用語解説

●略語(アルファベット順)

OECD (p.10)

 Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略。経済協力開発機構と訳される。1.世界経済の発展に貢献すること、2.経済発展の途上にある地域の健全な経済成長に貢献すること、3.世界貿易の拡大に寄与すること、の三つを目的とする。

MBA (p.33、35)

 Master of Business Administrationの略。一般に「経営学修士」と訳される。

NPO (p.43)

 Nonprofit Organisationの略。一般に「特定非営利活動法人」と訳される。継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称。

●カナ(50音順)

インターンシップ (p.18、36)

 学生が在学中に、企業等において自らの専攻や将来希望する職業に関連した就業体験を行うこと。

課程制大学院制度 (p.33)

 現行の大学院は、一定の教育目標、修業年限及び教育課程を有し、学生に対する体系的な教育の場として位置付けられており、そのような教育目標、修業年限及び教育課程を有し、当該課程を修了した者に特定の学位を与えることを基本とする大学院制度を課程制大学院制度という。

カーネギー教育振興財団が行っている大学分類 (p.15)

 米国のカーネギー教育振興財団が行う大学の分類区分。具体的には、学位授与大学または米国国務省から承認を受けているアクレディテーション機関が認可したすべての大学を対象に博士・修士・学士及び第一職業専門学位の4種の学位授与数を指標として大学の種別化を行っている。(アクレディテーション:教育課程、教職員、教育条件(施設等)などの面から総合的に大学としての質を備えているかどうかを評価する民間の制度。認定されなければ社会的には大学と認められない。)

株式会社立大学 (p.43)

 学校教育法第2条において、学校の設置主体は国、地方公共団体及び学校法人に限定されているが、構造改革特別区域制度では、地方公共団体が内閣総理大臣の認定を受けた場合、一定の要件の下、当該構造改革特別区域内において、株式会社が学校の設置主体となることが認められる。現在、二つの株式会社立大学が設置されている。

科目等履修生 (p.18)

 正規の学生と異なり、大学で開設されている授業科目のうち、必要な授業科目や興味関心のある授業科目だけを選んで履修する学生。正規の学生と同様、履修した授業科目について試験の上で単位が与えられる。ここで取得した単位は正規の単位であるため、正規の学生となった後、大学の定めるところにより、既修得単位として卒業に必要な単位に組み込むことも可能。

キャリア・パス (p.18、28、34等)

 キャリアは「仕事」、パスは「進路」の意。一般に、ある人がその仕事において、どのような学習歴・職歴や職種・地位を経て昇進していくかの経路を示したもの。

ケルンサミット (p.1)

 平成11(1999)年6月に開催されたサミット。我が国からは小渕首相(当時)が出席。サミットにおいて、初めて教育政策の在り方が大きく取り上げられた。

コア・カリキュラム (p.30、31、54)

 答申本文では、主として当該分野において中核をなす専門教育科目群を示す。

工業(場)等制限法 (p.11)

 首都圏と近畿圏の中心部への産業や人口の集中を防ぎ、都市環境の整備・改善を図るために一定の広さ以上の工場や大学の新増設を制限する法律。産業界や大学関係者などから規制の見直しを求める声が強まり、平成14(2002)年に廃止された。

コースワーク (p.34)

 学修課題を複数の科目等を通して体系的に履修すること。

高度専門職業人 (p.13、14、18等)

 「理論と実務の架橋」を重視し、深い知的学識に裏打ちされた国際的に通用する高度な専門的知識・能力を必要とする職業に就く者。例えば、職能団体や資格をはじめとする一定の職業的専門領域の基礎が確立している職業に就く者が考えられる。

(米国の)コミュニティ・カレッジ (p.37)

 米国における短期大学の一類型。主として、州立の短期大学を指す。地域に対するサービスや地域の需要にこたえるという点から、地方性を強く持っている。

サテライト・キャンパス (p.18)

 社会人など時間的・地理的制約等により大学の本校に継続的に通うことが困難な者に対して、授業の一部を行う大学の本校以外の場所。これにより、例えば、郊外に設置されている大学が、企業等の多数存在する地域や交通の便の良い場所に教育・研究の場を提供することが可能となる。

収容力 (p.8)

