社会教育推進体制の在り方に関するワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

平成25年7月5日(金曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省13階 スポーツ・青少年局会議室

3.議題

  1. ヒアリング
  2. その他

4.議事録

【浅井座長】  定刻でございますので,ただいまから第4回中央教育審議会生涯学習分科会の社会教育推進体制の在り方に関するワーキンググループを開催させていただきます。本日は,お忙しい中,お集まりいただきありがとうございました。
 それでは,本日の議事の確認をさせていただきたいと思います。お手元の議事次第を御覧いただきたいと思います。
 本日は,ヒアリングとしまして,佐賀県の文化・スポーツ部と菊川座長代理より,それぞれ御発表いただきまして,その後で,今後の社会教育推進体制の在り方について論点に沿って議論をさせていただきたいと思っております。
 議事に入る前に,事務局より資料の確認をお願いしたいと思います。

【新木企画官】  それでは,お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第にありますとおり,本日,資料1から5まで,それから参考資料1として教育制度分科会の方のこれまでの意見というものをお配りしております。資料の不足,その他お気付きの点等ございましたら,事務局の方までお知らせいただければと思います。
 以上でございます。

【浅井座長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは,議事の(1)のヒアリングに入らせていただきたいと思います。
 それでは,まず佐賀県文化・スポーツ部の西中隆様より,佐賀県の事例について御発表いただきたいと思います。
 御存じのことかと思いますけれども,また,これまで会議でも何度か話題に上りましたが,佐賀県は,平成24年度より都道府県レベルで初めて社会教育に関する事務の大半を知事部局に委任,補助執行しているということで,実質的に移管しているということでございます。その点に関する考え方とか状況を,西中様にお伺いいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【西中氏】  失礼いたします。佐賀県の文化・スポーツ部長の西中でございます。本日は,このような発表の機会を与えていただきまして,まず感謝申し上げます。
 今,座長の方から御紹介いただきましたけれども,私ども佐賀県の文化・スポーツ部,できてまだ1年と3か月がたったばかりの,まだまだ新しい部でございます。今日は,知事部局におけます社会教育の推進についての事例紹介ということで,テーマを与えていただいております。
 平素私どもが考えておりますこと,あるいは昨年度,今年度と私どもが取り組んでまいりましていることにつきまして,率直にお話をさせていただければというふうに考えてございます。つたない発表となるかもしれませんけれども,当分科会の議論にいささかなりとも貢献できれば幸いと存じます。では,座らせていただきまして説明の方をさせていただきます。
 まず,昨年度の組織改正の基本的な考え方とその概要につきまして,この1枚で御紹介させていただきます。佐賀県の文化・スポーツ部の設置を考えましたのは,この文化あるいはスポーツといったものが持っております健康づくりあるいはきずなづくりあるいはまた地域のにぎわいの創出,そういった価値に着目をいたしまして,知事部局,教育委員会,それぞれのところで所管をしておりました文化,スポーツに関する事務を一元化いたしまして,全庁的に推進しようというものでございます。
 あわせまして,今,座長の方からも御紹介いただきましたが,社会教育・生涯学習に関する事務,教育委員会が平成23年度まで担当してございましたけれども,そちらにつきまして,私あるいは各博物館等の館長の方に事務委任あるいは補助執行という形で一体的な取組をしていこうというふうにしているところでございます。
 なお,文化スポーツ部につきましては,佐賀県の場合,本部制というのをとっておりまして,部の上に本部というものがございます。これにつきましては,従前から類似の事務の実績がありました,くらし環境本部というところに文化・スポーツ部を設置しているということでございまして,これはくらし環境本部,一番下に書いてございますけれども,県民に身近な行政課題,男女参画とか県民協働あるいはこども未来課というのは子育ての支援とかでございますけれども,環境,そういったようなものを担当している本部でございます。
 今,類似事務ということで御紹介をさせていただきましたが,その1つの例としまして,男女参画・県民協働課の事例を御紹介しておきたいと思います。実は,平成18年から生涯学習の総合調整につきましては,男女参画・県民協働課の方で担当をしておりました。もちろんその個別のそれぞれの推進につきましては,教育委員会が動いていたんですけれども,全体の総合調整というところを男女参画・県民協働課の方で担当していたところでございます。
 それから,続きまして,県民協働の推進というふうに書いてございますけれども,これは2004年の10月に佐賀県として県民協働指針というものを策定してございます。これは私どもの古川知事の基本姿勢なのでもございますけれども,その問題意識として,多様な行政ニーズが生まれてきている。そういう中で,行政のみでは限界があるであろう地域課題の解決といったようなものが求められてきているという状況にあるという認識に立っておりました。
 一方で,自己実現でありますとか,あるいは社会の課題解決に向けて自分でも動きたいという自主的な,あるいは多彩な市民活動が活発化していた時代がこの2004年,これぐらいの頃だったかと思います。
 そういう意味で,社会を構成します多様な主体によります県づくり,地域づくりを進める手法の1つということで,本県といたしましては,この県民協働というものが行政の1つのキーワードというふうになってございます。
 こちらの方に志縁組織と地縁組織という書き方をしてございます。本県の場合は,志縁組織と地縁組織併せましてCSO,Civil Society Organizationsという言い方をしてございますけれども,このうちその志縁組織,志によるつながりということで,こちらの方がNPOでありますとか,ボランティアグループ,そういった方々を念頭に置いた概念として整理をしてございます。
 それから,地縁組織の方は,これは御案内のとおり,従前からありました,まさに地域のつながりという中での組織でございまして,自治会,婦人会,老人会あるいはPTAといったようなものを念頭に置いてございます。
 こういった知事部局において生涯学習の総合調整をしていたということ,あるいは志縁組織と地縁組織を一体として捉えた施策展開をしてきていたといったようなことも,平成24年度の組織改正に向けまして,佐賀県という組織の中におきましては,このような組織改正を考える素地といいましょうか,文化といいましょうか,そういったものがあったということが言えるのではないかと考えてございます。
 こちらは新旧の組織図でございまして,平成23年度まではこのような形,平成24年度からは右側の方でございますけれども,この中でこれだけ多くのところに分かれていた事務を一元化という形でこういうふうにしてございますが,特に,本県の中で1つポイントかなと思ってございますのが,健康福祉本部というところで従前担当しておりました高齢者の方々あるいは障害者の方々のスポーツでありますとか,文化といったようなものも一体として捉えて,スポーツ課あるいは文化課というところで担当しようということでございます。
 これはスポーツ基本法の前文の方にも書かれているかと思いますけれども,例えばスポーツについて言いますと,障害をお持ちの方もそうでない方もスポーツに親しむ,楽しむ,スポーツを行う環境を持つ。それはまさに権利であるということが前文にうたわれていると思います。
 したがいまして,いろいろな方々がそれぞれのスタイルに応じて楽しめるように,一元的な取組をしていこうということで,健康福祉本部の方からこういったものも一元化しているところでございます。
 教育委員会からは,まさにこのような多くの事務を移管してございますけれども,学校体育に関しますこと,それから,文化財の保護に関しますこと,それから,社会教育の一部につきましては,これまでどおり教育委員会の方で実施をするということとしてございます。
 次から,施策の体系順といいますか,取組体系ごとに主だった取組につきまして御紹介をさせていただきたいと思いますけれども,まず,生涯学習・社会教育の取組体系といたしまして,これは現在の施策体系でございます。生涯学習関係につきましては2つ。生涯学習の環境づくりの推進と図書館先進県づくりの推進という形で,大きくテーマとしてくくってございます。
 それから,社会教育関係といたしましては,指導者の資質向上に始まりまして,各種団体活動の支援,それから,個別の事業ということで地域の教育力を生かした活動の推進から,少子化対策ということで体系立ててございます。
 続きまして,各施設なのでございますけれども,本県は多彩な博物館を有しているというのも1つの特徴かなと思ってございます。県立博物館・美術館以外にも,有田におきます九州陶磁文化館,それから,肥前名護屋,名護屋城博物館,佐賀城本丸歴史館,宇宙科学館といった形で,多彩な博物館も有してございます。
 ここから,個別の取組について簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。まず,地域の教育力を生かした活動の推進ということで,家庭・学校・地域の連携支援体制づくりというものでございます。こちらは,県それから市町の教育委員会,県のPTA連合会,こういったところが主体となりまして,その単位PTAとか市町PTA,こういったところを応援して,家庭・地域・学校の課題を解決できるような体制をとっていこうよということでございまして,学校活動の支援でございますとか,家庭教育の情報提供,それから,地域のボランティアの力なんかも活用するような形で,多様な団体との連携を図っていくような,そういう中で子供たちの育ちと学びを育む支援体制づくりに取り組んでいるというものでございます。
 分科会が本年の1月にまとめられました議論の整理というものも拝読をさせていただきました。その中でも,ネットワーク型行政というのは1つのキーワードのように理解をいたしましたけれども,この取組は,本県といたしましてもネットワーク型行政を指向して企画をした1つのモデル事業というふうに考えてございます。
 なるべく多様な主体をということで考えたものでございますけれども,議論の整理の中にも自前主義というような言葉も出ていたかと思いますが,そういった自前主義ということとの関係で言えば,比較的近しいところとの取組といったようなことが言えるかと思います。
 続きましては,きめ細かな家庭教育支援の取組ということで御紹介させていただきますが,ここでその他CSOという言葉が出てまいります。協働提案型家庭教育支援CSOネットワーク推進事業と,ちょっと聞きなれないのが,まず協働提案型というところが聞き慣れないかと思いますけれども,本県では,このCSOが県の事業体系の中でこの事業を私たちでやらせてくれたら,こんなような取組ができるんだけれどもといったような提案をしてもらう,受け付けるという制度をもってございます。
 例えば行政じゃないとこれはできないとかということが法律とか制度上決まっているとか,そういったようなものでない限りは,できるだけその提案に対してはイエスという方向で,県民協働でやっていきましょうというのが基本スタンスでございまして,まず,平成18年から22年にCSOの方からの提案がありまして,家庭教育講座の支援という形でやってまいりました。あるいはやっていただいていたというところがございます。
 この事業,このCSO提案型の家庭教育講座の支援を経まして,その次のステップということで,せっかくCSOとの間では協働という形で人のつながりというものが出てきてまいりましたので,それを広げていくためにネットワークづくりというものを支援をしよう。ネットワーク化してはどうかということで考えたのが,こちらの事業でございます。
 子育ての関係者あるいは家庭教育支援の関係者,それから,CSOがフェイスブック,ICTを通してのつながり,これはいつでも,どんなときでも情報交換,意見交換ができる。それから,ときには,直接会って研修をする,交流をする。そういったような形のネットワークづくりに取り組んできているところでございまして,こういった取組を通して家庭の教育力の向上につながっていけばというふうに考えているものでございます。
 これもネットワーク型行政の1つの形態というふうにも言えるかなと思ってございます。これは県でなければできない事業かと言わると多分そんなことはなくて,もちろん市町村いろいろな形でもできるかと思いますけれども,これも1つのモデル的な取組という性格が濃いかなと思ってございます。
 それから,続きまして少子化対策というくくりがございましたが,こちらにつきましては,この6月の議会で補正予算が認められた事業でございます。ここに書いております課が連携して行う事業ということでございまして,主管課,主たるとりまとめ課は,こども未来課ということころでございますけれども,これは文化・スポーツ部が属しておりますくらし環境本部の中の課でございます。
 このこども未来課が主管課になりまして,くらし環境本部の中の男女参画・県民協働課,それから文化・スポーツ部のまなび課,それから健康福祉本部の母子保健福祉課,健康増進課,それから,これは農林水産商工本部の雇用労働課でございますが,県庁内横断的に取り組む事業に,まなび課も主体的に参画しているというものでございます。
 この事業内容は,出会いから結婚,出産を経て育児というライフステージがあろうかと思いますけれども,そのライフステージごとの幸せのお手伝いをしましょうというのが基本的なコンセプトでありまして,それぞれの担当課がそれぞれ有している行政手法,ノウハウというものがあろうかと思います。それぞれの分野の中で事業を展開して,それを有機的に結び付けていくことで,この基本コンセプトの実現を図っていこうというものでございます。
