして次、開発についてですけれども、やはりリニューアルをするというときに、多額のコストがかかってしまうというのが一つ、かなり大きな課題になるんだと思います。これはつい最近発表された川崎市の八ヶ岳少年自然の家の廃止のリリースですけれども、いろいろな廃止をするという理由がある中で、開発コスト、赤くハイライトしていますけれども、77億円かかる。そこまで大きな開発コストがかかってしまうと、なかなか難しいのではないかと、こういう結論が出ているケースも多いかと思います。
 これに対して今我々が考えていること、我々は工事会社ではないんですけれども、運営の観点で、もっとこういう形の開発も考えていく必要があるのではないかというのが次のページになりますけれども、今までですと、左のビフォーと、当社が考えていることというので書いていますけれども、上のビフォーを見ていただくと、少し古くなった施設があるとします。これを少年自然の家としてリニューアルするときに、実は我々が栃木県で運営している施設で、非常に立派に改修いただいたので、これはよくない例としてではなくて、我々としては大変助かってはいるものの、同じようなRC造の新築の施設にしようとすると、どうしてもコストがかかってしまったり、設備についても、それ相応の業務用の大型設備になってしまう。これを捻出いただける自治体があるのであれば、それは運営者としてはありがたいですが、なかなかそれも難しいということで、なくなってしまうような施設が多いことを考えると、下のような事例ですね、これは我々が今年から熊本市で運営している施設ですけれども、例えば木造のコテージのような造り方をしていく、コストも下げながら、実際、自然の家にも合致したような造りを考えていく、これを運営者と開発業者がしっかり考えて、自治体に提案できるようにしていくということも重要な要素かと思っております。
 次のページが熊本のもう少し細かい説明になりますけれども、このような古かった施設を、我々がRC造の大きい新品の建物ではなくて、新築は新築なんですけれども、木造の少し建設コストも下げながら、でも地元の木材を使いながら、自然を感じるこういう造りでしていきたいんだということを熊本市に提案させていただいて、比較的柔軟に、ではいいよということで、きちんと定員の機能とか、多目的ルームとか、そういう機能が担保されていればいいよということで認めていただいたという事例でございます。
 続いて、制度のところですね。制度については、先ほどもお話ししたように、短期間の指定管理者制度から、今、PFIが導入されているということだけでもかなり大きなポイントになるんですが、PFIが導入された後でも、ちょっと我々が感じているような課題、簡単にお話しさせていただきます。細かくお話しする時間はないので、要素だけお話しさせていただきます。
 1つは減免利用の扱いということで、利用料金ですね。利用料金をどこの範囲まで安くするかというところなんですけれども、市外の方でも安くしなければいけないというような制度が残っているケースもあるということですね。となると、利用者を受け入れれば受け入れるほど、運営者からすると損失が増えてしまうようなスキームというのも時にはあり得るということですね。
 もう一つは、条例で現場の運営にあまり即していないようなルールが残ってしまっているケースもあるというところです。利用時間だったり、キャンセル料だったりですね。
 そしてもう一つは、自然体験につきものだと思うんですけれども、リスク。例えば、自然体験の中で、けがをしてしまった、やけどをしてしまう、こういうリスク基準、どういうときに、大きな課題として自治体とも共有して、例えばプレスリリース等が出るのかというのは、自然体験の一部だと思って受け入れるべきか、この辺りの線引きのような話についてです。今日は時間があまりないと思いますので、質疑等でまた振り返れればと思いますので、ここでは簡単に、スライドの説明といいますか、何を言おうとしているかだけ御説明させていただきます。
 料金について、しっかりと市民優先、一方で、市民を優先するからこそ、市外の方からは相場の料金を頂くというのも一つの大事な考え方なのではないかというのを、こういう説明で自治体とお話をさせていただいています。市民を優先するというのは、市民を安くするというだけではなくて、市外の方からはきちんと収益を上げるということも、市民関係なのではないかという考えを述べているスライドになります。
 ルールについては、いろいろなルールがある中で、これも社内で社員に対して、こういうふうに考えていこうと整理しているスライドで、ちょっと細かいですから、これはまた後ほど、もし御質問があれば振り返らせていただきますけれども、何を書こうとしているかというと、一言で言うと、いろいろなルールをきちんと整理した上で、自治体が決めたルールの中で、もちろん守るべきものもたくさんありますので、それはしっかり守っていく。一方で、これはちょっと現場に合っていないというようなもの、左側については、しっかりと誠意を持って自治体の方たちに交渉して、条例で決まっているから変わらないというものについては、もう少し長期間で交渉していこうと。一方で、変わることも十分あり得る、自治体の方も、確かにそうだと認めていただくことも多いので、これをどうせ決まっているものだからしようがないではなくて、しっかりと交渉していこうということをここでは書いております。
 そして最後に、リスク基準のところですね。これは自然体験施設では割とよく出てくることなんですけれども、やはり、自然体験施設だからこそ起き得るような自然のリスクについてどうしていくか。これは一言では解決しようがない話なんですけれども、大事だと思うのは、やはり自治体の方と一緒に、一定の自然体験の施設につきもののリスクというのはしっかりと共通認識を持って、何が起きたらどういう行動をするかというところを決めておく、その場その場のアクションにならないようにするというのが、今、自治体の方たちとやりながら話し合っているところでございます。
 実際、この後、こういう変化が確実に起きているというところの御紹介でしたけれども、国土交通省のページなんかでも、こういう進んだ自治体の事例が発表されたり、我々、こういうのを社内でも共有しながら、自治体の方たちも確実に考えが変わってきていて、一緒に施設をつくり上げていこうという機運が高まっているというところの少し御紹介になります。
 時間が来ましたので、最後のページだけ皆さんに共有させていただきますけれども、それを踏まえて、我々として、ぜひ提言していきたいこととしては、このようなことですね。情報収集、自然の家を廃止することの検討だったり、もしくは存続するための検討で、もう少し、こういう自治体の情報を我々も知りたいなと、双方で情報交換ができるような場があるといいなというところだったり、公募要領についても、これは開発に対してのところですね。要領が決まる前に、できれば、我々も含めて一緒に考えて、これはサウンディング等で行われていることでありますけれども、もう少し、開発のところにおいても民間の意見が含まれてもいいのかなというところ、条例についても、この条例が今まではよかった、でも新しい運営をする場合は少しミスマッチしている場合があるので、一旦、公募の前の段階でアップデートしていったほうが、双方、自治体の方も我々もやりやすいのではないかというところと、先ほどのリスクの共通認識ですね、こちらについても、やはり自然の家とはどういうコンセプトであるべきか、どういうリスクに気をつける、どういうリスクは許容するべきかというのは共通認識が必要なのではないかということでございます。
 すみません、少し時間をオーバーしてしまいましたけれども、ぜひ、また質疑等で御意見等をお聞かせいただければと思います。ありがとうございます。

【清原部会長】  株式会社R.projectの丹埜様、御発表ありがとうございます。
 二拠点生活の御経験から、自然体験の重要性を踏まえて、合宿、キャンプ、バーベキューの取組を現在50拠点で展開されているということです。その中から、自然体験の公共の施設に対して、可能性と課題が混在していると。そこで、ぜひとも「適切な公民の連携」を進めていってはどうかという方向での御提案でございました。運営、開発、制度のそれぞれについて御説明いただきまして、最後に、「適切な公民連携」のための御提言もいただきました。どうもありがとうございます。
 それでは続きまして、國學院大學の青木様から御発表をお願いいたします。資料3に基づきまして、同じく15分程度でよろしくお願いいたします。

