教育制度分科会(第34回) 議事録

1.日時

平成25年10月10日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 今後の地方教育行政の在り方について
  2. その他

4.議事録

【小川分科会長】  定刻になりましたので、ただいまから第34回中教審教育制度分科会を開催させていただきたいと思います。本日も、お忙しいところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の会議には、西川副大臣、上野大臣政務官にも御出席いただいております。御就任後初めての本分科会への御出席ですので、一言御挨拶を頂戴できればと思っております。
 最初に西川副大臣から御挨拶を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【西川副大臣】  皆様こんにちは。今日は、またお忙しい中を、この会議のために時間を割いていただきましてありがとうございます。
 この9月30日に新たに文部科学副大臣を拝命いたしました西川京子と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 4月以来、この中教審で、教育委員会も含めてのいろいろな制度改革の御議論をずっと頂いたわけでございますけど、もうそろそろ中間報告を出すというお話の中で、今までの経緯を余り存じ上げないまま、今日ここにやってまいりまして、御挨拶をさせていただくのは大変恐縮でございますが、私も国会議員になって、全ての基本というのは日本人の力、人間力だ、その基本は、やはり教育だろうと、ずっと思い続けてまいりました。今まで他省庁の仕事もいろいろ携わってまいりましたが、やっと、この文科省にたどり着いたと、そういう思いで、今回の副大臣拝命は本当に、私個人的にもうれしいことでございます。まして今は下村大臣が相当なお覚悟を持って、この戦後教育の再生を目指して、大きな転換期というか、最大の改革の年だ、そういう思いでやっていらっしゃいますので、私も我が意を得たりという思いで頑張らせていただきたいと思っております。
 いじめの問題その他、この教育委員会制度、これが大きく関わっていると思います。失礼な言い方かもしれませんが、現場の方々の当事者意識がやや希薄なのではないか。そういう中での、この教育委員会という制度そのものの改革。戦後60年ずっとあったものを変えていくわけですから、本当にいろいろな問題、いろいろなハレーションがあると思いますが、皆様のお知恵を拝借した御議論の結果、いいものが多分出てきていると思いますので、更に最終的な答申に向けて、皆様の御活躍を心からお願い申し上げまして、私も熱い思いで御一緒に勉強させていただきたいという思いで参加させていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、続けて上野政務官にお願いいたします。

【上野政務官】  皆様こんにちは。ただいま御紹介いただきました、西川副大臣とともに9月30日に文部科学大臣政務官を拝命しました上野通子でございます。
 私、実は栃木県宇都宮市出身で、宇都宮の方では高校の教員を長くしておりました。教育委員会制度の問題点も幾つかあるなというのも、その頃から実感しておりましたが、大変難しいこの教育委員会制度に、皆様方、5月から12回にわたり、お忙しい中を熱心に御議論いただきましたことを本当に厚くお礼申し上げます。ありがとうございます。
 是非とも、今回A案、B案ありますが、なかなか、その2案がどうなっていくかと。今後、答申に向けて、皆様方の更なる御意見を頂戴するところとなると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 今後とも西川副大臣共々、皆様方と一緒に頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事を進めさせていただきます。
 最初に、資料の確認を事務局からお願いいたします。

【堀野企画官】  本日の配付資料につきまして確認させていただきます。議事次第にございますように、配付資料1として審議経過報告案の修正見え消し版、資料2といたしまして審議経過報告案の修正反映版、資料3といたしまして関係団体からのヒアリングについて(案)、そして、資料番号はございませんが、最後に制度改革後のイメージ図の差替案という4点を用意しております。
 本日の資料は以上でございます。

【小川分科会長】  資料の件、よろしいでしょうか。
 それでは、これから議事に入っていきたいと思います。
 前回の会議では、これまでの分科会の審議の内容をまとめまして、審議経過報告の素案を用意し、委員の皆様から御意見を頂きました。
 本日資料としてお配りしている審議経過報告案は、前回の会議を受けて修正したものです。今日は、この審議経過報告案を基に、更に議論を深めて、本分科会の審議経過報告として取りまとめをしていただければと思います。よろしくお願いします。
 今日の会議の進め方ですけれども、最初に事務局から、主に前回の会議からの修正点を中心に報告案の内容について御説明を頂ければと思います。その上で、審議経過報告案について、各委員から自由に御発言いただければと思います。
 なお、本日、報道関係者より、会議の全体についてカメラ撮影を行いたいという申出がありましたので、分科会長としては許可しておりますので、その点、御了承いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、審議経過報告案について、事務局からの説明をお願いいたします。

【堀野企画官】  資料1を御覧ください。前回の審議経過報告案につきまして、若干、事務局の方で法制的な立場から修正をいたしました点、それから前回の会議において御意見があった点について修正をさせたものでございます。
 1ページ目を御覧ください。「はじめに」の冒頭の部分ですけれども、多様な人材の「人材」という言葉について御意見ございまして、「多様な立場の人たち」と修正をしております。
 それから、1ページ目の一番下の部分ですけれども、「今後、具体的な制度設計に向けた法制的な検討を行い、文言等を整理するとともに、関係団体のヒアリングを通じて幅広く意見聴取を行いながら、答申に向けて更に審議を深めていく」という部分を補足しております。
 次に、5ページを御覧ください。(3)首長の責任の明確化の部分です。この消した部分ですけれども、「首長から独立した執行機関として教育委員会が置かれている現行制度の下で、首長がどの程度の関与をすべきかが明確になっていないため」という理由の部分が、ちょっと明確でないのではないかと考えまして、この点は修正をしております。
 次に、6ページでございます。幾つか細かい修正をしておりますが、現段階ではっきりと決め付けるよりは、若干ゆとりを残しておいた方がいいのではないかという観点から、幾つかの部分について修正をしているところでございます。
 次に、9ページを御覧いただきたいと思います。9ページの上の部分ですけれども、前回、政治的中立性、継続性・安定性の確保については、教育振興基本計画の閣議決定において明記されているという御意見がございましたので、これを追記してございます。
 それから、10ページ目でございます。新たな教育長の罷免要件につきまして、ちょっと詳しく書いておりましたけれども、今後また十分に議論して書く必要があるだろうということで、少し表現を緩やかに書き換えております。
 それから、10ページ目からになります。10ページ、11ページの枠囲みの中で修正をしておりますのが、この「指揮監督」という文言について、「指示」というふうに書き換えております。
 これにつきましては、新しい教育長に対して、首長あるいは教育委員会が指示をする場合が限定されると。日常的に指示をするわけではないという話ですけれども、指揮監督という言葉については、その職務上の指揮監督ということに加えて、身分上の指揮監督、服務監督的なものも含まれますので、こういった服務監督的な意味での指揮監督権というのは常にあるだろうと考えられますので、職務上の指揮監督権が一部制限されることを明確にするために、指示という言葉に書き換えたところでございます。
 それから、11ページ目のA案の部分です。前回の会議におきまして、「改革の必要性についての国民の期待に応えるという観点から、最も抜本的な改革案として」のA案という流れにつきまして、A案の内容が最も国民の期待に応えると読めてしまうと、ちょっと違うのではないかという御意見がございましたので、「教育委員会の現状に対する国民の課題意識を踏まえると、最も抜本的な改革案として、次のA案が考えられる」ということで、現状との違いが大きい案であるというニュアンスに書き換えたところでございます。
 それから、右のページの部分に「首長又は」という記述が多々付け加わっておりますけれども、11ページの図の部分で、新しい教育委員会がA案で附属機関になった場合に、諮問、答申の相手方というのは、教育長だけではなくて、首長が諮問するとか、首長に対して建議をするとかいうことも必要ではないかという御意見が前回ございました。こうした観点を踏まえて、全て首長又は教育長から諮問を行う、首長又は教育長に対し建議、勧告等を行うというふうに付け加えてございます。
 次に、14ページの上段です。B案につきまして、新しい教育委員会が性格を改めた執行機関という案につきまして、「公安委員会等の前例があるが」という部分ですけれども、公安委員会につきましては、限定された執行機関であるところは、このB案と似ているわけですけれども、国の警察、国家公安委員会との関係などもあって、必ずしもパラレルに考えられるわけではないということはございますので、「地方制度上特殊な制度であることから」という言葉を追記しております。
 それから、その下の部分です。前回、B案においても首長から教育行政に関わるという様々なことが付け加わっているのではないかという御意見がございましたので、調査、勧告といった一定の関与ができるようにする「など、首長が教育行政を積極的に支援する方策を検討する必要がある」という文言を加えてあります。
 次に、16ページでございます。教育行政関係者の資質能力の向上等の部分につきまして、小規模市町村につきましては、指導主事の配置等の支援に加えまして広域化ということも御意見がございましたので、「広域化に取り組むことも期待される」と。「更に」の指導教諭の配置・活用の部分については、本文にもともとあったものを枠囲みの中にも入れたということでございます。
 次に、18ページでございます。2の(1)公教育における国の最終的な責任の果たし方についてでございますけれども、2つ目の段落として、地教行法にある是正の要求あるいは指示という条文以外に、そもそも地方自治法の中で各大臣が使える是正の要求があるということについて、これまで多々御意見を頂いておりましたので、平成12年に施行された分権一括法で、そういった条文ができているということを規定しております。
 先の会議で森委員から、この地方自治法に基づく是正の要求については文部科学大臣からもできるのかという質問がございましたけれども、文部科学大臣が自治法の是正の要求を使うこともできます。
 そういった意味で、現在報道されているように、その自治法を使った是正の要求について現在検討が行われて、準備がなされているという状況でございます。
 それから、その下の部分は、地教行法の条文について若干詳しく丁寧に書いたというものでございます。
 19ページでございます。幾つか書き換えておりますけれども、これまでこの会議で出された意見により忠実に書き直しております。
 特に3つ目のパラグラフですけれども、違法確認訴訟は時間がかかるという指摘がありましたが、この点については法治国家である以上やむを得ないという意見がある一方で、そのような司法手続にのっとり対応することは、緊急性を要する事案については必ずしも有効な手段とは言えないという意見があったということで、前回の意見を反映しているところでございます。
 また、次の冒頭2行につきましては、「是正の要求を発動できなければ」というところについては、現在、発動の準備が進められているという状況、これまでのこの会議での御意見等も踏まえまして整理をしております。
 それから、21ページ目でございます。県費負担教職員の指定都市に対する給与負担の移譲につきまして、この赤字の部分ですけれども、指定都市に給与負担が移譲された場合の給与・旅費支給事務を実施するための事務体制の整備に加えまして、これに係る財政上の課題があるということについても、前回の意見を踏まえて追記をしております。
 24ページを御覧いただきたいと思います。24ページ、前回の会議におきまして、校長のリーダーシップの下というだけではなくて、教職員がチームとしての力を発揮するところも大切であるという御意見ございましたので、これを追記しております。
 次に、25ページでございます。コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の運用上の課題として、やはり、かなり労力がかかる。そのために教職員の数、体制の充実についても大切であるという御意見があったことを踏まえまして、このような追記をしてございます。
 私からの説明は以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 これから議論に入っていくわけですけれども、私から議論に入る前に1つ、御提案をさせていただきたいと思います。それは、これまで審議経過報告案の中で扱ってきたA案、B案の図を、もう少し分かりやすく書き換えるというか、そういう図の差替案について御提案をさせていただきたいと思います。
 これまでのこの分科会で取り扱ってきた図については、これは皆さん御承知のとおり、教育再生実行会議の第二次提言の趣旨を踏まえて新たな制度設計をするということでしたので、議論する際、その教育再生実行会議の第二次提言で使われている図をベースにして幾つかの制度設計案の図を作ってきたわけですけれども、この間、委員の方から、なかなか分かりづらいという御意見もありましたので、事務局とも相談して、今日配付させていただいた制度改革後のイメージ図の差替案と、こういう1枚のもののようにA案、B案を作り替えてはどうかということの御提案です。
 趣旨は、A案を見ていただければお分かりのように、A案は、首長を執行機関として、そして教育長がその下で首長の補助機関として実務執行をするということですので、その性格をより明らかにするために、執行機関である首長の下に新たな教育長の位置を、首長の直接下に置くという形に書き換えております。
 それに対してB案は、執行機関である新たな教育委員会の下に、その補助機関である教育長が実務執行をするという性格のものですので、執行機関の新たな教育委員会の下に、新教育長の位置をずらすという修正をしております。
 A案、B案とも、執行機関の下に、補助機関である新たな教育長の位置を移動しただけといえば移動しただけですけれども、こちらの方が今までよりもはっきり、その違いがクリアになりますので、こういう図に置き換えてはどうかということです。
 また、この図に関しても、審議の中で御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議論に入っていきたいと思いますけれども、これまでどおり、前半、後半に分けて議論していきたいと思います。前半は報告案の1ページから17ページまでの教育委員会の改革に関する事項について議論をし、それが終わりましたら18ページ以降と、そういう2つに分けて議論をさせていただければと思います。
 では、教育委員会制度の改革案について議論をお伺いしたいと思います。皆さん、どなたからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 じゃあ、細谷委員、比留間委員の順でお願いいたします。

