家庭・地域の教育力の向上に関する特別委員会(第9回) 議事録

1.日時

平成18年4月14日(金曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省10F1~3会議室(10階)
(東京都千代田区丸の内2丁目5番1号)

3.議題

  1. 家庭・地域の教育力の向上について
  2. その他

4.出席者

委員

 大日向委員長、大宮委員長代理、明石委員、見城委員坂元委員、笹井委員、杉山委員、土江委員、中橋委員、藤野委、藤原委員、山極委員

文部科学省

 田中生涯学習政策局長、佐久間調査企画課長、高橋生涯学習推進課長、三浦社会教育課長、清水男女共同参画課長、小川参事官、萬谷民間教育事業振興室長、早川家庭教育推進室長、行松地域学習活動推進室長、その他関係官

5.議事録

(1)事務局より資料1、2-1、2-2、2-3、3-1、3-2について説明が行われた。
(2)家庭の教育力の向上について、意見交換が行われた。

○ 大日向委員長
 本日は、各論についてご意見をいただきたいと思います。前回、前々回、2回にわたり、家庭と地域の教育力に関する総論に、かなり時間をかけて皆様からご議論いただきましたので、そこで確認したことをもとにして、家庭に関しては資料2-1、地域に関しては資料3-1をもとにご議論いただきたいと思います。

○ 加藤委員
 「早寝早起き朝ごはん」運動について、ぜひ国民的な動きになっていけばいいなと思っていますが、テレビでこういうものを食べると頭がよくなるなどの番組があると、翌日、紹介された食材がスーパーから無くなるということがあります。「早寝早起き朝ごはん」についても、従来のルートだけではなく、テレビなどの新しいルートで国民に浸透していくことも考えるべきと思います。
もう一点は、朝ごはんを食べて来ない子どもたちの中には、呼びかけだけでは難しい家庭環境の子どもたちがいます。国や行政がナショナルミニマムとして手がけるこのようなキャンペーンの中で、目を向けなければいけないのは、そういう人たちに対してどうしていくのかということだと思います。例えばアメリカのある州では、学校で朝ごはんが食べられる仕組みがあると聞きます。朝ごはんのバウチャーを配ってあげて、コンビニなどでもパンやおにぎりは買うことはできるわけですが、ただ食べればいいということではないですが、しかし本当に家庭が崩壊気味になっているところにも目を向ける視点が国や行政になければ、格差がますます広がっていくことになると思います。

○ 笹井委員
 資料2-1の「きめ細やかな家庭教育の支援」の1つの方法として、例えば東京都内の子育て広場などを調べると、ハードルの低いみんなの集まりやすい場になっていると、真にその支援が必要とされている親子も集まってくる傾向があると思います。これまで家庭教育の支援としていろいろな政策が講じられてきましたが、人づくりの政策に加えて、青少年の居場所だけでなく、親の居場所があるといいと思います。家にいても息苦しいとか、隣近所と話をしてもどうもうまくいかないというようなお父さん、お母さんが気軽に集まって来られる居場所が地域にあればと思います。公共空間と及び物理的な空間として、そういうものがあると、例えば家に閉じこもっているお母さんでも気軽に来られるのではないか。各家庭を訪問して、いろいろカウンセリングをするなどの方法もいいのですが、居場所があればそういう人たちも出てくると思います。既存の社会教育施設や学校教育施設の活用、あるいは厚生労働省との連携で、何かそういうものができないか検討を進めていただければと思います。

○ 坂元委員
 「きめ細やかな家庭教育の支援」の1番にある「子育てに関心の低い親、孤立しがちな親等に対する効果的なアプローチの手法」について、幼稚園についてもそうですが、学校には大きな役割が期待されるのではないかと思います。幼稚園も含まれると思いますが、学校にはほとんどの子どもを持つ家庭が関与するわけで、子どもを通じて、子育てに関する資料や情報を家庭に届けることができます。ただ届けるだけですと、ただ放置されるだけですが、何かしらチェックをしたりコメントをするなど親に関与していただくこともできます。こうしたことによって支援を行ったり、いろいろな支援の手段があることを知っていただくことが可能ではないかと思っております。
 また、学校の先生方は親との面談や家庭訪問をされており、家庭についてかなり踏み込める位置におられます。そうした先生方には、相手の実情を見ながら支援的な情報提供や、さらなる支援に対する仲介などが可能であり、役割や効果が期待されるようにも思われます。そのためには、例えば学校の先生方に子育て支援の役割の認識を強めていただいたり、子育て問題に対する情報やノウハウを持っていただくことなどが必要で、また、学校にそうした要請をする、教員研修でそうした観点を重視する、先生用の子育て支援の資料を充実させる、モデル事業や事例を集めていくことなどの取組が考えられると思います。いずれにしても学校には次々といろいろなことが期待され大変な状況でありますが、学校を通じての支援というのは一つの期待される方法論かとも思われますので、項目として、学校の支援ついて、そのあり方を検討するというものもあってもよいかと思います。

○ 大宮委員長代理
 2点あります。1つは1の「きめ細やかな家庭教育の支援」について、子育てを社会に送り出す、社会人として成長していく支援をするということで考えると、子どもが成長し社会にかかわり社会の役割を担う人間として成長させていく、といった表現ができないかとの思いがあります。孤立しがちな親をカバーする、あるいは子育てに関心の低い親に対してどうフォローするのかは重要なことですが、もう少しプラスのイメージとして自分の子どもを大事に囲うのではなくて、社会の一員として成長させるという意識を少し強調していったほうがいいと思います。
 2点目。5の「地域ぐるみの支援」について、異年齢集団、あるいは学童保育のような集団の教育力即ち、子どもの居場所づくりで成功したような、異年齢集団の居場所をどのようにして地域の中で確保していくのかとが非常に重要なテーマになってくると思います。異年齢集団の豊かな交流の場の創出というテーマは、きちっと位置づけたほうがいいと思います。
 現場で学童保育や小学校の学校協議会に5、6年かかわっていますが、単親家庭が非常にふえていて、お母さんが19時ぐらいまでずっと働いていて、その間、幼稚園や小学校の子どもが留守番しているようなときに、受け入れる集団や関係、場所があるかないかで、その地域の安心・安全や子育てがどうなるのかということが重要です。

○ 土江委員
 2点お願いしたいと思います。地域の教育力と家庭の教育力をリンクさせて考えていくことが大切だということについて、基本的なこととして押さえておかないといけないのは、大人の意識改革が必要ではないかということかと思います。昔の地域コミュニティーには自己リスクというものがあったと思います。自分たちで解決できることは解決してきたと思います。権利を主張する声が強くなり、その結果、お互いが地域を狭くしているのではないかと。地域住民一人一人が、地域のために何ができ何をすべきかを考え、自ら参画していくという姿勢が、大人には必要ではないか。この辺をしっかりと押さえておかないといけないと思いました。
 それから「きめ細やかな家庭教育の支援」について、この春休みに幼稚園に参りましたら、子どもが家庭でテレビゲームを1週間やりっ放しで、親御さんもどうしてもそれが止められないので、幼稚園へお願いしたというふうなご意見がありまして、本当に大人自身の自信のなさとがあるのかなと直接感じたのですが、これを嘆いていても仕方なくて、こうした孤立しがちな親御さんをどう支援していくか、それが1つは地域であるのかと思います。
 そこで、やはり地域の中での大人同士のコミュニケーションが非常に大切ではないかと思います。そのために、気軽にいつでも誰もが参加できるような大人の居場所づくりが非常に大切かと思います。その施設で、とかく社会教育あるいは学校教育へ視点が行きがちですけれども、やはり地域全体ということになれば、福祉の関係あるいは産業の関係、行政でいうならばそれぞれの各部局が連携しながら、地域づくりの中でそうした居場所、交流の場をつくっていく視点も大切かと考えます。