【青木國學院大學教授】  國學院大學の青木でございます。本日はこのような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、青少年教育施設等における青少年の体験活動の推進方策ということでお話をさせていただければと思います。
 私は今、大学の教員をしておりますが、元は青少年教育施設の職員をしておりまして、国立施設の職員として現場で子供たちと関わっていた経験があります。また、長年、青少年教育、体験活動の業界に携わってきましたので、そういった観点も含めてお話できればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 本日お話しさせていただきたいこととしては、諮問にもありましたが、民間活力を含めた青少年教育施設の在り方、体験活動に携わる人材の資質向上、それぞれ多様な主体がどのように関わってネットワークを強化していくのか、この3つの観点から、私見になりますが、御説明させていただければと思っております。時間も限られておりますので、早速、始めさせていただきます。
 まず、1つ目の民間活力も含めた青少年教育施設の在り方という観点ですが、先ほどR.project様からもありましたとおり、やはり、今の青少年教育施設は非常に厳しい状況にあると考えています。施設ができてからおよそ40~50年たっている施設が多い中、老朽化、また、近年の少子化に伴って利用者数の減少が起きておりますが、特に公立施設においては、統廃合があって施設数がかなり減少していたり、また、指定管理者制度やPFIの導入も進み、青少年教育施設の在り方も変化の時を迎えていると言えると思います。先ほどR.project様の説明でも、自然の家2.0とありましたが、まさにその2.0を迎えようとしているのが今の実情なのかなと思っております。
 その中で、私が所属する日本野外教育学会では、令和4年度に野外教育の充実という観点から政策提言を出し、その中の一つに、住民のニーズに応えた青少年教育施設の在り方をどう検討していくのかといったような、今の時代にふさわしい青少年教育施設の在り方について検討していただきたいといった提言をしております。
 これについては、ぜひホームページ等で御覧いただければと思いますが、今日お話をさせていただきたいのは、先ほど髙田課長からも御説明がありましたが、今年の8月に文部科学省から出されました国立施設の振興方策を軸に、これからの青少年教育施設の在り方について、お話をさせていただければと思います。
 この報告書については、先ほどもありましたが、国立青少年教育振興機構の第5期中期目標を見据えながら、今後の国立施設の在り方について検討し、報告が述べられているところになりますが、私もそこのメンバーの一人として携わった中で、本当にこれからどうしていけばいいのかというのは非常に大きな課題だなと感じております。
 その中で、この報告書の中では、この赤いところで書かれていますけれども、拠点の特定や機能別分化の検討、目標管理体制の徹底という3つの柱が示されております。詳細は、本日の資料にも報告書が入っておりますので御覧いただければと思うのですが、拠点施設の設定等と機能別分化の検討については速やかに着手して、結論が出た施設から、順次、機能強化や縮小・再編の取組を推進していくということが示されております。
 次のページになりますが、全国には国立施設が28か所あって、一番最初は静岡県の国立中央青少年交流の家が昭和34年につくられ、それから33年にわたって整備が進められ、現在は28施設が全国で運営されてきております。先ほどの報告書を契機に、施設の立地特性や教育機能を踏まえて、一定のエリアごとに拠点機能を担う施設を定めて、戦略的に施設の統廃合や規模の見直しを行いながら組織の再編に取り組んでいくことが、今、国立施設には求められています。そういった意味でも、60年以上の歴史を持つ国立施設というものが、今、本当に大きな転換期を迎えていて、これからの国立施設の施設運営の在り方については、業界でも注目されているところなのかなと感じております。これは国立施設の例ではありますが、多くの公立施設にも当てはまる話になってくると思っております。
 次のスライドは、国立・公立青少年教育施設のSWOT分析ということで、これは昨年度、文部科学省の委託調査で行われた調査結果を基にお示ししているものですが、ここには、青少年教育施設の強み、弱み、機会、脅威といったようなそれぞれの観点からポイントが示されております。特に青少年教育施設の弱みとしては、施設の老朽化、予算の制約といったこともありますけれども、マーケティング・マネジメントの視点が不足しているといったことが強く挙げられております。
 あわせて、施設の脅威としては、少子化による利用者数の減少に加えて、民間の宿泊施設、レジャー施設との競合といった観点も非常に重要な脅威として挙げられております。
 今、国立施設が抱える課題としては、利用者数の減少もそうですが、運営費交付金の削減、自己収入の増加といったようなことが挙げられており、ここに示されている弱み、脅威を踏まえると、単に施設数とか規模の見直し、また、組織を再編することだけでは、なかなか解決できる問題ではない、状況ではないということが分かるのではないかと思います。
 次のスライドになりますが、そこで、この報告書で求められていることとしては、魅力的な施設への変貌には総合的な改革が必要だということになります。この総合的な改革の方向性としては、今ここにお示ししていることになりますが、例えば『マーケットイン』の考え方を導入することであったり、サービスの充実やホスピタリティの向上、または地域の素材を生かした付加価値の高い教育研修プログラムの開発や、後ろのほうにも書いてありますが、デジタルマーケティング取り入れた広報の改善、充実といったことが挙げられております。これまで、青少年教育施設は教育施設であることから教育をメインに置いていて、サービスとか、利用者目線ということが、どちらかというと、弱いところがあったと思うのですが、これからは、周囲の環境も踏まえて、そういった観点を入れていくことが求められるということになります。
 ここから後ろの資料については、参考までにということで簡単にお伝えしたいと思うのですが、例えば、先ほどの『マーケットイン』の考え方の導入については、昨年度、先ほどの文部科学省の調査の中でもありましたが、コロナ前と比較して、今、利用者が2割以上減っているという施設が青少年教育施設の中でも6割弱あると言われているぐらい危機的な状況にあるのですが、その中でも利用者数が増えている施設を見ると、保護者の声とか子供の声を反映した企画に力を入れている施設は利用者数が増えているというような状況があります。
 では、どういったニーズがあるのかというと、これはいこーよ総研という会社が調査した結果ですが、保護者のニーズとしては、好奇心をくすぐる内容であったり、ふだんの生活や学校ではできない内容、達成感を感じられる内容といったことが、子供の体験を選ぶとき重視するポイントとして挙げられています。また、次のスライドになりますが、子ども・保護者が望む体験とはどういうものかと見ていくと、職業体験や勤労体験、国際交流体験が挙げられています。自然体験ももちろん一番トップなんですが、自然体験はしっかりやられているので、やられていない活動にどうアプローチしていくのかという観点がとても大事になってくると思います。このように子供とか保護者のニーズに着目して、それらの活動をいかに充実させていくことが魅力的な施設へと変わっていくためのポイントになると言えると思います。
 また、学校団体も青少年施設にとっては重要な利用者になりますが、学校が選ぶポイントとしては、重視することとか満足度に影響することということになりますが、これを見ると、安全管理とか、施設・設備の充実とか清潔さなど、一見、当たり前のようなことばかりに見えるかもしれませんが、実は利用者目線から見ると、こうした基礎基本がとても重要で、こういったものを大切にして利用者サービスの充実やホスピタリティの向上を図ることが魅力的な施設になっていくためには重要になると考えられます。
 また、次のスライドになりますが、学校団体、青少年団体以外にも新たな利用者層の開拓ということが求められていますが、その中でも、やはり、ファミリーの取り込みというのは、とても重要なポイントになってくると思います。これは大阪府の青少年教育施設の例なんですが、家族で施設を利用するってなかなか使いづらい部分もあるんですが、そのことを考えて、家族向けのお泊まりパックを用意して、少人数でも楽しめるような工夫をしているということもあります。しかし、これは実は単なるプログラムづくりの工夫だけではなくて、この施設は、マネジメントの観点も持って工夫をされています。
 次のスライドにありますが、これはAISASという消費者行動モデルで、これは電通が開発したモデルになるんですが、インターネットが普及した現在において、どのように消費者は行動するのか、これを説明するモデルになるのですが、次のスライドにありますとおり、大阪府立の少年自然の家では、こうしたモデルに沿って、家族利用を増やす工夫をしています。ここでは詳細は御説明できませんので、パンフレットを見ていただければと思うのですが、新たな利用者の取り込みや利用者層の拡大を図るためには、単に家族向けのプログラムをつくればいいということではなくて、こうしたマーケティングの観点をうまく取り入れながら、利用者数の増加を目指していくということが大事になってくると思います。そう考えると、最近の公立施設、今日事例に上げようと思っていたのが、栃木県のみかもとか、熊本市のヤマガラビレッジとか、横浜市の施設と思っていたんですが、全部R.projectさんが担当されているところになるんですけれども、施設の運営に民間活力を導入しているところを参考にしながら、国立施設においても、令和の時代にふさわしい、新たな施設運営に取り組むことが求められている、期待されていると思います。ただ、先ほども申し上げましたが、青少年教育施設、国立施設だけではなくて、各地域にある公立施設にも同じような課題があって、同じような観点から改革をしていくということが求められると言えるのではないかと思っているところです。
 1つ目の話については以上になります。
 2つ目は、こうした体験活動を推進していくに当たって、やはり人材というものが非常に重要なポイントになってくるわけですが、その資質向上をどのように図っていくのかということになります。ここにお示ししているスライドは、下にあるのが、子供たちの体験活動の場や機会として主な例として挙げさせていただいておりますが、ここに関わる方々が、今回ここで言う体験活動に関わる人材と言えると思っております。こうした場や機会で、上に書いてあるような様々な体験活動が展開され、推進されているということになります。
 その上で、では、これからこうした体験活動に関わる方々の人材の資質向上を図るためには何を大事にしていけばいいのかということになるのですが、それぞれで行われている、例えば自然体験や職業体験、文化的な体験など、そういった活動の企画・運営や指導法、安全管理、さらには子供理解といったことは、これまでも研修や養成事業で行われているわけですが、これからの時代を見据えたときに、私として大事だなと思っているのは、ここに書いてある3点になります。1つは体験活動を通じた学びや育ちを支援する方法や考え方、次に青少年の意見を尊重し、参画を促す関わり方、そして、指導者としての心得や倫理感。こういった観点をさらに加えてやっていくことが、より安全・安心な環境づくりであったり、質の高い体験活動の提供につながるのではないかと思っております。
 では、なぜ、そう考えるのかというと、例えば体験活動というのは、単に体験すること、活動することが目的ではなくて、その中で、どういった感情が生まれるのか、気づきが生まれるのか、学びが生まれるのか、そういう体験の質に関わる部分にしっかり目を向けることが大事になってきます。
 その上で、めくっていただきまして、よく豊かな体験と言いますが、豊かな体験というのは回数とか多様さではなくて、実は豊かな体験というのは、どきどき、わくわくといったような心が大きく動かされるようなもの、これがどれだけあるかが豊かさのポイントになると思っております。
 そうして見たときに、体験活動の質というのをどのように見ていけばいいかというと、ここに書かせていただいていますとおり、夢中になって取り組めるかどうか、心が動かされるかどうか、さらに、その体験を通じて気づきや学びが得られるのか。体験活動は青少年教育の場や手段として用いられているものですから、こういった観点から、より質の高いものを提供していくということが大事になってきます。ただ、残念ながら、こういう観点というのは、まだまだ十分に伝わっているとは言い切れない現状にあると思いますので、これから青少年教育に携わる方々には、こういう体験の質を高めるための方法や考え方をしっかり伝えていくことが大事になってくると思っております。
 次のスライドになりますが、令和5年にこども大綱が策定されまして、その中で、こどもまんなか社会の実現というものが求められています。そのため、これからの青少年教育指導者には、子ども・若者の視点とか、意見を尊重しながら、対話を重ねながら共に進めていくという姿勢が求められていると言えると思います。ただ、それは、これから、こどもまんなか社会に体験活動の指導者が合わせていくというよりは、その指導者自身が、その考え方を持って、体験活動の場や機会の提供を通じて、こどもまんなか社会を一緒につくり上げていくという姿勢が求められていると思います。ですので、まず、こういったことを伝えていく。
 その上で、こどもまんなかと子供たちの権利を大事にしていくためには、次のスライドになりますけれども、ただ、子供たちにサービスを提供したり、保護するだけではなくて、いかにその参画を促すのかということがポイントになってきます。
 ただ、次のスライドになりますが、子ども・若者の参画を実現するためには、ここにも書かれているように、意見形成、意見表明、意見反映という課題も大きくなっております。こういった課題をクリアしていくためにどう考えていけばいいのかを一緒に考えて、研修の中で伝えていくということや学んでいくことが大事なのかなと思っています。
 次に、キャンプ指導者の倫理ということになりますが、来年12月のこども性暴力防止法の施行に伴って、今、青少年に関わる団体では、指導者の倫理教育にすごく力を入れています。私が関わる日本キャンプ協会においても、このようにキャンプ指導者のための倫理ガイドラインというものを策定して、指導者の倫理感の向上に努めています。今、学校、保育所だけではなくて、体験活動が行われる場でも子供への性暴力の報道というのが後を絶たない中、青少年に関わる指導者の倫理感の向上は急務な課題と言えるのではないかと思っております。
 こういった観点から、先ほどお示しした3つの観点をさらに加えることが、資質向上のために必要なポイントになってくると思っているところです。
 最後、3つ目になりますが、多様な主体との連携・協働を促すネットワークの強化といったところでは、こういったところが大事かなとスライドをお示しさせていただいております。これまでも、連携・協働とかネットワークというものはよく示されているのですが、なかなかそれがうまくいかなかったり、機能しなかったり、教育機能が発揮できなかったりということがよくあると思います。これはネットワークが単なる情報交換であったり、一部の人たちの連携でしかなかったりするということが考えられるのかなと思っています。ですので、これから、各地域において、多様な主体を巻き込みながら、その地域で取り組むべき課題や目標を共有し、それぞれが役割とか連携の在り方を明確にしながら、子供たちの体験活動を推進するためのプロジェクトチームという具体的な取組をやっていくことが大事なのかなと思います。具体的な取組に取り組んでいくことが、ネットワークをさらに強化させるきっかけになるのかと考えております。
 そのためには、チームの活動拠点となるような場所を設ける、これはまさに青少年教育施設が地域のハブ、核となってやるという意味では、すごく重要なポイントになってくるかと思います。
 また、ネットワークを推進していくためには、コーディネーターの存在というものがとても重要になってきます。ここについては、社会教育士や地域で活躍されている方が、そこで活用され活躍していくということも大事かなと思います。
 また、最近は企業が教育CSRということで、子供たちの体験活動に参入してきている現状もありますので、地域の新たな教育力として、企業もうまく巻き込みながら、多様な主体をつくり上げていく。
 さらには、体験の場や機会と、子供たち、保護者たちをつなぐ仕組みを考えていく。実は、青少年教育施設で事業をやっていても、情報がなかなか伝わらないとか、知らないということが課題になっています。それを解決していくためには、この前も民間の方と話していたんですが、地域の子供たちがよく行く学童といったようなところと連携して、情報提供してもらう。日常から非日常にうまくつないでいただくことで、子供たちの参加を促していくことができるといったこともお話しされていました。
 このような仕組みを考えていくことも大事ですし、さらにはデジタルプラットフォームなどを活用しながら、多くの方にそういった存在を知っていただくことも大事かと思います。
 その中で、新たな枠組みをつくるというよりは、地域学校協働活動とか、『体験の風をおこそう』運動推進事業とか、既存の枠組みを活用しながら進めていくということが重要なポイントになろうかと思っております。
 最後ですけれども、今後、青少年教育の推進、体験活動を推進していくためには、多様な主体が連携しながらやっていくということが大事になってきますが、体験活動の推進においては、施設はそのための場であり、人材はその機会をつくる支援者であり、協働というものは、青少年の豊かな成長と自立を支える環境づくりとなると言えると思います。これをしっかり進めていくためには、施設においては財政的な支援であったり、人材においては研修、連携・協働においてはコーディネーターの発掘とか養成ということが大事なポイントになるかと思います。
 最後に一言だけ申し上げさせていただきたいのですが、今日は手短に青少年の体験活動の推進についてお話をさせていただきましたが、こういったことについては、しっかりと議論を深めて、より広い観点から話をしていくことが大事なのかなと思っております。青少年の体験活動については、平成25年度以来、答申が出ておりませんので、ぜひ、中教審で、改めて青少年の体験活動、青少年教育について御議論いただければと思っております。
 長くなりましたが、私からは以上とさせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。

