1.今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申のポイント)-教員に対する揺るぎない信頼を確立するための総合的な改革の推進-

改革の重要性

 現在、教員に最も求められていることは、広く国民や社会から尊敬と信頼を得られる存在となること。養成、採用、研修等の改革を総合的に進める必要があるが、とりわけ教員養成・免許制度の改革は、他の改革の出発点に位置付けられるものであり、重要。

改革の方向

  1. 大学の教職課程を、教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせるものに改革する。
  2. 教員免許状を、教職生活の全体を通じて、教員として必要な資質能力を確実に保証するものに改革する。

改革の具体的方策

1:教職課程の質的水準の向上-学部段階で責任を持って教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせるための改革-

◆大学における組織的指導体制の整備

  • 「教職実践演習(仮称)」の新設・必修化(2単位)
    「使命感や責任感、教育的愛情等を持って、教科指導、生徒指導等を実践できる資質能力」を最終的に形成し、確認
  • 教育実習における大学の責任ある対応を法令上、明確化
    大学の教員と実習校の教員が連携して指導能力、適性等に問題のある学生は実習に出さない
  • 「教職指導」の実施を法令上、明確化
    教職課程全体を通じて、学生に対するきめ細かい指導、助言、援助を充実
  • 各大学の「教員養成カリキュラム委員会」の機能の充実・強化

◆教職課程に係る事後評価機能や認定審査の充実

是正勧告や認定取消を可能とする仕組みの整備

2:教職大学院制度の創設-より高度な専門性を備えた力量ある教員を養成し、教職課程改善のモデルとなる「教職大学院」制度の創設-

◆名称

 教職大学院

◆目的・機能

  • 実践的な指導力を備えた新人教員の養成
  • 現職教員を対象に、スクールリーダー(中核的・指導的な役割を担う教員)の養成

◆教育課程・方法

  • 体系的に開設すべき授業科目の領域(5領域)を定め、すべての領域にわたり授業科目を開設
  • 事例研究、フィールドワーク等

◆教員組織

 実務家教員4割以上

◆修業年限

 標準2年

◆修了要件

 2年以上在学し、45単位以上修得(10単位以上は学校における実習)

3:教員免許更新制の導入-養成段階を修了した後も、教員として必要な資質能力を確実に保証する-

◆趣旨

 免許状に有効期限を付し、免許状の取得後も、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に必要な刷新(リニューアル)を図るための制度として、更新制を導入

◆免許状の有効期限

 10年間

◆更新要件

 有効期限内に免許更新講習を受講・修了すること(直近2年間で30時間)
(講習は、使命感や責任感等をもって指導を実践できる力、その時々で必要な資質能力に刷新(リニューアル)する内容)

◆更新の要件を満たさなかった場合、免許状は失効

 (但し、同様の講習の受講により再授与の申請は可能)

◆現職教員にも更新制を適用

 免許状に有効期限は付さないが、10年ごとに同様の講習の受講を義務付け、修了しない場合は免許状は失効

4:その他

◆上進制度

 勤務実績を適切に評価する方向で改善

◆取上げ事由の強化

 分限免職処分を受けた者の免許状の取上げを可能とする方向で強化

教員のライフステージ

【養成段階】

◎教職課程の質的水準の向上

(上記と同じ。)

◎教職大学院の設置

(上記と同じ。)

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【採用段階】

◎採用選考の改善・充実

  • 人物評価の一層の充実
  • 教職課程の履修状況の適切な評価
  • 採用スケジュール全体の早期化
  • 受験年齢制限の緩和・撤廃、民間企業経験者や退職教員の活用等、多様な人材の登用促進 等

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【現職段階】

◎現職研修の改善・充実

  • 10年経験者研修の内容等の見直し

◎人事管理の改善・充実

  • 条件附採用制度の厳格な運用や、指導力不足教員に対する人事管理システムによる分限制度の厳格な適用を一層推進

◎教員評価の推進

  • 一人一人の教員の能力や業績を適正に評価し、その結果を処遇に適切に反映

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初等中等教育局教職員課