資料7 「地方分権時代における教育委員会の在り方について」への意見(社団法人全国高等学校PTA連合会資料)

全高P連 第125号
平成16年8月18日

中央教育審議会教育制度分科会
地方教育行政部会長 鳥居 泰彦 様

全国高等学校PTA連合会
会長 藤井 久丈

 標記の件につき、本PTA連合会として、以下の意見を述べます。

1.教育委員会制度の意義と役割について

 教育行政における中立性・安定性・継続性を確保しつつ、地域住民のニーズにより応えられようとする今回の方向性に、基本的に賛成する。
 しかし、いまだ教育委員が名誉職的存在で、教育の専門的立場や、あるいは地域住民の立場からの方向性も打ち出せず、ただ、中央の動向に追随している地域もある。全国高P連としても高校生の健全育成、そして子弟教育という立場から、PTAの願いや地域の意思を教育委員会制度により反映させる努力を望む。教育委員の一部公募制の一層の活用も一考かも知れない。

2.首長と教育委員会との関係について

 現在の社会経済の急激な変化と改革の進行の中で、教育においても同様な変革が求められるのは当然である。しかし、教育委員会が教育に対する確乎たる理念がない場合、時に突飛な首長の思いつきのまま変革を進め、結果的に朝令暮改的なものとなってしまうこともある。教育の不易と流行をしっかり認識し、調和とバランスのとれた両者の関係が必要であり、教育委員会の中から現場教育の立場、地域の立場、保護者の立場、そして中長期的見識など、様々な意見と首長の見解をすり合わせて方針を決定してほしい。

3.市町村と都道府県との関係及び市町村教育委員会の在り方について

 教育行政の広域化が進められる中で、少しずつ改良されてはいるが、今尚、教育委員会とは名のみの存在で、専従している職員がほとんどいなかったり、全くのレイマンである小さな市町村がある。特別の予算措置を講じたり、教育現場と教育行政の人事交流を一層推進する中で、小さな市町村教育委員会でも実質的機能を果たせる手だてをお願いしたい。学校評議員制が進む一方、市町村教育委員会の機能も充実されたい。

4.学校と教育委員会との関係及び学校の自主性・自律性の確立について

 地域住民や保護者の意見をより学校教育に反映させるための学校評議員の制度が、広く取り入れられてきているのは好ましいことである。また、学校の自主性・自律性を高めるためにも、学校独自予算や学校予算に関する校長裁量幅の大幅な拡大を望む。
 PTAは学校の自主性、自律性を支援する社会教育関係団体として最も学校に近い存在であると自負している。教育現場である学校、地域社会、PTAが一緒になって行う取り組みについて教育委員会が弾力的な係りをすることを期待する。
 資料として、学校、PTA、地域社会、教育委員会が一緒になって展開した富山県の教育事業の例(高校生さわやか運動、社会に学ぶ「14歳の挑戦」など)を添付する。

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