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大学入学資格検定の在り方に関する大検部会等での主な意見について


3.大検では、全日制高校に在学している生徒の受験を認めていないが、今後はどうするのか。

 現在の高校は、定時制でも3部制をとるなど全日制との区分があいまいとなってきている、全日制の生徒にも受験を認める方向で検討することが必要。
 大検の受験資格を全日制高校の生徒にも拡大し、より広く社会に活用される試験にすることが必要。
 全日制の生徒にも受検させることについては、高卒程度認定試験ならば,学力向上の目標の設定としては、利点があると考える。
  しかしながら、大検の合格基準に達しない生徒でも,高等学校の卒業が出来てしまうなど矛盾が多く生じるのではないかと思う。
 全日制の生徒にも受検できるようにするという意見に対しては,その必要はないと考える。そもそも全日制高校のカリキュラムは,それぞれの学校で特色を出すように工夫されており1部の科目を大検で取得した者が,各学校が目指す教育理念に沿った学校生活を送ることができるのか疑問である。
  なお,定時制・通信制の高校については,はじめから大検の取得を認めているが,それは最初からそのようなカリキュラム編成を行っているからであって,矛盾はない。
 単位互換制度を積極的に活用し,より豊かな学習環境を提供するという観点から,全日制高校の生徒にも受検を認めた方がいいと思う。合格した科目については,単位を取得したものとして認定し,他の教科を、より勉強する機会を柔軟に提供することができると考える。
 高校教育の多様化・多元化という視点から全日制高校の生徒にも受検を認めてよいのではないか、義務教育ではないので高校で学習するかどうかは生徒個人の選択である。
  日本の教育制度も学習者の立場に立ったものに転換すべきである。
  また、全日制に入学したからには,2年間の学習を義務付けることとし、その後、高校3年生からの受検は認め、高卒資格を付与するべきだと思う。
 全日制高校生にも受検を認めるべきである。大学に進学したいが入学した高等学校に適応できず,退学しようかどうか迷っている全日制の生徒にも,将来の選択肢を広げる為にも,受検できるようにすべきだと考える。
 新試験で全日制の高等学校へ受検資格を付与することになると、当然規模の拡大は考えられることである。しかし、混乱するかどうかとなると、新試験と高等学校という性格の異なる制度が競争的な関係となることでより良い制度となっていくのではないか。
 全日制の生徒に受検資格を与えた場合、高等学校において生徒をコントロールすることが難しくなるなど教育行政的には、非常に難しいのではないかと考える。現状は、多くの高等学校が、進路指導などに苦慮し,大きなエネルギーを割いているのが実情であり、高等学校の運営に大きな影響を与えかねない。
 全日制の受験は,定時制・通信制で認めていることから考えても,拡大しても良いが,現在の単位代替の問題点を考えると安易な拡大は問題があると思う。バイパスはバイパスにとどめるべきで,それが本道になってしまうことはおかしい。
 全日制にも受験を認めるべきかという論点については,学習意欲の減退や指導の不徹底など,高校教育活動に好ましくない影響を与えると懸念されるので,一年生からの自由な受験には賛成できない。しかしながら,学年を遅らせたり,履修認定された科目のみ受験を認める等の条件付きで認める考え方も,理論上はありえると思う。
 受験資格については,全日制の在学生にも受験を認めてもよいと考える。すでに,学校外におけるボランティア活動が高校の卒業単位として認められているほか,高校在学中の大学における履修の単位認定も制度化されており,特に不都合はないと考える。


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