社会教育の在り方に関する特別部会(第3回) 議事録

1.日時

令和6年10月25日(金曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室 ※WEB会議併用

3.議題

  1. 農村における「地域づくり」の実態と課題-社会教育と社会教育人材への示唆- (小田切委員発表)
  2. 共生社会の実現と社会教育(柏木委員発表)
  3. 社会教育人材を中核とした目指すべき社会教育の在り方について(意見交換)
  4. その他

4.出席者

委員

(委員)内田委員,清原委員,萩原委員
(臨時委員)青山委員,安齋委員,小田切委員,柏木委員,金澤委員,小見委員,杉野委員,関委員,都竹委員,野津委員,東委員,牧野委員,美田委員,村井委員,八木委員,山本委員

文部科学省

(事務局)茂里総合教育政策局長,江﨑大臣官房審議官,平野社会教育振興総括官,神山政策課長,中安生涯学習推進課長,中園男女共同参画共生社会学習・安全課長,今村日本語教育課長,高木地域学習推進課長,山川地域学習推進課課長補佐 他

5.議事録

【清原部会長】  皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回社会教育の在り方に関する特別部会を開催いたします。
 本日は大変御多用のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本会議は、対面とオンラインを併用して開催いたします。
 なお、本日もYouTubeのライブ配信を行いまして、報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者から会議の全体について録画を行いたい旨の申出がございまして、許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは、よろしくお願いいたします。
 次に、事務局から、本日のオンライン会議運営に当たりましての留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いいたします。

【山川地域学習推進課課長補佐】  本日は、対面とオンラインのハイブリッド方式にて会議を開催しております。オンライン会議を円滑に行う観点から、4点ほどお願いします。1点目、御発言に当たっては、インターネットでも聞き取りやすいよう、はっきり御発言をお願いいたします。2点目、御発言の際には名前をお願いいたします。3点目、御発言のとき以外はマイクをミュートにしてください。4点目、御発言に当たっては挙手ボタンを押していただき、御発言後はボタン解除をお願いいたします。お手数をおかけしますが、御協力をお願いいたします。
 なお、本日、会場にお越しの委員の皆様におかれましては、御発言の際には挙手またはネームプレートを立てていただくようお願いいたします。
 続いて、資料の確認をいたします。本日の資料は、議事次第のとおり、資料1から資料5、参考資料1から参考資料3になります。今回から、参考資料については机上の水色のファイルにとじてあります。お帰りの際には、お持ち帰りにならないようお願いいたします。

【清原部会長】  
 それでは、早速議事に入らせていただきます。本日の意見交換は、前回に引き続きまして、諮問の審議事項1、社会教育人材を中核とした社会教育の推進方策のうち、1つ目の社会教育人材を中核とした目指すべき社会教育の在り方についてとなります。委員の皆様の意見交換が活発なものとなりますように、本日は小田切委員と柏木委員に御発表をお願いしています。小田切委員からは、農村における「地域づくり」を題材として、社会教育、社会教育人材への御示唆について御発表をいただきます。また、柏木委員からは、共生社会の実現と社会教育について御発表いただきます。お二人、順に御発表いただき、その後、それぞれの御意見についての質疑応答を行わせていただきます。その後、本日の議題に関する事務局からの説明を皆様と共有しまして、さらに委員の皆様と意見交換を深めていきたいと考えております。
 それでは最初に、小田切委員から御発表をお願いいたします。