【清原部会長】  青木様、御発表ありがとうございます。
 1点目、「青少年の体験活動やその推進に資する民間活力の活用を含めた青少年教育施設の在り方」については、特に保護者や子供の意見を尊重したデジタルマーケティング、あるいはサービス、あるいは地域の特性を生かすというような幾つかの点を御指摘いただきました。
 また、「青少年の体験活動に携わる人材の資質向上」については、15ページに大変重要なポイントを提起していただき、特に青少年の視点や意見を尊重するだけではなくて、参画を促す在り方についても問題提起いただきました。
 そして3点目の「関係団体や民間企業等の多様な主体との連携・協働を促すネットワークの強化」においては、特にコーディネートの重要性から、社会教育士であるとか、そういう人材への注目、それから、23ページの「今後に向けて」の4点の中の特に2点目では、「これからの青少年教育は、教育の枠にとどまることなく、地域コミュニティの中で、多様な分野で展開されることが望まれている」と。このような、私たちが受け止めております諮問との対応で重要な御指摘をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、これまでの髙田課長、丹埜様、そして青木様の御意見を踏まえて、意見交換に入るわけですが、意見交換に入る前に、どうしても事実関係でお三方に確認しておきたいことがありましたら、挙手をして確認していただければと思います。会議室の方は名札を上げていただくとありがたいですし、オンラインで御参加の皆様は挙手ボタン押してください。事実関係についての御確認、何かございますでしょうか。
 それでは、安齋委員、お願いします。

【安齋委員】  安齋です。よろしくお願いします。
 お二人の発表、本当に勉強になって、ああ、今こういう状況にあるんだということが改めて分かったところなんですが、私、ずっと学校の教員をしていた関係で、学校の利用状況について、もし青木先生のほうでそういったものがあれば教えていただきたいんですけれども、当然のことながら、今、学校数は減少していますし、子供の数は減っているので、学校の利用は減っていると思うんですが、学校数の減少や少子化以外の理由、例えばカリキュラムの問題、今、働き方改革とかと言われていますけれども、そういった理由で学校の利用が減っているという実態というか、そういう現状はあるのかないのか。
 また、以前、文部科学省は積極的に4泊5日とか長期の宿泊体験を推奨していたんですが、どうも大分短くなってきている傾向にあるのかななんていう、その辺も教えていただければと思います。

【清原部会長】  それでは青木様、お願いいたします。いかがでしょうか。

【青木國學院大學教授】  ありがとうございます。
 今御質問いただいたとおり、まさに少子化、また、学校数だけではなくて、学校規模も小さくなっている、それを合わせて利用者数の減少というものがありますが、特にコロナ禍以降、一旦、中止になった宿泊研修を戻しつつはあるんですが、2泊3日が1泊2日になっていたりというようなことで、これも延べ人数でいうと少なくなってきているというのが実情です。あわせて、それがなかなか復活しづらい理由としては、やはり教員の働き方改革といったところで、どのように負担を少なくやっていくのかというのが、今、模索中なのかなと思っております。
 それ以外にも、なかなか利用が戻らない理由というのはそれぞれあるとは思うんですけれども、例えば兵庫県の自然学校とかは、今、泊数を戻してきているのですが、そこについては、いかに手厚い支援をしていくのかということで取り組んでいますので、やはり学校だけではなくて、施設側も何ができるのかといったことを併せて考えていくことが重要かなと思っております。

【清原部会長】  どうもありがとうございます。
 ほかに御質問はよろしいでしょうか。
 関委員、御発言をお願いします。

【関委員】  関でございます。
 丹埜さんに御質問なのですが、まさに志からこのような事業分野に参入されたこと、今お話を伺いながら強く感じました。また、予定不調和をあえて求めるというスタンスも、本当に賛同すべきところころだと私も感じております。
 1点質問ですが、R.projectで今、実際に事業に携わっておられる運営のスタッフのような方々、どういう方々が多いのか、もしよかったら教えて下さい。

【清原部会長】  丹埜様、スタッフのことについての御質問にお答えください。よろしくお願いします。

【丹埜株式会社R.project代表】  御質問ありがとうございます。
 当社のスタッフの今までの経歴は結構幅広くて、スポーツの合宿の要素もあるのでスポーツ好きがいたり、キャンプ事業も行っているのでアウトドアが好きという社員もいたり、ただ、自然の家の事業をこの5年ぐらい力を入れ始めてから、応募者の中で一定割合いらっしゃるのは教員の方ですね。そこは我々も非常に心強いというか、実際の利用者の立場を理解していますし、やはり教育的な目的にすごく意識を高く持っておられるというところで、そういう傾向がこの数年間見られるなと感じておるところでございます。ほとんどが地元の採用をしております。新しい施設をオープンするとしたら、社員も、アルバイトも、ほとんどが地元ですね。何人か、ほかの施設で経験した既存メンバーが行きますけれども、基本的には地元採用のケースが多いです。

【清原部会長】  ありがとうございます。関さん、よろしいですか。

【関委員】  はい。

【清原部会長】  今、地元採用とおっしゃったので、やはり地域との関係、地域振興との関係ということを先ほどおっしゃったと思うんですが、年齢的にも、職員の方の年齢の制限とかなく、多様な年齢層から採用されていらっしゃいますか。

【丹埜株式会社R.project代表】  そうですね、年齢も幅広いです。どちらかと言うと、やはりアルバイトスタッフに高齢の社員が多い、メンバーが多いといった特徴はありますけれども、かなり幅広いですね。地元採用という意味でも、先ほど発表の途中で申し上げた施設自体が地域によく知られていて、しかも知られているというだけではなく、自分たちの思い出になっているというのが、そこで働いてみたいと思う人を引きつけやすいという魅力も一つあるのかなと感じております。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 それでは、柏木委員、御質問をお願いいたします。

【柏木委員】  本日の御発表、本当に面白く聞かせていただきました。ありがとうございました。
 私からは、丹埜さんに1点御質問させていただきたいと思います。私の質問は、今回、青少年教育施設の発表なので、的を外しているような感じもするんですけれども、利用者の対象を高齢者においてマーケティング開発するような視点というのをお持ちなのかどうかをお伺いしたいと思います。というのは、先ほど青木先生の御発表にもありましたけれども、地域コミュニティの中での拠点とか、あるいは高齢者の生涯学習や健康増進ということを考えると、青少年という枠組みでこの施設を運営することが妥当なのかどうかというようなところで御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

【清原部会長】  ありがとうございます。丹埜様、いかがでしょうか。

【丹埜株式会社R.project代表】  御質問ありがとうございます。
 まず、現状でいうと、高齢者の方の割合はすごく少ないです。ただ、我々も地方の地域で事業を行っている中で、高齢者と、あとは発表の途中、何度か申し上げましたけど、海外の方という、この2つの層はこれからも日本に増えていく客層であるはずですから、長期的には絶対無視できない客層というんでしょうか、利用者層だと思っております。中高年の方の団体活動も、年々、アクティブな方が増えていく中で、必ずしも、スポーツだったり、自然体験が子供とか青年に限定したものではないと思っていますので、中長期でいつも大事なポテンシャルだと思いつつも、現段階では割合は少ないというのが実情でございます。

【清原部会長】  柏木委員、よろしいですか。
 ありがとうございます。
 では、青山委員、そして八木委員の順で御質問をお願いします。

【青山委員】  すみません、青山です。
 私も丹埜さんに1点質問させていただきたいと思っていて、1つは料金の考え方や制度運営のところについて、受益者負担であるとか、あるいは市内の人とそうでない人の割合を決めながらやっていくというのは、現状の公設民営型の施設運営の中では現実的な話であろうと思う一方で、一般論として、今後、学校の利用が戻ってくるとか、市内団体の利用者が増えることを運営団体は喜べなくなっていくのではないか。むしろ、制度上お金を払ってくれる人とくれない人がありうる中で、公共性と運営事業者の自主事業としての側面のバランスをどうとっていくのかということが課題になるのではないかと思っています。指定管理者制度であれば、指定管理料の中で粛々とやるという分、魅力も減るかもしれないけれども、公共性が一定保たれる面もあると思いますが、こうしたやり方の場合には、公共的でないもののほうが、やはり事業者としてはうまみが大きい制度設計になってしまうと、公共性が失われやすくなるリスクがあるということがよく言われる中で、そのバランスをどう捉えているかということをお聞きしたかったんですが、いかがでしょうか。

【清原部会長】  丹埜様、よろしくお願いいたします。

【丹埜株式会社R.project代表】  御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、綱引きというか、利害の対立のようなものは起きると思うんですけれども、現状はさらに、理想でないスキームだと思うんです。というのは、現状というのは、もし全て減免、低い料金だと、これ、我々がそう思っているという意味でなく、スキーム上そうなってしまっているというのは、変な話ですけれども、お客様が来なければ来ないほどいいになってしまうんです。指定管理料だったり、PFIでもサービス購入料という、いずれにしても、補塡をいただく金額が決まっているのであれば、お客さんは来ないほうが事業者はもうかってしまう。これはあらゆる意味で理想からかけ離れていると思うんですね。ただ、御質問のとおり、そこで利用料金の差があるとというのがあって、今のところ、そこがうまく機能しているのは、私が途中で通年のカレンダーのようなものをお見せしましたけれども、主に学校旅行というのが平日に行われるんですね。なので、機会損失があまりないんです。その方たちを低廉な価格で受け、学校を低廉な価格で受け入れたところで、週末だったり、長期休みについて、通常の運営ができるというところがありますし、もちろん、そもそもPFIで自然の家を受託する上で、低廉な学校旅行を受け入れる、これは義務なので、そもそも我々の考えでやめますとはできないというのもありますけど、シーズンがかぶっていないというのは、実はすごく大きいポイントかと思います。

【清原部会長】  青山委員、いかがですか。よろしいですか。

【青山委員】  ありがとうございます。

【清原部会長】  それでは、八木委員、御質問をお願いします。

【八木委員】  熊本市国際交流振興事業団の八木といいます。
 ヤマガラビレッジは、9月に活用させていただいたばかりで、非常にすばらしい施設でした。私の質問は、各少年育成施設に関するアクセスに関してです。ほぼ全ての青少年育成施設が、アクセスに関して、不便なところにあります。それらの施設は、その歴史性地域性から、残していかないといけません。ただ、最近の運送事情(金額の大幅アップ)から、事業主体は、貸切バスの手配や交通費の捻出に苦労しています。青少年施設側が、利用者のアクセスを容易にする何らかのサービスを提供されているでしょうか。熊本市の施設(前述のヤマガラビレッジ)は、金峰山という山の中にあって、アクセスしづらい。今後、外国人の施設利用増加を考えるなら、なおさらアクセスの問題を検討すべきと考えます。以上、アクセスに関して、丹埜様に御質問させていただきます。

