社会教育人材部会(第1回) 議事録

1.日時

令和5年5月26日(金曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省5階4会議室 ※WEB会議併用

3.議題

  1. 部会長の選任等について  <非公開>
  2. 社会教育の裾野の拡がりと社会教育人材に求められている役割について
  3. 社会教育人材ネットワークについて
  4. 全体を通した意見交換

4.出席者

委員

(臨時委員)古賀委員,関委員,野津委員,牧野委員
(専門委員)青山委員,伊藤委員,大村委員,倉持委員,塩田委員,原委員,山本委員

文部科学省

(事務局)藤江総合教育政策局長,里見大臣官房審議官,森友社会教育振興総括官,黄地地域学習推進課長,神山生涯学習推進課長,西リカレント教育・民間教育振興室長 他

5.議事録

(1)事務局より,挨拶が行われた。
(2)事務局より,各委員の紹介が行われた。
(3)委員の互選により,部会長に牧野委員が選任された。副部会長については,牧野部会長から青山委員の指名があった。
(4)生涯学習分科会社会教育人材部会運営規則について了承された。
 
【牧野部会長】
 これから会議を始めたいと思います。社会教育人材部会の部会長に選任されました,牧野でございます。よろしくお願いいたします。それでは初めに,私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 今回,中央教育審議会の生涯学習分科会のもとに,この社会教育人材部会が設けられることになりました。私個人としましては,とても意味があるといいますか,画期的なことではないかと受け止めております。一つは,新しい教育振興基本計画の案が中央教育審議会で策定されまして,現在,閣議決定を待っていて,6月に決定される予定のようですが,その策定過程で議論されました大きな課題がウェルビーイングということと,それから持続可能な社会の担い手を育成することでありました。
 特にその中で,私としては大きな方向転換があったのだろうと思いますのは,一つは教育というものがとても大事であると,教育がこの社会を引っ張っていくのだ,ある意味では教育が時代に先駆けて新しい社会の動きをつくっていくものであるというニュアンスが入ったことだと思います。さらにその中で,社会教育が地域社会の基盤をつくっていくような表現が入り,さらには人間関係,地域の人と人との関係を耕していくといいますか,良い関係をつくる中で社会基盤を豊かにしていくような表現が入ったことだと思います。
 さらに,その前ですけれども第11期の中央教育審議会生涯学習分科会の議論の整理でもウェルビーイング,それからデジタル人材とデジタル社会への対応,それから社会的包摂と,さらに地域コミュニティーの基盤形成といったことが強く打ち出されておりまして,今日の資料にも入っておりますけれども,その中で重視をされますのが学びを通した人と人とのつながりをつくっていくこと,そして誰一人取り残されない社会をつくることが強く意識されてきたことがとても重要だと理解をしております。
 そして,基本的には地域の学びと実践のプラットフォームをつくるのだということが明確に打ち出されております。その中で大事になりますのが,社会教育の人材といいますか,専門職,さらには社会教育のいろいろな分野で活躍をされる方々の在り方といいますか,育成の仕方も含めて,人材の在り方を改めて考え直すときが来たのではないか。そして新しい社会をつくっていくために,いろいろな方々が活躍できる社会をつくる必要がある。このことが強く意識されたのだろうと思います。
 今回,この部会ができまして,そして現在の社会教育主事,さらには社会教育士の方々の在り方を基本にしながら,新しい社会教育の人材と言っておりますけれども,様々に活躍できる方々の在り方を考えていく,そのことはとても大事になるのではないかと思っております。
 そこで各界の御専門の方々に集まっていただきましたし,実は今日,私もこの部屋に入って驚いたのですが,文科省側の参加者がオールスターメンバーなのですね。もう局長以下,分科会と同じ扱いではないかと思ったのですが,それくらい重視をしてくださっているということですので,ぜひとも自由かっ達な御議論を頂きたいと思います。
 その上で一つ御提案ですけれども,もうほとんど私たち,社会的にはお互い「さん」付けで呼んでいますので,ここでは何々委員という呼び方ではなくて何々さんという形で呼び合いながら議論を深めたいと思いますけれども,いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは,少し長くなりましたけれども,副部長にマイクをお渡ししたいと思います。では青山さん,よろしくお願いいたします。

【青山副部会長】
 ありがとうございます。先ほど副部会長に選任いただきました青山でございます。よろしくお願いいたします。
 私,前回の社会教育主事講習のカリキュラム改正等のところでの検討の会議等にも関わらせていただきました。そこから,いろいろな形で社会教育主事や社会教育士の皆さんと全国でお目にかかる機会もすごく増えている状況がございます。また,私自身も文教大学では社会教育主事課程を担当しておりまして,おおまか30人ぐらいですか,実習に送ったりですとか,いろいろなことを毎年やっております。そんなところも含めてこの会議でいろいろ参加させていただくことをすごくうれしく思っております。
 今,牧野さんのお話にもあったとおり,いろいろな社会的な課題がある中で,社会教育という言葉を使っていなくても社会教育的な人はたくさんいるわけですよね。そういった形で社会教育とは呼ばない社会教育というか,社会教育のようなものが非常に多様に広がっているし,そこが盛り上がっていくことが様々な解決にもつながっていくだろうと思います。
 もう一方で,社会教育主事を中心とするような社会教育行政の枠組みがそれをしっかりコーディネートしていくことも両方大事だと思いますので,社会教育の本丸の部分とさらに広がった裾野,社会教育と呼ばない部分をどうつないでいくかが多分これから課題になっていくのだろうと思っています。今回のこの人材ネットワークだとか,そういった言葉というのは,そういった状況の表現の一つなのかと思っておりますので,皆さんといろいろいい議論ができればと思っております。よろしくお願いします。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。次に事務局からですけれども,藤江総合教育政策局長に御挨拶をお願いしたいと思います。

【藤江総合教育政策局長】
 ありがとうございます。今,御紹介いただきました総合教育政策局長の藤江でございます。事務局を代表してということで,一言御挨拶させていただきます。
 まずは本当に皆様,本日大変お忙しい中お集まりいただき,あるいはネットでの御参加ありがとうございます。また本当にそれぞれお忙しい中,委員をお引き受けいただきまして心より感謝申し上げます。この部会,中教審の生涯学習分科会のもとに設置されたものでございますが,経緯については牧野さんから御紹介いただいたところではございますけれども,事務局の役割として簡単に御紹介させていただきますと,昨年,この前期の第11期生涯学習分科会において全ての人のウェルビーイングを実現する,学び支え合う生涯学習,社会教育に向けて今後の生涯学習,社会教育の振興の在り方ということで大きな方向性を御議論いただきまして,その成果として議論の整理として御提言いただいたところでございます。
 この議論の整理を基に,より具体的な振興方策とその工程についてもさらに御議論を重ねていただいて,今年の3月の今後の生涯学習,社会教育の振興方策についてを今日公表したところでございます。これらの審議の経過を踏まえて今期,第12期の生涯学習分科会では,この分科会のもとに新たにこの社会教育人材部会を設置して議論いただくことが決定されたわけでございます。この後,事務局からも詳しい説明をさせていただきますけれども,この部会におきましては,特に社会教育人材の養成,それから社会教育士の活躍機会の拡充ということで,幅広く社会でどう活躍してもらうかということも含めて専門的な調査,審議をお願いしたいと考えております。
 これも牧野さんから御紹介いただきましたけれど,次期教育振興基本計画に向けての中教審答申におきまして人生100年時代ですとか,あるいはSociety5.0といった時代であると,この非常に変化の激しい時代に誰1人として取り残されることなく生きがいを感じることができる,そしてウェルビーイングを実現することができる社会を目指していく方向性が示されたわけでございますけれども,そのために生涯学習,社会教育がその持てる力を十分に発揮していただいて,大きな役割を果たしていただくことが重要だと考えております。
 このため,この社会教育に関わる様々な関係機関や関係者がつながって,社会教育に関わるというところの,青山さんからお話しいただきました,非常に多様な広がりを持ちつつあると考えておりますので,そういった多様な広がりのある中で社会教育に関わる関係者がつながって協働して一体となって人づくり,つながりづくり,そして地域づくりに取り組んでいくということが求められていると痛感しております。委員の皆様方には本当に幅広い観点から忌たんのない御意見を積極的にやっていただいて,社会教育人材の一層の活躍に資する制度ですとか環境の改善に向けて,この部会における提言の取りまとめにお力添えいただきますよう,心よりお願いして私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは早速ですが,議事に入りたいと思います。まず,最初に議事次第を御覧いただけますでしょうか。今日は議題が大きく2つ準備されておりまして,一つは「社会教育の裾野の広がりと社会教育人材に求められている役割について」ということで,議題2と設定されております。それから,議題3で「社会教育人材ネットワークについて」ということで設定をされ,最後に意見交換の場が設けられております。特に今日は議題の2の「社会教育の裾野の広がりと社会教育人材に求められている役割について」を中心にして,皆さんに御議論いただければと思っております。まず最初に,この資料4に基づいて事務局から御説明を頂き,後から質疑応答をしていただければと思っております。そして今日12時までの予定ですけれども,11時45分頃を目途に次の議題の3に入りたいと思いますので,進行等,御協力をいただければと思います。よろしいでしょうか。では,よろしくお願いいたします。
 それでは事務局から,早速ですけれども議題2について御説明をお願いいたします。黄地さん,黄地課長,よろしくお願いいたします。