 その中で,文化・スポーツ部まなび課としては,どういう役割を果たしていくのかというところなのでございますけれども,こちら,未来を担う世代へのメッセージと書いてございますが,まなび課といたしましては,将来を担う世代を念頭に置きまして,結婚とか出産といったものはどういうものなのか。人生の中において,そういったものはどういうふうな位置付けになるんだろうかということを一人一人に考えていただくような機会,そういったものを提供することで,将来を担う世代が,それぞれに自分なりに人生のイメージを考えて膨らませてもらうような取組をしていこうというものでございます。
 具体的には,若い世代を対象といたしましたトークライブ,単なる講演会にとどまらない双方向なやり方で考えたいと思ってございますが,そういったものとか,あとは中学生,高校生を対象にしたような,ここに書いているようなこともやっていこうというふうに考えてございます。これは実は文化・スポーツ部になってからの新規事業といたしましては,担当部局と知事部局内の他部局と連携した形での事業化されたものというものでは,大きなものとして,これが最初の取組ということになってございます。
 それから,次は図書館の取組でございます。本県,図書館先進県づくりということで,「使おうビッグライブラリー~県は1つの大きな図書館~」というものをキャッチコピーにいたしまして,県立図書館,それから各市町の図書館,各学校の図書館とか,大学の図書館,こういったものの連携を図っていくことを,教育委員会のときから着実に取り組んでまいりました。
 みんなの知恵袋という図書館の位置付けでございますけれども,公共図書館との連携を推進することで,県民の満足度の向上を図っていきたい。私なんかも個人的にも例えば佐賀大学の図書館の本を横断の検索システムで検索をして,県立図書館で借りるといったようなこともしておりますけれども,多くの県民の方に御満足いただけているのではないかなと思います。
 その取組の一環として,実は本年の5月に,いわゆる県立病院でございますけれども,地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館というものが新しく移転,新築されました。病院を利用される方々,入院をされる方も付添いの方もでございますけれども,入院をされているという状況の中でも読書の環境を充実させよう。「県は一つの大きな図書館」というのが基本コンセプトでございますので,なるべくこういった取組は広げていった方がということもありまして,この佐賀県医療センター好生館の中に,図書情報コーナーということでサテライトスペースを設けているところでございます。
 これにつきましては,実は月刊生涯学習の方から原稿の依頼の方も頂戴をしておりまして,8月号に掲載をさせていただくべく,今,執筆中でございます。発刊されました後は,是非そちらの方も御参照いただければと思います。
 続きまして,12ページからは博物館・美術館の取組を3枚にわたって御紹介させていただきたいと思いますけれども,文化・スポーツ部の組織目標として,世代の違いを越えて,あるいは障害の有無を越えて,子供からお年寄りまで障害のある人もない人もという意味ですけれども,日常生活の中で文化やスポーツに出会い,楽しむ社会を実現していきたいというのが1つございます。
 そのための基本的な取組戦略として,県民が接する文化・スポーツの裾野の拡大を図っていこうということで,新たな取組もやっているところでございます。
 まず,美術館の1つの事業展開を御紹介いたしますけれども,従来の美術館,美術展につきましては,割とその展覧会そのものに関心のある方,あるいはその周辺の方にしかそういったものが届いていないきらいがあるのではないかという問題意識を持っておりました。
 実はこれは昨年度の終わり,平成24年度の1月から3月ぐらいにやったナント美術館展という展覧会なのでございますけれども,これにつきましては展覧会に来てもらうという,それで文化・芸術を楽しんでもらうという,その目的はそうなのでございますけれども,その1つの目的に向けまして,ここに書いておりますような様々なきっかけ,1つの目的ではあるんだけれども,多方面からのアプローチで触れる機会を創出していってはどうかというようなことで,食,音楽,映画等々書いてございますが,いろいろな関連の切り口を用意する形で,美術館の方に足を向けてもらおうといった取組をしたところでございます。
 この結果,文化に親しむ人々の裾野を広げていく。また,併せまして,町中のにぎわいの創出にも貢献をしようというふうにやってきたものでございます。
 続きまして,博物館の方の新規分野ということで御紹介をいたしますが,従来の美術工芸品あるいは歴史資料の展示,そういったものに加えまして,メディア芸術といったような新分野に関する企画も積極的に展開をしていこうというふうに考えております。
 この夏休みには,ドール展ということで,これはお子さんから親世代,それからおじいちゃん,おばあちゃんに至るまで3世代でも来てもらえるかと思ってございますけれども,約2,000体の人形を博物館を使って展示をしていこうといったようなものでございますとか,その下,チームラボ展,プロジェクションマッピングというのは,これはメディア芸術の1つの取組でございますけれども,チームラボにつきましては,国内外のメディア芸術の分野におきまして,代表的な集団でありますチームラボというグループがございますが,そこの作品展を,これは県内4エリアで同時開催をするといったような形で考えてございます。
 佐賀城本丸歴史館のプロジェクションマッピングも,この歴史的な建物とかあるいは佐賀城に残っております遺構であります石垣を使いまして,映像を映し出す。そういったようなこともやっていこうというふうに考えているところでございます。
 ここまで御紹介をさせていただきましたのが,知事部局においてどのようなことに取り組んでいるのか。その事例を紹介せよというのが本日与えていただきましたテーマでございますので,それについての直接の回答ということにはなろうかと思いますけれども,新規事業という意味で,正直なかなか数は少ないと思われたかもしれません。それにつきましては,教育委員会の方から事務移管をされた事業でございますかと,あるいは事務委任,補助執行をされている業務について,こちらについてまずしっかりと遂行していく。それ以外についても充実を図っていくという中でやってきているところでございますので,新規の展開はまだまだ今後の課題というふうに私ども考えてございます。
 今後の事業展開の可能性ということで,ここに4つほど挙げさせていただいてございます。これは現時点で何がしかのかかわり方をしているものでございまして,例えば食育県民運動につきましては,これはくらし環境本部の中のくらしの安全安心課というところが主管でやっているものでございますけれども,家庭教育の視点からまなび課が関係課として参画をする。
 それから,性の健康キャンペーン,これは健康福祉本部の中の母子保健福祉課の主管でございますけれども,こちらは連絡会議の方に参加を今しているような感じでございます。
 そのほか食と農のきずなづくり,これは体験活動という視点から,連絡会議への参画というものでございますし,防災キャンプにつきましては,これは文部科学省の方からの補助も頂いての事業でございますけれども,事業実施を消防防災課の方と協力をしながらやっているというものでございます。市町の防災担当者会議でもその実施結果を報告して共有を図るといったような形でやっているものでございまして,これらにつきまして,今後,どのように関わっていくのか。あるいは関わることができていくのかといったようなことが,今後の課題かなというふうに考えているところでございます。
 今後の事業展開につきましては,私どもの方でどう関わっていくのかというところもありますし,また,今それぞれの主管課の方が主体的に取り組んでいるものでもございますので,文化・スポーツ部のまなび課の方にも是非加わってほしいといったようなニーズが向こうの方にもあるかどうか。また,我々の方としては,ああ,やっぱりまなび課が加わってくれた方がいいよねと思ってもらえるような組織となっていけるかどうかというところも大きいのではないかと考えているところでございます。
 私からの事例紹介の最後でございますけれども,今後の課題ということで3点書かせていただきました。まず,1つ目がまなびの風土づくりと裾野の拡大ということでございますけれども,社会環境が急速に変化していく。使い古されている表現かもしれませんが,まさに本当に日進月歩だろうと思っております。そういった中で,いわゆる総合的な生きる力を身に付ける必要があるだろうと。そう考えたときに,学ぶことの楽しさ,そういったものに気付き,そして,自立的にあるいは主体的に「まなび」を実現していくための環境として,文化やスポーツといったようなものが重要な意味を持っているんじゃないかというふうに考えているところでございます。
 そういった意味で,多彩な文化やスポーツに出会い,気付きを得る。あるいはきっかけとなる機会の提供が求められるというふうに考えてございまして,こちらにつきまして,まず今後さらなるいろいろな取組の充実が必要になってこようかと思ってございます。
 これは文化・スポーツという切り口で申し上げましたので,そういった意味ではある意味,文化・スポーツ部の中で完結する自前の中での取組の充実といったようなことになろうかと思いますけれども,冒頭申し上げましたように,文化・スポーツ部,高齢者や障害者の方々の文化やスポーツといったようなものも含めた1つの組織を形成をしているところでございまして,その意味では自前の範囲は広がっているというふうに考えてございます。そういう意識を持って今後の事業展開に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 続きまして,地域課題への対応ということで書かせていただきました。モデル事業スキーム,冒頭に2つほどモデル事業的なものの取組を御紹介させていただきましたが,そちらの応用的な展開というふうに言えるかなと思ってございます。
 冒頭申し上げたような事業につきまして,佐賀県におけます社会教育のモデル事業となるように,平成20年度から家庭教育支援,あるいは学校支援事業,そういった形での取組を行ってきたところでございまして,実施していただいた地域におきましては,一定の成果を得たというふうに考えてございます。
 ただ,これ,モデル事業でございますので,それを県内のほかの地域にも取り組んでいただくべく,普及に向けた取組というものはやってきているところでございますけれども,現状としては期待ほどには拡大をしていないというのがあろうかと思ってございます。
 これは,地域課題の状況というのは,まさに地域それぞれのいろいろな背景があるところも1つ要因として考えられるところでございまして,その活動の主体となられる市民の方々の問題意識あるいは担い手の在り方,そういったようなところが課題ごと,また地域ごとに異なっているところがあろうかと思います。
 そういった意味では,その1つのモデルはもちろんそのまま適用できないということが考えられますので,その地域の課題ごとに,まさに県庁内のそれぞれ関係部局との調整をしながら,どういった課題があるのか,それに対してはどういうふうに解決をしていけばいいのか。そういったような検討をしていく必要があろうかというふうに考えてございます。
 それから,最後でございます。人材の活用に向けた取組ということでまとめてございます。本県もゆめさが大学といった形で講座なども充実させてきているところでございますし,いわゆる学校だとか学級といった中での「まなび」といったものは定着をしてきているというふうに考えてございます。
 その中で,いろいろ地域で活動もされているような人材も育ってはきているところでございますけれども,それがまだフィードバックされているかというと,十分生かされているとは言えない状況にあると考えてございます。
 知の循環型社会の構築というのが,今現在求められている1つの課題かと思いますけれども,そういった取組が求められている中では,その人材が適切に生かされていくためには,活動の受皿,その舞台となります地域との連携というものがますます重要になってくるのではないかという問題意識を持ってございます。
 今後は,こういった地域課題と関連する関係部局との連携を更に密にしながら,全庁的な取組というものをどういうふうな形で仕組んでいけるのかといったようなことが,課題となってこようかと思います。
 また,いろいろ社会が複雑多様化をしていく中で,それに対処していこうと思えば,やはり高度化とか専門化といったようなものも求められているという面があろうかと思います。文化・スポーツ部,特にまなび課という生涯学習,社会教育を担当している立場の方から考えますと,こういった複雑多様化する諸課題に対応していくために,そういったことにアプローチをしていく場合には,多様な分野について高度な知識あるいは専門的なノウハウ,そういったものをどうやって身に付けていくのかということも課題として出てきているように思います。
 まなび,生涯学習,社会教育,そういったものを担当する行政マンといたしましては,日々の業務の中でアンテナを高くする,意識を多方面に持つといったような形で,OJTというとちょっと語弊があるかもしれませんが,そういった形でより問題意識を高く持って,日々の行政に取り組んでいく必要があるのではないだろうかというふうに考えているところでございます。
 以上,すみません,長くなってしまいました。これまでの1年3か月の私どもの悩みも含めた点につきまして,率直にお話をさせていただきました。今後の本県の取組,それから,場合によっては試行錯誤といったところも出てこようかと思います。そういう点につきまして是非御覧いただきまして,先生方の方からお気付きの点等ございましたら,アドバイスなどもいただければ幸いに存じます。
 以上,私からの事例紹介とさせていただきます。ありがとうございました。

