【資料4】日本動物園水族館協会資料

3月5日ヒアリング資料(日動水参考資料20180305)

公益社団法人日本動物園水族館協会

1.多くの図書に記されているように、我が国における動物園水族館の文化は、文明開化の流れの中で築かれている。

2.我が国に作られた最初の動物園である上野動物園は、当初から西洋の博物館と同様に、我が国の科学教育の役割を担う施設として作られている。

3.他方、日本各地では、産業振興を目的とした博覧会ブームがあり、その中で作られた動物園水族館は「見世物小屋・見世物施設」としての役割が多く、珍獣奇獣、珍魚怪魚としての扱いが多く、現在の博物館施設としての展示とはかけ離れていた。

4.戦後、日本には各地に公立民間を問わず動物園や水族館が作られ、国民へ余暇や娯楽の場を提供していた。

5.昭和26年に制定された博物館法の中で、動物園や水族館は科学系博物館の範疇としてとらえられているが、やはり動物園や水族館はショーが中心となり、娯楽施設としての色が強く運営されていた。

6.日本動物園水族館協会は1929(昭和14年)に任意団体として設立され、今日に至っている。現在協会が掲げている4つの役割として、1)種の保存、2)教育・環境教育、3)調査研究、4)レクリエーションを掲げており、学術図書の発行、全国レベルでの研究会の開催など、学術的な機能は高くなってきているが、いまだ社会的には、レクリエーション施設としての認識が高い。

7.時代の流れとともに、そこで働く職員の意識も変化しており、いわゆる昔の飼育員さんという考え方から、研究者として飼育に携わっている方向に向かっており、それらの成果は、先に述べた学術書のみならず、各学会や各種出版物で見ることができる。

8.ワシントン条約に係り動物等の取扱いに制限が加えられ、入手できる動物数が減少してきている、また、国内飼育の動物については高齢化が進み、展示動物の減少が見られている。このことを受け協会では平成24年にJAZA10年ビジョンを策定し、翌平成25年から平成27年までの間に全国にて「いのちの博物館」と題してのシンポジウムを開催、動物園水族館協会の考えやこれからの進むべき道について討論を重ねた。

9.博物館登録施設であるか、相当施設であるかについては、動物園(主に公立動物園)の場合、その所管によって異なっており、登録となっているのはごく少なく、相当施設でも数が限られている。
逆に水族館の場合は民間が経営主体であることから、これらの比率は高くなってきている。
動物園の場合、約8割が公立であり、各自治体によって所管が異なっている。
最も多いのが、(都市公園)建設局又は都市局の公園関連部課、次いで経済部等の観光課となっている。ただ所管が何処であれ、教育普及事業や、調査研究事業はほぼどの苑においても行われている。
協会との関係で行っている調査研究事業としては、環境省との連携事業があり、ツシマヤマネコ、ライチョウ、アマミトゲネズミ、ミヤコカナヘビなど稀少種の保護保全活動や、繁殖に係る研究については、多くの園館が参画している。
博物館の展示においては中立性が問題になると聞いているが、動物園や水族館ではまさに生きた生物を扱っているということでは、これらの影響を受けるものではないと考える。
動物園や水族館には多くの学芸員が存在し、それぞれの園館で、教育、広報などの中心的な存在として活動を行っているが、組織上の事もあり学芸員としての発令はないことが多い。

10.環境省の「動物園等の公的機能推進方策のあり方」についての検討会に参画し、新たな動物園水族館が担わなければならない役割等について意見交換→認定動植物園等に発展。

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