【黄地地域学習推進課長】
 地域学習推進課長の黄地でございます。よろしくお願いいたします。お手元の資料4を御説明させていただきます。今,牧野さんから御紹介ございましたように,議題2として社会教育の裾野の広がりがどうなっているのか,あるいはそれを踏まえた役割とはどういったものなのかの御議論の御参考になるよう,資料を御用意したところでございます。
 1ページ,御覧いただければと思いますが,先ほどの御挨拶の中で社会教育は地域の学びと実践のプラットフォームだといったような話が御紹介いただいたところでございますが,こういった議論がこれまでされてきておりまして,一番下の今年の3月の中教審の総会で御報告を,資料の中にも明確にそういった方向性が打ち出されているところでございます。
 そういった中でそれを,そのプラットフォームをより充実するための社会教育人材はどうあるべきかということで,イメージ図をその下の2ページに整理させていただいてございます。まさに先ほどお話ございましたように,社会教育が地域づくりの基盤ということからすれば,地域社会の至るところで社会教育があり得るのだろうということで,幾つか例を書かせていただいてございますが,ここに書いている例以外にも様々な社会教育の場が想定されるところでございますし,それぞれの場においてプランニング,コーディネートを行う社会教育士がいることが理想の姿ではないかと思います。また,そういった社会教育全体を見渡して,より実効的なプランニング,コーディネートなどを行うものとして,社会教育主事という主事の役割が求められるところではないかと考えられるところでございます。
 そうした状況を踏まえますと,今後の在り方として右上の青い箱を御覧いただければと思いますが,現行,社会教育士になるためには社会教育主事講習がございますが,現状を考えますと,さらなる学習機会を拡大する必要があるのではないか。あるいは,社会教育士になったのはいいのだけれども,より充実した活動を行うためにもネットワーク化を進めたりですとか,継続的な学習の場を整備することも課題ではないかと考えられるところでございます。
 3ページは先ほど来,話が出ています社会教育主事と社会教育士の役割や活動を整理したものでございます。特に中ほどの期待される役割を御覧いただければと思いますが,社会教育主事は言うまでもなく地域の社会教育行政の企画・実施,専門的な技術的な助言指導を行う職でございますが,さらに今後の社会教育の在り方を踏まえますと,社会教育の裾野がさらに拡大することを踏まえたネットワークの構築能力,コーディネート能力,ファシリテート能力,こういったものがより重要になるのではないかと考えられるところでございます。
 一方,社会教育士につきましては既に4,000名の方が称号を得られているということでございますけれども,今後ここの下線部に書いていますように,多様な人材による社会教育士の称号の取得をより我々としても促進しながら,ネットワークを構築することによって取組をより効果的に推進するような環境整備が求められるということではないかということでございます。
 こうした中で求められる能力や知見として,特に両者に共通するものとしてはコーディネート能力,プレゼンテーション能力,ファシリテーション能力,こういった3つの能力が主にあるのではないかと考えられますが,特に社会教育主事の方については行政としての専門的知見,一方で社会教育士は,これ,行政としての専門的な知見も一定程度必要であるわけでございますが,さらにそれに加えて,それぞれの活用の場における必要な専門的な知見が必要ではないかということも想定されるところでございます。
 一方,現状の任用の流れはどういうことかということで,4ページ御覧いただければと思いますが,大きく分けて2つのルートがございます。左のルートは,大学に入学された方が大学の授業の中で養成課程を経て社会教育士の称号を取得されて,さらに一定の経験を積むことによって社会教育主事になるルートがございます。一方でその右にもございます青のルートは,一定の資格要件がある方については,社会教育主事講習を受けることによって社会教育士の称号を経て,また必要な経験を積まれて主事になると,こういったルートもございます。この辺りをさらに今後どう整備していくかも課題ではなかろうかと考えられます。
 次の5ページ,6ページが社会教育人材の活動事例でございます。5ページの左にありますのが,図書館において社会教育士として活躍されている例でございます。まさに図書館における読書活動をさらに地域に広げるために社会教育士として活躍していただく例もございますし,その右にございますように,社会教育の学びの成果を地域課題の実践に生かす例として防災行政とタイアップした事例,あるいはその6ページの左下にございますように農業や地域づくりに生かす例,さらにその右にございますように,公民館の活動をより幅広く行うために社会教育士として活躍していただく例,こういったものを御参考までに掲げてございますが,これもあくまで一つの事例でございますので,それ以外にも例えば民間企業やNPO,PTA,子供会,地域学校協働活動,様々な社会教育の場が考えられるところでございますので,こういった場においても社会教育人材の活躍の場を広げるためにどうすればいいかが大きな課題ではなかろうかと考えられます。
 こういったことを踏まえまして今後,御議論いただく論点の例として掲げているのが7ページでございます。先ほど御説明しましたように,社会教育の裾野の広がりを踏まえて今後,社会教育人材がどういう役割を果たすべきか,そういった中で現行の社会教育主事と社会教育士の役割や活動をどう整理するのか,こういった基本的な方向性をまず踏まえた上で,丸2にございますように社会教育人材のニーズに応じてどのように学習機会を拡大していくか。
 例えば白丸にございますように,現行,社会教育主事講習がございますが,これをさらに様々な方に受講しやすくするためにはどうすればよいか。あるいは養成機関や主事講習の実施機関,様々な大学さんで行っていただいてございますが,それぞれの大学の持ち味を生かしながら,さらに多様な社会教育人材のニーズに応じた形での講習はどうあるべきか。あるいはその下にございますように,既に社会教育の現場でいろいろ御活躍されている方もいますが,そういった方々が社会教育士になるためにどういう形で負担軽減ができるか,こういった論点があるかと考えられます。
 また,丸3は社会教育人材の資質・能力のさらなる向上ということで,講習内容につきましてもさらなる改善を図るべきではないか,あるいは2つ目の白丸にあるように,そういった知識や能力をさらにアップデートするための継続的な学習機会の確保なども重要ではないかということでございます。
 丸4がそれぞれの方々がつながるネットワーク,ネットワーク化をどう構築していくべきか,さらには自治体によっては社会教育主事が置かれていないところもある中で,どう配置を促進していくかといったような内容が論点として考えられるのではないかと思ってございます。
 活発な御議論をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【牧野部会長】
 黄地さん,どうもありがとうございました。幅広い内容を簡潔にまとめてくださいまして,どうもありがとうございます。これから委員の皆さんに御議論いただきますけれども,部会長として補足をさせていただければと思います。今の資料の4の,今の御説明いただいたところの後ろに参考資料が入っております。今回,この社会教育人材部会という形で社会教育に関わる人材,また社会教育主事的な方々の活躍の在り方などを議論することになっているのですけれども,多分多くの方々が,特にこの3年間の社会教育主事課程や,又は講習による養成で4,500名を超える方々が社会教育士の称号を取られたという御説明が,今ありましたが,なぜ社会教育主事という専門職,又はその任用資格に,社会教育士という称号がついているのかについて疑問に思っていらっしゃったり,また先ほど,社会教育士を取りに行くというような,そういう議論がよく出てきていますが,なぜそういうことになっているか,疑問に思っていらっしゃるのではないかと思いますので,この点について少しだけ補足をさせていただければと考えております。
 今後の議論を進める上でも,委員の方々にも共通理解をしておいていただいた上で,この社会教育人材の在り方について御議論いただければと思いますので,お時間取らせますが少しだけ補足をさせていただければと思います。
 例えば参考資料の20ページ,21ページになるかと思いますが,社会教育主事の配置がどんどん減ってきているというグラフを入れていただいております。特に配置率が今もう3割台になってきていて,派遣の方を入れても36%になっているということで,とても減ってきていることがあります。
 その背景として21ページにありますように,特に1999年から2010年まで行われた平成の大合併で市町村の数が約半減したことがあります。そういうことの中で,主事の数だけではなく,配置率が減っています。例えば次の22ページから社会教育士の称号の創設までの主な議論という形でまとめていただきましたが,特に中教審の生涯学習分科会での議論,その分科会の下に設けられました部会もあるのですけれども,そちらでの議論のまとめをつくっていただいておりまして,平成25年,2013年ですけれども,こちらで社会教育推進体制の在り方に関するワーキンググループがつくられまして,その中で社会教育主事の在り方についての議論がなされております。
 ここで,社会教育主事をもっと活用をするというか,せっかく専門職として国家資格として置かれているので,この方々の社会的な認知を広げていって,社会の様々な分野で活躍できるような方策を考えるべきではないかということが検討されました。そして,そこに書かれてあるように,社会教育士,また地域教育士という称号又は資格を民間レベルでつくったらどうかという議論まで行ったということです。それを受けて平成29年,2017年ですけれども,「社会教育主事養成の見直しに関する基本的な考え方について」ということで,資格の在り方について議論がなされまして,ここで現在の在り方である社会教育主事の養成課程や社会教育主事講習修了者に対しましては,社会教育士(仮称)の称号を付与することとするということになりました。
 そして平成30年,2018年の,ここで文科省令の改正がありまして,そこで現在の社会教育士といったものを称号として授与することが規定され,さらに社会教育士に期待される役割として,NPOや企業等の多様な主体と連携協働して,社会教育施設における活動のみならず環境,福祉,まちづくり等の社会の多様な分野における学習活動の支援を通じて,人づくりや地域づくりに携わる役割が期待されることが明記されました。さらに社会教育主事に任用された方々と社会教育士の連携・協働をきっちりとっていくことが指摘されたということになります。
 そしてその年の中教審答申では,社会教育主事は学びのオーガナイザーであると規定されることになります。社会教育主事は,従来,教育委員会,都道府県それから市町村の教育委員会に一応,社会教育法上は必置になっているわけですけれども,罰則規定がない形なのです。そのためか,必置ではありますけれども,配置が減ってきています。ただ,序機の議論の中で,教育委員会の中にいて指導助言をする役割だけではなくて,むしろ専門職として地域に入り,人々の学びのオーガナイザーとしての役割を果たしていただくことが期待されると,そういうことが,答申に書かれたことになっています。
 なぜ,こういう議論になったかということを簡単に,私も最初のワーキンググループから関わっていましたので,そのときの議論を振り返って少しお話をさせていただきますと,1997年だと伺っていますけれども,平成9年に実は社会教育主事ですとか,それから社会教育施設に関する経費といいますか地方への予算分配が廃止になったといいますか,削除されるということが起こっています。しかも地方分権の流れの中で,様々なものが一括交付金という形で一般財源化されていく動きが出てきたということがまずあります。
 そういうことの中で,多分どこかに資料には入っていると思いますけれども,その過程で平成の大合併があって,分権化の流れが強まったのですが,2012年になりますと全国市長会から社会教育主事の必置規定を外してほしいとの要望が出されたということがあります。それを受けて,2013年に社会教育主事の在り方に関する検討会がつくられてきた経緯があると承知をしております。
 その過程で議論をしたのですが,社会教育主事廃止という議論も当然あったのですけれども,国家資格であるし,社会教育がこれから社会で果たすべき役割を考えると,こういう方々をきっちりと専門職として位置づけて養成をし,さらに活躍していただけるような条件を整えることが大事ではないかという議論になりました。そのため,先の部会,ワーキンググループでは社会教育主事を残すことで議論を進めました。
 さらにもう一つ,社会教育主事が国家資格でなくなることは,各大学が持っている社会教育主事養成課程がなくなることでもあるので,社会教育の研究の層が薄くなることも危惧されたということがあります。そんなことも含めて,きっちりと社会教育主事を残していくという議論になったのです。
 ただ,当時の分権化と主事必置規定削除の要求が出されるような状況では,従来のような主事をそのまま残すこともなかなか厳しいこともあるので,ではどういう形で社会教育主事が,その専門性を生かしながら社会で活躍できるような仕組みに変えていくのかということで,議論が始まりました。その意味で単に,先ほど申し上げたように教育委員会の中にいて指導助言を行うということの専門職だけではなくて,むしろ地域社会に入って,人々の学びをオーガナイズしていくような役割を担っていただけないかという議論になったのでした。
 さらにその過程で2015年の12月ですけれども,中教審から3つの大きな答申が出されました。これはコミュニティ・スクールに関する答申です。特に生涯学習関係では,これ,第1答申というのか,第3答申というのか,地域学校協働答申と呼ばれているものが出されて,そこで学校と地域社会をつなげていく橋渡しをする人材をどうするかという議論が出て,それが地域学校協働推進委員という形で明記をされ,その後,社会教育法の改正もあって現在,第9条の後ろ,7項でしたか,にその規定が入っております。
 その地域学校協働活動推進員の方々を社会教育士という形に結びつけていけないかという議論もあって,地域で学びのオーガナイザーとして活躍できる方々を社会教育士として育成をするという議論が進みました。ですから社会教育主事には発令されていないけれども,社会教育士として専門職ですよという,それが分かるような形で称号を付与できないかという議論になっていたことがあります。その後,2017年に先ほど申し上げたように省令改正があって,3年間の移行措置をとって2020年から現在の主事課程となり,また主事の養成講習になっているということになるかと思います。
 そういう経緯がありまして,現在,社会教育主事の育成については,課程を終えた方々,又は講習で受講を終えられた方々に関しては,社会教育主事任用資格と同時に社会教育士という称号が授与されることになった経緯があります。
以上のことを少し押さえておいていただいた上で今後の,今日以降の議論を活発に進めていただければと思います。自分で時間が気になると言いながら,しゃべり過ぎて申し訳ありませんが,御理解だけいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは,先ほどの黄地さんからの御説明も含めて社会教育人材に求められている役割についてということで,皆さんから御議論いただければと思います。まず御質問ですとか,さらには御意見等ありましたらお出しいただければと思いますけれども,いかがでしょうか。御意見のある方はネームプレートを立てていただくか,会場の方は挙手をしていただくか,さらにはオンラインの方は挙手ボタンを押して意思表示をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 関さん,お願いいたします。

