生涯学習分科会企画部会(第6回) 議事録

1.日時

平成28年12月15日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階3F2特別会議室

3.議題

  1. 意見のまとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【明石部会長】
 定刻となりましたので,ただいまから第6回中央教育審議会生涯学習分科会企画部会を開催いたします。
 大変お忙しい中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。本日は,これまでの企画部会での議論における意見のまとめ(案)について御審議を頂きたいと思います。
 それでは,事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【大類生涯学習推進課課長補佐】
 お手元の資料を確認させていただきます。まず議事次第がございます。そして,座席表,資料1,資料2と配付させていただいております。また,席上配付のみとなりますが,本日,山野委員からの意見資料として1部,また,別途,生涯学習の基礎資料がとじられたファイルをお手元に御用意しております。不足がございましたら事務局までお知らせください。

【明石部会長】
 よろしいでしょうか。それでは,本日の議事に入ります。これまでの議論を踏まえ,「生涯学習分科会企画部会 意見のまとめ(案)」について,まずは事務局より御説明をお願いいたします。その後,項目ごとに区切って,それぞれ意見交換を行いたいと思います。
 では,事務局から御説明をお願いいたします。

【大類生涯学習推進課課長補佐】
 ありがとうございます。それでは,「生涯学習分科会企画部会 意見のまとめ(案)」,資料1に基づきまして,御説明差し上げたいと思います。
 最初に,目次に即しまして,全体の構成を御説明いたします。大きく五つの章に分けてございます。
 一つ目は,「はじめに」ということで,前書きを整理させていただいております。2番目の項目として,「これからの社会と求められる資質・能力等について」,整理してございます。次の柱としましては,「「学びの継続・学び直し」の推進に向けて」,整理してございます。四つ目の柱は,「長寿社会における生涯学習について」。最後に,「課題解決社会の実現に向けて」ということで,小見出しとしては(1)から(4)まで整理してございます。いずれもこれまで企画部会でヒアリング等を行いまして進めてきたテーマに沿った形で構成させていただいております。
 それでは,本文に従いまして,御説明差し上げます。おめくりいただきまして,2ページ目をごらんください。
 「はじめに」のところでございます。こちらにつきましては,これまで平成4年に出された「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」という答申以降,生涯学習の捉え方,また,昨今の社会変化を踏まえた生涯学習の機会の充実に向けてどのような視点が必要かを整理させていただいております。
 特に長寿化が進んでいる中で,新たな人生のステージに向けた,第二,第三の就労も含めた再出発の機会に資するような生涯学習の機会の充実というものが重要になってくるということを整理させていただいております。
 また,本年5月に出ました答申の中で整理していただきました,学習活動の成果が適切に評価され,それがさらなる学習活動へつながっていくという視点,そうした「学び」と「活動」の循環の視点も大事であり,生涯学習社会の実現においてはしっかりと留意していかなければいけないということを整理させていただいております。
 このような状況の中で,企画部会が発足した経緯としまして,教育振興基本計画の改訂に向けた検討,これに資する議論を6回にわたって行ってきていただいているということを整理させていただいております。
 そして,これまでの議論を踏まえて,七つの論点にわたって論点を整理してございます。そして,その論点につきまして,更に検討していただきたいテーマ,検討していただきたい事項を検討課題例ということで,それぞれまとめさせていただくという整理になっております。
 この本意見のまとめが取りまとめられた暁には,次の生涯学習分科会において,更に議論を深めていただきたいという期待を込めて前書きを整理させていただきました。
 次に,二つ目の点,「これからの社会と求められる資質・能力等について」という部分でございます。
 冒頭,今般の学習指導要領の改訂に向けた検討が進められていること。また,その中で重視されている概念を整理させていただきました。更に諸外国における,成人に求められる資質・能力に関する議論を簡単にさらった上で,皆様から頂いた意見を整理させていただいております。
 その際の論点としましては,論点1にありますように,2030年以降に予想される社会の変化を踏まえて,今後,社会人に求められる資質や能力についてということで整理させていただいております。
 企画部会で頂いた意見としましては,まず,人生100年という長寿社会において,生涯に二つ,三つの仕事に就くなど,倍近く長くなった人生を自分で設計して,かじ取りしながら生きていく必要があるという御意見がありました。
 また,能力は加齢とともに衰えるという誤解がある。最近の研究では,日常問題解決能力や言語能力は高齢になっても発達し続けるということが分かってきたということを御紹介させていただいております。
 また,人間の能力は非常に多様であり,その変化は多次元で多方向です。50歳,70歳になっても落ちている能力もあれば,発達して一定のレベルを保ち続ける能力もある。何歳であっても持っている能力を最大限に活用し,生きていくことが必要である。残念ながら,落ちている能力はなるべく補っていくことを考える,そういうことが大事だという御意見を頂きました。
 また,成人になると,社会や地域における暮らしや職業,ボランティア活動等の文脈と自分自身をつなげていく力,すなわち,つなぐ力や協働する力が重要になるというような御意見もありました。
 ボランティアやNPOなど市民が地域のガバナンスに主体的に関わるようになっている中,市民性の高い積極的な人材の育成が求められており,社会教育や生涯学習を通じて市民性の教育を推進することが大事という御意見も頂きました。
 また,社会参加型の学習を通じ,集合的知識を取り込むことによって個人の能力を更に発達させることができる。これらをいかに大人に身に付けてもらうかが課題であるという御意見も頂きました。
 こういった企画部会で出された意見を踏まえまして,更に今後検討していただきたい課題として,二重枠の中に3点ほど今後のテーマを整理させていただいております。
 1点目は,人工知能の普及やグローバル化,長寿化など2030年以降の国内外の社会の変化を見据え,人生のどの段階で,どのような力を,どのように,どのような場で身に付けたらよいかという視点でございます。
 また,学校教育とも関連させつつ,地域の中の一員として求められる能力をどのように養うべきかという点もございます。
 最後に,生涯学習の場において,主体的・対話的で深い学び,いわゆるアクティブ・ラーニングの視点をどのように実現したらよいかということが今後のテーマとなってございます。
 次の章に入りたいと思います。「学びの継続・学び直し」の推進に向けてでございます。まず「学びの継続・学び直し」についてですが,これまでも第2期教育振興基本計画では,大学,専門学校等を通じて,生涯を通じた学び直しの場の在り方,学びの推進方策については取り組まれてきたところでございます。さらに,5月の中央教育審議会答申においては,新たな高等教育機関の制度化が提言されたところでございます。このような背景を踏まえまして,改めて企画部会で「学びの継続・学び直し」の在り方について御議論いただいたところでございます。
 主な意見は,論点2の四角枠の中にございますが,まずどのような課題・困難に直面しているかというところでございます。四つ目の点にありますように,若者は目指すべきキャリアが分からない,どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのか分からないという課題を抱えている。また,「学び直し」を振興するには,学び続けるための資金的・時間的・心理的ハードルを下げる必要があるということでございます。
 このため,三つの施策を進めるべきだという御意見がございました。1点目は,費用の支援や有給休暇の導入の促進といった御意見が出ました。また,二つ目の提言として,教育方法の充実やコンサルテーション,相談機能の充実というものも大事だという御意見がありました。また,マル3としましては,大学院等で更に学び続けていけるように,無償化や奨学金などの教育費の公的負担が必要であるという御意見も出ました。
 重ねまして,「学び直し」への動機付けであったり,学習内容のガイダンスであったり,教育機関とのマッチング,また,学びに関するコーディネート,こういった相談機能の充実が大事であるという御意見も出ました。
 次に,内容に関する御意見を御紹介いたします。まず知識や技術の更新頻度が早く,一度定着した学歴や知識だけではついていけない時期が来ている。こういう背景を踏まえて学習内容の充実が必要であるという御意見でした。
 また,職場で求められる技術の本質が変わってきているという御意見もありました。
 また,少し飛ばしますが,非正規雇用労働者に対しては,しっかりとした職業資格を取ることが正規雇用労働者へ転換するための現実的手段であるという御意見も出ました。
 さらに,制度に関する御意見です。人生の中で常に学ぶ場にアクセスできるよう教育制度を見直さなければならないという御意見や,履修証明プログラムや科目等履修制度,こういった制度の有効性を指摘する御意見もありました。
 最後に,企業をめぐっての御意見をまとめさせていただいております。まず中小企業は大企業に比べて企業内での職業能力開発の機会が少ないという御指摘。また,昨今の情報化・技術革新が加速する中で,企業固有の技術というよりも横断的かつ専門性の高い技術に関する需要が高まっているということ。それゆえに,オン・ザ・ジョブトレーニングというよりは,外部の教育訓練機関,こういった機関を活用することの重要性が指摘されたところでございます。
 これらの意見を踏まえまして,更に深堀するべき今後の検討課題例としては,3点御用意させていただきました。
 1点目は,社会人の属性や背景ごとの課題・困難に応じた「学びの継続・学び直し」の具体的な推進方策についてでございます。
 2点目,「学びの継続・学び直し」を進める上で,大学や専門学校側がどのような課題・困難を抱えているかという視点でございます。
 3点目,「学びの継続・学び直し」を進める上で,企業の抱える課題や企業への働き掛けなど,厚生労働省等との他府省庁との連携方策を検討すべきだという形で整理させていただいております。
 続きまして,「学び直し」の推進におけるICTの利活用についてということで整理させていただいております。「学び直し」を推進するには,ICTの積極活用が考えられるという視点で,かねて,日本版MOOC等についてのヒアリングを行い,御議論いただきました。その際の意見をまとめてございます。
 まず1点目は,オンライン学習の可能性をまずまとめさせていただきました。介護等で地元から離れられない人がMOOC等のICTを活用して資格を取り,地元に貢献できる人材になることも考えられること。また,数年内に産学連携を推進することにより,日本のオンライン学習の体系化・カリキュラム化を進めるとともに,潜在的なニーズを掘り起こしてより多くの人が受けられるような環境にしていかなければならないという御意見がありました。
 また,十代など若い世代から,学校卒業後もオンラインで学びのコミュニティを作り,そこで学び続けるという学習スタイルを提供していきたいという御意見もありました。
 おめくりいただきまして,次は,ICT利活用時における大学等との連携という項目で整理させていただいた意見でございます。
