2‐2 メリーランド州モンゴメリー学区教育委員会の概要

1 学区教育委員会

(1)教育委員

1.委員数、選出方法等

  • 委員数・・・8名(学生委員1名を含む。)
  • 選出方法・・・公選制(学校区居住の住民による直接選挙)。
     学生委員については、立候補資格が高校3年生または4年生であることとされており、高校生による選挙によって選出される。
  • 任期・・・成人委員は4年間。学生委員は1年間。

2.委員長・副委員長

  • 構成・・・委員長、副委員長各1名で任期は1年(再任可)
  • 委員報酬・・・委員 18,500ドル(1ドル=110円で約203万円)
     学生委員 5,000ドル(1ドル=110円で約 55万円)※奨学金として。
     ※ この他に教育委員会全体に対して4,000ドルが支払われる。

3.委員の属性

  • 職業・・・連邦政府職員2名(空軍、厚生省各1名)、歯科医師1名、元教師1名、主婦2名、建築家1名、学生1名。

(2)教育委員会会議

1.主要議題

  • 予算案・・・教育長から教育委員会に対して提案され、教育委員会において、公聴会を開催するなどして検討を行う。必要があれば修正の上、郡議会へ提案。
  • 予算案以外・・・教育長の任命及び評価、校長・副校長の採用の認可、教育長が具申した労働協約についての承認、重要な政策・方針の採択(例;懲戒、卒業等の要件、校内での携帯電話使用の可否)など。なお、一般的に、異議申立て、労働協約に関する交渉、人事などは非公開案件として扱われる。

 ※ 学生委員は、政策関係一般については投票できるが、予算、教員組合との契約交渉、職員の懲戒罰については投票権を持たない。

2.開催回数等

  • 定例会・・・毎月2回。通常火曜日に開催され、午前9時から午後5時頃まで行われる。通常の会議開催に先立って、午前8時から午前9時までの間に委員のみで会議を行う場合あり。また、夕方に開催される場合もある(午後7時から午後11時頃まで)。

3.会議の傍聴等

  • 原則公開。テレビ中継あり。ただし、異議申立、人事案件等は秘密会。
  • 会議資料は事前にHP上に掲載。議事録も会議後1ヶ月以内に掲載。
  • 住民は関心事項や懸念事項について意見陳述を行うことができ、約30分間が意見陳述に当てられている。
  • 教育長が決定した事項(例;転校許可、飛び級、懲戒罰)について、教育委員会に対して異議申立を行うことができる。

(3)その他の活動

 教育委員は、会議以外にも、日常的に学校訪問を行っており、また、保護者の会合、教職員組合、民族グループ、市民団体、郡議会、州議会、レセプション、各種パーティー、交渉ごとなど各種の会合にも参加している。テレビに出演したり、インタビューに答えるなどのマスコミ対応も行っている。

2 教育長

 郡内には、191校(小学校120校、中学校36校、高校23校)あり、地区毎の経済状況の差が大きく、同一郡内にあたかも2種類の学校制度が存在しているような状況である。現在の教育長は在任5年目だが、このような状況にあって、一定の教育成果を挙げていると評価されている。

(1)群教育委員会と教育長の関係

 郡教育委員会が教育長を採用する。郡教育委員会が各種方針を作成し、その方針に則って教育長は学校を管理する。教育長は郡教育委員会に対して説明責任を負っている。また、郡教育委員会は、教育長に対して指示を行うことができ、教育長の業績について評価を行う。

(2)教育長の採用

 基本的に教育委員会のスタッフが人選の事務作業を行うが、教育長の候補者探しを請け負うコンサルタントを活用することもある。

3 事務組織 - モンゴメリー学区教育委員会スタッフ

 教育委員会事務局とは独立して、7名のスタッフが教育委員をサポートしている。主な職務としては、郡議会・州議会における立法関係、オンブズマン制度、苦情処理、政策・方針に関する調査研究、マスコミ対応、スケジュール管理等を行っている。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課