 実際に大学・短期大学に入学した者の数を全志願者数(現役志願者数と過年度志願者数の合計)で割った値。これが100%となると、計算上は、すべての志願者がいずれかの大学・短期大学へ入学可能となる。

主専攻・副専攻制 (p.34)

 主専攻分野以外の分野の授業科目を体系的に履修させる取組であって、学内で規程が整備されている等、組織的に行われているものをいう。

ジョイントディグリー (p.34)

 ある分野で学位を授与された後に別の分野で教育を受け学位を授与されるというように、一定期間(例えば、修士課程で4年未満等)で複数の学位を取得できる履修形態であって、学内で規程が整備されている等、組織的に行われているものをいう。

情報の非対称性 (p.23)

 経済学で用いられる語。ある経済主体(A)の有する情報が他の経済主体(B)の情報より質・量共に優れたものである場合、AとBの間に情報の非対称性が存在するという。この場合、市場メカニズムの機能を阻害し、非効率的な資源配分を実現してしまうことが問題となる。例えば、高等教育に関しては、高等教育機関が公開する情報は専門性が高く、一般の消費者(学習者、志願者等)にとっては、公開されている情報が示す実態を把握しきれない状態が起こり、結果として、適切な機関の選択がなされない可能性がある。

スタッフ・ディベロップメント (p.22)

 事務職員や技術職員など教職員全員を対象とした、管理運営や教育・研究支援までを含めた資質向上のための組織的な取組を指す。

単位制度の実質化 (p.31)

 現在の我が国の大学制度は単位制度を基本としており、1単位は、教室等での授業時間と準備学習や復習の時間を合わせて標準45時間の学修を要する教育内容をもって構成されている。しかし、実際には、授業時間以外の学習時間が大学によって様々であるとの指摘や1回あたりの授業内容の密度が大学の授業としては薄いものもあるのではないかとの懸念がある。このような実態を改善するための種々の取組を総称して単位制度の実質化のための取組と言うことがある。

単位累積加算制度 (p.18)

 複数の高等教育機関で随時修得した単位を累積して加算し、一定の要件を満たした場合に、大学卒業の資格を認定し、学士等の学位を授与する制度。現在の我が国では認められていない。関連する制度としては、短期大学や高等専門学校、一定の要件を満たした専門学校等を卒業した者が、大学の科目等履修生として随時単位を修得し、独立行政法人大学評価・学位授与機構の定める要件を満たした場合に、同機構から学士の学位が授与される制度がある。

知識基盤社会 (p.1、2、3等)

 英語のknowledge-basedosocietyに相当する語。論者によって定義付けは異なるが、一般的に、知識が社会・経済の発展を駆動する基本的な要素となる社会を指す。類義語として、知識社会、知識重視社会、知識主導型社会等がある。

知的クラスター (p.11)

 地域の主導の下で、地域において独自の研究開発課題と能力を有する公的研究機関等を核とし、地域内外から企業等も参画して構成される技術革新システムをいう。具体的には、人的ネットワークや共同研究機関等が形成されることにより、核をなす公的研究機関等の有する独創的な技術シーズと企業の実用化ニーズが相互に刺激しつつ、連鎖的な技術革新と新産業創出が起こるとされるシステム。

昼夜開講制 (p.18)

 同一学部・研究科において昼間・夜間の双方の時間帯に授業を行うこと。平成3(1991)年から昼間主コース・夜間主コースの定員化が実施された。平成16(2004)年度現在、学部において夜間主コースを定員化している大学は70校である。

長期履修学生制度 (p.18)

 職業を有している等の個人の事情に応じて、大学の定めるところにより、学生が、大学の修業年限を超えた一定の期間にわたって計画的に教育課程を履修し卒業することを認められる制度。平成14(2002)年度から実施。

聴講生 (p.18)

 科目等履修生と同様に、特定の授業科目のみ履修する学生であるが、単位を修得しない点が異なる。

通信制大学院 (p.18)

 印刷教材等による授業、放送授業、面接授業、メディアを利用して行う授業のいずれかまたはこれらの併用により授業を行う大学院。平成10(1998)年度から修士課程に、平成13(2001)年度から博士課程に、平成15(2003)年度から専門職学位課程にも認められた。平成16(2004)年度現在、18校(放送大学を含む。)が設置されている。