 1点目,高等教育レベルの高水準の学びを求める人たちのために,大学はユニバーサルサービスに転換していくべきだという御意見がありました。その際,例えば,大学はオンラインの学習,また,対面の学習,これらを組み合わせることによって,より高度な能力育成機関としての役割を果たしていくこと。これを通じて,広く生涯学習の振興にも寄与していくことが期待されるという御意見がありました。
 次の観点としては,ICTを利活用した学びのコミュニティづくり,交流づくりについての御意見を整理してございます。オンラインを使用し,又はオンラインをベースに知識を習得し,学びのコミュニティに参加し,学び続ける,そうした生涯学習のプラットフォームを作ることができると。また,オンライン学習で予習し,公民館や図書館をうまく活用して対面授業を実施する。こうしたブレンデッドラーニングで,学び合うコミュニティを築いたらどうかという御意見がありました。
 最後の視点です。多様な場・環境でのICTの利活用について。これはICTの利活用によって,貧困や不登校の子供たち,また,聴覚障害者の方々,さらには院内学級にいるお子さんのため,また,移動が困難な高齢者のため,こうした方々にオンライン学習が重要な出会い,また,活動するためのきっかけづくりになるのではないかという御指摘でございます。
 また,オンライン授業とセットとなる対面型の授業が公民館,図書館,博物館において実施されるとよりよい反応が生まれるのではないかという御意見も出ました。
 これらの意見を踏まえまして,更に検討すべきテーマとして,四つ整理させていただいております。1点目,「学びの継続・学び直し」を推進する上で,ICTの利活用の在り方でございます。2点目は,ICTを利活用した学習を行う上で,大学や社会教育施設などの教育機関との連携の在り方について。3点目は,ICTを利活用した学習によるコミュニティの形成,多世代交流の在り方といった点でございます。最後に,公民館や図書館など社会教育施設等を含むあらゆる生涯学習の場・機会におけるICTの利活用方策についてでございます。
 以上が「学び直し」に関する項目ですが,続きまして,長寿社会における生涯学習について整理してございます。
 文部科学省では,平成24年に「長寿社会における生涯学習の在り方について」という報告書をまとめた経緯がございます。それらの視点と,平成28年5月に出されました中央教育審議会答申において,高齢者の学習成果の評価,活用といった視点も含めながら御議論いただいたことをまとめております。
 1点目は,長寿社会による影響・変化についての御意見を整理させていただきました。
 人生90年もあれば,非常に多様な人生設計ができる。二つ目の点になりますが,そういう場合,結婚,出産,就職,転職など,それぞれの決定は本人の選択の問題になってきている。また,三つ目の点ですが,日本人は,単に長生きしているだけでなく,元気に長生きするようになってきているという御意見がございました。20年前の65歳と,今の65歳は大きな違いがあり,65歳以上を「高齢者」と位置付け,働かないでよしとする科学的な根拠はないという御意見もありました。また,日本の高齢者は,支えられるよりも支えたいという考えが強く,高齢者も支える側になり,いかにして,みんなで社会を良くするか。みんなで社会を支える状況を作っていくか。こういったことが課題であるという御意見も出ました。
 次の観点は,高齢期の生涯学習という視点でまとめております。
 まず健康寿命を延ばす政策が必要。長寿社会において,人生の最後まで元気でいるような新しい人間像・社会像を示さなければならない。また,セカンドライフを設計し,それに必要なものを勉強し,働いて,人と交わり,地域を作っていく。これが本当の生涯学習であり,これからの生涯学習の視点には必要だという御意見もありました。また,高齢者による学習実態についての御意見です。学習内容や手法がとても多様化しているということと,学習機会が多世代化しているということ。一般的な学びの場に高齢者が積極的に参加しているという実態の御指摘もありました。
 こういった御意見をまとめ,更に深堀する検討課題例として,2点まとめてございます。
 1点目は,長寿社会において,高齢者が健康を保持し,社会と関わりつつセカンドライフを生きていくための学びの在り方についてでございます。また,「定年」にとらわれず,生涯を見据えて第二,第三の仕事や地域課題解決等に参画する学習の在り方についてでございます。
 もう一点,高齢期の生涯学習について整理してございます。
 論点5としまして,高齢期の生涯学習と社会参画,多世代交流についてでございます。
 まず社会や地域との関わり方についての意見です。
 シニアの就労は,個人に対して,また,社会に対してメリットがあるという御意見がありました。ボランティア活動に参加したいのに,参加していない高齢者が多いという御意見があった一方で,高齢者が学びながら青少年委員,補導連絡員,子供会,児童館ボランティア,ファミリーサポートなどで活躍しているという御意見や,コミュニティ・スクールの委員になってらっしゃるというような御意見もありました。
 続きまして,多世代交流についての御意見です。
 地域の学び・社会の学びにおいては,若い人と高齢者が出会う多世代交流という視点が大事だという御意見,また,多世代で支え合うシステムづくりが必要だという御意見がありました。また,多世代交流の中では,次世代支援という視点を持つことが大事であるというような御意見も出ました。こうした高齢期の生涯学習,社会参画などの御意見を踏まえまして,さらなる検討課題例としては2点整理しております。
 高齢期の「学び」をどのように「活動」につなげ,就労や地域の課題解決など社会に参画する仕組みを構築するかについてでございます。
 2点目,高齢期の「学び」や「活動」における多世代交流の採り入れ方についてでございます。
 以上が高齢者の部分でございますが,続きまして,課題解決社会の実現へということで,12ページの方に入りたいと思います。
 冒頭御紹介しましたように,本年5月の中央教育審議会答申で,「学び」と「活動」の循環の推進について提唱させていただきました。この視点は重要であるという御意見が本企画部会でも多数出されましたので,(1)として,このテーマで整理してございます。
 論点6の部分です。御意見を御紹介させていただきます。
 地域社会に貢献したいという意欲がわき,貢献していると更にまた学びたくなる,そうした考えを生かしていくことが重要である。ただ,実際に学んでいる,活動している人たちは,学んだことを生かしたいと思っているが,生かせる場面がないという御指摘。さらに,学んだことを地域課題解決に生かす仕組み作りが一層重要になってくるという御意見も出ました。
 それを踏まえまして,13ページになりますが,今後の検討課題例として,課題解決社会の実現に向け,「学び」と「活動」の循環を普及・促進するための具体的な方策について,より議論すべきだというふうに考えてございます。
 続いて,論点7の,地域の「学び」と「活動」の循環を促す行政の役割について,整理してございます。
 多くの機関が連携して取り組むには,市がきちんと責任を取ることが大事であること。行政が出過ぎることなく関係団体・活動をコーディネートするという視点が大事だということでございました。また,市民のニーズや発案に基づき学習環境を整備するなど,市民の声で始める視点も大事だという御指摘もありました。
 次に,家族の問題が複数世代化・多問題化しており,地域で多世代向けのアプローチをすることが必要であり,そのためには専門職同士が連携する必要があるという御指摘もありました。また,資金面の問題で御指摘がありました。まず,活動参加者に持ち出しをさせないことが重要であるという御指摘。また,適正な受益者負担も頂きながら,活動の継続性をいかに支援していくかが重要であるという御意見も出ました。
 こういった御意見も踏まえまして,今後の検討課題例を二つ御用意しました。
 1点目は,地域の「学び」と「活動」の循環を促し,課題解決社会を構築するための行政の役割について。2点目は,行政機関とNPO等様々な関係機関・施設との効果的な連携の在り方,そして,活動資金の確保の在り方についてでございます。
 以上が企画部会で実際に御議論いただいた内容ですが,以下,前回の企画部会で御紹介いただきました三つの有識者会議の部分を整理してございます。
 1点目は,青少年の体験活動と地域参画についてでございます。
 14ページの中ほどにありますように,「青少年の体験活動の推進方策に関する検討委員会」では,非日常型又は課題解決型の体験活動の機会の充実。あるいは,体験活動によって得られた効果の継続の観点,また,身近な場所における体験活動の充実。そして,体験活動が実施できる体制を整備するための支援,こういったことをテーマに御議論いただいているところでございます。
 この検討委員会の検討課題に対して,企画部会では,四角枠にありますような御意見を頂きました。例えば,青少年教育施設等を活用した体験活動を全国的に広めるための啓発活動をしてはどうか。防災キャンプなど地域貢献につながる体験活動を推進してはどうか。また,学校という誰もが行く場所に,学習活動・体験活動等に関する情報がストックされ,誰でもいつでも当該情報を入手できる仕組みを提案したいという御意見もありました。こうした御意見も踏まえ,同検討委員会でさらなる検討が深められるよう,期待したいという形で整理させていただきました。
 次に,家庭教育支援の部分でございます。家庭教育支援に関しましては,本年6月に「家庭教育支援の推進方策に関する検討委員会」というものが立ち上がったところです。そこにおける検討課題は大きく四つございます。全ての親の学びや育ちを応援するための方策。また,「家庭教育支援チーム」による支援の推進の在り方。家庭に寄り添う形での支援の推進。家庭教育支援を担う人材の確保。こういったテーマで御議論いただいているところですが,これらに関しまして,企画部会でも御意見賜った内容が四角枠のところでございます。
 2点目の家庭教育支援自体が学びであり,学びを内面化していくためのコミュニティづくりが必要であるという御意見で,若い世代は交流の中で学び合うことが得意であるということ。親として成長するための学び合いの場を作ることが必要だという御意見がありました。また,若い世代や,忙しい家庭は,ICTを活用した情報提供が有効であるといった御意見も出ました。先ほどの有識者会議でまだ検討が進められておるところですが,引き続きこういった企画部会での意見を踏まえながら,参考にしながら,具体的提言の実現を期待したいと整理させていただいております。
 最後に,(4)として,地域課題解決を促す行政体制の整備について,整理させていただきました。
 16ページ目の方に記載がございますが,本年7月に有識者会議として,「学びを通じた地域づくりの推進に関する調査研究協力者会議」が設置されております。この会議では,「学び」と一体となった行政運営,教育委員会と首長部局やNPO等民間団体,学校等との連携の在り方。また,社会教育主事等の今後の在り方等を含む「学び」を推進する行政職員の在り方・役割などについて御議論いただいております。併せまして,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設のみならず,まちづくりを担う地域の多様な「学びの場」の在り方などについても議論いただいているところです。
 この検討課題に関しまして,企画部会では,特に,社会教育主事の有効性についての御意見が出ました。例えば,行政内部で社会教育主事の有資格者を有効活用することが大事という御意見や,社会教育主事の有資格者をコーディネーターとして位置付け,拡大していくのがよいという御意見が出たところであります。
 そのほか17ページにありますように,社会教育主事と福祉現場の職員等との連携の重要性であったり,教育委員会と首長部局,NPO等との連携の必要性でありましたり,総合教育会議の場を活用した首長部局との連携の必要性,こういった御意見も出たところです。
 こういった企画部会で出ました意見を,先ほど御紹介した協力者会議において,御参考に頂きつつ,より議論が深めていただかれるよう期待したいと整理してございます。
 以上が企画部会意見のまとめの整理(案)でございますが,今後の検討課題例に取りこぼしがないかどうか,また,整理させていただいた意見に取りこぼしがないかどうか。こういった点を中心に御議論いただければと思います。

