大学設置基準等の改正について(諮問)

26文科高第259号
平成26年6月23日
中央教育審議会

 次の事項について,理由を添えて諮問します。

大学設置基準等の改正について

文部科学大臣      下村 博文

(理由)
 世界的なグローバル化の進展を背景に,高等教育においても,国境を越えた学生の流動性が年々拡大している。これに対応するため,各大学においては,留学の促進のための取組や海外の大学との連携による国際的な教育プログラムの開発等の取組が進められている。こうした大学のグローバル化のための取組を支援するとともに,日本人学生が海外の大学等(大学院,短期大学,専門職大学院を含む。)で学修したり外国人学生を我が国の大学等が受け入れたりするための機会を拡大するため,我が国の大学等と外国の大学等が大学間協定に基づき連携して教育課程を編成することができる仕組み等を構築する必要がある。
 このため,別紙のとおり,大学設置基準等の改正を行う必要があるので,学校教育法第94条の規定に基づき標記の諮問を行うものである。


(別紙)

 大学設置基準等改正要綱

第一 大学設置基準の改正
  一 国際連携学科の設置
      我が国の大学が外国の大学と連携して教育研究を実施するための学科(以下「国際連携学科」という。)を設けることができることとすること。ただし,国際連携学科のみを設けることはできないこととすること。
  二 国際連携学科の定員
      国際連携学科の定員は,当該学科を設ける大学の学部の定員の内数2割を上限として定めるものとすること。ただし,1つの学部に複数の国際連携学科を設ける場合には,それらの国際連携学科の定員の合計が当該学部の定員の2割を超えないものとすること。
  三 国際連携教育課程の編成
      我が国の大学は,連携する外国の大学(以下「連携外国大学」という。)と文部科学大臣が別に定める事項について協議を行った上で,連携外国大学が開設する授業科目を我が国の大学の教育課程の一部とみなし,当該連携外国大学と連携した教育課程(以下「国際連携教育課程」という。)を編成するものとすること。
  四 国際連携教育課程に係る単位の認定
      我が国の大学は,学生が連携外国大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を,我が国の大学の国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとみなすものとすること。
  五 共同開設科目
      我が国の大学は,連携外国大学と共同して授業科目を開設することができるものとすること。また,当該授業科目(以下「共同開設科目」という。)の履修により修得した単位は,所定の範囲で,我が国の大学又は連携外国大学のいずれかで修得した単位とすることができること。ただし,連携外国大学における最低修得単位数に達するまでは,共同開設科目の履修により修得した単位を連携外国大学において修得した単位とすることはできないこと。
  六 国際連携学科に係る卒業の要件
      国際連携学科に係る卒業の要件は,それぞれの大学において当該国際連携教育課程の授業科目の履修により所定の単位数以上を修得するものとすること。
  七 国際連携学科に係る専任教員数
      国際連携学科が置かれる学部の専任教員の数は,学部の種類及び規模に応じて定める教授等の数のほか,国際連携学科ごとに1人の専任教員を加えた数を合計した数以上とすること。また,国際連携学科の教員は,当該学科が置かれる学部の他の学科の教員の兼任を認めることとすること。
  八 国際連携学科に係る施設及び設備
      我が国の大学は,国際連携学科に係る施設及び設備について,当該大学の他の施設及び設備を共用することができることとすること。
  九 その他所要の規定の整備を行うこと。

第二 その他
  一 施行期日
      この改正は,公布の日から施行するものとすること。
  二 医学等を履修する課程に係る措置
      医学,歯学,薬学(臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とするものに限る。)及び獣医学を履修する学士の課程については,上記第一の措置は行わないこととすること。
  三 その他の規定の整備
    1 大学院設置基準,短期大学設置基準及び専門職大学院設置基準について,上記第一の大学設置基準と同様の措置を行うため,所要の規定の整備を行うこと。ただし,専門職大学院のうち専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とする専門職学位課程については,上記第一と同様の措置を行わないこととすること。
    2 学位の種類及び分野の変更等に関する基準その他の所要の規定の整備を行うこと。

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