中央教育審議会(第143回) 議事録

1.日時

令和7年10月24日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階) ※ハイブリッド会議

3.議題

  1. 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する論点整理について
  2. 多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策に関する論点整理について
  3. 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の成立等について

4.出席者

委員

橋本会長、吉岡副会長、貞広副会長、秋田委員、安孫子委員、伊藤委員、岩本委員、内田委員、清原委員、桑原委員、田中委員、都竹委員、戸ヶ﨑委員、冨永委員、萩原委員、浜田委員、廣津留委員、藤田委員、古沢委員、堀田委員、森委員、両角委員、山口委員、吉田委員、渡辺委員、和田委員

文部科学省

中村文部科学副大臣、福田文部科学大臣政務官、増子事務次官、矢野文部科学審議官、塩見総合教育政策局長、望月初等中等教育局長、堀野大臣官房学習基盤審議官、今村文部科学戦略官、橋爪大臣官房審議官、神山社会教育振興総括官、吉田総合教育政策局政策課長、武藤初等中等教育局教育課程課長、大江初等中等教育局教職員課長、山田初等中等教育局財務課長 他

5.議事録

【橋本会長】  それでは、時間になりましたので、中央教育審議会総会を開催させていただきます。
 本日は御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本会議は、前回同様でございますが、ウェブ会議方式と対面を併用して開催をさせていただきます。本日は、御承知のように、中村裕之文部科学副大臣、それから福田かおる文部科学大臣政務官に御出席いただいております。御就任後初めての中央教育審議会の総会になりますので、一言ずつ御挨拶をいただきたいと思います。
 では、副大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
【中村副大臣】  皆さん、こんにちは。ただいま御紹介をいただきました文部科学副大臣を拝命いたしました衆議院議員の中村裕之です。
 これまで、橋本会長をはじめ、委員の皆様には大変な御尽力をいただいてまいりましたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
 私は、2018年から19年にかけて文部科学省で大臣政務官を務めさせていただきまして、その折には1人1台端末の旗振り役を務めさせていただきまして、安倍晋三総理にそれを認めていただきまして、大変感激をしたことがございます。その後、文部科学部会長としては、DXハイスクールの創設をさせていただきました。そして、この秋まで、衆議院の文部科学委員長として給特法の改正に深く関わってまいりました。
 義務教育、そして高校教育については、やはり大変厳しい状況にあるというふうに認識をしております。まずは、学校の先生の成り手がいないというところが大きな課題でありまして、給特法の改正というのは、この状況のパラダイムシフトにしていかなければならないと思っているところです。1%ずつの処遇改善にとどまらず、地方の教育委員会にも協力をいただいて、働き方改革を進めていくということであります。2029年までに時間外等勤務時間を30時間まで減らしていくというのが、松本洋平文部科学大臣の、今回の記者会見にも述べられていることであります。その際に、時間外等在校等時間だけを減らすことでいいのかと。もしかしたら、所定内の時間についても、やはり工夫をしていかなければならないのではないかと。例えば45分の授業を40分にするとか、こま数についても、やはり制限を設けていく必要があるのではないかということも、先生方には御議論いただきたいと思います。
 そしてもう1点、すばらしい先生方ですから、こういう議論をあまりしたことないと思うのですけれども、いじめや不登校、自殺という問題があります。学校という場が全ての子供たちにとって楽しい場になってほしいんです。ちょっとぐらい嫌なことがあっても、でも、学校は楽しいと、そういうふうに、そういう場になっていっていただきたい。それは、中教審の先生方の発信もいただきながら、全ての全国の各学校で、そういうふうに意識を持ってやっていただければありがたいなと思っています。
 子供たちは好きなことは一生懸命、そして、努力もできます。そして、そのことが自分の得意な分野になって、プライドを持てるようになります。ほかのことが少しぐらい苦手でも、そのプライドを持って友達とも関われるようになります。僕の子供の場合は、それが囲碁だったのですが、そういうことで、学校は楽しいところだと、そういうことになるようによって、不登校やいじめや自殺というような悲しいことが少しでも減るように、そういうことも議論していただければありがたく思う次第です。
