【資料1】東北歴史博物館資料

博物館についての確認(東北歴史博物館 鷹野光行)
・博物館には果たさなければならない社会から託された役割がある。どのような部署が所管することになっても、博物館が博物館である限りはその役割が果たせなければならない。
・博物館の役割、機能は資料の「収集・保管」、資料や博物館などについての「調査・研究」、博物館資料を通じての「展示・教育」。
・このどの機能も確実に果たしているのが博物館。
・現代社会における博物館の特色は資料、ものを通じての教育活動を行うところにある。
・我が国で博物館に関する制度が教育体系の中に置かれていたことは正しい位置づけであった。
・イギリスにおいては「博物館は公共サービスの機関であり、その中核に教育を置く。」
・アメリカにおいても公共サービスと教育こそ博物館存立の基盤である、という見解。
・今日博物館に最も期待される役割は教育機能を発揮することにあると考える。
・このような博物館の機能と博物館への期待をしっかりと把握し、生涯学習社会の確立への歩みを進めること。


閣議決定について
・博物館はこれまでもまちづくり、観光等への役割は果たしてきている。
・生涯学習社会の確立を進める中で、「まちづくりは人づくり」という語が使われてきた。
・博物館はその地域の情報の発信を使命とすることは当然の役割。
・特にそのために首長部局に所管を移すことは必ずしも必要性はない。
・首長部局に入るメリットは、活動のための予算の獲得への期待?
・首長部局では博物館の本質的な役割と活動に制約を受けることになるかもしれない?
・博物館の学芸員は本来専門職であるべきであるが、首長部局に置かれると専門職としての位置づけが曖昧になり、人事異動においても容易に他組織に移りうることが懸念される。学芸員の専門職的雇用が進んでいない現状で、さらにそのことを助長しかねない。
・このような懸念がいくつもある中で、地域の事情に任せることはあり得るとしても、一律に博物館を教育委員会の所管でなくすることには反対である。
・博物館の本質的な意味と活動の保証を考慮するならば、首長が変わることで対応が変わることが起こりうる首長部局の所管とするよりも教育委員会のような(建前として)独立性を持つ部局に所管を任せることが望ましいだろう。
・仮に首長部局での所管を可とすることになっても、博物館活動への正しい理解を首長が持つことを担保されなければならない。


教育委員会所管について
・必要なことは、所管が教育委員会でなくても良い、とすることではなく、協力者会議の報告や日博協の報告でも述べられている通り、博物館のさらなる水準の向上のための制度となることが期待される博物館登録制度をよりよいものとするために、教育委員会所管のも
のもそうでないものも、国立も大学附属も含めて一つの制度下におけるようにしていくことにある。


東北歴史博物館について


博物館の組織
教育委員会―文化財保護課―東北歴史博物館
館長・副館長(2)・管理部(8)・企画部(9)・学芸部(11)うち学芸系職員22


1使命
(1)東北の姿を自ら再発見し、東北の存在を広く世界に発信することにより、国際化の時代にふさわしい地域づくりとその活性化に貢献します。
(2)既存の博物館のイメージを脱皮し、類例のない新しい博物館のあり方を追求します。
(3)「明日の東北」を考えるきっかけづくりを重視し、実社会と積極的に交流する博物館を目指します。


2目標
(1)参加し体感する博物館
・参加性をもたせ、東北の歴史・文化を楽しみながら体感できる博物館を目指します。
(2)生涯学習ならびに調査研究に機会と場を提供する博物館
・博物館の機能を広く社会に開放し、生涯学習に対するきめ細かなカリキュラムの設定や利用者の調査研究に対するバックアップ体制の整備により、多様で高度なニーズに対応します。
(3) 豊かな情報を提供する博物館
・東北全域の歴史資料に関する情報センターを目指すとともに、ニーズに応じた情報の提供が的確迅速に成されるように配慮します。
(4) 自ら研究する博物館
・活発かつ高度な研究を基礎とし、その成果を展示公開や利用者の学習活動に役立てます。
・大学や地域の研究者との共同研究を実施し、内容の充実に努めます。
(5) 文化財を後世に伝える博物館
・有形、無形文化財を積極的に収集・保存し、後世に継承します。
・文化財の保存・修復に必要な科学的処理等を講じます。
(6) 幅広く交流する博物館
・東北全域、日本さらには国際的視野に立った積極的な交流を図る博物館を目指します。


