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はじめに

 中央教育審議会は、平成15年5月の「今後の初等中等教育改革の推進方策について」の諮問を受け、学校教育に係る諸制度の在り方について審議を進めてきた。また、平成18年6月に公布・施行された「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(行革推進法)」第56条第3項において、「政府は、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目途に必要な措置を講ずるものとする」とされた。これを受け、公立学校の教職員の給与の在り方について専門的な調査審議を行うため、平成18年7月、中央教育審議会初等中等教育分科会の下に、教職員給与の在り方に関するワーキンググループが設置された。

 教職員給与の在り方に関するワーキンググループでは、都道府県・市町村の教育長協議会、小学校・中学校・高等学校の関係者、PTA団体、教職員団体などからのヒアリングを行い、公立学校の「教員勤務実態調査」暫定集計、教員の職務や給与評価制度等に関する「教員意識調査」・「保護者意識調査」、「諸外国の教員給与に関する調査」の結果などを踏まえつつ、公立学校の教員給与の在り方、教員の校務と学校事務の見直し、学校の組織運営体制の見直し、教員の勤務時間の弾力化等について、幅広い観点から審議を行ってきた。これらの広範な審議を踏まえ、このほど本答申をとりまとめたものである。

 本答申は、全体を四章構成としている。第一章においては、学校や教員を取り巻く環境の変化を踏まえて、教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基本的な考え方を提唱した。これを踏まえ、第二章において、教員が子どもたちに向き合い、きちんと指導する時間を確保することができるよう、教員の校務、学校事務と組織運営体制の見直しを行うための具体的方策について提言を行った。第三章においては、教員が適切に評価され、教育活動が活性化されるよう、メリハリある教員給与の在り方について具体的な提言を行った。最後に、第四章においては、教員の時間外勤務の状況を改善するため、積極的に時間外勤務の縮減に取り組むことを提唱した。

 今後、本答申を踏まえ、教育の質の向上に資するような、教員給与の在り方の見直しが着実に推進されることを強く期待したい。

 なお、教職調整額の見直しや1年間の変形労働時間制の導入については、現段階では意見の集約にまで至ってはいないが、本答申に示された意見を踏まえ、今後更に専門的・技術的な検討を行い、教育現場の実態に即した制度を構築していくことを期待したい。

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