 先生方の経験や、そして知恵が、これからの学校教育に生かしていただけるように心から念願をしまして、副大臣としての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
【橋本会長】  副大臣、ありがとうございました。
 続きまして、大臣政務官、お願いいたします。
【福田政務官】  皆様、こんにちは。本日もお時間いただきまして、また、御議論も重ねていただいておりますことを、心から感謝申し上げます。このたび大臣政務官を拝命いたしました福田かおると申します。希望してつかせていただいた職務になっております。父が教育学者、母が小学校の教員を長年やっておりまして、教育分野には非常になじみが深くございました。今、私が思っているのは、社会に出てから働き始めて、本当についていくのが大変な時代になってきたなということです。技術の変化も社会の変化も本当に目まぐるしい中で、やはり子供たち一人一人が大人になってからも学びの、教育の助けを得ながら、どんな環境であったとしてもどんな教育であったとしても、また、大学や大学院、高校などが接続しながら、次のステップを踏んでいけるように、そんなことが必要な時代になってきているのではないかと思っています。
 私自身も勉強をさせていただきながら、少しでも皆さんのお役に立てればと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日もありがとうございます。
【橋本会長】  福田大臣政務官、ありがとうございました。
 続きまして、文部科学省におきまして人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【吉田政策課長】  失礼いたします。事務局の異動がございましたので、御紹介いたします。
 文部科学事務次官の増子でございます。
【増子事務次官】  増子です。よろしくお願いいたします。
【吉田政策課長】  総合教育政策局長の塩見でございます。
【塩見総合教育政策局長】  塩見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【吉田政策課長】  大臣官房審議官の橋爪でございます。
【橋爪大臣官房審議官】  橋爪でございます。よろしくお願い申し上げます。
【吉田政策課長】  社会教育振興総括官の神山でございます。
【神山社会教育振興総括官】  神山です。よろしくお願いいたします。
【吉田政策課長】  学習基盤審議官の堀野でございます。
【堀野学習基盤審議官】  堀野です。よろしくお願いいたします。
【吉田政策課長】  文部科学省戦略官の今村でございます。
【今村文部科学戦略官】  今村です。どうぞよろしくお願いします。
【吉田政策課長】  最後に、私、総合教育政策局政策課長の吉田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。
 続きまして、本日の会議開催方式及び配付資料につきまして、事務局より御説明お願いします。
【吉田政策課長】  本日もハイブリッド会議での会議開催とさせていただき、傍聴につきましてはユーチューブにて配信しておりますので、御承知おきください。
 各議題の質疑、意見交換の際、御意見がございます場合は、会場で御参加の委員の皆様方、ウェブ参加の委員の皆様方共に挙手ボタンを押してお知らせください。御発言は、会長の御指名の後にお願いいたします。会場で参加の委員の皆様は、会長から御指名があった後、事務局からマイクをお持ちいたしますので、議場の端末にお顔を映しながら御発言をお願いいたします。
 続きまして、本日の資料でございます。議事次第にございますとおり、資料1から資料4でございます。御不明な点ございましたら、事務局までお申しつけください。
 なお、資料4でございますが、中央教育審議会運営規則等に基づき、総会を経ないで行われた諮問について総会に御報告するものでございます。
 最後に、本日の出席状況でございます。全体29名の委員の皆様のうち、8名にウェブ参加、19名に会場御参加いただきまして、合計27名の委員の皆様に御出席いただいておりますことを御報告申し上げます。本日、途中退室、途中参加予定の委員の方々もおられますので、御承知おきください。
 以上でございます。
【橋本会長】  それでは、本日の議事につきまして、御説明申し上げます。議題1といたしまして、初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する論点整理について。議題2として、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策に関する論点整理について。議題3として、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の成立等についてでございます。それぞれ御説明の後に、その都度、意見交換を行いたいと思います。なお、本日の議題は、初等中等教育が中心ではございますが、高等教育あるいは生涯学習との接続や連携も重要でございます。この総会の場では、そのような視点についても御留意をいただきつつ、各委員からはそれぞれの議題につきまして、後ほど御発言いただきたいと思います。