【小田切委員】  ありがとうございます。明治大学の小田切でございます。よろしくお願いいたします。
 私は今、農村政策論、地域ガバナンス論を研究しておりまして、前回も申し上げましたが、恐らく今回のこのテーマからは一番遠い存在だろうと思います。ただし、農村を言わば総合的に研究しているということもありまして、人材の重要性、社会教育の重要性を端々で感じております。今日は、農村から見た社会教育、あるいは社会教育人材の在り方、私なりに提起させていただきたいと思います。
 2ページ目を御覧ください。農村の実態ですが、しばし私、申し上げているように人、土地、ムラの3つの空洞化、しかもこの3つの空洞化が段階的に押し寄せてきている。実は過疎、中山間地域、限界集落、それぞれ造語です。ということは、この時期にこの3つの空洞化が始まったということが特定できるわけでございますが、重要なのは、むしろこの3つの空洞化は現象面の空洞化にすぎないということであります。その最も基層には「誇りの空洞化」、そこに住み続けること自体の意味や意義を見失ってしまうという、そんな空洞化が基盤にあって、その土台の上に3つの空洞化があるということです。
 この点は、実は私だけの指摘ではありません。有名な元大分県知事の平松さんは、人の過疎は怖くない、怖いのは心の過疎だということで、同じことをおっしゃっていました。つまり農村問題の人々のこのような意識が関係して、その理解と対応が不可欠、まさに社会教育がここに強く絡んでくるという認識を持っております。
 3ページ目ですが、それではそれに対して農村は手をこまねいていたのかというと、そんなことはありません。「地域づくり」という営みが農村では走っております。そもそも地域づくりとは何なのかというのは大変難しいことなんですが、ここに書いてあるのは、宮口先生、農村地理学の先生の提起ですが、より少ない数の人間が山村空間をどのように使えば、そこに次の世代にも支持される暮らしが生み出し得るのかを、追求する。これは先進的な少数社会の形成だということをおっしゃっております。
 つまり現在の人口減少問題という問題に照らして言えば、「持続的な低密度居住地域」、「低」という字が抜けておりますので、御訂正いただきたいと思います。申し訳ございません。低密度でありながら持続的に暮らしていく、人口減少でありながら幸せに暮らしていく、これは後ほど申し上げますが、私自身はにぎやかな過疎と呼んでおりますが、これを追求するということになります。人口減少問題の緩和策ではなく、適用策と。地域づくりというのは、人口減少が先んじて生じた農村においてこういうことが行われているこの動き自体は1990年代後半から。なぜそうなのかというと、バブル経済の崩壊、リゾート開発の崩壊であります。農村は外来型開発、ある段階では工場誘致、ある段階ではリゾートの導入、常に外からの開発が行われてきたわけですが、そうではなくて、自分たちの力でという意思がこの辺りから生まれてきております。
 ということもありまして、このページの下に3つの原則、内発性、多様性、革新性、こんなことが全国各地で起こっている地域づくりの基盤にあることを理解することができます。つまり農村における地域づくりというのは、地域を作り直す。我々がこれを英語で発信する場合にはRural Regenerationという言葉を使っております。そういう意味では農村は危機と再生のフロンティア、農村というスペシフィックな状況を我々は今見ているわけなんですが、それはある意味、典型的な状況でもあるんだという、そんな理解が必要なんだろうと思います。
 それでは、この地域づくりの内実を4ページ目で見ていきたいと思います。この詳細はお話しする時間がございませんが、地域づくりを様々な形で追求すれば、3つのフレームワーク、「人材」「コミュニティ」「しごと」、こんなふうに分解できる。つまり農村における地域づくりというのは、人材づくり、コミュニティづくり、しごとづくり、これを一体的に行う、これが地域づくりだというふうに理解することができます。理論的に言えば、いわゆる内発的発展論、これは世界各国で追求されているのですが、日本の農村問題、地方問題への具体化というふうに理解することができます。
 5ページ目に政策との橋渡しをしております。ちょうど10年前地方創生がスタートしておりますが、御存じのように、この地方創生は正確には「まち」「ひと」「しごと」です。それを一体的に推進することが地方創生法の第1条にしたためられておりますが、そこにおける「ひと」というのは、地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保、重要なことはこの「ひと」は人口ではなかったということであります。つまり地方創生においては、人材を創生するということが大変重要なポイントになっております。そして、まちはコミュニティ、しごとは仕事であります。つまりまとめれば、地方創生とは人材創生やコミュニティ創生、しごと創生、これを一体的に進めるということになって、それは社会教育がそこにどう関わるのかという論点がここから見えてくるのだろうと思っております。
 6ページ目になりますが、今日は時間の関係で人材創生、コミュニティ創生、この2点に絞らせていただきたいと思いますが、人材創生とは何なのか。社会教育自体の学びは、私自身は最近では、牧野先生に誘導されて学びながらいろいろ勉強させていただいておりますが、それ以前から、私自身は人材というのは言わばぴかぴかな人材というよりも当事者意識を持つ人々、こんなふうに理解しております。これは何といっても、社会教育でも有名な長野県飯田市の牧野元市長が、「すべては当事者意識から始まる」ということを言っておりました。この当事者意識を持てる状況をどうつくっていくのか。つまり他人事だったもの、英語で言えば、主語、TheyをいかにIにするのか。しかし、実は実践から見るとIだけでは駄目で、これをいかにWeにするのか。他人ゴト、自分ゴト、地域ゴト、これが農村の地域づくりにおいてマストな前提だというふうに理解しております。
 この点で見ると、農村における人材育成は様々な局面で行われてきました。言うまでもなく、古くからは公民館活動、社会教育ということですが、ある段階からは意識的にワークショップが行われております。あるいは都市農村交流も一つの人材づくりになっております。しばしば私は交流の鏡効果ということを言いますが、外から来るゲストが、「この地域、いいところですね」、「おばちゃん、この料理おいしいね」と子供たちが言うことによって、地域の宝を地元のホストが言わば再発見する。これを鏡効果というふうに言いますか、ここでも人材が育成されている。そして、最も新しくは高校魅力化でございます。中教審のワーキングで私も高校魅力化に関わらせていただきましたが、高校魅力化は農村の地域づくりにおいて今や非常に大きな要素の一つだと言っていいと思います。
 7ページ目に「コミュニティ創生」についてまとめておりますが、少し時間が押してきておりますので、飛ばさせていただきまして、8ページ目、これもコミュニティ創生ですが、ここで1点だけ注目していただきたいのは、私ども、いわゆる集落が農村に従来型のコミュニティとして存在しております。もちろんこれはこれで重要なんですが、それに加えて新しいコミュニティ、いわゆるRMO(地域運営組織)が重要で、ここが恐らくコミュニティ創生のポイントになっているのだろうと思います。そういう意味ではこのRMOが全国にどのぐらいあるのかが気になります。総務省のRMO研究会で、その調査を毎年しておりますので、御紹介させていただきますが、下のほうにありますように、組織数で実に7,000を超える組織でございます。全国の市町村の5割でこういったRMOができているという状況。その進捗状況が右のグラフにありますが、こんなふうにコミュニティ創生が進んでいるということでございます。
 ちなみにここには書いておりませんが、実はこのRMOが活発に動いているところと、社会教育が盛んだということの何がしかの相関関係がありそうです。これは直観的な理解ですが、農村を歩く者として深く理解しております。例えば初回に野津委員から島根県の報告がありました。そこでも小さな拠点という形でこのRMOづくりが進んでおりますが、御存じのように島根県も社会教育が前進しております。あるいは御存じの先ほどの長野県飯田市もそうですし、あるいは山形県川西町、これは青年団発祥の地でございまして、そういう意味では青年団活動あるいは公民館活動、こういった社会教育がRMOの盛んな地域と重なるというのは大変示唆的でして、RMO、すなわちコミュニティ創生にとって社会教育はある種の基盤となっている。そのように強く思うところであります。
 9ページ目にその中身を書いておりますが、少し飛ばして10ページ目、ここからが今日の話の中心になります。残った時間、約半分ですので、これから時間をかけてお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、1990年代中頃以降、地域づくりが本格化していきます。それから約30年たつことによって、地域づくりは言わば成熟化して、ポイントが明らかになり始めている。新しい地域づくりという表現をしますが、ここにマル1新しい内発的発展、マル2外部人材としての「関係人口」、マル3地域内経済循環、マル4プロセス重視、この4つのポイントが析出され始めていると言っても過言ではありません。
 時間の関係で今日はマル1とマル4だけ御報告させていただきます。11ページになりますが、新しい内発的発展です。内発的発展というふうに言うと、地域内に閉じられたというイメージがあるわけですが、先ほどの交流の『鏡』効果、これを見れば決して閉じられているものではないということは明らかになります。そして最近では、特に2010年代からですが、地域おこし協力隊をはじめとする外部人材が活躍しております。そういう意味では内発的発展といっても閉じられたものではないことは明らかで、むしろ外と開かれた交流が地域の内発性を高める。「交流を内発性のエネルギーとする新しい内発的発展」、これを我々は交流型内発的発展論と呼んでおりますが、これがまさに今必要となっているということだと思います。実はヨーロッパにおいても同じ議論があります。ヨーロッパでは「ネオ内発的発展」ということで、インサイドとアウトサイドの両方からの内発的発展という議論が進んでおります。
 12ページ目からはプロセス重視で、今日、私が皆様方に一番御報告したいのがこの点であります。農村の地域づくりにおいてプロセスが重要だということは、いろんな局面で今捉え始めております。地域づくりにおいてプロセス重視というのは当たり前ですが、強いて言えば地方創生以降というふうになりますでしょうか、あるいはそれ以前からもあるわけですが、この下の左の図のように、政策が地域の中に打ち込まれれば、自然に地域が変わるというイメージがあります。こいつの間にかそういった意識が行政担当者の中、あるいはポリシーメーカーの中にもどこか生まれているところがあるわけですが、そうではなく、プロセスというブラックボックスがある。このブラックボックスの中でどのように展開するのかというプロセスのデザインが必要だと。このプロセスのデザインをどのようにしていくのかということが地域づくりの重要なポイントになり始めていると理解しております。そのプロセスは試行錯誤も含めてプロセスであります。環境社会学では、最近、順応型ガバナンスという言い方がされておりますが、これはまさに試行錯誤も含めてという意味で、これを社会教育、社会教育人材、あるいはその実践の中でどのように埋め込んでいくんだということも新しい問題意識として持っております。
 13ページですが、私たちがこのプロセス重視を最も学んだのが、これも今からちょうど20年前になりますが、中越地震からの復興過程になります。左の図は集落の再生曲線、つまり横軸が時間軸で、縦軸が集落の機能を相対的に見たものですが、集落機能というのは盤石で、しかしある段階から脆弱化していく。その中でどのように再生をしていくのかといったときに、V字回復を目指しがちですが、しかしV字回復の実践はほとんどありません。特に被災を受けた復興過程でV字回復を狙うということは、むしろ衰退が早まってしまっているという事例報告さえ存在しています。
 そうであれば何が必要なのか。ここに事業準備段階というふうに書いておりますが、新潟県の現場では足し算の段階、つまり遅々として進まないながらも平らにするプロセスが重要だと。言ってみれば寄り添い型支援の段階で、これは先ほど私が冒頭に申し上げました地域の諦め(誇りの空洞化)の払拭プロセスであります。これが中越地震の場合には最低限でも二、三年かかったということで、ここで何をしているのか。まさに寄り添いです。
 若者が地域のおじいちゃん、おばあちゃんの聞き書きをしたり、インタビューをしたり、そんな形で時間をかけることによって平らな部分をつくっていく。そして、ぽんと跳ね上がるような、これかけ算の段階会というふうに言われますが、これを支えるのは専門家人材ということになりますが、この段階であるということを学んでおります。ただ、このプロセスもまた一つの例にしかすぎなくて、このプロセス自体は非常に多様なのだろうと思います。
 次のページですが、この2つのプロセスは、社会学では「すごす」と「目指す」という言葉で表現しております。
 15ページになりますが、実は「すごす」「目指す」、あるいは足し算、かけ算のプロセスの中で、全体を見るような、言わばプロセス・マネジャーといいましょうか、プロセス・コーディネーター、15ページ目の一番上に書いておりますが、こういった別の人材も必要になってくると思います。
 その人材のイメージについて幾つか掲げておりますが、マル3の解法探求型人材というのは大変重要だろうと思います。時と場所によって解答が異なる。むしろ解答ではなく、解法を身につけることが重要になる。解法を探求する、解答を覚えるのではないということですここが社会教育人材の一つのポイントではないか。現場に行ってそんなふうに思うところであります。
 下のほうに「プロセス重視」視点から見える農村支援人材についてまとめておりますが、寄り添い型支援人材、これは非専門家です。むしろ専門家でないほうがいいということもあります。なぜならば、試行錯誤が必要で、時間の余裕が必要だからであります。そして、2番目には専門家型支援人材、3番目にはプロセス・マネジャー型支援人材、こんなものも必要になる。これ実は三重の人材が求められていて、なおかつマル1からマル3は人材自体の成長過程でもあると理解することができます。
 16ページ目に、今、研究が進んでおりますプロセス重視のポイントについてまとめております。一つ一つ細かいことは省略しますので、タイトルだけ申し上げますと、「当事者意識づくり」には段階がある。先ほど申し上げたことです。時間はコストではなく、将来的な投資にむしろ時間をかけることが重要なんだと。3番目には、めざすべきは課題解決ではなく「主体形成」。課題解決をいきなり求めると、地域はむしろ疲れてしまうということです。だからこそ時間が必要だと。
 次のページになりますが、マル4番、地域外と連携するためには、むしろ地域内で混ざらなくてはいけない。最近、関係人口の重要性が言われているわけですが、しばしば困難性が伴っております。それは何といっても地域内では混ざっていないからです。3世代で混ざるということが前提で、公民館はそういったことをしていて、だからこそ関係人口はフックをかける余地があるんだと。そんなふうに理解しております。
 5番目の必要な「プロセス事例集」は省略させていただきます。
 それでは最後、まとめさせていただきますが、18ページ目になります。こういうふうに地域づくりのポイントが明らかになって、その実践も進んで成熟化しておりますが、逆に表れているのが、実は地域内の格差であります。18ページの下のほうにむら・むら格差という言葉がありますが、かつての格差は都市と農村の格差でした。今はむしろ村内部で格差が進んでいる。これを我々はむら・むら格差というふうに呼ばせていただいております。
 19ページ目にその実証です。細かく見る時間はありませんが、縦軸が人口、横軸は社会増減率、これ過疎地域の市町村をドットしております。5年間まとめておりますので、社会増減率は5倍になっているわけですが、人口が小さな市町村でこれだけの大きな幅が生まれているという、ここがまさにむら・むら格差。そして中には、人口が小規模にもかかわらず社会増を実現するところがかなり生まれていて、これを我々はにぎやかな過疎というふうに呼んでおります。
 最後のページですが、むしろにぎやかな過疎を見ることによって、地域づくりにとって何が必要なのかがよく分かります。「にぎやかな過疎」とは何か。にぎやかな過疎は多様なプレーヤー、多様な人材の交錯であります。ごちゃまぜであります。地域づくりに取り組んでいる地域住民の新しいコミュニティ(RMO)、地域でしごとをつくっている移住者、何か関われないかと動いている農村関係人口、そしてSDGsによって地域貢献を探る民間企業、NPO、大学、これらが統計とは違い、地域の中でワイワイ・ガヤガヤする。すなわち人口減・人材増、人が人を呼ぶ。しごとがしごとを創る。多様な人材の「ごちゃまぜ」の場がある。これを我々は地域の縁側と呼んでおりますが、この地域の縁側こそが公民館だと、あるいは公民館的な存在だという御発言もありましたが、そうだろうと思います。外との交流を地域内部のエネルギーとするようなネオ内発的発展がまさに必要で、最終的にまとめれば、対話とプロセス(時間)が重視されている。これこそが農村地域づくりの極に生まれた「にぎやかな過疎」の本質だろうと思っております。そういう意味では農村のにぎやかな過疎というのは、都市を含めた我が国の地域のあるべき姿であって、ここで見えていくプロセスと人材の重要性は本部会の課題でもあります。
 こういう形でまとめさせていただきましたが、事務局から社会教育論について、あるいは社会教育人材についてまとめの一言をという要請もありますので、簡単に4点ばかり、口頭で申し上げさせていただきますが、1点目はプロセス重視を社会教育の中で担保する仕組みが必要だろうと思います。予算の単年度主義やKPI管理、前回申し上げましたが、こういった中でなかなかプロセス重視が実現できません。試行錯誤を含めた順応過程をいかに重視するのか、こういった規範と制度をいかにつくっていくのか、これが1点目です。
 2点目は、地域づくり人材は重層的なものであるということを申し上げました。3つのタイプの支援人材、寄り添い型、専門家型、プロセス・マネジメント型ということを申し上げましたが、社会教育士を含めた社会教育人材はこの中のどこに位置づくのか、あるいはほかのカウンターパートとどのように結びつくのか、それを保障することが必要になってきます。
 3番目は、地域における場、内部でごちゃまぜになる、あるいは内外がごちゃまぜになる、つまり関係人口とも混ざるという場が必要です。この場は物的な意味での公民館と同時に、エコシステムとしての場も必要なんだろうと思います。
 そして最後ですが、地域づくりは人材づくり、コミュニティづくり、しごとづくりです。とりわけ人材づくり、コミュニティづくりは、社会教育の目的そのものですが、しごとづくりとどのように接続するのか。第1回目で申し上げました。こういったことも農村の実態を見ることによって明らかになると思います。
 農村から見た社会教育、社会教育人材ということをまとめてお話をさせていただきました。
 以上です。

【清原部会長】  小田切委員、どうもありがとうございます。20分とお願いしたので、御説明の省略もしていただきましたが、大変濃密なメッセージを込めていただきました。最後に4点まとめていただきましたことを、今後の皆様との意見交換に結びつけていきたいと思います。特にプロセス・マネジャー型人材という提案をいただきましたが、そのプロセスの担保の在り方、そして重層的な地域づくり人材の在り方、地域における場としての公民館、エコシステムの在り方、そして地域づくりは人材づくり、地域づくり、しごとづくりであって、いかにしごとづくりと人材づくり、地域づくりを連携させていくかという大変重要な問題提起をいただきました。それを後半の議論につないでいければと思います。
 それでは、続きまして、柏木委員から御発表をお願いいたします。共生社会の実現と社会教育ということです。よろしくお願いいたします。