【明石部会長】
 大類課長補佐,ありがとうございました。非常に簡潔にまとめていただきました。
 それでは,ただいまの説明につきまして,質疑,意見交換に移りたいと思いますが,項目ごとに区切って進めたいと思います。そして,時間が許せば,最後に全体の御意見も頂きたいと思っております。
 まず初めに,1番の「はじめに」と,2番のこれからの社会と求められる資質・能力等についてに関して,御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 では,菊川部会長代理,お願いします。

【菊川部会長代理】
 1と2の中で2点でございます。2ページの三つ目の丸ですが,「生き生きとした地域や社会の創出が」というところが4行目くらいにあり,ここに例えば「生産性の向上」などを入れなくていいのかという意見でございます。
 それから,もう一点ですが,4ページの2の検討課題例のところでございます。できましたらもう一つ,成人の学習発達可能性をどのように科学的に位置付けるかというのを入れられないかと思っております。と申しますのは,成人の学習と子供の学習がどのように継続,接続しているかということについて,科学的知見をまとめていくといいのではないかと思っているからです。ここにもありますように,世間に対して加齢とともに衰えない能力もあるということを言うためには,やはりエビデンスが要るのではないかと思います。そして,エビデンスを基に80歳であっても90歳であっても大丈夫ということを発信できると力になるのではないかと思うので,そういう意味ではエビデンスのための科学的知見の集約というのが要るのではないかという意見でございます。

【明石部会長】
 非常にハッとする視点,特に後半の方は,非常に個人的には大事だと思います。そういう知見を集めていかないといけない。昔から言われていた知恵と新しい知見の組合せも大事という感じがしています。

【菊川部会長代理】
 そうですね。

【明石部会長】
 ほかに何かございますか。どうぞ。清原委員。

【清原委員】
 ありがとうございます。清原です。
 全体的に私たちの検討したプロセスを尊重してまとめていただきまして,ありがとうございます。「はじめに」というところで,文部科学省の課題認識,あるいはこれまでの経過を踏まえて整理をしていただいていますが,自治体の立場から申し上げますと,今,いわゆるキーワードとしての「地方創生」というのが言われ,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」というのを,市町村は努力義務とはいえ,ほとんどのところで作っているのが現状です。
 そこで,長寿化が進んでいるということに加えて,先ほど2ページ目の「はじめに」の丸の3番目のところで,菊川部会長代理が「生産性向上」というキーワードも入れていただきたいという御意見をおっしゃいましたが,あわせて,地域の新たな力の創生,地方創生,地域の自立,地方分権の向上ということも入れていただければと思います。新たな地域の活性化といいましょうか,そういうニーズが確かにあって,その主人公はやはり住民,国民の皆さんです。それで,後ほどのところでも関連のあるところでまた発言をさせていただきますが,いわゆる文部科学省の予算だけではなくて,国の予算で地方創生に関する予算の中に,やはり生涯学習,芸術文化等の活動の拠点を支援するようなメニューが一部含まれています。メニューの中に人々が力を付け,学び,活動するような拠点のようなものも入れていただいていることもありますので,是非,むしろここで含めていただけると,文部科学省の皆様の財源だけではなくて,国全体が地方創生のための財政的支援の中に生涯学習や皆様のコミュニティづくりも含められるのかと思いました。その意味で,「生産性向上」,「地域の活力の向上」,そういうものを補強していただけたら有り難いと思います。
 それから,3ページ目の2の「これからの社会と求められる資質・能力等について」の冒頭に,初等中等教育分科会教育課程部会においても,学校と社会が共有し,連携・協働しながら,新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育む「社会に開かれた教育課程」の実現を目指していると書かれています。この学校と社会が目標を共有して,連携・協働するということが極めて重要だと思います。生涯学習の立場から,それを今まで比較的指摘してきたわけですが,学校教育から,きちんとこのようなことが言われていることを冒頭に置いていただいたということ。それから,自治体には「協働」という言葉が非常に重要な意義を持っています。目標を共有しつつ,多様な担い手がその目標達成のために協働するという趣旨です。
 その意味で,4ページ目のところでございますけれども,例えば3点目に,「成人になると,社会や地域における暮らしや職業,ボランティア活動等の文脈と自分自身を結びつけていく力,すなわち,つなぐ力や」,ここにも「協働する力が重要になる」とあります。そうであれば,ここの部分を受けて,社会や地域における暮らしや職業といったときに,やはり重要なのが企業の役割だと思います。生涯学習といいますと,高等教育機関あるいは社会教育施設,生涯学習施設というところが主たる担い手,あるいは関係して協力的な学校ということが位置付けられると思うのですが,暮らしや職業,ボランティア活動等を結び付けていく力を支援していただくには,やはり企業の登場というか,企業が担い手として重要であるというところを,この「はじめに」か,この2のところに企業という言葉が入ってくるといいのかなと思いました。
 それは,ひょっとしたら,まず2のところではそういう「総合力」というものが必要で,「多様な機関の協働が必要」だというところや,協働する力としておいて,3以降に,補強することでもいいかもしれません。
 さらに,なぜ企業にここの部分でと申し上げましたのは,この部分の最後の三つの点のところは極めて重要なことが書かれていて,例えば「市民の地域でのガバナンス」であるとか,「市民性の教育」であるとか,「社会参加型の学習」であるとか,「アクティブ・ラーニング」であるとかは,企業内教育でも目指されていることで,企業のCSR,社会貢献というのも重視されている時代です。したがいまして,社員が地域で貢献するということをやはり企業が保障していただいて,そして,企業と地域社会との関係を視野に入れつつ,企業内研修であるとかそういうのも進めていただければと思うからです。
 そこで,まとめとしては,提案として,今後の検討課題例のところで,学校教育と関連するだけではなくて,企業との関係などについて触れていただくことで集約できるかもしれませんということを提案させていただきます。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 続いて,3番の「学びの継続・学び直し」の推進に向けてについてであります。質問や御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 では,今野委員。