【浅井座長】  ありがとうございました。それでは,議論は後でまとめてさせていただきますので,事実関係に関する質問だけお受けしたいと思いますが,いかがでしょうか。

【井上委員】  栃木県の井上と申します。私も同じ県の行政として,素朴な疑問がいろいろ出てきたのですが,事業内容について,本県と比べると,やはりかなり市町に近い内容,住民に近い事業内容だと思います。
 多分,本県の事業体系とは全く性格が違うと思うのですけれども,例えば県としての役割として,市町の計画策定支援であったり,学習プログラムの作成であったり,指導者同士のネットワーク形成など,県として,広域的,先進的,市町村格差の是正というような視点で取り組んでいくことが県の行政の役割だと思うのですが,そのような取組については,首長部局に移管したときに変化がなかったのでしょうか。それをちょっとお聞きしたいと思います。
 それと,首長部局に移管するとなると,恐らく市町もその状況を見て組織の変更を検討するなど,県全体に影響を及ぼす大変重要な改革だと思います。恐らく,いろいろな議論を重ねた改革だと思うのですが,どのくらい議論や検討をされたのか。それを教えていただきたいのですが。

【西中氏】  まず,1点目の方につきましては,そこはまさに教育委員会の時代にやっていたものは,きちっとこちらの方でやってございまして,今日の取組の事例紹介の中には入れてございませんけれども,まさに県として市町の間の連携をとるといったようなところは,ここは当然のことながら,遺漏のないようにしっかりとやっているところでございます。
 それから,2点目の御質問,組織改正をやるときに,議論がどれぐらいあったのかというのは,県内の市町と今おっしゃいましたが,市や町からということですか。

【井上委員】  いや,県庁内の組織を変えるときに,県庁内の中でどれだけ議論があったのかということです。

【西中氏】  県庁内では数年間掛けてということではもちろんないんですけれども,教育委員会と,それから,本県の場合は経営支援本部といいますが,他県で言うところの総務部でございます。そこが中心となって1年弱にわたる議論の中で,この組織改正に向けた準備を進めてきていたという経緯がございます。

【糸賀委員】  全国に先駆けて社会教育あるいは生涯学習を首長部局に移した,その先駆的な取組について,大変詳しく説明していただきましてありがとうございました。
 私,西中さんの話を聞いていて思い出しました。ちょうど今から10年ぐらい前だったと思いますが,佐賀県さん,早朝研修ってやっていまして,朝7時半からのたしか研修があって,私,そこに呼ばれまして1時間ほど,知事さんはもとより,課長級以上の方みんな出てくるんですね。100人以上の方を対象にしまして早朝研修をやらせていただきました。
 終わって真っ先に古川知事が私に質問されたのは,生涯学習行政をなぜ教育委員会がやらなくちゃいけないのか。首長部局に移してはなぜいけないのかという質問を真っ先にされたのを今でもよく覚えております。その直後に,実際に古川知事はこういうことをおやりになったわけで,今の質問とも関わりますが,基本的にはこれはトップダウンでおやりになったんだろうと思うんですね。
 そのときに,今の話を聞いていても,特に最後のところ,今後の地域課題への対応というところで,私,やはりちょっとよく分からないのは,ここに挙げられたようなことは,基本的には地域の暮らしの中で起きてくる問題に対する取組だと思うんですよ。
 例えばこの15こま目の今後の事業展開の可能性を4つ挙げられましたね。食育県民運動,あるいは生産者支援,防災キャンプ,こういうふうなものは,やはり地域の暮らしの中で気付いたり,そこで学んでいって解決していくことだろうと思うんです。
 そうすると,県の行政と実際にはこれは市町村での取組ということになるんだろうと思います。今のお話の中では,市町村は依然として多分教育委員会がやっているんだろうと思うんですね。県のこのまなび課と市町村の教育委員会との連携というのは,うまくいっているんだろうか。今後の課題なのかもしれませんけれども,県のまなび課と市町村教育委員会との関係について,少し補足していただければと思います。
 それからもう一つは,今のお話の中で,社会教育主事というふうなものについてはほとんど触れられなかったように思うんですね。まなび課の中で,社会教育主事の発令でありますとか,社会教育主事の資格を持った方の活躍の場というのは現在あるんでしょうか。そこをちょっとお尋ねしたいと思います。

【西中氏】  まず,市町,特に市町教育委員会との連携ということでございますけれども,社会教育の部分につきましては,教育委員会からの事務委任・補助執行ということで私どもの方でやっておりますし,そこは教育委員会の方からまなび課の方に移ってきている職員も多数いるということでございますので,そこは従前から持っております人的ネットワーク,そういったようなものをもちろん大事にしながら,それはいろいろな形で遺漏のないようにやってきておりますし,これまでのところ,私どもの方に市町の教育委員会の方から,ちょっと県の教育委員会から離れてしまったから,なかなか足が向きづらいんだよねみたいな,そういったようなお話は頂いてはいないと思っておりますので,そこはスムーズにできているのではないかなというふうに考えてございます。それがまず1つ目ですね。
 それから,2つ目の点でございますけれども,教育委員会の方から社会教育主事の資格を持っておられる方,3人,まなび課の方に移ってきていただいております。まさにその方々は,従前から社会教育という分野についてずっと取り組んできた専門家でありますので,まなび課の中で,主に社会教育,生涯学習関係を担当しているラインと,それから,図書館を中心にした行政を担当しているラインというふうに,ラインを2つ大きく分けているのでございますけれども,こちら,社会教育,生涯学習関係のラインの方につきましては,その3人の方,3人プラスあともう1人,実は4人いたんですけれども,今年の4月で退職されて再任用ということでいらっしゃるんですが,そのチームでやっていただいております。

【浅井座長】  すみません,時間がなくなってしまいますのでよろしいですか。後でまたございましたらお願いいたします。また,後でまとめて議論等の方でお出しいただければと思います。
 菊川座長代理の方から次に御発表をお願いいたします。20分間ぐらいでお願いいたします。