 それでは、早速、議題1に入りたいと思います。初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する論点整理につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【望月初等中等教育局長】  初等中等教育局長の望月でございます。委員の皆様におかれましては、大所高所からいつも御議論いただきまして、ありがとうございます。この場をかりてお礼申し上げます。
 本日、初等中等教育に関して、3点、御説明をさせていただきます。
 これらはどれも関連をするものがございまして、1点目が新しい教育課程に関すること、そして、教員の資質の向上あるいは免許に関すること、そして、中村副大臣からも御紹介いただきましたけども、さきの通常国会で成立しました給特法の改正に伴う給与の改善と共に、学校の働き方改革をみんなで進めていこうということを制度上進めてございますので、その過程について御説明を申し上げます。
 まず1点目の、初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する論点整理につきまして、御説明をいたします。学習指導要領、次の学習指導要領に関することでございます。座って失礼いたします。
 資料につきましては、大部なもので大変恐縮ですけど、資料1でございます。資料1は、見ていただきますと、112ページというふうになってございますけども、私のほうから簡単に御説明を、少し時間の関係もありますので飛ばしながらいきますが、これは昨年12月の大臣からの諮問を受けまして、これまで教育課程部会の下に教育課程企画特別部会を設置して、約半年強のところで計13回にわたって議論が積み重ねられてきました、まだ議論の途上ではございますけども、一度論点整理の取りまとめを9月25日にされてございますので、それの状況について御報告をするものでございます。
 まず、5ページを見ていただきたいと思います。
 5ページ、第一章では、次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる基本的な考え方を整理しているわけでございます。多様な子供たちの深い学びを確かなものにし、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら、自らの人生を舵取りすることができる、民主的で持続可能な社会の創り手をみんなで育むために、主体的・対話的で深い学びの実装、そして多様性の包摂、実現可能性の確保の3つの方向性を踏まえて議論を行ってきたところでございます。これら3つの方向性に基づきまして、教育課程内外のあらゆる方策を用いつつ、具現化されるべきものとして検討しているところでございます。
 6ページは、5ページでお示しした自らの人生を舵取りする力と、民主的で持続可能な社会の創り手を育成していくという方向性を各教科等で具体化していく、今後の検討イメージを整理したものでございます。一人一人の「好き」を育み、「得意」を伸ばしながら、それらを原動力として、学習への動機づけ、モチベーションにつなげていく、そうした取組と、児童生徒が当事者意識を持ちながら、自分の意見を形成し、多様な他者と対話や合意ができる教育目標・内容の充実を図っていく取組を同時に進めまして、これらが関わり合って高まっていく教育課程に変革していく必要があると整理してございまして、これが各教科あるいは特別活動、道徳等における検討の方向性を示しているものでございます。
 資料12、13ページを御覧いただきたいと思います。
 個別の論点について御説明いたします。
 まず、12ページでございます。
 第二章では、「質の高い、深い学びを実現し、分かりやすく使いやすい学習指導要領の在り方」について整理してございます。生成AIが飛躍的に発展する状況の下で、知識の概念としての習得や深い理解を促し、学ぶ意味や社会とのつながりを意識した指導が一層重要となるものでございます。そのためには、子供たちに育む資質・能力が分かりやすく、日々の授業づくりの中で使いやすい、教師の授業改善に直結するような学習指導要領とすることが必要であると考えてございます。多くの人に、やはり指導要領の内容を分かって知っていただくということが大事かと思っています。
 そのための方策として、「深い学び」を学習指導要領上に可視化することによりまして、資質・能力の関係性の理解や、それらを一体的に育成することの重要性を示してございます。
 13ページでは、あくまでも一例でございますけれども、学習指導要領の構造化・表形式化のイメージを示してございます。
