【参考資料5】公民館、図書館、博物館における設置及び運営に係る基準(抜粋)

公民館、図書館、博物館における設置及び運営に係る基準

公民館 
○社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)
(公民館の基準)
第二十三条の二
   文部科学大臣は、公民館の健全な発達を図るために、公民館の設置及び運営上必要な基準を定めるものとする。
 2.(略)

○公民館の設置及び運営に関する基準(平成十五年文部科学省告示第百十二号)
(趣旨)
第一条
   この基準は、社会教育法(昭和24年法律第207号)第23条の2第1項の規定に基づく公民館の設置及び運営上必要な基準であり、公民館の健全な発達を図ることを目的とする。
 2.公民館及びその設置者は、この基準に基づき、公民館の水準の維持及び向上に努めるものとする。

(対象区域)
第二条
   公民館を設置する市(特別区を含む。以下同じ。)町村は、公民館活動の効果を高めるため、人口密度、地形、交通条件、日常生活圏、社会教育関係団体の活動状況等を勘案して、当該市町村の区域内において、公民館の事業の主たる対象となる区域(第6条第2項において「対象区域」という。)を定めるものとする。

(地域の学習拠点としての機能の発揮)
第三条
   公民館は、講座の開設、講習会の開催等を自ら行うとともに、必要に応じて学校、社会教育施設、社会教育関係団体、NPO(特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。)その他の民間団体、関係行政機関等と共同してこれらを行う等の方法により、多様な学習機会の提供に努めるものとする。
 2.公民館は、地域住民の学習活動に資するよう、インターネットその他の高度情報通信ネットワークの活用等の方法により、学習情報の提供の充実に努めるものとする。
 
(地域の家庭教育支援拠点としての機能の発揮)
第四条
   公民館は、家庭教育に関する学習機会及び学習情報の提供、相談及び助言の実施、交流機会の提供等の方法により、家庭教育への支援の充実に努めるものとする。

(奉仕活動・体験活動の推進)
第五条
   公民館は、ボランティアの養成のための研修会を開催する等の方法により、奉仕活動・体験活動に関する学習機会及び学習情報の提供の充実に努めるものとする。

(学校、家庭及び地域社会との連携等)
第六条
   公民館は、事業を実施するに当たっては、関係機関及び関係団体との緊密な連絡、協力等の方法により、学校、家庭及び地域社会との連携の推進に努めるものとする。
 2.公民館は、対象区域内に公民館に類似する施設がある場合には、必要な協力及び支援に努めるものとする。
 3.公民館は、その実施する事業への青少年、高齢者、障害者、乳幼児の保護者等の参加を促進するよう努めるものとする。
 4.公民館は、その実施する事業において、地域住民等の学習の成果並びに知識及び技能を生かすことができるよう努めるものとする。


(地域の実情を踏まえた運営)
第七条
   公民館の設置者は、社会教育法第29条第1項に規定する公民館運営審議会を置く等の方法により、地域の実情に応じ、地域住民の意向を適切に反映した公民館の運営がなされるよう努めるものとする。
 2.公民館は、開館日及び開館時間の設定に当たっては、地域の実情を勘案し、夜間開館の実施等の方法により、地域住民の利用の便宜を図るよう努めるのとする。

(職員)
第八条
   公民館に館長を置き、公民館の規模及び活動状況に応じて主事その他必要な職員を置くよう努めるものとする。
 2.公民館の館長及び主事には、社会教育に関する識見と経験を有し、かつ公民館の事業に関する専門的な知識及び技術を有する者をもって充てるよう努めるものとする。
 3.公民館の設置者は、館長、主事その他職員の資質及び能力の向上を図るため、研修の機会の充実に努めるものとする。


(施設及び設備)
第九条
   公民館は、その目的を達成するため、地域の実情に応じて、必要な施設及び設備を備えるものとする。
 2.公民館は、青少年、高齢者、障害者、乳幼児の保護者等の利用の促進を図るため必要な施設及び設備を備えるよう努めるものとする。

(事業の自己評価等)
第十条
   公民館は、事業の水準の向上を図り、当該公民館の目的を達成するため、各年度の事業の状況について、公民館運営審議会等の協力を得つつ、自ら点検及び評価を行い、その結果を地域住民に対して公表するよう努めるものとする。


