資料5 論点の整理に対する関係団体からの意見等の概要

論点 全国知事会 全国市長会 全国都道府県教育委員会連合会 全国市町村教育委員会連合会
教育委員会制度の意義と役割(教育委員会制度の在り方)
  • 教育委員会制度に決定的な問題はないと思う一方、保護者の不満は大きく、多くは運営上に問題があるのではないか。
  • 教育委員は非常勤であり、他に本務を抱えているため、教育事務を本務としている事務局職員の意見を聞くだけになるのではないか。
  • 一般行政から独立しているべきことに国民的にある程度の合意はあるのだろうが、変な首長が出てきたときのためということであれば、福祉や環境は分けておらず、教育だけ特別なのか疑問もある。
  • 検討課題としては、教育委員会を設置するかどうか、又はその事務を市長が行うかどうか自主的に選択できる制度も検討すべき。ただし、首長が変わるたびに教育委員会の設置の有無が変わる問題もあり、検討課題としての提示である。
  • 一般行政に比べて教育界の透明性のチェックシステムは働きにくい。この点、教育の経営感覚や透明性を確保するためには、レイマンコントロールの意義が認められるが、一方で、教育の専門家の能力が十分に発揮される環境も整えるべき。
  • 教育は次代を担う子どもの人格形成を担うものであり、教育の中立性の確保は、今日の地方分権の流れにあっても普遍的なもので、憲法・教育基本法の要請に基づく基本理念である。したがっていかなる首長の下にあっても、教育行政が適正に執行される制度的保障が必要。
  • 教育行政の執行体制として、今後とも首長から独立した執行機関で対応していく必要があり、それらを制度的に保障している現行制度を維持すべき。
  • レイマンコントロールは、教育行政の方針決定について教育の専門家の独断に流されないよう、社会の良識を広く反映させる仕組み。教育行政には、複雑多様化する地域住民のニーズに適切に対応するため、高潔で幅広い見識をもつレイマンの大所高所からの判断が必要。
  • 教育委員会の必置規制を見直すべきとの意見については、教育は国の根幹に関わるものであり、また教育の機会均等や教育水準の確保といった点からも、制度の基準性・枠組は、国の責務として国が明確にすべきものであり、地方の判断に委ねる性格のものではない。
  • 市町村教育委員会の体制強化が必要不可欠であり、そのために指導主事の配置を整備するべき。
  • 地域における教育振興は将来を展望した上で、民意を反映しつつ独立した執行機関である教育委員会が担うのが妥当である。
  • レイマンコントロールは重要であり、それに基づき、教育委員の在り方、使命について詰めて考えるべき。
  • 教育委員会が身近な存在となるには、窓口を開き相談に乗り、要望・要請に応えていく姿勢が大事と考える。
  • 教育委員の人材確保については、教育委員会制度の充実の観点から必須要件であり、特に教育長職には教育および教育行政に精通した人材が求められる。
首長と教育委員会の関係
  • 首長は、教育委員会をはじめ学校関係者と連携して、もっと教育行政における課題解決に積極的に努めるべき。
  • 市長と市町村教育委員会との連携を強化すべき。中立性の問題があるものの、委員会会議の開催回数を増やし、市長がオブザーバーとして意見陳述する機会を増やすなどの取組が重要である。