○ 見城委員
 まず1番の「きめ細やかな家庭教育の支援」ですが、現実いろいろ状況を見ますと、どのような働きかけをしても、家庭自体があってないような状況、例えば母子家庭にしても、増ええていることは現実なのです。そういった経済的な格差もある都心ばかりではなく、地方でも現実に給食費が払えないなど、いろいろな問題が出ていて、広がっている。家庭環境格差という言葉をしっかり入れたほうがいいのではないかと思います。孤立しがちな親や、いろいろそういう表現はあるのですが、家庭環境の格差、子育て環境の格差でもいいのですが、それを明確に出して、その上で私は、学校のあり方をもう一度考えてほしい。せっかく学校に子どもが集っているのに、地域があってないようなところへ出さなければならない。ですから、何とか放課後児童クラブの新しいあり方という形で、学校の中で、学校が終業した後はそこが一つの地域になるような、方策や施策ができないだろうかと思います。
 例えば、地方に行きましたときに、大変すばらしい校舎ができたが、合併によってスクールバスで子どもたちが集められてくる。そして時間とともにスクールバスで全部送り帰されていく。地域で育てる、家庭で育てるということが、このようにもともと状況が変わっている、ことを踏まえずに、家庭のお母さんに頑張ってもらおうといっても難しいと思います。もう一度終業後の学校が、家庭とのつながりとして画期的な場になれるのか、また文部科学省としてはどうお考えなのか、この辺も伺いながら、せっかく学校に集められた子どもたちに対して、帰す前の時間をどう活用できるのか。また、第二の家庭のような形ができるのか。そこへできれば迎えにきていただくなりし、そのときに、例えば孤立しがちな親が学校に来る形で、何とかそこできっかけづくりができないかと思います。その辺のあり方が変えられるものならば、少し改革をしていくべきだと思います。

○ 大日向委員長
 これまで伺ったところで、一つ提案させていただきたいことがございます。今、資料2-1の1「きめ細やかな家庭教育の支援」のあり方に関しておおむねご議論が集中しています。いろいろと各論についてご意見がおありになると思いますが、今、見城委員が言われたような家庭環境格差という問題は、現実として本当に大切な問題だと思います。
 一方、先ほど大宮委員長代理がとても大事なことを言ってくださったと、私は伺っておりました。子育てに関心が低い親がいるとか、孤立しがちな親がいるから地域や家庭の教育をどうするかというスタンスではなくて、もっとそこをプラスに発想転換したときに、社会の一員としてみんなで子どもを育てようという、そういう視点が大事ではないかということをおっしゃってくださったと思います。それがまさに、過去2回にかけて総論のところで私どもが確認したことだったのではないかと思います。家庭がだめだ、地域の力が低下しているということでは解決しない。その根本の問題は何かというと、そもそも社会とみんなで子どもを育てようという発想がなかった。家庭の教育力は低下しているとか地域の教育力がうんぬんの前に、もっと果敢に新しいことを打ち出せるのではないかということだったと思います。そのための各論のご議論だというふうに私は認識しております。皆様からもいろいろと建設的なご意見をいただいておりますが、今後ともその点を確認した上で、ぜひともご意見をいただければありがたいと思います。

○ 中橋委員
 家庭の教育力について、1番から5番すべてに、家庭や地域だけが頑張るのではなくて、企業の意識や役割も変わってくれれば、少しずつ企業が協力をしてくれれば、変わっていくことってすごくたくさんあるのではないかと思っています。
 例えば、昨日今日と子育てタクシーのドライバーさんの講座をしていたのですけが、ドライバーさんが、子どもだけを子育てタクシーに乗せて自分がパチンコをしている親が、パチンコが途中で終わらなくなったので、子どもを連れてきてくれと言われた。そのときに運賃1割引で子育てタクシーを使ってくれて、それを喜ぶべきなのか、そうではなくちゃんと親に説教しないといけないのか、僕はすごく悩むのだということを運転手さんに言われたのですが、なかなか子育て広場に来られないような家庭も、タクシーを利用するとか、あるいはレンタルビデオ屋さんとかコンビニであるとか、いろんなところが少しずつ、自分たちで子どもを育てようとか、子どもを見守ろうという意識を持ってくれるとか、あるいは、私は新しい取組をするよりも、今、家庭教育手帳もそうですし、ITを使った部門もそうですし、チラシやリーフレット、いろいろなものが既に各市町であったり文部科学省など行政からも、いろいろなところから出ているのですが、なかなか行き届いていない人たちや、場所があるわけで、ただ置いてあっても意味がわからずに置いてあるので、渡したけれども伝わっていないとか、そういうこともあるので、企業の人たちにも協力してもらって配布するとか、今までにないようなところに掲示してもらうことができれば、また少し違うかと思います。あるいは、「早寝早起き朝ごはん」にしても、おもしろい子ども向けのテレビ番組を午後9時とか10時からやっていたら、どうしても寝るのが遅くなってしまうので、もう少し早く子ども向けの番組を終わらせてほしいとか、様々な分野の企業が、少しずつ企業として子どもたちのために何ができるか、家庭のために何ができるかと考えてくれるきっかけがあればいいなと思います。
 そのためには、企業は営利を目的としていますから、企業のメリットって何ということになると思いますが、そのときに、いくら行政が企業は協力してくださいといっても、なかなか協力してくれない、できない部分もあると思います。その部分で、私たち地域のNPOあるいは子ども会やPTAなどが、ここのお店はこんなことをしてくれているとか、ここの企業はこういうことに取り組んでくれているとか、そういうものをPTAの会報に載せるとか、NPOの冊子に載せるとかしながら、頑張っているところをもっとクローズアップして、こういう取組だったらうちの会社でもできるかもしれないとか、このぐらいのことをしてPTAの人に喜んでもらえるのだったら、うちもこんなふうにしようとか、そういう広報、いい企業さんのPRのような部分を上手に民間の団体がして、企業がもっともっと子どものことを考えてくれる循環ができる仕組みができれば、家庭教育、子どもたちを見守ろうという部分で、企業が振り向いてくれるのかなと思います。

○ 大日向委員長
 いろいろな立場の方々が循環的に取り組むって、とても大事だと思うのですが、そのタクシードライバーさんに、中橋委員は何とおっしゃったんですか。

○ 中橋委員
 私は、そのままパチンコに乗せていってくれる人がいないと、子どもがずっとその家で一晩いることになるので、そういうときは乗せていってくださいと言いました。ただ、お母さんにどうしても僕は言いたかったと言うから、それは言ってくれて構いません、それはお金をもらってご商売されている方としてではなくて、地域のおじさんとして、一言言いたかったら、我慢せずに言ってくださいというふうに言いました。