図書館 
○図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)
(設置及び運営上望ましい基準)
第七条の二
   文部科学大臣は、図書館の健全な発達を図るために、図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを公表するものとする。

○図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成二十四年文部科学省告示第百七十二号)
第一
   総則 

   趣旨
1.この基準は、図書館法(昭和二十五年法律第百十八号。以下「法」という。)第七条の二の規定に基づく図書館の設置及び運営上の望ましい基準であり、図書館の健全な発展に資することを目的とする。
2.図書館は、この基準を踏まえ、法第三条に掲げる事項等の図書館サービスの実施に努めなければならない。


   設置の基本
1.市(特別区を含む。以下同じ。)町村は、住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏等を十分に考慮し、市町村立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行うものとする。併せて、市町村立図書館と公民館図書室等との連携を推進することにより、当該市町村の全域サービス網の整備に努めるものとする。
2.都道府県は、都道府県立図書館の拡充に努め、住民に対して適切な図書館サービスを行うとともに、図書館未設置の町村が多く存在することも踏まえ、当該都道府県内の図書館サービスの全体的な進展を図る観点に立って、市町村に対して市町村立図書館の設置及び運営に関する必要な指導・助言等を行うものとする。
3.公立図書館(法第二条第二項に規定する公立図書館をいう。以下同じ。)の設置に当たっては、サービス対象地域の人口分布と人口構成、面積、地形、交通網等を勘案して、適切な位置及び必要な図書館施設の床面積、蔵書収蔵能力、職員数等を確保するよう努めるものとする。


   運営の基本
1.図書館の設置者は、当該図書館の設置の目的を適切に達成するため、司書及び司書補の確保並びに資質・能力の向上に十分留意しつつ、必要な管理運営体制の構築に努めるものとする。
2.市町村立図書館は、知識基盤社会における知識・情報の重要性を踏まえ、資料(電磁的記録を含む。以下同じ。)や情報の提供等の利用者及び住民に対する直接的なサービスの実施や、読書活動の振興を担う機関として、また、地域の情報拠点として、利用者及び住民の要望や社会の要請に応え、地域の実情に即した運営に努めるものとする。
3.都道府県立図書館は、前項に規定する事項に努めるほか、住民の需要を広域的かつ総合的に把握して、資料及び情報を体系的に収集、整理、保存及び提供すること等を通じて、市町村立図書館に対する円滑な図書館運営の確保のための援助に努めるとともに、当該都道府県内の図書館間の連絡調整等の推進に努めるものとする。
4.私立図書館(法第二条第二項に規定する私立図書館をいう。以下同じ。)は、当該図書館を設置する法人の目的及び当該図書館の設置の目的に基づき、広く公益に資するよう運営を行うことが望ましい。
5.図書館の設置者は、当該図書館の管理を他の者に行わせる場合には、当該図書館の事業の継続的かつ安定的な実施の確保、事業の水準の維持及び向上、司書及び司書補の確保並びに資質・能力の向上等が図られるよう、当該管理者との緊密な連携の下に、この基準に定められた事項が確実に実施されるよう努めるものとする。


   連携・協力
1.図書館は、高度化・多様化する利用者及び住民の要望に対応するとともに、利用者及び住民の学習活動を支援する機能の充実を図るため、資料や情報の相互利用などの他の施設・団体等との協力を積極的に推進するよう努めるものとする。
2.図書館は、前項の活動の実施に当たっては、図書館相互の連携のみならず、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室、学校図書館及び大学図書館等の図書施設、学校、博物館及び公民館等の社会教育施設、関係行政機関並びに民間の調査研究施設及び民間団体等との連携にも努めるものとする。


   著作権等の権利の保護
図書館は、その運営に当たって、職員や利用者が著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)その他の法令に規定する権利を侵害することのないよう努めるものとする。


   危機管理
1.図書館は、事故、災害その他非常の事態による被害を防止するため、当該図書館の特性を考慮しつつ、想定される事態に係る危機管理に関する手引書の作成、関係機関と連携した危機管理に関する訓練の定期的な実施その他の十分な措置を講じるものとする。
2.図書館は、利用者の安全の確保のため、防災上及び衛生上必要な設備を備えるものとする。