  • 首長は教育委員の任命、予算調整権・執行権を通じて間接的に教育行政に影響を及ぼすが、より一層の両者の意思疎通を図り、地方公共団体としての調和ある運営を展開するため、実務者レベル、首長と教育委員又は教育長との日常的意見交換が重要である。
  • 学校教育分野は、中立性・安定性の確保と、法制度上の枠組からも教育委員会が所管すべきで、生涯学習や文化・スポーツ分野については、まちづくりとの関わりが深い等の理由から、その所管については一元化せず、相互の連携を密にし、両者が同一歩調で展開していくべき。
  • 予算に関わる権限の調整を図る観点からは、首長と事務局との連携の在り方を定期的な意見交換や懇談等、具体的に検討する必要がある。
  • 教育委員会が身近な存在となるには、窓口を開き相談に乗り、要望・要請に応えていく姿勢が大事と考える。実際、教育委員会には、生涯学習社会を構築するための提言や教育文化、スポーツ、文化をはじめとする内容面施設面からの相談も多く、多面的な視野のもと、これらの事務は教育委員会に担当させるべき。(一部再掲)
  • 地域住民の最も身近な存在として地域の実情を把握し、生涯学習社会構築を目指している地方自治体にとって、教育委員会が一貫した地域の教育振興(教育・文化・スポーツ等)に果たす役割は極めて大きい。
  • 幼児教育の面で、教育委員会と首長部局の福祉部との関係、子育て支援の事務や私立学校における事務は教育委員会で担うべきとの意見があり、検討すべき。
国・都道府県・市町村の関係
  • 教育における地方分権を推進し、地方の自主性・自律性を高めるべき。
  • 教育委員会は文部科学省を見て仕事をするのではなく、教育は地域住民に対するものであり、地域住民のチェックを受ける体制とすべき。
  • 指定都市については、十分に県と同等の役割を果たしうる力を持っており、教育行政分野でも人事、財政面で自由度を持たせるべきではないか。
  • 都市の規模に応じて学級編制権限や教職員の人事権などを市町村教育委員会に移譲すべき。ただし、小規模市町村や財政基盤の弱い市町村において教職員人事を担当するのは困難である。
  • 全国的な教育水準の確保と地方分権の推進との調整を図るため、国・都道府県・市町村が連携を保ち、協力と連携を行うことで相補うことが重要で、そのために、市町村教育委員会の体制強化が必要不可欠であり、そのために指導主事の配置を整備するべき。(一部再掲)
  • 義務教育に求められる教育水準の確保の点から、市町村単位での教員・管理職任用、人事異動等は、長期的に見ると人事の停滞や硬直化を招くことが危惧される。これにより優秀な人材確保が困難になること、市町村間での勤務条件等の格差が生じる可能性があること、市町村で採用試験等の能力実証が可能かどうか不明であることなどから、市町村教育員会や校長の意見を尊重しつつ、都道府県が人事権を担う現行制度が望ましい。
  • 市町村合併の状況次第では、総合的な行政力がある自治体には人事権を移譲してもいいという意見も多い。
  • 都道府県と市町村の一体的な連携を促進し、互いにパートナー的な対等・協力関係を築いて教育水準の維持向上を図りつつ、都道府県からの人事権を含めた権限の移譲など役割分担の検討が必要。
  • 義務教育費国庫負担を前提とし、全国一律の教育水準の維持向上につながるようにすべき。
学校と教育委員会との関係