【菊川座長代理】  では,資料4に基づきまして,読みながら説明させていただきます。
 私自身は佐賀県のお隣の福岡県で昭和50年代から社会教育を間断的に担当してまいりました。また,平成10年前後から,国の生涯学習分科会等に関わりまして,このような議論を聞いてきたという立場でもあります。
 今回のワーキングのテーマで,社会教育主事が大きなテーマになっておりますので,1点目はその観点からのペーパーでございます。まず,主事講習修了者の資格の汎用化ということでございます。この主事講習修了者,先ほどからも話がありますように,社会教育行政のみならず,学校教育,福祉,まちづくり等々幅広く役立つ可能性を持っているということでございます。
 二つ目の丸ですが,社会教育主事の能力というのは,教育活動,学習支援の専門的力量をベースに人や事業をつないでいく能力ではないかと,つまりプレイングマネージャーであり,コーディネート能力とかファシリテイト能力が要るわけですが,ベースにやはり教育活動,学習支援の専門的力量というのが要るのではないかと思います。
 そういう観点から,教員出身で入ってくる人,行政出身で入ってくる人,民間出身で入ってくる人と多様な方が,入り口は違うけれども実務の中で鍛えられて,不足のものを体得していくというところは同じではないかと思っております。
 それから,3番目の丸でございますけれども,先頃決定された教育基本計画では,コミュニティスクールを小中学校の1割に拡大するということが挙げられております。これは,学校の理解とともに,地域における社会教育機能の存在が不可欠でございまして,地域に社会教育主事経験者や講習修了者がいれば円滑に進むのではないかと思います。彼らの顕在化,組織化がこれらの施策に有効と思われます。
 それから,四つ目の丸ですけれども,指定管理等の問題でございます。指定管理あるいは民間のカルチャーセンター等が盛んですが,担当者の能力を証明する資格というものが今ない状態でございますので,主事講習修了者の有無というのは一定の質の担保になり得るのではないかと思っております。
 その次のページでございます。社会教育主事以外の教育支援人材の資格を新たに作る,又は認証するという方法,これは前回のときに今野委員さんや井上委員さんもおっしゃってくださっていて,私もそういう可能性もあると思いますが,違う立場からということで,主事制度の形骸化につながる方向性も否定できないのではないかと思います。判断が分かれますが,主事講習修了者を認定し,主事の有資格者の裾野を広げ,数を増やすことの方が有効のような感じもいたします。
 名称は,例えば司書資格と同じように社会教育主事資格とか,社会教育主事講習修了者とか,あるいは主事補とかあるかと思います。今,大学で履修証明制度というのが実施されているわけですけれども,そういう感じで,やはりせっかくの資格ですから,それを証明して活用していくということが大事だというふうに思っているところでございます。
 次に②の社会教育主事の養成カリキュラムでございます。社会教育主事の養成は,その内容や方法,実施機関や実施主体とかいろいろあるわけでございますけれども,先ほどから言いましたように,青少年,成人に係る教育活動・学習支援の教育内容・方法についての知識理解というのが,まず基盤にないといけないのではないかと思います。これは実践的な専門性でもあることから,理論と実践,知識,技能のバランスが大事で,教育支援人材という観点から,現行カリキュラムの確認が必要と思われます。講習の実施主体としては,通常の大学とともに放送大学や国社研の遠隔講座等の活用,それから,技能の観点からは青少年機構,民間の資格等の活用が考えられるのではないかというふうに思っております。
 それから,よく話題になります講習の期間でございますが,40日は長いか短いかということですが,先般から話がありますように,資格を2階建てにする。基礎の資格,例えば20日なり半分ぐらいにして基礎の資格,それから,実際主事になってからの上級資格という方法も考えられなくはないということでございます。
 九大の主事講習のプログラムを付けておりますけれども,実はこれは40日ではなくて,先生方が多いので,今年の例ですが7月19日に始まって8月10日,夏休みが始まって盆前に終わるというプログラムをここ25年ぐらい組んでおります。
 これは,県から受講者を出したいという話のときに,やはり学校の先生方を出すためにはということで,九大と福岡県の社会教育課がずっと協議をしまして,社会教育総合センターに寝泊まりをさせ夜も講義をするということで,あるいは実習を充実するということで,このプログラムとなりました。
 もう25年の歴史がありまして,実は私も本庁の係長をしているときに主事講習を受けたのですけれども,このくらいの日程だったから,受けられたと思います。確かに夏9時まで勉強するというのはきついわけですけれども,市町村からは喜ばれているということでございます。また,都市部の大学であれば,年間を通しての断続的な講座等も考えていいのではないかというふうに思っております。
 要は,主事講習の養成カリキュラムを考えるときに,繰り返しになりますけれども,どちらかというと社会教育行政を教えるというトーンが現行のカリキュラムに強いかもしれませんけれども,少しその辺のところを人々の教育,学習活動の実態をベースに,教育,学習活動を引き出すための教育的ノウハウというか,例えば成人教育のノウハウですとか,あるいは青少年教育のノウハウですとか,あるいは知識ですとか,必ずしも行政に限らずに,教育のプログラムに特化してまず基礎を作るというカリキュラムが必要なのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
 それから,③の発令でございますけれども,市町村の職員が社会教育課に来たからといって,すぐ資格を取りにいくというのは,やはり必ずしも根づかないのではないかと思います。そういう人もいてもいいし,広く有資格者をつくり,その中から引き出していく。つまり,民間の人も含めて考えていくという視点が要るのではないかというふうには思っているところでございます。
 最後に,その次のページでございますが,社会教育主事はOJTが大切であり,未経験者を主事補として発令して,発令した上で上級資格的な現職研修を国社研等で集中的にやって正式の主事発令をするとかという方法もあるのかなというふうに思います。
 それから,一般行政に対して,先ほどの主事を置いていると,佐賀県の場合は多分正式な発令をなさっているのだと思いますが,福岡県の場合も,例えばアンビシャス運動とかあるいはスポーツ行政が一部首長部局にありまして,そこにかなりの数の社会教育主事有資格者を配置しております。その場合は,兼務発令をして経験者を必ず送る。資格があるだけでは機能しませんので,経験者を送るということでやっております。
 次に大きな2点目として社会教育行政についてでございますが,所管の問題でございます。首長が社会教育や教育に造詣が深い場合,文化,スポーツ等に加え社会教育も一般行政と一体的に自ら主導して対応する事例が見られる。この場合,成人教育等に中立性,継続性が確保できるかという課題はあるわけですけれども,事務委任の手続をきちっとすることで,その辺はチェックがきくのではないかというふうにも思います。
 事務委任の方法でございますが,地教行法の24条の2というのがございますが,これは19年にできたと思いますが,条文を読みますと,条例の定めるところにより,当該地方公共団体の長は,次の各号に掲げる教育に関する事務のいずれか又は全てを管理し,また,執行することができる。スポーツに関すること(学校における体育に関することは除く)。2文化に関すること(文化財の保護に関することを除く)ということでございます。
 第2項として,地方公共団体の議会は,前項の条例の制定又は改廃の議決をする前に,当該地方公共団体の教育委員会の意見を聞かなければならないということがありまして,これは非常によくできていると思います。中立性,継続性ということだけでなく,事務がはっきり移ったよということをみんなが認知する。あるいはそういう事務があるということを認知するという意味で,この条例を作る手続を経るというのが大事だと思っております。
 それで,もう一つ,事務委任で地方自治法の180条の7というのがございますが,これは一部を委任するときの規定だというふうに理解しておりますけれども,これではちょっとよく見えにくい部分がある。だから,全面移転するのであれば,地教行法の手続は必須かなというふうに思っているところです。ただ,このときに,一つ古くて新しい問題なんですけれども,やはり課の名前で生涯学習課というふうに都道府県でなっているところの方が多いわけですけれども,生涯学習と銘打って実質社会教育行政であるということなのですね。ですから,もちろん生涯学習振興行政を含みながら,社会教育行政を持っているということなので,その辺のところの整理をはっきり分かるように,生涯学習という名前であっても,きっちり事務委任の手続が要るよというのが,法令の条文としては正しいのではなかろうかというふうに思っております。
 それから,2点目でございますが,教育再生実行会議の議論,教育委員を決定機関から諮問機関にするという話がございますが,直接教育長がトップになるということで,こういう形に,もしなりますと,首長と教育長の距離は近くなりますので,そういう意味で移管する必要性というのが今までよりは少なくなるかもしれないという感じも持っております。
 それから,3つ目の丸でございますが,社会教育主事や有資格者は,社会教育行政の実務経験を踏まえてこそ有効な働きができるというふうに思っております。社会教育行政が機能している状況があって初めて一般行政にも社会教育主事の働きが広がることが期待できるということでございます。
 福岡県の場合,市町村の社会教育主事の設置率は30%台で低いのですが,県の社会教育主事というのは60人ぐらいおりまして,それは本庁の社会教育課と教育事務所にいるんです。
 その教育事務所の社会教育主事は,先ほどの事務委任の手続を経まして,首長部局の青少年行政とか,文化行政とか,あるいは首長部局に生涯学習室がありますので,そこの業務とか,そういうものも教育事務所におりてまいります。
 教育委員会としては,やはりそういうところに人を送るときにできるだけ経験者を送るということでございます。こういう社会教育主事と教育支援人材の確保と養成は,社会教育行政においてのみ安定的,継続的に行えるのではなかろうか。だから,移管された社会教育行政でもいいのですけれども,安定的,継続的に行うセクションがいるという主張でございます。
 それから,生涯学習のまちづくり等,現在まで生涯学習や社会教育課がまちづくりに資してきた実績は大きいけれども,それは学習や教育活動をベースにしたものであり,まちづくりの支援を主たる対象とするのは教育行政ではないのではないかということでございます。
 それから,最後に行政の継続性というところでございます。社会教育行政が大正期ぐらいからずっと続けられてきて,特に,第二次大戦後,公民館の創造,日本独自のシステムですが,各種補助金制度により,特に昭和40年代,50年代,社会教育行政のフレームが確立したというふうに思っております。また,平成に入り,生涯学習の盛り上がりやNPOの活動の広がりの中で果たしてきた貢献を考えると,この中身を確実に引き継ぐということが大事だと思っております。
 改めて教育基本法第10条家庭教育ですね,第12条社会教育,第13条学校・家庭・地域教育の連携ですね。ここを踏まえる。あるいは社会教育法第2条と第3条ですね,社会教育法の第2条ですが,この法律で社会教育とはというところで,学校の教育課程として行われる教育活動を除き,主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む)という定義なんですね。
 中教審は青少年の問題というのは,スポーツ青少年部会が担当しております。局も分かれているわけですが,特に,県や市町村レベルでは青少年教育は多くは社会教育が持っておりますが,そういう意味で,つい忘れそうになるんですが,青少年教育ということ,あるいは家庭教育の支援ということは非常に大事だと思っておりまして,1月に中教審答申が出ております。グローバル化社会の中で,青少年は学校だけでは育たないということはこの答申の中でもはっきり言われているところでございます。また,高齢化社会の中で,持続可能な社会づくりのために,自助・公助・共助が求められております。
 大人にも公民的な資質の維持・育成の生涯教育と言ってもいいと思うのですが,市民性の教育ということだと思います。秋にPIAACが発表されますけれども,成人の教育力というのもやはり知・徳・体だと思っておりまして,市民性の育成をどこがどのように担うのかということが大事だというふうに思っております。
 社会教育行政が,継続的に,持続的に継承されていくための制度設計が求められていると思うというふうに書いておりますが,個人的な意見としては,そのポイントとしては2点あると思っております。1点目は,社会教育主事の資格化を進め人数を増やすことというのが1点でございます。やはり社会教育主事という言葉がちまたに広がるということがいいのではないかと。ほかの資格もあるかもしれませんか。人数が大事だと思っております。
 それから,2点目は,所管の弾力化が進める場合には,必ず事務委任の手続を正式にとるということが,社会教育行政が消えないポイントではなかろうかというふうに思っているところでございます。

【浅井座長】  ありがとうございました。
 それでは,また,事実確認の御質問だけお受けしたいと思いますので,いかがでしょうか。

【横尾委員】  事実確認は佐賀県の部分も含めてよろしいですか。

【浅井座長】  できれば,菊川委員のでしたら有り難いですけれども。

【横尾委員】  いいですか。最後のところ言われたのをもうちょっと詳しく知りたいのです。私,実は知・徳・体,いずれも極めて重要だと個人的にも強く思っていますので,最後のところで成人教育のかなめは知・徳・体であるというふうにおっしゃったのですけれども,深いところを少し御紹介いただければ。

【菊川座長代理】  いえ,深いところは何もないのですけど,秋にOECDの成人教育力調査の結果が発表されるということを聞いております。そうすると,子供たちの学力ではありませんけれども,きっと話題になると思うのですね。それはでも,ある意味,学校教育の成果でもありまして,どのくらい定着しているかというのは大事ですが,それだけに走ってはいけないというふうに思っております。
 ところが,体はともかくとして,知もともかくとして,徳の教育,成人の徳の教育を誰がどのようにやるのかというのは,価値を含んでいて難しい課題だと思っています。昔から社会教育には必要課題と要求課題という言葉があります。今は現代的課題と言うかもしれませんけれども,つまり,社会教育主事の腕の見せどころというのは,やはりそういういろいろな課題,例えばまちづくりに向けての資質の互助,共助に向けての資質の養成あたりを,それと気付かせないで情報を与えたり,あるいは出会いを準備したりというところに社会教育主事の専門性の一番の究極点があると思うのですね。
 だから,そういうことも含めて,やはり成人の知とか,それはその教育だけでなくてみんなでやっていかないといけないわけですけれども,社会教育という言葉がずっと残っている。誤解も含めて残っている。社会教育が大事だよねというときに,社会が教育する,社会を教育する,社会で教育するとか,助詞がいろいろですね,誤解も含めて残っているというのは,やはり社会全体の中に何らかのそういう機能があるというふうに思っていて,日本の場合はそれを大事にしていくべきじゃないか。
 その大事にする核として地域の社会教育行政というのはあるんじゃないのかなというふうに,私は三十数年担当しているものですから,特にそう思っています。ちょっとひいきの引き倒しかもしれませんけれども,そういうふうに思っております。

【横尾委員】  関連でもう1点だけ。私,個人的な印象が入っているのですけど,社会教育主事といいますが,その「主事」という言葉は,一般市民の若い方にとってみれば非常に分からないと思うのですね。どうして「リーダー」って言えないのかなと思うし,でなかったら,違う言葉はないのかなと時々感じているのですけど,その辺をどう思われるかが1点。
 もう一つは,この社会主事の資格を取るには講座に行かなきゃいけないですよね。結構これは負担になっているところも実はあるように現場では聞いています。そうすると,もうICT社会ですので,オンデマンド方式でネット上でやるとか,時々はオフ会をやるとか,そういう工夫をして,もっとアプライがしやすいようなものにしたらどうかと,個人的にも思うのですけど,その辺,いかがお考えでしょうか。

【菊川座長代理】  まさにおっしゃるとおりで,私も社会教育主事というのは,教特法上の指導主事に並べ専門職というふうに位置付けられていて,だから,さっきから言っていますように,別の名前にするのがいいのかどうかというのは,よく分からないところです。ただ,一方でもう定着しているというのもあるものですから,民間の人が社会教育主事って使い出すと,それはそれで言葉ですから広がっていくのではないかとも思います。
 それから,講座については,オンデマンドがいいと思います。そういう意味では,国社研のものが聞けますし,あるいはインターネットでできないかとか思います。知識の伝達の部分はそれで十分だというふうに思っておりますが,知識プラス実技がいるので,そこはやはり集まっての手法になると思います。

【浅井座長】  よろしいですか。事実確認だけでお願いします。

【松田委員】  では,端的に,教育支援人材というお言葉を今日随分使われたんですけれども,社会教育主事は教育支援人材だという認識はなかなか難しい部分を含むんじゃないかと思ったんですが,私も大学間で連携して教育支援人材というのを認証するような仕組みを今動かしているんですけれども,学校教育の場合は例えばスクールソーシャルワーカーだとか,そういう専門職的な支援者と,地域から参画される支援本部のような,それはまさに学校教育の支援者という意味で使うんですけど,指導主事の方を例えば学校教育支援人材というふうにはちょっと余り位置付けたりはしないんですね。
 主事ということの意味合いとの関係もあると思うんですが,社会教育主事を,広い意味では社会教育を支援されるという意味では,意味は分かるんですが,その教育支援人材という言葉との整合性というのは,ちょっとどういうふうにお考えになっているのかというのが。

【菊川座長代理】  すみません,そういう意味では正確な言葉遣いではないと思います。学習活動の支援人材といった方が正確ですね。

【松田委員】  なるほど。分かりました。

【浅井座長】  よろしいですか。それでは,時間が押せ押せになっておりますので,まさに今日あたりが正念場になってくると思いますので,次の議論に入りたいと思いますが,その前に,まず,事務局の方からそれにつきまして御説明いただきたいと思います。