第二
   公立図書館

   市町村立図書館
1.管理運営
(一)基本的運営方針及び事業計画
 1.市町村立図書館は、その設置の目的を踏まえ、社会の変化や地域の実情に応じ、当該図書館の事業の実施等に関する基本的な運営の方針(以下「基本的運営方針」という。)を策定し、公表するよう努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるものとする。
 3.市町村立図書館は、基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定に当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。
(二)運営の状況に関する点検及び評価等
 1.市町村立図書館は、基本的運営方針に基づいた運営がなされることを確保し、その事業の水準の向上を図るため、各年度の図書館サービスその他図書館の運営の状況について、の2.の目標及び事業計画の達成状況等に関し自ら点検及び評価を行うよう努めなければならない。
 2.市町村立図書館は、前項の点検及び評価のほか、当該図書館の運営体制の整備の状況に応じ、図書館協議会(法第十四条第一項に規定する図書館協議会をいう。以下同じ。)の活用その他の方法により、学校教育又は社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者、図書館の事業に関して学識経験のある者、図書館の利用者、住民その他の関係者・第三者による評価を行うよう努めるものとする。
 3.市町村立図書館は、前二項の点検及び評価の結果に基づき、当該図書館の運営の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 4.市町村立図書館は、第一項及び第二項の点検及び評価の結果並びに前項の措置の内容について、インターネットその他の高度情報通信ネットワーク(以下「インターネット等」という。)をはじめとした多様な媒体を活用すること等により、積極的に公表するよう努めなければならない。
(三)広報活動及び情報公開
   市町村立図書館は、当該図書館に対する住民の理解と関心を高め、利用者の拡大を図るため、広報紙等の定期的な刊行やインターネット等を活用した情報発信等、積極的かつ計画的な広報活動及び情報公開に努めるものとする。
(四)開館日時等
   市町村立図書館は、利用者及び住民の利用を促進するため、開館日・開館時間の設定に当たっては、地域の実情や利用者及び住民の多様な生活時間等に配慮するものとする。また、移動図書館を運行する場合は、適切な周期による運行等に努めるものとする。
(五)図書館協議会
 1.市町村教育委員会は、図書館協議会を設置し、地域の実情を踏まえ、利用者及び住民の要望を十分に反映した図書館の運営がなされるよう努めるものとする。
 2.図書館協議会の委員には、法第十六条の規定により条例で定める委員の任命の基準に従いつつ、地域の実情に応じ、多様な人材の参画を得るよう努めるものとする。
(六)施設・設備
 1.市町村立図書館は、この基準に示す図書館サービスの水準を達成するため、図書館資料の開架・閲覧、保存、視聴覚資料の視聴、情報の検索・レファレンスサービス、集会・展示、事務管理等に必要な施設・設備を確保するよう努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、高齢者、障害者、乳幼児とその保護者及び外国人その他特に配慮を必要とする者が図書館施設を円滑に利用できるよう、傾斜路や対面朗読室等の施設の整備、拡大読書器等資料の利用に必要な機器の整備、点字及び外国語による表示の充実等に努めるとともに、児童・青少年の利用を促進するため、専用スペースの確保等に努めるものとする。

2.図書館資料
(一)図書館資料の収集等
 1.市町村立図書館は、利用者及び住民の要望、社会の要請並びに地域の実情に十分留意しつつ、図書館資料の収集に関する方針を定め、公表するよう努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、前項の方針を踏まえ、充実した図書館サービスを実施する上で必要となる十分な量の図書館資料を計画的に整備するよう努めるものとする。その際、郷土資料及び地方行政資料、新聞の全国紙及び主要な地方紙並びに視聴覚資料等多様な資料の整備にも努めるものとする。また、郷土資料及び地方行政資料の電子化に努めるものとする。
(二)図書館資料の組織化
   市町村立図書館は、利用者の利便性の向上を図るため、図書館資料の分類、配架、目録・索引の整備等による組織化に十分配慮するとともに、書誌データの整備に努めるものとする。

