参考資料 学校評価及び情報提供の実施状況(平成15年度間)

1.調査の概要

 信頼される学校づくりを進めていく上では、各学校における教育活動等の状況について、適切に評価を行うためのシステムを構築して教育の質を保証し、不断の検証を図るとともに、学校の情報を積極的に公開して説明責任を果たしていくことが重要である。このような観点から、平成14年4月1日より施行されている小学校設置基準等において、学校評価について自己評価の実施と結果の公表が努力義務化されるとともに、保護者等に対する情報提供についても、各学校は積極的にこれを行うものとされたところである。
 施行後2年が経過し、各学校における学校評価への工夫ある取組みが進む中、昨年に引き続き文部科学省では、小学校設置基準等に規定する自己評価とその結果の公表状況のほか、外部評価の実施状況等を調査した。なお、今回の調査では、全国の公立学校と同様に国立、私立学校についても調査した。以下、公立学校を中心に調査結果の概要を示す。

小学校設置基準(抄)

自己評価等

  • 第2条 小学校は、その教育水準の向上を図り、当該小学校の目的を実現するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するよう努めるものとする。
  • 2 前項の点検及び評価を行うに当たっては、同項の趣旨に即し適切な項目を設定して行うものとする。

情報の積極的な提供

  • 第3条 小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、保護者等に対して積極的に情報を提供するものとする。
     (注)同様の規定が、中学校設置基準、高等学校設置基準、幼稚園設置基準においても設けられている。

調査対象

 全ての都道府県・市町村教育委員会及び全ての国公私立学校(大学、高等専門学校を除く)

調査基準日

 平成15年度間の実績値(前回の数値は平成14年度間)

回収率

 100%

調査方法

 地方公共団体又は国立大学法人の担当課が回答するアンケート方式

2.調査結果の概要

(1)学校評価の実施状況〔カッコ内は前回値〕

実施状況

  • 自己評価(公立学校)41,335校(94.6%)〔88.4%〕
  • 外部評価(公立学校)28,019校(64.1%)〔44.3%〕
    (※外部評価・・・保護者や地域住民等による評価)

学校種別の実施率

  • 自己評価
    • 小学校:98.5%〔95.6%〕、中学校98.4%〔94.8%〕
    • 高等学校:86.7%〔69.6%〕、盲・聾・養護学校:90.3%〔76.7%〕
    • 幼稚園:76.7%〔61.8%〕
  • 外部評価
    • 小学校:71.6%〔50.6%〕、中学校:69.1%〔48.4%〕
    • 高等学校:55.9%〔37.8%〕、盲・聾・養護学校:59.9%〔39.6%〕
    • 幼稚園30.3%〔15.9%〕

都道府県別の実施状況

 自己評価の実施状況は、一部を除いて100%に近い値。外部評価の実施状況は依然として各都道府県・指定都市によってばらつきがみられる。【図表1ー1、図表10、11】

国立学校

  • 自己評価 248校(94.7%)
  • 外部評価 174校(66.4%) 【図表1ー2】

私立学校

  • 自己評価 4,591校(43.9%)
  • 外部評価 1,618校(15.5%)

 また、学校設置者による評価は2,295校(21.9%)となっている。【図表1ー3】

(2)学校評価結果の公表状況

自己評価実施校の公表状況

  • 公立学校 39.0%〔38.9%〕
  • 国立学校 48.0%
  • 私立学校 24.1%

外部評価実施校の公表状況

  • 公立学校 83.0%〔73.2%〕
  • 国立学校 63.8%
  • 私立学校 43.1% 【図表2】

(3)学校評価の実施回数、評価項目、評価者

学校評価の実施回数

  • 公立学校 自己評価各学期末・年間2~3回実施(52.9%)〔約52%〕
  • 外部評価 年度末の1回実施(63.7%)〔約63%〕
  • 国立学校、私立学校では、年度末または各学期末に実施される傾向にある。【図表3】

評価項目

  • 自己評価については、国公私立いずれも授業研究・教育課程、学校行事、校内研修・研究といった項目が上位を占める。
  • 外部評価については、国公私立いずれも学校行事、地域・家庭との連携、健康・安全指導、情報の公開・発信等が上位を占める。【図表4、5】

外部評価の評価者

  • 公立学校 保護者(約78%)
  • 国立学校 学校評議員(約79%)
  • 私立学校 保護者(約64%) 【図表6】

(4)学校評価結果の公表方法

  • 公立学校における評価結果の公表方法
    • 学校便りの配布 (約69%)
    • 学校評議員への説明 (約58%)
    • 保護者への説明会 (約44%) 【図表7】

(5)学校評価における成果と課題

学校評価を通じて得られた成果

 次年度の取組みの参考、改善点の明確化、教職員の共通理解の推進など。【図表8】

学校評価実施上の課題

 国公私立いずれの学校も評価項目の設定、学校評価の活用、評価基準の設定、評価結果の公表方法、といった課題を抱えている割合が高い。【図表9】

(6)情報提供に関する教育委員会の取組

  • ウェブサイト開設の推進、指導を実施する都道府県教育委員会が約77%、市町村教育委員会で約27%と最も割合が高い。【図表12】

〔参考〕詳細は、文部科学省ウェブサイト、以下を参照。

  • 学校評価及び情報提供の実施状況(平成15年度間 調査結果)
  • 公立学校における学校評価及び情報提供の実施状況(平成14年度間 調査結果)※前回調査

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生涯学習政策局政策課