【新木企画官】  それでは,資料1の方を御覧いただきたいと思います。これまでヒアリング等々を踏まえまして,委員の皆様からいろいろな意見を頂いておりますけれども,それらを論点ということでまとめた資料となっております。
 大きく分けますと2つございまして,1つが教育委員会と首長の関係の在り方ということで,社会教育行政の社会教育に関する事務の所管をどうするかというのが1点。
 それから,もう一つが社会教育主事の在り方ということになります。
 まず,教育委員会と首長の関係の在り方というところの1つ目,社会教育と教育委員会制度ということですけれども,社会教育に関する事務の所管を考えるに当たっては,社会教育の目的が何なのかということをやはり明らかにする必要があるというふうに考えております。
 社会教育につきましては,社会教育法というのが行政組織法というような位置付けを持っておりますので,国及び地方公共団体の任務を明らかにするということしか書いていない。つまり,社会教育の目的というのは,教育基本法に言う教育の目的といわばイコールになっているところがあるんですけれども,そういった目的を果たすために,じゃあ,その社会教育行政の役割をどう考えるかというのが1つあるかと思います。
 その上で,社会教育について教育委員会が所管しなければならない理由は何なのかということですけれども,これは糸川委員の方から何度も御発言いただいた点ですが,そもそもその教育委員会制度の趣旨というのは3つありまして,1つが政治的中立性の確保,それから2つ目が継続性,安定性の確保,3つ目が地域住民の意向の反映ということになっておりますけれども,社会教育の事務については,教育委員会でなければ,これらが保障されないのかどうかというところについては検証する必要があるということです。
 さらに,社会教育において,これらの3つの要素についての必要の度合いについてどう考えるかということですけれども,先ほど菊川委員の方からも御紹介ありましたように,平成19年の地教行法改正の際に,文化スポーツに関してはいわゆる教育と比較すると,こういった部分については必要性の度合いが低いということで,首長部局の方にも移管するというような規定が設けられたところですけれども,その部分について,社会教育についてはどう考えるかということが一つ論点としてあると思います。
 これに関連して,参考資料の1の方をちょっと御覧いただきたいと思うんですけれども,現在,教育制度分科会の方で教育委員会制度の在り方に関する議論を審議が行われているんですけれども,特に政治的中立性の観点については,2ページの方の下線部で,特に社会教育,学校教育についてもそもそも政治的中立性が必要な事項というのが何があるのかという議論がありますけれども,社会教育あるいは生涯学習については,委員の意見としては余り必要ないのではないか。ここの部分についてまで首長が口を出せないというのはおかしいといったような意見が出されているところです。
 基本的な教育制度分科会の議論としては,教育委員会制度を維持するに当たって,その政治的中立性が確保しなければいけないんだとすれば,こういったところの洗い出しをしっかりやらなければいけないというような議論になっているところです。
 すみません,もう一度資料1の方にお戻りいただきたいと思うんですけれども,こういった政治的中立性,継続性,安定性が必要だということで前提に考えた場合に,じゃあ,教育委員会が所管するメリット・デメリットは何なのかということが一つあります。
 メリットとしては一般的な視点としては,学校教育との関係,それから,デメリットとしてはネットワーク型行政を展開するに当たって,首長部局との連携がなかなか進まないということがあろうかと思います。
 次に,社会教育の所管の弾力化の関係ですけれども,仮に地教行法の24条の2のような形で長の判断によって条例委任するということができるということになった場合のメリット・デメリットは何なのか。さらに,その場合に学校との連携をどうやって担保していくのかということが一つの論点となるものだと思います。
 さらに,いろいろな委員の方からの意見としては,例えば市長部局でもいろいろな社会教育的事業というのが実施されているわけですけれども,総合的な視点から人づくりをやっていくという意味においては,人格の完成あるいは社会の形成者としての必要な資質の育成というものを目指す教育の視点というのがやはり重要であるんだといったようなことが,そういう部分をどうやって担保するかといったようなことが論点として挙がっています。
 次に,社会教育主事の在り方でございますけれども,まず,社会教育主事の役割・位置付けというところで,現在,社会教育主事の設置率というのが60%程度まで下がっているということで,そういった中で,引き続き設置する必要性があるのかないのか。この部分については,もともと社会教育主事の制度ができたのが昭和26年に第2章が追加されるという形でできたわけですけれども,当時の考え方としては,社会教育の振興を行政が図っていく上で,行政の責任を果たすために専門職員が必要であるといった視点でございました。その部分については引き続き変わらないのかなというふうには思いますけれども,この部分についてが一つの論点としてあるかと思います。
 その上で,その役割・必要性について,どうやって見える化をやっていくのか。見える化していくのかということ,それから,ネットワーク型行政のかなめの職員として,今後どういう役割・位置付けをしていくのかということが論点として挙がっております。
 それから,資質・能力でございますけれども,そういった役割・位置付けというのを踏まえて,どういう資質・能力が必要とされるのかということですけれども,社会教育主事,先ほどから話がありますように,教特法上,指導主事と並んでいわゆる教育的専門職員というふうに位置付けられておりますので,当然その専門性が必要になります。そういった意味で,その助言指導というのが規定上に書かれているんですけれども,単なるコーディネーターというようなことではなくて,菊川委員がおっしゃったように,専門的な力量を持って果たしていくという中で,その資質・能力というのをどういうふうに考えていくかということがあります。
 それから,おめくりいただきまして裏になりますけれども,養成研修というところで,そういった資質・能力を付加するための養成・研修の在り方について,どういう仕組みが必要かということですけれども,まず,期間として40日でいいのかどうか。取りやすくするためにはどうするかという観点から,その方法ですとか,あるいはその内容については社会教育主事というのも,一口で言って社会教育主事といってもいろいろな種類がいる。例えば都道府県の社会教育主事,あるいは市町村の社会教育主事,あるいはそのバックグラウンドとして教員出身,行政職員出身,民間出身ということで,それぞれバックグラウンドが異なる社会教育主事になる人たちについて,どういった内容のカリキュラムを組んでいくのが適切なのかといったようなことが論点として挙げられています。
 更にその社会教育主事資格の活用という観点ですけれども,これが汎用化という観点になりますけれども,地域の社会教育を一層推進する観点から,社会教育主事となる資格を有する者を更に活用する仕組みというのが考えられないかということで,今挙がっているのが,資格の創設ですとか,認知度のアップといったようなことになります。
 他方で,こういった社会教育士あるいは地域教育士といったような資格制度の創設というのを考えた場合に,現行の社会教育主事制度との関連をどう考えるか。主事制度の廃止につながらないかという話もございますし,そもそも国家資格化というふうなことを考えた場合に,なかなか法律,今の社会教育法というのは行政組織法ですので,こういった中に位置付けるということがちょっと難しいのではないかといったようなこと。
 さらに,この資格を作るに当たっては,その資格が定着していくためには,当然その活躍の場というのをしっかり用意していかなければいけないわけですけれども,使える資格だと認識されて初めてその社会的な通用性が上がるということでございますので,そういった部分をどう考えるかということです。
 それから最後に,社会教育主事の発令ということですけれども,発令先を今,教育委員会事務局に限られている部分について,それを首長まで広げた場合のメリット・デメリット。更に今,主事の多くを教員行政職員が占めているんですけれども,更にその民間から,民間も登用はできるんですけれども,実際登用は余り進んでいないというところもございますので,そういったところを更に拡大していくというようなことができないかといったようなことが論点として挙がっています。
 資料2の方は,こういった論点に従いまして,委員の方々から頂いた意見をこちらの方にそれぞれ項目別に入れております。下線部を引いた部分は,前回の頂いた意見でございます。説明については省略させていただきたいと思います。

【浅井座長】  ありがとうございました。
 それでは,これから議論していきたいと思いますけれども,先ほどのお二人のお話を含めまして御意見を頂きたいと思います。要は地方分権の時代ですから,国で縛っていくというのがだんだん難しくなっていくだろうと思いますので,それでしたら,社会教育のよさとか社会教育主事の独自性をどのように出して,必要性を打ち出していくことができるのかということが問われますので,そもそも論の話ではなくて,そこを具体的にきちんと出していただければ有り難いと思っております。
 ということで,2つのテーマを分けた方がいいのか,分けない方がいいのか分からないので,どちらでも構いませんので,御意見がありましたらお出しいただきたいと思います。先ほどのお二人への御質問も含めてで結構ですので,よろしくお願いいたします。

【生重委員】  すみません,佐賀の方に先ほど聞けなかったところで,7ページ目のところの家庭・学校・地域連携支援体制づくりにPTAが全面に出ているんですが,これはどのぐらいの学校数モデルをやられて,PTAって毎年毎年変わるんですが,継続性の担保とか,そういうものはどういうふうにお考えになったのかというのと。
 県からこういうことを推進していく。PTAは市区町村教委単位だと思うんですが,そういうところをどう協働体制をおとりになって,持続的な学校の支援体制をおつくりになったのか。
 多方面にあって行われている例えば少子化対策とか,そういう様々なことに青少年を入れていくとか,福祉部でやっているのでできないようなことまでできて,すごく魅力的な部分は感じるんですが,PTAはまたまた結構大変な組織であるというふうに心得ているんですが,そういう意味でどの程度のことが教育から離れた段階で推進できたのかというのをお聞かせいただきたいんですが。

【西中氏】  まず,数ですね。これは平成24年度につきましては,県内の3市なんですね。3市で具体的に申し上げますと,伊万里市,武雄市,神埼市という市があるんですが,伊万里市の中では2中学校ですね,武雄市では1中学校区,神埼市は一つの中学校区ということになりますので,全部で4地区ということになります。
 毎年メンバーも替わっていく中で,どういうふうに継続性をということだったかと思うんですけれども,もちろんこれ,県の行政が何を果たすのかというところとも関連してくるんですが,主体はやはりそこの地域の方なんですよね。考え方,一つのアイデアというか,その側面を提示することで,その地域でまさにいろいろ考えてもらうような,そういうきっかけをつくっていこう。その間の連絡調整役というのが行政の方の役割だろうと思うんですね。
 なかんずく,これは県だけではなくて,もちろん市町のそれぞれの市の教育委員会も入っていらっしゃいますので,その地域に近いところでの活動となりますと,それはそれぞれの市町の教育委員会さんの方の出番ということになります。
 そういった意味で,先ほど糸賀先生の方から教育委員会との間の連携ができていますかというようなことで御質問もあったかと思うんですけれども,この今申し上げた4つの地区というのは平成24年度文化・スポーツ部になってからの取組なんですが,県のこちら首長部局と市の教育委員会と,PTA連合会は一つありますけれども,そこが一緒になってやっていく一つの事業スキームということで,それぞれの役割分担をしながらというふうにやっていけば,こういった形での取組も一つできるのかなというふうに思っております。

【浅井座長】  ほかにいかがでしょうか。
 私,ちょっとお伺いしたいんですけれども,菊川委員のお話の最後のところに,教育基本法の話があるのですけれども,教育基本法はどういう扱いになるのでしょうか。あるいは文部科学省の指導とかそういうものはお受けになるような組織になるのでしょうか。

【西中氏】  どういう扱いと言われますと,もちろん県庁として行政を行っていくときには,各それぞれの分野におきます法律が大前提となります。法律による行政の原理というのを持ち出すまでもありませんが,教育委員会でないからといって,教育関係法は関係ありませんということは全くございません。
 それから,文部科学省さんとの間のいろいろな連絡とか,やりとりなんかにつきましては,もちろん直接的に私どもの方と文部科学省の方の各関係課の方と,いろいろな場面でやらせていただいております。

【浅井座長】  教育行政ではないのでしょうか。

【西中氏】  社会教育行政につきましては,教育委員会から事務委任ないしは補助執行という形で私どもの方で受けておりますけれども,委任を受けている範囲につきましては,こちらの方で責任を持って対応するということになってございますので,その部分につきましては直接文部科学省さんなりともいろいろとやりとりさせていただきながら,社会教育行政を進めている。その際には,繰り返しになりますが,各教育関係法規というものは当然の前提になってくるというふうに考えてございます。