【関委員】
 ありがとうございます。関でございます。先ほどの牧野さんのお話を伺い,私もかなり以前から一緒に関わらせていただきながら本当に今までなかなか進展してこなかったことをいつも反省しております。
 私の場合,三度の社会教育主事発令を経験してきました。一番目は本当に若い 20 代の頃に社会教育主事の経験を 10 年ほどやりました。そして社会教育課に管理職として戻ってきたとき,さらにこれはいいのか悪いのか分かりませんけれど,教育長職を務めたときも自らに社会教育主事発令という形で対応させていただきました。
 その中で特に感じたのは,若い時期の社会教育主事と管理職のときの社会教育主事,さらには全体を見渡す立場になったときの社会教育主事の立ち位置がかなり違っていたことを今,感じます。自分のものの見方も,他者からの見られ方も変わります。
 社会教育主事は,恐らく研修を受けただけではなかなか社会教育主事として認めてもらえる立ち位置には立てない気もします。いろいろな失敗もしながら,いろいろな体験もしながら,そして人とのつながりを広めていく中で社会教育主事になっていくのではないかというのが私の印象であります。そういうものが積み重なっていくと,いつの間にかいろいろなところとの人との関係が生まれてきて,いろいろな事業もともに行うようなチャンスも増えてきたような気がいたしております。
 今回,それともう 1 点,これはどうしても思うのが社会教育主事,社会教育士だけではなくて多分,司書の皆さんであったり,学芸員の皆さんであったり,あるいはほかの立ち位置の社会福祉士であったり,あるいは防災士であったり,いろいろな人が今,専門的に動いてくれていると思います。そういう方々の例えば資格の中にも,社会教育主事講習の中で行っているようなコーディネートの能力であったり,あるいはファシリテーションであったり,プレゼンテーションであったり,そういうものを組み込むことの方がむしろ,そういう専門職の輪を広げていくようにつながるのではないかとも感じます。
 初め,まずはこれぐらいで失礼します。

【牧野部会長】
 関さん,どうもありがとうございます。御自身の経験から,御自分で御自分を発令されたのですか。そういうこともあって,社会教育主事の重要性といいますか,特にただ講習を受けただけ,又は課程を終えただけでは主事にはならないのではないかと。むしろOJTといいますか,現場経験を積んでいく中で本来の意味での社会教育主事になっていくこと,そんなことを考えると今回の議論の方向性でもありますけれども,より広く社会と結びついていく中で人々の学びをオーガナイズしていく役割をきっちりと担っていただけるような人材,そういう方々として育成をする必要があるのではないか。特に図書館司書ですとか,それから博物館の学芸員の方々も,そういう形で社会教育主事的な性格といいますか,そんなことを持つ必要があるのではないかという話だったと思います。
 確かに私も大学で養成課程の授業を持っているのですけれども,最近増えているのですね,受講者が。社会教育士を取りたいと言って受講する学生が増えていて,ほかの学部から図書館司書や学芸員を取りたいのだけれども,社会教育士も取りたいといって受講しているのです。なぜかと聞くと今,多くの社会教育関連施設,図書館や博物館がアウトリーチを始めていて,地域に入る力が必要になってきているからだと言うのですね。そういうようなことも今,関さんがおっしゃったようなこととも関わってくるだろうと思います。どうもありがとうございました。
 ほかの委員の方々いかがでしょうか。塩田さん,お願いいたします。

【塩田委員】
 塩田と申します。よろしくお願いします。初めての参加ですので,また名簿を拝見させていただきますと異質な1名ではないかと自分自身が思っていて,そういった意味で私自身が理解する,なぜ私がここにいるかということも少しお話しさせていただいた上で,幾つか教えていただきたいと思っております。
 肩書としてブランド戦略部長とありますとおり,本来の仕事としましては明治安田生命という会社がよりお客様や社会に愛される存在としてのブランドづくりをしていくところが主な内容でございますが,その中で会社としての方向性として,企業としてのありようとして目指すべきブランドイメージ「ひとに健康を,まちに元気を。」をお届けする,こういう企業というものを目標にしています。
 そういった中で,まちを元気にしていくというところで私たちが何ができるかって言いますと,私たちは相互会社という,つながりを大事にしていく会社ですので,私たちのリソースを使って,ひととひと,ひととまちがつながっていく,これによってまちを元気にしていく役割発揮ができるのじゃないかということを考え,「地元の元気プロジェクト」というプロジェクトをスタートいたしました。
 大分進んできて,今では全国で約900の自治体の皆様と連携協定を結ばせていただき,またそうした連携協定をベースに,例えば公民館ですと全国で2,403の公民館で定期講座を開催させていただいております。昨年1年間でも約4,000回の講座を開かせていただいたりとか,また道の駅で健康イベントを開催させていただいたりなど,様々なつながりの創出するような取組をしています。
 そうした中で関係が深まってくると,自治体の皆様からの要請を受けてアウトリーチのお手伝いをしてもらえないかとか,もっとこういう地域でのイベント開催,一緒にしてもらえないかとか。例えば若者の結婚支援をまちも産業も巻き込んで,皆さんが中心となってコンソーシアムをつくってくれないかみたいな,こういった話が先方からも入ってくるようになってきました。大変ありがたいことですが。そうしたことを地域,地域で全うしていく上で,この社会教育士という称号というのが大いにマッチングするのではないかと思ったのですね。
 今,この資料にもありますとおり,コーディネート能力やファシリテート能力をふんだんに活用してまちのお世話係,しかも一定の称号という安心感を得たお世話係みたいなポジションにできるだけ私たちの会社,私たちの従業員が就くことで,安心感を持ってそうした役割発揮ができるのではないかと思って研究も進めていたところです。
 お恥ずかしながら,社会教育士自体をあまり存じ上げず,先ほどの牧野さんからの社会的認知というお話もありましたが,まずこういう称号があること自体の認知も会社内でそんなになかったですし,4,500人が既にもう活躍されている認知も正直あまりなかったと思います。そういった中で私たちもまずは称号を取ってみて,その称号を取得する過程の中で役割発揮を考えていこうと思うと,実は称号を取得するために参加する門がとても狭くて,我々も,おまえは仕事をしばらくしなくていいから,これに向けて夏は準備せよと言っても,申し込んでも受け付けられないようです,みたいな状態があります。
 お伺いしたいことは,先ほど大学でも専攻される方が多くなってきたとも聞いたところ,なぜそんなに人気が出てきたと自己分析するか。この仕事,この役割が若者も含めて恐らく人気が出てきたのはどういう背景があるのかというところを,これまでの議論の中でどのように分析されるかということと,それを踏まえて,そういう方々を受け付ける間口の広さというものを今どういう方向とか,どういう手法で進めることにしているかと,この辺りを皆様からも教えていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。