【清原部会長】  丹埜様、交通アクセスについての御質問です。よろしくお願いします。

【丹埜株式会社R.project代表】  御質問と御利用もいただきまして、ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、確かにアクセスがちょっと悪いところに建っているケースが多いですが、ただ、そもそも合宿とか自然体験、キャンプのような非日常を楽しむ施設というのは、民間の施設ですと、もっとアクセスが悪いところが多いのが実情かと。そういう中では、先ほど申し上げたように、割と地域の交通の拠点にあったり、まだ、アクセスはいいほうなのかなとは思うんですが、ただ、その課題があることは間違いないです。我々はどうしているかというと、その他の施設といいますか、民間、我々が所有しているような施設も含めて、送迎バスを自分たちで出したり、もしくは民間のバス会社と幅広く連携しております。お客様がバス会社を手配しているケースもありますけど、ちょっとどうやっていくか分からないんだよねというお客様に対して、我々の予約センターがバス会社を手配するとか、場所によっては我々が送迎に行くとか、こういうことを行っているのが実情でございますね。なので、それによって、大分、利用者の皆様は問題なく来ていただいているかなと。団体なので、公共交通機関よりは貸切りバスで来るほうが都合がいいというのもあるかと思いますので、そのような対応をしております。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 今までいただいた御質問で、かなり本日の御報告の濃度がまた上がったと思います。皆様、御質問ありがとうございます。
 それでは、これから、意見交換に入らせていただきます。正午までの1時間弱となります。それでは、順に指名させていただきます。
 まず会場から、古賀委員、続いて野津委員、お願いします。

【古賀委員】  御発表ありがとうございます。古賀です。
 私からは2点、感想になりますが、お話をさせていただきます。
 1点目が、ちょうど先日、福岡県内で30年ほど青少年向けの野外体験を専門としているNPOの方とお話しする機会があり、「体験格差」が目に見えて広がりをみせているとお話されていました。いわく、野外体験の醍醐味は、「タテ、ヨコ、ナナメの関係」というところのナナメの関係をすぐさま形成できるというところにあるとのことです。一方で、学校や児童館といった機関としての利用が減っている中、どうしてもナナメの関係を享受できる子供たちに格差が生じていて、これがNPOとしても何ともし難いとおっしゃっていました。
 先ほどの御報告を聞く中で、学校利用等も減っている中で、ファミリー層、個人利用、さらにはインバウンドの開拓もというお話もあったり、マーケティング等のノウハウも必須だという話がある中で、一方で、やはり学校利用というのは、社会性という点で大きな役割かと思いますので、そこをどうするかというところも、官民知恵を合わせて、改めて向きあって取り組む必要があるのかなと非常に考えさせられたところです。
 それと2点目が、一例なんですが、九州電力株式会社が出資している公益財団法人九電みらい財団というところがありまして、そちらが10年ほど、子供たち向けの環境教育の一環として、九州の中で「九電みらいの森」と称した森づくりを行っています。計4か所のフィールドで、学校利用を原則に、子供たちを招聘して、日帰りでの教育活動をやっています。
 そのうちの1か所の長崎県の諫早市というところでは、幸い森の近くに国立諫早青少年自然の家がありまして、そこと有機的な連携を取られています。幸い、地方にもさまざまなリソースを持っている団体等はあり、その組合せにおいて、社会教育の文脈で考えれば、社会教育人材が目利きをして、「餅は餅屋」となるようなマッチングをするようになると、先ほどお話しした体験格差の解消にも導けるのかなとも思いました。
 以上2点、感想でした。

【清原部会長】  古賀委員、ありがとうございます。
 まず、学校利用の在り方についても知恵を集めるということ、2点目に、地域のいろいろなリソースをどのように組み合わせていくか、そのことが重要という御意見をいただきました。
 それでは、野津委員、美田委員、関委員、牧野委員の順で、まず、野津委員、お願いします。

【野津委員】  島根県の野津です。
 今日は国立機構の方はいらっしゃらない、ウェブで聞いておられると伺っていますけれども、どういう方針でこれから臨まれるかというのが我々地方には示されていないんですけれども、例えば島根県にも国立三瓶青少年交流の家というのがありまして、国立公園の中にある山の家なんですけれども、機構から、赤字を減らせということで冬季閉館、昨年度は年度途中から新規受入れの禁止、今年度は完全閉館ということで、赤字を出すなと。
 もう一つは、職員を減らすということで、報告書にありますけど、8割は地方自治体から出向している職員が教育部門をやっている。島根県からも、小中学校の教員の欠員を拡大してまで、私、現職教員をここに派遣しておるんですけれども、3人派遣していたのが、今年はお金が出ないので2人でいいと。結果、何したかというと、冬季休館はやるんですけれども、自主事業を圧倒的に減らす。教育事業は14あったものを4つに減らす、体験事業は25あったものを5減らす。これってどうなるかというと、日帰り利用客は、今年でもコロナ前と比べると3分の1しか戻っていませんが、それでも去年は少し回復していたんですけど、体験事業がなくなるから、去年から見ても、11月末時点で1割減になっている。片方で、宿泊はコロナ前と比べると6割程度しか戻っていませんが、去年よりは1割増えている。何をやっているかというと、スポーツ合宿してくださいと。例えば職員研修など、宿泊利用者がメニューを持っている研修を合宿でやってくださいと。要は貸館ですよね。貸館化されて、これは県でも県立のを使わずに、県の事業でも県の新採研修でも、この三瓶でやると、つぶされてはいけないのでということで回してやっていますけれども、それでも自主事業がないので、先ほど御発表があったファミリー要素とか、そこをやっていたものがなくなっていくというのが現状なわけです。やっていないんだから。日帰りで使えるわけがない。この赤字の大本が、コロナ禍で稼げるところが稼げなくなって、機構のストックがなくなったということだろうと思います。赤字部門を減らすというのは経営として当然なんですけど、それが利用客を減らす方向に働いているということが、どういう方針なのかよく分からない。
 もう一つ言うと、機構は稼げるところが一つあって、その黒字を地方のほかの施設に回して、営業していたものが稼げる量が減るので、では、これからは分配する原資が減るので、全国の施設を減らしていこうかと、単純に経営を考えると、そうなりますよね。平成20年の頭頃、一度、利用率の低いところは減らそうという方針が出て、今なくなりましたけれども、国は国立の拠点となる重要な施設を減らす方向へ減らす方向へと考えているとしか思えない中で、この議論をして何の意味があるんだという思いが少しあります。ぜひ、局長さんに、そこら辺を公開の場でオフィシャルな御意見を聞いてみたかったんですけど、お互い幸いに席空きということなので、私も助かりましたけれども、事ほどさように、やはり、ナショナルセンターとしての大きな位置づけ、これ、期待が大きいわけですよね。実際にそういった役割を果たしておられる、非常に重要な役割を果たしている中で、コロナ禍を契機とした経営不振の結果が大きく現場に影響が出ている。体験格差なんて、これでますます広がりますよ、体験をするところを取り上げているんだから。今やっている今日の議論の前提がどうなのかというところを非常に心配しておるわけです。こういった部分も、ぜひ責任ある積極財政をしていただいて、コロナ禍でやった経営不振の部分も、やはり国費で補塡すべきだというのが私どもの意見でありまして、ほかのところ、民間にはいろいろな制限があったことを補塡しているわけですから、機構にもぜひ国から補塡していただいて、一旦、従前に戻した上で、いろいろな利用促進策、もう一度、いろいろな体験活動、いろいろなメニューが提供できる体制をとった上で、少子化、あるいはもう一つ言うと、共働きが多いので、親が違う日に休みがあるというところもたくさんあります。体験活動に親が連れていけないという実態も多くなってきた中で、貧困も進んでいるというところもあって、そういったところで非常に大きな自主事業として受皿がある国立のこういった施設の重要性というのはますます増すのではないかと思っておりますので、ぜひそういったところをお考えいただいて、積極的な取組をしていただきたいなというのが地方の声であります。

【清原部会長】  野津委員、ありがとうございます。
 県の教育長として、何よりも体験活動を重視し、コロナ禍の低迷等を踏まえつつ、ナショナルセンターとしての国立施設の重要性について、改めて問題提起いただきました。
 それでは、美田委員、関委員、牧野副部会長、柏木委員、杉野委員、青山委員、八木委員の順で御発言いただきたいと思います。
 それでは、美田委員、お願いします。

【美田委員】  ありがとうございます。全国子ども会連合会、美田でございます。
 私が言おうと思っていた部分を野津先生が半分ぐらい言ってくださったので、私がにらまれずに済むなと思いながら、ありがとうございます。
 私も基本的に青少年教育施設というのは、そもそも利益が出るとか、はかれるものなのかなと、ずっと思っています。そもそも学校教育も含めて、これははかりようがないからこそなのではないかなと。社会教育法が制定されて75年、その中で、こういった施設も要るよねと議論もあった上で建設されて50年を超え、私、今52歳ですけど、結果、この程度の人間しかできなかったから要らないよねという議論をするのかどうなのかなと思っています。
 1つ、ハブ化して効率を図るとかいうのも、確かにそうなんだろうなと思うんですけど、クリエーティブな観点で様々な事業というのは必要だと思うんですけど、どことは言いませんけど、これは国立ではありませんが、うちの近隣にある施設で、非常に利用率が高まったということで評価されていましたけど、日帰りで家族で簡単に来られる簡単なメニューを、当然、子供たちはストレスフリーで、施設職員が全部段取りしてくれているから楽ですよという参加しやすいプログラムをつくられて、参加利用者が増えたと、この評価って何の評価なんだと思っています。青木先生の中にもあった質的なものというのが、本当に青少年が体験できたのかというのは甚だ疑問だと思うことが多々あって、その辺のところを無視して、ただ、施設の維持、存続だったら、民間に任せてホテル化してしまえばいいと思っているんで、やはり、そこではないのではないのかなと思っています。
 もう1個、防災という観点で少し御案内させてもらいます。実はこの中でも三瓶に並んで危機的な日高の施設で北海道の子ども会がやってくれましたんですが、段ボールで秘密基地をつくろうということで、体育館を借りて、宿泊施設の宿泊ではなくて、体育館で実際寝泊まりしようということで、これは防災のためではなくて、秘密基地をつくろうというテーマでやりました。そこは体育館に宿泊させてもらえて終わったんです。実際、清水建設の札幌支店さんに御協力いただいて、子供たちに段ボールの力学的な構造とか、相談を受けたら回答しますという前提で、ずっと2日間ついてくれて、実際、宿泊体験をしたんですね。これ面白いよねということで、ほかの地域で、うちもお願いします、段ボールを使ってといったら、いや、うちは体育館で宿泊できません、宿泊施設の部屋で寝てくださいと。そこで寝ないんだったら施設利用をお断りしますみたいな回答があったんですよね。この間の能登半島もそうでしたけど、ここが防災の避難場所にもなるということもあり得るので、やはり、そういった広い視点とか、利益だけではなくて、本当に何を生めるのか、当然、評価しにくい、評論しにくい部分だと思います。学校利用の話もありましたけど、そもそもの社会教育法の改正云々というものを、やはり学校ありきだよねと議論するのか、それとも根本的に議論するのかという話にも至ってくるのかなと思いましたので、少し意見とさせていただきます。ありがとうございます。

【清原部会長】  美田委員、ありがとうございます。
 何よりも、青少年施設について、そもそも利益や効率だけで考えることが適切なのか、むしろ、子供たちの体験についての具体的な事業の質的な評価が重要ではないかと。また、防災拠点としての位置づけから、企業と連携した取組の事例も御報告いただきました。
 確かに、私は三鷹市長当時、多くの小学校で、防災の観点からも、保護者や地域の皆様が協力して、学校に泊まろうということで、体育館に子供たちが泊まる、あるいは校庭にテントを張って泊まるというようなことを経験したことがあって、学校も開かれてきているわけですから、こうした施設も、防災の観点からも開かれていくのは重要かなと思いました。私がその話をしている時間はありません。
 関委員、牧野委員、柏木委員、杉野委員、青山委員、八木委員、小見委員、そして、安齋委員と、順に時間を配慮しながら御発言をお願いします。
 それでは、関委員からお願いします。