【柏木委員】  立命館大学の柏木智子です。よろしくお願いいたします。共生社会の実現と社会教育というところで御報告申し上げます。
 2ページ目、共生社会の実現に向けて、民主的で公正な社会形成が必要であると考えております。この民主的で公正な社会は、人種・民族・ジェンダー・階層・年齢・地理的居住地・個人的特性による分断と格差を多様な人々の参加を保障することにより抑制しようとする社会を意味します。
 3ページ目、そこでは形式的な平等観から公正な平等観への移行が重要になります。
 そして、続きまして4ページ目へいきます。公正な平等観は、個別のニーズに応じ、資源を分配することで人々の参加の機会を保障することを平等とみなします。これは全ての人々に同じように接することで平等とみなす形式的平等観とは異なります。例えば授業中に困っている子供がいれば、その子供の横に行って話を聞いて、より多くの時間と労力をかけてもいいという考え方になります。つまり全ての子供・人々のそれぞれの置かれている状態に応じて、それぞれに対応すればいいとみなすものです。
 次のスライドにいきます。その前提として、人間は弱い生き物で、社会はそうした人間の相互依存関係によって成立しているという考え方がございます。その上でお互いを承認し合い、自他に関心と共感を持って自他のニーズに気づき、お互いの資源を分配し合うことでニーズに応答し、社会経済的背景の多様な仲間との共生が実現するという流れになります。
 次のスライドへいきます。その際にお互いのニーズに応答する、つまり分配する資源にはお金・モノといったハードな資源があります。加えて、困り事を抱えている人に対して、自分の時間を費やし、労力をかけてサポートして、困り事を助けるようにする時間、労力といったソフトな資源があります。その際に示される共感を持っての寄り添いは、愛情という資源になります。また、分かっている事柄をほかの人に伝えることでみんなで能力を高めていけるようにするのは、能力の分配です。
 次のスライドへいきます。このような資源分配を行う公正が必要な理由として、困難を抱える人々が剥奪状態に置かれていることが挙げられます。
 まず、物質的剥奪は生活に必要なモノを揃えられないもので、文化的剥奪は生活に必要な慣習的行動や活動ができないことを指します。例えばイギリスであれば、紅茶が買えなくてティータイムに参加できない、日本であれば、お金がないのでお葬式に行けないということも含まれます。子供であれば忘れ物をしない、宿題をするという学校生活のルールが慣習的行動に相当します。それができなければ他者との活動に参加できる場面が少なくなり、困り事を抱える人々が孤立していくのが関係的剥奪です。これら3つは連動します。
 そして、その過程で起きているのが声の剥奪になります。例えば子供であれば次のような状況が生じます。ノートが授業中になくなった。次の日に新しいのを持ってくるように先生から言われた。持っていきたいけど、保護者が夜遅くに帰ってきて、新しいノートが欲しいととても言い出せない。次の日にノートを持たずに学校に行くと、忘れ物をしたとみなされる。宿題もしていかなきゃとは思うけど、家に帰ったらその環境もなく、宿題もしない常連となる。自分でも何とかしなきゃとは思うけど、どうしようもできない。でも、ほかの友達がちゃんとできているということは、多分自分が悪いんだろうなあって思う。
 そんな毎日の繰り返しの中で、自分が悪いんだから困り事を伝えられないし、どう声を出せばいいのか分からない。自分の願いがかなわない中で、どうせ何を言っても無駄なんだろうなと思うし、結局何に困っているのかすら分からなくなってくるという状態が生まれます。これが声の剥奪になります。
 そして、SOSを出せずに、自分だけみんなと同じようにできない中で恥辱や屈辱を感じ、無力化していきます。その結果、子供であれば何で生まれてきたんだろうとか、消えたいと言い始めます。これは人権や尊厳の毀損と言えます。
 次のスライドにいきます。公正とは、こうした困難を抱える人々を念頭に置いて、公的な制度による普遍的保障と資源の分配を行い、そこに個々人による資源の分配を加えて、全ての人々の生の底上げと資源の累積による分断と格差を抑制する概念となります。
 次のスライドへいきます。では、どうすればいいのかを少し掘り下げます。配付資料のスライドタイトルに変更がございますが、公的な制度による普遍的保障と資源の分配の充実に向けた土壌づくりについて説明をいたします。
 これを行うのが、社会教育行政や人材であると思っております。まず、4つの剥奪を改善するための普遍的保障の法制度の整備に寄与することができます。具体的には、お金・モノ・場・人材を整備、配置することで、人々の困難の軽減やニーズへの応答の底上げをすることができます。また、特に不利を抱えている地域や困難な人々へのサポートを行っている諸団体にそうした資源を多く分配することもできます。これは社会教育行政や人材の福祉的役割というよりも、民主的社会を成立させるための役割と言い換えてもいいかもしれません。さらに、普遍的保障と分配の土壌づくりとして、住民がそうした保障や分配を納得するための価値の共有が必要になります。
 それらは民主的な社会、公正な社会、正義に関する価値の普及とアップデートにつながります。具体的には、性別役割分業や家父長制を見直したり、外国ルーツの方々、性的マイノリティーの方々や障害のある方への理解を深めることを意味します。端的に述べますと、家で家事をするのは女性だという考え方では、そこで苦しんでいる女性のニーズを酌み取れませんし、そうした女性の苦しみを取り除くという応答行為、分配行為は生じません。また、代々の地主が偉くて、町内会のトップに立つべきだという考え方のみでは民主的な状況から離れていきます。民主的で公正な社会が形成されるためには、これまで当たり前とされてきた固定観念や差別や偏見をアンラーニングすることが必要になります。これはみんなの人権意識を高めることでもあり、民主的で公正な社会の底上げにつながります。その過程では誰が困っているのか、誰の意見が排除されているのかを問い直す分断や格差の実態に関するアップデートも含まれます。
 次にいきます。ただし、法制度による整備の推進だけでは目の前の整備に柔軟に対応できないとするのが、経済学、哲学者のアマルティア・センの考え方です。それは社会教育行政による普遍的保障と分配だけでは公正の推進は不十分であり、個々人による資源分配が必要だということを意味します。
 これを4つの剥奪の中で声の剥奪に焦点を当てて考えます。まず他者に時間と労力をかけ、愛情を持って接する。つまり、それら資源を渡すことで、その他者が声を出してもいいかもしれない、自分の思いを聞いてくれるのかもしれないと思える空間の形成が必要になります。社会教育人材はその空間を形成する手助けをすることはできますが、空間の形成自体は人々が行うものになります。
 次に、その声が法的に流通する声になるためには、「言説の資源」の克服が必要になります。言説の資源とは、自分の意思や意見、声を社会に伝えて、社会参加するための資源です。それは言語、語彙、理解可能なまとめ方、ふさわしいテーマ、声のトーン、振る舞いを指します。簡単に言えば、社会で発言しようと思えば他者が理解できる言語修得が必要であり、しかもみんなが理解して納得できる語彙と話の内容のまとめ方が要請され、そこには声のトーンや振る舞い方も重要になるといったものです。そのため、困難を抱える人々が社会参加をしにくい要因として、言説の資源の問題があると指摘されてきました。これを乗り越えなければ弱者の社会参加は低減されます。
 そのための方法として、1つ目は、困難を抱える人々の声を酌み取って、誰かが代わりに流通させる。アドボケートをする。2つ目は、当人が言説の資源を身につけて言説を構築することができるようにするために、言語の力量形成を促進する役割を果たすことが重要になります。これら双方に社会教育が関わるべきだと思っており、そのための下支えと仕組みづくりを行政と人材が担うべきではないかと思っています。
 次のスライドです。そのことを当報告ではメタガバナンスと位置づけたいと思います。ガバナンスは、多様なアクターによって民主的に共同統治をすることを指す概念になります。社会教育とガバナンスは親しい関係にあります。これまでのガバナンスの研究からは、次の3つの問題が指摘されています。
 第1に、アクター選出の正当性に関する問題です。というのも、多様なアクターによる共同統治とはいえ、協議する際の人数は限られます。そのため、誰がどういった基準で、どのようなプロセスを経て、多様性を代表するアクターとして選出されるのか。アクター選出の問題が発生します。
 第2に、アクターの提示する議題に偏りはないのか。アクターのどのような発言や意見をどういった基準で採用するのかという公的意思の妥当性の問題があります。
 第3に、限られた資源を分配すべき公的意思をどのように法規・政策・制度に反映するのかという実効性の問題があります。そして、これらが一連の決定に、誰がどう責任を持つのかという責任の所在が大きく今問われています。そのため、ガバナンスの時代にあっても、行政機関はメタガバナンスとしてガバナンスの責任を負うことが求められています。
 その際に、さきの3つの問題に対して、社会教育行政と人材には3つの役割が求められるのではないかと思われます。第1に、広い代表制と声を担保して正当性を確保すること。第2に、それを踏まえて、さきに述べた価値と人権に照らし合わせながら声を整理し、公的意思を合意形成することで妥当性を確保すること。第3に、公的意思を法規・政策・制度として反映する実効性を確保することです。
 次のスライドへいきます。こうした社会教育行政と人材の役割をもって、こちらの図にある民主的で公正な社会、つまり共生社会が形成されると考えられます。これまで述べてきたことを整理します。社会教育行政が普遍的保障を行い、参加の最低限の機会保障をします。ただし、それだけでは無力化された人々が簡単に声を出すことができません。そのため、人々の相互作用を促し、その中で時間・労力・愛情・能力のソフトな資源を分配することで弱者の体と気持ちの安心安全が保障され、声を出してもいいかなと思える空間が形成されることが重要となります。これを親密圏と書いております。
 親密圏は、どんな思いでも笑われることなく、怒られることなく真摯に受け止めてもらえる人々の温かな関係を意味します。そうした空間自体は人々がつくり上げるものですが、ほうっておいてできるものではありませんので、そうした空間をどこにどうつくっていくのか、その仕掛けを社会教育人材が行うことが大切になります。
 そして、親密圏の中からできてきた声の中で言説の資源を有していない場合、社会教育人材や人々がそれを酌み取ってアドボケートすることで、流通させることができます。一方で、言説の資源を有している場合には、意見を組み合わせ、対話を通じて合意形成を促進して、公共圏における公的意思として成立させることができます。これは困難を抱える人々の社会参画を意味するものになります。そして、そうした人々の声を含む公的意思は、法規・政策・制度に追加的な普遍的保障として反映されることになります。社会教育人材は、その中で普遍的保障の底上げの循環を促す役となります。図における親密圏と公共圏以外の黒字は、社会教育行政や人材の役割を示しています。
 次のスライドへまいります。共生社会の実現と社会の活性化の方略について御説明を差し上げます。
 まず、「地域肯定感」の向上を図ることです。というのも、アメリカの研究では、弱者の社会参加を促すような変革的地域では地域の肯定感が高まり、地域への人々の参加意欲が高まることが示されているからです。地域肯定感は、この地域はいい地域だ、価値があるとされるものです。地域肯定感が高まると、自分もよりよい地域づくりに向けて参加したいと思うようになるようです。
 それだけではなく、地域肯定感が高まると、自己肯定感が高まることが示されています。例えば子供の場合、こんなすてきな地域に住んでいて、こんなに温かい人々に包まれていて、この地域好きだなと思えることから、こんな地域に住んでいる自分のことも好きになるという流れが調査から示唆されています。これは自己肯定感の一つの側面として、包み込まれ感覚があるためです。ただし、だからといって、地域を好きになるように愛着心を育てるところにこの研究成果を直結させるのでは意味がありません。地域肯定感にとって大事なのは、弱者の生きづらさを捉え、社会にある差別や偏見に立ち向かうことで地域を改善する批判的視点になります。それによって子供や人々がすてきな地域だな、みんなと活動してみたいなと思うことが重要になり、スライドの12の図の促進により地域肯定感の向上は可能になると思います。
 次のスライドへいきます。そして、地域肯定感の向上と温かな地域づくり、親密圏の形成と関連するのがソーシャル・キャピタルの醸成です。ソーシャル・キャピタルはつながりと訳されるもので、3つの質があるとされます。1つ目は結束型のbonding、2つ目は橋渡し型のbridging、3つ目は連結型のlinkingです。公正な社会形成にとって重要なのは、2つ目、3つ目です。緩やかだけれども、水平的・開放的なつながりの中で多様な価値・存在を承認し、それによって温かで寛容な関係の多くある2つ目の地域のほうが、1つ目のbondingなつながりの強い地域よりも健康や幸福にプラスの影響を与えることが明らかになっています。
 このbridgingなつながりは、異なる階層の人々を公的・民間機関等を含めてつなぐ3つ目のlinkingと重なるところが多くあります。linkingのソーシャル・キャピタルに行政が関わると、個人間の格差が縮小するという結果もありまして、分断を防ぐ機能を持ちます。そのため、社会教育行政と人材は単につながりをつくればいいというものではなく、つながりの質に着目して、その上で2つ目、3つ目のつながりの量を担保することが必要になると思われます。
 他方で、グローバルな課題として、ソーシャル・キャピタルの衰退が指摘され続けています。確かに政治参加、町内会等への参加のようなものが減ってきていますけれども、グローバルな調査によると、イシューに対して緩やかに、かつ小集団で広域につながる組織体への参加者は増えているそうです。例えば外国人居住者の抱えるイシューに対する支援組織体のようなものです。そのため、社会教育ではイシュー対応型つながりも視野に入れるとよいのではないかと思われます。
 次のスライドへいきます。このようにソーシャル・キャピタルの質が担保され、多様性が尊重される自己肯定感の向上する地域は選ばれる地域になります。ただし、多様な価値や存在の承認は、旧守的な価値をも多様性として認め得るような何でもありを意味するわけではありません。例えば性的マイノリティーの方の承認をどう進めるのかといった人権の水準の向上と絡めることが必要になります。さらに選ばれる地域になるためには、経済や新しい産業と関係づけることも重要になると考えています。
 次のスライドへいきます。一方で、少子化時代の地域の活性化では、選ばれる地域として自分の地域の範囲内で自分の地域のことを考えるというのではなくて、地域の活性化を広域地域の発展と協働により促す視点が重要だと考えております。それは、この地域で大事に育てられた子供がほかの地域でその経験を生かして温かな地域づくりの主体になったり、自他の地域の発展を願って何ができるのかを考えたりする思考になります。そのため、温かな地域で育った人々がいろんな地域に移り住んで、その経験を生かすことで日本中の至るところに温かな地域が増えるようなジグザグターンによって、これは私が勝手につくった言葉ですけれども、広域で地域の活性化を促すことも大事なのではないかと思っています。
 その場合の地域の考え方は、自分の地域を拠点に同心円状のつながりを考えてもいいですし、拠点同士を結びつけてもいいと思います。また、その際に、経済や産業面では社会教育としてお互いの地域の実践を模倣することに加えて、共同開発したり、相互誘致する関係もあればよいのではないかと思います。そして、人々の住みたい・行きたい・かかわりたい地域の選択肢を拡大して、お互いの経済や産業の欠如を補い合って、相互に発展するようなものを最新技術を用いて考えていくことも必要になります。
 社会教育人材は、こうした多様な地域をつなぐことで、イノベーションが起きるような広域での発展を促す役割を負うと思われます。これは一例ですが、例えば高齢者にはICT活用は難しいという個定概念を捨てて、高齢者がICTを用いて個人売買するサイトを活用できるように教えたところ、これまで育てても捨てていた野菜などを高齢者がそのサイトで売るようになりました。そうしたら買い手がついて、当人も生きがいができたということもありました。
 次のスライドへいきます。最後に、共生社会の実現と地域活性化に向けて、学校と地域との連携・協働活動について説明させていただきます。具体的には、多職種・多機関・地域連携により多様な子供へのサポートを行ったところ、手厚いサポートを求めて子育て家庭が流入した地域もあります。探究学習等のカリキュラムを共同開発することにより、そのカリキュラムを求めて教育移住が促されている地域があります。また、探究学習において生徒と地域住民で新たな産業を掘り起こす契機を見つけたり、科学的発見をしたりしている地域も見られます。そのためには、社会教育人材が地域コーディネーターとして地域資源を掘り起こして学校とつなぎ、多様な人々、団体もつなぐことが、子供たちの学びの充実のためにも求められていると思われます。
 以上となります。