学校の自主性・自立性の確立

保護者、地域住民の参画
  • 学校運営について地域の実情に応じた特色ある学校づくりの必要性から学校・校長の権限を強化すべき。
  • 学校評議員や外部評価制度から地域住民の学校運営参画の方途を広げるべき。そのための教育行政における情報は積極的に提供すべき。
 
  • 学校が自らの判断と責任で教育活動を展開し、保護者や地域住民の期待に応えていくためには、各学校が教育活動の自己評価、その結果に基づく不断の見直しを図るとともに、必要な教育情報を保護者や地域住民に提供することにより説明責任を果たしていくシステムの構築が必要である。そのため、学校評議員の積極的な活用、教職員による自己評価、それを補う外部評価制度の確立をすべき。
  • 学校の独自性や自主性が最大限に生かされるよう、校長の裁量権を拡大するべき。
論点 指定都市教育委員・教育長協議会 中核市教育長連絡会 全国都市教育長協議会 全国町村教育長会
教育委員会制度の意義と役割(教育委員会制度の在り方)
  • 自治体の長から独立した合議制の執行機関としての教育委員会制度は、教育行政の中立性・安定性・継続性を確保する観点から積極的に評価でき、維持していくべき。
  • 地方の教育行政を担う教育委員会制度の在り方について模索する必要性は大きく、運用面において工夫・改善を行い、教育委員会の活性化を図るべき。
  • 教育委員会の任意設置は、全国的な教育水準や教育環境の不均衡を招きかねず、反対である。
  • 独任制の執行機関として教育長を位置づけることは、意思決定の迅速さや責任の明確化などのメリットを評価しながらも、合議制やレイマンコントロールによるメリット(中立性・安定性・継続性の確保等)を優先すべきであり、反対である。
  • 首長が教育行政を所管し、首長の諮問機関として「教育審議会」を置くことは、中立性・安定性・継続性を確保する手法としては、教育委員会制度よりも劣り、反対である。
  • 現状の教育委員会制度の存続を希望する。教育行政における中立性・安定性・継続性を確保するため、首長から独立した合議制の執行機関としての教育委員会制度は重要である。
  • 教育委員会会議の名誉職化、形骸化という問題には、研修の充実、会議回数の増加、情報の共有化、会議での教育現場に密着した議論の展開などの取組で対応可能である。
  • 教育委員会から教育長への委任・専決等の在り方については、それぞれの任務の在り方に照らし改善していくべき。
  • 教育の中立性、継続性、安定性の確保のために教育委員会制度は欠かせない制度である。
  • 会議の形骸化を避け、迅速な意思決定を行うためには、毎月の定例会のみならず臨時会や研修会を積極的に行い、実質的な議論や意思決定が行えるよう努めるべき。
  • 地方分権を生かした特色ある教育の推進のためには、広域化や指導主事等の専門家の配置等による事務局体制の整備が必要である。
  • 市町村合併が進んでいるものの、全体として小規模な教育委員会が多数というのが現状。また指導主事、社会教育主事等、事務局職員の配置も条例の枠内にあり、首長の意向に左右され、事務局の職務遂行体制は不十分である。よって事務組合や教育委員会の共同設置の活用、促進により、事務局体制を一層充実・強化すべき。ただし、広域化については、首長の考え方によるなど、首長部局で議論した方が進みやすいだろう。
首長と教育委員会の関係
  • 分野によっては、事業の企画・実現、予算確保などの面から、また市長部局への事務委任や補助執行が積極的に活用されている実態からも、必ずしもすべての教育行政事務を教育委員会が行う必要はない。
  • 私立学校については公立学校事務と一体的に進めた方が有効ではないか。
  • 現行制度のまま、首長との役割を明確にし、十分な連携をとっていくことが重要である。首長が直接教育行政を所管することには反対である。
  • 生涯学習分野のうち、教育の中立性・継続性・安定性を厳格に求める必要のない分野については、首長が行うべきとの市もあるが、意見の一致にはもう少し検討が必要である。
  • 社会教育、家庭教育の分野等は、学校教育と強い関連があり、事務を移行するのではなく教育委員会において強化していく分野と考える。
  • 地方交付税は、首長が自由に使える資金という感覚が強く、教育委員会が主体的に教育行政を担うためには、財政面で関与できるのがよい。
国・都道府県・市町村の関係
  • 地方の独自性ある教育の推進は、地方の重要な役割であるので、独自性を発揮できるよう、さらなる規制緩和や権限委譲、国・県の指導・助言・援助の見直しをすべき。
  • 道府県教育委員会の役割は、必要最小限の条件整備等に特化すべき。ただし「政令指定都市と道府県」と「一般市町村と道府県」の関係を同列で論じることは不可能であり、市町村の規模等の違いによって、道府県の役割は異なる。
  • 教員定数の割り当て等についても指定都市に任せて欲しい。
  • 義務教育は、国民としての必要な基礎的資質を培うために、憲法の要請に基づき行われるもので、その教育水準の確保は国の責務である。
  • 都道府県から中核市に、政令市同様の人事権・財源の移譲をすべき。
  • 教員の資質向上は広域人事のみならず、小中学校間の交流などでも図ることができる。
  • 市町村への権限の移譲は、まずは中核市への移譲を行ってから次の規模の市町村へと、規模に応じて段階的に進めるべき。
  • 今後も進むであろう財政逼迫と合併によって市町村格差は広がる。また、規制緩和により、財政状況次第で「何でもできる市町村」と「何もできない市町村」の二極化が懸念される。義務教育の機会均等を保障し、ナショナルスタンダードが確保できるか不安である。
  • 義務教育費国庫負担制度は小規模町村の最後の砦である。
学校と教育委員会との関係

学校の自主性・自立性の確立

保護者、地域住民の参画
 
  • 学校には権限と責任を与え、自主性・自律性を高めるべき。また、教育委員会は最終的な責任を負うなど、これをバックアップすることが重要。
  • 教育委員会は、学校の自主性を損なわないように留意しつつ、的確な行政指導を行い、学校のみでは対応しきれない問題が生じた場合は、教育委員会が迅速かつ強力にバックアップする体制を整えるべき。
  • 学校評議員制度を有効に活用し、地域の目を学校運営に取り入れることにより活性化を図るべきである。
 