平成29年度事業報告
1企画展示事業

(1)常設展示

展示

内容

期日

会場

1)総合展示

旧石器時代から近現代までの東北地方の歴史
を館蔵資料・借用資料等を用いて展示

通年

総合展示室

2)テーマ展示

1カマ神(民俗)
2埴輪(考古)

平成29年6月13日~平成29年12月3日
平成30年1月5日~平成30年4月8日

テーマ展示室1

3骨角器の世界(考古)
4柄鏡の美(民俗)
5染めの型紙(民俗)

平成29年6月13日~平成29年12月3日
平成30年1月5日~平成30年3月11日
平成30年3月13日~平成30年4月8日

テーマ展示室2

6仙台の近世絵画―東東洋の屏風―
7東北の古文書―伊達騒動―
8仙台の近世絵画―名所・松島―
9宮城の文化―高僧の墨蹟―
10東北の古文書―金山関係資料―
11仙台の近世絵画―新春を迎えて―
12仙台藩の工芸―刀剣と甲冑―
13仙台の近世絵画―仙台四大画家―

平成29年6月13日~平成29年7月9日
平成29年7月11日~平成29年8月20日
平成29年8月22日~平成29年10月1日
平成29年10月3日~平成29年11月12日
平成29年11月14日~平成29年12月3日
平成30年1月5日~平成30年1月28日
平成30年1月30日~平成30年3月11日
平成30年3月13日~平成30年4月8日

テーマ展示室3

3)映像展示

東北地方の祭や民俗芸能の映像を常時上映

通年

映像展示室

4)今野家住宅

県指定文化財を移築展示

平成28年度利用者数26,925人

通年

屋外展示場

 

 (2)特別展示
・「世界遺産ラスコー展―クロマニョン人が残した洞窟壁画―」
平成29年3月25日(土曜日)~5月28日(日曜日)57日間
関連行事:記念講演会・体験教室・洞窟壁画体験教室作品展・展示解説・図録刊行
観覧者数37,435人(平成28年度3,425人、平成29年度34,010人)
・「漢字三千年―漢字の歴史と美―」展平成29年6月24日(土曜日)~8月13日(日曜日)44日間
関連行事:記念講演会・展示解説・体験教室・展示アトラクション・参加型アトラクション「漢字縁日」
「名前の木」図録刊行
観覧者数17,738人
・「熊と狼―人と獣の交渉誌―」展平成29年9月16日(土曜日)~11月19日(日曜日)56日間
関連行事:記念講演会・展示解説・体験教室図録刊行(500部完売)
観覧者数8,619人


(3)その他の展示事業
・「宮城の明治期木造洋風建築」展平成29年9月20日(水曜日)~10月22日(日曜日)28日間

展示資料:東華学校本館石膏模型、旧登米警察署庁舎石膏模型
会場:エントランスホール(観覧無料)


2教育普及事業
(1)施設運営
1こども歴史館
利用者数は下表のとおりで、平成28年度小学校団体利用数194校
昨年度よりインタラクティブシアターを「歴史と防災学びのシアター」と名付け、防災教育活動に資する新規コンテンツ「防災を学ぼう(低学年向け)」「東北災害の歴史(高学年向け)」を追加した。
2図書情報室
平成28年度利用者数3,291人
3今野家住宅前掲


(2)催事運営

事業名

内容

参加人数

館長講座
全15回

館長による一般を対象とした連続講座で、平成29年4月~12月の毎月
1、2回を講堂で開催。本年度は「発掘でめぐる世界―イラン・タイ・イタリア・日本―」をテーマに15回開講。

808人(平均53.9人)

博物館講座

全23回

一般を対象とするシリーズ単位の講座で、次の6つの講座を開講した。
・歴史分野の学芸職員が担当する「古文書講座入門編」3回
・歴史分野の学芸職員が担当する「古文書講座中級編」4回
・民俗分野の学芸職員が担当する「民俗芸能講座」3回(1月~)
・歴史分野の学芸職員が担当する「史料講読講座」3回
・学芸員の調査研究成果を発表する「れきはく講座」8講座(1月~)
・体験を通して考古学を探る「体験考古学講座」2回

