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学校を退学して大検を受けたいという生徒もいるが、ほとんどの高等学校の教員は学校に通うよう指導している。今回の制度の見直しによって大多数が、学校に通わなくなることはないと思う。 |
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社会の価値観も変化しており、高校においても、高校側からの一方的な押し付けでなく、保護者や生徒の目線でカリキュラムを組むなど改革を進めているところもある。大検もこのような方向で検討を進めるべき。 |
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高等学校の中にも、学力向上のために予備校化しているところも多く、社会性を身に付けるための教育が行われているのか甚だ疑問である。 |
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大検の合格者の方が社会に出て働くなどしており異年齢の交流も多く高等学校卒業者よりも社会性を身に付けているのではないのか。 |
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高校といっても通信制の高校と自学している大検の合格者の間にはスクーリング以外に大きな違いはないのではないのか。 |
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今まで,小学校から就職までの進路については,ワンウェイだったが,現在は多様化している。今後は,いくつもの進路があって,その中から自分にあった進路を選べるような体制が望ましい。
このように考えると,新試験について,高卒の資格を付与するという方法で何も不都合はないように思う。そのためには,受検者のそれまでの経験をどのように反映させるのかを考えるべきである。 |
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現行の日本の学校制度においては、高等学校を卒業すれば,確かに高卒資格を取得できるが,その選択肢を選べない者に対して,日本の制度は永遠に道を閉ざしている。このような人に対して試験によって高卒資格付与する制度があってもよいのではないか。
また,現在、高校中退者に対しては、学校から職場や社会へのスムーズな接続が準備されていない。現行の大検も学校から学校への接続を可能とする制度に過ぎず、これに,高卒資格付与機能をもたせることで,大検が職業生活への接続を容易にしてくれるものと考える。 |
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新試験については,義務教育を過ぎてからの話でもあるし,多元的な進路を考慮にいれて検討することが望ましいと思う。通信制,単位制といった高校の多様化の中で,最低限の必修科目の学力を持っていることが確認できればよいのであって,それ以外の面については,選択として各学校に任せればいいという考え方もバイパスの機能を生かす為にはあると思う。
大学入学における高等学校の学力認定試験という中途半端な在り方をやめて,合格者の社会的位置づけを明確にするためにも,高等学校卒業資格を付与する方がいいと考える。 |
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単一的な教育内容や教育方法でなく,もっとチャンネルを増やす必要がある。
定時制・通信制や,全日制の高等学校側の倫理で考えるだけではなく,機会均等という観点から,高校に行っていない人に対して、社会へのいろんなルートを授けても良いのではないかと考える。現行の高等学校教育にとっても競争的な環境となることで、生徒の学力向上などに本気で取り組むことが必要になるなど、活性化するのではないか。
また、仮に高卒資格を付与したとしても、大学や企業において入口でチェックをしているので、問題は無いのではないか。 |
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高卒資格付与機能を認めるとすれば,例えばアメリカ合衆国カリフォルニア州のCaliforniaHighSchoolProficiencyExaminationという試験の合格者は,HighSchoolDiplomaと同等とされている。これは,高校中退者のための制度ではなく,高校に在学している者の試験であり、試験に合格し許可が出れば,大学への進学ができる。いわゆる試験による早期卒業の制度であり、この制度によってとび入学する生徒も高卒資格を付与されるという点である。
また,アメリカには,高校中退者などが受検し,高校卒業と同等の取扱いを受けることのできる民間資格のGEDという大検とよく似た試験もある。他方で,高等学校を卒業するのにふさわしい最低の能力を持ってほしいということがアメリカのアカウンタビリティであり,州によっては,高校卒業要件として学力試験を課している。 |
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新試験の性格については,高卒資格を付与する制度にするのが良い。受検者の年齢,動機も多様化しており,これからの生涯学習時代に合わせて,使い勝手の良い幅広い制度にすべきである。
ただし,全高校生・全大学志願者に義務付けることはせず,バイパスにとどめるほうが良い。高校中退者が年間10万人を超えるなど、今回の問題は、高校教育のひずみによってもたらされたものである。こうした高校をドロップアウトしたものについても、高卒資格を付与することによって, 大学入学資格を得る 不登校・引きこもり,中退問題への一助となる 就職の学歴・初任給の扱い・職業資格への挑戦等の外部への証明機能や社会的認知を高めるなどのメリットが多い。 |
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高卒程度の学力の認定という言葉が分かりづらく、一般の人には高卒資格との違いがわからない。
現在の制度下では、大検は、大学に入学したい人が受検していることとなっているが、実情として多くの親にとっては,「大学に入ってくれ」ではなく、「高校は卒業してくれ」という考えが一般的ではないかと思うので、そういった現状を踏まえれば新試験は高卒資格を付与すべきであるといえる。 |
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大検をどのような人が受けているのかを考えると、中学校で不登校を経験した人や高校中退者が多数を占めているのではないだろうか。
まず,これほど多くの高校中退者や不登校者がいること自体が問題で、このような人たちを救済することは重要なことである。そのためにも、新試験では高卒資格を付与すべきである。
高校に与える影響として、新試験に高卒資格を付与したとしても、安易な考えによって高校に通わないものが増えるなど考えられなくもないが、高校には高校の良さがあり,高卒資格を得たいからといって高校に生徒が通わなくなるということはないのではないか。高校中退者が増えるとしたら、高校教育の別のところに問題があるのではないのか。 |
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新試験の合格者には,高卒資格を付与しても良いのではないかと考える。
理由としては、高等学校においても特色ある学校作りなどにより、学校間の学力の格差が広がっているのが現状であり、一定の学力を有していることを証明する試験があっても良いのではないのか。
親の立場からすれば、自分の子供には、最低でも就職などのことを考えると高校卒業の資格を持ってもらいたいと考えるのが普通である。 |
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新試験の合格者に高卒資格を付与したとしても,高等学校教育の本体を揺るがすものではないと思う。逆に,このような制度ができることによって,相対的な関係となり高等学校の教育が一層改善されるのではないだろうか。 |
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新試験の合格者に高卒資格を付与しても、学校をやめる生徒が増加するとは思えない。
一般家庭にとって、子供が高等学校段階までは、学校に通っている姿が一番経済的でもあることや、子供自身も学校へ通うことが一番楽しいものであるならば、卒業資格を得たからといって学校へ通わなくなるというのは、考え難いことではないか。不登校や中退は高校教育の別のところに問題があるのではないのか。高校教育については、守りに入るのではなく、もう少し魅力あるものにする努力をした方が良い。 |
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大検受検者は純粋な気持ちで、大検を受けているように思う。実際の高卒者の現状や矛盾を考えると、高卒資格を付与しても問題ないと思う。
また、高等学校卒業と同等という点では、専修学校の専門課程修了者も同様であり、就職や進学の際に理解を得るために苦労している。 |
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新試験の合格者に高卒資格を付与するといった考え方について、高校関係者は不安を覚えているようだが、高卒資格を付与するということで高校教育が活性化するなど、お互いのためにも利の方が多いのではないかと思う。
日本では、教育の結果責任についてはタブー視されているが、高校関係者も不登校や中退を生み出している現状を認識すべきである。 |
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多様化してきている高等学校教育の現状において、新試験で合格者に高卒資格を付与することとしても、あまり影響がないのではないか。
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