【清原部会長】  柏木委員、御発表どうもありがとうございます。形式的平等感から公正な平等感へということで、特に地域肯定感と自己肯定感が極めて密接な関係にあるということを含め、12ページに民主的で公正な社会形成の構図を御提案いただき、そこに社会教育人材や社会教育行政を位置づけていただきました。どうもありがとうございます。
 さて、これから小田切委員、柏木委員の御意見を踏まえながら皆様と意見交換をさせていただこうと思っているんですけれども、その前に、小田切委員、柏木委員の御発表について、ここで御質問のある方がいらっしゃいましたら、お手を挙げていただければと思います。オンラインの方は挙手ボタンを押してください。そして、会場の方は名札を立ててください。御質問に限り、まずはお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見については、後ほど皆様の御意見の中にお二人の御報告を踏まえながら発表していただければと思います。いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。大丈夫のようですかね。
 それでは、これから意見交換に入りたいと思うんですが、その前にきっかけづくりとして、本日の審議事項について、事務局の高木課長からまず御説明をお願いします。よろしくお願いします。

【高木地域学習推進課長】  資料3でございます。資料3の2ページ、3ページは前回と同じものでございますけれども、今回も社会教育人材を中核とした目指すべき社会教育の在り方について御議論いただきたいと思っているところでございます。
 4ページでございます。項目ごとに、前回、前々回での御審議の中で出てきましたキーワードを記載しているところでございます。例えば4ページでございますけれども、現代社会において、「社会教育に求められる役割やニーズは何か。社会教育人材の中核として、どのような社会教育の在り方を目指すか。」といったことに対しまして、地域自治の基盤を耕し形成する営みといったキーワードでありましたりとか、特に社会教育人材につきましては、人々の活動への参加を促し、活動を活性化させる触媒といったキーワードが出てきているところでございます。
 5ページでございます。その上で、幾つか項目の中で、さらに今回御審議いただきたいなと思っているところにつきましては、青印で書かせていただいているところでございます。行政の役割も含めて、御議論をお願いできればなと思っているところでございます。「社会教育を通じた地域コミュニティの維持・活性化を推進するうえで、どのような仕掛けづくりが必要か。」といったことでございましたりとか、「社会教育行政と関係機関との連携は、どのように促進すると良いか。特に、社会教育人材ネットワークを構築・活性化するためには、どのような仕掛けづくりが必要か。」、「共生社会の実現に向けた障害者・外国人等を含めた社会教育の推進について、どのように考えるか。また、どのような仕掛けづくりが必要か。」といったことで、方向性はいろんなキーワードを出していただいたんですけども、そのための仕掛けづくりといった観点も、行政の役割を含めて御議論いただければと思っているところでございます。
 参考でございますけども、資料4のほうは前回、前々回も含めた皆さんの御意見を事務局で整理したものでございます。また、適宜御参照いただければと思います。
 以上でございます。

【清原部会長】  高木課長、ありがとうございます。4ページに示されておりますように、今まで皆様からいただきました意見交換の中で、重視すべきポイント、展望をしていくべき方向性について多くのキーワードをいただきました。本日は、事務局としては、特に5ページの青字で書いたところを意識して意見交換をしていただくとありがたいということでございますが、皆様よろしくお願いいたします。
 それでは、これから意見交換に入りますが、まず小田切委員、柏木委員の御発表を踏まえて、牧野副部会長はたくさん実践を御存じなので、牧野部会長より実践に引きつけながら御意見をいただいて、続けてほかの皆様から御意見をいただきます。本日の意見交換も前回に引き続きまして、皆様の御発言の中のキーワードをつないでいくように進めていきたいと思います。御遠慮なく挙手をしていただきたいと思いますし、またもし御発言のタイミングによっては、私からこの方の御意見をここで聞いたほうがいいなと思いましたら、御指名をさせていただくこともあると思いますが、どうぞよろしく受け止めていただければと思います。
 それでは、牧野副部会長、よろしくお願いします。

【牧野副部会長】  牧野です。よろしくお願いいたします。実践に引きつけてということなんですけれども、しゃべり始めると時間がかかりますので、途中で切り上げたいと思います。
 ありがとうございました。小田切委員、それから柏木委員の御発表ですけれども、深くうなずきながら、納得をしながら、ある意味では全く違和感ない形で受け止めておりまして、特に今日のどのような仕掛けづくりが必要かという、先ほど高木課長から御説明がありましたけれども、それに引きつけていきますと、これまで、例えば社会教育人材部会で議論をしてきましたように、例えば社会教育主事と社会教育士という、いわゆる社会教育人材という方々の担い手論をやってきたわけですけれども、その中で社会教育といったものが従来の教育行政の範疇をある意味で超えてしまっているといいますか、ただやっぱり教育であるべきだというか、または学びであるべきだというか、そういうことになってきているのではないかというふうにも思います。
 その意味では、例えば社会教育主事という方々の役割を、今は教育委員会の中にあって、主に社会教育実践の指導・助言を行うということになっているわけですが、人材部会等では社会教育行政の中にいながら、むしろ一般行政と幅広く連携を取りながら、そして地域全体の学びのコーディネートをしていくというか、オーガナイズをしていく。社会教育士という方々は、むしろ実践現場においてそれぞれの専門性を生かしながら、社会教育的な手法を使って人々の学びを組織し、人々の関わりやつながりをつくっていく役割を担う。そして、同じような要請を受けることによって社会教育主事と社会教育士が連携を取りながら、もっと言えば行政と現場がうまく連携を取りながら、新しい社会をつくっていくという議論になってきたわけですけれども、今日のお二人の御発表は、そうしたものをそれぞれのお立場からお話になったのではないかと受け止めております。
 さらにその上で、小田切委員、それから柏木委員の御発表を簡単にまとめてしまいますと、申し訳ないんですが、ある意味ではお二人とも同じことをおっしゃっていたのではないか。簡単に言えば、人がこの社会で生きていくということにおいて、例えば自尊心であったりプライドといったことがとても大事になる。そして、そうしたものがこの社会の人々が生きていこうとする意欲をつくり、生み出していくということにつながるのではないかという、そういうお話をされたのではないかというふうにも受け止めております。
 それは、例えば私たちが関わっております様々な自治体で今起こっていることなんですが、例えば公民館活動が活発であるという地域で、首長さんが替わられて、そしてさらに住民自治を活性化しようということで、公民館を地域センターですとか、一般行政に移管する例が多いわけですけれども、一般的に何が起こっているかといいますと、移管された途端に、実は住民の方々が、公民館ではないのでやってくださいというような態度を取られるようになる。そして、ある意味で行政依存ということが起こり始めると、結果的には地域社会が壊れていくといったことが多く起こっています。
 特にこのコロナ禍を経て、人々がつながれなくなるといったことにおいて、公民館が解体をしていく、そしてその中で地域社会が壊れているといった事例をたくさん私は知っておりますけれども、その中で何が起こっているかといいますと、依存をする。そうすると行政のほうからは、今日の仕掛けづくりとも関わりますけれども、ある意味で行政サービスを提供するという形になっていきますので、そういう意味で住民は受け手になっていく。もうちょっと言えば、お客様化していくということが起こる。
 そうすると住民のほうから何ができるかというと、要求することしかできなくなっていってしまう。その過程で実はプライドが下がっていくというか、自分たちでこの地域や自分の生活を立てている、または経営しているという感覚が失われていく中で、自分にできることは依存するだけになっていってしまって、ある意味ではプライドが低下していく。それを埋めていくために、さらに要求が強くなってくるといったことが起こり、結果的にはクレーマー化していくという形で、地域社会が壊れていくといったことがあちこちで起こっています。それは言い方を変えれば、生きる意欲を失っていってしまうということにつながるのではないか。その結果、例えばある地域では引き籠もってしまったりですとか、また高齢の方々の寝たきりが増えたりですとか、そんなことが起こってしまっているということになっているかと思います。
 その意味では、先ほど柏木委員がおっしゃったこととも関わりますが、人々が相互の承認関係を失っていってしまうのではないか。お互いにこのまちをつくって、一緒に生活をしているという受け止め合う関係を失っていってしまうことにおいて、生きる意欲が奪われていってしまうのではないか。それはもうちょっと言えば、コンパッションといいますか、お互いのことをおもんばかりながら、そしてお互いに相手の痛みを自分のものにする力がある。それを発言していく中で、私たちはこのコミュニティをつくっている。そして一緒に経営をし、一緒に生きていこうとするのだという感覚を失ってしまうことによって、社会そのものが底抜けしていってしまうといいますか、そんなことになっているのではないか。
 その意味では今日のお話は、第4期の教育振興基本計画に書かれてあるように、社会教育というのは人々の関わりやつながりの基盤としての土壌を耕すという言い方は、関わりやつながりをつくるのではなくて、つくるのは人々がつくっていく。ただ、そのための基盤である土壌をちゃんと耕しておくのが社会教育なのだということ。それが先ほど小田切委員がおっしゃったように、例えば各地の農山村を歩いていらっしゃると、うまくいっているところといいますか、人々がある意味では頑張ろうとしている、3つの空洞化が起こりながらも諦めにいかなくて、何とか持ちこたえようとしているといったところで、実は社会教育活動や公民館活動が活発であるという直観があるのだとおっしゃいましたけれども、そんなことともつながっているのではないか。
 その意味で人々が一緒になって、そこで頑張ろうとされるような力を持つようになってくる。そこに例えば行政が寄り添い型の支援といいますか、代わりに何かやるとか、補助金を出してサービスを提供するということではなくて、むしろ見捨てていないという関係の中で、住民の方々が誇りを失わないように寄り添っていく、支えていく、そういう取組をしていくことによって、逆臨界点と呼ばれている、頑張っていこうという、持ち直していこうとするような、そんなことの中で地域の人材が育っていく。
 その人材は、先ほど小田切委員がおっしゃったように、人口ではないということなんです。ある意味では担い手として多様な力を持ちながら、にぎやかな過疎をつくっていく。それは柏木委員が最後のほうでおっしゃったような交流人口または関係人口といったものも、単に関係し交流するということだけではなくて、例えば地域でいい関係の中で、人と人との関係の中で育てられた人々が地域のよさを体感しながら、いわゆる地域肯定感というふうにおっしゃっていましたけれども、そんなことを身につけていきながら、ジグザグに相互に関わり合いながら、それぞれの小さい社会をお互いに紡ぎ合っていくような関係になっていく。そういう形で地域社会といいますか、私たちの生活の基盤を豊かにしていくということにつながるのだ。そのことをおっしゃったんじゃないかなと思います。
 具体的な事例は幾つか持っているんですけども、時間がかかりますので、この辺りにさせていただいて、また途中でもし必要であればお話しできればと思います。どうもありがとうございます。