 27ページ、ちょっと飛びますけども、続きまして、第三章というところの、これは「多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の在り方」についての整理でございます。
 増加しています不登校児童生徒をはじめ、多様な子供たちが誰一人取り残されることなく可能性を伸ばし、開花させる教育の実現が課題でございます。
 28ページでは、高等学校、公立高校の状況でございますけども、既に公立高校がゼロまたは1校のみの自治体も6割を超える状況の中で、子供たちの多様な学びをどう確保していくかということが大事かと思ってございます。
 34ページに飛びまして、御覧ください。
 こうした状況も踏まえまして、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程を促進するために、義務教育段階につきましては、学校や地域の実態に応じて、標準授業時数を弾力化することを可能とする調整授業時数制度を創設する方向性を整理してございます。調整授業時数制度では、一定の要件の下に、各教科の標準授業時数を既存の教科に上乗せをする、あるいは裁量的な時間に充てられるようにするなどして、教育の質の向上を目的とした授業改善に直結するような、そうした組織的な研究や研修等に充てることも可能とすべきという方向性を整理しております。
 40ページでございます。
 これは高校の段階ですけど、単位制を採用しています高校段階では、必履修、選択履修、学校設定教科・科目、これらについて、各学校それぞれ普通科、専門学科、総合学科とありますけど、それぞれ学校ごとで異なるわけでございますが、74単位が卒業に向けて必ず習得しなければならない単位数になっているわけでございます。各学校や生徒の状況はかなり違ってございますので、教育課程を編成する上でも、そうした状況も踏まえた設計にする必要があると。こうした課題に対応するためには、必履修科目を含めた教科・科目の柔軟な組替え、あるいは標準単位数の細分化、特定の必履修教科・科目につきまして、既に十分習得していると判断できる生徒が在籍する場合には、一定の要件の下で履修免除を可能とする方向性などを整理しているものでございます。
 46ページお願いいたします。
 義務教育段階では、先ほど御説明しました学校として編成する教育課程における調整授業時数の制度の創設に加えまして、通級指導が必要な児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒、そして校内外教育支援センター等に通う不登校児童生徒、特定分野に特異な才能がある児童生徒といった、個々の児童生徒に着目した特別な教育課程の拡充や新設を検討してございまして、こうしたことを複層的に組み合わせることで、一人一人の子供たちに寄り添うきめ細かな、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程編成を促進する方向でございます。
 52ページをお願いいたします。
 52ページでは、そうした学習の基盤、子供たちが自ら学んでいくための1つの基盤として情報活用能力を挙げてございます。「情報活用能力の抜本的向上と質の高い探究的な学びの実現」について整理しているものでございます。
 情報活用能力の育成につきましては、これまでの指導内容が必ずしも十分でないということ、あるいは小中高を通じた育成体系が不明確であることなどを踏まえまして、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域」、仮称でございますけども、を付け加えつつ、中学校では技術家庭科の技術分野を家庭分野と分離しまして、「情報・技術科」、仮称でございますけども、として情報技術に関連する内容を強化するなど、情報活用、これは情報モラル教育ももちろん入ってございますが、情報活用能力育成に向けた改善の方向性を整理してございます。
 60ページをお願いいたします。
 60ページでは、探究的な学びの充実を図るために、今申し上げました情報活用能力を、各教科を含めた探究的な学びを支え駆動させる基盤と位置づけまして、探究と情報の一層の連携を図る方向性を示してございます。
 矢継ぎ早で申し訳ございません。68ページを御覧ください。
 いわゆる教師と子供たちの、考えたり実践したり、いろいろやり直したり、あるいは試行錯誤する、そうした時間、そうした「余白の創出を通じた教育の質の向上」について整理しているわけでございます。教育課程の実施に伴う過度な負担・負担感が生じにくい在り方を追求し、教師と子供の双方に余白を創出する方策を検討してございまして、68ページでは、先ほど御説明した調整授業時数制度の活用により、真に必要な授業時数の設定が容易になることを示しております。
 69ページでは、学習指導要領の構造化やそれに伴う必要に応じた学習内容の精選、標準授業時数の弾力化、柔軟な教育課程も契機とした教科書の重点化や分量の精選の方向性を整理してございます。
 77ページお願いいたします。