【細谷委員】  よろしいでしょうか。すみません。
 恐らくこれから、この今のA案、B案についての活発な議論が交わされると思います。その前に少し、本当に細かいことで大変申し訳ございません。
 ページでいうと16ページなのですが、(6)の教育行政関係者の資質能力の向上についてで、ここのマル1のところです。教育長の資質・能力の維持・向上、これはこれで結構かと思います。そしてマル2もこれで結構なのですが、以前、お隣の村上委員からも提案がありました、この教育長を補佐する、いわゆる行政職の権限について、課をまたがる、そういったコーディネーター的な行政職も必要じゃないかという御意見が出されたと思うのですが。今回この文面には載っていないのですが、私としては、今、学校長ですけれども、教育行政にも指導主事として15年以上いたものですから。指導主事というのは教育長のスタッフとして局の中、課の中を取り締まって、いろいろとコーディネートします。けれども、やはり、行政の中で、そういった権限といいましょうか、役割を持つ人間がいることで、指導主事も非常に生きていくと。それが次のマル2の文章につながっていくのかなと思いますものですから、できたら、この、いわゆる、言葉はちょっとうまく言えないのですけれども、教育長のための補佐役になります、そういうコーディネーター役としての、指導主事のような行政職、幅広い、各課の調整を図る、そういう権限を持てる職の設置があればと、そんなところを入れていただければ大変、教育長さんも助かるんじゃないかということで意見を申し上げておきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 今の点については、京都市なんかがまさに、そういう、いわゆる教育行政職みたいなことを計画的に育成していっているような発言も京都市長の方からもございましたので、その辺も少し考えながら、文の中に入れ込めれば入れ込めるようにしてみたいなと思っています。
 では、比留間委員、どうぞ。

【比留間委員】  前回欠席をいたしましたが、前回の審議の内容を読ませていただき、委員の皆様方の御意見を拝読いたしました。それを踏まえて意見を申し上げたいと思います。
 まずA案についてでございますけれども、A案を推す意見について、特に政治的中立性の確保というところでは、意見が大きく分かれていると感じております。
 1つは、教育行政は首長の権限というふうにしながら、ただ政治的中立性を確保するための仕組みを最大限に設定していくべきだという御意見。もう一方の御意見は、首長の権限とする以上、政治的な中立性については、あまりこだわる必要はないという趣旨の御意見。このように、政治的中立性の確保を巡っては、大きく意見が分かれていると感じました。
 私はA案をとった場合、首長は教育長に日常的に指示を行わない、あるいは教育委員会を附属機関としながらも一定の同意権を与えるなどの方策をとったとしても、政治的な中立性が問われるような、かなり重大な重い局面では、首長に対する抑止力としては多分働かないだろうと感じております。新しい教育長のモデルとして考えられた、公営企業管理者なり、もう今はなくなりましたけれども、出納長なり収入役なりという一定の権限を持った役職がありますけれども、現実には、こうした権限が首長への抑止力という形では機能していない。
 それから、教育委員会を附属機関、端的に言えば審議機関にするわけですけれども、一定の権限を例外として付加したとしても、審議会は審議会としての限界が、やはり、あるだろうと考えております。
 地方自治体における首長の権限というのは、大統領制をとる以上、極めて大きいと考えておりまして、したがいまして、このA案をとる場合、政治的中立性のチェックというのは、一般的な方法、例えば福祉行政ですとか、まちづくり行政で行われているように、議会のチェックですとか住民の判断、これは最終的には選挙ということになるんでしょうけれども、それから、マスコミ等を中心とした世論の評価、こういう形で最終的にはチェックされていく形になるのではないかと思います。
 したがって、A案の本質というのは、政治的な中立性の確保は困難である、そういうことを覚悟した上で選択するという、選択に当たっての心構えが多分必要なんだろうなということを、御意見を拝見しながら感じたところです。
 B案について申し上げますと、私は、基本的には、政治的中立性の確保のためにセーフティネットを設けておくべき、それも機能する形で設けておくべきだという考え方でございますので、B案を支持したいと考えています。
 具体的に、例えば最近ありました静岡県の例をとってみましても、権限を持った教育委員会の委員の合議の意見というのが背景になければ、今の地方自治体の中において、首長に対して異なる意見はなかなか言えないだろうと思います。
 そういう意味で、今、全国で2,000近い自治体があるわけですけれども、これから先も多分いろいろな問題が起きてくるだろうし、様々な問題、しかも政治的中立性が問われるような問題というのは極めて重大な、深刻な局面になることが考えられますので、セーフティネットの存在は不可欠だろうと考えております。
 B案の核心は、多分、このセーフティネットをどう設定するかというところで、逆に言うと、このセーフティネット以外の部分について、例えば責任の所在を明確にするとか、首長が教育行政にきちんと物が言える、首長の意向を反映するといったような点については、かなり大胆に改革していいのではないかなと感じています。
 特に教育行政も地方自治体の行政分野の1つでありますから、当然、首長と一体となって行政は進めていかれなければなりませんから、首長の意向が反映するということとセーフティネットを設定しておくということは、必ずしも矛盾しないだろうと感じております。
 いずれにいたしましても、このA案にしろ、B案にしろ、もう少し深く掘り下げていただきたい、具体的な形を提示していただきたいなと思っています。そこがないと、恐らく一般の方には判断ができないのではないかと思います。
 例えば、B案は今と変わらないのではないかという御意見がありますが、本当に今と変わらないのか。もっと大胆に、現状とこういうふうに変わるという案で深く掘り下げた形で提示していただく必要があるのではないかと考えております。
 中間のまとめとしては、こういう形で出されることについては特段異論はございませんけれども、最終のまとめに向けて、もっとA案、B案ともに掘り下げていっていただきたいと、是非お願いをしておきたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 梶田委員、どうぞ。