【坪田社会教育課長】  私からもちょっと,3点あるんですけど,最初は,文化・スポーツまなび部としなかったのはなぜかという簡単な話。文化・スポーツなんてどこでも移管しているので,それだけかと思って余りインパクトがないんですけど,中でその社会教育を移管してやっているのに,なぜ,まなびというのは文化・スポーツに並べなかったのかという質問です。
 もう一つは,よく政治的中立性ということで結構思考停止になってしまうのがこの世界,教育委員会制度とかあって,でも,本当に心配するような政治的中立性を脅かす事案というのが想定できるのか,この現代において。多分そういう議論は少ない時間でもやったと思うんですけれども,こんなケースがありそうだ,いや,そんなのは問題ないだろうという,何かその辺幾つかエピソードがあったら御紹介願いたいということ。
 そして三つ目がこれは一番大きいんですけれども,今後,国がやるべき制度改善として,もう文化・スポーツ並びではっきりと特例で移管できるように早くしてくれということだと思うんですけれども,その場合に何か留意するというか,ほかにもこういう制度とかもいじらないとうまくいかないよというような話が実行上あるのかということと,そもそも教育委員会制度自体,今,廃止も含めた議論がされているわけですけど,すっきりなくなった方が,佐賀県さんとしてはすっきり首長部局のもとで学校も含めてやり切るという,そういう体制というか,能力というか,自信というものもおありなのか。これについてちょっとお伺いさせていただきたい。

【西中氏】  大変難しい質問を頂いたので,ちょっとどこまで私の方でお答えできるかというのがありますけれども,まず,名称ですね。これは正直申し上げまして,今,ここに座っている私も,それから副部長の江島も,文化・スポーツ部ができた後に発令を受けている人間でございまして,どうしてこういう名称になったのかというのは正直言うと分からないところではございますが。
 一つ考えるに,文化とスポーツについては,地教行法の24条の2で直接の移管をできるという分野であると。それから,まなび課が担当しております中には,直接移管ができないものが多数あるといったようなこと,そこはだから事務委任,補助執行といったような,そういう現行法上の制度を使ってのああいう対応になっているわけでございますけれども,そういったことも,もしかしたらあったのかなというふうに考えてはおりますが,私も直接なぜ文化・スポーツなのかというのは確認したことがなかったもので申し訳ございません。
 それから,政治的中立性の部分について何かエピソードがあればということでございますけれども,エピソードと言えるようなものは,そういった意味では,組織改正の過程においてどんな議論があったのかというのは直接私も携われていないので,主にはうちの組織担当の部局と教育委員会がいろいろ議論をしていく中で,教育委員会の方との間でやりとりはもちろんあったんだと思いますが,いろいろ県の行政で考えていくときに,個別の事例うんぬんというよりは,大きく今の時代ですね,行政の基本的に求められる部分として透明性,説明責任といったようなものが1つ大きなファクターになっていると思います。
 そういったものは,組織的なシステム,例えば教育委員会というような一つの組織的なシステムというものではないかもしれませんけれども,成熟社会における一つのシステム的なものというふうに考えることができるのではないかなと,これは私の個人的な考えがすごく入っておりますが。
 佐賀県の場合,行政の基本的なスタンスとして,透明性とか説明責任とか情報公開とか,そういったようなものは常に日々の行政の中で意識をしているところでございまして,それが県民の皆さんに直接,県民の皆さんからの目線による御意見もありますし,また,県には当然のことながら議会というシステムもございましたので,そういったところも1つ議論があったのではないかなというふうに考えてございますが,政治的中立性の問題というのは,私が申し上げるまでもなく,中教審のいろいろな場におきましても,いろいろ御議論がなされているというふうに考えてございますので,私どもといたしましても,この分科会も含めまして中教審におけます議論の動向について注視をさせていただきたいというふうに思ってございます。
 それから,最後の3番目のお尋ねというのは,教育委員会制度についてという……。

【坪田社会教育課長】  ちょっと厳しい質問をしていますけれども,なくなった方がすっきりするというような……。

【西中氏】  まず,教育委員会制度そのものにつきましては,もちろん学校教育の方は今,教育委員会の方に入っておりますので,なかなか私の方からお答えしづらいところがございまして,実は,県の政策提案ということで坪田課長さんのところにも提案をさせていただいたのが,社会教育の部分について文化・スポーツと同じような形で,地方公共団体の方で選択をできるような制度の容認というのは考えられないでしょうかということの提案をさせていただいているところでございます。
 これはもともとの問題意識としてあったのが,例えば文化行政のことを1つ考えたときに,博学連携とかということを考えて,教育出身の職員の人なんかも来てもらって,文化行政の1つの大きな場として,美術館とか博物館とかというものがあるわけですけれども,そちらについては文化行政自体は移管できるんですが,博物館や美術館は今は教育委員会の方で所管をして,私どもの方で事務委任ということになってございます。
 これが例えばスポーツの方でいきますと,もちろんスポーツ関連施設も含めて一括して担当できるということで,そういった意味では責任の所在が一本化できているということに対して,文化行政の面については,館との関係が一つちょっと責任の一体性という意味で外れているという問題意識がそもそもございまして,そういった中で,責任の一体性,明確化ということを考えるときに,社会教育部分について,博物館とか美術館という,まず館のところについて一体的な執行体制がとれるような制度というのをお考えいただくことはできないでしょうかという御提案をさせていただいているところでございます。
 そういった意味で,教育委員会そのものについてどう考えますかということのお答えにはなっていないかもしれませんが,今,佐賀県の現状を考えたときに,私どもの方で考えております制度改正提案の背景をちょっと御紹介をさせていただくことでお答えに代えさせていただきたいと思います。

【浅井座長】  ありがとうございました。どうぞ。

【山本委員】  今出されました二つのテーマについて,少し私なりの考えを話しておきたいと思います。
 先ほど中教審の教育制度委員会の議論などを見ていますと,私の意見なんか到底受け入れ難いような話になるかもしれませんが,首長さんのお立場上,そのように主張されたいことは,分からないでもないのですが,社会教育あるいは学習というものを考えた場合にそれでいいのかということについて,考えを述べたいと思います。
 地域の活性化あるいは地域づくりという観点で社会教育が期待されるというのは,やはり住民の自治能力が高まるからです。様々な地域の争点を学習というプロセスを経て,住民相互の認識が変化し,一致したコンセンサスに至るというプロセスとして期待されているんだと思います。
 しかし,地域というのは非常に対立的な争点を含んだところです。その争点において合意を経るためには,原則的に住民の学習の自由というものが保障されるということが最も重要であるというふうに思います。
 ところが,首長さんというのは,争点において,自分なりの主張を出して当選しておられるというのが当たり前のことです。
 住民と首長の間には非常に大きな緊張感があって当然でして,その関係をどう考えるか。政治的中立性ということではなくて,学習の自由をどう保障するかということではないかと思います。
 今,大学でいいますと,私は国立大学法人なので少し事情は違いますが,自治体立の大学の首長さんと学長あるいは大学の関係というのは,今,非常に大きな混乱に陥っているところがあります。非常に首長さんのリーダーシップというか,主張によって,大学は非常に大きな影響を受けているということがあって,直接何人とも話をしますけれども,学長さんは非常に苦悩されています。
 大学のように,大学の自治というのは一応原則的に確立していると思われている分野でも,そういうことが起こっているということを考えますと,私は教育委員会に社会教育行政をおいている現状においても,住民の学習の自由が十分に保障されているとは思わないのですが,そういう意味でいうと,どちらがいいかという話ではなく,基本的にこの議論をする場合に学習の自由をどう保障するかということが,やはり十分考えなくてはいけないことであると思っております。
 社会教育主事をどうするかという点で申し上げますと,社会教育士という提案がありますけれども,これを汎用性の高い専門職として想定し,また,行政職においては社会教育主事というものを位置付けるということが,当然あってもいいかなと思います。しかし,新木さんがおっしゃったように,今の時点でそんなことは夢物語で難しいというのは分かります。
 しかし,社会教育主事の役割というのは,さきに述べましたような首長と住民の間の緊張感の中にあって,成人の学習とか学習の自由というものをしっかり認識して,社会教育という機能を自治体の中で重要なものとして位置付けるということが確実にできる能力を持った人。そういう責任を持った人という点では,非常に重要なことだと思っておりまして,そういう意味で社会教育主事の位置付けは,私としてはより重要になると思います。
 最初に申し上げましたように,本日資料として配布されている中教審教育制度委員会のメモをちょっと見ましたが,首長の意向に沿う方向で大学もCOCで地域に貢献しろと言われれば,基本的に大学と地域の関係は崩れるというか,協働できないということになります。社会教育行政も大学も,どのように地域にコミットするかということについては,教育行政,社会教育行政が首長のもとにおかれれば,これまでの在り方も変わっていくことが想定されますので,今,十分議論しなければいけないと思っています。そんなことも含めて議論されていいのではないかと思っております。

【浅井座長】  ありがとうございます。今のお話ですと,自治体立の大学と首長部局ではうまくいかないという,例えば証拠とか,証明が必要になると思いますが。見える化というのがすごく大事になると思いますから,そのあたりを出していただければと思います。
 それから,社会教育主事の必要性についても,証拠を出していただけると一番有り難いです。

【竹原委員】 社会教育主事の役割が人や事業をつなぐとおっしゃって,私もまさにそう思っています。特に,今,多様な価値観があり,地域の課題があるところで,共に社会をつくる人をつくっていく。そのためにはやはり大人が学んでいかなきゃいけない,市民性を高めていくのは子供だけではなく,大人もそうであるというところに共感しました。
 それから,今までの知識ややり方では多分もう追いつかないし,今のままの社会教育主事の姿でいいのだろうかという議論があり,名称が残ることで今のままが肯定されたようになると,私はちょっと危ないかなと思っています。
改めて専門性を考えたときに,市民と行政をつなぎ,市民同士をつなぐだけではなくて,行政の組織改革をしたときに,そこをつなげるのは誰の役割か,社会教育主事がやるかは別としては,とても心配に思います。
 また,行政組織の話で一つどうしても申し上げたいのは,まちづくりとか人づくりというのは,1年とか5年では見えないもので,かなり長いスパンで,継続性を保障していかないと効果が出てこないと思っているんですが,市長部局では,毎年毎年見直しがあったり,予算化されたり,議論があって,その物差しや評価に関してどういうふうに捉えながら,組織を変えるか考えたいと思っています。