○ 藤野委員
 「家庭の教育力の向上について」、各論の「4父親の家庭教育の参加の促進」で、4年前、私自身が市のPTAの会長をさせていただいたときに、その市のPTAの組織の中に、家庭教育委員会という専門委員会がありました。今まで母親サロンといいまして、幼・小・中の3つに分けて、母親が子育ての悩みとか、あるいは助言者に来ていただいてお話をお聞きするとか、グループ討議をするとかいろいろあったのですが、4年前に初めて、父親サロンというのを開催して、お父さんに1回来ていただいて、いろいろなお話をしてみようということで行ったのですが、やはりなかなか来られる方が少なく、何とか声をかけて二、三十名の方が来られました。
 なかには、お母さん同伴で来られた方もおられましたが、その中で、5、6名ぐらいのグループに分かれていろいろなお話をしました。初めは皆さん少し慎重な面持ちであったのですが、1人のお父さんが、自分の子どもは女の子で、中学に行って、声もかけてくれなくて、話もできなくて非常に悩んでいるということを言ったときに、そのグループは非常に活発な意見が出たんですね。私も女の子がいて、同じ悩みがあると。非常に和気あいあいと、お父さん方の悩みをお互いに分け合ってやっていたのですが、非常にそれはいい経験、いい形でできたなと思っておりまして、現在もそれが続いております。
 本来、もっと細かくやっていかなければならないのですが、なかなかお父さん方も仕事の関係で集まるのは難しい。ただ、仕事の中では話せない、そういった子育ての悩みというのは、お父さんも必ず持っていますから、地域で、本当に身近なところでそういう子育ての悩みや、子どもに対しての思いを語れる場がもっとあって、それが活性化すればいいなと思いました。

○ 杉山委員
 先ほどの大日向委員長のお話を伺いながら、新しく打ち出すにはどうしたらいいのかと考えておりましたが、1つ感じたのは、資料2-1で、項目は既に事務局から出していただいて、それに基づいて議論をしているのですが、例えば、どうしても今、関心のある人たちが議論をしているという雰囲気があるものですから、先ほどの中橋委員のお話にもあるように、関心のない人たちに対して何ができるのか、どうしたらいいのかということを、1つ項目立てにするような形で、外に向けてどうするという話も1つあっていい気がしました。どうしても、それは前提で、さてどうするという本当に各論に入る話が多いものですから、それとは別に、全く子育てについて関心もないような人たちに対して何を伝えるのか、どういう現状があるのか、そういうのもあっていい気がいたしました。
 あと、各論に入っていくのですが、関心が低い親や、孤立しがちな親、そういう親は一体今、どういう子育てをしているのかとか、それから、その親たちはどういう育ちをしてきたのかとか、そういったきめ細かな調査を、まずどういう状況だったのかというのを把握して、何が対応として必要なのかというそういった調査や研究は、もっとやっていかないと、家庭教育手帳を配ったらよくなるものではないと思います。だから、きめ細かにやるなら、そこに対して何をするのかという明確な対応策というのも進めていくべきではなかろうかと思っています。
 そういう意味では、厚生労働省の虐待防止対策室というようなところは、かなりいろいろ考えているのではないかと思いますが、ご存じのように、次世代育成支援対策推進法では、虐待防止の市町村のネットワークをつくっていますので、その中に、やはり幼稚園や教育委員会、公民館、そういった文部科学省の所管の様々な機関も入ってネットワークの一員になっていくという、そういった連携もありなのかと思っています。ご存じの方がすごく多いと思いますが、カナダにはノーバディズ・パーフェクトというプログラムもあるわけですから、そういったものを日本ではどうするのかということも進めていくといいのではないかと思います。
 次に、今度一般的に行っていくといいのではないかと思ったのが、子育て講座を妊娠期の母親と、それから夫、父親になる方に対して行っていくということ。特に妊娠期に、これから親になるってどういうことだろうという学びというのが本当にありませんので、これはあってもいいのかと思いました。あとは、学校とか幼稚園に、PTAや保護者会で行くときに、下の子を預かってもらえないという話をよく聞きます。例えば、PTAで、夜先生に呼び出されて交流会があったときには、子どもはお家でお留守番しているとか、そういう話もあったりするそうで、そういうのは本末転倒ですので、親が学校に集まるようなときには必ず保育をつけるというような、そういったことを明記していただけたらなと思います。

○ 大日向委員長
 杉山委員が具体的なことをいろいろおっしゃってくださったので、とても参考になりました。ありがとうございます。妊娠期からの講座というのは、プレママ、プレパパ講座って、かなり前からやっていたと思います。ただ、それが地域の教育力と結びついてはこなかったというように、連携がどうもうまくいかなかったということなのかもしれませんね。
 それから、もう一つ大事なご指摘があったと思いますが、子育てに関心が低いとか、孤立しがちだというだけでなく、その背景をもっと丹念に、プロジェクトチームを組んで研究調査に入っていくべきだということは、ご指摘のとおりかなと思います。地域の教育力に関しては、かなり膨大な調査結果が、前回、資料集として文科省の方からご提出いただいたと思いますが、ああいう研究をもっともっとというような、そういうご提案ですか。あるいは、親の背景に関して、随分笹井委員のところでもご研究なさっていらしたと思いますが、そういうのをもう少し体系的にきちんと欲しいということですね。

○ 杉山委員
 ええ。多分、ご研究いろいろなところであると思うのですが、せっかくある研究がなかなか、本当に素人が申しわけないのですが、せっかくあるのをもうちょっと集めた形で体系づけていただいて、具体的にさてどうしようかというところに持っていくためのアクションを起こすときではないかという気が。

○ 大日向委員長
 わかりました。ありがとうございました。

○ 明石委員
 8年ほど前に、大卒の人々約900名近く、35歳までの青年たちを対象に、結婚観、家族観という調査を行ったことがあります。そこでわかった知見が3つありまして、結婚したいけどできない男性が1割で、女性が2割。その男性1割と女性2割にどういう背景があるかと申しますと、3つのことがわかりました。1つは、お父さんのイメージが希薄、要するに、父の座がはっきりしていないというのが1点。2点目は、小学校時代に泥んこ遊びをしていない。3つ目に、家庭の年中行事があまりなかった。言うならば、ファミリー全体で楽しくきたというイメージが乏しいと、結婚したいけれども結婚できていないというのがありました。そうしますと、やはりこれから、家族のイメージをつくっていかなくてはいけない。
 平成4年に、残念ながら社会科がつぶれまして、学校で生活科をつくりました。これは坂元委員がおっしゃるように、社会科の1年生では、私の家族12名という単元がありました。ですから、小学校1年生は、私の家族は12名よという学習をしていくわけです。何で12名もいるのだろうかという部分から、母子手帳を持ってきなさいとか、へその緒あるかなとか、探してもらってくださいとか、そういう形で親と子のきずなをずっと調べたり、兄弟の存在や、おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさんなどがイメージ化されて、6歳児から家族をつくっていくような仕組みがありました。だから、いま一度、生活科の中にそういう家族のことを入れていくとか、当然家庭科も含めて、家族というのをやっているのですが、分断されがちなことがあるので、まず学校においてそういうことができないかというのが1点で、2点目は、やはり父の座をはっきりしてほしい。
 ご承知のように、江戸時代に侍が1割いました。侍というのは、長男を教育しないと家がつぶれますから、お父さんが長男教育をしました。食事で、一番座、二番座、三番座とありまして、一番座でお父さんと長男が向かい合って箱膳でご飯を食べながら、今日藩校で何を勉強したかや、論語を暗唱してみなさいとかという形で、座り方から、食べ方、学問のことをしつけていました。それで人材育成したという役割がありました。同じように、西部劇を見たらよくわかりますが、夕飯を食べる前に、お祈りをしてから、多分、お父さんがお説教をしました。そういう父親の役割、母親の役割というのがあったと思います。そういう意味では、父親の参加というのは必要かなと思います。
 3つ目は、年中行事についてで、それはいろいろな家庭があっていいと思います。言いたいのは、家自慢をしてほしいということ。自分の家はこういう自慢があるということ。どうも日本のお父さん、お母さんは、家自慢をしない。例えば、家のルーツを、結婚式の紋付きの家紋ってありますよね。なぜあの家紋の由来があったかということを、誰かがしゃべってあげてもいいし、家のお父さんの得意な料理はこんな料理である、お母さんの料理はこんな料理があるとか、要するに、新しい家風といいましょうか、家風づくり運動を起こしてもいいのではないだろうか。大体4,000万世帯ぐらいありますけれども、極端にいいますと全国4,000万の家風ができてもいい。そういう運動を起こしていかないと、何かちまちました同じことをやっても新しい気風が伝わっていかない。先ほど、もおっしゃいましたように、メディアを使うとか、杉山委員もおっしゃいましたように、もう少し広がりのある展開をしたらどうかと思いまして提案しました。