【梶田委員】  今、比留間委員が非常に大事な点を御指摘いただきました。まだ、本当にA案もB案も少し掘り下げが、まだ文言の上で足りないなと思っております。
 両方とも、いわば、今までの合議制の執行機関の中で選ばれた教育委員長というものをなくして、これが今は主宰することになっているのですが、それをなくして、いわば事務職員である教育長さんに一本化するということになっています。
 これは私は、結論的には、ある意味で賛成です。というのは、今までいろいろな問題が起こってきたのは、結局は、おたおたして、時間をとって、何だかんだ言っている間に、事態の方が先に、より深刻になってしまったという問題がありますので、やはり私は、ここのところは、本当にすぐ手が打てるようにしなきゃいけない。
 これ、A案もB案も、それも前提にしているのです。そうすると、例えば14ページにありますけれども、私、後で帰って見直しましたら、ポツの3番目の最後に、「現状がどう変わるかがわかりにくく、現状との違いを明確にする必要があるとの意見が多く出された」。ここだけ「多く」となっているのです。これは違うのではないか。
 事務局が送ってこられた、一応、審議経過の原案みたいなものがありました。ずっと私は、とっていました。毎回、確かに、そういう提案が出ているけれど、「多く」ということは過半数みたいなものでしょう。ほかのところも意見は出されたが、ここだけ「多く」と書いてある。
 でも、事実として、もう一度言いますけれども、教育委員長をやめて教育長にするということは大きな制度的な変更です。そして今指摘されている問題のかなりの部分、これで私はやれるかなと思っております。
 そういうことがあるにもかかわらずですよ。それは、もちろん抜本的なという面から見れば、それは意見があっていいと思う。
 本当に多くかどうかというのは一度、議事録をチェックしてみてください。私の見たところでは、毎回みたいには出ているけれども、少なくとも過半数、あるいは半分に迫るような話ではない。みんな、まだ、A案にするか、B案にするかというのは、なかなかというところがあるものだから、今回の中間まとめ同案を併記していると私は見ております。
 ですから、これだとミスリーディング。つまり、B案でいくと今とほとんど同じことをやってしまうと、そういうふうに読めます。そうではないということを、B案も、今のやり方から本当に変わっていくということを書き込まないといけないと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。白石委員、どうぞ。

【白石委員】  そもそも今回、教育委員会制度を見直そうという話がなぜ出たかというと、やはり教育委員会が非常に曖昧な存在であって、なかなか責任をとろうとしないというのが根本にあるわけです。
 確かに私も町長になってやってみると、今、教育委員を私が選んで、議会の同意を得るわけです。その教育委員の間で教育長を選ぶので、その教育長も、この男を教育長にというような形でやっているわけです。そういうふうに選ばれた人間が責任をしっかりとるといっても、確かに若干、曖昧かなという感じがするのです。
 だから、今回の改革で一番大事なのは、誰が責任をとるのか。教育というものに対して、誰が責任をとるかということを明確にすることが一番の目的だと思うのです。
 だから、そういう意味では、最終的には私は、やはり首長だと思うのです。しかし、首長は、教育だけではなくて、いろいろな行政を全部やるのです。ですから、その中で、政治的中立性という点で、教育はできるだけ政治から離れた方がいいわけですから、日常茶飯事に首長が教育に口を出すようなことは避けないといけない。そのために教育委員会がある。つまり、審議会とは違うのです。審議会は、あることが終わったら、もう、それで解散なのです。しかし、教育委員会というのは、ずっとあるわけです。しかも、任期は4年。ですから、その辺の任命責任であるとか、あるいは教育の現実的な責任者ということをはっきりするためなら、私は、首長が教育長を任命し、また教育委員についても首長が任命する。しかし、議会の同意を得る、とした方がいいと思う。今それと同じようなことをやっていますが、はっきりそう言っていないのです。だから、そこは明確にした方がいい。
 しかし、教育現場の責任は教育長が負い、教育長が執行するときに、サジェスチョンといいますか、いろいろな勧告を教育委員会にしてもらう。そのために教育委員会がある。その教育委員も、町長が任命する以上は、やはり教育目標であるとか、その地域の教育のありようというものについては、首長が教育委員会に諮問して、そこで議論してもらって答申を受ける。それに基づいて、教育長を責任者とする教育委員会を中心に教育を実施していくということを明確にしないと、また責任が曖昧になってしまうのです。
 今回のいじめとか体罰の事件を見ると、どんな事件でも、常に教育委員会の責任というのは非常に曖昧なのです。そこのところが今回の教育制度を変える、私は一番根幹にあると思います。
 議論は大いに深めなきゃいけませんけれども、そろそろ改革する以上は、A案でいくならいくと決めて、しかし、その中で何が問題かということを洗い出した方がいいのではないかなという感じがいたします。
 こういう合議体で執行機関というのは、やはりおかしいのです。教育委員さん一人一人ではないのですから。合議体ということは、つまり5人がぴたっと同じ意見にならないと執行できないわけです。しかし、教育委員さんだって、5人いれば、いろいろな意見があるのです。それで、いろいろな議論を戦わせて、こういう形で決めていこうではないかというふうに決まるわけですから。それを受けて教育長が執行すればいいわけです。
 できるだけ現場で行われることを反映した制度改革でないといけない。制度というのは作っても、長年やっていれば、またいろいろな問題が出てくるのです。その都度、思い切って、また意見を交換して変えていけばいいわけです。1つ作ったら、もう未来永劫(えいごう)に、その制度がいいなんてことはありません。時代も変わってくるわけですから。
 今回は、いじめ、体罰という大きな問題があったわけですから、それに基づいて、しっかりと改革することが大事だと私は思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 森委員、どうぞ。

【森委員】  前回の議事録もしっかり読んでまいりましたけれども、私は今の松前町長さんと同じように、現実を見据えるべきだと思います。
 この差替図は非常に不完全なのですね。私が日常、教育行政に携わっていることから言いますと、私は選挙で教育行政について公約しています。しっかりと、ああやる、こうやるといって。それを私、文部科学省から違反だと言われたことはないです。まず公約しています。それから、ほとんどの仕事は予算を伴うものですから、日常的にやるなと言われたって、教育長の方から来ます。こういう予算を付けてやりたい、こうしたいと。
 この図は、指揮監督、一方方向になっていますけれど、こんなことはありません。教育長の方から私の方に、いろいろ聞きに来ます。意見も言いに来ます。それで、こういう仕事をやりたいから予算を確保したいと言ってきます。それは、むしろ対等の関係です。一緒に議論して、いい予算にしましょうということでやっているのが現実です。それ、私、ここにいる教育長さんのところ、みんな、そうだと思います。
 教育長さんは予算権がないわけですから、首長と相談しない限りは仕事ができないという単純なことが出ていないのです。それは私はおかしいと思います。
 だから、少なくとも2方向でコミュニケーションと書いてください。はっきり申し上げて、指揮監督ではないです。
 それから、今回の制度改革の発端になったのは大津市のいじめでしょう。その肝心要の大津市長が、今の教育委員会制度ではできないと。その一番の原因は、訴訟になったときに、その訴訟の代表は自分だ、市長だと。教育長も、教育委員会も、訴訟の代表ではないのです。なぜかというと、それは予算の問題なのです。
 だから、少し現実離れした議論をしても始まりませんから、私は、ちゃんと現実を踏まえて、現実に合わせた議論にしていただきたいと思います。
 ですから、首長が教育長に何か意見を言うなと言われたら、途端に予算は止まります。1点申し上げたいのは。
 私のところは「熱中!感動!夢づくり教育」という教育方針を立てて、それは一緒にやりました。一緒にやったから、いっぱい予算を付けました。
 それから、ちょっと長くなりますが、国の制度と少し比較してみてください。政治的中立性が必要だから、安倍総理大臣、何か制限をかけますか。私は文部科学大臣が教育長に近いと思いますね。内閣総理大臣は国務大臣を任命する。これ、議会同意なしに任命できますし、罷免もできます。文部科学大臣は予算の要求権限はありますけれど、決定権はありません。ですから、財務省に予算要求をして、これは閣議で予算が決まります。それから、法律は内閣で閣議決定で決めます。
 中央教育審議会に至っては、尊重義務も書いていないのです。我々です。尊重義務、書いていないです。だから、文部科学大臣は中教審の答申を無視してもいいのです、制度上は。それでも政治的中立性が国で問題にならないのはどういうことかと申し上げますと、これは情報公開です。これだけのメンバーが集まって議論をして結論を出した中央教育審議会の答申を無視することは、政治生命を失うということですから。そういう仕組みがしっかり作れるはずだと私は思っています。
 今までは、教育委員会でどういう議論をしているかとか、そういうことが全く公開されないで、したところもあるかもしれませんけれど、傾向としてはそうなっていて、静岡の例も同じです。教育委員会が、きちんと反論すればいいのです。これこれこういう目的で学力テストやって、こうなっているから、こうだと。そうしたら、知事さんは答えないといけないのではないですか。議論のやりとりをすることが大事なのであって、そのやりとりを通じてきちんと、しっかりした方向に行くというのは今の国と文部科学大臣の関係だし、世の中はそういうものではないか、それが民主主義ではないかと思います。それを、また教育の専門家だけでやろうとするのは、私は絶対反対であります。
 ですから、少し申し上げますと、政治的中立性が重大だ、重大だと言っているけれど、そういう問題が過去何年間にありましたか。具体的に。ほとんどの自治体は、教育長と市長の関係は非常にうまくいっています。うまくいっているから予算がしっかり出るのです。問題は、教育委員会の性格に問題があるのであって。一緒に議論して、一緒に政策を考えて、選挙のときに公約して、こうやりたいということを民に問うて、それで当選して、さあ、やるよと。そのときに、何だか任命権と罷免権しかないって、やる気をなくします。
 私は、ここにいる教育長さん経験者の教育委員会の経験者も、大変立派な業績は上げられていると思うけれども、それは全て首長さんといい関係を作って、あるいは丁々発止(ちょうちょうはっし)議論をしたその結果出てきているというふうに思います。それをなくすような案は、とんでもないです。
 それを両方向でコミュニケーションをとるという図を描いた途端に、首長と教育長の関係はほとんど一緒になるのです。首長と教育長の関係は変わりません。是非、両方向で書いてください。みんなが分かりますから。
 最後に申し上げますけれども、私は、今回の教育改革の原点になった大津市長さんは一生懸命、調査報告書をまとめて、文部科学大臣まで提出しておりますけれども、大津の市長さんの意見を是非ヒアリングのときに聞くように提案をしたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。帯野委員、村上委員、貝ノ瀨委員の順でお願いいたします。