3.図書館サービス
(一)貸出サービス等
   市町村立図書館は、貸出サービスの充実を図るとともに、予約制度や複写サービス等の運用により利用者の多様な資料要求に的確に応えるよう努めるものとする。
(二)情報サービス
 1.市町村立図書館は、インターネット等や商用データベース等の活用にも留意しつつ、利用者の求めに応じ、資料の提供・紹介及び情報の提示等を行うレファレンスサービスの充実・高度化に努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、図書館の利用案内、テーマ別の資料案内、資料検索システムの供用等のサービスの充実に努めるものとする。
 3.市町村立図書館は、利用者がインターネット等の利用により外部の情報にアクセスできる環境の提供、利用者の求めに応じ、求める資料・情報にアクセスできる地域内外の機関等を紹介するレフェラルサービスの実施に努めるものとする。
(三)地域の課題に対応したサービス
   市町村立図書館は、利用者及び住民の生活や仕事に関する課題や地域の課題の解決に向けた活動を支援するため、利用者及び住民の要望並びに地域の実情を踏まえ、次に掲げる事項その他のサービスの実施に努めるものとする。
 ア.就職・転職、起業、職業能力開発、日常の仕事等に関する資料及び情報の整備・提供
 イ.子育て、教育、若者の自立支援、健康・医療、福祉、法律・司法手続等に関する資料及び情報の整備・提供
 ウ.地方公共団体の政策決定、行政事務の執行・改善及びこれらに関する理解に必要な資料及び情報の整備・提供
(四)利用者に対応したサービス
   市町村立図書館は、多様な利用者及び住民の利用を促進するため、関係機関・団体と連携を図りながら、次に掲げる事項その他のサービスの充実に努めるものとする。
 ア.(児童・青少年に対するサービス)児童・青少年用図書の整備・提供、児童・青少年の読書活動を促進するための読み聞かせ等の実施、その保護者等を対象とした講座・展示会の実施、学校等の教育施設等との連携
 イ.(高齢者に対するサービス)大活字本、録音資料等の整備・提供、図書館利用の際の介助、図書館資料等の代読サービスの実施
 ウ.(障害者に対するサービス)点字資料、大活字本、録音資料、手話や字幕入りの映像資料等の整備・提供、手話・筆談等によるコミュニケーションの確保、図書館利用の際の介助、図書館資料等の代読サービスの実施
 エ.(乳幼児とその保護者に対するサービス)乳幼児向けの図書及び関連する資料・情報の整備・提供、読み聞かせの支援、講座・展示会の実施、託児サービスの実施
 オ.(外国人等に対するサービス)外国語による利用案内の作成・頒布、外国語資料や各国事情に関する資料の整備・提供
 カ.(図書館への来館が困難な者に対するサービス)宅配サービスの実施
(五)多様な学習機会の提供
 1.市町村立図書館は、利用者及び住民の自主的・自発的な学習活動を支援するため、講座、相談会、資料展示会等を主催し、又は関係行政機関、学校、他の社会教育施設、民間の関係団体等と共催して多様な学習機会の提供に努めるとともに、学習活動のための施設・設備の供用、資料の提供等を通じ、その活動環境の整備に努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、利用者及び住民の情報活用能力の向上を支援するため、必要な学習機会の提供に努めるものとする。
(六)ボランティア活動等の促進
 1.市町村立図書館は、図書館におけるボランティア活動が、住民等が学習の成果を活用する場であるとともに、図書館サービスの充実にも資するものであることにかんがみ、読み聞かせ、代読サービス等の多様なボランティア活動等の機会や場所を提供するよう努めるものとする。
 2.市町村立図書館は、前項の活動への参加を希望する者に対し、当該活動の機会や場所に関する情報の提供や当該活動を円滑に行うための研修等を実施するよう努めるものとする。