論点 社団法人全国公民館連合会 財団法人日本体育協会 社団法人全国公立文化施設協会 全国史跡整備市町村協議会
教育委員会制度の意義と役割(教育委員会制度の在り方)
  • 教育委員会の抜本的改革は必要ないのではないか。
  • 決定が迅速ではないとの指摘については、教育委員会は大所高所の方針について時間をかけて議論をすべきで、日常的に迅速な決定は教育長がやるべきものである。
  • 教育委員が責任を果たせないのは事務局からの情報提供が足りないことが原因である。教育委員会の活性化は事務局の力量次第である。
  • 教育委員会は事務局の支えが重要であるため、事務局規模の異なる市町村で同一の制度を採っても、事務局体制が小さいところでは、教育委員会は十分に機能を発揮しない。広域化によって事務局組織の規模の拡大を図るべき。
     
首長と教育委員会の関係
  • 首長部局との連携については、特に教育長によって、日常からこまめに情報を共有することが大切である。
  • 首長部局が教育委員会事務局に優れた人材を出向させ、互いに交流が円滑に行われるシステムを作るべき。
  • 教育委員会内部で、社会教育を軽視し、学校教育を偏重する傾向がある。これが首長部局へ移管すべきという主張の背景の一つではないか。よい子どもはよい地域から育つのであり、公民館はその地域の核となるものである。教育委員会は、学校教育、社会教育、家庭教育について、それぞれの連携強化に努めることが重要である。
  • スポーツの振興に関し、教育委員会と首長部局はこれまでも連携されており、スポーツ団体としてもこうした関係が今後も重要。
  • 生涯・競技スポーツの根幹となる青少年スポーツの振興は、体力やスポーツ習慣の形成時期等からみて、スポーツ団体と学校教育(教育内容・教員・施設)が密接不離の関係にあり、指導者や施設面からもスポーツ団体と学校の連携は大変重要。
  • 現場からスポーツ分野の事務を首長部局へ移行すべきとの意見はなく、移行させるべき必要性も感じられない。
  • 文化行政については、文化活動の側面のどこに着目するかによって所管・事業内容が異なる。文化会館の所管部局は、徐々に教育委員会所管から知事部局所管へと移行しており、ほぼ半々である。都道府県立の文化会館では9割近くが首長部局である。
  • 所管の別にとらわれず、両者が緊密な連携協力の下で、地域住民を巻き込んだ事業を展開することが重要である。
  • 首長所管のうち、都道府県では自治体直轄と財団による運営が半々、市町村では直轄が多い。徐々に財団による運営が増えてきている。近時は、新たに導入された指定管理者制度への対応が課題となっている。
  • 文化財は、将来の文化の向上発展の基礎をなし、一旦毀損滅失したら回復が困難なものである。また、住民の愛着、文化財を尊重する態度をはぐくむためには、学校教育、社会教育において、保護の普及啓発、人材育成に取り組む必要があることから、首長と密接に連携を図りながらも、原則として教育委員会が所管する必要がある。
  • 首長部局の開発行為との調整を図る観点からも、独立した機関が担当し、適切に審査をしていくことが重要であり、また、開発行為の円滑な執行にもつながなる。首長部局は、財産の取得、予算の措置の面から教育委員会と密接な関係を持ちつつ、支援をしている。
  • 財政規模の小さい市町村では、首長部局にその専門の部局や課を設置することや、専門的な知識をもった職員を配置することも困難であり、教育・学術・文化に識見を有する者が委員に任命される教育委員会の役割が大きい。
国・都道府県・市町村の関係
  • 地方分権を進めても、自力で教育事務をすべて企画立案実行できる市町村教育委員会はない。国、都道府県、市町村の相互の指導、連携と支援が重要であるとともに、国が責任を持って、どの地域でも一定水準の教育を提供できる環境を整えてはじめて、地域の特色を生かした地域に即した教育が展開できる。
     
学校と教育委員会との関係

学校の自主性・自立性の確立

保護者、地域住民の参画
  • 学校は地域にあるということを意識するのであれば、「地域に開かれた学校」として開いてあげるという意識ではなく、「地域と一体となった学校」との発想であるべき。
  • 校長の権限強化より、学校の組織としての成熟度が問題である。現在でも校長には十分な権限があるが、学校の教職員に、上下関係、命令連絡系統の意識が不足しているなど、組織として未成熟なため、その権限を活用できないのが現状であり、学校の組織の確立を図るべき。
     