【帯野委員】  教育の最終責任者を誰にするかという点で、私は首長ということでA案に賛成であるということは前回、文書で申し上げたところです。
 それについて、ちょっと本日、質問と意見なのですが、7ページの中頃、教育委員会が毎年定期的に教育長の事務執行の状況を点検・評価、結果を通知し、必要に応じて業務運営の改善を勧告するとなっておりますが、これは前回は教育長であったのが、これが決まりかねている、消されているということは、誰に対して通知をして、改善を勧告するということなのでしょうか。
 それから、A案のところで、今回は首長又は教育長からの諮問、又は首長又は教育長に建議、勧告となっておりますが、これは非常に分かりにくい。これはケース・バイ・ケースで、どちらかに勧告をするということなのか。あるいは両方にするということなのか。少なくとも諮問はどちらか一方から受けなければならないわけで、私は教育の最高責任者が首長である限り、やはり首長から諮問を受けるべきでありますし、首長に対して勧告をするべきだと考えます。
 それから、もう1つ、組織運営上そういうことが大切だと思うのですが、また別に今後、A案にいたしましても、B案にいたしましても、教育長の権限は大変大きくなりますので、その教育長の執行をチェックするというのが教育委員会の大きな役割になるわけですが、勧告をするということは、執行に問題があるから是正を勧告するわけで、本人に勧告をするというよりは、やはり、その最終的な監督者である首長に勧告をするのが筋ではないかと。
 そして、何よりも一番大切なのは住民のチェックであります。教育委員会が教育長に勧告をしたところで、これは、やはり住民からすると、非常に閉鎖されたというか、クローズされた教育委員会の中での出来事であって、やはり首長に、その勧告を出すことによって、初めて住民の関心が高まる、社会への露出が高まるというふうに考えますので、首長に勧告をすべきである。
 そして、首長が、その勧告に対してどのような対応をしたかということで、その首長自身への住民のチェックも機能すると考えますので、建議、勧告は最終責任者である首長にと明言すべきではないかと考えます。

【小川分科会長】  今の7ページの質問ですけれども、これ、こういう構成になっているのです。6ページから、新しい教育委員会の組織と役割ということで、一般論で、ある意味では書いて、それで、この一般論に基づいて、A案、B案では新しい教育委員会の形がどういうふうに違ってくるかということで、A案、B案で更に深めて書いているということで、今、帯野委員がおっしゃった首長。A案であれば首長が執行機関ですので、首長に建議、勧告を行うとかと、そういう形で、11ページ、12ページの方に記載されているのですけれども、そういうふうに理解してよろしいのです。事務局の方で、いかがですか。

【堀野企画官】  7ページの部分については、その後ろの部分を首長又は教育長と書き換えたことに伴って、教育長だけ書いてあるとおかしいだろうと。要は、首長又は教育長というつもりで削除したものでございます。
 おっしゃるように、首長の附属機関ですから、首長から諮問をする。それから、答申を返す相手も首長であるというのが法的にはオーソドックスなスタイルでありますけれども、その教育長が責任者という教育再生実行会議の命題に対しまして、教育長の位置付けをする際に、首長から教育長がやる事務を法律で、これこれの事務については教育長にお任せをしますという状況がある中で、首長が、では、日常的には手を出しませんよといった事務について、首長から諮問をしたり、首長に対して答申や勧告をするということ自体がどうなのかなと。最終的には法的にはそうなのではないかという御意見もあろうかと思いますし、任せている事務、例えば、仮に教科書採択は、教育長か教育委員会か分かりませんけれども、教育長に任せているときに、教科書をどれにしますかということを首長から教育委員会に諮問をして答申を返してもらうとなりますと、首長が関与しているんじゃないかという目で見られる可能性もあろうかと思いまして、なかなか現段階で首長一本に絞るのは本当にいいのかということは引き続き検討する必要があるかなということで今、両方書いているところでございます。

【小川分科会長】  今後、更にA案、B案の議論を深めていく際に、その辺のところは更に整理していくことになるかと思いますけれども、よろしくお願いします。
 では、村上委員、どうぞ。

【村上委員】  2点申し上げます。
 一つ目は、教育再生実行会議の提言とのA案とB案の関係ということなのですけれども。教育再生実行会議では教育長が教育行政の責任者であるということがもちろん書かれてあるわけですけれども、私が思うに、A案で果たしてそれが実現可能なのかと。つまり、A案は、これは教育再生実行会議の枠の中にあるのだろうかという疑問があります。
 つまり、どういうことかというと、教育長が責任者というふうに言っている以上は、これは首長からは独立している。首長のラインではないということが、やはり教育再生実行会議の議論の中にはあるのだろう、提言の中にあるのだろうと思うのです。
 その前に、A案というのは、先ほど森委員からも双方向のコミュニケーションもあるのだというようなお話もあったのですけれども、やはり法制上は明らかに首長は執行機関で、教育長は首長の補助機関である以上、それは上司、部下の関係であると言わざるを得ないのではないかと。
 先般申し上げましたが、前回も申し上げましたが、教育長は補助機関であるけれども、そこは日常の指示ができないようにいろいろ工夫をするのだということなのですけれども、地方自治法上の補助機関で、果たしてそれが本当に可能なのかどうかということは、やはり、きちっと詰めなければいけない。省庁間の話合いとか立法の段階での法案作成時に詳細を委ねるというのではなくて、地方自治法上の補助機関で、日常の指示をしないで、ラインから切り離すことが本当に可能なのかということを、きちっと、これは答申までに明らかにしておかないといけない。
 そういうことから考えますと、地方自治法上の補助機関という形では、やはり首長と教育長というのはラインとしか言いようがないわけでして、そうであれば、これはA案というのは、再生実行会議の提言からも外れている。つまり、教育行政の独立性を一定程度担保する筋からは外れるのではないかということを言いたいということであります。
 その点でいうと、B案はラインではありませんので、教育長が責任者ということの意味として首長のラインではないということから考えると、B案の方が再生実行会議の枠の中には入っているのではないかということを思います。
 この図に関しては、私はそのままでいいと思います。なぜかというと、実態はいろいろあると思いますが、これは法制上の権限を表した図ですので、そういう意味では、A案とB案の図はこのままでいいのではないかと考えております。
 一つ目は、教育長が責任者ということの、教育再生実行会議の提言の意義を考えたときに、A案のように首長が執行機関、教育長が首長の補助機関という枠組みで、本当にそれを逸脱しないことができるのかと。やはり第3の類型を作るというような手だてを、つまり執行機関でも補助機関でもない第3の類型を作るなり、教育長を独任制執行機関にするなり、そういった手だてを考えないと、A案というのは再生実行会議の枠から外れてしまうのではないかということを非常に心配をしております。それが1点目です。
 2点目なのですが、2点目は、先般アメリカの方に教育委員会制度の調査研究で行ってまいりまして、ちょっとそこで日本に、アメリカと日本、事情が違うところもあるのですが、幾つか日本に示唆があるかなと思うところがございましたので、それを簡単に申し上げます。
 3つほどあるのですけれども、1つは、アメリカの教育委員会で非常に印象的だったのは、日々の、日常の学校運営。これ、デイ・トゥー・デイ・オペレーションというふうに英語で何回も聞いたのですけれども、いろいろなところで聞いたのですけれども、日常の学校運営においては1人が強い影響を持たないようにするのである。そのためにボードがあるのである、教育委員会があるのであると。これも複数の教育委員会に聞いたのですけれども、教育委員会の委員というのは一人一人は何の権限もないのである。集合体で決定するからこそボードであるのであるということで、日常の運営、学校運営、デイ・トゥー・デイ・オペレーションに関しては、強大な権限を持った1人が動かさないようにすることが大事なのであるということを聞きました。
 そういう点でいうと、日本は、市町村立はもちろんなのですが、県についても県立学校がありますし、県費負担教職員の人事をやっているわけですから、これは、やはり日常の運営に県も関わっているということを言えると思いますので、そういった点で、日常の学校運営に関わる点については、アメリカでも、やはり1人が大きな影響を持たないことが非常に配慮されているということが分かりました。
 2つ目なのですが、アメリカの話を聞いていて思ったのは、日本は、やはり教育委員会の幅が広過ぎる、任務の幅が広過ぎるということが、すごく印象を持ちました。アメリカの学区の教育委員会に聞くと、これ、どこの学区も判を押したように3つの仕事しかしていないというふうに言うのですが、それは1つは政策決定、ポリシーメーキング。2つ目は予算に関すること、予算の承認等です。3つ目が教育長と教師の人事、任免です。仕事は、この3つであるというふうに、教育委員会の役割をかなりはっきりさせています。
 その点からいうと、やはり日本は、教育委員会が余りにも今まで仕事が幅広過ぎて曖昧過ぎたというところもあると思いますので、そういった点が大津のいじめの問題に関しても、ちょっと曖昧な対応を招いたのだということを考えると、やはり教育委員会の役割をきちっと決めておく、限定をするということが重要だと思います。
 その点に関して言うと、3つ目なのですが、いじめとか事故のときに、では、教育委員と教育長のどちらが対応するのですかという質問を、ある学区でしたのですけれども、それはデイ・トゥー・デイ・オペレーションの話なのだから、問題なく教育長だろう。どうしてそんなことを聞くのか、どうしてそんな当たり前のことを聞くのかというぐらいの勢いで教育長さんに言われたのですけれども。
 やはり日本はその点が、いじめとか事故の対応が、どっちなのかというのが非常に曖昧なのですが、アメリカは、これは、もう文句なく教育長がやるということをはっきりさせているわけです。
 そういう意味で、日本の教育委員会とアメリカの教育委員会を比べたときに、やはり日本の教育委員会は役割の限定というものが、ちょっと甘かったのではないか。そこを見直せば、教育長に責任をきちっと負わせることが、合議体のボードであってもできるということが、私が感じた個人的なというか、私が調査から学んだことであります。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 貝ノ瀨委員、どうぞ。