【清原部会長】  牧野副部会長、ありがとうございます。
 それでは、小田切委員、柏木委員、そしてきっかけとしての牧野副部会長の御発言をもとに皆様と意見交換を深めていきたいと思います。どうぞ、どなたからでも。今、教育行政と首長部局の行政の連携、さらには小田切委員が提案された寄り添い型支援、専門家型支援、プロセス・マネジャー型支援、何よりも地域づくりというのは住民の主体性を醸し出していくような、まちづくり、地域づくりの主体は住民であるということを醸し出していくような、そんな条件整備をきっかけとして、多様につくっていくことの重要性が問題提起されたと思います。どうぞ皆様御遠慮なく、触発されて御発言をいただければと思います。
 それでは野津委員、お願いします。

【野津委員】  島根県の野津です。小田切委員の御説明すごく納得して、こっちからすりすりと寄り添いたいなというふうに思います。
 私が第1回目に御説明しました島根県の状況、まさに小田切委員が取り上げられた過疎という言葉は島根県から生まれた。そして、最近の最も新しい農村における人材育成の具体的な対応、高校魅力化、これも島根県が十五、六年前、始めたところであります。最初から現時点まで、全国を20年ぐらいリードする島根県の状況にまさに当てはまった内容であって、私は最近、現実の社会に、人の動き、行政の動きに沿って発表させていただきましたけども、それを理論的に言うとこうなるのかということで一つ一つ納得をして、今度使わせていただこうかなと思うぐらい非常に納得しました。人材の当事者意識を持つ人々というのは、私が申し上げた参加者から参画者になるということ、まさにこのことであろうと思いますし、最後、持っていくところが持続的低密度居住地域、にぎやかな過疎と。これは、要は経済には豊かではないけれども、住民の方が何となく明るく楽しく元気よく過ごせているということ、これにつながるんだろうなと。
 その中で部会のテーマであるところに沿ってお話しすると、うちは社会的人材がそういったところを、具体的に多くの人間が支えているわけですけども、ともするとこの人たちはテクニカルな部分に走ろうというところが間々あります。活躍の場がたくさんあるのでやっていくと、そういった自分の技量の高度化に非常に走って、まあいいんですけど、その中で行政としてどう取り組んでいくかというところの大本の指示って、やっぱり首長なんですよね。市町村長、知事であったり、そこの意図がダイレクトに伝わる仕組みにはなかなかなってないなということを思います。
 県から社会教育主事を市町村に出しておりますけど、市町村教育委員会に出しているわけでありまして、市町村の教育長さんというのは、うちの県でいうと3分の2ぐらいは教員経験者で、3分の1が行政から来ている状況ですけども、そういった中でより小さいほうが教員から来ていますけども、いろいろな首長さんのやろうとする地域づくりがダイレクトに伝わっているのかというところはどうなのかなという、首をかしげるようなところも、現実には難しいんだろうけど、なかなか伝わってないのではないかと思います。それをうまく教育委員会の幹部から返して伝えているかというと、それもまた難しいんだろうと思っていまして、首長さん方の意識のほうに社会教育人材を使って、理論的に言うと、小田切委員の言われたような理論を首長さんのほうへしっかり入れて、社会教育人材を使って地域づくりをしようと思ってもらうという仕掛けづくりが大切なんだろうと思います。
 その上で、ダイレクトにいろいろなオーダー、検討を出して、ちゃんと首長部局の担当部局がついて、一緒になって地域づくりに向かっていく。こういう仕組みをつくっていかないと、現場がさらなる過疎化に向かって、少子化・高齢化に向かっていくところの維持ができるかなと思いますので、ぜひ小田切委員のこういった理屈というものを行政トップが整理して、市町村、もちろん県なんですけども、のほうへ分かるように加工して伝えることが必要だなと強く思いました。

【清原部会長】  野津委員、ありがとうございます。県の教育長というお立場から、首長部局と社会教育における取組の意思疎通ということが、まさに主体づくりである人材づくりと密接に関係しているという御意見でした。
 早速、山本委員、手が挙がりましたので、町長として御意見いただければと思います。よろしくお願いします。

【山本委員】  東神楽町長の山本でございます。
 まず、小田切先生の話し、大変共感を持って聞かせていただきました。特に私どもの町においてもいろんなものに取り組んでいくとき、地域コミュニティにおいて対話とプロセスって本当に大事だなと思ってて、私ども地区別計画なんかやっているときも、まさにそのことによって地域の人たちがプライドを持つということが出てきたと思っているところでございましたので、僕らが何となく経験的にやっていることを小田切先生が理論として示してくれたような感じだなと思っておりました。
 首長としては、どうしても自分のまちに対して自分で決定をしたがるという要素ってあるし、もしくは逆に、住民側からも首長が決定してよねっていうような要素って結構あるんです。そうしたときに、いわゆる民主的な対話を時間をかけてやるというプロセスは実は難しい部分があって、なかなかそこを志向しないという首長が多いような気がします。ただ、地域のコミュニティにおいて納得感があって、ここに住み続けたいというまちをつくるためには、時間をかけたり対話するということが大事なので、そこら辺の首長の思考というのをもっと変えていかないと、多分コミュニティというのはうまくいかないんじゃないかと改めて思わせていただいたところでございます。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。首長の責任というのは行政においては大きいわけで、しかも時間軸を持って意思決定を着実に議会とともにしていくというのが役割であるということを、前市長としては共感するわけですが、可能な限り、そうは言っても住民の意思を尊重して、対話のプロセスというのも確保していかなければいけない。難しいといっても、それをしていくことが住民の納得を得て地域づくりを進めていく上で重要であるということです。
 都竹市長さん、どうでしょう。この辺りで、御経験も踏まえて御発言いただければありがたいです。ありがとうございます。感謝します。

【都竹委員】  ありがとうございます。飛騨市長の都竹です。
 私も先ほど先生方のお話を伺って、小田切先生の話は本当にふだん考えていることが理論化されるとこうなるということでありまして、しかも過疎地にある我々としては本当に共感を持って聞かせていただいたんですが、特にその中で、私、自分がいつも使っている言葉が少しあって、地域の空気感という言葉を取り上げていただいていた。引用資料の中という形でしたけれども、実はこれがとっても大事だと思っているんです。
 地域の空気感って何だっていうと、私は、「うれしい、楽しい、面白い」というのが地域づくりのキーワードだと言っているんですけど、それを実感したときに空気というのは変わっていくと感じております。これはなかなか言葉で説明がしにくいんですけど、多分首長であれば、そういう空気が満ちたときに地域が変わっていく実感というのはみんな持っていると思うんです。私自身のやってきたことは、その仕掛けづくりだと言ってもいいと思うんです。
 社会教育という点で申し上げますと、私自身は実は社会教育とは何ぞやと考えたことは一度もないんです。要するに人生100年時代で生涯学び続けていくということが、今風の言葉で言えばウェルビーイングなんでしょうし、それは人生、あるいは地域をうれしい、楽しい、面白いと思うきっかけだというところから社会教育に入っていっているんです。
 そのときに大事なことは、多様性をどうやって確保するかです。人の関心というのは全て千差万別ですから、提供する側がこうであるんだということを言うのではなくて、とにかくあらゆる興味に応えられる場をつくれるかどうかということが一番大事だろうなって思っております。それで前回も少しお話ししたんですけど、飛騨市民カレッジという仕掛けをつくって、従来、ばらばらに行われていたいろんな公民館講座であったり、市民が持ち込む自主講座であったり、市が提供する様々な講演・講義の機会を一元化して、これを大学仕立てにして、私、学長なんですけど、単位が取得できたり、ジュニア学部、シニア学部みたいな仕掛けをしたり、まちの飲食店を学食にして、単位を取ると割引がもらえるとか、今そんな仕組みにしながらやっているわけです。
 この中では、社会教育は何ぞやと考えたことは一度もないんです。繰り返して申し上げますけど。要するにそういう多様な学び、ウェルビーイングを追求するときに必要なことをいかにみんなでつくれるかということが大事ではないかなと思っております。先ほど高木課長さんからお話があって、幾つか仕掛けづくりというところを今回テーマにされたとありますけど、テクニカルに考えちゃ駄目だと思っているんです。目指すところは何かということを明確にしたところで、あと各地域が仕掛けをつくっていけばいい。ですから、うち自身は社会教育士、社会教育主事というのはほとんど関わっていなくて、民間の若者のベンチャーの会社、教育支援の会社がそれを担ってくれていて、生き生きとやってくれているのですが、それでいいというふうに思っております。
 振っていただいたように、首長の役割は、そうした地域の雰囲気を変えることだと思っておりまして、何が必要なのかということについて、いろんな人の話を聞いてやっていくということ中で、今申し上げたようなことが大事なのかなというふうに私自身は感じております。
 すみません、ちょっと雑駁になりまして、長くなりました。

【清原部会長】  とんでもない。都竹市長、ありがとうございます。キーワードとして地域の空気感というのをいただきました。小田切委員の御発表を受けて、改めて首長としてもうれしい、楽しい、面白いということを追求していく。それが住民にとって実感してもらえるようにという、そのためにも仕掛けづくりというのは、目標を共有しながらも地域ごとの創意工夫、多様性を尊重していくということだし、公務員だけではなくて民間の力も借りながらつくっていくということですし、私がすごく胸に刺さったのはテクニカルは駄目ということで、本当に一生懸命やり過ぎたりつくり過ぎたりするよりも、主体である学習者、住民の皆さんのありようを尊重していくということで、それを首長さんが言われていくことが大事なのかなというふうに受け止めましたよ。皆様、どうでしょう。引き継いでいかなければと思います。
 関委員、そして青山委員とつながってください。よろしくお願いします。