○ 山極委員
 私は仕事と家庭との両立支援を通して、家庭の教育力についてお話をさせていただきます。この数年間社内外で様々な議論を重ねてきて出た結論は、両立支援を続けることこそ、社員と企業の双方にとってプラスであり、結果として家庭の教育力を高めることにつながるという確信です。しかし、現在企業にはその成果を計るモノサシがないので、今年度は企業が連携し合って指標づくりに取り組むことといたしました。このモノサシができれば、日本の多くの企業が、両立支援に対し一生懸命やっていくに違いありませんので、ぜひご支援をいただきたいというのが1点です。もう一つは、両立の支援への取組は、制度設計や子育ての対象者だけにスポットが当ててしまいがちですが、ポイントは、実際に誰でも使える制度であること、子育てとの両立をしている社員を支える仕組みをどうつくるかだと考えます。

○ 加藤委員
 委員長から、社会で子どもを育んでいくという、これは私たちが、これから一番そこに政策を集中していかなければいけないことだと思いますが、これは本当に国としての大プロジェクトにしていくものだろうと思います。今、少子化については、特命大臣がいらっしゃいますが、これは1つの枠の中だと思います。やはり社会で子どもを育てることと少子化というのは結びつくものだろうし、そういう視点が1つ要るだろうと思います。
 2つ目に、それを社会、あるいは国として、国民としていくときに、最大の支援というのは、私は時間ではないかと思います。我々労働組合の立場で、今、国の施策や実際に企業が行っている状況を見ても、労働時間の短縮の機運というのは、むしろ後退しているのではないかと思っています。時短促進法という法律がありましたが、これが今回モデルチェンジをされて、国としての1,800労働時間という目標値が削除されていまして、各産業、企業で目標を持ってやっていこうということになっているのですが、趣旨は確かに総論としては間違っているわけではなのですが、やはり1980年代の半ばに前川レポートが出て、日本が1,800時間台を目指そうといった、あのときの国がかりのエネルギーというのは、今は感じられない。実際、現場で起こっていることというのは、これも二極化で、働き方も非常に多様化しているというのがありますが、子育てや家庭を持って最初の世代、30代が、会社にいる時間が一番とても長いのです。12時間ぐらいいるというデータもあります。
 妻が子どもを持ったときに、夫は妻よりも大体2時間から3時間長く会社に引き止められているという実態があって、一体これでどうやって協力できるのだろうか。私たちは、ちょうど円高ショックのころに、日本の労働時間は、実は仕事量が減って、強制的に短くなった。私たちはアンケートをとったところに、やむを得ず定時退社になってしまった人たちがいて、収入はすごく減っている、残業がなくなりますから。しかし、まだ明るいうちに早く帰ってという生活になれてくると、もう残業はしたくない。つまり、そういう大人たちを地域、あるいは家庭に引っ張り込んでいくためには、やはり時間が要るわけです。そのために国として、例えば1カ月に1回は絶対定時退社をするのだとかですね、国の制度としてやってみてもいいと思います。
 今、私は自分の田舎は、愛知県のわりと小さい町ですが、そこでは長男で家の後継者になっている人が多いものですから、わりと地元に就職をしていて、あるいは商売をしていて、地域がまだ成り立っています。お祭りがあって、子どもたちを大人が教えて、コミュニティができているのですが、それが都会、中都市ではなかなかできにくいのは、やはりお父さんが帰ってこない、お母さんも帰ってこないからです。ですから、国として、国家的プロジェクトとして、もう1度労働時間の短縮に向けて再構築していくという大宣言を行わないと、このことはなかなか前に進まないだろうと思います。

○ 大日向委員長
 今、資料2-1の4の、お父さんの家庭参加の問題から、山極委員や、そして明石委員からのご意見がまとまって出されたと思います。やはり家庭の教育力が低下しているとか云々の問題を議論するときは、必ず企業のあり方や、地域のあり方ということと関連して論じないとだめだということを、改めて考えさせられました。
最初にが、「早寝早起き朝ごはん」運動、これは大変大事で、国民運動に浸透させていくことは必要だけれども、同時に朝ごはんを食べてこない子どもたちをどう守っていくかということが大事だとおっしゃいました。これも家庭のあり方だけを考えていては、やはり解決がつかない問題で、いつかテレビでやっていたと思うのですが、朝ごはんを地域の中でみんなでつくって食べさせようというような、そんな運動をしている町があったかと思いますが、そういうことも盛り込んでいけたらなと思います。
 それから、もう一つ、先ほど明石委員が言われたことで、私ももっともだと思いつつも、ただ、私は女性だから敏感になる面があるのかもしれませんが、昔のお父さんが、箱膳をつけて、昔の家風と言われると、ちょっと待ってと思うところもあって。つまり、家庭の問題を考えると、シングルペアレントも今は増えていたり、いろいろな家庭があって、その中で子どもは育っていかざるを得ない、いくわけです。もっとも、明石委員は決して家族のあり方を固定するような、そんなことをおっしゃったのではなく、100あったら100の家風というように、100の家族のあり方があっていいとおっしゃっておられましたし、お父さんの役割というのは、箱膳前に教育を訓示するだけではなくて、箱膳、ご飯をつくるところからやってほしいということですよね。で、よろしいですね。はい、ありがとうございます。
 ということで、これまで家庭の問題について主にご議論いただきました。もっとも地域の問題にも触れていただいておりましたが、後半は、どちらかというと地域の方にシフトしながら、資料3-1に基づいても、どうか活発なご議論をいただきたいと思います。