【浅井座長】  ありがとうございます。御意見ということでよろしいですね。

【糸賀委員】  最前から問題点になっている政治的中立性とか,社会教育の中で継続性,安定性を確保する必要がある。そこについてちょっと考えたいんですけど。
 先ほど山本委員が言われたように,学習の自由を担保するということ,私もそれは必要だと思うんですよ。それで,首長部局に移したときに,佐賀県西中さんに単刀直入に伺いますが,私,古川知事とある程度,早朝研修に呼ばれたこともあって,その後,彼の言動についてずっとウォッチしているんですが,例えば県民が原子力発電ですよ,原発政策だとか,エネルギー政策についてやはり学びたい,原発の安全性ね。
 つまり,古川知事,いろいろと九州電力との関係であったわけだから,そういうふうなことについて,本当に学習の自由が担保できるようなまなび課の体制になっているのかどうか。それは当然まだ発足して1年わずかで,明確なことは言いにくいかもしれませんけど,私はそういうところはやはり首長部局に移したときに,本当にそこは気になります。
 そのことと,一方で安定的,継続的には,先ほどの菊川委員の資料の中で,菊川委員,3ページ目かな,2社会教育行政のところで,丸の3番目ですか,社会教育行政においてのみ安定的,継続的に行える。3ページ目の2の社会教育行政についてのマル1のマルポツの3番目です。
 ただし,ここで菊川委員が言われているのは,社会教育主事と教育支援人材の確保と養成ですよね。一方で,今,問題になっているのは,やはり社会教育の中での学習活動あるいは「まなび」ですね,佐賀県さんの言う「まなび」が安定的,継続的に行えるかどうかですよね。それが従来の社会教育行政に置いておいた方がいいのか,いや,それは首長部局でも十分に学習の自由が担保された上でなされるのかなんですよね。
 とりあえず私の意見を申し上げますが,従来の社会教育行政の中で本当に安定的,継続的に行われているのか。それはむしろ,従来の教育委員会という護送船団の中に守られていて,一定の社会教育はやはり時代が変わろうと政権が変わろうとやっていくんだよねというような,本当に申し訳ないけれども,やや緊張感が欠けた「まなび」のような気がするんですよ。
 一方,今の首長部局は,本当に切実ですよ。そういう地域人材が生まれてこなければ,もう町が成り立たない。限界集落みたいなのがどんどん出てきて,これをどうするのかというふうに考えたときに,私は安定的,継続的どころじゃなくて,もう必要性,切迫性に迫られて,本当に地域の人材を育てていく。そういう人たちが自ら気付いて学んでいってもらわないと,行政全体ではとてもカバーし切れない。そういう状況が日本の各地で見られるんだと思うんですよね。そういう意味では,私は緊急性,必要性は別に首長部局でもそういう「まなび」をしていくことについては,感じられているんだろうと思います。
 でも一方で,今,私原発のことで佐賀県の古川知事について若干懸念を表明しましたが,そこはやはり担保されるべきなので,そうすると,今度はそれは首長部局に移したときのまなびのガバナンスなんですよ。どういうふうにその学習の自由を,山本先生が言われるような学習の自由を担保するかですよね。
 そうすると,例えば佐賀県の場合に,従来の社会教育委員の会議のようなものは,どういう形で今度首長部局に引き継がれているんだろうか。あるいは公運審のようなものあったわけですよね。それは公民館が残っていればあるかもしれませんが,ちゃんと一定のガバナンスの仕組みを用意しておいて,政治的中立性でありますとか,そういう「まなび」のある意味では継続性というのを担保する仕掛けは,やはり別途用意しておくべきだろうと思うんです。
 そういう意味で,佐賀県の場合に,話は戻りますけれども,そういう意味での政治的中立性,それから,ガバナンスとして,従来の生涯学習あるいは「まなび」のガバナンスを担保する仕組みとして,何かそういう仕掛けは用意されているんでしょうかということになります。いかがでしょうか。

【西中氏】  まず,今の本県の体制は,委任ないしは補助執行ということでございますので,もちろん必要に応じて教育委員会,社会教育委員さんの御意見を伺ったりもしながらやっていくということになってございます。これは委任・補助執行という今の制度を前提にしたお話であります。それはまず一つシステムの話。
 それから,運用面につきましては,教育委員会と私どもの間で定期的な会議を持ってございます。

【糸賀委員】  教育委員会とですか。

【西中氏】  はい。それは委任,それから補助執行という形で今受けているということもございますので,加えて教育委員会から移管されてきた事務というものもございますので,そういった事務を円滑に進めていくために,庁内の関係者を構成メンバーとするということで,調整会議というものを定期的に行っていくという取組は行ってございます。これは日々の行政におけます運用の工夫ということになろうかと思ってございます。
 あと「まなび」の自由ということについてのお尋ねだったかと思いますけれども,これは生涯学習あるいは社会教育に限ったことではないかもしれませんが,行政を進めていく場合に,やはりまず県民のニーズに耳を傾ける。県民のニーズを伺うといったものが基本姿勢としてあろうかと思います。
 特に,本県の場合には,私の事例紹介の中で一つ触れさせていただきましたけれども,CSOからの提案を受け付けて,県民の方々からの提案を受け付ける形で県の事業をCSOの方々が例えば工夫を入れて新しくやっていくといったようなことをやってございますが,それは言われてきた場合に基本的にイエスから考えるということでやってございますので,行政の姿勢として,そういったものをきちっと確立を,組織の文化として持っているということでお答えに代えさせていただければと思います。

【糸賀委員】  そうしますと,例えば社会教育法で言うような社会教育委員の会議に相当するようなものが,文化・スポーツ部だとか,まなび課の所管であるというわけではないんですね。

【江島氏】  社会教育委員の会議は私どもの方で所管をして,昨年も開催しました。それも含めて委任事務ということで。それから,任命については教育長,教育委員会の任命になってまいります。その部分が先ほど申し上げましたように,社会教育の一部を教育委員会に残しているというのは,そういう任命の部分であるとか,組織規則の改廃であるとか,こういったそもそものところはそのまま残して,いわゆる実務について委任ないしは補助執行,こういった形で知事部局の方で事務をやっております。

【糸賀委員】  分かりました。ありがとうございます。

【浅井座長】  ほかにいかがでしょうか。

【関委員】  1点だけ。菊川先生の3ページ目の私も一番下の部分にちょっと引っかかるんですけれども,多分,今の糸賀先生のと同じような観点かなと思うんですけれども,結局学ぶことは最終的な,ここでは結果として,まちづくりに対して貢献してきたみたいな認識なんですけれども,やはり,まちづくり,まちをよくする,地域をよくするために学ぶというふうな観点,それをもって我々は今,事業を進めている部分が多いと思うんですよ。
 先ほど糸賀先生がおっしゃったように,いろいろな問題,地域は抱えていると思うんです。それをどうやって解決していくか。そのためのアプローチが前面にもっと出てきたら,社会教育そのものの必要性はもっと上がっていくんじゃないかなと思うんですよ。公民館にしても,学校支援にしても,きちんとした何らかの成果をそこに求めようとして,みんな学んで実践していっていると思うんです。
 そういう観点を打ち出すこと,その部分に社会教育の専門性を持った職員も関わっていくことができたら,そこに必要性がもっと高まっていって,社会教育の意義は高まるのではないかなという気がします。まだ自分の中でもまとめられないのですが,今,首長部局に行って余計にそれを正直感じます。我々も当然それは必要だと思うし,首長部局の事業の中にも,「まなび」と実践を循環させる仕掛けを組み込んでいく。そういう投げかけをしていくべきじゃないかなと感じます。

【菊川座長代理】  確かにそう言われるとそうかなという感じもします。入り口と出口の問題で,どっちから入るかの問題で,もちろんアウトプットのない学習を公費を使ってやるわけじゃないと思います。ただ,余りにも,では,教育行政が先にまちづくりから入るのかというところの疑問という,入り口と出口ぐらいの感じです。

【関委員】  まちづくりというよりは,やはり一人一人の福祉の向上というか,幸せの追求みたいなところが目的だと思うんですけれども,まちづくりに直接行ってしまうと余りにも首長の思いが露骨に出てしまう気が・・・。

【菊川座長代理】  だから,人づくり,まちづくりって続けて言うような話ですね。

【浅井座長】  時間となってしまったのですけれども,少し延長させていただいてよろしいでしょうか。10分か15分ぐらいですね。もし,御予定がある方は退出していただいて結構でございます。申し訳ございません。ちょっとだけ延ばさせていただきます。
 ほかにいかがでしょうか。

【井出委員】  ずっとこの間,私がこだわっていることは,社会教育の重要性(社会教育)です。今までの社会教育でなくていいんですけども,この間,指摘している社会教育の重要性というのは多分みんな共通に認識していると思うんですよ。ただ,それをどこが担うかという,首長のところに持っていくのか,教育におりてくるのかという感じですけれども,それからもう一つ,その社会教育を担う主たる部隊が社会教育主事かどうかということもあるわけですね。
 つまり,社会教育主事がその仕事をするのではなくて,先ほどリーダーと書いたらどうだという御指摘がありましたけれども,それは名は体を表すということがあって,ある意味理解できるんですけれども,社会教育を今後進めていくときに,その中核になるのは社会教育主事かどうかというのは,やはりここで明らかにしておいた方がいいと。
 それが明らかにならないと,社会教育主事育成であるとか,社会教育主事の任用であるとかということも明らかになってこない。ですから,まずそれを片づけたいと思うのが一つと。
 それから,首長の政治的な中立性なんてあり得ないので,もともと政治的存在ですから,何言ったって,選挙に洗礼を受けてきたというこの一言で何を言ってもかまわないという形になっちゃいますけど,それを言っては身もふたもないんですけれども,教育の政治的な中立性というのは,これはきちっと担保していかなくちゃいけない。その担保は制度によって保障されていくのであって,個人的な情緒であるとか人情であるとか感覚によって保障されるものじゃないから,そこだけはきちっと整理しておきたいなと思います。
 一つ参考までに,首長部局に教育の仕事を移していくとき,感覚的に教育の側から捉えるのと,首長の側から捉えるのとの決定的な違いですが,東京都教育委員会に昔,体育部というのがあったんですよ。それは主として何をやっていたかというと国体の運営です。国体が東京から離れて40年間回ってこないことになったら,体育部はなくなったんです。それは指導部の中の体育指導課,課になったんです。今は何をやっているかというと,体育部どころか,スポーツ振興局ができたんです。これはオリンピックですね。
 全く社会教育とか学校教育とか教育という発想から生まれたり消えたりしているのではなくて,つまり,政治の大きな課題の中で,局まで生まれちゃったり,部が課や係に縮小されたりということがあるわけです。もし,これが社会教育という今,議論していることが,その時々の政治的課題とか,首長の興味,関心によって肥大したり縮小したりするということは,余りいいことじゃないなという一つのモデルですね。

【浅井座長】  ありがとうございます。やはり心配なのは,それぞれの地域でどのようにするかを選んでいけばいいとは思いますけども,そうはいいましても形がだんだんなくなっていってしまって,おっしゃったとおりに教育の本来の姿がなくなっていくのが怖いと思います。それがちゃんと残るようなものをつくれば,どちらにあってもいいんだろうと思うんですよ。

【松田委員】  今,井出先生がおっしゃいましたけど,社会教育は誰が担うのか,主事なのかということなんですけど,社会教育の主体者の形成を行政が支えるというふうな考え方,家庭教育の議論でも,家庭を支えるのか,家庭教育の主体者の形成を行政が支えるのかという議論があって,もちろん関連は強いんですけれども,やはり後者,つまり主体者の形成というところは,やはり力点があるべきなんじゃないかということだったんですね。
 やはり同じように考えると,社会教育を担っている方を支えるのが社会教育主事の役割なのだという関係がやはりクリアになる必要があるんじゃないかというのがあって,そうすると,逆にまちづくりとか,確かに教育課題といいますか,社会的課題としてはすごくよく分かるんですけれども,そちらに余りにもこの役割の重点を置き過ぎると,逆に社会教育主事の特性が分からなくなるというか,だから,やはり人づくりなんだというところに絞り込むことが重要ではないかというのが多分一つはあるんじゃないかと思います。
 もう一つは,まちづくりというのは,計画から入りますけど,人づくりというのは,その中での創発性みたいなことに委ねる部分があるわけですね。ですから,見えにくい動きになるから,非常にエビデンスもとりにくいという関係になっている。これは学校教育も同様のことを担っていますね。
 ですから,エビデンスが必要だというのはすごく分かりますし,でも難しいと言っても何も動かないのはよく分かるんですけれども,しかし,そこのラインを外してしまうと,ちょっとやはり怪しくなっちゃうんじゃないかなと,意見として思いました。

【浅井座長】  エビデンスについては,実践事例とかそういうものでも私はよいのではないかと思っています。それを積み重ね,納得していただけばよいことですから。

【菊川座長代理】  文部科学省の方にお尋ねなのですけれども,地教行法の24条の2で正式に手続がとられた事例というのは,今まであるのかということが一つです。
 それから,この地教行法の24条で委任する場合と,自治法の180条の7で委任する場合の違いというか,何か全体を移すのが地教行法で,一部が自治法の180条だと思いますね。事例も含め,教えていただければと思います。

【新木企画官】  事例……。

【菊川座長代理】  この24条の2で教育委員会の意見を聞き,議会で議決する。議会で議決するというのがやはり組織としてはっきり移りましたと。この分の業務はありますよということを対外的に明らかにするという意味で,この規定はいいと思うのですが,これで移った事例というのは今までありますか。