【関委員】  ありがとうございます。関でございます。
 今のお話を伺いながら、体験の機会があることが子供たちにとって本当に大切なものであり、そのことに対して、我々が大人としての責任をつないでいくべきであると改めて思っております。
 あと、事業者がマーケットインで判断し、利用者にとって心地よい場所であればいいという感覚が果たしてそれがいいのかどうか、私なんかには馴染めないところがあります。利便性、あるいは快適性、あるいは安全性、それを大事にすることは確かに必要だとは思うのですが、子供たちが青少年教育施設というものを利用して、そこで体験するものというのは、むしろ、不足というか、欠損というか、自分たちの日常の中では充足されてしまっていて味わえない、欠けていることによる感動、そこで苦労した体験によって得られたことのほうが多かったのではないかなと思うのです。お客様扱いにしてしまうのではなく、あるいは施設がつくったプログラムのレールの上を走っていくだけではなくて、自分たちの考えた走りの中で何かを見つけていくような体験を促せるような場所が青少年教育施設ではないかと思います。それは指導員との出会いであったり、あるいはその中で友達と一緒に紡いでいくいろいろな関係性であったり、そういったものがもたらす感動こそが、やはり、この施設の醍醐味ではないかということをいつも感じてまいりました。
 あと、もう1点は、特に国立のセントラル機能を持つような施設、あるいは地方の中核になるような施設にやっていただきたいのは、様々な地域で行われている青少年教育の活動者のつながりをつくっていく役割です。愛媛では、先般の土・日に国立大洲青少年交流の家において地域教育実践交流集会を行いました。中・四国だけではなく、全国のいろいろなところから、ここに居られる東さんにも来ていただきましたが、約300人の実践者が集まって、そこで、日頃の活動の悩みを語り合い、あるいは自分たちの自慢話を夜通し語り合うような場を提供していただきました。今年で18回目になるのですが、今までの長い歴史の中で、多種多様な人がつながって愛媛の青少年教育の文化を創ってきましたし、さらには青少年教育施設をいろいろな地域の活動団体の人に知ってもらい、青少年交流の家の利用拡大にも今までつながってきたのではないかなと思っております。過去には文部科学省の委嘱事業としてコンファレンス事業として取り組んだこともございました。国立の青少年教育施設には、ぜひ活動実践者がつながる機会を創っていただきたいと願っています。あともう1点だけ、これから学校の先生になろうとする教師の卵の人たちに、青少年教育施設のボランティアみたいなものに登録していただいて、子供たちといろいろ活動するような体験の場ができたらいいとずっと思ってまいりました。できれば、そこでの実践が教育実習と同じように教職単位に認定される仕組みがあればいいのではと考えます。
 以上であります。

【清原部会長】  関委員、ありがとうございます。
 子供たちの主体的な活動であることと、青少年活動の人材のネットワークの重要性などを提起していただきました。
 それでは、牧野副部会長、そして柏木委員の順で、お願いします。

【牧野副部会長】  牧野です。よろしくお願いいたします。
 副部会長なので遠慮しようかと思ったのですが、一言申し上げたいことがあって発言します。
 今日は、丹埜さん、それから青木さん、どうもありがとうございました。新しい考え方というか、実態がよく分かって勉強になりました。
 ただ、その上で、やはり一言言いたいと思いましたのは、今日、テーマが青少年体験活動の施設をどうするかという議論から入っているので、全体の議論としては、施設ありきの議論になっていくといいますか、それで、今日はお二人から、施設の経営の在り方や、どう存続させるか、どう活用するかという議論があって、そして、マーケット化の手法を取りながら活性化していくというお話がありました。
 ただ、やはりその中でも、例えば体験活動とは一体何であるか、または今の保護者が求めているものは一体何であるかといったようなことが指摘されているように、改めて、体験とは一体何であるかとか、また、この社会が新しい社会に入っていく過程で、子供たちをどう捉えていくのかといったことが問われてきているのではないかと思うのです。
 私は皮肉屋ですから、ちょっとうがった見方をしますと、今日のお話というのは、例えば、こういう体験活動が求められていますよ、そして、市場ニーズに応えていくことが施設を活性化することにつながりますよ、その意味で、簡単に言えば、市場が求めているものというのは体験活動としてもよいものであって、子供たちにとってもよいことですよ、というような議論につながっていくという面があるのではないかと思うのです。それは一面、とてもいいことだと思うのですけれども、それは消費者ポピュリズムになってしまうことにはならないだろうか。しかし、そういう形で、例えば国が持っている、また行政が持つような施設を考えていくことが本来必要なのかどうか。もうちょっと言いますと、それであれば民間でやってもらえればいいのではないかという議論にもなるのではないかと思うのです。
 その意味で、今この部会で議論しているような、例えば政策をつくるということにおいて、青少年体験活動とは一体何であるのか。それはもうちょっと言えば、青少年とは一体何であるのか。今や既に「青少年」とは言わずに「子ども・若者」と言うようになってきているような時代において、それら概念も時代的な制約を持った者としてある。「青年」という言葉は、いわゆる近代工業社会ができてくる過程でできてきた概念であって、人生の一つの過渡期の議論であるわけですね。今、「青年」がいなくなってくる社会において、「若者」という議論が出てくる。それから、「少年」と呼ばずに「子ども」と呼ぶようになってくる。従来は「児童・生徒」と言ってきたものが、そうではなくなって「子ども」になってきているわけですね。そうしたことも含めて、この社会における「青少年」と言われている存在が一体どういうものであるのかというようなことを、やはり、この場で議論をしておかなければいけないのではないかと思います。
 その上で、さらに、では、体験とは一体何であるのか。先ほどもお話がありましたけれども、非日常を体験してもらうという議論がよくあるのですが、そして本来、青少年体験施設というのは非日常を体験するということでつくられていたと思うのですが、今日、非日常といったものが本当に従来の非日常なのかというと、そうではなくなってきていて、むしろ日常と非日常の在り方を考え直さなければいけない社会に入ってしまっているとすると、従来の議論を前提にしてこの施設の在り方を議論していると、結局、使われないもの、または市場原理的に使っていけばいいので、行政が持つことはないのではないかという議論になっていくのではないか。そうなると、例えば、先ほど野津委員などが危惧されていた、体験格差が広がることによって、社会全体の格差が広がっていくようなことをどう組み替えていくのかといったことにもつながらなくなってしまうのではないか。ちょっとそういう印象を持ったのです。私が今言っていることは全体の議論とは少しずれているかもしれませんけれども、もう少し、青少年教育、また、青少年体験活動とは一体何であるかといったようなところから議論をして、見直しをしていくといったことも必要ではないかなと思うのです。
 今日のお二人のお話は、施設のあり方という枠がはまっている中で、施設経営をどうするかということからお入りになっているので、私はとても興味深く拝聴しましたし、勉強になったのですけれども、私たちがそれを受け止めながら、施設の在り方をどう考えていくのかというときに、やはり、ちょっとそういう観点、ある意味では原理的な、という言い方をしてもいいかもしれませんが、そういう観点も必要ではないかと思って一言発言しました。ありがとうございました。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 青少年あるいは体験活動、公共施設の在り方についての根源的な問いかけがありました。ただ、私、本日御発表いただきました丹埜さんも、青木さんも、こどもまんなかということで、まさに今、牧野副部会長が言われた「子ども・若者」をいかに主体的に捉えていくかということについては共通して御発表いただいたとも認識しています。
 さて、あと30分ほどになったんですが、柏木委員、杉野委員、青山委員、八木委員、小見委員、安齋委員、伊東委員、東委員には絶対に発言していただきたく思いまして、皆様、どうぞポイントを絞って、御意見を表明していただければと思います。
 それでは柏木委員、よろしくお願いいたします。

【柏木委員】  失礼いたします。私からは3点申し上げたいと思います。
 まず1点目、何度でも訪れたくなる施設を目指すという点では、私自身は、今までの先生方の御発言とは異なるかもしれないんですけれども、乳幼児から高齢期に至るまで、何度でも訪れることができる施設というものを考えてもいいかなとは思います。そしてその中で、それぞれの期に応じて、訪れたいと思うような活動を検討してもよいのではないかと考えています。
 2点目に、青少年教育指導者の養成や資質向上に向けた取組をより一層強化するためにというところでは、プレイパークや居場所づくり、アメリカで先進的に取り組まれていたプロジェクトアドベンチャー等の知見を生かした研修の在り方を考えてもいいのではないかと思っています。それらでは、子供の主体性、関心を大切にした活動を通じて、様々な達成感や自己肯定感、そして、他者との協働性といったようなところを育成してきた知見を蓄積していると思います。その中で重要なのは、指導者側が教育として、あるいは学びとしてこうした内容が重要だというような大人の視点から活動を考えるだけではなくて、準備されたきれいな活動であっても、学校等の管理的な場ではないところでまずはやってみるとか、まずはそこに来てみるようなちょっとした活動が、子供目線からあってもいいのではないかと思っています。そうしたところから、子供自身が段階を追って、活動の質というものを追求できればしていくというような視点を持ってもいいのではないかと思っています。
 そして3点目、青少年教育活動に関係する社会教育人材のネットワークの構築・活性化に向けては、海外あるいは全国での広域、そして近隣自治体の中域、小域のネットワークなど、多次元でのネットワークを形成して、企業と自治体等との連携を促進することが求められているのではないかと思っています。
 以上になります。

【清原部会長】  柏木委員、ありがとうございます。
 乳幼児から高齢者までの視点の必要性、また、プレイパーク、遊びなどを含めて、まずはやってみる、そうした場としての意義。最後に、社会教育人材のネットワークを海外、そして広域、中域、そしてさらに身近な範囲でという御提案をいただきました。
 それでは杉野委員、お願いいたします。