4.職員
(一)職員の配置等
 1.市町村教育委員会は、市町村立図書館の館長として、その職責にかんがみ、図書館サービスその他の図書館の運営及び行政に必要な知識・経験とともに、司書となる資格を有する者を任命することが望ましい。
 2.市町村教育委員会は、市町村立図書館が専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補を確保するよう、その積極的な採用及び処遇改善に努めるとともに、これら職員の職務の重要性にかんがみ、その資質・能力の向上を図る観点から、第一の四の2.に規定する関係機関等との計画的な人事交流(複数の市町村又は都道府県の機関等との広域的な人事交流を含む。)に努めるものとする。
 3.市町村立図書館には、前項の司書及び司書補のほか、必要な数の職員を置くものとする。
 4.市町村立図書館は、専門的分野に係る図書館サービスの充実を図るため、必要に応じ、外部の専門的知識・技術を有する者の協力を得るよう努めるものとする。
(二)職員の研修
 1.市町村立図書館は、司書及び司書補その他の職員の資質・能力の向上を図るため、情報化・国際化の進展等に留意しつつ、これらの職員に対する継続的・計画的な研修の実施等に努めるものとする。
 2.市町村教育委員会は、市町村立図書館の館長その他の職員の資質・能力の向上を図るため、各種研修機会の拡充に努めるとともに、文部科学大臣及び都道府県教育委員会等が主催する研修その他必要な研修にこれら職員を参加させるよう努めるものとする。



   都道府県立図書館
1.域内の図書館への支援
 1.都道府県立図書館は、次に掲げる事項について、当該都道府県内の図書館の求めに応じて、それらの図書館への支援に努めるものとする。
   ア.資料の紹介、提供に関すること
   イ.情報サービスに関すること
   ウ.図書館資料の保存に関すること
   エ.郷土資料及び地方行政資料の電子化に関すること
   オ.図書館の職員の研修に関すること
   カ.その他図書館運営に関すること
 2.都道府県立図書館は、当該都道府県内の図書館の状況に応じ、それらの図書館との間における情報通信技術を活用した情報の円滑な流通や、それらの図書館への資料の貸出のための円滑な搬送の確保に努めるものとする。
 3.都道府県立図書館は、当該都道府県内の図書館の相互協力の促進等に資するため、当該都道府県内の図書館で構成する団体等を活用して、図書館間の連絡調整の推進に努めるものとする。

2.施設・設備
   都道府県立図書館は、第二の二の6により準用する第二の一の1の(六)に定める施設・設備のほか、次に掲げる機能に必要な施設・設備の確保に努めるものとする。
   ア.研修
   イ.調査研究
   ウ.市町村立図書館の求めに応じた資料保存等

3.調査研究
   都道府県立図書館は、図書館サービスを効果的・効率的に行うための調査研究に努めるものとする。その際、特に、図書館に対する利用者及び住民の要望、図書館運営にかかわる地域の諸条件、利用者及び住民の利用促進に向けた新たなサービス等に関する調査研究に努めるものとする。

4.図書館資料
   都道府県立図書館は、第二の二の6により準用する第二の一の2に定める事項のほか、次に掲げる事項の実施に努めるものとする。
   ア.市町村立図書館等の要求に十分に応えるための資料の整備
   イ.高度化・多様化する図書館サービスへの要請に対応するための、郷土資料その他の特定分野に関する資料の目録・索引等の整備及び配布

5.職員
 1.都道府県教育委員会は、都道府県立図書館において第二の二の6により準用する第二の一の4の(一)に定める職員のほか、第二の二の1、3及び4に掲げる機能を果たすために必要な職員を確保するよう努めるものとする。
 2.都道府県教育委員会は、当該都道府県内の図書館の職員の資質・能力の向上を図るため、それらの職員を対象に、必要な研修を行うよう努めるものとする。

6.準用
   第二の一に定める市町村立図書館に係る基準は、都道府県立図書館に準用する。


第三
   私立図書館
一.管理運営
1.運営の状況に関する点検及び評価等
(1)私立図書館は、その運営が適切に行われるよう、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し、これらに係る目標を設定した上で、その目標の達成状況等に関し自ら点検及び評価を行うよう努めるものとする。
(2)私立図書館は、前項の点検及び評価のほか、当該図書館の運営体制の整備の状況に応じ、図書館の事業に関して学識経験のある者、当該図書館の利用者その他の関係者・第三者による評価を行うことが望ましい。
(3)私立図書館は、前二項の点検及び評価の結果に基づき、当該図書館の運営の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(4)私立図書館は、第一項及び第二項の点検及び評価の結果並びに前項の措置の内容について、積極的に公表するよう努めるものとする。
 2.広報活動及び情報公開
   私立図書館は、積極的かつ計画的な広報活動及び情報公開を行うことが望ましい。
 3.開館日時
   私立図書館は、開館日・開館時間の設定に当たっては、多様な利用者に配慮することが望ましい。
 4.施設・設備
   私立図書館は、その設置の目的に基づく図書館サービスの水準を達成するため、多様な利用者に配慮しつつ、必要な施設・設備を確保することが望ましい。

