資料9 文化芸術振興施策の推進に係る首長部局と教育委員会の関係(公立文化会館の所管に関連して)(社団法人全国公立文化施設協会)

平成16年8月23日
社団法人全国公立文化施設協会

1 公立文化会館の所管部局の現状

1.当協会加盟の公立文化会館の所管部局(平成15年度 当協会加盟施設)

 1,398館中 首長部局647(46.3%) 教育委員会751(53.7%)
 協会運営に特に支障はおきていない。

2.当協会が文化庁から委嘱を受け実施している平成16年度「本物の舞台芸術体験事業」の所管部局

 114市町村中 首長部局18(15.8%) 教育委員会96(84.2%)
 事業の周知 文化庁(当協会) → 都道府県首長部局(一部教委) → 市町村教育委員会(一部首長部局) → 公立文化会館
 一部、ねじれはあるが、事業の実施に際して、特に支障はおきていない。

2 地域の文化芸術振興の拠点としての公立文化会館の所管について

1.教育委員会所管の理由

 文化芸術活動は人間の精神活動、教育活動の成果をベースにするものであるので、教育委員会が主体となり、首長部局と連携協力しつつ、学校教育も含む生涯学習として一貫性を持って推進していくべきである。そのため、公立文化会館も教育委員会所管の教育機関としてとらえる。

事例

  • 音楽、演劇、舞踊のワークショップ、アウトリーチ活動、鑑賞事業の実施等、地域の人びとの生涯を通じた、舞台芸術に関する教育機関としての役割を果たしている公立文化会館。
  • 公民館施設として文化ホールを設置。(特に町村に多い。)
  • 学校教育と連携し、鑑賞教室、演劇祭、合唱祭、出張ワークショップ等を実施している公立文化会館。

2.首長部局所管の理由

 「文化振興行政」及び「地域の文化芸術振興の拠点としての公立文化会館」の所管は、文化行政がまちづくり施策と大きな関連があるので、首長の主導の下、すべての行政が関連する総合的施策として推進することが望ましい。

事例

  • 首長主導の下、文化の地産、地消をめざす、文化立県を推進。
  • 観光、まちづくり、地場産業振興の施策として特産品をテーマとした音楽祭を実施。
  • 町長以下多くの町民が創作演劇に出演することにより、文化会館を町民全体の楽しみの場として位置付け、演劇によるまちづくりを推進。

3 今後のあり方

 上述のとおり、文化行政には様々な視点や側面があり、そのうちの何を重視するかによって、所管や事業内容が異なってくる。いずれにせよ、自治体が文化芸術施策を効果的に推進していくためには、所管の別にとらわれない緊密な連携・協力の下で、地域住民を巻き込んだ事業展開が必要である。

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