28文科高第1175号
平成29年3月29日
中央教育審議会
次の事項について,理由を添えて諮問します。
大学設置基準等の改正について
平成29年3月29日
文部科学大臣 松野博一
(理由)
大学が行う業務が複雑化・多様化する中,大学運営の一層の改善に向けては,事務職員・事務組織等が,国際的な連絡調整や組織的な産学官連携の推進等の大学における様々な取組の意思決定に参画するなど,これまで以上に積極的な役割を担い,大学総体としての機能を強化し,総合力を発揮する必要がある。
加えて,大学教員を取り巻く職務環境の変化も踏まえ,教員・事務職員等の垣根を越えた取組が一層必要となっており,各大学が,教員と事務職員等とが連携協力して業務に取り組む重要性を認識し,教職協働の取組を進めていく必要がある。
また,国際連携教育課程について,我が国と相手国大学における教育課程編成の制度の相違から,我が国における単位認定等の観点で当該相手国大学との国際連携教育課程の編成に支障を来たす事案が生じている。かかる制度上の問題は,制度創設当初には想定されていなかったものであり,質保証を前提として,相手国大学の制度に柔軟に対応できるようにする必要がある。
このため,別紙のとおり,大学設置基準等の改正を行う必要があるので,学校教育法第94条の規定に基づき標記の諮問を行うものである。
(別紙)
大学設置基準等改正要綱(案)
第一 大学設置基準の改正
一 教員と事務職員等の連携及び協働
大学は,当該大学の教育研究活動等の組織的かつ効果的な運営を図るため,当該大学の教員と事務職員等との適切な役割分担の下で,これらの者の間の連携体制を確保し,これらの者の協働によりその職務が行われるよう留意するものとすること。
二 事務組織
大学は,その事務を遂行するため,専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとすること。
三 国際連携学科に係る卒業の要件
国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には,入学前の既修得単位の認定により修得したものとみなす単位を含まないものとする規定について,国際連携教育課程を編成し,及び実施するために特に必要と認められる場合は,この限りでないこととすること。
四 その他所要の規定の整備を行うこと。
第二 高等専門学校設置基準の改正
一 教員と事務職員等の連携及び協働
高等専門学校は,当該高等専門学校の教育研究活動等の組織的かつ効果的な運営を図るため,当該高等専門学校の教員と事務職員等との適切な役割分担の下で,これらの者の間の連携体制を確保し,これらの者の協働によりその職務が行われるよう留意するものとすること。
二 その他所要の規定の整備を行うこと。
第三 大学院設置基準の改正
一 教員と事務職員等の連携及び協働
大学院は,当該大学院の教育研究活動等の組織的かつ効果的な運営を図るため,当該大学院の教員と事務職員等との適切な役割分担の下で,これらの者の間の連携体制を確保し,これらの者の協働によりその職務が行われるよう留意するものとすること。
二 国際連携専攻に係る修了要件
国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には,入学前の既修得単位の認定により修得したものとみなす単位を含まないものとする規定について,国際連携教育課程を編成し,及び実施するために特に必要と認められる場合は,この限りでないこととすること。
三 事務組織
大学院を置く大学には,大学院の事務を遂行するため,適当な事務組織を設けるものとすること。
第四 短期大学設置基準の改正
一 教員と事務職員等の連携及び協働
短期大学は,当該短期大学の教育研究活動等の組織的かつ効果的な運営を図るため,当該短期大学の教員と事務職員等との適切な役割分担の下で,これらの者の間の連携体制を確保し,これらの者の協働によりその職務が行われるよう留意するものとすること。
二 事務組織
短期大学には,その事務を遂行するため,専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとすること。
三 国際連携学科に係る卒業の要件
国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には,入学前の既修得単位の認定により修得したものとみなす単位を含まないものとする規定について,国際連携教育課程を編成し,及び実施するために特に必要と認められる場合は,この限りでないこととすること。
四 その他所要の規定の整備を行うこと。
第五 専門職大学院設置基準の改正
一 国際連携専攻に係る修了要件
国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には,入学前の既修得単位の認定により修得したものとみなす単位を含まないものとする規定について,国際連携教育課程を編成し,及び実施するために特に必要と認められる場合は,この限りでないこととすること。
二 その他所要の規定の整備を行うこと。
第六 施行期日
この改正は,平成29年4月1日から施行するものとすること。
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室