【牧野部会長】
 塩田さん,どうもありがとうございました。企業のお立場からということですけれども,今お話を伺っていて,私も先ほど少し申し忘れましたけれども,社会教育主事,社会教育士の議論をしているときに,実は民間の方々にもちょっとしたヒアリングをやっているのです。そしてNPOや企業の方々に,実は社会教育主事という,こういう資格があるのだけれどという話をしましたら,いや,そんな形で地域に入れる人材がいるのだったら雇いたいというところが結構あったのです。
 そういうところも含めてもう少し社会に知っていただくというか,そして社会で活躍できる場所を持てるような専門職としての社会教育主事という議論も一部あったのです。その意味で今の話,とてもありがたいと思って聞いていたのですが,さらに最近ですと私の関係のところですと,企業が社会教育士を取らせたいのだけれどという御相談は結構あるのですね。ただ,なかなか先ほどもおっしゃいましたけれども,受講しようと思うと受付をしてもらえなかったり,いろいろなことが起こったりしているということのようです。
 それについては今回,この部会の中で,講習の在り方についても議論する予定にしておりますので,あとそちらでもいろいろと実態を,もう少し言えば御不満をお知らせいただければと思います。ありがとうございます。
 あと,いかがでしょう。なぜこの3年間でこの4,500名もの社会教育士の,受講者といいますか,取得者が増えたのか。それ以前は,どんどん社会教育主事の任用者が減ってくる中で一時は廃止の議論まで行ったのだけれども,なぜ急に盛り返したのかということですけれども,事務局で,また文科省の方々で何か,いや,こうではないかですとか,又は委員の方々で特に養成に携わっている方々で,こうではないかという,実感も含めてで結構ですので何か御意見ですとか,ちょっとした知見がありましたらお話しいただければと思いますけれども,いかがでしょうか。

【黄地地域学習推進課長】
 黄地でございます。そもそもの背景で,これは私が申し上げることが全てかどうかというところはあるのですけれども,今,お配りしている資料4の最後のページにもございますように,社会教育という名前が仮に付いていない場合であっても,社会教育的な取組は文部科学省以外の行政分野でも様々行われています。
 例えば32ページにございますように農村RMOとか,あと厚労省の福祉の世界での取組ですとか,あとは地域づくりの取組,様々な取組が行われているところでございまして,こういった取組に携わっている方々とお話しする中でも,社会教育士に対して自分も取りたいようなお声を聞いたことがございます。
 これはもともと社会課題の解決の在り方として自助,共助,公助みたいな言葉がありますが,最近よく自助や共助の役割の重視も言われている中で社会教育士という言葉が徐々に浸透してきて,それをその称号を取りたいような学生さんや現場の方も増えてきたのじゃないかと考えてございます。
 あと先ほどいろいろな社会教育人材がいるよっていったような御意見がございましたが,参考資料として30ページ,31ページに様々な社会教育人材の活動役割を端的にまとめたものを御用意してございますので,これも適宜,御参照いただければと考えております。以上でございます。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。実は先ほどの,参考資料の32ページですけれども,今,実は社会教育ですとか公民館というものが文科省の管轄下,又は各自治体の教育行政の範ちゅうにはあるのですけれども,いろいろな省庁が今,実はコミュニティー政策を打ち出してきていまして,その中でいろいろ各地に調査に行ってみると実はしっかりと自治ができている地域があると。そこはどういうところかと調べていくと,実は公民館活動が活発であったり,また社会教育活動が活発であったりすることが分かってきたという表現を取りながら,各省庁が今,実は社会教育を活用したいとか公民館を使いたいとか,そういう意見がとても強くなってきています。
 実は,私も農水省の農村RMOのアドバイザリーに入っていたりですとか,それから厚労省の地域共生社会づくりの,直接はアドバイザーに入っていませんけれども,いろいろ御相談を受けたりですとか,あと総務省の地域運営組織についても少し御相談を受けたりしてきた経緯があるのですけれども,各省庁で住民の自治を基本にしてコミュニティーを自分たちで住民の方々が担っていく,そのために何が必要かと考えていくと,実は最後に行きつくところがこの社会教育であるような議論になってきている面があるのです。
 そういうことも含めて今,この社会教育士という,その称号が出ることによって,主事発令されないけれども専門職として活躍できる仕組みがちょっとずつ浸透してきているのではないかという印象もあります。また,御意見等ありましたらぜひ出していただければと思います。
 私の手元のパソコンがうまく反映できてなくて,大村さんが手を挙げていらっしゃるということなので,大村さん,お願いできますか。

【大村委員】
 愛知教育大学の大村でございます。よろしくお願いいたします。今の地域社会における活用という論点もありますけれども,その前の論点について少しコメントさせていただきたいと思っています。先ほどの御説明にもあったように。
 よろしいでしょうか。愛知教育の大村でございます。今の地域社会における活用という論点も大事だと思っているのですが,その前の議論を少しこの中で取り上げていただきたいと思っています。というのは,この経緯の中で社会教育主事の配置が減ってきていることを説明していただきました。確かに配置が減ってきているわけですけれども,その中には社会教育主事が形骸化されている問題がそこにはあるだろうと思っています。それは二,三年,非常に短期間で配置が変わるような,地方自治体における職員養成といいますか,あるいは職員の人事の考え方としてジェネラリスト養成という方向にこの20年ぐらいですか,強まってきていて,スペシャリストとして社会教育の仕事をされる方がもうかなり少なくなってきたと思うのですね。
 そのこと自体が社会教育主事という職に任用されていても,そのような専門職として力が発揮できないという,そういった問題があると思っています。ですから,社会教育主事をこのまま教育委員会においてそれほど配置しなくてもいいのだという方向にするのか,それとももう一度位置づけ直して全ての市町村,あるいは自治体において行政における社会教育の専門職を置くとするのかということが一つあると思います。
 教育行政職員という,社会教育にかかわらず,特に学校教育中心ですけれども,教育行政に造詣の深い,そういった職員が必要だという議論が小川正人さんなど,そういった議論をされていることに私としては非常に共感するわけで,それが学校教育だけではなくて社会教育においても専門職的な位置づけのある教育行政職員の社会教育分野の方を教育委員会の中に配置していく,その方が社会教育主事に任用されていく,そういったことが一つ考えられないかということを思っています。
 それから2つ目に,社会教育主事と社会教育士というのは何か同列に議論されがちですけれども,それは言葉の内容も性格も違っていると思っていまして,社会教育主事は職名ですね。社会教育士は社会教育に関わる学習や研究,その養成課程において論文のようなものも書いていただいていますので,そうした学習や研究の履歴の証明のような,そういった資格だと思っています。
 ですから,その意味では社会教育士として資格を取った方が社会教育主事に任用されると,そういった筋もあるのかと思っていますが,少しそこは区別して議論していただきたいことが,これが2つ目です。
 そして3つ目に先ほどの論点の地域における活用の問題で,私のところの愛知教育大学は養成課程で毎年養成していることと,講習が東海4県で4年に1回実施させていただいていますけれども,昨年講習を行いました。その中で社会教育主事を目指さない地域の方々が受講されてきている傾向が確かにあります。
 それは一つは,地域学校協働活動推進員になりたいと,そういった目的を持った方,それからPTAの改革が今,各地で行われていますけれども,そのPTAをもっと改革したい,良くしたい方が学習をしに来られてきている。それから,先ほど牧野さんも資料を参照していただいていますけれども,厚労省の重層的支援体制における生活支援コーディネーターであるとか,その支援者の養成,あるいはそうした地域づくりとか支援対象者が主体となって地域づくりに参加していく参加支援という,そうしたまさに地域において地域づくりに携わっていくような人たちが,この社会教育士という資格に非常に関心を持っていると,そんなイメージを持っています。
 ですから,そういった意味では地域活動を活性化させていく,そういった方たちの社会教育に関わる学習研究の履歴の証明といった,そういった意味での活用ができるか,あるいはそうした学習の場においてその地域で活動する方たち,それぞれこの方たちは縦割りで分断されていますので,そこに横串を刺していく,そういった学習の場としての位置づけもできてくるのではないかと思っています。以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。大村さん,こちらの会場に大村さんの声がちゃんと届けられておりませんで,途中から聞き取れるようになったものですから,私から簡単に今のお話を概括しますので間違っていたら修正をお願いできますか。
 最初に社会教育主事,それから社会教育士といったものの社会教育行政の専門職の在り方についてということですけれども,きっちりと専門職として配置をされる必要があるのではないかというお考えだと思います。特に社会教育主事という形できっちりと教育委員会の中に置かれてあるべきであること,さらにその方々が単に社会教育という狭い範囲だけではなくて,むしろ学校教育等とも連携をとりながら現在,コミュニティ・スクールの議論がありますので,学校教育の中で,例えば今,教員にも実は地域学校連携担当教職員という形で配置をしようという議論がずっとありました,法律は変わっておりませんけれども,そういう議論は中教審の中でしてきたこともありますので,その意味では学校教育ときっちりと連携が取れるようなことで,そういう形で,つまり教育行政の専門職としてきっちりと配置をすべきだということが,まず一つあること。
 さらに社会教育士という現在,称号ですけれども,それもある意味では学習歴のような形できっちりと社会的に証明できるような仕組みをつくって,そして先ほど御紹介ありましたけれども今,愛教大の主事講習なんかにも関わって参加されているようになってきた,様々な例えば福祉系の方々であったり,まちづくり系の方々であったり,そういう方々がきっちりと社会教育的な訓練を受けていますということが社会的に証明できるような在り方,資格,又は称号としてきっちりと整備をする必要があるということ。
 そして専門職である社会教育主事と,それから社会教育士という方々も連携を取りながら社会教育,さらには学校教育も含めた学習活動といったことを豊かにできるような人材の育成の在り方,そういった方向で考えるべきではないか,という御意見だったのではないかと受け止めましたけれど,大村さん,いかがですか。もう少し補足があればお願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 今,牧野先生が概括いただいていた音声がWebex上に乗っていないようでしたので,恐らく大村委員がいないところがありますので,一旦,事務局で音声の確認だけ,少しお時間頂きたいと思います。恐れ入ります。