【杉野委員】  ありがとうございます。私は観点が少し違うかもしれませんけれども、感じたことと名古屋市の例でお話をさせていただきたいんですが、名古屋市は教育委員会所管の青少年教育施設を持っておりません。青少年の家というものをどんどん廃止していて、青少年の家1館だけ、今、青少年交流プラザということで、これを市長部局が補助執行するという形で、子ども青少年局というところが所管しております。
 この市長部局で補助執行している青少年交流プラザで、平成19年、20年、21年ぐらいに、私は所管の課長をしておりました。教育委員会から市長部局へ移管されてきたときに、直営でやっておりましたので、社教主事さん3人いましたけれど、そのときに私が社教主事さんと向き合ってと話をしたのは、子どもたちを管理しないでほしい、指導しないでほしい、体験だけにとどまらせないでほしいということです。かなり議論し、当時の青少年交流プラザでは、前にお話しした3つの層にプログラムを分けていく。他者との関係の中で、ここにいていいんだ、自分がここで受け入れられるんだという青少年たちが安心して過ごせる居場所になることが1層目。2層目は地域とか町につながって青少年たちが地域社会の取り組みや活動に参加をしていくこと。3層目は、参加するだけではなく自分たちが地域や町に働きかけて意見表明をしたり、参画したりするということを最終的に目指すという、三層構造の支援のプログラムを打ち立てました。20年たった今でも、直営からその後、今、指定管理者制度になっていますが、このプログラムをもとに事業展開をしてくれています。そして、青少年交流プラザ、移管された当時は青少年の拠点施設と位置づけていましたが、利用者数がなかなか伸びませんでしたが、今、子どもたち、若者たちが活気を持って事業運営をしてくれております。それはユースたちが自ら企画をしたり、社会課題に対して声を上げたりという活動を非常活発にしておりまして、名古屋高校生アクションプロジェクトと銘打って社会課題に対して声を上げていったり、実行していったりということもしてくれています。今、子ども青少年局の所管課として青少年交流プラザ担当の社教主事さんを1人だけ、教育委員会と併任で置いていますが、社教主事さんと、教育委員会が所管している生涯学習センター担当の社教主事さんが何人かいらっしゃるんですが、ここが連携して、青少年交流プラザを利用している子ども・若者たちが生涯学習センターに乗り込み始めました。生涯学習センターは16区、1区1館あるんですけれども、やはり固定客の利用で留まり、本当に必要なのかという声があがっています。福祉会館という高齢者が利用する館も16区、1区1館ありますけど、これと一緒にしたらどうかと、行革の観点から、いつも言われています。今、岐路に立っていますが、でも、生涯学習センターは、子ども・若者のほうにも乗り出していくんだということで、生涯学習センターの社教主事さんと青少年交流プラザ、子ども・青少年の社教主事さんたちが連携して、生涯学習センターも子どもや若者の居場所づくりに乗り出していいかと、ウエルカムです、ウエルカムだから乗り出してくださいということで連携をして、子どもたちが「旅するボードゲームカフェ」という事業を企画してユースの子どもたちが青少年交流プラザから飛び出して、生涯学習センターを旅をして、学習室のところにボードゲームを持ち込んで、子どもたち、若者たちの居場所づくりをやり始めてくれ、今、生涯学習センターが変わろうとしています。
 一方で、生涯学習センターの社教主事さんと市長部局、これは地域コミュニティを担当している局の地域コミュニティサポーターがまた連携して、地方自治やコミュニティの核となろうという動きもしてくれているんですね。私はすごくいいことと評価していまして、ここにまた子ども・若者たちが乗り込んでくれば、地域や町に対して子どもたちが意見を言ったり行動したりする人材が輩出され、広がりがどんどんと出てくるので、青少年の利用施設、教育施設というところから、地域コミュニティの真ん中で、子どもたち中心に社会を変える、こういう場所になっていると思います。こういう場づくりと仕掛けづくりを社教主事さんがやっているところになっているということが、こどもまんなか、この社会の中のこれからの動き方であり、これが社会教育施設のあり方であると思います。
こういう道をぜひ太くしていただきたいと思います。
 以上でございます。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 指定都市名古屋市の事例として、青少年交流プラザと生涯学習センターで活躍する子ども・若者が自治の中心へと動きつつある事例を御紹介いただき、ありがとうございます。
 それでは、青山委員、お願いします。

【青山委員】  青山です。
 皆さん、いろいろ私の言いたいことも言ってくださったところもありますので、論点を絞ってと思いますけれども、そもそもの話として、青少年教育施設における体験活動の推進といったときに、これまで青少年教育を、(1)非日常的な体験活動を提供するもの、(2)青少年の成長に寄与するために行われるもの、(3)与えられるプログラムとして表現されるもの、として捉える発想が、この40~50年かなり強かったのではないかと思います。しかし、こうした前提自体を問い直して、青少年教育とか青少年教育施設とは何かということを確認しておくことが、どのような経営形態が現実的にとられていくにせよ、大事になるのではないかと思っています。
 少年自然の家に限らずもっと手前の社会教育施設というところから考えてみたときに、この会議における公民館や図書館に関する議論と青少年教育施設に関する議論が全然毛色の異なるものになっているということ自体が不思議だなとも思っています。というのは、少年自然の家というのは確かに非日常の場面を中心に関わる施設ではあるのですが、前提には子ども・若者期の自由な学びと余暇の保障という大きな目的がまずあって、組織キャンプなどはまさに典型ですが、それは社会づくりの実践でもあるし、民主主義の実践でもあります。例えば、ボランティアも最初から成長のために行われてきたのではなくて、うっかり始めてしまった人たちがいて、関わってしまうと楽しくなってしまい、結果として地域にもつながるし、本人の成長にもつながってきたというところに源流があると思っています。こうした要素がいろいろな形でプログラム化されたり、制度化されたりしていく中で、教育的に、目的合理的に行われる実践としてのみ捉えられるようになってきたような気がするんです。しかし、もともとは公民館などと同じ発想で、自由な学びや余暇の保障の場であり、同時に社会づくりのための場でもある施設として青少年教育施設はできてきたこと、それが歴史的な経緯の中で非日常的なセッティングの中での活動を主たる内容とする施設になってきたということは改めて確認していいのではないかと思います。その上で、それが学校教育にも利用されてきたし、教育課程とも相性がいい使われ方もたくさんされてきたし、プロジェクトアドベンチャーのようにより組織化・パッケージ化されたプログラムが有効に用いられてきた場面もあったと思いますけれども、そもそもそういう前提があった上で、様々な現実的な経営形態が探られてきたんだという形で今日の議論を理解することが大切ではないかと思います。私も機構に20年ぐらい関わっていますので、ずっと撤退戦を強いられてきた中で、やはり今行われている様々な提案というのは、現実的な面もたくさんあるということはよく理解していますし、少しでも前向きな案を皆さんが考えてくる中で、こういった形がとられてきたということもよく理解しています。
 その上で、どの形態になるにせよ、居場所とかユースワークとの関連も見据えながら、そういった景色の中で議論ができるといいなと思いました。そもそも過ぎる話かもしれませんが、以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 青山委員が今提起していただいたのは、先ほど牧野副部会長も確認のために提起していただいたことと重なると思います。要するに、自由な学びと余暇の保障ということと、それが民主主義やまちづくり、地域づくりにつながっているという、ですから、青少年施設についても、公民館と共通した社会教育の観点からの整理というのも重要ではないかという確認をしていただきました。ありがとうございます。
 それでは八木委員、お願いします。

【八木委員】  八木です。
 私、本部会に外国人を社会教育に取り込むという視点で参加していますが、これからの私の意見は、国立阿蘇青少年交流の家で、高校生による国際ボランティアワークキャンプin ASOを開催している経験からです。活動は今年20年になりました。この活動を通して、社会教育を推進する青少年施設について、3点お話したいと思います。
 1点目は、施設と活動の評価という視点です。この国際ボランティアワークキャンプの20年の活動を通して、高校生の参加の形が変化しました。当初は教員がつくったプログラムに高校生が参加するものでした。その後、高校生が自分たちで企画をして、大会を運営するようになりました。今では、参加する高校生全員に発表してもらったり、大人側がともに学ぶ機会にまで発展しています。このような発展には過程が大事であると考えています。
 ところが、施設と活動の評価は、大会の当日しか評価対象になりません。活動は大会当日だけでなく、高校生が半年かけて準備をしていきます。その中で、失敗、成功を繰り返し成長していくものです。故に、社会教育としての施設の評価は、単に当日だけではなくて、長い事業の過程を含めて評価する必要があると思っています。事業の準備が施設で行われなくても、全工程を含め、施設が何をやったかの事業評価を行うことが大切であると考えます。その中で、施設の必要性を検討すべきです。
 2点目です。青少年施設での活動で、高校生がまた来たいという視点が何だったのか。阿蘇青少年交流の家の場合、自分の知らない新しい阿蘇を職員の方々と交流しながら学べること、そして、地元の素材の食事が大変おいしいという視点でした。ある意味、食は非常に重要な部分で、各施設で、地元食を、予算を削ることなく、食育と地域学習として提供するということが必要であると思います。
 最後の3点目です。青少年施設の方たちとお話をしている中で、様々な経費が削減される中で、努力をされています。その中で、夏であればポロシャツ、冬であればジャンパーをユニフォームとして着用されている中で、教育関係の教育事業者、大学、あるいは塾等のネーミングライツを表示して、少しでも経費を自分たちで稼ごうとされています。青少年活動をよりよくする努力をされており評価すべき点として御紹介したいと思います。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 阿蘇青少年交流の家の高校生による国際交流ボランティアの取組から、幾つかの点、過程としての評価や食の大切さ、また、ネーミングライツの事例など、報告していただきました。
 それでは小見委員、お願いします。

【小見委員】  NPO法人みらいずWorksの小見まいこです。
 3点ほどあるんですけれども、1点目が、先ほどの質疑応答にもあったんですけれども、学校における体験活動の縮小というところです。先生方の働き方改革だけではなくて、リスク管理ですとか、貸切りバスの運賃が高騰しているなどによる影響もあって、自然体験活動の縮小に影響を与えているのではないかと考えています。ある小学校では、毎年実施していたスキー授業が、講師謝金の数万円が捻出できずに中止の危機にあったんですけれども、地域団体からたまたま補助を受けることができて継続できたと伺いました。このように、学校単独で体験活動を継続していく、質を担保していくということが難しくなっている現状があり、外部支援に依存せざるを得ない状況というのがあるのではないかと感じています。
 また、自然体験活動は、リスク管理なども含めて高度な専門性を要するため、地域学校協働活動として地域に委ねていくのにも限界があると感じています。安全管理やインクルーシブ対応など、学校、地域、双方が求められる専門性は増してきているので、学校ですとか、法人格のない子ども会ですとか、こども食堂などの地域団体でも、専門講師を招きやすいですとか、充実した体験活動ができる制度的な支援の拡充が必要ではないかと考えています。
 2点目です。今、学校がどんどん地域に開いていっていますが、先ほどの議論にもあったんですけれども、青少年施設も、さらに開かれた施設になっていくということが求められていると感じました。先ほど青木先生からもアウトリーチ型の取組というお話がありました。私、新潟県在住なので、新潟県にもたくさん青少年施設はあるんですけれども、青少年施設は行く場所であって、連携、協働する対象という認識はあまりないというのが実情ではないかと感じています。学校や子ども会など、地域の子供たちの活動の中に、青少年施設の職員の方々が日常的に招聘されて、特別な自然でなくても、身近な自然の中での体験ですとか、先ほどお話にもあった社会体験などができる活動を一緒に支援していただけるとよいのではないかと考えています。どうしても青少年施設はパッケージ化されたプログラムというのが多いという印象があります。子供たちや学校の先生と一緒に学びや体験をつくっていくという青少年施設であってほしいなと思っています。そのための一つの取っかかりとして、地域学校協働活動の団体の中に青少年施設の職員の方が入っているというのは、私、あまり聞いたことがないんです。日常的に青少年施設の方々に地域学校協働活動の構成員として関わっていただいて、日々、子供たちや保護者、先生たちの悩みですとかニーズにも寄り添いながら一緒に学びをつくっていくということも、一つのきっかけになるのではないかと考えています。
 3点目なんですけれども、国立青少年教育振興機構による体験活動指導者の養成講座についてです。私も学生時代に受講したことがあるんですけれども、自然体験の技能ですとか関係づくり、安全管理などが中心で、今求められているような対話を促すファシリテーションですとか、体験から学びを深めていくという学習のデザインをするとか、振り返りの質を高めるですとか、外部とコーディネーションしていくなど、これからの子供たちに求められる学びに向けた力というのが、今後さらに求められるのではないかと考えています。そういった意味で、養成講座も、もう一歩掘り下げた内容の設計が必要だと考えています。また、丹埜さんのところのような民間の指定管理会社の皆さんにも、さらに専門性を高めていただくという意味でも、社会教育士の受講をぜひ民間の皆さんにも推進していただきたいと思っています。社会教育主事講習で、青少年施設の国立ですとか県立の職員の方はよくお見受けするんですけれども、まだまだ指定管理をしている民間の方々はこれからだなと感じています。ぜひ、そういう方々にも社会教育士の養成講座を受講していただくことで、体験活動の質をより一層高めていくということができると感じました。
 以上です。