ティーチング・アシスタント (p.46)

 優秀な大学院生に対し、教育的配慮の下に、学部学生等に対するチュータリング(助言)や実験・実習・演習等の教育補助業務を行わせ、大学院生への教育トレーニングの機会を提供するとともに、これに対する手当の支給により、大学院生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの。

デュアル・サポート (p.54)

 高等教育機関への財政措置について、例えば「基盤的経費助成」と、「競争的資源配分」という二つの方法を組み合わせるなど、複数の支援を適切なバランスの下で行うとする考え方。

特色ある大学教育支援プログラム (p.46)

 大学教育の改善に資する様々な取組の中から、国公私を通じた競争的環境の下で特色ある優れたものを選定し、選定された事例を広く社会に情報提供していく文部科学省の事業(通称:特色GP)。平成15(2003)年度から実施。

特別教育研究経費 (p.46)

 国立大学法人運営費交付金の算定対象事業費の一つ。新たな教育・研究ニーズに対応し、各国立大学等の個性に応じた意欲的な取組を重点的に支援することを目的とする。

21世紀COEプログラム (p.46)

 第三者評価による競争原理の導入により、国公私立大学を通じて世界的な研究・教育拠点の形成を重点的に支援し、もって国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進する文部科学省の事業。「大学の構造改革の方針」(平成13(2001)年6月)に基づき、平成14(2002)年度から実施。

日本学術振興会特別研究員事業 (p.46)

 将来の学術研究を担う優れた若手研究者を養成・確保するため、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用し、研究奨励金を支給する事業。昭和60(1985)年度から実施。

ファカルティ・ディベロップメント (p.22)

 教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。その意味するところは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。

ファンディング・システム (p.44、46、49等)

 財政支出の仕組み。例えば、国立大学に対する運営費交付金制度、私立学校に対する経常費補助金制度、学生に対する奨学金制度等が含まれる。

フリーター (p.18)

 15~34歳の若年者(学生及び主婦を除く。)のうち、勤め先における呼称がアルバイトまたはパートである者(これまでアルバイト・パートを続けてきた者で無業の者を含む。)をいう。

(若年層の)無業者 (p.18)

 非労働力人口のうち、年齢15~34歳、卒業者、未婚であって、家事・通学をしていない者をいう。

夜間大学院 (p.18)

 専ら夜間に授業を行う大学院。大学院設置基準第2条の2で「専ら夜間において教育を行う大学院」として特に定められている。平成元年度から修士課程に、平成5(1993)年度から博士課程に導入された。平成16(2004)年度現在、22大学院(国公私立計)に導入されている。

ユニバーサル・アクセス (p.9、13、45等)

 米国の社会学者マーチン・トロウは、高等教育への進学率が15%を超えると高等教育はエリート段階からマス段階へ移行するとし、さらに、進学率が50%を超える高等教育をユニバーサル段階と呼んでいる。

 「ユニバーサル」というのは、一般に「普遍的な」と訳されるが、トロウによると、「ユニバーサル・アクセス」というのは、誰もが進学する「機会」を保証されているという学習機会に着目した概念である。

リカレント教育 (p.18)

 職業人を中心とした社会人に対して、学校教育の修了後、いったん社会に出てから行われる教育であり、職場から離れて行われるフルタイムの再教育のみならず、職業に就きながら行われるパートタイムの教育も含む。

リサーチ・アシスタント (p.46)

 大学等が行う研究プロジェクト等に、大学院生等を研究補助者として参画させ、研究遂行能力の育成、研究体制の充実を図るとともに、これに対する手当の支給をするもの。

(学位以外の)履修証明 (p.18、55)

 学士・修士等の学位とは異なるが、一定の課程の修了を証明するものとして、大学等が発行する証書等。米国でいうcertificate等に相当する。

リベラル・アーツ・カレッジ (p.13、14)

 リベラル・アーツとは、専門職業教育としての技術の習得とは異なり、思考力・判断力のための一般的知識の提供や知的能力を発展させることを目標にする教育を指すものとされ、このような教育を行う大学をリベラル・アーツ・カレッジという。

リメディアル教育 (p.14)

 大学教育を受ける前提となる基礎的な知識等についての教育をいう。補習教育とも呼ばれる。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

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(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)