二. 図書館資料
   私立図書館は、当該図書館が対象とする専門分野に応じて、図書館資料を計画的かつ継続的に収集・組織化・保存し、利用に供することが望ましい。

三.図書館サービス
   私立図書館は、当該図書館における資料及び情報の整備状況、多様な利用者の要望等に配慮して、閲覧・貸出・レファレンスサービス等のサービスを適切に提供することが望ましい。

四.職員
 1.私立図書館には、専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補その他職員を置くことが望ましい。
 2.私立図書館は、その職員の資質・能力の向上を図るため、当該職員に対する 研修の機会を確保することが望ましい。


博物館 
○博物館法(昭和二十六年法律第二百八十五号)
(設置及び運営上望ましい基準)
第八条
   文部科学大臣は、博物館の健全な発達を図るために、博物館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを公表するものとする。

○博物館の設置及び運営上の望ましい基準(平成二十三年文部科学省告示第百六十五号)
(趣旨)
第一条
   この基準は,博物館法(昭和26年法律第285号)第8条の規定に基づく博物館の設置及び運営上の望ましい基準であり,博物館の健全な発達を図ることを目的とする。
 2.博物館は,この基準に基づき,博物館の水準の維持及び向上を図り,もって教育,学術及び文化の発展並びに地域の活性化に貢献するよう努めるものとする。

(博物館の設置等)
第二条
   都道府県は,博物館を設置し,歴史,芸術,民俗,産業,自然科学等多様な分野にわたる資料(電磁的記録を含む。以下同じ。)を扱うよう努めるものとする。
 2.市(特別区を含む。以下同じ。)町村は,その規模及び能力に応じて,単独で又は他の市町村と共同して,博物館を設置するよう努めるものとする。
 3.地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により同項に規定する指定管理者に博物館の管理を行わせる場合その他博物館の設置者が当該博物館の管理を他の者に行わせる場合には,これらの設置者及び管理者は相互の緊密な連携の下に,当該博物館の事業の継続的かつ安定的な実施の確保,事業の水準の維持及び向上を図りながら,この基準に定められた事項の実施に努めるものとする。

(基本的運営方針及び事業計画)
第三条
   博物館は,その設置の目的を踏まえ,資料の収集・保管・展示,調査研究,教育普及活動等の実施に関する基本的な運営の方針(以下「基本的運営方針」という。)を策定し,公表するよう努めるものとする。
 2.博物館は,基本的運営方針を踏まえ,事業年度ごとに,その事業年度の事業計画を策定し,公表するよう努めるものとする。
 3.博物館は,基本的運営方針及び前項の事業計画の策定に当たっては,利用者及び地域住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。

(運営の状況に関する点検及び評価等)
第四条
   博物館は,基本的運営方針に基づいた運営がなされることを確保し,その事業の水準の向上を図るため,各年度の事業計画の達成状況その他の運営の状況について,自ら点検及び評価を行うよう努めるものとする。
 2.博物館は,前項の点検及び評価のほか,当該博物館の運営体制の整備の状況に応じ,博物館協議会の活用等の他の方法により,学校教育又は社会教育の関係者,家庭教育の向上に資する活動を行う者,当該博物館の事業に関して学識経験のある者,当該博物館の利用者,地域住民その他の者による評価を行うよう努めるものとする。
 3.博物館は,前2項の点検及び評価の結果に基づき,当該博物館の運営の改善を図るため必要な措置をとるよう努めるものとする。
 4.博物館は,第1項及び第2項の点検及び評価の結果並びに前項の措置の内容については,インターネットその他の高度情報通信ネットワーク(以下「インターネット等」という。)を活用すること等により,積極的に公表するよう努めるものとする。