【今野委員】
 企画部会でも最初のときに出ていましたけれども,OECDの国際成人力調査が話題になったことがあります。あの調査の中では,諸外国に比べて日本人の成人の平均的な読解力とか数的思考力は世界でトップだということがありました。それから,ICTによる問題解決能力も世界で一番だということですけれども,あれも実はICT活用のテストだった。活用できない,あるいは適当でないということで,コンピュータ調査を受けていない人が4割くらいいて,ほかの国に比べると非常に割合が大きい。基礎能力は全般に高いのですが,特にICTの部分が成人が日本では弱いということで,是非この辺りに力を入れる必要があると思います。
 同じ調査の中で,成人の教育訓練への参加率は,日本は必ずしも高くない。北欧などでは60%超えをする国がたくさんあるわけです。それから,少し落ちて,5,60%のところが西欧各国が入りますけれども,日本の場合にはそれより低くて,3番目のグループで4,50%程度だということがありまして,成人の学習の参加率は高くない。やはりICTを中心にして,そういう機会をやはり更にまだ作っていく必要が十分にあるんだろうと思います。特に世界共通で成人の訓練と読解力のスキルの間には強い相関があるということですので,日本の場合,習熟力は全体的に高いとは言われていますけれども,そうした活動を促進するということはまだ十分やる余地があると思います。
 そして,それと関連して,この調査の中では,日本人の場合には,そういう読解力などの基本的スキルは,獲得状況は高いけれども,特に職場でそのスキルを活用しているかどうかというと,これがOECDの平均より低いということが出ております。読解力とか筆記力は高いけれども,特にやはりICTのスキルだとか,問題解決能力についての使用頻度は最低レベルになっています。どうも能力は高いけれども,職業生活の中でどうも使い切れていない,そして,この調査の中では読解力スキルの使用状況と就業者の1時間,1人当たりのGDP,生産性には明確な相関があるとされています。因果関係までは行っていないのですが,相関があるということで,習熟度そのものよりは,スキルをどう活用するかということが生産性にとっても重要だということも出されています。
 そういうことからすると,日本はもっと就業者が身に付けた基礎的な能力を活用させるという課題があるのではないかと思います。職場での仕事のさせ方も問題あると思いますけれども,教育訓練の段階で機会を拡充するとともに,習得した後の活用にも意を用いた教育機会提供というものが必要ではないかと思いました。

【明石部会長】
 ありがとうございました。ほかに。
 菊川部会長代理,お願いします。

【菊川部会長代理】
 このペーパーは過去5回のヒアリングを受けて,それをまとめることを中心にしていると思うのですが,ただ,外部に出た場合に,独立して読まれるということを考えると,やはり落ちているものはないかという視点が要ると思います。そういう意味で,この3のところの「学びの継続・学び直し」の推進というのは,今回のペーパーの新しい観点,学びを深めるという意味で,新しい視点だと思います。そういう観点で見ましたときに,この中で落ちていると思われるのが,一つは,今,別途検討が続いている検定試験の質保証についてほとんど触れられていないというところです。大人の「学びの継続・学び直し」のときに,それを深めるツールとしての検定試験は大切であるというのが1点でございます。
 それから,それは具体的には,例えば6ページに,制度に関してというところがありますので,この辺りのところに検定試験の今の状況を入れたらどうかという意見です。
 それからもう一つ,自分の関係で恐縮でございますが,放送大学についての記述もないわけでございます。その前のページに社会人が学び続ける困難点というところでたくさん上がっておりますけれども,社会人が学ぶために,金銭的なこともさることながら,時間的,空間的制約をどうするかというのは非常に大きな課題です。その中で,放送大学は社会人に学びやすい大学でございますし,また,内容的にも実践的な教養教育ということで,その証拠に,新たに社会人が大学に入学する半数が放送大学の学生であるという事実がございます。ですから,そういうものも制度に関しての記述の中に入れていただけないかという意見でございます。
 それから,最後にもう一点でございますが,ICTの活用のところですけれども,オンライン学習と,ICTの学習というのは,少し違っていると思います。オンライン学習というのは,オンラインの中で受け答えをする,質疑応答するというところまで含んだのがオンライン学習だと思います。例えば放送大学の中にもそういうタイプのオンライン学習は増えていっていますが,ただ手法的には開発途上でございます。しかし,私が放送大学に赴任して,驚きましたのは,全ての科目がネットで見られるということです。オンラインではないけれども,ネットで学習ができるということの良さは社会人の時間的,空間的制約を解決するところでございます。ですから,例えば教育振興基本計画部会でも,社会人の大学入学が増えませんという話がよく出ますけれども,そういった場合でも,大学が例えばオンライン授業を取り入れる。あるいは放送大学と単位互換を結ぶ。そういうものとうまくかみ合わせながらやっていく。そして,そのための制度的準備が放送大学をはじめ,幾つかの大学で進んでいると思いますので,そういうところをもう少しはっきり書いていただくといいのではと思います。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 清原委員,お願いします。

【清原委員】
 ありがとうございます。清原です。
 「学びの継続・学び直し」の推進に向けては,菊川委員がおっしゃったように,どうしても私たちは多くの事例を学ばせていただいたので,その事例の中から把握させていただいたことをまずは尊重してまとめるということになっていると思います。それは非常に重要なことですが,やはり「学びの継続・学び直し」というときの類型として,例えば職業に就いている人がその職業的能力をブラッシュアップするための学び。あるいは職業に就いていない人が新たに職業に就こうとするときの学びというように,職業能力に関係する学び。それ以外に新たな専門性を身に付けることによって,自分自身の能力を磨こうとする学び。また,青少年にとっては,職業といっても,全く経験がないとしたら,それを経験し,知識を増やしていくような学びなど,職業を切り口にしても,幾つかの類型化ができるかと思います。
 また,整理していただいたように,課題や困難を類型化することによって,「時間がなかなかとれない」,あるいは「金銭的に余裕がない」ということが上位に上がったことは事実ですけれども,「機会そのものが周知されていない」とか,「そもそもない」とか,そういうこともあるかと思います。この整理を尊重しつつ,そうした類型については,今まで文部科学省で把握してらっしゃるようなことで補強していただくのがひとつ良いかなと思いました。
 例えばこういうのがいいなと思ったのは,「国と地方連携会議ネットワークを活用した男女共同参画推進事業」の中にシンポジウムとして,「女性の裁判官,検察官,弁護士の仕事や働き方とはどのようなものか」というのを,女子中学生,女子高校生を対象にして,今年の11月23日に早稲田大学で開かれました。ロースクールを目指すという人が減りつつある中,いや,もっと身近な職業としてこういう職業を広めようということで,特に女性に絞ったシンポジウムをされて,これは高等教育局も恐らく協力されていると思いますが,例えばそういう取組があったり,また,三鷹市などでは,一般的に中学生には職業体験ということで,いろいろな職業体験で地域の商店街に行ったり,福祉施設に行ったり,警察,消防に行ったりして経験を磨いています。
 これも生涯学習の中で位置付けるとすると,5ページの論点2の4番目,「若年者は目指すべきキャリアが分からない」。「どのようなコースが自分の目指すべきキャリアに適切なのか分からない」という課題があるというとき,学校教育だけが頑張るのではなくて,地域あるいは高等教育機関が連携していくということもあるでしょうし,少し取組の補強することもできるでしょう。職業体験であれば,伏線を張って発言いたしましたが,1のところでも指摘させていただいた「企業の担い手力」というのは大変強いと思っています。
 そして,6ページでございます。本当によく整理をしていただいて,二つ目の点で,学び直しへの動機付け,学習内容のガイダンス,教育機関とのマッチング,学びに関するコーディネートなどを記載いただいております。この相談機能と集約される機能が極めて重要だという指摘をしていただいたことは大事で,これはそんなに簡単な相談機能ではないと思うので,ここのところは是非今後の課題としても是非是非充実の方向性を探るということで,今後の検討課題例の中に,「相談機能の在り方」というのは追加していただければと思います。
 最後に,6ページのところに,「企業をめぐって」というところがあります。中小企業は,大企業に比べて,企業内での職業能力開発の機会が少ない。これは本当に市内の商工会の皆様や商店街の皆様から問題提起をされているところです。しかしながら,ここでは,だからこそ,こうしたらどうかという提案があります。例えばマイナンバー制度が導入されるとか,あるいは今年4月から障害者差別解消法が施行されるというとき,大企業はいち早く対応されますが,中小企業では難しい状況がありました。
 そこで三鷹市は,武蔵野市,小金井市と連携して,中小企業の皆様を対象に,マイナンバー制度の研修会を税務署と連携して行いました。これは職業教育というか,新たな課題に対する地域の対応力を高める教育機会を連携して作ることができた例でした。これは国税庁,税務署も協力してくださっています。障害者差別解消法についても,これは極めて重要な取組で,きめ細かい合理的配慮が求められるものです。そうしたことについては,1社1社は難しくても,地域力で,コーディネートするのが私たち自治体の役割になってくると思いますが,そうした中で有意義だと思っておりまして,すなわち,この「学び直し」のときには,「新しい国の制度や新しい仕組みができたときに,新しい課題について新たに学ぶ」というような機会も含めるとすると,ここで御提案いただいているような,どういう連携力でしのいでいくかということは重要な課題だと思いますので,今後の検討課題例として,新しく台頭してくる,地域課題というよりも社会問題や社会的要請ということについて,いろいろな担い手が連携し合って,学ぶ機会を作っていくというのも含めていただくと現実的かと思いました。
 ありがとうございます。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 では,山野委員,お願いします。