【牧野部会長】
 今,事務局から,私がしゃべった音声が今度は,Webexに乗っていないという御指摘がありましたので,一度,音声の確認をしたいと思います。少しお時間を頂きます。お願いいたします。
 一応問題は解決したようですので,一言,事務局から御説明いただいて議事を進めたいと思います。お願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 事務局の中村でございます。オンラインで御出席いただいている委員の皆様のお声を拾う会場のパソコンが少し止まってしまいまして,新しくパソコンとスピーカーを設定し直すような対応をさせていただきました。こちらの事務局からの音声がオンラインの皆様に問題なく聞こえておりましたら,オンラインの方は聞こえていることを画面上で何か表現していただけますでしょうか。大丈夫だそうでございます。大変失礼いたしました。部会長,よろしくお願いいたします。

【牧野部会長】
 大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。再開したいと思います。先ほど大村さんからお話しいただいたのですが,実は大村さんの音声がほとんどこちらに届いておりませんでした。また同じことを言ってくださいというのは申し訳ないので,私から簡単に概括をさせていただきますので,私が聞き取れた範囲でまとめますので,補足等ありましたらお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 社会教育主事とそれから社会教育士の在り方についてということですけれども,最初,うまく聞き取れなかったのですが,きっちりと教育行政の専門職として教育委員会に配置をされるべきではないかということです。社会教育主事が,ですね。そして社会教育主事の専門性をきっちりと生かした上で社会教育の実践,さらには学校教育との連携等も含めた形で専門性を発揮していただけるような体制をきっちりと取る必要があるのではないかということ。
 それからもう一つは社会教育士ということですけれども,こちらはより広く社会教育的なことを学ばれたことが証明できるような,例えば,まだ今後これから議論になるかもしれませんが,デジタルバッジのようなものも含めて,学習履歴としてきっちり残すような形で社会教育士というものが位置づけられていき,さらにこちらの資料の32ページにありますように従来の社会教育という範囲だけではなくて,むしろ福祉的な活動であったり,さらにはまちづくりなど,様々な領域で社会教育のことをしっかり学んで地域に入る力を持った者であることが証明できるような仕組みとして,整備をする必要があるのではないか。
 さらに社会教育主事ということであれば,当然これは学校教育との関わりもありますし,今のコミュニティ・スクールづくりとの関わりもありますので,そういう形で,きっちりと学校との連携も取れるような仕組みを考えていく必要があるのではないかということ。そうおっしゃったのじゃないかと思いますけれども,大村さん,いかがですか。少し補足をお願いできますでしょうか。

【大村委員】
 どうもありがとうございました。1点目については,専門職としてというところでそのとおりですけれども,学校教育を含めて教育行政職ですね。スペシャリストとしての教育行政職を教育委員会の中に位置づけていくこと,その中で学校教育と並んで社会教育のスペシャリストとして社会教育主事を位置づけていただくような,そういった運用ができないかということが一つ目でした。つまり今,社会教育主事の配置が減っているのはその内容が形骸化されている実態を反映していると思いますので,それを実質化していくと,そうした取組が必要だというのが1つ目です。
 2つ目は,社会教育主事と社会教育士という言葉の性格の違いですね。牧野さんが言っていただいたように学習の履歴の証明としての社会教育士とした方がいいとお話をしました。
 3つ目,学校教育との連携というのはあまり僕は言わなかったのですけれども,実際に講習で参加されている方が地域学校協働推進員を目指して社会教育士の称号を取りに来ていると,そういうことを少し御紹介しました。
 一つ,先ほどお話ししたのは社会教育士の講習であるとか,あるいは養成講座が今,縦割り化されている地域活動の担い手をつなぐ,横串を刺してネットワークをつくるという,そういった役割が持てるのではないかと思っています。現在,私たちがやっている社会教育主事の講習はそうした社会教育主事のネットワークづくりを非常に重視していますけれども,それは社会教育主事に限られるわけではなくて,様々な地域活動の方がそこに入ってきていただいて,ネットワークをつくることを構想していけるのではないかということを最後少しお話ししました。以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。失礼しました。私の思い込みもあって学校との関係を言ってしまったかもしれません。ありがとうございます。
 基本はきっちりと教育行政の中に社会教育主事というスペシャリストを位置づけておくことと,さらにはより幅広く社会教育について学び,活躍できる人材としての社会教育士ということ,そういう位置づけをきっちりとすべきではないかという御発言だったと思います。どうもありがとうございます。
 続きまして,トラブルがありまして申し訳ありませんが,原さんからお願いできますか。

【原委員】
 東北学院大学の原と申します。よろしくお願いいたします。私から少し今のところに関わりまして3つほど申し上げさせていただきます。
 重なる部分もありますし,恐らくこれまでの議論の中でも出ていたことかもしれませんけれども,1点目は社会教育の裾野の広がりというところと関わるのですけれども,社会教育主事の専門性,あるいは専門職ということを強調するとすれば当然,社会教育主事としての固有の領域というか独自の分野,あるいは独自の活動分野というのがあるべきというか,あるはずだろうと思います。
 そうすると社会教育主事は,先ほど大村さんからありましたけれども,教育行政の中でのスペシャリストと,そこはまさに独自の領域だと思うのですが,ただ,今後広がりということを考えていくと,これは連携領域というのか,あるいは境界領域というのか,そういった分野をいかに開拓していくのかというところになるかと思います。これは,先ほどの例のところにもあったと思います。
 これと同時に社会教育士においても独自の領域というのが設定できるのかどうか。恐らく私はできると思っておりまして,例えば公民館とか,従来の社会教育と言われていた分野については独自の領域で,社会教育士としての能力を発揮していただけるのではないでしょうか。一方で連携領域ということになりますと,社会教育主事の連携領域と社会教育士が捉える連携領域というのは恐らくずれてくるのではないか,ずれるというか,違うところに広がっていけるのではないか。そのようにして示していくと社会教育主事の方も,あるいは社会教育士の方も自分がまさにここにいるのだと,そういう自分の立ち位置もきちんと持てるものと思います。何となく今のところ,ほかのところと連携しながらというようなところが多いのですけれども,その点が一つであります。
 それから2つ目が,地域づくりというところに向かっていくに当たって,個人の捉え方でいくと,これは古い捉え方ですけれども,安心して住める,それから働ける,そして学べる,それから地域に住んでいて楽しめるとか,大体この4つの行動というか活動ができることがウェルビーイングにつながっていくように思います。
 そうすると,そこに社会教育主事や社会教育士が,住む,働く,学ぶ,楽しむ,そういった面にどう切り込んでいけるのか。今まででいうと学ぶとか,あるいは楽しむという面はかなりできていたのですけれども,安心して住むとか,あるいは働く,今であればリスキリングとかリカレント教育とありますけれども,働くことに何か社会教育士が関われる分野があるのではないかと思います。
 あと3つ目は,社会教育主事のカリキュラムが変わったこともあって,今後どのように変わっていくのかですけれども,キャリアアップというか資質の向上ということであれば,初級,中級,上級というような少し専門性のレベルをつくっていく中で,社会教育主事や社会教育士の資質向上を考えていってもいいのではないかと思いました。以上です。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。今,原さんからは社会教育主事の専門性,また社会教育士の専門性を考えるときに,固有の領域といったものがあるのではないかということと,さらにはそこを,例えば主事の専門性とほかの領域をつなげるような連携領域,又は境界領域という在り方もあるのではないか。その辺りを少しきっちりと見ていくことによって,それぞれの特性といいますか,又は専門性といったことが見えてくるのではないかということ。
 さらに社会教育主事の役割として,教育行政のスペシャリストということではあるわけですけれども,地域づくり,特に住む,働く,学ぶ,楽しむというようなことに関わるような仕事といったことがこれから地域づくりとの関わりで必要になってくるのではないかということ。
 (館内放送入る)いろいろと妨害が入りまして,すみません。大変な部会になりましたけれども。
それでさらに養成の仕方として現在,課程を終え,又は講習で終わりという形になってしまっていますけれども,例えばキャリアアップができるといいますか,初級,中級,上級という形で学び続けてキャリアアップできるような仕組みも必要ではないかというお話だったと思います。ありがとうございました。
 次に,野津さんにお願いしたいと思います。今,社会教育主事と社会教育士ということで議論が分かれてきているような感じを受けます。現行は社会教育主事の養成課程を終えたり,又は講習を終えたりすると社会教育士という称号が付いてくる仕組みになっているのに対して,多分皆さんでは分けて考えた方がよいではないかというお考えで御発言されているのではないかとも受け止めております。
 野津さん,お願いいたします。