論点 全日本私立幼稚園連合会 日本私立中学高等学校連合会 全国国公立幼稚園長会 全日本中学校長会 社団法人全国高等学校PTA連合会
教育委員会制度の意義と役割(教育委員会制度の在り方)
  • 教育の中立性を確保することについては、教育委員会制度は有効に機能している。
  • 教育委員会は行政体制としてどうあるべきかということより、教育現場への財政的、人事的支援を行うこと、住民のニーズに応じた迅速かつ柔軟な運営体制を確立することを考えるべき。
  • 地方分権や市町村合併の進展し、改革に伴う混乱が予想される中、教育の中立性・安定性・継続性を確保するとの教育委員会制度の理念は堅持されるべき。
  • 教育委員会の事務局に、幼児教育の免許を持っている、あるいは幼児教育の経験のあるような幼児教育の専門性を有した指導主事を配置して、各幼稚園を指導して回るというように、体制の充実を図るべき。
  • 公教育の使命を果たすためには、首長から独立した教育委員会制度は欠かせないものである。
  • 学校にとって教育委員会のサポートは重要であり、その意味で、地方分権の進展の中で市町村教育委員会の規模に格差が生じ、それが学校の教育の質の差につながることのないように留意する必要がある。
  • 中学校教育は、小中9年間、中高6年間など長いスパンで安定的、継続的に考えられるべきであり、教育委員会の意義は大きい。
  • 子どもの教育上の諸問題について教育委員会制度にも問題があるとの指摘は、直接に教育委員会制度の問題とは関係はないと考える。
  • 地域住民のニーズに応えようとする方向は望ましいが、委員の中には、十分にそれに答えられていない場合もあり、教育委員の公募などの取組も一考である。
  • 教育改革の動向にはめまぐるしいものがある一方、今の教育委員には我々親の世代よりも上の年配の方が多いため、少し鈍感なところがあるように思う。もっと若い世代が教育委員になるべきではないか。
  • 小規模な市町村では、専従職員がいない場合があるなど、機能の充実が必要である。
首長と教育委員会の関係
  • 子育て支援や少子化対策など家庭への支援の観点から、首長部局との連携の在り方について再検討が必要。
  • 公立幼稚園は市町村立、私立幼稚園は都道府県の知事部局、教員の研修は都道府県教育委員会と、担当が一元化されておらず、将来的に問題が大きいのではないか。
  • 地域には幼稚園だけでなく保育所もある。世界の流れは3歳からの教育を確立しようとしている。教育が全ての子どもたちにかかっていないのは問題である。全ての子どもにどのような教育をすべきなのか、国がナショナルカリキュラムを示し、教育委員会がきちんと見るべきである。
  • 私立学校が知事部局を通じ、教育委員会との緊密な連携、公立学校との交流を図っていくことに異論はないが、行政の一元化については、私学の自主性、私学教育としての特質が失われる可能性、経営に対する官僚統制の危険性も若干あり、現行の機構の下で財政事情等によって画一的に一元化することには問題がある。
  • 教育委員会の指導から距離の取り方については、子どもの発達段階に応じて、画一的に教えるべき段階と子どもの個性に応じて教育をすべき段階があり、幼稚園段階では、教育内容等も含めてある程度画一的に指導する必要があるが、中学校、高等学校段階では各学校の自主性に任せた方がよい。
  • 教育的視点より経済性・効率性を優先され、首長の交代によって幼稚園の存亡が左右される事態がある。首長との連携を図りつつも、公立幼稚園についての教育委員会の権限を明確にしておくべき。
  • すべての子どもが幼児期にふさわしい教育を受ける権利を保障する仕組みづくりが重要であり、公立・私立等の設置主体や、幼稚園・保育所等の別を問わず、すべての子ども(特に3歳以上)の教育に教育委員会が積極的に関与すべき。
  • 公教育は、教育委員会が中立的、継続的、安定的に担当すべきであり、首長との関係については、教育を地域の特色や特性を生かして行う中で、連携の在り方を吟味すべき。
  • 朝令暮改的に変革に進めることのないよう、教育委員会が教育に対する確乎たる理念を持ち、教育の不易と流行をしっかり認識して首長と摺り合わせを行うなど、調和とバランスの取れた関係が必要である。
国・都道府県・市町村の関係
  • 教育面で教育委員会との連携を図る場合に、現在の市町村教育委員会の規模では十分ではないが、今後広域化を図るなど一定の規模を備えた場合には、市町村教育委員会に権限を移すべき。
  • 現在、私立幼稚園は運営については都道府県が所管しているが、教育内容については、より現場に近い市町村の教育委員会が見るべきである。
  • 地方分権の是非や影響については、都道府県では20倍、市町村では4万倍の人口差があり、一概に論じることは難しく、分権の如何にかかわらず、学校が校長のリーダーシップにより、学校ごとにきっちりと運営することを中核に据えるべき。
  • 都道府県と市町村の関係は、細かい教育方針の上意下達ではなく、役割分担を明確にすべき。
  • 義務教育についてのナショナルスタンダードを示すことは必要であるが、それとともに、義務教育の土台となる幼児教育の充実を図るべき。
  • 公立幼稚園の設置主体は市町村であり、住民に身近な市町村教育委員会が責任を持って教育行政を行うことが重要であるが、都道府県教育委員会も、教員の研修、広域的な課題解決のため一定の役割を果たすべき。
  • 地方分権が進展する中でも義務教育は国が責任を持つべきであり、その根幹をなす義務教育費国庫負担制度は堅持すべき。
  • 地方分権の中で権限移譲が進むと、事務を適切に行うための財源も必要であり、小規模市町村では教育事務所単位など広域的に教育事務を共同処理することを考えるべき。