○ 大宮委員長代理
 家庭と教育、地域のご議論をずっと聞いていて、我々大人として、あるいは今の社会として、次世代をどう育てるのかという視点をやはりしっかり持って、家庭の教育力、地域の教育力ということを議論しないと、余りにもいろいろな意味で、いろいろな問題が噴出してくるので、個別に目をとられると視点がずれるなということを、まず1つ感じました。
これから考えるべきこととしては、子どもは、人としてかかわったら、かかわった分だけはね返ってくるというのは、父親の役割、母親の役割というふうな部分ももちろんあるかもしれませんけれども、親として、子どもたちにどうかかわるのか。向き合わないでごまかせば返ってこない、そういう大人として、社会として、子どもをきちっと社会の一員としてどう育てるか。家庭の現場で、地域社会の現場で、あるいは職場でという視点で考えていったほうがいいかなというのがあります。
 地域の教育力に関して1つだけ具体的な話で、かなり1から9まで抽象的というか、ある意味では具体的にありますが、4の、例えば「様々な主体の取組の促進」のところ、どこでもいいのですが、例えば、「地方公共団体、企業、大学、NPOなど様々な主体」とありますが、地域の教育力にとって、PTAや、地方では子ども育成会、子育連と言っていますけれども、そういう各種団体の存在というのは非常に大きいので、NPOと切らないで、学校教育、あるいはそういう子どもの教育にとって重要なものは明記して、存在感を示した方がいいというのが1点です。
 あと、ここには全然ないのですが、例えば、5の「幅広い視点からの施策の推進」あたりに、先ほどの「早寝早起き朝ごはん」運動の話を聞いていて思ったのですが、昨日、実は地域でいろいろな会合があり、給食センターの話をしていまして、唐突なようですけれども、自校方式かセンター方式かというのは地方では結構重要で、みんな給食センター方式になっているのですが、もう一度地産地消とか、地域でつくられた無農薬、低農薬の野菜や食物を、地域で循環させて、それを小学校や中学校で自校方式で、あるいはセンター方式でもいいですから、地域の人たちがかかわって、子育てと食育てというか、そういうものの仕組みをできるところから、意識的にやれば可能なところって結構あります。朝ごはん運動、生活のリズムと同時に、地域で子どもを、健康そのものを含めて育てるということを、農水省あたりと連携した食育て、健康育てといった部分、あるいは地域の文化、地域の産業の育成といったことも含めて、地産地消のシステムづくりといったものを少し具体的に提案してもいいのではないかと思います。そういうのは、考えるといろいろあるのかなという感じを持ちました。

○ 杉山委員
 2点あります。1点は、事務局に質問にもなるかと思いますが、(3)の「『地域子ども教室推進事業』の平成19年度以降の在り方について、どのように考えるべきか」というところですが、18年度までと私たちも聞いていて、その後、もう地域の裁量に任されてしまうことになっているのかどうなのかとか、そこの事情もよくわからなくて、現状はどうなっていて、ありようとしてはどうしていくことが、幾つか考え方としてあるのか、そういったお話を少し伺いたいと思います。せっかくある事業なので、ぜひとも継続してほしいし、それから、できれば発展、さらに末広がりになっていくようなあり方があったらなと思うものですから、そこら辺を伺いたいと思っております。
もう1点が、子どもたちの安全を守る活動を、地域としてどのように取り組んでいくかという点ですが、これは地域の教育力そのものというか、幅広い視点ではなくて核ではないかという気がしています。命が守れなかったら、教育どころの話ではないという話だと思うので、地域を挙げて何ができるのかをみんなで考える、一番最優先のことではないだろうかと思っています。
 ただ単に大人が集まってパトロールをすればいいとか、監視カメラを設置すればいいとかそういうことではなくて、子どもたちは一体どういうところで危ない目に遭っているのかというような調査であったりとか、それの丁寧な分析であったりとか、地域でできることもありますけれども、むしろ町全体の構造を変えていかなければ死角はなくならないとか、そういうことがあるのであれば、そのために何ができるのかとか、そういった建設的で具体的なやり方というのを、むしろ考えていかなければならない時期にきているのではないかという気がいたします。
 もう1点が、家庭の教育力にもかかわってくるのですが、子どもの危機回避能力という、危険を察知して自分で逃げるとか、大人に伝えるとか、いろいろなことがありますけれども、そういったことも、まず親が知っていないと仕方がないし、地域の大人たちもそれを伝えていけるというような、これは1つ、安全を守るというのは、当然一番やらなきゃいけないことだと思うので、少し力を入れてやっていっていただけたらなと思います。

○ 高橋生涯学習推進課長
 杉山委員の最初のご質問について、現在、担当課長として考えていることを申し上げたいと思います。
この子ども教室推進事業につきましては、当初は3年間の研究事業ということになっておりまして、18年度で一応終わる建前ですが、19年度以降、我々としても、こういう取組を広く全国に広げ、定着し、発展させるためには、やはり国として手を引くのではなくて、全く同じということはなかなか難しいかもしれませんが、より事業としてはいい形に持っていきたいということで、政府としては夏の概算要求に向けて、新年度予算の成立を待って、新しい19年度に向けての検討が始まっておりますので、今、いろいろと検討しております。
 検討する際に、幾つかやはり考えなければいけない項目があるのかと思います。これはむしろ、こういう場でもいろいろと提言をいただきたいのですが、考慮しなければならないのは、特に財務省のほうには、やはりこういうのは本来、市町村がやるべき事業ではないか。特に三位一体改革、地方分権という中で、最初に種をまくのは国がやってもいいが、定着したら地方にお渡しするというような発想がございますので、そういった考え方と、これをどう調整していくかといった視点が1つございます。
 それから、特に見城委員から先ほどお話がありましたが、もっと厚労省がやっているような放課後児童対策と、より連携一本化を進めていけないのかというご指摘も、いろいろなところでお聞きしております。ことしの2月に、厚労省とよく協議をしまして、担当局長名で、例えば、厚労省の放課後児童クラブについては、学校の空き教室があれば積極的に使っていこうということを自治体に通知したりと、今、一歩ずつ前進しておりますが、新しい事業に組みかえていくときには、そういった厚労省との連携というのも、当然視野に入ってくると思います。
 それから、実はちょうどきょうの午前中の文教委員会で、認定こども園法案、幼保連携の法案が議論される中で、小坂文部科学大臣が、やはりこういう子ども教室については、今後も充実していきたいという答弁をしておりますが、その中で、これは大臣の個人的なお気持ちだとは思いますけれども、昨今、家計の経済格差みたいなことがあって、例えば、塾に行きたいけれども行けないような子どももいるのではないかと。こういう居場所づくり事業を発展させるときには、例えば、そういうところで勉強したい子どもには勉強をしっかり教えてあげる。特に、これから教員の方々も、高齢化によって大量退職時代を迎えますので、そういう方々も活用することが考えられないか。大臣の答弁でこのようなこともありまして、例えば、今言ったような視点も、これから19年度事業を考えるに際しては、1つ考慮しなければならないかと思っております。
 ただ、それ以外にも、多分いろいろな視点があると思いますし、我々が思いつかない点、あるいは現場で吸い上げていただいているいろいろな声を、むしろこういう会で、きょうどんどんお出しいただければ、我々も参考にしながら、来年度に向けて検討したいと思いまして、決して18年度で終わりというようなことは考えておりませんので、よろしくお願いいたします。