【新木企画官】  多分かなりあると思うんですけれども,これは飽くまでも条例で各都道府県あるいは市町村の中でやっている話なので,うちに特に届出とか報告は来ないんですよね。これでやっているのか,あるいは地方自治法の180条の7による,あるいは補助執行でやっているのかという判別は我々の方ではちょっと分からないというところですね。
 ただし,やり方として,地教行法第24条の2というのは,本当に丸ごと移す。いわば条例委任によって教育委員会全く関係なく移すという話ですけれども,180条の7に基づいて補助執行する場合は,飽くまでその補助執行は教育委員会にその権限があって,それを代理でやっているというだけですから,当然その教育委員会の絡みがありますし,委任については,そもそも社会教育全部委任するということは,180条の7に基づいてはできないという形になっていますし,ということなので。

【菊川座長代理】  やはり全部移管する場合は地教行法適用ということですね。

【新木企画官】  ええ,基本的には地方自治法の場合は,それぞれの行政委員会の趣旨というのを尊重しましょうというのが前提になっていますので,全部を移すということは教育委員会制度をそもそも否定するということになりますから,基本的には全部移す場合は24条の2という形になります。
 ですから,今回,社会教育について全部移すという話になるのであれば,ここの中に入れ込むというような形ですね。

【菊川座長代理】  そうすると,社会教育を移管する場合に,地教行法を根拠とする場合と自治法の180条の7の場合と両方の根拠で加速するという可能性は出てきますか。

【新木企画官】  そこはちょっと分かりませんけれども,今,佐賀県さんの方も根幹部分は移してないという整理にはなっているわけですね。社会教育委員に関する条例等々の部分については,引き続き教育委員会の方が持っているわけですから,それを含めて移すということはあるかもしれません。

【浅井座長】  いかがでしょうか。どうぞ。

【野島委員】  今の議論からちょっと外れて,資格の方,社会教育主事の方,ちょっといいですか。
 佐賀県の御発表を頂いて,志縁社会と地縁社会でしたっけ,面白い発想だなというふうに思うんですけれども,それは新たな支援社会ができていく。そうすると,当然リーダーがいらっしゃるわけで,その人たちがやはり社会教育の分野でも非常に大きな役割を果たしていくと思うんですよね。
 その人たちと行政が協働しながら,新たな社会教育の仕組みをあるいは事業を発展していくというふうに思うんですね。一方では,従来の資格がある。中心的な資格がある。一方は今のところはいろいろな民間はありますけれども,ないということがありますので,前回もお話をちょっと出させていただいたんですけれども,社会教育主事の資格を名称はともかくとして,民間にも開放していく。そしてその協働のパートナーとしてそれを共有していくような,そういう使い方というのは非常に重要なのではないかというふうに思うんですね。
 それで,菊川先生の九州大学のこのプログラム,社会教育主事講習のプログラムを見ても,行政が特に学ばなければいけないものというのは,そんなにないんですね。かなり一般的なというか,社会教育に必要なものが網羅的に含まれていて,内容的にもNPO等の講師の人たちも結構たくさん入っている。かつてNPOであった人が大学の先生になったのも含めて,そう考えると,そのあたりを基礎の資格にして,なおかつ行政としてはやはり行政の役割がいろいろと専門性がありますから,その上の上部資格みたいなもので組み立ててもいいのかなというふうにも思うんですけれどもね。
 いずれにしても,そういう民間の側にその力を蓄積していくような仕組みというのが,資格を通して必要ではないかというふうに思いました。意見ですね。

【浅井座長】  ありがとうございました。

【生重委員】  さっきPTAの学校支援というのがかなり希有(けう)な例だったので聞いたんですが,それは継続性の問題もそうなんですが,私が幾つかの県の学校支援のコーディネーターの養成に関わっていて,ある県で首長が代わった途端に,学校支援はもうやらなくなりましたって言われて,別に私,そこにこだわりは,よその県なのでなかったんですが,えっ,あんなに熱心な方たちがいたのにやめてしまうんですかって言ったら,ええ,うちの方ではそこに予算がとれなくなって,もともと貧乏な県なので予算がとれなくなってしまって,できれば首長は箱もの行政の方に戻りたいと言っているので,人づくりのそういうところに細かいお金を出していく予算すらありませんと,国が100分の100であったときにはできたけれども,県が3分の1ということになったときには,一切それにはできませんて,担当の方はすごく半泣きの状態で本当はやりたかったと言っていらっしゃったのが非常に印象的だったんですが。
 そういう様々な事例を見ていると,私,制度委員会にも出ているんですが,物すごく葛藤というかジレンマがいっぱいいろいろなお立場がそれぞれ鮮明なんですね。首長であるとか,教育委員長であるとか,教育長であるとかという,それぞれ鮮明な中で,もうこれって自分たちの主張が強過ぎちゃって,どっちも譲らないぞ的な空気感が物すごく出て,私はネットワーク行政と言っているんだから,社会教育主事的なきちんとしたものを資格制度を立ち上げて,全部今まで出てきた意見はそのとおりだと思うんです。
 人づくりとかまちの活性化とか,それから,多くが主体者になっていく市民参画の状況をつくっていくとか,それを陰ながら支えたり,リードしていったりするのが社会教育主事であるならば,そういうものがネットワーク行政の中できちんと派遣されて,この条例に従って例えばここの一部はこういう首長直轄に移るでもいい。でも,教育委員会の中には私は,絶対に学校教育と社会教育と両翼がいるって思っているんです。
 つばさだと思っていて,学校教育だけをやっている感じとか,人事とかそういうところだけやっているのではなく,人を,自主的に動こう,自ら活動しようという主体性を出すための人に育っていってもらうまち,元気のあるまちになるには,そういう基本的なものが備わっていて,安定,継続されているというのが必要なのではないかなというふうに思う。
 だから,社会教育主事ももっと菊川先生が言ったように,認知されていくことはもちろん必要だけど,認知されるためには本当に変な話ですけど,体験値の少ない人が多過ぎると思っていて,やってきたことにこだわり過ぎなんですよ。もっと視野を広げていろいろやってくださるオンジョブができるような体制をつくっていくとか,「まなび」の部分はe-ラーニングでも何でもいいじゃないですか。でも,外見は自分が施策に従って自分が企画したものを打ったもののレポートをどんどん上げていくとか,もっと自分の範囲内で飛び越えてやれたことを見てもらう仕組みとか,事実,そういうことが集まった中で発表し合ったり,学び合ったりする場があるとか,そういうことのまなびの工夫をしていき,行政職だけじゃなくて,民間人からも登用するような協働型でやっていけるような体制みたいなことを考えていくべきなんじゃないかと。
 これは制度委員会でも言いたいなと思っているんですが,どっちがやるかという話じゃないんだけど,真ん中にいるのはそこに住んでいる市民なんだと,市民がやる気にならないで,首長と行政だけがやる気になっても仕方がないんだということなんじゃないかなというふうに思います。

【浅井座長】  ありがとうございます。短くお願いします。

【井上委員】  社会活動と社会教育活動,そこはやはり明確に分けて考えるべきだと思います。教育の面で社会教育主事が関わっていくというところが必要ではないかと思います。先ほど御発言があったように,学校教育と両輪になる視点が必要ということから,栃木県では来年の政策マネジメントの中で,確かな学力の中に社会教育の施策を新規に立ち上げ入れ込みました。
 それは教育の計画の中で,学校教育だけじゃなくて,社会教育も学力の向上に資するんだということを改めて位置付けたのですけれども,そういうことが部局に行ったときに制度として入れ込むことができるのか。教育振興基本計画はどのように作るのか。疑問のところがるのですけれども,やはり教育の一環した計画の中で,社会教育行政が子供若しくは大人に至るまでのいろいろな教育活動のところを位置付けていくということが,やはり改めて求められていると思っています。

【糸賀委員】  ちょっと今までと違う視点で,今日,今野委員がいらしてないんですけど,前回発表されたように,地方自治体が選択できる方がいいとは思うんですね。それはもうスポーツ・文化行政と同じだと思います。それはなぜかというと,もう一方で,特に総務省出身で佐賀にいらしているというふうなことも聞きますし,古川知事自体がやはりもともと総務省出身です。総務省自身がいろいろと例えば地域力創造アドバイザー制度だとか,同じような政策をやっているわけですよ。
 それから,緑の分権改革,これも総務省が所管ですね。あれのプログラムを見るとほとんど社会教育主事が地域でやろうとしていることと,私はかなり似ているように思うんですね。それから,一方で,自治大学校での地方公務員の研修を見ると,地域人材養成研修というのは,ほとんど社会教育主事の講習とよく似ているんですよ。
 私はそういう意味で,うっかりすると二重行政のそしりは免れないと思いますね。だから,前回,私は発言したように,だったら,社会教育の方で,そういう総務省の方でやっているものを引っ張ってくるか,自分たちが総務省でやっている方に飛び込んでいくか。どっちかしかないと思いますね。私はそれはどちらか選択できた方がいいだろうと思います。
 それから,そのときに,今までの社教主事じゃあ,むしろそういうのに圧倒されちゃって,消えてなくなるんじゃないかということを心配される方がいます。だったら,私は負けないように,あとは力を付けるほかないです。
 そのためには,だから,さっき菊川委員が言われるように,私もこれ,2段階で養成していった方がいいと思いますね。最初のハードルはやっぱり下げておくんです。いろいろな人がこの社会教育の発想に立てるような人を増やしていく。
 その次に,今,生重さんが言われるように,実体験が必要ですよ。現場での経験を積んでいった上で,それからそもそもこの前の法改正で社会教育法の9条の6,それから教特法の19条,20条で,ちゃんと社会教育主事には研修ということが義務付けられているわけですから,それをちゃんとやった人については,その上のランクとして本当のプロはこういうものだと。本当に地域の中で自分で考えて企画立てて,実際に行動できる。頭で考えるだけじゃなくて体が動かせるという人をちゃんとしたもう少し上のランクとして認定していく。そういう仕組みは国の政策として考えていくべきだろうと思います。
 以上です。

【浅井座長】  ありがとうございました。そろそろ終わりにさせていただきたいと思いますので,あとは御意見を事務局の方にお出しいただきたいと思います。本当に正念場ですのでお願いいたします。
 社会教育主事は何をやっているのか分からないとか,この資料1の一番上にありますように,社会教育とは一体何なのかということがいわれますが,それを見えるようにする必要があります。
 それから,今おっしゃったように,研修と言いましても,学校の先生はちゃんと研修することがあるんですけど,社会教育主事の場合研修する中身もあるのかどうかということも全部問われているんですよね。
 おっしゃるとおり,力を付けるということが一番大事だと思いますが,では,具体的に一体それは何をするのかと。それをお出しいただければ社会教育主事が何をする人かがはっきりしてくると思います。すみません,20分も過ぎてしまいました。今日は終わりにさせていただきたいと思います。
 あとスケジュールについて,事務局から御説明をお願いいたします。

【新木企画官】  資料5の方を御覧いただきたいと思います。これまで第4回までヒアリング,それから討議を頂きましたけれども,次回,第5回,7月18日14時から16時で開催したいと思います。その際は,これまでの議論を踏まえて,審議の整理ということで案を提示させていただきまして,できれば7月25日ということでまとめていきたいというふうに考えています。
 最終的には,こういったワーキングでのまとめたものにつきましては,9月に生涯学習分科会,それから,教育制度分科会の方に報告をさせていただいて審議いただくという,そちらの方の答申の方に盛り込んでいくというようなことを考えております。
 以上でございます。

【浅井座長】  ありがとうございました。
 本当に今日は私の不手際でここまで遅れてしまいまして申し訳ございません。言い足りなかったことは事務局に是非御意見をお出しいただければと思います。
 ありがとうございました。終わりにいたします。

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生涯学習政策局社会教育課