 

学校と教育委員会との関係

学校の自主性・自立性の確立

保護者、地域住民の参画
  • 地域の意向の反映が強調されているが、一部住民だけのエゴなのか本当に地域の意見なのか区別が難しい。多くの意見の中で議論されていくプロセスがなければ学校現場が混乱するおそれがある。
  • 教育をサービスと捉える意見もあるが、教育は、サービスとして保護者の子育ての不安の除去などのニーズに安易に応えるべきものではなく、親と子が向き合い人生を乗り越えていくための共有の場として、それを支える機能を果たすべき。
  • 常に教育委員会が幼稚園などを指導するという形ではなく、幼稚園などの現場と教育委員会が互いに相談し連携を図るべきである。
  • 地方分権の是非や影響については、都道府県では20倍、市町村では4万倍の人口差があり、一概に論じることは難しく、分権の如何にかかわらず、学校が校長のリーダーシップにより、学校ごとにきっちりと運営することを中核に据えるべき。(再掲)
  • 指導主事は、その地域の教育課程の基準を作り、学校にそれを守らせる方向になりがちである。学校独自の、それぞれに特色ある教育目標の実現に向けて、学校の教育活動に助言をする方向でサポートを行うべき。
  • 地域住民や保護者の要望への対応については、校長のリーダーシップで責任を果たすべき。
  • 教育委員会の事務局に、幼児教育の免許を持っている、あるいは幼児教育の経験のあるような幼児教育の専門性を有した指導主事を配置して、各幼稚園を指導して回るというように、体制の充実を図るべき。(再掲)
  • 教育委員会の支援は欠かせないが、各幼稚園の有するノウハウを施策に反映させるなど、双方向の関係を築くことが大切。
  • 保護者、地域住民の参画は意義が大きいが、一方で、中立性・公平性・教育的見地からの配慮も要する。
  • 学校管理規則について、現状では、どこの市町村でも同じ規定ぶりであるが、市町村がそれぞれ特色を出して取り組めば裁量権の拡大につながる。
  • 教育支援には大きく分けて、人事行政と指導行政があるので、その両方をバランス良くし、教育委員会は学校を支える多様なサポートシステムを構築すべきである。
  • 学校に地域の声を反映させることは望ましい。PTAは学校に最も近い存在であり、PTAと学校が一緒に行う取組について、教育委員会が関わってくることを期待する。
  • 父親は子どもの教育について学校任せで、教育委員会のことも知らない。父親の教育への参加を増やす必要がある。
  • 保護者の校費負担については、学校間格差が大きいのではないか。今は生徒数が減り、保護者の考え方も多様化しており、負担増については、しっかり説明をしないと理解を得られない場面も少なくない。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課