○ 藤原委員
 主に地域の教育力の向上についての各論を申し上げたいのですが、その前に、家庭の教育力の向上についてのところで、大分学校という言葉が出てきたので、各論で3つほど誤解されている部分もあるようなので、申し上げておきたいと思います。
 まず、朝食についてです。確かにアメリカでは、州によって朝食を出しているところもございます。和田中も、調査をしまして検討したことがございます。結果的にはやりませんでした。理由は、食べてこない子、例えば2割、2割5分いるのですが、その半分以上が、夜遅くまでいろいろなことをやっていて、寝坊したいから食べてこないという子が多いのです。だから、例えば学校で朝食を出してしまうと、遠慮なく夜更かしするということにもなってしまい、何をやっているのだかわからなくなってしまうわけです。それから、予算のこともあります。今、給食は289円でつくっていますが、これは原材料費だけです。人件費を加えたら、おそらく1,000円超えていきます。これをどうするのかと。おにぎり1個ではだめでしょう。あたたかくするためには、給食室を使わなければならない。給食室を使うということは、ものすごくコストがかかってくるのです。それは自校方式であっても同じです。そこは誤解してもらいたくないところです。そういうコストを、一体だれが負担するのか。
 それから、もし安易にそういうことを始めますと、今度はざっくばらんに言いまして、さぼる親が出てくるはずです。例えば、100円の自己負担だったら、朝、そっちの方が自分が楽できるというようなことで、実際にはもちろん、片親の方がたくさんいらっしゃるわけですが、その中でも、朝食だけは頑張ってつくってというような方もたくさんいらっしゃるので、そこのところを、あまり合理性をもって判断するとまずいのではないですかと申し上げておきたいです。
 それから、学校の三者面談等もやっておって、教師に期待が大きいとのことについて。保護者に対する、ある種の教育をせよというようなお話もあったように思いますけれども、学校は基本的には授業をする場です。ただでさえ学力が問われているわけですから、授業にもっともっと教師を追い込んだほうがいいわけで、また、生徒の生活指導はもちろん非常に大事なところです。部活や学級運営を中心とした生徒の生活指導で、公共性というのを教育していく非常に大きな使命があると思うのですが、それに加えて、家庭の教育力のカバー、保護者の教育まで教師にせよというのは、これは子どもの社会化、いわば大人への進化を、またまた教師だけに押し付けて文句を言う親を増産することにもなりかねないので、私は、これ以上教師にあれもこれもと言わないでほしいと、はっきりと申し上げておきたいと思います。
 それから、生活科のことですが、少なくとも私の子どもは生活科で、先ほど発言がありました、生まれてからの歴史、へその緒を持ってこいといったことは小学校ではやっております。
 それから、見城委員がおっしゃいました、やはり学校が子どもたちの居場所としてもっと拡充しないと、地域社会がこれだけ崩壊して、とてもまずいのではないかというお話は、私も同感です。非常に残念なことですが、私が学校の外の世界から入って、考え方が180度変わったのはこのポイントで、もっと学校というのは、機能を特化すべきだと思います。地域社会は地域社会の役割、それから家庭は家庭の役割で、きちっと役割を明示すべきだと思って学校の中に入ったらとんでもない話で、それはできないと。なぜなら、保護者会に出てこない親もたくさんおりますし、そういう中で、学校が相当引き受けなきゃならない。あるいは、学校から離してしまうと悪くなる、ゲームセンターに行ってしまうとかそういうことも含めて、そういう意味では、教師にこれ以上そんなに期待をせずに、教師に負担をかけずに学校を居場所化するためには、教師でないパワーを、どうしても学校に導入する必要があるのです。そこをはっきりとわかっておいていただかないと困るということでございます。
 その具体例として、私が例をお話ししましたのは、和田中の地域本部方式です。これは多少予算がかかります。年間、ボランティア100人のネットワークを維持して、例えば土曜日学校の開校や、あるいは放課後の図書館を居場所として使うというようなことを全部合わせますと、300万から500万かかります。ですが、前にもお話ししましたように、その額は、教師1人の人件費の半分とか3分の1だというようなことも申し上げたいと思います。この経済は非常に大事で、お金の問題を抜きに、こういうことができると思われるのも困るのです。
 あと、和田中は、そのように私自身が、もとのPTA会長と組んでの地域本部というのを設立しましたけれども、そうではない方式で、もともとそういうネットワークが上手だったお母さんがスクールアドバイスネットワークというNPOをつくって、学校の中にNPOの拠点をつくってしまい、そこが職業体験をすべてアレンジしたり、土曜日学校の運営をしたりという、こういうNPOをうまく生かす手もあります。ですから、和田中のように、学校の中に校長がリーダーシップをとってつくるか、NPOでそういうネットワークがあるところを外に置いて、パートナーとして組むか、3番目に、NPOの中に引き込むというような具体的な手法があるかと思われます。
 今、教育基本法の議論も盛んなようですけれども、私は、愛国心という言葉を入れる、入れないというこの議論には、少し疑問を持っておりまして、それより何より、やはり地元の公立の小学校、中学校に、何らかの愛情があるかどうか。あるいは、卒業したときに、何らかの懐かしさ、ノスタルジーを持っているかどうかが、愛国心の一番大事なよりしろではないかと思っているので、そういう学校の居場所化を進めるということが一番大事なところだろうと思います。そのためには、校長のあり方が変わってくるのです。それは、教育課程のプロセス管理者としての今までの役割から、どうしても地域の再生、創造を担うコーディネーターとともにネットワークを推進する、ネットワークの管理者のような役割に変わってくると思うので、学校を利用する場合にはそこをはっきりと出していくことが非常に大事かと思います。

○ 土江委員
 2点だけお願いしたいと思いますが、いわゆる家庭の教育力と地域の教育力をどうリンクさせるかということで、具体的な事業が当然必要ですし、それが示されているのが、「地域子ども教室推進事業」と「子ども生活リズム向上のプロジェクト」だと認識しています。1つは、この事業を展開していくために、国民的な活動にしていくことについて、特に事務局にお願いしたいのは、学力低下という問題が起きたときに、かなり全国から注目も浴び、アピール度があったと思います。スクールミーティングもすぐなされた。こうした関心を高めていく、国民的な運動にするために、ではどうしたらいいのか。そうした仕掛けづくりを、国、県、地方自治体等々と、考えていく必要があるのかと思います。
 それから、特に地域子ども教室推進事業ですが、ぜひとも19年度以降も継続させていただきたいと思います。この成果をきちんと、国、県、そして実施団体と、地域住民等を巻き込んだ議論の場が必要ではないのか。これを続けていくためには、実績が必要だということを前に申し上げたのですが、実績をきちんと評価するという場の設定が非常に大事ではないかと思います。私どもも今、42カ所ですべての小中学校、あるいは施設で取り組んできたのですが、非常に学校が地域に目を向けたという成果と、地域が子どもに目を向けたという大きな成果があらわれています。これは全国どこでも言えるのではないかと思います。そこで今回、私どもが考えたのが、ただ公民館としての単なる事業ではなくて、学校が中心とした地域づくりができないのか、学校長を中心として1つのビジョンを出して、そこで地域全体で考えていこうという方策をとったわけです。
 こうした形で、例えばある校長ですと、10回も公民館へ出かけていって、初めて公民館のよさもわかったし、公民館とのパイプもできたとい実態もございまして、やはり学校とそれぞれの教育施設等の結びつきとは非常に大事なのかと、この事業を通して感じたということと、さらにこうした連携を深めていくために、4月から実際に学校へ教育委員会の職員を配置して、コーディネーター的な役割を果たそうということで実施したわけですが、やはり学校から、地域への連携のための共有、そうした地域連携を図っていくコーディネーター的な共有の位置づけというものが、ぜひとも必要と思っております。

