現在の教育長はメリーランド州初の女性教育長で、13年間の長期にわたり在任している。
教育委員会が各種の方針を決定し、教育長はその方針に従って行政を行うこととされており、両者の役割は明確に区分されている。また、州法により、特定分野については教育長が権限を有しており、教育委員会に相談なく自ら決定できる。(例:転校などに伴う学校閉鎖)
教育長は事務局代表として教育委員会会議に出席する。
州内には24学校区に分かれており、その全てが郡や市の境界線と一致している。各郡に教育委員会と教育長がおり、教員、行政職員の採用、解雇、給与支給を行っている。州教育省では、教員免許やその他専門職の認定等を扱っている。加えて、州政府の図書館運営を実施している。
特に他州と異なる点として、職業訓練学校や厚生施設における職業訓練も所管しており、また、少年院や厚生施設入所者に対する教育についても教育省への権限移管(テイク・オーバー)が行われていることが挙げられる。
職員数は、およそ1,450人(州政府職員、1年任期の契約職員、学校区からの出向者)で、このうち学校教育(幼稚園~高校、特殊教育等)を担当しているのは350名程度である。言語、数学、理科の専門家が各1名いる。
20年ほど前は、地域に根ざした学校制度を整備することが重要との認識があり、主な職務は、連邦資金、州資金を地方の学校区への配分だけで、指導や命令を行うということはなかった。10年ほど前においても、学校制度についてはそれぞれの学校区が最も統治能力が高く、大きな権限を有していた。
しかし、1990年以来、州教育省は、学校評価、カリキュラム改革などにより生徒の成績向上に努めており、また、情報公開と説明責任をベースに、学校の全面的な改革、再構築に指導的役割を果たしたことで、24学校区に対して真の権限を有するようになっている。
生涯学習政策局政策課