【野津委員】
 島根県教育委員会の野津です。よろしくお願いします。
 今の資料を見たり,御議論を聞いていると,島根県って日本ではないのかと思いながら聞いていましたけれど,恐らく30年先の人口構造に島根県は今,なっていますので,高齢者が既に絶対数が減る,2年前から減っていると。全国で4県ありますけれど,去年からあと20県ぐらい減り始めています。東京は,東京のホームページによると2050年が高齢者のピークなので30年先になると。
 こういった社会のというか,地域の在り方は先進県でありますので,うちの県って市町村で社会教育主事を配置していない市町村はないのですね。今,59市町村が19に合併しましたので,19のうち18は県教委から教員の派遣社会教育主事を受けていると。1か所,受けていないのですけれど,これは教育長さんが社会教育主事で,役場の職員をかなり社会教育講習を受けさせている自負があって,県より進んでいるという自負があって,そういった全体として県の最上位計画にも社会教育が載っているという,そういった地域であります。
 今の,この2年間で4,500人ですか,社会教育士の称号,うちの県が186人ですので大体4%,人口が,人口全体でいうとうち,全国の0.5%ですのでかなりの受講率といいますか,求めている,あるいは求められているという社会構造があるのだろうと思っています。
 私は平成23年に社会教育課長をやっていたので,そのときに教育委員会事務局にいない経験者の称号が欲しくて,校内社会教育主事とか,公民館社会教育主事というのを名乗っていいかと文科省さんに聞いたらいいよって言われたので,県単位でつくろうとしたのですけれど,私が先に異動してしまったので実現できなかったんですけれど,それで社会教育士ができたということでいいのですけれど。
 今の資料の4ページの平成元年度以前に講習を修了した人が社会教育士の称号をストレートに取れない,自然に取れないことは一つ問題だと思っていまして。例えば平成元年度以前に終了した人も社会教育主事の経験が3年以上あれば称号をあげていいと。むしろ,うちの県なんか,この講習の講師とか,いろいろなお手伝いをしている人間が称号を持っていないこともたくさんありまして,引退してから,あるいは事務局を出てから冠は必要ですので,3年がいいかは別にして,経験年数をもって自然と社会教育士が名乗れるような制度づくりをぜひお願いしたいと思っています。
 それと,うちの県で社会教育主事の一つの大きな活動の場面というのは学校なのですよね。小中学校。うちの県の公立の小学校,中学校の全学年全クラス,年間35時間以上ふるさと教育をやることになっています。地域の人たちに入ってきてもらって地域を学び,地域から学ぶということをしているときに,そのコーディネーターとして社会教育士,市町村の社会教育主事,学校と関わると教員籍,教員でないと,普通の地域の方,学校って非常に大きな壁があるので,教員籍の社会教育主事が学校と地域を取り持ってうまくつなげていくと,こういったところに大きな活躍の場面を用意してあります。
 そのことによって地域の人が学ぶ,子供たちももちろん恩恵受けますけれど地域の人たちも子供たちに教えること,関わるということで大きな学びを得る機会があります。そしてもちろん社会教育主事は公民館等の活動の支援をしておりますし,その片方で民間の方であったり,公民館の方が社会教育士を取ってそちらからのアプローチもすることは盛んに行われています。
 そして最後の32ページにある小さな拠点ですね。うちの県が今言いましたように過疎化,少子化,高齢化等,先進県でありますので,ここの地域を守る取組というのは県の最大の課題となっております。ここに行政として,県として,あるいは市町村として地域に入っていって,地域をどう守っていくのかという話合いを300の集落でやっています。そこに社会教育士なり社会教育主事といった人,あるいは経験者が入ることは議論を引き出せる,私は資格を持っておりませんが,うちのスタッフの一番いいところは人の話を聞き出せる,人の考えを引き出せると,言語化させることができると。この能力が一番魅力だろうし,恐らく企業の方が欲しがるのもそういった能力だろうと思っています。
 そういったことに長けている,そういったトレーニングをする,講習を受けてトレーニングする,あるいは実践でトレーニングをすると。そういったことで,地域においても資格が要るか要らんかといったら必ずしも必要ではないですけれども,そういった能力があれば必要でないかもしれませんけれど,信用として地域から地域住民の方から信用されることとして冠が欲しい,称号は欲しいと。なので,最初に申し上げたとおり,社会教育主事講習を受けて,あと2科目足らない人も冠が欲しいということで,ぜひそういったこともこの際,お考えいただければと思っています。以上です。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。島根県,社会教育の先進県だと思いますけれども,先ほどもお話ありましたように19市町村に18市町村は派遣主事がいて,私,もう一つどうかと思っていましたら教育長さんが主事なのですね。もう全市町村に主事が配置をされている形の中で,多分,現行の在り方を最大限に活用していただいているのではないかと思います。
 これまで,地域で活躍される方々に社会教育主事の発令はなかった。だけれども,現行の制度ですと実はカリキュラムを変えたことがあって,2つ,2科目,学び直さないと社会教育士の称号が出ないことになっていて,社会教育士の称号も得られない。しかし,そこを経験がカバーするだろうということで,特に今お話ありました,人の話をきっちりと聞くこと,引き出すということ,そして住民の方々の思いを言葉にしていくこと,そんなことも含めて経験が物を言うだろうから,むしろ年数は今,3年とおっしゃいましたけれども,また検討の余地があるかもしれませんが,社会教育主事の講習を過去に受けた向けた方々,又は課程を終えた方々にも社会教育士という称号が出るようにできないだろうかと,そういうお話だったと思います。
 できると私もありがたいのですけれども,私も課程を学んだままになっていますから,ここにも多分そういう方々もいらっしゃるのじゃないかと思いますが,またそういうを検討したいと思いました。ありがとうございます。
 それでは倉持委員,お願いできますか。倉持さんですね。すみません。「さん」の話のとき,いらっしゃらなかったですよね。「さん」付けにします。