【山野委員】
 私も横断的な話になるので,どこで発言しようかと思っていましたが,今の「学びの継続・学び直し」という,この学びの推進に向けてというところで,先ほどから出ているICTの活用をされていないとか,学びが生かされていない,機会が少ないとかというところと,それと先ほどの4ページの下の括弧の中の二つ目の点のところですけれども,「地域の中の一員として求められる能力どのように養うべきか」ということと,どのように活用されていくべきかということがあると思います。
 そうすると,この「学び直し」の推進に向けてという項目のところになるのかと思いながら,どこでどう言ったらいいのかと思っていたんですが,5ページの論点2の四角括弧の中の四つ目に,「目指すべきキャリアがわからない」,その下の「資金的・時間的・心理的ハードルを下げる必要がある」とか,「実習・実技,主体的・対話的で深い学びなど専門性を育成しやすい教育方法」と書かれています。そういった,どこでどう,それがあるのかというのがもっと見えやすいように,その場が見えるようにしていく。どこでどんな機会が作ってあるのかということを全体的な中で見える化していくということが一つ重要だと思います。後でそれに関連してまた課題のところで具体的にお伝えしたいと思いますが,まずはここでは場を見える化していくというのが必要なのではないかと思いました。
 2点目は,今,清原委員がおっしゃっていましたが,学生が目指すべきキャリアが分からない,どのようなコースが自分の目指すキャリアなのか,適切なのか分からないというところで,やはり大学の方からも,企業と協力,協働しながら,先輩アドバイスセミナーのような,卒業生を呼んできて,先ほどの女子中学生,女子高校生に向けてというお話のように,大学生に向けてよくしたりしていると思います。5ページの上の一番初めの丸の最後のところに,「大学・大学院・専門学校等の機能を強化する」と書かれているようなところで,そういった企業や自治体,大学が一体的になりながら,いろいろなチョイス,いろいろなバリエーションがある,そういう具体的なモデルを作っていく。目指すべきキャリアが見えていくような仕組みや,それぞれに努力していく必要があるというように,もう少し突っ込んでここに書いていけたらと,清原委員と近い意見ですが,大学の視点からも同じではないかと思いました。
 ありがとうございました。

【明石部会長】
 ほかに。では,生重委員,お願いします。

【生重委員】
 ここに本当に分かりやすく書いていただいているまとめになっていると思いますが,今,学校教育に関わっていても,社会教育に関わっていても,どの先生たちも,委員の方もおっしゃっていましたが,どこに相談して,誰につないでもらって,自分が学んだことがどこで生きるのかということの,そこをいかに具体化していくかということが重要だと思っています。
 今,学校も,「チーム学校」の中にスクールソーシャルワーカーとかキャリアカウンセラー,それから,様々な外部の方を入れていますが,私どもも実はキャリア教育コーディネーターという全国組織をしておりまして,先ほど清原委員がおっしゃっていた学校教育の職場体験等も学校や地域の実情に応じて,そこでいかに深く自分たちが体験でき,学びの意欲に通じるかということをコーディネートさせていただいている。それは小学校,中学校,高校,大学,専門学校,全ての学校ジャンルで今,求めていただければ,関わりのあるところにはそういうアドバイスをしていっている。
 それと同時に,自治体で例えば,今,沖縄の今帰仁村の子供たちの,今帰仁村で働くことを考えるというのをやっていまして,夏休みに東京,関東近郊の体験をしていただいた後に,今帰仁でアグーを使った商品開発というのを,実はきのうもやっておりまして,具体的な例でそれを入れたのはなぜかというと,これは社会教育活動です。今帰仁村の社会教育活動でやらせていただいて,中高生とやっていますが,そういう社会教育においても,学校教育においても,そうして多様な年齢の方々においても,キャリアをコーディネートする企業と行政と,それからシルバーであったり,それぞれの学校種の小中高大学生であったり,様々なつなぐ機能ということをやっているジャンルの人たちもいますというのを是非知っていただけたらと思います。
 これは岩手とか秋田とか山形とかいろいろなところの御相談に乗りながら,小さな町や村でやらせていただいたりしておりますが,そういう機能も,行政は大きなファシリテートや大きなコーディネートができるところだけれども,ニッチの中に人と人との思いをつなぐ,それがそれぞれの次のキャリアを描くというところにつながると私は自負しておりますので,是非そういう機能もあるということをどこかに少し入れていただけると大変有り難いと思っております。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,次に,4番目の長寿社会における生涯学習について,御質問や御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 清原委員,お願いします。

【清原委員】
 ありがとうございます。清原です。
 今回,4番目のテーマを,「長寿社会における生涯学習について」と表現していただいたことに感謝します。「高齢化と生涯学習」というようなタイトルと違って,やはり従来,高齢化対策だとか,高齢化の問題だとか言って,何か長寿になることが社会に問題を多くするような印象を与える表現が多い中,生涯学習の検討の中で,長寿社会という言葉をタイトルに付けていただいたことに私たちの議論の真意が一つ反映されていると思って感謝します。
 そして,一貫して長寿社会において,私たちが能力を主体的に発揮できて,自立できるというコンセプトでまとめていただいていることは望ましいと思っています。
 そこで,10ページ目の高齢期の生涯学習というところなのですが,「健康寿命を延ばす政策が必要」とあります。この「健康寿命」というのが大変重要なキーワードだと思います。そこで,これは皆様に御一緒に考えていただければと思うのですが,今,ロコモティブ・シンドロームであるとか,正しい高齢期の食育だとか,そういうことも問われておりまして,ともすると,生涯学習といいますと,何か学ぶというときに知識を共有する,高めていくなどになりがちですが,体力を高める,運動能力を高めるなど,筋力を高めるとか,そうしたスポーツ推進に関わるようなテーマを今回どのぐらい含められるかというのが気になっております。
 三鷹市では,「生涯学習」と同じように「生涯スポーツ」と,生涯にわたってスポーツを共にと進めています。スポーツという言葉がなかなか今回の報告書では出てこなかったのですが,学ぶ中に,今,申し上げました体力,筋力の向上やロコモティブ・シンドロームの予防であるとか,何か正しい食事だとか何かそういうのも幅広く含められるとしたら,この高齢期の生涯学習のところかと思いまして,問題提起させていただきます。
 それから,今後の検討課題例に関係するのですが,「定年」にとらわれず,生涯を見据えて第二,第三の仕事や地域課題解決等に参画する学習の在り方について。これはさきに三鷹市の事例で,介護サービスの拡充で,地域が責任を取る場合の,みたかふれあい支援員の例も御紹介しましたが,実は先頃,今年の12月1日付で,「民生・児童委員」に委嘱状をお一人お一人に手渡しました。改めてこうした公職,これは非常勤の公務員になるわけですが,厚生労働大臣が任命する仕事で,三鷹市の場合は,私が「三鷹市社会福祉委員」も兼務でお願いしていますが,こうしたものも一般的な職業ではなく,会社員とは違いますが,非常勤公務員として例示してもいいのではないかと思います。
 と申しますのは,比較的,今,人数に欠員のある地域が多くなっておりますのも,こうした役割の認知度が相対的に減っているのかなと思います。また,シルバー人材センターの取組もかなり重要ですし,老人クラブなどもボランティア活動に力も入れています。したがって,第二,第三の仕事というときの,その仕事の捉え方に今回はボランティアという言葉,NPOという言葉も多用していただいているので,かなり広がってきているとは思いますけれども,改めまして,少し広い可能性を今後更に検討していくということが重要ではないかと思います。
 最後に1点だけ,論点5の高齢期の生涯学習と社会参画のところに「多世代交流」というキーワードを入れていただいたことに感謝申し上げます。実は高齢者だけで学んでいただくということも重要ですが,そこに青少年との交流が入ったり,あるいは高齢者が保育園に行ったり,保育園児が高齢者施設に行ったりというような,行ったり,来たりがあることによって,むしろ寿命が延びているのではないかと痛感したり,子供たちの高齢者理解や障害者理解が進んでいるのではないかと思ったりします。
 したがいまして,生涯学習の分野にキーワードとして「多世代交流」が明確に位置付けられるということの意義は計り知れないなと現場で思っておりまして,是非今後の検討課題例の2番目にあります「多世代交流の取り入れ方」や,「多世代交流の意義」や,「多世代交流の効果の実現」についてとか,何か加えていただいて,未来形を生み出せればなと思いました。
 ありがとうございます。

【明石部会長】
 では,菊川部会長代理,お願いします。

【菊川部会長代理】
 この4のところで,全体的な視点ですので,今更というところがあるかと思いますが,長寿社会における生涯学習ということで,これは長寿社会の生涯学習は高齢期の生涯学習だけなのか,という視点でございます。つまり,長寿社会になったことを踏まえて,高齢期も学び続けるということもありますが,長寿社会を目指して熟年期も生きていくという視点は要らないのかという視点でございます。
 具体的に言うと,退職して,高齢期になって,慌てて勉強するのではなくて,長寿社会を目指して,働きながらも地域に関わっていく,働きながらも学習を深めていくという視点がどこかに入れられないかと考えています。といいますのが,例えば10ページの今後の検討課題例のところですけれども,「定年」にとらわれずに,生涯を見据えて第二,第三の仕事や地域課題等に参画とありますけれども,これは無意識のうちに定年退職者を想定しているかもしれませんが,先ほどのPTAといい,やはり熟年期からどう活動や学習に参加させるのか,そのことと仕事とのサイクルを回して,循環することで学習を深めていくという視点があるのではないかということで,もし追記できればという意見でございます。