【清原部会長】  小見委員、ありがとうございます。
 例えば、地域学校協働活動に青少年施設の職員の方に参加していただくとか、養成講座の充実や民間の皆様に社会教育士になっていただくというような具体的な御提案をいただきました。
 皆様に、これから御発言いただく方が、時間を気にして遠慮されてもいけないと思いますので、延長をお諮りしたいと思います。
 これから、安齋委員、伊東委員、そして東委員、萩原副部会長に御発言いただき、最後に一言ずつ、今日御報告いただきました丹埜様、青木様にも御発言いただきたいと思いますので、延長してもよろしいでしょうか。
 よろしくお願いいたします。
 もう一つの議題もあるものですから、延長させていただきます。
 それでは安齋委員、お願いいたします。

【安齋委員】  安齋です。
 私は校長として、東日本大震災の後も、それから、コロナ禍の中でも、2泊3日の宿泊学習というものを実施してきました。青少年施設を使った泊を伴う自然体験というのは、やはり、子供の学び、成長にとって、すごく大切な体験だと思うんですね。ですから、ぜひ、子供たちの成長の過程においては、必ずそういった機会を設けていかなければいけないなと思っているんですけれども、でも現実でいくと、先ほど報告があったように、コロナ禍以降も学校の利用が戻ってこない。そして一方で、夏休み等の子ども会とか、そういった社会教育としての体験活動も減っているとなると、そういう自然体験活動を一度も経験しないまま大人になってしまう、要するに、そういったものから取り残される子供たちが増えているというところをもう1回考えて、では、それをどこが担ってていくのかということを考えていかなければいけないのかなと思っています。
 その意味で、学校教育として、青少年施設を使って、今後とも泊を伴うような自然体験活動をしていくに当たっては、やはり、そのための環境整備というのは必要なのかなと。何でコロナ禍以降戻ってこないのかといったら、今、先生たちが子供たちを宿泊学習等に連れていくということに対する非常に困難さ、小見さんも言っていましたけれども、経済的な部分も含めて、あるのではないか。ただ単に連れていって、そこで体験させればいいではなくて、事前の指導、準備というのは非常に大変な時間を要するわけですよ。それが一つある。
 そして、昔は先生方に余裕があったので、引率する先生も結構いたんです。ところが今、学校が本当にぎりぎりの状態で学校経営をしているために、宿泊学習に行くとしても、最低限の人数で引率せざるを得ない。そうすると、いろいろなリスクも高まる。しかし、一方で、そういう施設が指定管理者制度を導入されて、施設の手厚い支援がないという中で、本当に重要なんだけれども、それを本当に今後も学校教育として担っていく必要性があるのかどうかということも、やはり議論になってくるのかなと思っています。私はどの子にもと考えたときには、学校がこれからもそういった学習をカリキュラム上担っていくことは大切だと思うんですが、だとすると、やはり、もっとしっかりとしたサポート体制というんですかね、環境整備、ボランティアの活用も含めてですが、そういったものが必要になるのではないかと考えています。
 以上です。

【清原部会長】  安齋委員からは、学校教育における宿泊を伴う自然体験の重要性と、その困難に基づく問題提起をいただきました。
 それでは、お待たせしました。伊東市長、よろしくお願いします。

【伊東委員】  失礼いたします。倉敷市でございます。
 資料を共有させていただきたいと思います。
 倉敷市では、昭和51年から、市の施設といたしまして倉敷市少年自然の家を開設して、市直営で運営をしてまいりました。この間、市の職員直営による運営ということでございまして、なかなか大変な時期もございましたけれども、倉敷市内の今の親の世代のほとんどがこの自然の家で1泊2日の体験をしているということで、市にとっては欠かせない施設となっております。
 その後、老朽化に伴いまして、このたび、施設解体、施設整備、再整備をいたしましたときに、解体施設整備、そして運営について、PFIを採用しました。今の運営はYMCAさんにお願いしております。そして、ちょうどコロナの間にこの工事を実施しまして、令和4年4月から、名前も「少年自然の家」ではなくて「倉敷市自然の家」と改称しまして、リニューアルオープンいたしました。
 施設の外観が左の上が入り口の外観、右側エントランス、部屋の宿泊室、そして会議室です。コロナにも対応しまして、エアコンには換気の施設などもつけまして、皆さんに安心して利用していただけるようにしました。
 市で行っている主な活動の大変代表的なものが、この左にあります「暗夜行路」という活動です。これはちょっと何か分かりにくいかとも思うんですけれども、この赤文字で書いてある、数人の児童生徒が目隠しをしまして、ロープを大体約200メートルから300メートルの間、起伏の多い森の中に、あらかじめ張ったロープを伝いまして、全員でゴールを目指すという活動です。これは自分だけでなく、後続者への的確な情報伝達とか、他者を思いやる気持ちなどを共有する、非常に重要な活動と思っております。右は、地図を頼りに自分たちで道を見つけていく、もしくは、協調性を持った行動ができるキャンプファイアや野外炊事などもしています。それから、一般利用者も使えるようになっておりまして、様々なキャンプ等の活動もできるようにいたしております。
 次、この施設の利用ですけれども、設備の改修前と比べまして、現在、利用者は1.5倍になっております。令和2、3に改修しまして、4、5、6ということですけれども、5年に増えまして、6年に減っておりますのが、コロナの間にできなかった子供たちを5年にまとめて、皆さんが利用しようということになったものですから、その分のこともありまして6年は減っておりますけれども、全体としては、利用者は増加いたしております。これは一般の利用者の方、会社の研修とかでも使えるようにしまして、施設の採算も必要だということで、そのようなことも取り入れました。全体としまして、市としましては、この野外活動を通じて、生きる力を育成する活動ということで、この施設を非常に重要なものと位置づけております。
 人との関わり合い、規律、友情、奉仕の精神を養うということ、それから、災害時にも使える施設として、緊急時には避難所としてもすぐ開設が可能ということなど、最初にも申し上げましたように、親も自分自身も体験しているので、安心して1泊2日で子供をしっかり預けることもできるということで、また、部活動とか、スポーツ少年団とか、その他の団体の研修なども行っていただいて、採算も取れるようにいたしているところでございます。
 この活動というのは、子供の生きる力を育成することとして非常に大切なものと考えておりまして、市としては、この施設を運営しているところであり、青少年の教育施設の一つの代表的な例として、これはとても大切なものだと考え、これからも持続していきたいと考えております。
 以上でございます。

【清原部会長】  伊東委員、ありがとうございます。倉敷市の少年自然の家から、解体、新設して、PFI方式を活用して、今度は自然の家として多世代で活用しているという具体的な事例を御紹介いただきました。

【伊東委員】  ありがとうございました。

【清原部会長】  国の施設だけではなくて、自治体の施設の在り方も重要な課題となっておりますので、具体的な事例を御説明いただき、感謝いたします。
 それでは、東委員、続いて野津委員で萩原委員、では、まず東委員、お願いします。

【東委員】  私からは、若者・子ども目線ということで1点、青少年教育施設について、私が感じていることを共有させていただければなと思います。
 私たちは中高生中心で地域活動に取り組んでいる団体なんですけれども、国立青少年教育施設の地域探究プログラムオリエンテーション合宿というプログラムに、毎年、当団体の研修として、交通費、参加費、団体負担で、希望者の中高生メンバーを参加させていただいております。
 そのプログラムに研修として参加させていただいている理由が、そこでの体験活動がすごくすばらしいものというのも大前提にあるんですけど、自然の家の職員さんたちと出会って、そこで深く関われるということが私にとってすごく大きくて、自然の家の職員さんたちって、私たちのやりたいことを絶対に否定しないし、一緒に悩んで、一緒に考えて、一緒に歩んでくれるという信頼感がすごくあるんです。地域で活動していると、いろいろな思惑を持った方たちと関わることもあって、なめられているなとか、下に見られているなと思うことももちろん結構あって、そんな中でも、青少年教育施設の職員さんたちって、純粋な気持ちで、私たちのやりたいことを尊重して受け入れてくださっているんですよ。だから、私自身も安心して、うちの大事な中高生たちを任せられるからこそ、青少年教育施設のプログラムに私たちの団体の研修として毎年参加させていただいているというところがあるので、体験活動の重要性というのは皆さんもちろん分かっていらっしゃると思いますし、職員さんの価値というのももちろん分かっていらっしゃるとは思うんですけど、私たち若者世代からも、いま一度、この職員さんたちの価値というのをお伝えしたいなと思って発言させていただきました。
 以上です。

【清原部会長】  東委員、ありがとうございます。
 具体的に中・高生ボランティアの皆さんの研修先として青少年自然の家を継続的に使っている中で、特に職員の存在の意義、まさに、やりたいことを否定しない、寄り添いながら一緒に考え、悩むという、まさに職員の存在意義について提起していただきました。
 それでは野津委員、どうぞ。

【野津委員】  すみません、さっきうちの話をするのを忘れていましたので。今、高校入試とか大学入試の入学定員の半分が教科試験のない総合選抜、自己アピールだったり、小論文だったり、プレゼンだったり、あるいは中学、高校での活動実績の評価であったり、これを人よりも上に行くためには、やはり小学校ときのいろいろな体験が必要で、そういった体験のない子がみんなと同じ学校内での活動をしていても、それを1人うまく膨らませるということができない。活動自体、やっているときの活動も膨らませられないし、それを文字や言葉にして人にアピールするということもできない。つまり、活動の貧困は経済的な貧困の連鎖を生むと、我々こういう視点でおりまして、こういったところで負けない、なので、たくさん活動させてやりたいということで、今、我々が取り組んでいる、もちろん県立で2つ施設を持っているんですけれども、そこは来るエリアが限られます。学校活動で来ると、みんな同じことをするので、より違うやり方をしようと思うと、自分の住むところの公民館で何とかできないかということで、我々、施設の職員が道具とノウハウを持って公民館に行って、公民館がやる体験活動の支援をする。うちの職員は、子供の支援はしない、職員の支援をする、まさに社会教育たるところですよね。職員がこういった体験活動が指導できるように支援をするということをやっていまして、そのために、施設でソロキャンプの道具を用意したり、あるいは障害者スポーツの道具、ボッチャとか、たくさん用意して、それを持って公民館に行って、公民館職員と打合せして、公民館職員が地域の子供たちを集めて体験活動ができる、こういうことをしようということで、これをずっとやっています。まさに、体験する機会を増やす。先ほど言いました島根県でM字カーブなんてないんですよ、みんな共働きなので。日曜も働く場面もあって、エッセンシャルワーカーもいますから、両親そろってどこかへ行くというのがなかなか難しい中で、子供だけで行ける公民館、というところがあるわけですね。大体、小学校エリアにありますから、そういったところへ行って、もちろん親の承諾があって泊まったり、いろいろな活動をすると、異年齢あるいは高齢者とか障害者の方も含めて活動していく、こういったところをやらないと、自分の将来にかかってくる。これは観念的なお話ではなくて、人生を決める一番大事なポイントのところで効いてくる話なので、やはり体験活動というのは本気でやらないと、一生がそこで決まってくると思っていますので、我々は我々の中で一生懸命やるし、そういったノウハウ、もっと大きなノウハウをナショナルセンターですね、我々へ提供していただければと思っています。

【清原部会長】  ありがとうございます。
 体験活動が経済的な貧困にもその貧困が結びつくという観点から、島根県の場合には、県立の施設が公民館にアウトリーチして、職員も、そして参加者も体験の充実を図っているという事例の報告、ありがとうございます。
 それでは萩原副部会長、お願いします。