【倉持委員】
 遅れて出席させていただきました。

【牧野部会長】
 お願いいたします。

【倉持委員】
 よろしくお願いします。先ほどから社会教育主事と社会教育士というのを分けて考える意見が,いろいろ出てきたと思います。私も社会教育主事がきちんと配置され,制度をちゃんと整備し,さらに配置を広げていくことが重要だと思っている立場です。本日の資料4の2ページ目とか3ページ目の整理というのは,社会教育主事と社会教育士の関係を,整理し議論していくために,分かりやすい資料だと思いました。
 一方で社会教育主事養成課程の立場から言うと,この社会教育士という称号ができたことは一定程度,学生たちの進路に関わる問題として,積極的に捉えている大学が多いのではないかと思います。社会教育主事の養成課程を持っていても,実際に社会教育主事になるのは非常に難しいのだというような説明を多くの養成の担当教員なんかはしながらも,熱心に養成・教育をしているわけですけれども,社会教育士という称号ができたことによっていろいろなところで活用してもらえること,より積極的に発信していけることができるようになった。それによって,先ほどありましたように養成課程においても受講者が増えていることにも反映しているのではないかと思いますし,本学においても文科省が作成した社会教育士のポスターとかパンフレットを見て受講をしたような学生もいたりして,そういうきっかけにはなっているかと思います。
 社会教育士ということについて,まずは様々な教育に関わる施設の職員だったりとか,自治体の職員だったりという方々に積極的に取っていただく,こちらもそういった職につなげていくような取組も必要かと思います。
 実は今日遅刻しましたのは埼玉県所沢市の公民館運営審議会に出席していたためですが,答申を出す日だったんですけれども,それが「これからの公民館の在り方」についての答申でした。まちづくりセンターと公民館を一元化する議論の中で,しかし公民館の機能を維持,堅持,発展させていくためには社会教育主事の称号を持つ職員をきちんと,より多く配置することや,積極的に資格を取ってもらおうというようなことがこの答申の重要な項目として位置づけられています。
 本部会には公民館職員の委員さんもいらっしゃるようなので,ぜひ後でコメントいただきたいと思うのですけれども,社会教育施設の職員さんたちの社会教育士に対する関心や意欲というのは高まっているかと思います。私の周りでも,称号を取ったとか取りたいという声はたくさん伺います。
 あと,例えば本学で言いますと多文化共生だったりとか,ソーシャルワーク,社会福祉だったりとか,近接領域の学生たちが非常に関心を持って社会教育主事養成科目を受講し始めています。本学は教育学部単科大学ですが,教員を目指す学生たちも社会に開かれた教育課程ということで,新しい教員の役割って何だろうということを考えて,熱心な学生ほど教員免許を取るプラス社会教育士も必要じゃないかということで取って,周りにも取った方がいいよ,なんて広げてくれたり,こちらとしてはありがたい限りですけれども,そんなような形で関心や意欲が高まっていると感じます。
 そうなってきますと,社会教育主事や社会教育士の専門性や求められる能力とか役割ということに関心が向かいます。先ほども幾つか御紹介いただいた実践の現場やそれぞれの取組からのこういった能力が求められる,発揮されているというお話は非常に勉強,参考になりました。先ほどの資料の3ページの表で言いますと,社会教育主事と社会教育士に求められる能力とか知見というのは横断的に書かれておりまして,社会教育主事は学びのオーガナイザー,社会教育士は各領域でと整理されていますが,今後さらに意見交換しながら,その専門性や能力の中身の部分をもう少し提示できるようになっていきますと,社会的な認知の向上とともに質の高い社会教育主事,社会教育士,それからそれをどう養成するかというところの議論に関わって深まっていくのではないかと思います。
 大学等での養成課程や社会教育主事講習での資格・称号取得ということとともにその後どう継続的に専門的な力量を形成していくか,という社会教育人材の継続教育というか,社会教育に関わる職,あるいは社会教育士・社会教育主事の研修,力量形成も併せて検討する必要があると思います。制度改正後,少し数は減ってしまいましたけれども107校の社会教育主事養成校がありますので,そういったところとも連携協働しながらその継続的な力量形成という部分に取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。これからの議論からも勉強させていただきながら,この辺を一緒に考えていきたいと思います。以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。今の倉持さんの議論もありますけれども,過去,先ほど私も少し御説明しましたように社会教育士という称号がつくようになったことの経緯があります。これは例えば社会教育主事というものが廃止をされそうになっていることに対して,きっちりと社会的に認知を広げながら,主事は実は発令をされないと主事ではないことになっているので,実は社会教育主事という資格ではなくて任用資格であるので,もっと社会的に活躍できるようにする必要があるのではないかということ。そして任用が減っていくと,さらには社会的にある意味では形骸化が始まっている中で廃止論があること。それに対して,もう少し社会的な認知を広げると同時に,むしろ教育委員会の中で指導助言ということだけではなくて,社会に出ていくことも含めて,その専門性に対して称号が付与できないかということで,ある意味ではこれ,語弊があるかもしれませんが,窮余の策みたいな形で社会教育士という称号がつけられた経緯があるのだろうと思うのです。
 ただ,今回の皆さんの御議論はむしろそこをきっちりと分けた上で専門性もきっちりと切り分けをして,社会教育主事としての役割,又は社会教育士というものの役割,そんなことを含めて専門性を考え,さらには養成課程の在り方もきっちりとしていく必要があるのではないかという御議論ではないかと思います。
 ここまでのいろいろ関わっていらっしゃる方々のお話は,むしろ社会教育士というものの称号をつくった経緯,そのときの意図を超えて,多くの方が,社会教育士に対する様々な期待を持ってくださったり,さらにそれを活用しようとするような動きがあったり,さらにそれを受けて新たに社会教育主事の見直しが始まっていたりですとか,そういう意味では新しい展開になっているのではないかと受け止めています。
 そこで今回,この部会で社会教育主事の在り方,又は社会教育士の在り方といったことをしっかり議論した上で,今後,社会教育の専門職の在り方をどうするのかと,そんなことに話が展開でき,さらには養成の在り方,さらにカリキュラムについても議論ができればと思いますので,またぜひともよろしくお願いできればと思います。
 取り回しも,あといろいろトラブルがありまして時間が迫ってきておりますけれども,実はもう一つ議題がありますので,議題2についてはここまでにさせていただきまして,もし御意見等ありましたらまた後から事務局にお届けいただければと思います。
 それでは議題3ですけれども,社会教育人材ネットワークについて,御説明を神山さんからお願いしたいと思います。お願いいたします。

【神山生涯学習推進課長】
 それでは資料の5に基づきまして,社会教育人材ネットワークに係る調査や方向性につきまして御説明をさせていただきたいと思います。既に生涯学習分科会で社会教育人材のネットワークが重要であると,また工程表として資料5の1ページ目にございますように,ネットワークの手法の調査や検討をしていくことになってございます。
 この手法などにつきましては,技術的な部分については恐らく事務局で進めているということで,この部会で細かいことを議論するということではないとは思っておるのですけれども,今後,社会教育人材の活躍の機会ですとか,場を広げていくときにネットワーク化をどうしていくかは関わってくるかと思いますので,こちらで,こちらというのは部会での方向性について御理解をいただければということで御説明をさせていただいているわけでございます。
 その次のページ以降は既存の資料でございますけれども,地域の学びと実践プラットフォームということで,社会教育人材のネットワークを行政だけではなくてもっと広がりのあるものとして人材ネットワークをつくっていく話になってございます。
 ただ,その次のページ3ページ目にもございますけれども,課題の丸1にありますように社会教育人材がどこに,どなたがいらっしゃるのか分からないですとか,課題の丸2のように継続的な研修やつながりの維持の機会がない。また課題の6のところにございますように専門性を生かせるような場が少ないこともありまして,それへの対応として社会教育人材ネットワークというのを活用していけないかという議論であったわけでございます。
 次のページを御覧いただきますと,先ほど申し上げたように社会教育士をはじめとして行政だけではない幅広い人材のコミュニティーをつくっていくことがネットワークということで求められておるのかと思っておりますが,具体的な想定される機能といたしましては地域内,あるいは地域の外で,そういう地域を越えて社会教育士などが緩やかにつながっていくこと,また研修の情報など継続的な学びの機会に関する情報が提供されたり,地域やトピックごとの関心のある社会教育士が緩やかに集まって,経験の共有ですとか交流ができること。また行政機関の施策や,あるいは社会教育士さんが自主的な主催するような事業などでも協力依頼や相談などができることが求められる機能として考えられるのじゃないかと考えてございます。
 次のページに,調査や検討の方向性と書かせていただいておりますけれども,本年度につきましては社会教育士や社会教育主事を主たる対象として取組を進めると書いてございますが,将来的には冒頭申し上げましたようにもっと広がりのあるものと考えておりますけれども,まずは社会教育士や社会教育主事のつながりというところから,そこに焦点を当てていければということで考えてございますが,社会教育人材というのは多様でございまして,主事だけではなくて養成課程の学生さんですとか,さらに広い方々がネットワークを活用していくことを考えながら,また実現可能性なども踏まえながら検討していく必要があろうかと思ってございます。
 その意味で今後議論を具体化したり,あるいは早期の実施に資するように関係者からの意見の聴取をさせていただいたり,あるいは社会教育士の関係者の方々などの協力も得ながら具体的にネットワークをつくっていくときの課題などを特定していきたいと考えておりますし,オンライン上でどういったネットワークにする方がいいかといったような点については,文部科学省で利用可能な環境なども使いながらその検討をしていくということで考えておりまして,そうした取組を事務局でも進めさせていただいて,その進捗状況を報告しながら部会で御議論いただく社会教育人材の活躍の場を広げていくといったときの議論に役立てさせていただきたいということで,今年度中を目途に,検討の進捗状況を報告させていただければと考えてございます。私から以上でございます。

【牧野部会長】
 神山さん,どうもありがとうございました。社会教育人材ネットワークに係る調査・検討の方向性ということで今,御説明いただきましたけれども,既に令和5年の今後の社会教育士,社会教育の振興策についてということの中で,社会教育人材のネットワークについて検討することが指摘されておりますし,それから今回,この3年間にわたる社会教育主事,社会教育士の養成の課程と講習を経て4,500名を超える方々が社会教育士の称号を取得されていて,その方々からも緩やかなネットワークですとか,情報交換ができるような場所ですとか,さらには今後,研修につながるような様々なネットワークの在り方を検討してもらえないかという御要望も出てきておりますので,まずは文科省を中心にしてきっちりとした枠組みといいますか,ネットワークの在り方を検討したらどうかということで,今回この議題3に挙げさせていただいております。
 時間が気になりますけれども,部会長権限で10分延長させていただいてよろしいでしょうか。もし御都合のある方は途中で退席をしていただいても構いませんので,それでは12時10分まで議論を進めたいと思います。この社会教育人材ネットワークに関する件で御意見ですとか,又は御質問等ありましたらお出しいただければと思います。お願いいたします。
 では伊藤さん,お願いいたします。

【伊藤委員】
 伊藤でございます。現場の公民館の職員と社会福祉士でもありますので,社会福祉士と社会教育士の比較で意見を述べさせていただきます。私が勤めています公民館は東京都小金井市です。先ほど野津さんからあった公民館とは全く違いまして,都市型の公民館,都市型というのが適切かどうか分かりませんけれど,個人化が進んでいる地域です。その中において人とのつながりをどうつくっていくかはとてもハードルが高く感じています。そういったところでも社会教育士,先ほど原さんからありました独自の分野,連携領域というところで,ぜひ社会教育主事はスーパーバイザー的な感じでマクロ的な視点で現場の皆さん,ミクロ的に活動するような感じで社会教育士が対応しましたことに対して,スーパービジョンをしていただけるような体制があるといいと思います。そこは,社会福祉士はそういう体制があります。
 学習歴が,学習履歴というお話が牧野さんからありましたけれども,基礎研修1から3まで社会福祉士ありまして,その後スーパービジョンを受けて認定社会福祉士と,そういう人財。そういう人材から,人財って財産の財と書くのですけれども,そういう体制が社会福祉士にはあります。なので,そういったところで経験を理論に変えるとか,学んだことを実践に生かす仕組みづくりというところをできるといいかと思います。非常に公民館,自治公民館と地域によって公民館は違うというところ,そこを公民館一つということで議論するのは非常に危険かと思います。それに対応できる社会教育士というのが目指されるところなのかと思いました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。社会教育士,社会教育主事,さらには今現在,社会福祉士ですか,のお立場から,特に都市型公民館を持っていらっしゃる小金井市の事例を基にして,社会教育主事の養成の在り方,特に今現在,一括で養成されて,あとは現場経験でみたいな形になっておりますけれども,もう少しきっちりと先ほどのキャリアアップではありませんけれども,きっちりと研修制度をつくっておくこと,さらにはそれぞれの公民館の特性があったりですとか,多様性こそが社会教育の命でもあるので,そんなことを生かせるような人材の育成の在り方といったこと,そうしたことが考えられないか。それと現在,議論をしようとしていますネットワークの在り方を結びつける中で,きっちりとした研修制度を考えていかれないかという御発言だったと思います。どうもありがとうございます。
 ほかに御意見等ありますでしょうか。古賀さん,お願いいたします。

