資料1 |
新しい時代における教養教育の在り方について」(審議のまとめ)の概要
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○ | 平成12年5月29日,中曽根文部大臣から「新しい時代における教養教育の在り方について」諮問。 | ||
(具体的な検討事項) | |||
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これからの社会に求められる教養教育について | ||
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教養教育の視点から見たこれまでの教育改革の成果の検証について | ||
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教養教育をいつ,どのように行うのかについて | ||
○ | 平成12年12月25日の総会において,新しい時代における教養教育の在り方についての基本的な考え方をとりまとめ,「審議のまとめ」として文部大臣に報告。 | ||
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(1)今なぜ「教養」なのか | |||
歴史的な転換期・変革期の混迷の中で,個人として,社会として,また,国としてより確かな存立基盤を打ち立てることが求められている。このような中で,個人や社会がどのような地点に立っており,今後どのような目標に向かって進むべきかを考え,その実現に向かって行動するための原動力として「教養」が必要。 | |||
(2)新しい時代に求められる教養とは何か | |||
教養」の概念を次のように整理。 | |||
ア
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「知・徳・体」,「知・情・意」(基礎学力,国語の力,社会規範意識と倫理性,感性と美意識,体力,精神力など) | ||
イ
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社会とのかかわりの中で自己を位置付ける力 | ||
ウ
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国際化・情報化が進む世界で日本人として生きていくための基礎的な能力(日本の伝統・文化,歴史への理解,情報リテラシー,外国語能力など) | ||
エ
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未知の事態や新しい状況に的確に対応する基盤となる力,地球規模の視野,歴史的な視点,多元的な視点で物事を考える力,構想力 | ||
オ
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品性,品格 | ||
身に付けるべき教養の内容やレベルは一律に決められないが,教養教育は,自立した個人としてより良い生き方を実現しようとする意志と,そのために必要な知識,判断力,行動力をすべての人に培うことが必要。 | |||
(3)どのように教養を培っていくのか(基本的な方向) | |||
教養教育を通じて,学ぶことへの主体的な態度や意欲を育てていくことが重要。また,考え方,生き方,習慣などあらゆる「自分とは異なるもの」という意味での異文化との接触が教養の涵養に重要な役割を果たすことを重視。 | |||
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生涯にわたる教養教育 | ||
学校,家庭,地域のあらゆる場面を通して,様々な体験を積み重ねることによって教養をはぐくむ。教養は,一人一人が生涯にわたって継続的に培うもの。大人が生涯にわたって学ぶ魅力ある社会を実現。 | |||
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教養教育における初等中等教育の役割 | ||
ア
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基礎・基本の徹底 | ||
国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を確実に習得。特に,理解力,思考力,表現力の基礎となる国語の力を重視。 | |||
イ
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自ら学び,自ら考える力の育成 | ||
問題解決的な学習,体験的な学習を積極的に採り入れる。また,読書やメディアを通じた学習を重視。 | |||
ウ
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豊かな人間性の基盤づくり | ||
生活体験,自然体験,社会体験を通じて,子どもたちに,他人を思いやる心,自律心や責任感など豊かな人間性を育成。 | |||
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初等中等教育と高等教育との接続 | ||
明確なアドミッション・ポリシーを確立した上で,大学で学ぶ意欲や将来の生き方を考える態度を大学入試において適切に評価。 | |||
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高等教育段階における教養教育 | ||
ア
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カリキュラムとしての教養教育 | ||
知的な思考方法や表現方法を身に付けさせるとともに,人間や社会への洞察を深め,多面的な視野から物事を判断する力を育成するため,幅広い分野にわたる教育を体系的にカリキュラム化。 | |||
イ
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カリキュラム外の教養教育 | ||
ボランティア活動,職業体験,スポーツ,旅行などカリキュラム外の多様な活動を通じて自己を磨き,職業や社会とのかかわりについて考えを深める。 | |||
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今後,残された検討事項について引き続き審議。 | |||
(残された検討事項) | |||
○ | 教養教育の視点から見たこれまでの教育改革の成果の検証について | ||
○ | 上記の検証を踏まえた教養教育の改善のための具体的方策について |