【明石部会長】
 では,生重委員。

【生重委員】
 清原委員や菊川部会長代理がおっしゃったことに若干関連がありますが,高齢化社会で,公的な役割をずっと同じ方にやっていっていただくと,次が育たないという地域社会の課題がございます。ある一定の年限が来たときには,そこから退いて次の方にやっていただかなければいけないところに,若い方のなり手がなくて欠員があるというのは私のまちでも同様の問題が発生しております。
 ただ,この生涯にわたってということが大切であるならば,子供が生まれようと,生まれまいと,生もうと,生むまいと,変わりなく地域社会に関わり続ける,そういう地域の社会体制を構築していくことと,やはり子育てをしている方たちには仕事のことだけではなく,今学校教育の中でもコミュニティ・スクールであるとか,PTAの在りよう,地域学校連携推進,防災の問題,そういう全てが市民として育つ地域活動の中で必要なものを,我々は生涯にわたって学び続けて学習していかないといけない。そういう親としての成長というところにも直接関連していることです。
 ですので,書き方のところで,是非多くの方が社会参画する地域社会であってほしい。そして,清原委員がおっしゃるように,職業について働くことだけではなく,地域の中でのそういう公職を受けていくことも含めて,社会参加であるという,そういうことは書き入れてはいただきたい。その中で,若い方たちを巻き込みながら次々と,私は瓦屋根方式と呼んでいますが,つないでいかない限り,地域の安定した継続というのは望めないのではないかと思っているので,文章をお入れいただきたいというのと同時に,より多くの世代の参画が望ましいというような形でお書き入れを頂きたいと望みます。

【明石部会長】
 どうぞ,清原委員。

【清原委員】
 菊川部会長代理に御指摘いただいて,私も自分が発言したのに触れなくてと思いました。11月7日に「長寿化と生涯学習を考える視点」について報告をさせていただいたときに,高齢者を対象とした学習機会だけではなくて,「長寿化に関する諸課題についての学習」が必要であるということ,あるいは「長寿化がもたらす地域課題を解決するための生涯学習と活動」があるということを報告しました。やはり本当に多世代がなぜ生涯学習を必要とするかの一つのテーマに少子長寿化が入ってくるかと思いますので,是非小さいときからキャリアデザインを考えながら,子供たちが過ごしてもらうことも含めて,私たちの問題提起がまとまれば有り難いと私も思います。

【明石部会長】
 では,山野委員。

【山野委員】
 ありがとうございます。私も同じ意見ですが,ここに地元愛や地域を愛していくというような,山口県の例を家庭教育の有識者会議のときにお聞きしましたが,例えば高校生が中学生を教え,中学生が小学生を教え,小学生が幼稚園や保育園の子供を学習支援したり,遊ぶ支援をしたりして,地域の中で循環しておられるので,それがそのまま子供が大人になっていき,山口で子育てをしたいという,そこの地元への愛みたいなものに転換していかれるという感じをすごく受けました。
 秋田県に行ったときも,若者が外へ出ずに,男鹿半島のところで太鼓などを,彼らのボランタリーな愛で動かしているという,すごく感激するものを聞かせてもらったことがあります。ここで皆さんがおっしゃったとおり,長寿社会を目指して,菊川部会長代理がおっしゃった長いスパンで,ここに書かれている子育ての施策と障害者施策のような,高齢者の部分と子育てみたいな単純に二つの交流というイメージをしてしまうので,そうではなくていろいろな循環があるというように読めるような書きぶりがいいかと思いました。
 ありがとうございます。

【明石部会長】
 清原委員がおっしゃったように,長寿社会という言葉がハッとしました。私もかつては,40代,50代は高齢といってもストンと理解できた。でも,最近では高齢というのは何か怖い,大変だという意識があります。長寿であれば,よし,先があるなと考えることができます。だから,こういう長寿社会という言葉の使い方が今後大事という感じがしておりまして,これを出してくれたことは非常に評価できると思っている。
 その長寿社会の場合に,人生90年という言葉がいいのか,人生100年という言葉がいいのか,その辺ももう人生100年の方がいいかと思います。でも,100歳以上が6万5,000人もいらっしゃるのだから,もうこの際,文部科学省は,長寿100年社会を実現するという方向で行ってくれるといいかと思います。特に日本人は,言霊と言います。非常に言葉に敏感で,甲子園の球児がトンカツ食べるというのは,やはり勝つためにはトンカツでいかなければいけないという意識からです。これから生涯学習は,「長寿社会における生涯学習」というキーワードを,今回のこれで出していただけると非常にストンと落ちる感じがします。
 それでは,次は,5番目の課題解決社会の実現に向けてでございます。質問,御意見ありましたら。
 では,今野委員。

【今野委員】
 課題解決社会の実現ということでくくられていますが,ここに入るのが適当かどうかも,自信がないですが,第2期教育振興基本計画の中では,新たに絆(きずな)づくり,活力あるコミュニティの形成というのが大きな柱で掲げられておりました。社会教育,あるいは生涯学習の意味付けは,非常に貴重な重要な位置付けだったと思います。
 是非,第3期計画の場合においても,これを継承,発展させたいと思います。地域コミュニティだけに限らず,多様なコミュニティの活性化,そのための人々の信頼感の醸成,関係性の促進などいろいろなことが出てくると思います。そうしたものを,「学び」と「活動」の循環の次にでも入ってもいいのかとも思いますが,その要素は余りこれまで議論してこなかったのかもしれない。是非その辺りは取り上げていった方が良いかと思います。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 では,生重委員,お願いします。

【生重委員】
 私は10年ほど,農林水産省と文部科学省と総務省の農村漁村関連の委員をやっておりまして,そのときにどうしても学校で行わせたいというのがすごく出る。学校全体で1学年が行くというのが望みというのを常々感じますが,私はもう長く子供の居場所づくり,学校支援,周辺支援,社会教育の方で子供たちと関わってきているので,夏休みに連れていく体験型というのをずっと意見を言い続けています。今回こういう有識者の委員会があって,体験活動の議論をしてくださっていると思いますが,是非,学習指導要領が変わりまして,英語や道徳など,教科内容がどんどん増えて,学校において長期の体験型に学年ごとに動かせるというのは,相当また困難になっていくことになると思うので,ここに,「選び」,「選ばれる」,「選びやすい」体験活動を推進すると書いてくださっているのがとてもうれしいです。体験活動の中で,確実に子供たちは変わっていく。
 長期滞在型の農家にお預けして,体験活動をしていく中で,子供たちがもう本当に変化を遂げていく姿を見てきているので,これは絶対に重要だけれども,今,民間で高い料金のからそうでないものまで様々ある。保護者は選べる状況にはありますが,全く行けてないというのがもう情報の貧困と,貧困と言われる家庭状況に置かれている子供たちです。そこを貧困の子だから集まってください,と言っても,来ない。費用が掛からないとか,食費だけであるということができたならば,もう少しいろいろな学校とも協働しながら夏休みの長期体験型に,そういう状況に置かれているお子さんたちが参加できる機会も増えていく。
 それは学校教育の全体でやるのが一番理想なのかもしれませんが,現実問題としてはなかなか難しいとしたならば,冬休みに日頃の付き合いのある農家でお餅つきをすることなど,そういう一定のところに交流することが考えられます。しかし,連れていく資金がどこからも出ないというのがすごく問題なので,是非何とか整備して,コミュニティ・スクール,地域連携推進本部,放課後居場所,そういうところの協働プランで連れていくような,もっと柔軟に子供たちの体験活動を民間企業のような,高い有料のものばかりでなく,塾がとても豊かな体験授業をやっていたりしますが,そういうものではない,本来の社会教育,生涯学習というところでの子供たちの体験を是非作りたい。これは私のお願いですが,全国に広げていきたいので,そういうものにつながるようなものをどこかに入れていただけると有り難いと心から願っております。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 では,山野委員,お願いします。