(資料の収集,保管,展示等)
第五条
   博物館は,実物,標本,文献,図表,フィルム,レコード等の資料(以下「実物等資料」という。)について,その所在等の調査研究を行い,当該資料に係る学術研究の状況,地域における当該資料の所在状況及び当該資料の展示上の効果等を考慮して,基本的運営方針に基づき,必要な数を体系的に収集し,保管(育成及び現地保存を含む。以下同じ。)し,及び展示するものとする。
 2.博物館は,実物等資料について,その収集若しくは保管が困難な場合,その展示のために教育的配慮が必要な場合又はその館外への貸出し若しくは持出しが困難な場合には,必要に応じて,実物等資料を複製,模造若しくは模写した資料又は実物等資料に係る模型(以下「複製等資料」という。)を収集し,又は製作し,当該博物館の内外で活用するものとする。その際,著作権法(昭和45年法律第48号)その他の法令に規定する権利を侵害することのないよう留意するものとする。
 3.博物館は,実物等資料及び複製等資料(以下「博物館資料」という。)に関する図書,文献,調査資料その他必要な資料(以下「図書等」という。)の収集,保管及び活用に努めるものとする。
 4.博物館は,その所蔵する博物館資料の補修及び更新等に努めるものとする。
 5.博物館は,当該博物館の適切な管理運営のため,その所蔵する博物館資料及び図書等に関する情報の体系的な整理に努めるものとする。
 6.博物館は,当該博物館が休止又は廃止となる場合には,その所蔵する博物館資料及び図書等を他の博物館に譲渡すること等により,当該博物館資料及び図書等が適切に保管,活用されるよう努めるものとする。

(展示方法等)
第六条
   博物館は,基本的運営方針に基づき,その所蔵する博物館資料による常設的な展示を行い,又は特定の主題に基づき,その所蔵する博物館資料若しくは臨時に他の博物館等から借り受けた博物館資料による特別の展示を行うものとする。
 2.博物館は,博物館資料を展示するに当たっては,当該博物館の実施する事業及び関連する学術研究等に対する利用者の関心を深め,当該博物館資料に関する知識の啓発に資するため,次に掲げる事項に留意するものとする。
一.確実な情報及び研究に基づく正確な資料を用いること。
二.展示の効果を上げるため,博物館資料の特性に応じた展示方法を工夫し,図書等又は音声,映像等を活用すること。
三.前項の常設的な展示について,必要に応じて,計画的な展示の更新を行うこと。

(調査研究)
第七条
   博物館は,博物館資料の収集,保管及び展示等の活動を効果的に行うため,他の博物館,研究機関等と共同すること等により,基本的運営方針に基づき,博物館資料に関する専門的,技術的な調査研究並びに博物館資料の保管及び展示等の方法に関する技術的研究その他の調査研究を行うよう努めるものとする。

(学習機会の提供等)
第八条
   博物館は,利用者の学習活動又は調査研究に資するため,次に掲げる業務を実施するものとする。
一.博物館資料に関する各種の講演会,研究会,説明会等(児童又は生徒を対象とした体験活動その他の学習活動を含む。以下「講演会等」という。)の開催,館外巡回展示の実施等の方法により学習機会を提供すること。
二.学校教育及び社会教育における博物館資料の利用その他博物館の利用に関し,学校の教職員及び社会教育指導者に対して適切な利用方法に関する助言その他の協力を行うこと。
三.利用者からの求めに応じ,博物館資料に係る説明又は助言を行うこと。

(情報の提供等)
第九条
   博物館は,当該博物館の利用の便宜若しくは利用機会の拡大又は第七条の調査研究の成果の普及を図るため,次に掲げる業務を実施するものとする。
一.その実施する事業の内容又は博物館資料に関する案内書,パンフレット,目録,図録等を作成するとともに,これらを閲覧に供し,頒布すること。
二.博物館資料に関する解説書,年報,調査研究の報告書等を作成するとともに,これらを閲覧に供し,頒布すること。
 2.前項の業務を実施するに当たっては,インターネット等を積極的に活用するよう努めるものとする。