 学習評価、これは子供たちが学んだいろんな成果というのを、やはり励ますためにも、自身の自信につなげるためにも、学習評価の在り方も重要でございます。「豊かな学びにつなげる学習評価の在り方」について整理してございます。資質・能力の育成に真に繋がる学習評価としていくため、その育成や評価を重視することを前提としながら、「学びに向かう力・人間性等」の評価については、その特質に合った評価となるよう変更する方向性を示してございます。
 長くなって恐縮であります。105ページ、飛びまして、今後のスケジュールでございますけども、教育課程部会の下に設置しました各教科のそれぞれのワーキンググループにおきまして、この論点整理に取りまとめた事項を軸として、教科等ごとに個別の具体的な議論を始めております。それをまた全体で通じる、こうした大きな方向性のところで往還しながら、遅くとも令和8年の夏までに各ワーキンググループで取りまとめを行って、答申につきましては、令和8年度中には取りまとめていただければというふうに考えてございます。
 本論点整理の内容につきましては、教師、学校、教育委員会はもとより、社会全体、保護者の方、多くの方々が理解できて、少しでも分かりやすく浸透するようにするとともに、現時点から今の学習指導要領でできることをどんどん柔軟な形で進めていくために、新しい学習指導要領の見通しを持って取り組んでいけるよう力を尽くしてまいりたいと思ってございます。
 説明が長くなりました。恐縮でございます。失礼しました。
【橋本会長】  ありがとうございました。
 なお、公務の関係で、中村副大臣と福田大臣政務官におかれましては、ここで御退出になります。
【中村副大臣】  それでは、よろしくお願いいたします。失礼します。
(中村副大臣、福田政務官退室)
【橋本会長】  それでは、議事に戻りまして、ただいまより委員の皆様から御意見、御質問等ございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 なお、本日も多くの委員の方に御出席いただいておりますし、皆様から御意見いただきたいと思いますので、時間の都合上、大変短くて恐縮なのですが、2分から3分程度を目安に簡潔にお願いできればと思います。
 それでは、御意見、御質問の方は挙手をお願いいたします。それでは、清原委員、お願いします。
【清原委員】  ありがとうございます。杏林大学客員教授、前三鷹市長の清原です。
 まず、教育課程特別部会の委員の皆様におかれましては、13回にわたる濃密な審議によって論点整理をしていただきましたことに感謝いたします。
 3点について申し上げます。
 1点目、5ページに分かりやすく示されている「第1章、次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる考え方」について申し上げます。
 私は、このたび設置された教育課程部会特別支援教育ワーキンググループの主査を拝命し、10月9日に第1回会議、10月21日に第2回会議を開催いたしました。第1回会議では、委員の皆様から、次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる考え方の3つの項目の1番目に「主体的、対話的で深い学びの実装」が位置づけられるとともに、それに続いて、2番目に「多様性の包摂」が位置づけられていることについて、その意義を評価する御意見が異口同音に提起されました。障害あるいは病気のある児童生徒をはじめ、一定の支援の必要な児童生徒は、特別支援学校、特別支援学級、通級のみならず、通常級で学んでいます。そこで、今回の基盤となる考え方に、多様な子供たちの深い学びを確かなものにすることによって多様性の包摂を含む取組をするとともに、民主的で持続可能な社会の創り手を皆さんで育むという方向性が実現可能性を担保することができますように、資料1の90ページから95ページまで、「特別支援教育に関する検討課題」が提起されておりますので、ワーキンググループの皆様と審議を深めていきたいと思います。
 2点目、「第2章、質の高い深い学びを実現し、分かりやすく使いやすい学習指導要領の在り方」について、10ページから11ページにまとめられている具体的な方向性と論点について申し上げます。
 構造化に続いて、「表形式化」、「デジタル化」が示されている点は重要です。また、24ページに、「デジタル学習基盤を前提とした学びの在り方」、「学習指導要領と個別最適な学びと協働的な学びの関係の在り方」が示されています。2020年度からGIGAスクールが開始され、授業にタブレット等のデジタル化が進んでいる学校の現場を踏まえた、現実的な方向性の提起と受け止めました。生成AIの適切な活用を図るとともに、人間ならではの能力を研ぎ澄ませていく授業や学校での活動が期待されます。学習指導要領について、デジタル化を生かして教職員の理解と創意工夫が進められます取組をぜひ検討していく必要があると受け止めました。