【山野委員】
 ありがとうございます。今,生重委員がおっしゃったことにも関係しますが,私の意見の補足にペーパーを用意させていただきました。この12ページで,仕組みづくりが一層重要である,それから,13ページの論点7のところには,行政が出過ぎることなくコーディネートしていく,専門職同士が連携する,それから,その次の14ページの一番下に,学校という誰もが行く場で情報がストックされるというところで,いろいろ書いてくださっています。それを学校にこだわるという意味では全然ないですが,つながっていくものを,先ほど一番初めに菊川部会長代理がエビデンスを載せたらどうかとおっしゃっていましたが,分かりやすい図があるとイメージしやすいのではないかと思いました。先ほどの学ぶ場と,家庭教育支援の方でも出ていましたが,学んでいくことを共有する。それと活動を共有する。それは結局,学ぶだけでは,活動の場がなければ全然,ここにも書いてくださっていますが,生かされていかないですし,そこが結局は一体化していると思います。
 その仕組みという意味で,本日配らせてもらったペーパーで,最後の4枚目のことをお話したいのですが,全ての子供たちというのは,この三角の中では一番下の層で,児童福祉的課題のある子供という目線で行くと,一番課題のある子が三角の頂点になっていて,児童相談所が関わるということになりますが,今,生重委員がおっしゃった貧困問題や,ほとんどそれに特化して,児童相談所が関わっているわけではありませんので,この真ん中の階層,イエローゾーンやグレーゾーンの辺りのところに全ての子供たちからつなげていけないかという図です。生涯学習と絡めてそれをお話しすると,4枚目の一番下に,家庭教育の方で全戸訪問のようなプログラムを文部科学省が出してくださって,そこからいろいろな親支援プログラムや今の生活体験のプログラムなど,全戸訪問するといろいろなプログラムに,気になる人をつないでいける。そこと地域学校協働本部,あるいは学校運営協議会が,実は今のところつながっていく仕組み上の連絡会はないので,もちろん熱心な学校でやっておられるところはあると思いますが,ほとんどが,例えば「チーム学校」の専門職がこういった活動を御存じない。スクールソーシャルワーカーが学校でのいろいろな活動をうまく,グレーゾーンの子供には使えるのに御存じない。そんな問題もあります。それぞれ活動しているけれども,昨年12月に出された三つの中央教育審議会答申のコミュニティ・スクールと地域学校協働本部と「チーム学校」というのもつながっていないというのが全体的な状況ではないかと思います。それをつながっていくような仕組みを見える化していかないと,結局は地域学校協働本部でコーディネーターの方や,いろいろ活動したいと思っている方に,場がないというような話になっていきます。すごくニーズはある,課題はたくさんあるのですが,そうなっていかないという状態になっているので,こういったつながりを作るのを見えていくということが重要かと思います。それと,先ほどのまとめの14ページの一番下に情報がストックされたらと書いてくださっていた,学校プラットフォームにこういった情報もストックされて,これがコミュニティ・スクールや家庭教育,地域協働本部に生かされていくというような,そんなイメージができるようなものがあると良いと思います。
 ここに書いているNPOという,学習支援,食事支援など,今,生重委員がおっしゃってくださったNPOのいろいろな活動と,そこも見えて,つながっていくという何かイメージができるようなものを,固定的になってはまずいという反対の意見もあると思いますが,せっかくあるものがばらばらなままではもったいない。この方向性の中で,課題解決社会への実現というところで,こういったつながりを,実際につながる場を作っていくということと,それを見える化していくということが重要ではないと思いました。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 では,菊川部会長代理。

【菊川部会長代理】
 14ページの先ほど生重委員がおっしゃった体験活動に関しての意見です。ここの一つ目の四角囲みの点で,「体験活動を全国的に広めるための啓発活動」と書いていただいていますが,これはたしか私の発言だと思いますが,趣旨は,家庭あるいは家族,あるいはグループ単位の体験活動を広めるための啓発活動をしてはどうかという意図でございました。
 つまり,それからその五つ目に長期宿泊体験活動をというのもありますが,問題は,授業時数の確保などの流れの中で,学校がどのくらい長期体験活動,夏休み中,冬休み中であるにしろ,体験活動を入れることができるだろうかという問題があります。
 それで,二つの解決策ですが,一つは,長期宿泊体験活動の中に,3泊4日とか5泊6日ですと,その中にいわゆる学校の授業も入れていく。だから,施設に行って体験活動をするといった丸々体験活動だけではなくて,教育課程もその中でこなしていくという実践は,もう10年,15年前くらいから事例であります。私も昔,社会教育総合センターの所長をしたときに,当施設で教育課程として使える教育プログラムを作り,それを学校に売り込むということをやっていましたけれども,そういうことをしない限りは,学校における長期宿泊体験は伸びないであろうというのが1点です。
 それと,参加が困難な子供のこともありますが,普通の子供も体験が圧倒的に不足していますので,明石部会長が新聞に,体験の多い子供は結婚率が高いというデータを出されていたように思います。本当にもうこれは学校に任せるだけではなくて,親に対して,体験は有意義であるというようなことを広めていく。そのためには青少年施設も家族連れで来たときにこういう体験ができますというのをプログラム化して,PRしていくというようなことが必要で,その二つのことをしていくと,少し子供の体験力というのが上がるのではないかという意見でございます。

【明石部会長】
 ありがとうございました。清原委員。

【清原委員】
 ありがとうございます。清原です。
 5の「課題解決社会の実現」の整理の中で,「学び」と「活動」の循環の推進のために,具体的にどのようにすべきかという論点が丁寧にされていると思います。
 その中で,13ページの論点7,「地域の「学び」と「活動」の循環を促す行政の役割」についての,一つ目の点ですが,「多くの機関が連携して取り組むには,市がきちんと責任をとることが大事」とされております。市長として清原が出ているので,市が代表されてしまっていますが,「都道府県・市町村がきちんと責任を取ることが大事」としていただければなということが一つと,それから,三つ目の点です。ここは極めて重要な指摘があります。すなわち,「家族の問題が複数世代化・多問題化した際に,個々への対応や専門職一人での対応には限界があり,地域で多世代向けのアプローチをするべく専門職同士が連携する必要がある」と。この「専門職同士の連携」ということは,例えば公民館の社会教育主事だけが全部受け止めるということでもなく,社会教育主事があらゆる専門性を身に付けることを期待し過ぎるのでもなく,やはり部門を超えた横連携が大事という伏線であると思います。特に,家庭教育の場合,あるいは高齢者支援の場合,いずれも生涯学習,社会教育部門だけではなくて,保健や福祉部門が密接な連携をすることが有用だと思います。
 そこで,今回,17ページの最後のところで,具体的に,その他の検討事項として列挙していただいたものが,基本的には,自治体の首長部局,あるいは教育委員会だけではなくて,幅広い連携について整理をされています。先ほど貴重な御提案を頂きまして,山野委員の資料の4ページ目は,極めて具体的で,問題解決型の連携の例示だと感謝しております。例えばそこに教育委員会以外を加えますと,児童福祉部門では,要保護児童対策協議会が法定の協議会として位置付けられ,これでは余りにも硬いネーミングなので,三鷹市では,「子ども家庭支援ネットワーク」と呼んでいますが,要保護児童ですから,被虐待児を中心としており,併せて三鷹市でも来年4月から,全ての子供を対象にした「子育て世代地域包括支援センター」というのを始めます。「子ども発達支援センター」と言いますが,それは徐々に自治体でも設けるようになっています。
 すなわち,必要とする,しないにかかわらず,子供たちを広くあまねく,できれば乳児全戸訪問事業に加えて,三鷹市でも妊婦全員面談を始めています。ですから,妊娠期から出会っているので,ここに山野委員がお書きいただいた全戸訪問,これはかなり多くの自治体で,学校教育の前の段階でも始められる可能性が高まっています。したがって,教育部門がこのような図式を例示していただくと,そこにとりわけ,児童福祉部門や母子保健の部門が関係を持てるのではないかと思います。そうした「包括性」ということが生涯学習の真骨頂ではないかと思います。「全ての世代に対して働き掛ける」,あるいは「地域の様々な生涯学習の担い手を連携できるネットワーク」としての役割を果たせるということを感じました。
 もう一点,実は家庭教育のときに,この間,秋田県の社会教育主事から具体的な事例を教えていただきました。今,インターネットが普及しています。小学生,中学生がスマートフォンを使う時代になっています。そこで,秋田県では,保護者世代を中心にこうしたスマートフォン,インターネットの正しい使い方を指導できる人を社会教育主事が中心に指導して,社会教育主事や学校の教員だけではなくて,一般の市民の皆様が保護者や子供たちに指導するという輪を広げていらっしゃるということです。
 専門家をむしろ作って,そして,インターネット時代に対応するということです。親が,あるいは地域の人が学びながら,子供たちと学び合いながらというような循環ができている。インターネットが起こすいじめ問題とか,何か犯罪の加害者になったり,被害者になったりということを少しでも減らそうという取組です。このように,ICTを使うといったときも,ICTを使って生涯学習をするということではなくて,「ICTをテーマにした多世代間交流の課題解決の授業」なども展開されているようですので,そういう意味で,ICTも手段として使うだけではなくて,ICTを対象としての学び,あるいは対象としてインターネット問題を扱いながら,それをまたインターネットを使って学ぶということ。そういうような広がりも現場にはあるようでございますので,是非この課題解決社会の実現の中にも,課題にICTを置きつつ,手法にもICTを置いていくというようなまとめ方も有用ではないかと思いました。

【明石部会長】
 では,生重委員。

【生重委員】
 ありがとうございます。今,清原委員が三鷹での取組をお話しくださって,私は沖縄で,高校にも関わっているのですが,進路困難校5校にコーディネーター配置をしております。中退,進路未決定者の問題を解決するために今活動していますが,一番ショックなのは,保護者の方が就学費援助の申請すら書きたくないとおっしゃる。結局,そのためにバイトを子供が,高校生がしなければいけない。そんなに難しくない書類だと思いますが,とにかく事務所に突然やってきて,投げ入れて帰っていくという,何も書いていないという状況もあります。今,御発言いただいた問題の中で一番良いのは,スマホは絶対に持っていて,絶対に見る。だから,そこで申請は簡単だとか,ここに行くと相談窓口があって,書き方の指導してくれるなど情報を送るのが良いと思います。もっと小さな,生まれたときからでも,生まれる前からでも,つながりを持っていくというのはとてもとても大事です。そういうときでも,ここに何月何日に来る,保健所にいらっしゃい,学校にいらっしゃいと言うと,それをみんな嫌がりますが,公民館など楽しそうな生涯学習施設に呼んでいただいて,そこでお菓子とかお茶が出して,ワールドカフェのような形でやれると良いと思います。ワールドカフェとは何,と思いながら来てくれるような状況をスマホで呼び掛けるというのは,これから行政にとってはとても大事なことで,子供たちの活用の方法も,そのリテラシーという意味で教育していく。保護者の方たちにまず家庭教育といったら,もうこれからはスマホしかないのではないかと思っているくらいなので,是非届かないところに届くようなことも今後,御検討いただけたらいいなと思います。