【関委員】  関でございます。小田切先生の話にちょっと乗せてもらえたらと思います。15枚目のプロセス重視から、農村支援人材と書いておられますけど、これは農村だけではなくて、私はこの言葉を読ませていただいて、勝手に社会教育主事、行政職員そのもの、その人材のステップかなというイメージを持ちました。社会教育主事に私が一番初めになったのは20代だったのですけど、その頃の自分を振り返ると、まさに住民の中に入って一緒にいろんな活動をしていく中で、小さなところから信頼関係を積み重ねていく、そんな時代だったような気がします。
 その後、管理職になって、再度社会教育主事を拝命したのですが、その時にはある程度様々な行政経験を経て、人とのつながりも学び、一定の専門的な知識も持った上で関わることができた時代がありました。
 その後、教育長になったときに自ら、これは発令というふうにはならないのかもしれないのですが、自分自身が社会教育主事であるという位置づけをしたいがために、自らを社会教育主事と名乗った時代がありました。そのときはまさにここでのプロセス、市民と一緒に何かを共に考えていく、そういうふうな関わり方をしたような気がします。社会教育主事という仕事の中で学べたことが本当に多かったなということを今改めて振り返ります。
 そういう人が増えていってくれることを願っています。今、悲しいことに、市町村の社会教育主事の発令率は4割強ですよね。都道府県はもっと多いですが。その中で、社会教育主事がプライドを持って活動ができるような状況をつくっていくことが大事だと思います。また、当然それ以外の社会教育人材、社会教育士、あるいは民間、NPOの方、そういう人ともつながりながら一緒にやっていけるような仕組みづくりがこの部会の中で煮詰めていけたらいいのかなと感じました。

【清原部会長】  ありがとうございます。小田切委員が提起されたプロセス重視視点から考える農村支援人材、寄り添い型支援人材から専門家型支援人材、そしてプロセス・マネジャー型支援人材ということを紹介されて、御自身の実践と符合するというふうに力強く言っていただきました。一般にコーディネーターという言葉がよく言われますが、プロセス・マネジャーというキーワードを今日いただいたのは極めて重要だと思います。
 それでは、続いて青山委員、そして金澤委員、お願いします。
 では、青山委員、お願いします。

【青山委員】  青山です。よろしくお願いいたします。
 柏木委員、また小田切委員からのお話し、私もそうだそうだと思いながらお聞きしていたところなんですけど、その中で一つ思っていることは、例えば多くの自治体の社会教育課の担当業務、あるいは担当職員の意識を考えたときに、この会議で話しているような社会教育像と同じようなイメージで多くの社会教育課は仕事をしていないだろうし、担当事業の多くはこの文脈での事業になっていないことのほうが、むしろ一般的なのではないかということに問題意識を持っております。もちろん何でやっているのかという話を掘っていけば、熱心な職員さんや、あるいは先駆的な自治体であれば、社会教育と言われてきた営みが、今お二人のお話にあったようなことや、あるいはウェルビーイングということに密接に関わってきたということは実感や理論として理解されていることも多いと思うんです。
 もう一方で、多くの自治体が現実の具体的な事業や趣旨として、社会教育像をかなり違うところで捉えていたり、縦割り行政の中で、狭い社会教育観の中にいる状況に対してのどうアクションしていくかということが、国レベルの仕掛けづくりにとって、すごく重要なのではないかということを思っています。
 そうしますと、一方で地域づくりであるとか、共生であるとか、ウェルビーイングといった大きな理念の話でもなく、それからさっき野津委員もおっしゃったような、もう一方ですごくテクニカルなほうに走ってしまうのでもなく、何をすればいいのかとか、何をしている我々なのかというところの名刺やアイデンティティーになるような内容を、もう少し中間の言葉として紡いでいく必要があるんじゃないか。具体的な事業でというか、もう少し具体的にどういう役割が社会教育にあるのかというのを、中範囲の、という言い方が合っているんですかね、言葉として語っていくようなことができるといいなと思っています。
 もう一つは、地域づくりや共生やウェルビーイングといったときに、社会教育以外の行政領域も当然それらを目指している中で、社会教育がそれを担うべき理由であるとか、社会教育にこそできることはどういうことなのかということを強く意識しながら、仕掛けづくりを考えていく必要があるなということを思いました。
 その意味ではさっき牧野委員もおっしゃったように、学びということにもう1回返っていくことをどこまで意識するのか、あるいは学びだからできることをどうやって考えていくのかということを考える必要があるんだろうと思います。
 また、そういうことを考えたときに、具体的な仕掛けづくりの中では、楽しい、面白いが大事だということもありましたけれども、目的的過ぎない場づくりというものが重要になってくるんだろうと思いました。地域づくりのために学ぶわけではないし、地域のために何かしようとしてするのでもなく、結果としてうっかり地域づくりに関わってしまうというような、そういううっかりという要素をどうつくっていくかというところに、プロセスに関わる専門性があると思うんです。
 その意味で、例えば居場所という議論であったりとか、遊びであったりとか、あるいは余暇、そういったものとのつながりというのは、学びというものが余暇とか暮らしに密着したものでありながら、結果としてうっかり公共性を持ってしまうものであるというような、もちろん最初から高い志を持っておられる方も多いんですけど、余暇の部分と公の部分をつなぐ要素として、これはいわゆるお勉強という意味の狭い学習ではなく、学びというものが広がっていったり、そこに関わっていく専門性があるんだって言われてきたことがとても重要になると思います。
 以上、まず現実に社会教育を担っている人たちに刺さるような具体的な役割の言葉をどう紡いでいくか。そのための仕掛けとして、遊びとか、居場所とか、余暇から始めて、それをどう公につなぐかという仕掛けを考えていくことがすごく重要になるのではないか。そういったことを思いました。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。現場の社会教育を実際、現実に担っている方たちと私たちの議論に乖離があってはいけませんし、特にこの部会にはこども家庭庁の成育環境課長さんと居場所づくり推進委員会にも事務局にいていただいているように、まさに居場所というキーワードも今いただきましたので、ぜひ今後も深めていきたいと思います。
 それでは金澤委員、そして続いて八木委員、安齋委員お願いします。

【金澤委員】  明治安田、金澤でございます。まずは小田切先生、柏木先生のすばらしい発表、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
 発表を聞いておりまして、当社、企業としてもKPIドリブンからパーパスドリブン、うちの企業もそういうことを経営として従業員に伝えています。短期間の利益とかそういうものではなくて、だべったり、わいわいがやがややってみたり、そういうところから絆ができたり、それは働く仲間の絆であり、お客様との絆であり、そして地域での絆、そういうことを大切にしていくことが結果的に企業としても大切だと。やっぱり中長期的にビジネスが進まないとこれは難しいなと思うので、非常に共感できたところです。
 その上ででございますけれども、方向感としては参画型のコミュニティづくりということは、誰しもが異論がないところだとは思うんですけれども、私もいろいろ地域の方々、首長とかと話をしていて、やっぱり今気になるのは、地域住民の方も二極化しているのではないかというところであります。
 一つは、積極的にどんどん参画する人たちはいますけれども、その一方で、サイレントマジョリティーとまでは言いませんけれども、孤立、孤独ではないですけれども、引き籠もってしまう人たちも今の時代環境では非常に構造的に発生するのではないか。そうしますと、そういう方々を引っ張り出すというか、社会的処方ということで、参画をさせていく仕組み、仕掛けがぜひとも必要で、検討いただければなと思います。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。大変重要な視点を提起していただきました。すなわちわいわいがやがやということも必要なんだけれども、参加型コミュニティづくりをしていくときに、積極的に参加できる層もあるけれども、孤立して引き籠もっている層もあるわけで、そういう皆さんと共に、いい意味でわいわいがやがやできるような仕掛けづくりというのは念頭に置いておくべきだと思います。
 それでは、八木委員お願いします。

【八木委員】  熊本市国際交流振興事業団の八木です。
 委員の皆様の御発表、御意見とほぼ同じですけれども、小田切委員、そして柏木委員が発表された視点を、私のいる熊本と外国人住民という視点でお話させていただきたいと思っております。
 まず、農村に関してなんですけれども、農村と外国人住民、まさに外国人労働者、彼らがいないともう農村はやっていけないという状況がある中で、一方、外国人住民と農村、あるいは農家がつながっていっていない状況があります。農村自体、外国人住民がそこにいるのに見えない状況があります。これを小田切委員の御発表の中で、様々な手法の中で、今後、持続可能な農村ということを考えたときに、外国人という視点を入れて考えていくということが、社会教育の可能性を発展させていくことができるのかなというのが1点目でございました。
 柏木委員の御発表に関連して、地域の子供たちに、「地域の中に魅力ある人はいますか」と聞くと、「はい」と答える子どもが非常に低い状況があります。柏木委員の地域の肯定感と自己肯定感に関するご報告と関連して、子どもたちが年の近いロールモデル的な人との対話、あるいはそこに住んでいるお年寄りとの対話、その中でいろんな成功例、失敗例を聞く中で、子どもたちが地域で魅力あると思える人の数が増えていったという話があります。
 こういった身近な人との対話は単に机上で学ぶよりも、あるいは地域に出かけて地域の人と一緒にいろんな体験をすることが非常に大事であり、社会教育で取り組むことと考えます。これは外国人の防災ということでも、防災に関していかに机上で説明しても、実際に自然災害が起きたときには動けないことがあります。実際にまちを歩くとか、地域の人たちと話して初めて、実際の学びを得ていくことが多く、社会教育を効果的に進めていくための重要な視点であると感じます。
 そういったところから、外国人など立場が弱くなりがち方たちに社会参画してもらい、彼らのアイデアを取り入れ、共に誰もが社会の中で活躍していけるような社会づくりをしていくことが、社会教育学が今後、目指すべきところかなと思いました。
 そこで外国人の社会参画を進めていくことができるかを社会教育の視点で提案したいと思います。公民館が地域の社会教育の拠点として地域づくりを進めています。一方、市長部局には国際交流や多文化共生を担当する部署があって、国際交流や多文化共生に専門的な地域国際交流協会とつながっています。私たちが所属しているところですが各自治体に1つ2つしかありません。一方、公民館は学校毎に身近なところにあます。そこで、公民館活動と国際交流協会活動が連携できれば、外国人が社会参画して、地域の人たちとのいろんな小さい交流が活発になっていくのではないかなと思います。そういった小さい活動を広げて、個々の活動をつなげていくということが社会教育、まさに地域の全体のウェルビーイングを発展させていくことになると思います。
 あと1点は、社会教育を推進する人材を考えるときに、小学校、中学校では外国人の方と交流する機会が多くあるんですけど、高校、大学となると極端に少なくなる傾向があります。そういう意味では、大学の教育学部の一般教養の中に多文化共生や日本語教育を学べる仕組みづくりがあれば、彼らが学校現場や社会教育現場出ていったときに、外国人の方、多様性のある方たちを巻き込んだ地域づくりができるのかなと思います。
 私のほうからは以上です。ありがとうございます。

【清原部会長】  八木委員、ありがとうございます。外国人の農村とのつながりや、あるいは子供にとって魅力あるロールモデルのことを踏まえつつ、公民館と国際交流協会との連携や、あるいは大学教育との連携などを御提案いただきました。ありがとうございます。
 それでは安齋委員、そして美田委員と続けてお願いします。

