資料3 論点ごとの現行制度の概要

1 教育行政の在り方

(1)中立性の確保について

  • 教育委員は、過半数が同一の政党に所属することができないほか、積極的な政治運動を禁じられている。(地方教育行政法第4条、第7条、第11条)

(2)継続性、安定性の確保について

  • 教育委員は、原則1年に1名ずつの改選とされている。
     (地方教育行政法第5条、附則第8条)

(3)保護者、地域住民の教育行政への関わりについて

  • 教育委員の任命については、年齢、性別、職業等に著しい偏りがないよう配慮するとともに、委員のうちに保護者が含まれるように努めるものとされている。
     (地方教育行政法第4条)

(4)全国的な教育水準の確保と地方分権について

  • 教育は、地方公共団体が自らの事務として行うほか、国が全国的な基準の設定等の役割を担うなど、適切な役割分担の下、相互に連携協力して実施。

2 教育委員会制度の在り方

(1)教育行政の首長からの独立について

  • 教育委員会は、首長から独立した執行機関として、自らの判断と責任において事務を執行する。(地方自治法第138条の2)

(2)レイマンコントロールについて

(3)合議制について

  • 教育委員会は、合議制の機関とされている。(地方教育行政法第3条、第13条)

(4)教育委員の人選について

  • 教育委員は、首長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから、首長が、議会の同意を得て任命する。
  • 教育委員の任命については、年齢、性別、職業等に著しい偏りがないよう配慮するとともに、委員のうちに保護者が含まれるように努めるものとされている。
  • 教育委員は、非常勤とされている。
     (地方教育行政法第4条、第11条)

(5)教育長・教育委員会事務局の在り方について

  • 教育長は、教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会のすべての事務をつかさどるとともに、事務局の事務を統括し、事務局職員を指揮監督する。
     (地方教育行政法第17条、第20条)
  • 教育長は、教育委員長以外の教育委員のうちから任命される。
     (地方教育行政法第16条)

(6)制度改革について

  • 都道府県、市町村には、教育委員会を置くものとされている。
     (地方教育行政法第2条)
  • 教育委員の人数は5人とする。ただし、条例により、都道府県・指定都市は、委員数を5人から6人へ増加、町村にあっては5人から3人に減少させることができる。(地方教育行政法第3条)

3 首長と教育委員会との関係

(1)首長と教育委員会との連携方法について

  • 市町村は、地域における総合的・計画的な行政運営を図るための基本構想を定め、これに即して事務処理を行うものとされている。(地方自治法第2条)
  • 首長は、教育委員の任命を行い、教育に関する予算の調製執行、議会の議決案件の議案の提出を行うほか、教育委員会の事務局の組織、職員定員について、首長が調整権を有する。
     (地方自治法第180条の4、第180条の6、第211条、地方教育行政法第4条)
  • 首長は、予算など、教育に関する事務について議会案件の議案を作成するときは、あらかじめ、教育委員会の意見をきくものとされている。
     (地方教育行政法第29条)

(2)生涯学習、文化、スポーツ等における首長と教育委員会の役割分担について

  • 生涯学習、社会教育、文化、スポーツ等は、教育委員会が所管している。
  • ただし、大学、私立学校については、首長の所管となっている。
     (地方教育行政法第23条、第24条)

(3)教育行政への議会の関わりについて

  • 議会は、教育委員の任命に当たって、同意を与える。(地方教育行政法第4条)
  • 議会は、教育に関する予算や条例等について議決を行う。(地方自治法第96条)

4 都道府県と市町村との関係

(1)国、都道府県、市町村の関係について

  • 教育は、地方公共団体が自らの事務として行うほか、国が全国的な基準の設定等の役割を担うなど、適切な役割分担の下、相互に連携協力して実施。

(2)市町村教育委員会の在り方について

  • 市町村には、教育委員会を置くものとされている。(地方教育行政法第2条)
  • 関係の地方公共団体の協議により、一部事務組合を組織することや、機関を共同設置することなどが可能となっている。
     (地方自治法第252条の7、第284条等)

(3)都道府県教育委員会の在り方について

  • 都道府県は、法令に基づく事務のほか、市町村の教育の事務について、必要な指導、助言又は援助を行う。(地方教育行政法第48条)

(4)教職員人事権の市町村への移譲について

  • 県費負担教職員の任命権は、都道府県教育委員会に属する。(ただし、任免等は、市町村教育委員会の内申をまって行う。)
  • 市町村教育委員会は、県費負担教職員の服務の監督等を行う。
  • このほか、中核市は、県費負担教職員の研修を行い、指定都市は、県費負担教職員の任免、懲戒等も行う。
  • 都道府県は、都道府県教育委員会の事務の一部を、条例で、市町村が処理することとすることができる。
     (地方教育行政法第37条、第38条、第43条、第55条、第58条、第59条等)

5 学校と教育委員会との関係

(1)学校の裁量拡大について(学校への権限委譲)

  • 校長は、所属職員の任免その他の進退について、教育委員会に対する意見具申権を有する。
  • 県費負担教職員の場合も、市町村教育委員会の内申に添付されて、任命権者に到達する仕組みとなっている。
     (地方教育行政法第36条、第38条、第39条)

(2)学校評価について

  • 学校は、学校運営の状況について、自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するよう努めるものとされている。(小学校設置基準第3条等)

(3)学校に対する教育委員会の支援について

  • 教育委員会の事務局には、学校の教育課程、学習指導等の指導に関する事務を行う指導主事が配置される。(地方教育行政法第19条)

(4)地域住民の学校運営への参画について

  • 学校に、校長の求めに応じ、学校運営に関し意見を述べることができる「学校評議員」を置くことができる。(学校教育法施行規則第23条の3)
  • また、地域住民や保護者が学校運営に参画する「学校運営協議会」を置くことができる。(地方教育行政法第47条の5)

 注)上記中、「地方教育行政法」とあるのは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の略。

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