12月末現在
407人

体験教室
A6回
B5回

<A>小学生以上を対象に、実際の体験を通して歴史や文化にふれることをねらいとして実施した。
・夏7月・8月:ハンコを作ろう/クジラのひげでペンダントを作ろう/拓本をとろう/石器で描こう
・冬1月:宮城の凧(するめてんばた)をつくろう/トンボ玉をつくろう
<B>公募による地域の小学生を対象に、利府民話の会の協力を得て民話を語る講座を実施。

12月末現在

A82人
B12人

多賀城跡巡り
全14回

博物館に隣接する特別史跡多賀城跡・多賀城廃寺跡を史跡マップや資料を用いて解説しながら案内するもの。
A:5月~10月の第2・第4日曜日に12回開催した。
B:番外編として桜(4月)とあやめまつり(6月)の時期に、お花見を組み合わせた、家族向け多賀城跡巡り「花と歴史のハイキング」を2回開催した。

185人
(A137人・B48人)
165人
(A141人・B24人)

民話を聞く会
全6回

地元を中心に民話を語る活動をしている「多賀城民話の会」「利府民話の会」が今野家住宅で民話を披露。

200人

体験イベント
全3回

今年度は春・秋・冬の3回開催。
春は6月10日(土曜日)に「春のわくわく体験見本市」を、秋は10月1日(日曜日)に「秋の見覚まるかじりはくぶつかん」を実施した。冬の「冬も元気にはくぶつかん!」は2月18日(日曜日)に実施予定。博物館に対する理解を深め、より親しんでもらうことを目的として、多彩な体験コーナ
ーを用意し、多数の参加者を得ている。

催事体験者数
春2,382人
秋2,258人
冬(2月18日開催)
総計4,640人

 

(3)その他の教育普及事業
1出張授業
仙台第一高等学校SSH合同巡検ガイダンス「東北の縄文時代―そこに科学はあるのかい?―」
(1学年320名)
古川黎明中学校「土曜塾」(1~3学年120名)
名取館腰公民館「洞窟壁画体験学習」(小学生8名)
名取増田西・館腰公民館「おせでけさいん!おんちゃんおばちゃんわくわく子供体験」
(増田西:小学生11名・館腰:小学生15名)
白百合学園小学校生活科「むかしのあそび」学習(2学年45名)
白百合学園小学校社会科「むかしのくらし」学習(3学年44名)
白百合学園小学校社会科「宮城の伝統工芸」学習(4学年39名)
2ボランティア
今年度登録者数は62名。
主な活動となる当館の屋外展示「宮城県指定有形文化財今野家住宅」での解説対応とイロリの管理については、一人当たり月2回の活動を基本として毎日3~5人の当番制で行った。
今野家住宅での活動、各種体験教室の補助を中心に活動している登録ボランティアについて、次のとおり研修を行い、関連する知識の深化を図った。
・館内研修:講演会や各種講座・行事への参加
・館外研修:(石巻・登米等)1回実施(26人参加)
3学校教育との連携
[職場体験]
進路学習の一環として職場体験の生徒の受入、総合的な学習の時間における自主研修の児童生徒の受入など、多様な利用形態のもとで学校教育との一層の連携を図った。
中学校5校15名、高校1校6名を受け入れた。
[講義]
校外学習で来館した学校団体からの要望に応じ、学芸職員が講師を務めて博物館内で講義を行った。
[民話授業『民話を学ぼう』]
多賀城民話の会の協力を得て、小学校3校7クラスの約190人を対象に今野家住宅で民話授業を行った。
[博物館実習]
講義と見学によって博物館とその業務全体に理解を深めたのち、専門性の高い分野別実習等を実施した。今年度は9大学から16名を受け入れた。
[博学連携大学院]
当館では平成8年から多賀城跡調査研究所とともに宮城県教育委員会教育長と東北大学文学研究科長が締結した「東北大学大学院博士課程の教育研究への協力に関する協定書」に基づき「連携大学院」方式で学生の教育及び研究の指導にあたっている。
3調査研究事業
各分野で行った主な事業は、以下のとおりである。
さらに分野横断的なテーマとして「歴史的災害展示研究」を設定し共同研究を進めている。これは、過去の歴史的災害を振り返りながら、震災の記憶を後世に伝えることを目的に、どのような形で展示として成立させるかを検討するもので、昨年度までに12回の研究会を開催し、総合展示室リニューアルを前提と
した展示構成の素案を立案した。今年度は、歴史的災害展示研究関連(基盤C)の科学研究費助成金を3年間獲得したことから、今後の活動方針を決める会議(第13回)を5月に開催し、その後は各分野で調査研究を進めている。3月には本年度研究成果の報告会を開催する予定で、総合展示室リニューアルに向け、そ
の災害展示セクションを担う調査研究の推進を図る。
なお、科学研究費で採択を受けた課題は上記1件(2件申請で採択1件、他に保存科学の継続課題1件あり)であったが、文化庁「被災ミュージアム再興事業(被災資料修理事業)」(保存科学)、「文化遺産総合活用事業(身近な文化遺産を通した地域再発見事業)」(民俗)、「地域の核となる美術館・歴史博物館支援
事業(寺社と共働した「地域のタカラ」活用事業)」(歴史)、及び公益財団法人LIXIL住生活財団の若手研究助成「絵画資料を用いた中近世における窓・建具の流通に関する研究」(建造物)等の外部資金を獲得している。