【貝ノ瀨委員】  A案、B案ということで集約されて、どっちがという、そんなふうな議論になっておりますけれども、そもそも教育委員会制度について、やはり抜本的な改革をしなくてはならないという問題意識は、1つは、翻ってみると、ここにお集まりの教育関係者、教育委員会関係者のところは別としても、全国的に見て、教育委員会が形骸化している。それは、スピーディーな対応ができない。そして、責任の所在が明確ではないということです。
 ですから、そういうことについて、きちんと解決をしていこうという中で議論がされているわけで、そういうことを考えますと、A案、B案で見ますと、両方とも教育行政の責任者は教育長というふうには、ここの絵ではなっています。現実には、例えばB案の場合は、教育委員会は新たな装いを持ったとしても、合議制の執行機関として残るということで、そういう形で教育長に対して指揮監督、指示するという関係になると、やはり、教育行政の責任者という、この新教育長の立場は、また分かりにくくなるのではないかということです。
 そういうことからしますと、やはりB案については説得力がちょっと弱いと思います。ではA案はというふうに考えますと、前回の図に比べて、こちらは書き直しましたけれども、より明確になったわけです。つまり、まさに直(じか)なのですね。ラインになっている。執行機関、首長、そして補助機関と。教育行政の責任者が建て前上新教育長だというふうなことになっていますけれども、これとて執行機関としての首長ということであれば、これは果たして、新教育長が教育行政の責任者ということになるのかどうかということになります。
 また、例えば幾つかの点について、教育長は完全なる補助機関ではないのだと。そして、B案のような、教育委員会なり教育長なりを執行機関とするという完全なる独任制もしないということになってきますと、これは前回も申し上げましたけれども、A案は、新教育長の立場は、執行機関的な補助機関としての教育長ということになるだろうし、こちらのB案でいえば、補助機関的な執行機関と、ということになると思います。非常にまた、これも分かりにくい。一般的に、このA案を普通の人が見ると、どうしたって、これは首長、教育長がラインとなる。これは、そういうふうにしか見えないです。幾らいろいろなただし書が付いていたとしてもです。
 ここに※印が付いているのは、下に「教育長の事務執行について日常的な指示は行わない。特別な場合にのみ指示」となっていますけど、このようなのは多分、何年かすると自然に消えてしまいます。予言しておきます。
 そういうことにならないようにするための、例えばA案をある程度尊重してとなりますと、やはり第3の道として、立法的な措置でもって、教育長の存在を、完全なる補助機関でもないし、完全なる執行機関でもないという、そういう新しい位置付けをしたらいいのではないかと思います。
 教育というのは、まさに人格形成ですから、ほかの一般行政とは違うわけです。教育は、教育基本法があったり、教育公務員特例法があったり、ある程度特別に扱われてきた、教育委員会制度もあったと、こういうわけですので、新しい立法的な措置でもって教育長の位置付けを第3の位置付けとしてあってもいいのではないかと思います。
 ですから、もっと国民に分かりやすくしていくということも必要なのではないかと思います。
 政治的中立性については、大変大事なので、これは前回申し上げましたけれども、教育振興基本計画の中に明確に、この教育委員会制度については政治的中立性、それから継続性・安定性を確保していくということは明確になっているわけで、これは先の中央教育審議会で議論されて、まとめられたのが教育振興基本計画です。ですから、ここには何人か中教審の委員さんもいらっしゃいますけれど、皆さん了解した上で、それは作られたわけなのですから。ですから、それは、前提にして考えた上での、例えば、このA案というふうに考えればいいのだと思います。
 今まで、問題があったかというお話もありましたけれども、それは、そういう政治的中立性、継続性・安定性というものが大事だというふうに、しっかり戦後押さえられてきたところによって、むしろ首長さんたちが抑制的に働いていたということも大きな要因があったと思いますが。
 しかし、さっき比留間委員がおっしゃったように、静岡の件もありましたけれども、そういう生々しいこともあるわけで、この政治的中立性というのは、本当にこれは大事にしていく必要があると思います。
 そう考えると、やはり、教育長の位置付けというのは、立法的な措置によってもあった方がいいと。きちんと完全なる補助機関ではないし、完全なる執行機関でもない、独任制でもないと、そういう新たな形を作った方がいいのではないかというのが意見でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、辻委員、どうぞ。

【辻委員】  私も今回、この案を見させていただきまして、3つ指摘したいと思います。
 1つに、いろいろ多様な意見がある中で、私は、このA案とB案、大分分かりやすく整理していただいたという気がしています。まさに問題提起もされましたが、この2つの案を基に今後、具体的にどうなのかということをしっかりシミュレートしていく。そうした中で、このA案、B案の優劣を更に明確にしていくべきだと思います。
 今日はA案、B案のどちらがいいかと、激しく議論していますけど、この2つに集約されてきているので、今後、これを更に具体的にしていくという意味で、意義のあるの整理だと思います。
 この中で、このA案、B案で何が整理されたかということを見ると、執行機関としては、首長を位置付けるのか、新教育委員会を位置付けるのか、この2つに分かれていますが、教育長はいずれも、責任者として補助機関に位置付けています。この点は明確です。
 したがって、仮に補助機関としての教育長が責任者たりえないということになると、A案でも駄目ですけれど、B案でも駄目だということになって、今回の議論が根底から崩れてくると思います。
 議論の大前提として、政治的中立性も重要だけど、独任制もいけないということなので、それを考えると、このA案、B案のどちらかで考えていくことになると思います。
 仮にB案で考えた場合に、課題として何が残るかというと、予算権を持っている首長さんと、執行機関としての新教育委員会の関係が今と同じで、改善されていないという点が1つです。
 それから、教育長さんとの関係でいうと、今の地教行法の中で、教育委員会が必ずしなければならないという業務の中で、どれだけを、今度、教育長に移譲できるかという話になります。
 多分、B案が今とほとんど変わらないと言う人は、執行機関である限り、今の規定は、そんなに減らせないと考えていると思われます。そうすると、現行制度に近くなるのではないかという意見になります。逆に、この新教育委員会の役割を大幅に減らせば、現行とは変わりますけど、しかし、今度は、執行機関として言えるのかという課題が出てきます。そこのところを、具体的に今後更に検討していくことが必要だと思いました。
 もう1つ、前回、私が問題提起した中で少し今回変えていただいたのは、これも今議論になっている、かつて指揮監督と言ったところです。今回は、これが、日常的な指示という文章に変わりまして、これは前の指揮監督を言うよりも今回の指示の方が、より実態に近いかなというイメージはあります。しかし、法制的に見て、指示と指揮監督、どう違うのかと言われたとき、厳密にどう説明できるかのという課題があります。先ほどから出ている政治的中立性を重視する立場と、首長の責任に伴う指揮監督権を重視する立場で、見方は対照的ですが、いずれももう少ししっかり規定してくれというところで、注意して今後の議論につなげていただけたらなと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 森委員。