【安齋委員】  安齋でございます。
 私は公立学校の校長として長くコミュニティスクールと地域学校協働活動に関わってきたんですけども、本日の小田切委員の当事者意識づくりという部分、またそこ段階があるというところ、非常に納得できて、私がやってきたこととすごく重なるなと感じました。特に学校をよくしていく、子供たちをよくしていく上で、子供に関わっている人だけではなく、広く地域住民の当事者意識を高めていかないと、これからの学校はよくなっていかない、子供たちはよりよく育っていかないと考えておりまして、そういう意味でコミュニティスクール、地域学校協働活動というものを推進していて、小さな実践ですけども、当事者意識が高まってきたということは実感しておりました。
 今日の小田切委員の発表の中でIからWe、要するに自分事から地域事というお話の中で、まさにこれが子供をよくするために地域の人たちが関わっていく中で、青山先生の言葉を借りれば、結果としてうっかり地域づくりに関わっていくという、まさに地域事、Weに意識が変わっていく。そういうふうに私自身も実践の中で感じさせていただいたということで、そういうふうに考えていくと、今日、事務局のほうからどのような仕掛けづくりが必要かということに関して言えば、まさにもう既にコミュニティスクールや地域学校協働活動というのは一つの仕掛けとしては非常に有効なんじゃないか。
 ただ、その仕掛けの存在がまだまだ十分伝わっていない。先ほど首長さんの話があったんですけども、まさにコミュニティスクール、地域学校協働活動のよさ、有用性というのが首長さんたちに伝わっていないという部分もあって、前回のワークショップの中でも社会教育という大きな切り口からというよりも、地域づくり、地域コミュニティづくりという視点から、首長さんたちにもう少しアプローチしたほうがいいという話があったと思うんですが、そういう意味で私は新たな仕掛けづくりもいろいろこれから必要だと思うんですが、今あるものを有効に使うということも私は必要なんじゃないか。
 もう1点は、この取組を進めていく中ですごく感じさせていただいたのは、目標を共有するという、地域の人たちが結構、今ばらばらになりつつある中で、みんなが心を一つにして取り組んでいくという目標、私の視点から言うと、まず地域の子供たちをよりよく育てたいという、そこからスタートするわけなんですが、それをみんなで共有することが、先ほどの青山先生の言葉をまたお借りするんですが、結果として、そのためにはこういう地域にしていかなくちゃいけないよねという地域の目標づくりにつながっていく。ですから、そういう意味で地域が自分たちの目標をしっかりと持って取り組んでいく中で、社会教育のいろんな役割が果たせるのかな。その目標をしっかりとつくっていくということをみんなでもう1回考えていきたいと思っています。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。当事者意識を持つということは極めて大事だけれども、そのためにも地域の目標の共有ということ。やっぱり意外と気づいたらまちづくりに参加していたというような、大事なキーワードですね。
 それでは、これからまだ何人かの方の御意見を伺うんですが、最後に小田切委員、柏木委員にも皆様の御意見を聞かれた上でのさらなる一言いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、これから美田委員、そして小見委員、萩原委員と御発言順にお願いします。
 それでは、美田委員、お願いします。

【美田委員】  全国子ども会連合会の会長をしています美田といいます。
 子ども会といいましても育成会も混ざっておりまして、800万人、当時はいましたが、今は200万人まで会員数が減少しております。小田切先生の話を聞く中で、社会教育との相関性、確かにそうだなと感じております。また、我々も実は0歳の子から今、90歳ということはないかな、実際動ける80歳代の方まで会員としていらっしゃったり、本当に異年齢集団での大切さというのはひしひし感じております。
 最終的に本日のこの諮問の内容の仕掛けづくりがどのようなという、この部分にも引きつけながらちょっとしゃべりたいんですが、実は私たち役員をされるお父さん、お母さん方というのが、結構じゃんけんとくじ引で負けて、仕方なくされるケースが大変多うございます。市町村教育委員会が事務局をしてくださっているので、そこで納得されるケースもあるんですが、どうも納得いかなくて、東京の事務局まで電話がかかってくるケースがあります。私たちも説明すると、小1時間電話でしゃべりますが、結果、よく分かったと、まあ仕方ねえ、頑張るわっておっしゃるんです。ここが結局、話せば分かると思っています。
 ただ残念ながら、子ども会の会員としても今活躍中の役員の方々は、なぜ子ども会大事なの、地域活動大事なのという問いに対して、楽しいから頑張ろうよという、あまり明確ではない回答をしてしまうんです。ここをどうしてもロジカルに。先ほどの野津先生の話じゃないですが、本当にテクニカルな楽しい会を催せば人が増えるんじゃないかということに走りがちなんですけど、私、本当に思っているのが、これが社会教育主事であると私は思っていましたが、今回の御提案のような社会教育士を各所に配置して、そしてお互いに理解者を増やしていく形が非常にベストだと思っています。
 具体的に行政にといいますか、できるかどうかはちょっと別として、好き勝手言わせてもらいますと、お願いしたいのは、どうしても1人理解をしていても孤立しがちといいますか、社会教育士として、仮に地域において活動していてもなかなか難しいのかなと。それが本当は公民館の主事とか、いろんな方の支援も入るかもしれませんが、いわゆる首長部局もさることながら、行政側も社会教育士を配置した、例えばコミュニティスクールなんかもすごく活用のしがいがあると私は思っておりますが、1校に1名じゃなくてもいいんですが、行政側の担当者というのをエリアで、例えば四、五校まとめて1人担当とか、そういった配置があるとちょっと心強くやっていけるんじゃないかなと思っております。
 適切な意見になっているかどうかはあれですが、とにかく私がすごく思うのは、私個人の感想ですが、学校では比較的駄目なタイプの人間だったんですけど、地域のおじさん、おばさんに非常にお世話になりまして、この方々のおかげで今があるとも思っているので、何とか社会教育の大切さを広げていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

【清原部会長】  美田委員、ありがとうございます。子ども会連合会という異年齢の御活動の中から、社会教育士がいろいろな部門でその役割を果たすことの意義というのを提案していただきましてありがとうございます。
 それでは、小見委員、続いて萩原委員の御発言でお願いします。

【小見委員】  ありがとうございます。NPO法人みらいずworksの小見まいこです。
 柏木委員のお話の中で最後に地域コーディネーターのお話をなされましたが、学校と地域をつないでいくという役割という話がありました。今、美田委員のお話の中でもありましたけれども、そこをつないでいく役割としてコーディネーターさん、地域学校協働活動推進員ですとか、高校文脈ですと、高校魅力化コーディネーターなどと言われています。そういう方々の専門性を高めていくところが大事だなと思っています。
 小田切委員の中で、伴走的というところと専門家、そしてプロジェクト・マネジメントというところの支援の在り方を少しずつ変えていくという話がありましたが、まさに学校と地域をつなぐ文脈においても同じように役割が変わってくる、必要に応じて個別的な伴走が必要になったり、専門家的なアプローチが必要になったり、プロジェクトが進んだら、それをマネジメントしていく人が必要だなと思っています。
 そういう万能型の人材がいるというのは地域の中では非常に難しいと思うので、そういう方々がステップアップしていくという育成プロセスというのも必要ですし、同時に社会教育行政において、専門性がある社会教育士や社会教育主事という方々を適宜、統括的位置づけで配置をして、現場がうまく運用できるような支援を随時していく仕組みを取り入れていくところも必要だと思っています。
 あと加えて、牧野委員からも、社会教育等の役割が従来の教育行政の範疇を超えてしまっているというお話が冒頭ありました。既にいろんな行政の施策が地域に下りてきている中で、どうしたら首長部局の施策の中に社会教育という営みを取り入れていけるのか、仕掛けとしてどういうふうにしていったらいいのかを考えています。例えば、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中に社会教育の機能を位置づけていくこと案として持っています。
 コロナ以前は高校を拠点に地域をつくっていくことで、地域にU・Iターンしていく人材を育成するという項目も含まれていたんですけれども、今はそれがなくなっています。多様な人の学びという要素をまちや人や仕事の要素に入れ込んでいくかという視点もぜひご検討いただきたいです。文科、教育行政だけじゃなくて、内閣府ですとか、ほかの行政の皆さんもそれが御理解できるように、戦略ですとかビジョンの中に位置づけていくのが必要なのではないかと思っておりました。
 以上です。

【清原部会長】  小見委員、ありがとうございます。プロジェクト・マネジメントの重要性、それを育成していく仕組みも重要であるし、地方創生、これからまた国の中ではさらに別の観点も加えて重視されていく動向が報道されておりますけれども、その中に社会教育が位置づけられていくような方向性も御提案いただきました。
 時間があと10分ほどになっておりますので、萩原委員、そして牧野委員に御発言いただきますが、ほかの方は大丈夫でしょうか。
 では、まずお二人に発言していただいた後に、小田切委員、そして柏木委員からも一言ずついただきます。
 それでは、お願いします。

【萩原副部会長】  それでは、柏木委員、小田切委員のお話も踏まえ、また皆さんの話を踏まえて、私の経験談なんですけども、2014年に23区で唯一、豊島区が消滅可能性都市と言われました。そのときに、先ほどまちとしてどういうふうな目標を持つのかということが重要だというお話があったと思いますが、この危機ですね、消滅してしまうという危機に対して、どうやったら住み続けたくなるまちになっていくのか。それから、消滅化の都市の中で一番重要だったのは、女性たちの声を本当に政策に反映してきたのかという大きな問いだったわけです。それでとしまF1会議。Fはフィメール、1は20代、30代の女性たち、が集まるとしまF1会議というのを行いました。そのときのイニシアチブを取ったのは、当時の区長です。首長さんの本気度というものが住民に伝わったような会議だったと思います。
 その中で、まさに小田切委員おっしゃった、私もプロセスデザインを、6つのデザインをいたしまして、一番重視したのは調べるということだったんです。まちを調べる。それから今、豊島区の中でどのような施策が行われているのかというのを洗い出す。その過程で、住民は都がどのような施策をしているのかというのをあまり知らなかったというのが見えてきます。こんないいことしているじゃないか。なのに、なぜ私たちは知らなかったんだ。そこに自分たちが主体性を持って、地域づくりに関わっていかなきゃいけないということを一人一人が思うようになった。その結果、調べる。そして、いろんなところに視察に行く。そして、どういう施策があるのか。自分たちはどういうまちをしていけばいいのか。
 そのときにつなぐということ、縦割りじゃなくて、セクショナリズムを超えていろんな庁内の各部署とどのように連携をするのか。そしてまた、地域にあるNPO、企業、学校、PTAも含めて町内会ですか、多様な主体とどう連携しながらつくっていくのかというのを、まさに会議のプロセスの中で学びながら、つくりながら、そして最終的に提案をいたしました。
 その前に、としま100人女子会というところをやって、600を超える意見が出て、それを6つのグループに分けて深掘りをしていきました。最終的には、11事業8,800万円という予算がつきました。これも多分、初めてだというようなことで、本年もしているわけですけども、そのときに考えたのは、ただ単に聞き置くだけではない、つまり参加じゃなくて、参画になったということが重要だと思います。参画することによってそれが政策提言につながる。政策をつくるところに、プロセスに関わるということが物すごく重要だった。まさに合意形成のプロセスに参加じゃなくて、参画できたということがその後の地域づくりに大きく影響を与えたかなとも思っております。
 そのときにヒューマンインフラストラクチャーに関わったということです。つまり人の暮らしと生活を支える基盤をどうつくっていくのか。単なる交通機関とかそういうインフラではなくて、そういったソフト部分の基盤づくりのところに一人一人が関わる。恐らく社会教育主事とか社会教育士というのは、ヒューマンインフラストラクチャー、基盤を支える人なのではないかと思います。さらに支える人たちが、先ほどの柏木委員の中では非常に重要な示唆があったかと思うんですけれども、今までの当たり前とか、アンコンシャスバイアスとかにとらわれない、そういったものを一度アンラーニングして、そして今どういう人材が必要なのか、多様な人たちに寄り添うためには何が必要なのか。人権の意識も含めて。そういったことが大事になってくるのではないかなということをすごく思いました。
 行政のほうとすると、セクショナリズムをどう超えていくのかというところがすごく重要で、仕掛けとすると、こことここを結んでいくノットワーカー的な役割というものが行政の中には求められてくるのかなというふうにも思いました。
 以上です。ありがとうございました。