分野

内容

考古

・寄贈された縄文時代の骨角器を主とする楠本コレクション資料を整理し、当館研究紀要で公表するとともにデータベース化して整理作業を完結した。
・歴史的災害に関する調査研究のため、科学研究費(挑戦的萌芽)を活用し、「淡路市北淡震災記念公園」等の調査を実施した。
・歴史的災害に関する研究成果について、日本考古学協会や宮城県考古学会、歴史地震研究会等の学会・研究会で順次公表した。

民俗

・旧工芸指導所関連資料についての調査を進めた。特に熊谷家資料、茂泉家資料について整理を行った。
・動物関係資料の調査として、気仙沼市で聞き取り調査を行った。
・館蔵農具資料の調査として、鍬について、美里町、名取市、柴田町などで調査を行った。
・大学連携調査事業として、大崎市三本木新沼地区の民俗調査を行い報告書を刊行した。
・東日本大震災後の民俗調査事業として、石巻市旧雄勝町、女川町北浦地区、岩手県大船渡市等で調査を行った。

歴史

・旧仙台藩領を中心とした文書資料の研究、館蔵文書の整理研究や公開、県図書館からの移管文書の整理等を行った。特に、公開のためのマイクロフィルム化やデータベース公開のためのデータ整備や準備作業を行った。
・仙台藩大肝煎吉田家文書に関わる整理・調査事業を昨年に引き続き行い、文書群の分別・記録、個別文書の整理・解読、データの入力・整理等を継続的に行っている。
・新たに、文化庁地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業に応募し、地域に存在する文化財の総合把握と情報発信・共有を目的に、県内寺社と連携して地域に存在する文化財の調査を行っている。そして、文化財の歴史的価値や保存管理・活用の重要性を理解してもらい、地域のコミュニティー形成を促す目的で、それらの文化財を活用するための学習会(年度中)などを開催する。

美術工芸

・館蔵美術工芸資料の調査研究として、平成27年度からの5カ年では、近世藩御用絵師をテーマに据え、宮城県内所在資料を中心として調査研究及び内容の分析を進めた。成果の一部をテーマ展示等の展示事業において公開した。さらに杉山コレクションを中心に金属工芸資料の調査研究を進めた。
・仏教文化及び美術に関する調査研究として、平成27年度からの5カ年では、仏像及び神像を課題の中心に据え、宮城県域、宮城と関わりの深い岩手県南部及び秋田県南部等の拠点調査を進め、情報の蓄積を進めた。
・東北の近世絵画に関する調査研究として、宮城・東北の名所絵及び景観図などについて、宮城・東北地方の風景及び先人たちの営みが分かる近世の絵画資料を中心に、その特質を探った。本年度は5カ年計画の最終年度にあたり、仙台市等で関連作品の補遺調査及び文献調査を進め、事業のまとめを行った。成果の一部をテーマ展示等の展示事業において公開した。

建造物

・宮城県近代和風建築総合調査の補遺調査として、南三陸町内の調査を行った。
・歴史的災害展示研究として、気仙沼市の旧宿海嘯記念館(現・宿集会所)の調査を行った。
・公益財団法人LIXIL住生活財団の若手研究助成に採択され、「絵画資料を用いた中近世における窓・建具の流通に関する研究」を実施している。(研究期間:平成29年12月~平成30年12月)