○ 大日向委員長
 今、皆さんが共通しておっしゃったのが、学校を中心とした地域づくりであったと思います。特に藤原委員は、先生たちには授業をとにかくおもしろくしてもらえば、それが最大のことで、それ以外の子どもたちのことは、地域の人たちが守っていくのだと言われましたが、これを文科省がもし書いていただいたら、とてもラディカルなことだと思います。先生たちが授業もしろ、生徒の放課後の指導もしろ、しつけもしろというのであったら、本当に負荷を大きくかけ過ぎて、結果的には門戸を高く閉ざして、地域の人を入れないということにもなっていくと思います。そういう意味では、和田中方式というのは大変おもしろいと思いますし、同じようなことで、皆さんよくご存じの習志野の岸さんたちの取組がまさにそのとおりで、先生たちは授業をとにかくおもしろくしてくれ、それ以外のことは、PTA、親たちがやるといって、地域の人々が学校にどんどん入っていく形で地域づくりをなさったということですので、これもとても新しい視点かなと思いながら、お二人のお話を伺っておりました。

○ 山極委員
 企業が地域の教育力向上の役割を担った取組の事例を1つご紹介したいと思います。社内に女性ランナーが所属しているランニングクラブがあり、去年の12月に開催された岐阜県駅伝マラソンの折り、選手たちが地域の小学校に行きジョギング交流会を開催しました。参加した800人の小学生を中心に教員や地域の方々も参加し、走ることの楽しさを学び、“私も大きくなったら、この選手のようになりたい”と、目標を見つけて目を輝かせたのです。一方、選手たちもこんなに喜んでくれるのかということでモチベーションが上がり、マラソン記録も向上しました。双方共育ちし、また来年もやろうということになりました。この事例のように、企業もいろいろな形で地域の教育力に参加できるのだということを学び、今後も機会があればいろいろなことをやってみたいと思っております。

○ 藤野委員
 地域の教育の向上についてです。子どもたちの安全を守る活動は、かなり全国的にも進められているのではないかと思っております。やはり地域にとってはやりやすい活動、やりやすい活動というのは少し言葉がおかしいかもわかりませんが、非常に取組やすい活動ではないかと思っております。うちの地域にしても、自治会あるいは安全推進委員など様々なところで、地域の子どもは地域で守ろうということで取り組みをされて、今、それがネットワーク化されてきて、今までばらばらだった活動がまとまってきているという状況ですが、非常に地域の方々にとっては取組やすい活動だからこそ、広がっていったのではないかと思います。ただ、そのほかの地域に対して教育力の向上をお願いする、求めるということに対して、学校側が情報を提供しない、発信しないというところに、いささか障害があるのではないかと思っています。どうしても閉鎖的になりがちなところがありまして、保護者でも、学校はこういうことで今悩んでいるということすらわからないという部分もあります。ですから、できたらもっと情報発信の中で、地域の教育委員会もそのように指導もしてほしいのですが、学校側から地域にこれをお願いするというのではなくて、地域がそういった事柄について、自分もこういうような形で取り組んでやろうという、地域の思いを起こさせるというのが非常に大事ではないかと思います。藤原委員のところは、多分そのような形で動いておられるから活性化しているのではないか。それが、非常に教育力の向上につながっていくのではいかと思います。

○ 明石委員
 2点あります。1点目は、和田中と同じように、千葉の木更津市で8年前から学校支援ボランティアをやっています。8年前に登録した方が200名で、今はその10倍、2,000名になっています。いろいろなメリットがありますが、子どもたちが、地域のおじさん、おばさんの顔を知ってくる、これが一番大きなメリットです。先ほど前半に、地域の安全、安心もありましたが、顔をお互い知ってくると、この人は危ないとか、すぐわかる。そういう意味で、学校はいろいろな意味でもっともっとオープンになって、地域の方が参加することが、大事で、そういう学校支援ボランティアを、もう少し見直していってもいいのではないかというのが1点です。
 2点目は、土江委員がおっしゃるように、地域子ども教育推進事業はぜひいろいろな形で継続してほしい。そして、違う視点でやってほしいなと思うことがあります。実は、千葉大学の学生たちが、年間80回の居場所づくりを、月、水、金で、土曜日も含めてやってきました。一番成功したのが学生たち自身です。80回の遊びメニューをつくらないといけない。小学校3年生の1学期まではうまくいきます。一番難しいのは、4年、5年、6年生が集まってこないという悩みがあることです。そうすると、一番大事なのは、3、4年生をいかに体験させるかということで、おじいちゃん、おばあちゃんもいいのだけれども、やはり学生などの若い人がかかわっていって、子どもたちと正面からぶつかっていく。これから教員養成大学というのは、そういう義務もあると思いますし、ひいては他の大学生もこういう形で参加していって、スタッフとかコーディネーターを育成していくというのを、文部科学省で公的資金があれば、全国的に青少年指導者を育成するという形の講座を設けていいかなと思っております。

○ 杉山委員
 地域子ども教室の報告書を見ていたのですが、例えば、今までここに来ていた子どもたちの居場所がなくなってしまうと、子どもたちは結局どこへ行くことになってしまうのかとか、そういったリアルな現状、そういったものも必要かと思います。
とてもいい活動をしているのですが、それがなかなか外側に見えてこないから応援者が少ないというか、やっている本人はいいと思っていけれども、いいよねという人が地域にどれぐらいいるかということが、こういった事業を継続していく大事なサポーターになるかと思います。そこはPRが必要であったり、いろいろすると思うのですが、やはりどれだけの人が応援しているかというところを、もう少しアピールしていくことも必要かなと思いました。

○ 笹井委員
 資料3-1の「地域の教育力の向上について」の検討項目の中に、「地域社会の再構築」というのが1にありますが、前回私も、今の現状に合った形で、地域の教育力の向上を目指した形で地域社会のつくり直しをしたほうがいいのではないかという話を申し上げました。そのときに、地域とは一体何だろうかという本質的な部分を考えて、何人かの委員にもそういうことをご質問したことがあったのですが、よく行政区画とか、学校区という形で地域を考えると思います。しかし、本質的には少し違い、地域における人と人とのつながり、関係性、英語でいうとコミュニティが地域ではないかと思います。コミュニティというのは、行政区画だけではなく、いろいろな場面で、例えば職場でもコミュニティという言い方をするわけで、人間関係が地域の本質的な部分ではないかと思います。
地域をつくるというのは、要するに、人間関係をつくることではないかと思います。そうすると、地域の教育力の向上、あるいは家庭の教育力の向上を目指した形の人間関係をどうつくるかという話になります。それは、助け合いや、信頼し合えるような関係をどうつくるかということに置きかえられるのではないかと思います。もともと地縁、血縁という、古典的な意味での地域社会の構成要素というものがあり、それで地縁というのは、隣近所にずっと長い間住んでいるから、必然的に助け合いの関係ができることだと思います。そういう一種の助け合いや協力し合える関係をつくるための必要条件として、地縁、血縁というのは昔からあったし、今でも存在している。しかしそのほかに、どういう措置をすれば、そういった助け合いや協力し合える関係ができるのかを考えると、これはボランティア活動、あるいはミッションというか、社会的使命感を持ってもらった実践的な活動ということではないかと思います。それを、地域にどのように広めていくか、どのように実現していくかというと、それはやはり社会教育の役割がとても大事ではないかと思います。
 つまり、これまで知識や技術を教えるという形の講座、セミナーが社会教育では大変多かったのですが、むしろ地域の中で、人間同士が信頼し合える、あるいは協力し合えるような関係が持てるような社会教育事業をどのように行っていくのか。あるいは、交流し合えるような社会教育事業をどう展開していくのかというベーシックな部分が、先ほどの議論にもありましたように、学校支援ボランティアや、家庭教育のサポーターなど、そういう人たちを育成する上でも、とても大事ではないかなと思います。ですから、社会教育の切り口を、関係づくりみたいなところに変えて、既存の社会教育の蓄積を生かす形で事業が展開されれば、とてもいいのではないかなと思います。