 最後に、3章の「多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の在り方」について、25ページに書かれているポイントと「カリキュラムマネジメント」の重要性について申し上げます。
 学校現場で授業時数の弾力化を可能とする、調整授業時数制度の導入等が具体的に提案されています。学校現場の実態を踏まえて、適切な柔軟性の確保は不可欠と考えます。その上で、児童生徒の視点に立って質の高い教育を提供するためにカリキュラムの柔軟性を生かす上では、「カリキュラムマネジメント」がますます必要になってくると思います。そのために、教師も柔軟な時数の中で研修や研究の時間の確保をしていくということも提案されていて、それも望ましいと思いました。
 そこで、79ページ以降の第7章、その他諮問で提起されている事項の在り方の冒頭に、「カリキュラムマネジメントの在り方」が1番目として提案されています。ぜひこの柔軟性を実現するために、「カリキュラムマネジメント」とセットで検討し提案をしていただき、現場に生かしていただければよいと思いました。
 以上です。どうもありがとうございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。続きまして、渡辺委員、お願いいたします。
【渡辺委員】  日本医師会と学校保健会から参っている渡辺でございます。
 簡単に1点だけ、事務局にお願いをしたいと思います。学習指導要領の改訂において、教育課程企画特別部会で、本日お示しになられたような論点整理がなされております。これを参考にして、各ワーキンググループが各論を検討するということでございますけども、内容によっては、その解釈の仕方が異なる場合もあるし、複数のワーキングに関連する項目もあるのではないかなと思います。組織図が106ページに示されておりますけれども、今後ワーキング間の連携や複数の教科にまたがって対応すべき課題等に関して、どこの組織でどのように調整されるかというのを、スケジュール感も含めて、今後で結構でございますので、お示しいただければと思います。
 要望でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、戸ヶ﨑委員、お願いします。
【戸ヶ﨑委員】  戸田市教育委員会の戸ヶ﨑でございます。私からは、次の議題の2と関連づけで意見を述べさせていただきたいと思います。
 まずは、今回の改訂の3方向のうち、特に丸3のフィージビリティーは、デジタル学習基盤のさらなる構築や、教科書、教材等の改善、総合的な勤務環境整備、こういったことの審議全体に通底させる重要な方向性であると認識しています。
今後は、教師と子供の双方に余白を創出して豊かな学びにつなげることや、カリキュラムの学校裁量の幅の拡幅に伴って、言うまでもなく、ますます教師の資質・能力が求められると思っています。余白や裁量の拡大が真に教育の質の向上につながるための仕組みづくりが必要だろうと思っています。
 言うまでもなく、学びに関する高度専門職である質の高い教師が指導することで、この指導要領の理念や趣旨が徹底されて、「質の高い学び」が実現されます。大切なのは、スーパーティーチャーの登場ではなくて、一人一人の教師が、授業力・教師力を向上させ、質の高い教師になることを期待して、そのための様々な環境整備をしていくことが重要だろうと思っています。
 現場の立場で申し上げますと、いまだに学校教育の中では、能書きはいいから、とにかく多くの授業を見て背中で学べという考え方があり、これも考え直していくべき時期に来ていると思っていて、私自身は半世紀近く優れた教師の指導力や暗黙知で属人的になっている現状をどうにかできないのだろうかと考えてきました。優れた教師の指導力を可視化、定量化して、再現できるように若手に効率的に伝承していくこと。つまり、教師の指導力や授業力を科学する取組やエコシステムを構築する必要があると思っています。
 そのためには多種多様な教育技術を、前提となる指導観や学習科学の知見なども踏まえながら、整理・研究対象として、それらを学生や教師に学んでもらう必要性を強く感じています。昔から言われている理論と実践を往還させ、省察できる教師を育てていく必要があります。今後、論点整理を踏まえて具体的な検討を進めるに当たっては、教師がキャリア全体の中で、科学や根拠で、指導観や教材観を磨くために、常に学びをアップデートさせて成長していくことができる仕掛けを、部分最適から全体最適になるようにつくっていく必要があると思っています。
【橋本会長】  ありがとうございました。続きまして、山口委員、お願いいたします。
【山口委員】  今日は佐賀県のほうから出てまいりましたので、3つ話をさせていただきたいと思います。