【森委員】  今、辻委員のお話で非常に共鳴いたしますのは、何かイデオロギー的な議論をするんじゃなくて、これで具体的に、今まで教育委員会なり教育長なりがどういう仕事をしてきたかということを、きちんとシミュレートするのは大事だと思います。
 それで、もう1回、くどいようだが言いますけれども、はっきり申し上げて、予算を伴うものについてはB案はあり得ないのです。例えば耐震改修で何年までにどれぐらい小・中学校の耐震改修するって、予算を伴いますでしょう。B案ではできないのです。なぜなら、予算を提出して議会の同意を得るのは首長ですから。
 そういう具体的な業務に合わせて議論していったらどうでしょうか。そうしますと、いろいろ出てまいります。ほかにもいっぱいあるのですけれども。
 大体皆さん、学校教育のことを念頭に置いて議論されているのかなという感じがするのだけれども、ほかにもいっぱい仕事があるわけです。給食費をどうするかとか、地域に開かれた学校をどうするかとか、そういうことです。
 それと、予算権を首長が持っている限りにおいては、もう、そこから出発するしかないわけで。そうなりますと、むしろ首長を巻き込んで、どれだけ熱心な首長を増やして教育に投資していくかという話になるのではないでしょうか。
 安倍総理大臣が教育に関心を持ってくれたおかげで、いろいろプラスの面もあるわけです。ですから、首長はすぐ政治的中立を脅かすなんていって排除いたしますと、予算権を持っている限りは、これは教育のためにならないと思います。やはり、もっと視野を広くして、大きな意味で教育を振興するためにはどうしたらいいのか、誰が責任を持つべきかということを議論すべきだろうと思います。
 少ない事例で、それを是正するためにどうしたらいいかという議論は、まさしく私は角を矯(た)めて牛を殺すことになると思うのですよ。今、恐らく出席されている方もいろいろなことをおっしゃっているけれども、現場では、きちんと首長とコミュニケーションをとって、いろいろ政策の提案をして、首長からいろいろ質問を受けたりして、現実的な政策を作っていかれて実績を上げられたと思うのです。それが実態でしょう。その実態に合わせる制度を作るということが私の意見だけれども、それを納得するためには、やはり具体的な業務。
 私、いつか教育委員会の全ての業務をメモにしてお出ししています。あれに合わせてどうなのかという議論を是非していただきたいと思うのです。
 以上でございます。
 それから、アメリカの事例を私、全部知っているわけじゃありませんけれども、教育委員会が予算権を持っているんじゃないかなと私は思いますけれども。だから、そういう矛盾が起きないだけであって、何度も言いますけど、予算権を持っているがために訴訟の対象になる首長が全く教育に関して関われない、罷免と任命だけだというのはあり得ないということだけ申し上げます。
 それから最後に、中立性でおっしゃるならば、それに歯止めを掛けるやり方が、私はA案で十分あると思っています。それは先ほど言いましたけれど、情報公開なのですけれども、きちんと教育委員会と首長とがやりとりをするような仕組みを作ることが非常に大事なことだということだけ申し上げたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 予定の時間をオーバーしていますので、17ページまでの1の教育委員会制度に関わることで、何かほかに御意見ございますでしょうか。
 白石委員、どうぞ。

【白石委員】  少し言葉にこだわるのですけれど、このA案にある新教育長で括弧して教育行政の責任者と書いていますけれども、先ほど言いましたように、新しいA案、B案だろうと、教育長の人が教育委員だとしても、今でも首長が選ぶのです。住民が選ぶのではないのです。
 ですから、政治的中立性ということを煎じ詰めて言えば、首長は、教育委員だって選べなくなるのです。
 首長がどこかの党に属していて、その首長を選んだら、その後、党の人間を教育委員に選んだという話がこの前出ましたが、そういうことはあり得るわけです。
 ですから、政治的中立は、飽くまで首長の資質に関わるので、突き詰めて言えば、駄目だったら、もう住民が選挙で落とすしかないのです。だから、教育委員だって、教育長だって、今も、これからの新しい制度でも、議会の同意を得て、首長が選ぶわけでしょう。
 ですから、その前提に立って、余り突き詰めてしまうと非常におかしくなるので、ここにある教育行政の責任者というのは、例えば福祉行政はおまえに任せると、福祉部長が責任を持ってやるのです。そういう意味で、現場のことについては、おまえ責任を持ってやれという意味なのです。首長を飛び越えて教育全般、おまえが責任を持ってやれという教育行政の責任者はないと思います。最高の責任者は、やはり首長なのです。そういうふうに位置付ければ、おのずと、この教育行政の責任者というのは、教育分野でいろいろやるときに、おまえ責任持って決めたことを実行しろよということになると私は思うのです。
 勝手に新しい教育のことを考えて、教育長が暴走することはないと、私は思います。そのために教育委員会があるわけですから。

【小川分科会長】  1の教育委員会制度に関わって、あと御意見のある方は何人ぐらいいらっしゃるでしょうか。では、村上委員で1は終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。

【村上委員】  簡単に申し上げます。私はA案もB案も駄目と言っているわけではなくて、A案よりはB案の方がベターという立場なのですが、ただB案も、やはり前回申し上げたとおり首長の関与をちゃんと考える必要があるということと、新教育委員会の仕事をかなりきちっと限定をする必要がある。そういうところは直さないといけないということを申し上げました。
 それから、A案に関しては、現状では、日常の指示を行わないというのは、この補助機関という枠組みではかなり危ないかなという気がするので、やはり執行機関でも補助機関でもない第3の類型を地方自治法上に設けることが必須条件ではないのかなという意見です。
 あと、先ほどアメリカの予算のことに関しては、学区でもいろいろなパターンがありまして、一般行政はカウンティーというのですが、そこから予算が出ているケースもありますし、州は学区と行政区が分かれていませんので、州に関しては教育財政の独立というのはちょっと違います。実は学区によって結構違うということを申し添えたいと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 1の教育委員会制度に関わる議論はここで一旦打ち切らせていただいて、今度は18ページ以降、2、教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担から最後まで意見をお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。何かございますか。
 では、貝ノ瀨委員、どうぞ。

【貝ノ瀨委員】  教育再生実行会議の提言の中に、教育委員としての担い手ということで、具体的な例示がされております。例えば学校運営協議会とか、学校支援地域本部等で、教育のため、地域のために頑張っている人たちの代表を担い手として入れていくとか、それからスポーツアスリートの方とか、そういう例が出ております。やはり、特に学校運営協議会とか学校支援地域本部というのは相当に今、普及しつつありますけれども、これから特に学校運営協議会の方は、まさにこれからの教育改革の大きな、地域とともにある学校づくりという意味では非常に有力なツールだと思います。
 そういうことを考えますと、これも教育振興基本計画の中に学校運営協議会の置かれている学校、つまりコミュニティ・スクールを5年間で3,000校という数値目標まで出して示している中で、当然、これは積極的に拡大を図っていくことは大事だと思いますし、また、その意味では、そういう方々が教育委員として担っていけるような方々を増やし、またコミュニティ・スクールを増やしていくということも当然、同時並行でなされなきゃならないと思います。
 ただ、問題は、現在、学校評議員制度があります。学校運営協議会は平成16年からですけれども、それ以前から学校評議員制度とか、学校関係者評価とか、そういった制度もあったりして、機能がかぶさっているものがあります。そこをもう少し整理していく必要があると思います。
 例えば、これから学校運営協議会を設置していこうというところは、学校評議員の制度は、それはやらなくてもいいとか、なくしてもいいとかと、そういうことで、すっきりさせた方がいいのではないかと思います。
 また、学校支援地域本部についても、これは学校を支援していくという意味で非常に大きな予算もとって、大事な活動をしていますけれども、これも学校運営協議会との仕事の重なりもありますので、学校運営協議会が発展的な仕組みだとすると、学校支援地域本部、学校運営協議会が、一体的に活動ができていくような、そういうことも工夫が大事ではないかと思っています。
 そう考えますと、今現在、例えば文科省の中で、学校支援地域本部の方の事業は生涯学習局で、学校運営協議会の方は初中局ということで縦割りになっていますので、その辺、一緒に連携してやって、融合できれば、その方がいいのではないか、効果的になるだろうと思います。
 そういう意味で、整理をしていく必要があると思います。そういう重なりを整理するという意味で、特に学校評議員制度の役割は一定程度終わったのではないかと私は受け止めております。発展的に学校運営協議会の方に統合していく方向性の中で、教育委員の担い手も考えていくということが大事だろうと思う。
 もちろん、当然のことながら、学校運営協議会の置かれている学校は、まだ全国の小・中学校の5%ぐらいですから、全国の教育委員さんを網羅するわけにはいかないわけで。ですから、それは可能なところ、最低1名、2名でもよいので担い手を考えておくということが大事ではないかと思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょう。竹原委員、どうぞ。

【竹原委員】  コミュニティ・スクールと学校支援地域本部が動き出し、コミュニティ・スクールは約10年、第2ステージともいえると思います。課題として挙げられているのは、学校側の体制、職員室全体としての体制です。今回学校全体としてチームを作るということが出ていたので、とても良かったと思います。
  そして校務分掌上に、きちんと地域との連携や新しい学校づくりを担う人を校長以外にも作り、更に教員養成段階からも考えていくということが提案に入っていて、とてもいい提案だと思いました。
 1つ気になるのは、コミュニティ・スクールというのは、様々な人が担い手となって新しい学校を作って、教育改革していくということだと思いますが、学校支援地域本部に関しては、学校ができないことなどを補完するというイメージや理解が少し強過ぎるのではないか。補完するのではなくて、地域とともに動いた方がもっと良い教育ができるという積極的な発信をしていくことが大切だと思います。
 地域とともにある学校づくりを推進することと今回の大きな制度改革は連動していて、行政も学校も家庭も地域もそれぞれが役目を果たして、共に良い学校環境、教育環境、地域づくりをしていくのだということが伝わるような論調にしていただくといいと思っております。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 生重委員、お願いします。

