平成16年8月23日
全国史跡整備市町村協議会副会長
多賀城市長 鈴木 和夫
多賀城跡の保存については、全国的にも早く奈良の平城宮跡などと共に 大正11年に史跡指定された。史跡の名称は、多賀城の付属寺院と見られ ていた廃寺跡も含めて「多賀城跡附寺跡」と名付けられた。
保存事業は、昭和30年代に開始された。はじめに昭和35年から廃寺 跡の発掘調査が行われ、続いて38年から多賀城跡の調査が行われ、この 調査成果により昭和41年特別史跡に昇格した。
その後、特に多賀城跡の周辺部で各種開発計画に対応する発掘調査が行 われ、その結果、多賀城に付属する遺跡が相次いで発見されたことから、 これまで数回の追加指定が行われている。このように、多賀城跡は早くか ら行政的に保護される一方、開発計画等から本特別史跡を守るため、指定 範囲を拡大すると共に、関連する遺跡の追加指定が行われている。
現在、特別史跡の保存事業については、管理団体である多賀城市と宮城 県が分担して行っている。市は、土地買上等公有化事業とその維持管理事 業を行い、県は、発掘調査事業と環境整備事業を担当している。我が国の 歴史上重要な遺跡である多賀城跡の保存事業に、県と市が共同して取り組 んでいることは、特筆されるものと思われる。各事業の実績は下記の表の とおりである。
事業名 | 事業主体 | 実施面積 (m2) |
費用(千円) | 全体面積比率(%) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
土地買上げ等公有化事業 | 多賀城市 | 515,637.50 | 6,968,490 | 47.88 | 昭和38年度~現在 |
発掘調査 | 宮城県 | 104,603.00 | 963,120 | 9.71 | 昭和44年度~現在 |
環境整備 | 宮城県 | 270,980.00 | 856,032 | 25.16 | 昭和45年度~現在 |
指定面積:1,076,834.83m2
生涯学習政策局政策課