保存科学

・出土遺物の保存処理および保存環境管理について、資料ごとにふさわしい効果的で適切な方法を検討し、資料管理(出土遺物の保存処理、保存環境管理)の中で実践した。
・昨年度に引き続き山元町合戦原遺跡出土遺物(金属製品、線刻画等)保存への協力をした。
・科学研究費基盤研究(C)「文化財収蔵のための緊急時における被文化財収蔵施設の活用と低コスト運営法の開発」に基づき、東日本大震災被災地における仮設収蔵庫等の環境調査、分析を実施した。

 

4資料管理事業
(1)資料の収集・利用
本年度の資料の収集・利用状況は下表のとおりである。(数字は12月末現在)

実物資料

・購入なし
・寄贈資料:民俗資料(熊谷家工芸指導所関連資料、茂泉家玉虫塗関連資料※いずれも平成30年3月受入予定)、美術資料(斉藤雅春・寿美子夫妻所蔵資料:刀装具・螺鈿容器・仏像・故杉山寿栄男氏原稿等21点)などを収集している(手続き中を含む)。

図書

・購入62件
・寄贈1,789件
・移管0件

利用

・貸出実物=8件566点写真=91件228点

 

(2)保存環境・保存処理等
・保存環境
収蔵庫・展示室の温湿度を常時監視するほか、変色試験紙による偏酸・偏苛性の調査を行い、空気環境改善の処置を施した。
また、加害生物調査及び駆除、浮遊菌や塵埃など総合的害虫防除管理調査を行なった。
・保存処理
国庫補助を得て、熊の作遺跡出土の木製品(曲物、挽物等96点)入の沢遺跡出土の金属製品(銅鏡、鉄斧等26点)の保存処理を行った。
・その他の調査・処置等
山元町依頼による出土金属製品ほかの保存処理協力、秋田県秋田市、岩手県奥州市依頼による出土遺物調査協力、多賀城市、仙台市、南三陸町、山形大学付属博物館依頼による資料収蔵・展示環境調査及び整備
への指導、そして東松島市(32点)、気仙沼市(12点)、宮城県公文書館(60点他)、宮城学院大学(6点)依頼による資料のくん蒸処理を行った。
5東日本大震災対応
(1)被災文化財の保全活動
・震災以降継続して一時保管している石巻文化センター資料(毛利コレクション、考古資料等)、東松島市海津見神社毘沙門天立像、気仙沼市猪苗代家具足の経過観察・保全を行った。
・水損被災資料(亘理町紙資料)の安定化処置として、ドライクリーニング、補紙等の実務を実施した。
・他機関の要請に応じて随時被災資料一時保管施設等の環境調査(温湿度調査、加害生物生息調査、空気質調査など)及びその整備に協力した。(石巻市仮収蔵庫(旧湊二小)、南三陸町仮収蔵庫、村田町プレハブ収蔵庫、涌谷町仮収蔵庫、亘理町立郷土資料館等)
・被災文化財の保存技術調査として、被災資料由来異臭対策調査を実施。
・被災資料の展示協力として(公社)みらいサポート石巻依頼による南浜つなぐ館資料展示及び展示環境調査を行っている。
・情報発信として、宮城県考古学会発表・文化財保存修復学会発表。
(2)県内復興関連発掘調査への協力
文化財保護課が行う復興関連の発掘調査へ、考古分野職員を調査員として1名を年間にわたり派遣した(多賀城市山王遺跡)。
6その他
(1)入館者統計
平成28年度の月別入館者数は、下表のとおりである。


4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月


平成28年

7,805

11,088

18,392

15,388

18,069

23,496

14,429

8,537

3,516

6,600

8,244

9,484

145,048

 

(展示観覧者,こども歴史館利用者,図書情報室利用者,今野家住宅利用者,各種講座・教室等の参加者
の合計数) (平成29 年度3月15日現154,150 人)


(2) 友の会
・平成29年12月末現在会員数769名
賛助会員:20件

家族会員:154組(457人)

普通会員:298人

学生会員:14人
・活動状況
総会・講演会・歴史講座・歴史探訪会・バックヤードツアー等

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

電話番号:03-5253-4111(内線2977)
メールアドレス:syakyouhouki@mext.go.jp