【生重委員】  貝ノ瀨委員も竹原委員も今おっしゃったのは、私もすごく賛同するのですが、今回、もうホームページ上に公開されている、これからの土曜日の在り方みたいなところも含めて、いかに地域を巻き込むかということは、地域が今までのように何かやってくださいというのを頼まれて待っている状況ではないのだと。それこそが、過疎地においても、もっと積極的に自分たちが取り組んでいこうという、我々のことなのだという意識に立つような今後の学校とか地域運営みたいなことを考えていくと、先ほどの議論の中にあった、教育委員会をきちんと見る目が養われていくのだと思うのです。
 この間、コミュニティ・スクールの九州の研修会に私も行ってきたのですが、そのときに前川局長が御挨拶で、初中局と生涯局のセクションを乗り越えて、地域で運営していく姿を文部科学省が今後発信していくと言って、すぐに土曜日の在り方みたいなものに来ているという、すごく初中局と生涯局が両方ともセッションするような予算の要求をしているということもある。それに我々がやってきたことが、やはり認めてもらえたから、そういう形になっていったのではないかなというふうに勝手には思っているのですが。
 私は25ページのところで、ここの赤字の「及び教職員の実務負担」が一番、若干ひっかかりまして、教職員の実務負担がないために地域がやるのに。これは私が言っているのは理想論かもしれませんが、どこの学校に行っても校長、教頭が、その地域のできないことをやっている現状を見るにつけ、市民側が参画していく、市民側がもっとスキルを上げていくべきなのだとは思っておりますが、実務負担というよりは、先生たちも、それから、それぞれのエリアを取り巻く地域も、共に連携して一緒にやっていくんだという、どちらかに何かの負担がいくんだという書き方はしてほしくないなというのと、全般的に、先ほどちょっと意見を言えなかったのですが、私は市民感覚で申しますと、どっちにしろ、これは新聞に出たときにも、いろいろな方に聞かれたのですが、分からない、どう変わるのですか、これのどこがどうなのですかと。はあ、そうですねと言って、具体的には答え切れないという。委員をやっていらっしゃるのですよねと突っ込まれても分からない。そうですねと。
 もうちょっと具体的な事例を挙げて、これを、やはり一番見ているのは国民、それから市民なのです。皆さんがおっしゃっているとおり、何か大きな事件が起きたときに速やかな対応をしてほしいというのが一番の望みであるならば、そこが一番伝わるような表現をしていただかないと、双方向で話し合いながら、いい人づくりをしていくのだということが分かるような、だからこそ、これになったんだよということが分かるような、本当に新聞を読んで誰にでも分かるような表現が欲しいなと思います。
 前半に申しました地域の意識を上げていくということが、これからの大きな課題ですし、先生たちの、いつまでも負担と思う、その心の垣根を取り除いていくことも必要ですし、それを一緒にやっていかなければいけないのだなという、その今後の展望を描かれているようなことをきちんと実践していくためには、最初から教職員に実務負担が掛かるみたいな書き方をするのはやめていただきたいなと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 梶田委員、どうぞ。

【梶田委員】  今いろいろ出ております、地域がもっともっと教育に関わっていくというか、支援していくという、このこと、書いてあるのですけれど、私、コミュニティ・スクールというのは、もう当たり前にならなくてはいけないなと、こう思っております。
 今日はお休みですけれども、私は京都の地域運営、学校の実態を、いろいろな学校に行って、京都市といっても、いろいろな地域があるのです。本当にいろいろな地域がある。行って調べたことがありますけれども、いろいろと工夫しておられて、非常にきめ細かな工夫しておられて、私はうまくいくようにしておられるような気がいたします。
 だから、いろいろな学校の在り方はあるでしょうけれど、私は、やれないことはないと思っている。ですから、これをもう少し強調してほしい。これが1つ。
 もう1つは、18ページの一番初めに、国がしっかりと公教育の最終責任を果たせるようにすることは必要である。せっかく書いてありながら、その下に具体的なことが全く書いていない。
 私は、例えば今、全国学力・学習状況調査で、ちゃんと全国の学力がこれでいいのかどうかというのをやっています。これなんかも国がやっているから、やはりいろいろと分かってくる面があるわけです。そういうものを大事にしながら、いわば、どこの町のどの学校へ行っても、子供たちがしっかりと教育してもらって、しっかりと力を付けられる。そのために国が何をしなくてはいけないのか。
 やはり、特に義務教育なんかは国の責任です。もちろん高校でも、大学でも、主要校というのは、みんな国が、どこかできちっと責任をとっていかなくては。これが、どう書いたらいいのか、さっきからあれなのですけれど。
 つまり、書いてある、いわゆる国の指揮監督の下になってはいけないのです。指揮監督ではなくて、上下関係ではなくて、支援していくという方向で、国の責任がもっともっと書けないのかなということを今思っておりました。

【小川分科会長】  どうぞ。

【森委員】  この種の議論をやるときに、やはり地域による差が非常に大きいと私は思っていて、長岡市の事例でいえば、学校側の事情ではなくて、本当に地域住民が学校を愛していて、何もしなくても、どんどん、ボランティアとかいろいろな協力をしたり、子供たちの課外授業を引き受けたりとかということが起きているのです。
 それは、同じ長岡でも、また地域によって大分違ってきます。違ってきますが、要は、余り国が細かいことまで決めるんじゃなくて、今おっしゃったように、ある程度地域に任せるというのが基本理念として書いてあれば、私はそれで結構。それに、おっしゃったとおり支援をするということだと思います。
 それは恐らく大都市と地方都市で大分違うのではないか。私は大都市のことは分かりませんけれど、そんな感じがいたします。それが非常に大事なことではないかなと思います。
 それから、竹富町の問題で地方自治法に基づく要求を文部科学大臣が行ったことは評価をさせていただきますけれども、新しく発動要件を見直すということは、私は、これは地方自治法に基づく是正要求であれば裁判まで持っていけるという強い権限があるのを、全くそれがないものを新たに作るというのは、今あるものよりも弱いものをわざわざ作るわけですから、これは屋上屋じゃなくて屋上の下に屋上を作るみたいな感じが私にはして、どうしようもないのです。ですから、何のためにということは、よくお考えいただいた方がいいと思います。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。そろそろ時間も、あと15分ぐらいしかありませんので、では、また1、2、全体を通じて、これまで御発言いただいていない方もいらっしゃいますので、少し、その方を優先して御発言をお願いできればと思うのですが。
 では、今田委員、どうぞ。

【今田委員】  全体についてということで、一言も何も言わないと横浜の方で帰って、おまえ、東京行って何をしてきたということになりますので、一言だけ。
 この第二次提言が出て、権限と責任の在り方というのをいろいろ議論するわけですけれども、その都市の規模といいますか、状況によって、いろいろな見方があろうかなと思います。
 私は何度も申し上げているのですが、約10年、教育委員のお仕事を頂いて、ある意味で、この制度の問題と、どういう人を選ぶかということ、このことも是非銘記していかないといけないのではないか。第二次提言では、権限と責任の明確化ということで、何か変えないといけないという気持ちがある。ある意味で、その政治の大きな力が、前回も申し上げましたのですけれども、この教育の政治的中立性のことを、ある意味、少し文科省の方には悪いのですが、少し文科省が、道徳教育の問題、教科書採択について深い議論がなかったこと、そのことが、やはり大きな政治の力として出てきた部分がある。そういうことを今回クリアしていこうという中でいけば、私は、この政治的中立性という言葉も、また大事にしていかないといけないなと思っています。
 そういうことを踏まえた上でいくと、今の制度もかなり、先人の英知で、いい制度になっている。これをしっかり運用していけば、しかるべき人たちを教育委員として選び、そこで深い議論をしていく。いじめの問題も含め、教育という大きな深い影響力の大きなフィールドの中で、いろいろ議論をしていくときに、やはり1人だけに責任を負わせるということは、正直、価値観の多様化した中では、なかなか難しいのではないか。やはり、ここは、いろいろみんなが英知を絞りながら深い議論をして、その方向性をまとめるという、そういう教育の中に求められる普遍的な大切なこともあるのではないか。
 だから、僕は、この既存の制度の持つ良さ、しかし、そうはいいつつも、まだ不十分な部分も、きっとあることは事実だろうと思います。私も教育のお役目を頂きながら、事務局から必ずしも十分な情報が来るということはありませんので、教育長になる人の人格、そういうものも大きな影響になります。だから、日頃のコミュニケーションも大事。
 そういう意味でいくと、そういうことも踏まえながらいくと、私は今、司令塔である、この教育委員会と教育長のところの分の議論だけをしているのですけれども、学校現場、横浜の場合は、もう500校近い学校があって、大勢の先生も、1万数千人の先生がいる中で、そことの連携というのがどう図れるかと。そことの意識の共有化がどう図れるか。どちらの制度が図れるか。少なくとも今の教育委員会制度の中での執行機関の中には、校長先生のOBの方も一部おられます。そういう中に学校現場の声も反映することが担保されている。
 私は最初のときに教育委員としての意見を申し上げ、この資料の2ページの中にも一部掲載していただいておりますけれども、私は既存の制度の中にも、かなりいいものがあるということも、これは提言を頂いているのだから、その政治の大きな力に十二分に抗し切れない部分もあるのですけれども、そのことも銘記して、やはり制度を考えていくことが大事ではないかなということを申し上げたいと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 二見委員、どうぞ。