【明石部会長】
 ありがとうございます。
 では,今野委員。

【今野委員】
 幾つかまとめて言わせてください。
 一つは,青少年の体験活動と地域参加の関係です。ここで書かれていますが,もう少し必要性について,背景に子供たちの自己肯定感の低さということをもう少し書いたらどうだろうかと思っております。このところは明石部会長がずっと継続して調査,明らかにされているところだと思います。いろいろな調査では,日本の子供たちは,ほかの国の子供に比べても,みんなに好かれているかどうかとか,失敗を恐れずにチャレンジするかどうかという自己評価のところでは,非常に低い評価になっているということがかねて問題だと言われています。また,学年が上がるにつれて,肯定感がもっともっと大きく下がるということにもなっています。
 それから,OECDのPISAの学力調査でも,学力自体は高いですが,勉強に対する興味・関心,動機付け,自信という評価の面では世界最低ランクとなっています。各国とも肯定的な自己評価と成績には相関があるとのことですので,恐らく自己評価を高めるということができれば,学力の面でももっと可能性が上がるだろうと思います。
 学力だけではなくて,恐らく知徳体の基盤になるところに自己肯定感の問題があると思います。今年の文部科学省の不登校の調査でも,自己肯定感という言葉は何度か使って通知が出されておりますように,いじめや不登校ということにも関わる部分があると思いますし,積極的に前向きにいろいろなことにチャレンジして,意欲を持って活動するということ。あるいは他者との協働でいろいろなことをするということについても,自己肯定感が非常に大切になってくるだろうと思います。
 それで,明石先生部会長の研究の中でも,自然体験,生活体験など,体験活動が豊富な子供ほど自己肯定感が高いということもはっきりされておりますので,是非その自然や生活だけではなくて,社会体験,様々な友達と一緒にいろいろな活動をするという多様な体験を与えて,そして,その体験の中で自ら達成感を味わう。そして,周りからも承認を受けるという機会を是非作っていく必要があるだろうと思います。そういう背景も少し書き込んで,自己肯定感の問題をクローズアップしていただくと良いと思いました。
 それから,家庭教育の関係ですが,以前から一番届けたい家庭に届けられない。出てきてほしい人ほど参加してくれないということが行政の課題だったと思います。最近はむしろ,こちらから出掛けていって,アウトリーチということで,家庭やいろいろな集まりに出ていくということをチャレンジしているようですけれども,これもなかなか難しいということを聞いています。特に貧困や,いろいろ家庭教育以前に,家庭の運営そのものになかなか難しさを感じている家庭もたくさん出てきております。
 そういう中で,家庭教育をどう振興していくかということですが,今までもお話出ていますけれども,家庭教育というカテゴリーだけで,独自にやろうとしてもなかなか難しい。貧困や非行,ひきこもりや就労支援,様々な子供,あるいは家庭に関わる課題がたくさんあって,それぞれの部門でいろいろな対応をしているわけです。そういうそれぞれの個別の行政領域の中に家庭教育が入り込んでいって,協働的に実施するということが必要ではないかと考えております。それぞれの分野での支援策の中でも,家庭教育支援的な部分というのは,不可欠で重要なものであるはずですので,そういうところで,家庭教育の担当者が一緒にチームを組んで実施をするということで,初めて家庭教育がうまく機能していくことではないかと思っています。
 それからまた,活動の方法として,対面的な,あるいは協議的なものももちろん重要ですが,なかなか課題を抱えている家庭の場合には,時間が取れない,あるいはそういう対面的なものを求めないという傾向もあるように聞いておりますので,そういう場合には,パソコンやスマートフォンなど,いろいろそういう情報を自ら取れるようなサイトだったり,あるいは自らいろいろ交流をしたりという,届けるのではなくて,求めることができるような場を作る。そして,それを支援するということで,ネット環境などを利用した形のやり方というのもできるのではないかと思ったりもしています。

【明石部会長】
 では,清原委員。

【清原委員】
 ありがとうございます。今,今野委員が大変重要な御指摘されたので,私も発言させていただきます。「自己肯定感」というキーワードについてです。これはとりわけ今は青少年のところで発言されましたけれども,私,今回この企画部会で,検討させていただいているときに,常にいろいろな事例を通しても感じていたことでした。したがって,青少年のところだけではなくて,「はじめに」というところでも触れていただくキーワードではないかと御提案します。
 と申しますのは,例えばこれは内閣府が当時まとめた子ども・子育て支援法の理念に基づく基本方針でも,例えばこう書いてあります。「子ども・子育て支援とは,保護者の育児を肩代わりするものではなく,保護者が子育てについての責任を果たすことや,子育ての権利を享受することが可能となるよう,地域や社会が保護者に寄り添い,子育てに対する負担や不安,孤立感を和らげることを通じて,保護者が「自己肯定感」を持ちながら子どもと向き合える環境を整え,親としての成長を支援し,子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるような支援をしていくことである」と,このように「自己肯定感」というのを保護者も子供も持つことと強調された経過がありまして,できれば「はじめに」というところ,私たちの取りまとめの骨格の一つに加えていただけたら有り難いと思います。

【明石部会長】
 どうもありがとうございました。
 最後になりますけれども,この企画部会の意見のまとめ(案)全体に関することについて,審議をまとめたいと思っております。部会長である私に御一任いただければ,委員の方々とメール等で相談をさせていただきながら,最終案を作っていきたいと思っております。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 では,意見がまとまりましたら,今後の教育振興基本計画の策定に向けた検討に生かしていただきたいと思っております。
 それで,次の生涯学習分科会でこのまとめ(案)を御報告させていただきたいと思っております。菊川部会長代理をはじめ,各委員の皆様におかれましては,6月から精力的に御審議を頂き,大変な御協力いただきまして,誠にありがとうございました。
 それでは,まず,菊川部会長代理から一言御挨拶お願いします。

【菊川部会長代理】
 必ずしも多い回数というわけではないと思いますが,ここまで事務局の御努力でたどり着いていただいてありがとうございました。
 目次を見てみますと,少し新しい視点が出ているのではないかと思います。3の「学びの継続・学び直し」というのはやはり学習を深めるという観点ですし,先ほどから申し上げましたように,長寿社会における生涯学習というのは,学習期間が延びるという観点。あるいは課題解決社会の実現というのは,学習成果を活用するという観点で,何かそういう意味では,一歩,これまで以上に進めることができるのではないかという期待を持っております。どうもありがとうございました。

【明石部会長】
 ありがとうございました。
 きょうの企画部会の素案の中では,長寿社会を支える,支えて生き抜く「学び」と「活動」,生き抜くだけではなくて,支えるようなことをしていかないともう駄目であるということが随所にあるということが非常に気に入りました。
 二つ目の社会総がかりということを常々どこでも文言で出てきますが,今回,清原委員が御指摘されたように,企業というのをもう少し全面的に出していくということが,新鮮みがあったかという感じはしています。
 三つ目は,よく世代を超えて,多世代で交流しましょうと言いますが,なかなか中身がなかった。私の理論であるのは,子供たちは縦と横の交流はあるけど,斜めの交流はほとんど消えてしまったということです。その斜めの交流を保障するのが多世代の,地域のおじさん,おばさん,おじいちゃん,おばあちゃんの方と交流するから,斜めの関係ができるし,将来的なネットワークづくりまでできるという御提案かと思いました。
 それで,やはり最後は,オンラインの学習を含めまして,「学び」と「活動」のワンストップ行政といいましょうか。生重委員がおっしゃいましたけれども,何かやりたいけれども,どこに行けばいいのか,活動できるのか,ボランティアできるのかという,そういう「学び」と「活動」のワンストップ行政というのができればという感じがしておりまして,私の意見でございました。
 最後に,局長から一言御挨拶を頂ければと思います。

【有松生涯学習政策局長】
 最後にお礼を申し上げたいと思います。中央教育審議会の第3期教育振興基本計画の策定について議論が開始されている中で,生涯学習分科会においても,その策定に向けた今後の基本的な方向について審議を行っていただくために,この企画部会を開催させていただきました。6回にわたる非常に御熱心な御議論いただきまして,また,きょうのこの意見のまとめ(案)につきましても,大変様々な,重要な御指摘を頂きました。ありがとうございました。
 また本日の御意見を踏まえて,部会長とも御相談してまとめさせていただきたいと思います。ここに至るまで,明石部会長,そして,菊川部会長代理に併せてお礼申し上げたいと思います。
 今後の生涯学習の推進を図る上で,今,既に総括をしていただきましたけれども,大変重要な柱をお示しいただいたと思っておりますし,今後の方策についての重要な道筋を見させていただいたと思っております。今おまとめいただくこの結果を今後の生涯学習の振興はもとよりですけれども,第3期教育振興基本計画,いよいよ基本的な考え方をまとめ,この後,具体策についての検討が進んでまいりますので,そちらの方に生かしてまいりたいと思っております。
 本当にありがとうございました。

【明石部会長】
 事務局から事務連絡がありましたらお願いいたします。

【大類生涯学習推進課課長補佐】
 本日の資料につきましては,机上に置いていただければ,後日,郵送させていただきます。
 連絡事項は以上です。

【明石部会長】
 それでは,本日はこれにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

―了―

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