【古賀委員】
 古賀でございます。人材ネットワークについては,総論的にはあったらいいだろうと思うのですが,私は中間支援組織としていろいろなコーディネーター的な活動を主としておりまして,これまで各種のつながりをもとにしたネットワークをつくってきた中で,成功した体験もあれば失敗した体験もありまして,その視点から意見をさせていただきます。
 資料5の4ページを拝見しながら意見します。ネットワークづくりをするにあたって,「同じ立場の人たちとつながりたい」というニーズが既にあるというお話がありましたが,つながることを目的にネットワークをつくっていくと,日を経るごとにだんだん熱い人だけが残っていって,情報だけが欲しいとか,最新の事例情報をアップデートしたい方々が離れていかれるおそれがあると思っております。
 議題(2)でも申し上げたいことがあったのですが,専門職としての社会教育主事なり,社会教育士の質を向上して確立させていくためにネットワークがとても有効に働くのではないかと思ってはいますが,例えば他の国家資格とかでは更新制になっています。例えば5年おきとか3年おきとかの更新制度がある傍らで,例えば「建築士会」とか,そういう業界の団体もできていく。それら業界団体もまた独自に研修をやっておられます。
果たして現実的にできるかどうか分からないですけれども,ネットワークをつくりつつ,専門職としてしっかり育てていくために更新制度を設け,学びのアップデートなりスキルアップなりをもう定期的に織り込んでやっていって,「これは必須」ぐらいの立てつけでやっていかないと,ともするとだんだんネットワークが乏しくなっていくのではないかという不安を感じております。
 現場の皆さんもなかなかお忙しい方も多いと思うのですけれども,緩やかながらも非常に戦略的,かつ,前のめりの構築の仕方が必要かと感じた次第です。以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。中間支援組織を運営されているお立場からということで,つながりということだけを基本に考えてこういうものをつくっていくと,どうしても熱のある方というか,熱心な方だけが残ってしまって,その周辺にいらっしゃる方々が離れていってしまうという経験があると。
 ほかの業界ですと更新制を持っていて,そしてきっちりとそこで団体ができていって更新がなされていくことにもなっているので,それがこの社会教育主事や社会教育士という人たちにそぐうものなのかどうなのかといったことも含めて,検討をしていく必要があるのではないか。むしろ緩やかにつながりながらお互いが高め合っていけるような関係,そしてつながっていることが逆に言えばありがたいと思えるような関係をどういう形でネットワークの中に組み込むのかといったようなことを御指摘されたのではないかと思います。どうもありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。関さん,お願いいたします。

【関委員】
 関でございます。本当に今,私どもが思うのは,つながりがあって初めて安心していろいろな活動ができるのではないかということを感じます。社会教育士の称号をもらっても,多分何をやったらいいか分からない,そういう状況下で全国でいろいろな活動をしている人がいると思いますので,とにかく社会教育士の資格を取ったら,そのメンバーになれるみたいなプラットフォームというか,自分がそこに帰属できているだという仕掛けをつくってもらって,当然,自由参加でいいと私は思っておるのですけれども,何か不安なことがあればその中に投げ込んだ自分の質問に誰かが答えてくれるような繋がりの仕掛けがあればいいと思うのです。
 もう十数年前ですか,公民館の海援隊という仕組みができたのは,私もそのメンバーの1 人だったのですけれども,全国であのときは 20 の公民館だったか,30 だったか,それぐらいしかメンバーには入っていなかったのですけれど,そこの中では本当に自分たちの日頃の悩みであったり,いろいろな新しい取組に対しての興味関心みたいなもののやり取りがあったような気がします。
 そのメンバーがやって来てくれたり,私も訪ねたり,メールや電話で情報交換したことがとても有意義でした。またいろいろな人がいたり,事業が協働でできたことも自分たちの励みになったような気がします。社会教育士4,500 人全員がつながることはなかなか難しいかもしれませんが,一昨年度,生涯学習推進課が全国の社会教育の仲間をオンラインでつないでいただいた 2 回の研修,交流の会合があったかと思うのですけれども,あのような交流が日常的に誰かの発議で開催できるような場があれば,新人の社会教育士にとっても励みやチカラになるのかと思います。
 それと多分,学習歴だけではなくて,活動歴が何か蓄積できる実績を残していける仕組みがあったら,社会教育士がどんな活動をしているか,できるのかが見えてくると思います。それが社会教育のプラットフォームの上にデータベース化していくような仕掛けができたら,新しい我々の活動は広がっていくのかとも思います。以上です。

【牧野部会長】
 関さん,どうもありがとうございました。御自身の経験からですけれども,社会教育主事,社会教育士という方々が孤立をしないように,そしてその方々に何かあったときにすぐ相談ができたりですとか,お互いに経験交流等ができるようなプラットフォームとして,こういうネットワークができていったらよいのではないかという御発言だと思います。
 特に,先ほどまでは養成の問題でずっと議論してきましたけれども,さらに活動歴のようなものもきっちりとそこで把握ができるといいますか,そうなるとそれをどういう形で今度見せていくのかというか,例えばデジタルバッジみたいなものを整備するとか,そんなことも含めてそれぞれの資格といいますか,その専門性の在り方といったことをきっちりと担保しながらお互いが交流できるような仕組みづくり,それができることが望ましいのではないかというような御発言だったと思います。どうもありがとうございます。
 それでは,そろそろ時間がやってきてしまうのですけれども,オンライン上の方々もよろしいでしょうか。では最後に,青山さん,お願いします。

【青山副部会長】
 青山です。前回,社会教育主事講習,主事課程の内容を改定しましたときに,いろいろな方に受講していただきやすくするようにスリム化をすることも一つ前提でした。そのときに,社会教育主事あるいは社会教育士になった後にどうやって継続研修や学びの機会を確保するかということとセットで改定を行ったと承知しているわけですけれども,その後の学びの体制をつくるのはなかなか難しかったかなというか,まだまだこれから整備の途上かと思っています。
 より積極的に考えれば,この仕事あるいはこの役割というのは,講習等で知識や訓練をたくさん受けて身に付くような,トレイナブルな部分もちろんあるのですけれども,むしろ社会教育主事や社会教育士として活動し始めてから学ぶことで,専門性が伸びやすい領域でもあろうと思いますので,この領域をきちんと整理していくときにこのネットワークができるといいのではないかと思います。
 そのときに私の大学がある埼玉県は独自のネットワークがある地域もありますし,あるいは栃木県のように,今日井上さんは御欠席ですけれども,各学校の地域連携担当教員に全員有資格者,つまり社会教育士を配置していこうとする仕組みなど,県レベルでの様々な仕組みが既存のものがあるようにも思います。こういったもののメリット,デメリットやいろいろな事例を把握した上で,地域によって継続的なネットワークの資源が既にある人々と,ない人々の差がかなりあるような気がします。この辺りの整備にこういった国レベルでのネットワークをつくっていくことが重要になるのかと思いますし,ゆくゆくは(2)のところにも関わりますけれども,前回の主事講習のカリキュラム改定は社会教育士の制度を前提にした内容ではなかったので,社会教育士がいる時代の社会教育主事課程においては,また新たなカリキュラムの体系化なども次の課題になっていくのだろうと思って今日,聞いておりました。ありがとうございます。以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。そろそろ時間も来ますし,この辺りで締めさせていただきたいと思いますけれども,今までは社会教育主事をベースにして称号として社会教育士が授与される仕組みになっていたわけですけれども,今日の皆さんの御議論を伺いますと,社会教育主事と社会教育士をきっちり役割を分けていくというか,専門性をきっちりと考えた上で養成の在り方ですとか,その後の研修の在り方ですとか,さらには経験を積んでいくことの中でどういう人材が育ち,どういう形で社会に展開をし,新しい社会基盤をつくっていくように進んでいくのか,そんなことをきっちりと検討する時期が来たのだと皆さんおっしゃったのではないかと受け止めております。
 今日は取り回しがうまくなく,申し訳ありませんでした。多分,今いらっしゃる方全員に発言していただいていると思います。山本さんが帰られてしまったので,また後から連絡を取っておきますけれども,またもし御意見等ありましたら事務局にお届けを頂いて,さらに議論を深められたらと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,進行を事務局にお返しをしますので御連絡等をお願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 事務局から連絡事項でございます。資料6を御覧ください。今後の審議予定をお示ししております。次回は6月28日木曜日17時から19時30分の開催を予定しております。第3回以降につきましては,記載のとおりでございます。事務局からは以上でございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。それでは次回ですけれども,6月28日の夕刻になりますが17時から19時30分,5時から7時30分となりますので,ぜひとも御参加をお願いしたいと思います。
 それでは,本日の社会教育人材部会はこれで閉会とさせていただきたいと思います。御出席の委員の皆様,長時間の御審議どうもありがとうございました。また,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

―了―

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