○ 見城委員
 学校を拠点にというお話を先ほどさせていただいて、和田中の例を具体的にフォローしていただいたので、より明確になったかと思うのですが、私は小学校の重要性というのは、評議員をさせていただいていて感じます。区立の小学校の卒業式や入学式に参加してみまして、やはりクローズなのです。いくらオープンにしたとはいえ、たまたま評議員を頼まれたので行きますが、これがなかったらやはり行きませんね。こういうことや安全のために、ますます入れない。いろいろな身分証明書を出したりして、入学式や卒業式で入っていきます。そういうような現状があって、でも、小学校をどうしても拠点化してほしいと思うのは、一番小学校の数が多いと思うからです。
中学校はさらにまとめられていきますので、まず地域ということでは小学校なのですが、できたら保育園と幼稚園との関連をどこかでネットワークできないかと思います。例えば運動会も、保育園、幼稚園、小学校を一体化して、例えば厚生労働省の管轄だとか、そういう部分を何とかネットワーク化する。保育園のお母さんたちが働いているのですが、幼稚園のお母さんとの接点がない。小学校に行ったときに、接点がないままでスタートして、働くお母さんと比較的に家にいらっしゃるお母さんとは接点がないままいくということもあります。そこで、小学校を拠点にした場合の、保育園、幼稚園、小学校の居場所というものがつくれないかと思います。
 それから、放課後先生というのがいたらいいなと思っているのですが、先ほど藤原委員がおっしゃったように、教員は学力、学業で、授業が大切というのはまさにそのとおりで、放課後先生というものを保育園も幼稚園も混ぜた形で、小学校も何かネットワークができないか。それを具体的にやっていくべきだと思っています。

○ 加藤委員
 学校を軸にしながら地域を再構築することについて、あまりお金をかけなくてやれるのではないかということで、ぜひ運動会を見直して、運動会改革をやるということをお考えになってはどうかと思うのですが、学校運営のマネジメントにすばらしい力を発揮しておられる藤原校長先生のような方が2万人もいれば、こういう問題はたちどころに解決すると思うのですが、そうはいかない。文科省として、どうやって親と子ども、地域を結びつけるかというときに、運動会にもっと親を引っ張り込む、地域を引っ張り込むことをやってみてはいかがかと思います。子どもたちの運動会の応援に来ても、ビデオばかり回していて子どもを見ていないという感動のない運動会となっているという報道がありましたけれども、そんなビデオなんか撮っている暇がないぐらい、親が運営をすればいいと思います。
私が子どものころは、ほとんど地域でやっていました。だから、子どもが最初に走って、最後は大人が走るようなリレーがあったり、地域対抗戦になっていますので、小学校区のさらに通学区に対する愛着心というか、そこでみんなバトン練習などしますから、親同士がすごく仲よくなって、今でも私は田舎に帰ると、そのときに一緒にバトンをつないだ人とは非常に仲がいい。そういうきっかけにするために、運動会などをもう一度考え直して、そこでいろいろなことを、地域を巻き込んでやってもらうというような工夫をされたらどうかと思っていますので、よろしくお願いします。

○ 坂元委員
 資料3-2の3に、「活動に参加する人材の養成・確保」とありまして、その中の(4)にコーディネーターという言葉がありますが、コーディネーターの重要性は、本委員会でも盛んに指摘されてきました。要するに、地域のことをよく知って、地域に入り込んで、地域の人間関係をうまく取り持って、活動的に取組をしていくという人というのがイメージされているのかと思いますが、そういったコーディネーターについて、普遍的な資格や役職があってもいいのではないかと思います。また具体的に名前も、これまでこの委員会でも出てきたところです。中には、その役職というのが職業として考えられるとよいのではないかという指摘もありましたが、職業ということですとお金がかかりますのでなかなか大変ですが、職業とまでいかないとしても、こうした資格や役職があることは、意義があるのではないかと思います。
そうした資格や役職があれば、人材の確保に役立ちます。どういう仕事かがイメージもしやすくなり、してみようという人が増える可能性があると思います。そのためには、例えばそうした役職や資格があるということが十分周知されることが重要で、それには、そういうものが全国レベルのものであるということが効果的であると思います。
 また、そういう資格や役職は、ほかにも意義があると思います。例えば、リソースについてですが、コーディネーションに必要であったり、生涯学習で必要なリソースが、そういう資格や役職にある人がいることで、あの人に渡しておけばよいということが地域の人たちにわかり、そこにリソースを集めることができるのではないかと思います。
さらには、そういった資格や役職を持つ人で組織をつくっていくこともできます。全国レベルなら全国レベルの組織になりますが、ノウハウや取組の技術についての情報交換をすることによって、それらを伸ばしていくことができると思います。今後、取組の技術を伸ばしていくことは非常に重要ではないかと思うのですが、そうであるとすれば、情報交換が大事になってくると思います。
 今、各地域でいろいろな役職や資格がありますが、それらはばらばらにつくられているところです。もちろん地域ごとのきめ細かい取組は必要ですが、一方で、情報交換や意見交換を行うことにも意味があって、それに資するような、共通した名前と、ある程度共通した基盤を持った資格や役職があってもよいのかと思う次第です。

○ 大日向委員長
 この委員会は、家庭・地域の教育力の向上ということで、総論、そして本日は、各論のご議論をいただいたわけですが、皆様のお話を伺って共通しているのは、やはり人づくりです。そして、人と人との関係づくりだということに尽きるのでないかと思います。そのためには、地域のあり方、ひいては学校のあり方、教師のあり方、学校教育のあり方も、かなり根本から変わっていかなくてはならないというようなご意見をいただきまして、それをうまくまとめていただくと、かなり画期的な答申案になるかと期待をしております。
1点だけ、中学生に朝ごはんを出すと夜更かしが増え、親も怠けるというのは、中学生のレベルではそのとおりだと思いますが、保育園の子どもとか、小学生の子どもたち、自分たちではまだおにぎりもつくれないような子どもたちをどう支えていくかということは、冒頭、が言われたことと少し関連してくるかと思います。それから、親を甘やかすのもいけないというのはその通りだと思うのですが、一方で、親も育っていくことも信じながら、各論を展開し、地域づくりということをいろいろ提言していきたいと思います。

(3)事務局より、今後の日程について説明が行われ、閉会となった。

-了-

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