大学設置基準等の改正について(諮問)

3文科高第1261号
令和4年2月9日
中央教育審議会

次の事項について,理由を添えて諮問します。

 

大学設置基準等の改正について

 

令和4年2月9日

 

文部科学大臣      末松 信介

 

 

 

(理由)   

 平成26年6月23日に,国際連携教育課程制度の創設については答申をいただいたところである。
 当該制度については,学生の国際性の育成に寄与するとともに,開設大学の教育課程の在り方等を見直す機会を与えるものでもあり,我が国の大学全体のグローバル化の進展,国際的なプレゼンスの向上につながっている。しかしながら,制度創設時においては,外国の大学の教育資源を活用して教育課程を編成する初めての制度であったため,国際連携学科等の設置に当たっては,その都度大学設置・学校法人審議会での認可を得る必要がある等の慎重な制度設計となっていた。そのため,制度創設から7年が経過し,実績が蓄積されてきたことを踏まえ,国際連携教育課程の拡大に向け,その質を担保しつつ,制度を所要の見直しを行う必要がある。
 このため,別紙のとおり,大学設置基準等の一部改正を行う必要があるので,学校教育法第94条の規定に基づき標記の諮問を行うものである。

 

 

 


(別紙)

 

 

大学設置基準等改正要綱(案)

 

一 大学設置基準の改正

 1 国際連携学科の定員
 国際連携学科を設ける場合、国際連携学科の定員は、国際連携学科を設ける大学の学部の定員の内数2割を上限とする制限を撤廃すること。これに伴い、国際連携学科を設ける大学は、外国における災害その他の事由により外国の大学と連携した教育研究の継続が困難と認められる事態に備え、あらかじめ計画の策定その他国際連携学科の学生の学修の継続に必要な措置を講じるものとすること。
 2 共同開設科目
 3に記載のとおり最低修得単位数を見直すことに伴い、共同開設科目の履修により修得した単位は、各連携外国大学における最低修得単位数に加え、国際連携学科を設ける大学における最低修得単位数にも算入できないこととし、それぞれの最低修得単位数に達するまでは、国際連携学科等を設ける大学及び各連携外国大学において修得した単位とすることはできないこととすること。
 3 国際連携学科に係る卒業の要件
 国際連携学科に係る卒業の要件は、我が国の大学及び連携外国大学それぞれにおいて31単位以上を修得することとすること。
 4 国際連携学科に係る専任教員数、施設及び設備
 国際連携学科に係る専任教員や施設及び設備の基準について、学部の定員の2割の範囲内で国際連携学科の定員を定める規定の廃止に伴い、母体となる学部等における資源の一部を活用することを前提とした規定の見直しを行うこと。
 5 共同国際連携教育課程の場合の国際連携教育課程の編成等
 国際連携学科を設ける二以上の大学は連携して教育研究を実施することができることとし、その場合(以下「共同国際連携教育課程の場合」という。)の所要の読替規定を整備すること。
共同国際連携教育課程の場合において、それぞれの大学が共同して同一内容の国際連携教育課程を編成するものとすること。これに伴い、大学は、学生が連携して教育研究を実施する他の大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を、自大学の国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとそれぞれみなすものとすること。共同国際連携教育課程の場合について、国際連携学科に係る専任教員の数、校地の面積、校舎の面積、施設及び設備に係る規定を整備すること。
 6 その他所要の改正を行うこと。

二 その他
 1 施行期日
 この改正は、令和4年8月1日から施行するものとすること。ただし、一部の直ちに施行が必要な事項については、公布の日から施行するものとすること。
 2 その他の規定の整備
 専門職大学設置基準、大学院設置基準、専門職大学院設置基準、短期大学設置基準及び専門職短期大学設置基準について、上記一の大学設置基準と同様の措置を行うため、所要の規定の整備を行うこと。

 

【参考】本諮問の根拠条文
○学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)(抄) 
 第九十四条 大学について第三条に規定する設置基準を定める場合及び第四条第五項に規定する基準を定める場合には,文部科学大臣は,審議会等で政令で定めるものに諮問しなければならない。

 

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)