【二見委員】  まず18ページ以降ということなので、国、県、市町村の役割分担の関係ということで、地教行法の49条、50条は何のためにあるかいうことになるわけですけれども、この表現の中が自治法のようにシンプルでないために大変、国として、文科省としての関わりが難しい状況は現実にあるわけです。
 だから、確かに上位法で強いものがあるにしても、地教行法の中にある49条、50条をどのように活用するかは、いかに迅速に対応できるか、子供の命を守らんがために迅速に対応できるようにしていきましょうということを私も申し上げてきたわけで、やはり、そこを、自治法があればいいという発想ではなくて、地教行法の中にある、この対処できる条文を、もっとスピーディーに対応できるようにしていく必要があるという意味で、これまで申し上げました。
 それから、先ほどの前半の方に関わると思いますけれども、やはり私が一番心配しているのは、首長さんは確かに教育に対して公約をし、進めてまいります。しかし、選挙によって首長は替わるということがある。そういう中で、まだ議論していないのは、そのときの任命される、選ばれる委員や教育長もどうするのかと、まだ残っていますけれども、そういう首長さんの教育に対する熱心な思いの公約は、首長によって変わるわけですから、その都度、学校現場が変わっていくことは大変困難なわけです。そういう中で、中立性を確保という以前に継続性・安定性を大事にするということになれば、やはり、ある程度、教育委員会がこれまでどおりの行政委員会として首長さんと距離を持ちながらやっていく。首長と教育長、教育委員会は日常的に緊密な連携、コミュニケーションをとりながらやっていくのは当然でありますけれども、安定性や継続性というものも十分考えなくてはいけないと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ほかにいかがでしょうか。白石委員。

【白石委員】  これまで私も何回か意見を申し上げたのですが、市町村に配置される先生です。これは県費負担教職員ですから、県が採用し人事異動すると。そういう意味で、教育委員会といっても、市町村も大きい市もあれば小さい村もあるわけですから、県の教育委員会のありようというものを市町村と全く同じにしていいのかどうかです。特に採用ということになりますと、これは教育委員が採用するわけではないわけですから、つまり教育委員会事務局という問題も出てくるわけです。そういう意味で、県費負担教職員である以上、これをいきなり市町村に全部、採用から全ておろすというのは、非常に市町村の実情からいって難しいものがあるわけです。やはり市町村教育委員会と県教育委員会というのは、私は違う部分があると思うのです。教育ということについては同じですけれども、採用あるいは人事異動といった権限を持っている県の教育委員会と市町村の教育権限とはおのずと異なる。権限といいますか、いろいろな力も違うわけですから、そこは少し分けて議論することも必要ではないかなという感じがいたします。
 同時に、採用に関わってくることですけれども、先生を養成する大学のありようとか、採用する際の先生の資質をどういうふうに鍛えていくか、あるいは充実させていくか、そういった研修成果のありよう、こういったものを県教育委員会のありようと一緒に考えてもらう必要があるだろうと、市町村の教育の立場からいうとそういう感じがします。

【小川分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。明石委員。

【明石委員】  A案、B案というのは非常に議論が出ると思いますけれども、比留間委員が言われましたように、A案、B案をもう少しブレークダウンしていかないと議論が深まっていかない。空中戦で行く感じがするのです。
 例えばA案、B案でも、仮になった場合に、今ある教育長は残すのだけれども教育委員長はどうするんだろう。B案の場合ですね。ここは教育委員長は消えるのか。5人の委員がフラットにいて、その1人に、教育長が入ってくるのか。
 例えば私、千葉市の教育委員を1年やってまいりまして、司会の議長さんは教育委員長がやるのです。これ、権限ありますから。教育長が提案するのです。いろいろな議論するのだけれども、大体それはもう、悪いけれども、議事進行は事務方が全部書いています。
 だから、要するに、よく申し上げるのですけれども、教育長は内閣総理大臣とすると。教育委員長は衆議院議長か参議院議長になりますね。という中で、このB案でいくと、教育委員長が消えるのです。
 それで、例えばA案の場合は、これは審議会でしょうから、今日の分科会長みたいに答申をまとめる役割になります。権限が下がってきます。一般の国民が分かりにくいのは、教育長と教育委員長とはどう違うのですか。教育長は、教育広報でも、よく写真が出るのです。教育委員長の写真はほとんど出ません。それで議事を司会して、責任があります。だけれども、執行機関の自覚はないと思うのです。教育長は執行機関の自覚があるから権限があるのです。
 多分、私、1年たっていますけれども、教育委員の方で執行機関という自覚はありますかね。
 そういう実態がある中で、やはり、今田委員がおっしゃったように、制度設計と運用の問題も、もっと少し具体的なレベルで下げていかないと、どっちの案がいいかとか、一概に決められないという感じがいたしました。
 以上です。

【今田委員】  先生、自覚があるかと、今あえて言われたから、ちょっと。
 本会議の一般質問で委員長の見解を聞きたいということは度々ありますから。そういう意味での自覚は持って、十二分かどうかは分かりませんけれども、そういう気持ちは持ちながら、なかなか大変だなと思ってやっていますけれど。ただ、教育長ほどではないかも分かりませんけれども。
【小川分科会長】  よろしいでしょうか。ほかに。
 なければ、そろそろこの辺で終わりたいと思うのですが。
 今、最後、明石委員からも御指摘ありましたように、今回、中間まとめという形でまとめさせていただく今回の審議経過報告案は、飽くまで中間まとめでありまして、書いている文章を読めば分かるとおり、今後更に検討する必要があるという検討事項が、この報告案の中に大分あります。ですから、そういう具体的な、更に必要な具体の制度設計の掘り下げについては、この審議経過報告をまとめた上で、次回以降、2回ほどにわたって地方自治体関係、そして教育関係の関係団体のヒアリングを行いますが、そのヒアリングを経た上で、それ以降、具体的な制度設計の掘り下げをしていきたいと思います。この報告案の中に書かれているような制度設計を更に具体的にしていく作業というのは、そういうヒアリングを終わった後にやる予定ですので、中間報告のまとめとしての審議経過報告案は、こういう形でできればまとめさせていただければと思います。
 今日頂いた意見については、またかなり広範囲にわたっていますので、どう報告案の中に組み込むかというのは、なかなか難しい面もありますけれども、事務局と相談しながら、今日新たに頂いた意見については、この報告案の中に入れ込むように努力していきたいと思います。
 その点については分科会長に一任していただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
  では、次回以降の計画ですけれども、関係団体からの御意見を聴取するという予定になっていますので、その件について、まず事務局から御予定を御説明いただければと思います。

【堀野企画官】  分科会長の補足ですけれども、審議経過報告としての取りまとめは、意見聴取手続などの前提になりますので、一両日中に確定させていただきたいというスケジュール感でお願いをしたいと思います。
 資料3を御覧いただきたいと思います。資料3が、関係団体からのヒアリングについての考え方ですが、次回10月29日と11月11日の2回を予定しております。
 3番目の会議進行例にございますように、1日8団体。前半4団体、9分掛ける4団体やっていただいて、20分質疑応答、また9分掛ける4団体、御意見を頂いて20分質疑応答という形で、1回で8団体、2日で16団体程度ということで考えております。
 2番目のヒアリング候補団体ですけれども、首長関係3団体、教育委員会関係6団体。これも3、6に限ったものではありませんが、この9団体は必須であろうと考えられますが、そのほかにもあるかもしれません。
 また、この当分科会の委員の方々の団体、PTA、私学、私立中高連等、関係団体いろいろございますので、そのあたりも関係団体と相談しながら、社会教育、文化、スポーツ、経済関係、幅広くヒアリング団体を選んでいく必要があろうかと考えております。
 以上でございます。

【小川分科会長】  どうぞ。

【森委員】  少々バランスを欠くなと思いますのは、指定都市教育委員・教育長協議会や中核市教育長会で、教育委員、教育長の方は指定都市と中核市を入れておりますが、首長関係にも指定都市市長会、中核市市長会ございますので、これは非常にバランスを欠くと思います。
 教育委員関係だけ指定都市とか中核市を入れるという意味は、ちょっと私、分かりませんけれども、首長関係も入れるか、教育委員会の方を外すか、どっちかだと思うのです。これは何か意図的なものがあるのではないかという感じがしております。
 それが1つ。それから、先ほども申し上げましたけど、教育再生会議のきっかけになったのは、大津の事件がきっかけで、大津の市長、本当に悩んで悩んで報告書をまとめられて、文部科学大臣に意見書を提出されているわけだから、団体だけではなくて、やはり大津市の事情はきちんと聞くべきだと私は思いますけれども。是非、御検討いただきたいと思います。

【小川分科会長】  分かりました。今の御意見についても、また事務局と相談して調整したいと思います。
 ヒアリング関係団体で資料3に掲載している9団体。今、森委員から御指摘のあった首長の組織についても少し検討させていただきますけれども。その他ということで幾つか書かれていますけれども、この辺については少し事務局とも相談しながら、どういう団体等々にヒアリングするかというのは、また調整させていただければと思います。よろしくお願いします。
 なお、先ほど中間まとめとしてのこの経過報告案への意見等は、ヒアリングの日程等を考えると、一両日という感じでしょうか。そういうスピーディーな処理が必要なようですので、今日頂いた意見については、それを反映した案を作って、早急に皆さんの方にお送りしますので、できれば一両日中にお返事を頂ければという事務局の御意向ですので、よろしく御対応をお願いできればと思います。
 次回は、10月29日火曜日、14時から16時まで、文部科学省の旧庁舎6階の第二講堂を予定しております。
 次回は団体ヒアリングの第1回目ということになりますので、よろしくお願いします。
 これで今日の分科会を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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