(利用者に対応したサービスの提供)
第十条
   博物館は,事業を実施するに当たっては,高齢者,障害者,乳幼児の保護者,外国人その他特に配慮を必要とする者が当該事業を円滑に利用できるよう,介助を行う者の配置による支援,託児サービスの提供,通訳を行う者の配置による支援その他のサービスの提供に努めるものとする。
 2.博物館は,当該博物館の特性を踏まえつつ,当該博物館の実施する事業及び関連する学術研究等に対する青少年の関心と理解を深めるため,青少年向けの解説資料等の作成及び頒布その他のサービスの提供に努めるものとする。

(学校,家庭及び地域社会との連携等)
第十一条
   博物館は,事業を実施するに当たっては,学校,当該博物館と異なる種類の博物館資料を所蔵する博物館等の他の博物館,公民館,図書館等の社会教育施設その他これらに類する施設,社会教育関係団体,関係行政機関,社会教育に関する事業を行う法人,民間事業者等との緊密な連携,協力に努めるものとする。
 2.博物館は,その実施する事業において,利用者及び地域住民等の学習の成果に基づく知識及び技能を生かすことができるよう,展示資料の解説,講演会等に係る企画又は実施業務の補助,博物館資料の調査又は整理その他の活動の機会のこれらの者への提供に努めるものとする。

(開館日等)
第十二条
   博物館は,開館日及び開館時間の設定に当たっては,利用者の要望,地域の実情,博物館資料の特性,展示の更新に係る所要日数等を勘案し,日曜日その他の一般の休日における開館,夜間における開館その他の方法により,利用者の利用の便宜を図るよう努めるものとする。

(職員)
第十三条
   博物館に,館長を置くとともに,基本的運営方針に基づき適切に事業を実施するために必要な数の学芸員を置くものとする。
 2.博物館に,前項に規定する職員のほか,事務及び技能的業務に従事する職員を置くものとする。
 3.博物館は,基本的運営方針に基づきその事業を効率的かつ効果的に遂行するため,博物館資料の収集,保管又は展示に係る業務,調査研究に係る業務,学習機会の提供に係る業務その他の業務を担当する各職員の専門的な能力が適切に培われ又は専門的な能力を有する職員が適切に各業務を担当する者として配置されるよう,各業務の分担の在り方,専任の職員の配置の在り方,効果的な複数の業務の兼務の在り方等について適宜,適切な見直しを行い,その運営体制の整備に努めるものとする。

(職員の研修)
第十四条
   都道府県の教育委員会は,当該都道府県内の博物館の館長,学芸員その他職員の能力及び資質の向上を図るために,研修の機会の充実に努めるものとする。
 2.博物館は,その職員を,前項の規定に基づき都道府県教育委員会が主催する研修その他必要な研修に参加させるよう努めるものとする。

(施設及び設備等)
第十五条
   博物館は,次の各号に掲げる施設及び設備その他の当該博物館の目的を達成するために必要な施設及び設備を備えるものとする。
一.耐火,耐震,防虫害,防塵,防音,温度及び湿度の調節,日光の遮断又は調節,通風の調節並びに汚損,破壊及び盗難の防止その他のその所蔵する博物館資料を適切に保管するために必要な施設及び設備
二.青少年向けの音声による解説を行うことができる機器,傾斜路,点字及び外国語による表示,授乳施設その他の青少年,高齢者,障害者,乳幼児の保護者,外国人等の円滑な利用に資するために必要な施設及び設備
三.休憩施設の設置その他の利用者が快適に観覧できるよう,利用環境を整備するために必要な施設及び設備

(危機管理等)
第十六条
   博物館は,事故,災害その他非常の事態(動物の伝染性疾病の発生を含む。)による被害を防止するため,当該博物館の特性を考慮しつつ,想定される事態に係る危機管理に関する手引書の作成,関係機関と連携した危機管理に関する訓練の定期的な実施等あらかじめ十分な措置を講じるものとする。
 2.博物館は,利用者の安全の確保のため,防災上及び衛生上必要な設備を備えるとともに,事故や災害等が発生した場合等には,必要に応じて,入場制限,立入禁止等の措置をとるものとする。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

電話番号:03-5253-4111(内線2977)
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