【清原部会長】  萩原委員、ありがとうございます。今年の発表では豊島区は消滅可能都市ではなくなりましたので、皆様の御努力が功を奏したと思います。参画の重要性だと思います。
 それでは、内田委員、手が挙がっておりますので、御発言お願いします。

【内田委員】  ありがとうございます。すみません、学内の会議で途中退室してしまったので、前半の小田切委員の御発表を聞かせていただいたところの感想を述べておきたいと思います。
 農村の中でのつなぐ人材の有効性とそこからの活性化という、極めて重要なテーマが示唆されておりまして、非常に勉強になりました。それで最後のほうにありました、中の人たちの信頼関係というものが基盤になってくるというのは非常に重要なポイントではないかと思っております。
 地域の活動というものには広がりがある一方、行政的な縦割りの区分も存在し、さらにいろんなセクターの人が関わっている中で、よりよいプラットフォームや情報の集約がないと、それぞれ個別の活動はとてもいいものなのに、それをつないだり、安心して情報共有とか提供ができないということもあるかと思います。今回の社会教育の在り方ということに関しても、つなぎ人材の活用と展開の有効性ということが繰り返し議論されていると思うんですが、その中で様々な地域活動をつないで、情報共有するプラットフォームみたいなものをつくっていくことが重要なことになるかなと思いました。ありがとうございました。

【清原部会長】  内田委員、ありがとうございます。先ほど萩原委員からも、ともすると行政がセクショナリズムになることもあるので、それを回避していくということの重要性も提案されたことと共通すると思います。多くの施策は総合行政として横連携で、部署を越えて取り組む必要性があり、実際にそれが行われているんですが、住民の皆様にとってはどの部署に行けばいいのかということがまず念頭にあることも確かなので、社会教育の視点を加えることで、首長部局の行政と教育行政が連携するのはもちろんのこと、首長部局の各分野の横連携、横串がさらに進むようなインパクトを提供したいと思います。
 それでは、牧野委員お願いします。

【牧野副部会長】  すみません、度々。よろしくお願いします。
 今までの議論の中でもう一つ私が付け加えたいなと思っていましたのは、今日、実は東委員からお話が聞ければなと思っていたんですけれども、若い世代どうするかという話なんですね。例えば教育振興基本計画では2つの大きな方向性があって、1つが持続可能な社会のつくり手を育成するということになっていまして、もう一つが日本型ウェルビーイングの向上ということになっているんですけれども、そのつくり手という場合に、次の世代をどう考えるのかということにつながっていくんだと思います。
 特に、例えば今、高校生なんかは、先ほど小田切委員が御紹介くださった飯田市などでは、問合せが大事だとおっしゃった牧野市長の頃に地域人教育というのを始めていらっしゃって、地元の高校と、それから公民館が媒介になって地域課題を一緒に結びつけていきながら高校生が地域の課題を探求して、そして2年間、3年間かけて、解決方法を自分たちでつくり出していくという事業をやっているんですけれども、その中で高校卒の子供たちが、例えば市役所に入職をするですとか、地域づくりに関わろうとする動きが出てきたりしてきています。
 それから、最近ではちょっと私が関わったところで、北海道の根室市が、子供たちが島根県益田市の実践に学ぶ中で啓発を受けて、ちょっと変な言い方しますけども、無目的に大学に上がるくらいだったら行かないで、地元の行政に入ってまちづくりをやりたいという動きが出てきていて、今年、実は地元の高校の生徒会の役員たちが市役所を受験したということが話題になっています。その意味で、こういう事例があちこちで今出始めているんです。
 その意味で子供たちが地域でいい関係をつくってもらいながら、自分が、先ほどのお話と関わっていきますと、プライドを持って地域に関わることができるような体験を積んでいくと、ふるさとのために何かしたくなってくる。そして必要であれば、またその後、大学に入るということを選択したいということが出てきています。それには大学の在り方も、ある意味リカレントを中心にして在り方を考えていくというか、そんなことも必要になってくるのではないかなという事例が起こっているんです。
 そのようなことも含めて、行政の縦割りの問題以外に、また年齢割でこの社会はまだできているところがありますから、そこを先ほど小田切委員がおっしゃったような形のまぜこぜにするというか、3世代混ぜ合わせていくといったことも含めて考えていく必要があるのではないか。それが柏木委員がおっしゃった資源の公正な分配ということにも関わってくるんじゃないかと思いました。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。年齢の壁を越えて、多世代交流というのはこの部会でも当初から重要なキーワードになっておりますので、多世代交流というのは多世代それぞれ活躍ということだと思います。
 恐れ入りますが、皆様、御理解いただければ、ちょっと時間を延長させていただいて、せっかくですから、東さん、一言発言していただければありがたいし、その後、小田切委員、そして柏木委員お願いします。

【東委員】  私が地域活動に参画するきっかけとなったのは、もともと高校の探求学習だったんですよね。そのときに地域で活動されている方々にインタビューさせていただいたことがきっかけで、自分の地元にこんなにも地元のために頑張っている方がいるんだということにすごくびっくりしたというか、初めて知って、地域の方たちが地元のために頑張っている私の地元ってすごいというふうに感じて、私も地元のために何かしたいなと思うようになりました。
 私の場合ですが、高校の探求がきっかけで地域活動しようってなったときに、地域のほうには味方がたくさんいたんですが、行政のほうにあまり理解してくださる方がいなくて、それが結構私にとってはつらくて、大変なところだったので、青山委員もおっしゃっていたように、職員さんたちとの認識のずれみたいなものの共有ができたらいいなと感じています。

【清原部会長】  ありがとうございます。極めて重要で、東さんが探求学習を通じて住民の皆様からインパクトを受けたということですが、東さんと出会ったことで、地域の住民の皆さんも若い高校生からこういうふうなインタビューを受けてということで、またインパクトを受けて、その後の東さんたちの活動にも物すごく刺激を受けて、また活力を得ているというふうに承知しています。東さんの取組を最近の読売新聞の教育のところで取り上げていますので、遡って御覧いただければと思います。
 それでは、そろそろまとめの時間になっております。まず、小田切委員から今日の部会を通して御発言をいただければと思います。お願いします。

【小田切委員】  発表の機会をいただいて本当にありがとうございました。冒頭でも申し上げたように、私自身は社会教育という体系の中では初学者です。そんなこともありまして、多くの学びをいただきました。その一つ一つを申し上げる時間がなさそうですので、2点にわたって付け加えたいと思います。
 1つは重層的な農村支援人材ということで、3つのタイプを挙げたわけなんですが、それぞれについて課題があります。例えば、順番を逆にしますと、プロセス・マネジャー型人材ですが、これ最近ではしばしばNPOなどの中間支援組織が重要だという言い方をされるんですが、基礎自治体がどうしたという議論をちゃんとしなくてはいけないんだろうと思います。
 それから、2番目の専門型人材については、これは実は逆に、各省庁のいろんな政策のコーディネーターが地域の中に存在しております。例えば私の専門でいえば6次産業コーディネーター、あるいは高校魅力化コーディネーターも含めて、それが財政的に支援されているかどうかはともかくとして、地域の中でコーディネーターが、大げさに言うとうじゃうじゃしている。これは相互乗入れかできる条件が一体あるのかどうかということ、そんなこともあろうかと思います。
 それで3番目の寄り添い型人材、実はこれが一番問題です。2009年に地域おこし協力隊という仕組みをつくったとき、我々議論して、実はこの寄り添い型人材を考えました。ところが、今はそのほとんどが専門型人材になってしまっております。そういう意味では寄り添い型人材の穴が空いていることです。そういうふうに考えたときに、社会教育がここに何ができるのかという論点が再度出てきていると思っております。
 それから2点目、簡単に申し上げますと、そういうふうに考えると、実は地域人材政策の横割り化が必要ではないかと思っております。先ほどの3つの人材についてもそれぞれ乗り入れていく、あるいは時間軸の上で重なっているところもあります。あるいは、直近の選挙のマニフェストを見ても、地方創生は言われても、地方に係る人材育成のことはほとんど言われていない。そういう意味ではここに大きなぽっかりとして穴があって、地域人材育成の政策の横割り化、新しい部局をつくれという意味ではなくて、何らかの形でそれを意識した政策が打ち出される、それを検討するのがこの場かもしれませんが、その重要性を改めて考えました。
 以上です。

【清原部会長】  ありがとうございます。地域人材の横割り化、これがまさに本当に私たち社会教育特別部会の使命かなと思って、確かに受け止めました。
 それでは、柏木委員どうぞお願いします。

【柏木委員】  本日は皆様ありがとうございました。最後にちょっと水を差すようなお話で申し訳ないんですけれども、地域づくりを考えるときに重要なのは、既存の地域をいいものとか、かつてはよかったというふうに捉えるだけではなくて、なぜ地域からいろんな人が逃げていくのか、参加したくないのか、いろんな方々が面倒くさい、煩わしい、関わりたくないと言うのかというところで、地域の問題性をちゃんと捉える必要があるのではないかなと思っています。
 その中でも活動しているような方々の地道な取組を見ながら、地域のそうした複雑な状況を踏まえた上で、どう地域を組み換えていくのか、つくり上げていくのかというところが重要で、そのときに社会教育人材の専門性を生かして、本音を出し合えるような場づくりが必要になってくるのではないかと思っています。
 その結果として、多様な人々の住みやすい地域、地域自体が居場所になるような、そうした地域づくりが出来上がっていって、そしていろんな人々にとってそうした地域が幾つもある。広域地域でつながることによって居場所の選択肢が増えるような、トータルとしてそういう社会づくりを考えていくのも一つ社会教育として重要かなと思っております。
 私からは以上になります。ありがとうございました。

【清原部会長】  柏木委員、水なんか差していません。私たちにとって大切な視点を再確認していただきまして、多様な人々が住みやすい、生きていける地域こそ、私たちは共通にさらに追求していきたいと思います。ありがとうございます。
 さて、小見委員、何か一言御発言とありますが、次回でよろしいですか。ありがとうございます。それでは、次回、小見委員、御遠慮なく御発言をしていただければと思います。
 それでは、皆様、御多用の中お集まりいただきまして、時間を延長させていただきましたが、今日は小田切委員、柏木委員の御発表、そして牧野副部会長の御発言を契機に、皆様から積極的に私たちの課題についての御意見いただきました。また、萩原副部会長からは、具体的な事例を示す中で、私たちがいろいろなプロセスを経験しながら目標を達成していくことの重要性を提示していただいたと思います。
 それでは、次回に向けて、皆様、さらに今日、言い足りなかった分、御用意をいただきたいと思いますし、事務局まで御発言し切れなかった部分で、今日のテーマで追加したいものがございましたら、遠慮なくメールで御提出いただければと思います。
 それでは、事務局から御発言お願いします。

【山川地域学習推進課課長補佐】  ありがとうございます。
 最後に、今後の審議予定を御案内いたします。資料5を御覧ください。次回は11月15日金曜日の17時から19時で開催を予定しております。第5回以降については、別途皆様に調整の上、また御連絡させていただきます。
 事務局からは以上となります。

【清原部会長】  それでは、本日の社会教育に関する特別部会はこれにて閉会いたします。
 それでは、次回また元気に皆様とお目にかかります。大変お疲れさまでした。
 閉会いたします。失礼します。
 

―― 了 ――

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