【萩原副部会長】  私は国立青少年教育施設の振興方針に関する検討会のメンバーでもありました。今日いただいた御意見、検討会の中でも同じようなことが言われておりました。やはり、独立行政法人としてこの二十数年、運営交付金が毎年減っているわけで、その中で、国立青少年機構も、青山先生はその辺りをよく御存じだと思いますが、本当に努力をしてきたんだけれども、やはり予算の減少というものは、事業等を展開していく上では非常に大きな足かせになってくるということがあります。結果として、人件費もそうですし、施設の運営とか、改修とか、そういったものも非常に大変であるということが検討委員会の中でも出されておりました。
その中でも、今、野津委員がおっしゃってくださったように、体験学習というのは、これからも非常に重要だし、未来ある子供たちに対して、どれだけ非日常あるいは日常的にそういったものを体験できるかというのはとても重要だということで検討会でも結論づけられたと思っております。
私には小学生の孫がいますが、小学校5年生、6年生と2年連続で宿泊を伴う体験学習をして、大きく成長している状況を見ております。ですから、やはり、学校教育の中でこういった体験教育をしていくということは、先ほど皆さんおっしゃっているように、体験格差をなくしていくために非常に重要ですし、そこにしっかりと予算を出していくということは、今後、国、地方自治体にとっても非常に重要になってくると思っております。
その上で、やはり社会教育施設としての青少年施設をどう再定義していくのかというところでは、牧野委員や青山委員もおっしゃっていたように、これまでのデフォルト(基準、標準)だけでいいのか、未来に向かってどういうやり方がいいのかということを真剣に、次に語っていかなければいけない、また議論していかなければいけない問題ではないかなということを改めて皆さんの議論を聞いて感じた次第です。
 以上です。ありがとうございました。

【清原部会長】  萩原副部会長、ありがとうございます。
 本日の議論を集約していただいて、とても腑に落ちました。
 それでは、本日、具体的な御発表をいただきましたお二人からもコメントをいただければと思います。
 まず丹埜様、どうぞ。

【丹埜株式会社R.project代表】  皆さん、本当に貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
 皆さんの今の議論の中で、自然体験の意義と、あと、経済性というテーマが何回か出たと思うんですけれども、そんな点で、2点だけ、私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 我々はできるだけこの2つは決して綱引きの関係性とは考えないようにしていて、自然体験が目的である、自然体験の意義が目的、それを実現するための手段として経済性であると、目的と手段という関係性で考えるようにしております。我々の会社のビジョンも、とにかくもうけるぞではなくて、「生きる力を、自然から。」ですので、この目的を大事にしたい。ただし、自然の家の場が毎年着実に減っている、なくなってしまっているという事実があり、しかもその理由として、経済性というのは必ず出てくる。そういう実情がある以上、我々としては、ぜひ経済性の手段のところを一生懸命やっていきたいと思っているところです。
 私の料金制度のページの資料の一番下のところにも、適正料金等で民間が収益を上げた分に関しては、例えば経済弱者に対して還元していくとか、自然体験の価値の向上、プログラムの向上にもっと投資をしていくということも含めて書かせていただいていますが、そういう両立を頑張りたいと思っています。
 もう1点、柏木委員が途中でおっしゃったことにも関係すると思うんですが、自然体験の意義を本当に思っているのであればあるほど、子供たちが学校のときに1回だけ行くという施設に終わってしまうのは、非常にもったいないと思っています。そういう意味でも、家族で訪れたり、大学生でまた訪れたり、社会人で訪れたり、おじいちゃん、おばあちゃんになっても訪れたりという、ただ単にたくさんのお客さんを誘致してもうけるという意味だけでなくて、実際に自然体験の意義を人々に醸成していくためにも、何度も訪れるような施設を目指していきたいと思っております。ありがとうございました。

【清原部会長】  丹埜様、ありがとうございます。
 それでは青木様、お願いいたします。

【青木國學院大學教授】  本日は本当にありがとうございました。各委員の先生方からの御意見というのは非常に貴重な御意見だなと思って、私も勉強させていただきました。
 その上で、私から2点お話をさせていただきたいのですが、やはり青少年教育施設というのは、活動を提供する場所でもあり、また活動する場でもある。その場が、今、料金が上がってきている。実は、この前も民間の方と話したんですが、青少年教育施設を利用する側なので、料金が上がると、自分たちのプログラムの料金も上がるんですね。1,000円、2,000円上がると、それだけで参加者がぐっと減ってしまう。実は、間接的に青少年教育施設の予算というものは、結構、社会とか地域全体の青少年教育にも大きく影響してきますので、そういった観点から、国として青少年教育施設、青少年教育をどうしていくのかという方針をきちんと出していくということは、とても大事なことかなと思っています。その財源については、ふだんの予算だけではなくて、例えばスポーツ振興くじ等、totoの予算もありますので、そういった多面的な要素というか、予算の配分の仕方も含めて、国として御議論いただきたいなといったところがございます。
 2点目なんですが、先ほど牧野副部会長、青山委員、萩原副部会長から御発言がありましたとおり、青少年とは何かとか、体験活動とは、現状、課題は一体何なのかというそもそも論を、いま一度、現代の社会に合わせて御議論いただいて、今後、国として、青少年教育とか体験活動をどう推進していきたいのかという大きな方針を、ぜひお示しいただければと思っております。実は、そういった大きな方針が、今ちょっと薄いのかなと。体験格差の話はすごく議論されているのですが、それ以外の議論というのがなかなか少ないので、そういった意味で、大きな方針がきちんと示されると、国、国立施設をはじめ、公立施設、また、青少年団体がやるべきことを示す道しるべになると思っておりますので、ぜひ中教審での御議論をお願いできればと思っております。
 私からは以上です。

【清原部会長】  青木様、ありがとうございます。
 本日、多くの委員から、青少年の体験というのは、まさに生きる力を育むものである。それは大人にとっても重要な生きる力を育むということもあり、この場には、こども家庭庁成育局成育環境課の大山居場所づくり推進官もいまして、要するに、「居場所」、「場所」というのがいかに重要かということを私たちは常に共有しながら進めております。今日はそういう意味で、青少年にとっての体験活動の場、機会がいかに重要かということを、経済的あるいは施設の老朽化とか、様々な課題はありつつも、しかし、私たちが共通して、子供、若者、青少年の力を育む場としての意義は再確認できたのではないかと思います。
 そして、課題解決については、倉敷市、そして名古屋市、あるいは島根県、新潟県の事例など、いろいろな事例が相まって、私たちに一つの方向性を示していただいたのではないかなと思っています。私たち、しっかりと青少年の視点を尊重しながら、今日は議論できたと思います。皆様の積極的な御参加ありがとうございます。
 大幅に時間は過ぎておりますが、今日、皆様に共有させていただきたいことがございまして、そうは言っても、お時間に制約のある方は御退席いただいて結構でございますし、なお、御発言し切れなかった御意見がございましたら、いつもどおり事務局にメール等でお寄せいただければと思います。
 それでは、林調整官、事務局からの御発言をお願いします。

【林社会教育企画調整官】  最後の議事のその他でございます。時間が超過している中で、大変恐縮でございます。資料の4番を御用意ください。
 本部会の下に置いていただきました社会教育主事・社会教育士養成等の改善・充実に関するワーキング・グループ、去る11月17日に青山委員を主査にお迎えして開催いたしましたので、第1回目の御報告を青山主査からお願いしたいと思います。

【清原部会長】  それでは、青山委員、お願いします。

【青山委員】  それでは、資料4を御覧ください。
 先月11月17日にワーキング1回目が発足しまして、会議を行いました。また来週、2回目があるということになっておりまして、別紙のとおりの委員でやっております。
 1回目は論点出しというところもありましたので、様々な意見を各委員からお出しいただいたということで、資料4のとおり、大きく3点に整理をしていただいているところです。
 1点目は、今後の社会教育主事講習等が誰に向けたものなのかということに関わるものかなと思いますが、現状、地方公共団体の行政職で、本来、主事講習を受けるべき職員が実際に受講していない例があるのではないか。特に忙しさや必要性の認識不足、また、人事異動のことなどが背景にあって、受けるべき人が受けられていない問題、一方で教員籍の方は比較的受けられているのではないかといった意見がありました。
 こうした点から、「行政や福祉など様々な公共の領域で社会教育の専門性が必要であるとの認識を高めるとともに、より取りやすく、より活用したいと感じられる資格とすべき」という意見が共有されたところであります。
 また、実務経験を可視化していくことであるとか、あるいは関係団体等での研修実績等も、称号取得について評価に組み込むことがいいのではないかといった意見もありました。
 2点目は、従来の人材部会から引き継いでおります、いわゆる2階建ての話に関するところでありますけれども、社会教育主事や公民館職員なども含めて、誰のための講習・養成課程なのかを考えたときに、2階建てよりももっと細分化して考える必要があるのではないかといった御意見も出されました。例えば、いわゆる行政職員や施設職員の人たちと、教員や福祉職など、いわゆる掛け算で社会教育の専門性を使う人たち、また、地域のいわゆる地域活動、市民活動の中で使う人たちの中で、必要なスキルやニーズも変わるのではないかといった議論の中で、3階建てとか、4階建てとか、いろいろな議論も出てきたところです。ただ、あまり細分化し過ぎても制度的に難しいというところもあって、今後、議論が続くのかなと思っております。
 3点目は、今後の養成に関する内容というところになりますけれども、現状では、社会教育士等の称号を目指す人にとっては、行政に関する内容が多過ぎるのではないかという議論もある一方で、やはり行政のことをきちんと社会教育士の人にも学んでおいてほしいよねというような議論、あるいは単に学習支援の専門家とかファシリテーションの専門家というだけではやはり不十分だよねといった両方の議論がありました。
 また、行政に関する内容については、1階部分、つまり、社会教育士の部分でもきちんと扱いながら、詳細なものを2階部分で行う。また、より広域的で、より高度な研修の実施や社会教育計画の立案などの学びを高度に組織化していくといったプレーヤーではない部分の実務的な専門性に関わる部分も2階で扱うこととしてはどうかといった議論。
 さらに共通して学ぶべき内容としてDX、GX、ダイバーシティーといった現代的課題に関する内容をどうするのかといった議論もありました。
 養成段階で学び得る内容は限定的であるということは御承知のとおりでありまして、どこまでを養成段階で担うのかとか、どこまでがトレーナブルなのかといった議論はずっとあるわけですけれども、この辺りも含めて議論していかなければねというところが1回目の議論の主な論点でございます。
 引き続き、よろしくお願いいたします。

【清原部会長】  青山委員、ありがとうございます。

【林社会教育企画調整官】  青山委員、ありがとうございました。
 今後も、ワーキング・グループの検討状況につきましては、随時、本部会に御報告させていただきます。
 事務局からは、今後の審議予定に関しまして、別途、メールにて委員の皆様に御連絡いたします。
 以上でございます。ありがとうございました。

【清原部会長】  青山委員、林調整官、ありがとうございます。
 それでは、本日の社会教育の在り方に関する特別部会はこれで閉会いたします。青少年、子ども・若者に対する皆様の強い関心を再確認させていただき、今日は大幅に時間を超過いたしましたが、でも、充実した意見交換ができたと思います。私たちとしては、これからも、本日の意見交換も含めながら、青少年を視野に入れた議論も、さらに継続していきたいと思います。本日、御報告いただきました丹埜様、青木様に拍手で感謝を申し上げたいと思います。(拍手)
 それでは、長時間の御審議、誠にありがとうございました。これにて、本日の部会を閉会といたします。皆様、お体気をつけてください。

―― 了 ――

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