 まず1点目なのですけれども、自己決定できる子供の育成についてです。本当に先の見通せない国際情勢、AIの進化など、時代が大きく動いている中で人の果たすべき役割はますます大切であります。その中で、論点整理で自分の人生をかじ取りする力と書いてあるのですけれども、これに大賛成でありまして、佐賀県も県の教育大綱のメインメッセージで、自分で自分のことを決められる子供に育てたい、骨太の子供を育てるために、枠に取り込まれ込まれることなく、トライアンドエラーを重ねながら個性を伸ばしていくということを書いていて、しかも分厚い教育大綱をやめて、たったこれだけの薄っぺらい、でも、みんなが共有できるポケットサイズの共有教育大綱、これが全てですというふうに改革をしました。今、学校の先生がみんなポケットに入れるようになって、気持ちが通じてよかったなと思っております。
 2つ目は、小学校、中学校、高校、大学と続く、この学びの内容が連続しているということが子供たち自身にも分かる形で示すことが重要だなと思っていて、僕らも小学校のとき、その先にどんな学びがあるのか全く分からないで分数とかやっていたので、その先にこれをどう生かしていくのかということを生徒にも分かってもらうのと、先生も分かって次に示されるような形にしていくということ、これが大事だと思います。学びがどう生きるかが置き去りになって、言われた教科の内容を教えること自体が目的化しているということであれば寂しい限りでありますので、ぜひ、学ぶ側の子供が受け身で授業を受けるのではなくて、自分なりに目的、意味を考えて前のめりで学ぶことができるように、この連続性についても、ぜひ議論を深めてほしいと思います。
 最後の3つ目なのですが、どちらかというと文科省の皆さんにお伝えしたいなと思っているのですけれども、すばらしい、自らの人生をかじ取りする力を重視と書いてあるわけですけれども、文科省で学習指導要領や通知に落とし込む作業の中で注意してほしいことがあって、それをぎりぎりぎりぎり詰めて、制度化するときに、きっちりした制度、見栄えのよい、かちっとし過ぎたような制度にするのではなくて、どこか、私が言うのもなんだけど、アバウトなというか、一定地域や学校に任せる自由度の部分をつくってほしいなと。一律にやっていて、かちっとやると、せっかく大事なところが抜け落ちる感じがあるので、そこは思い切って、もともとかじ取りする力というのは答えがない、答えそのものも人それぞれ違っていいものを目指すわけですから、あんまり統一的、画一的にやるのではなくて、不調和だったり、不完全だったり、そういう、あえてアンバランスの美しさというものをこの教育の世界でも求めてもいいんじゃないかなと私は思うし、そこに突破口があると思っています。ですので、私も昔公務員でしたから、かちっとしたい気持ちは分からないでもないけれども、画一的じゃなくて、自治体や学校現場でさえも試行錯誤を繰り返して、自ら考えて決めていくという学校ができてくればいいなと思うので、あまり常識にとらわれずに、文科省自身も、自由に伸び伸びとこれからの日本を見合う子供を育成できるような仕組みを考えていただきたいと思います。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、続きまして、藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】  大阪教育大学の藤井大輔です。
 私から、教育課程の基準の在り方について、1点、意見を申し上げたいと思います。
 私が関わっている安全をつくるセーフティープロモーションスクールの活動に参加している学校の中には、特別活動の児童会生徒会活動や、また、総合的な学習の時間などを活用して、児童生徒が子供目線を生かした安全点検を実践している学校があります。そして、その活動の成果として、児童生徒の安全意識が高められ、友達同士や、また、上級生から下級生への事故予防、安全配慮に関わる声かけが充実され、学校の中の教室、廊下、また運動場の遊具、さらには登下校の通学路などでの事故の発生を予防する効果が期待されるような成果があったと報告されております。
 そこで、次期学習指導要領の検討では、後ほどの議題3の内容にも関わりますが、学校教師が担う業務に係る3分類において、教師以外が積極的に参画すべき業務として、児童生徒の休み時間における安全への配慮が明記されているところですが、教員の働き方改革の観点や児童生徒の学びに向かう力、人間性等の資質能力を育成する観点から、特別活動や総合的な学習の時間などの強化に加えて、教科横断的に児童生徒が教職員と力を合わせて協働する活動、また、共につくり出していく共創の視点に基づいた主体的な取組の実践が促されるような教育課程の可能性について、ぜひ関係するワーキングでの検討に含めていただきたいと思っております。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、オンラインになりますが、都竹委員、お願いいたします。
【都竹委員】  ありがとうございます。飛騨市長の都竹と申します。
 私から2点、申し上げたいと思います。不登校と探究的な学びであります。
 まず、不登校児童生徒に対する対応ですけども、教育課程の特例が拡充されるという方向性が示されておりまして、これは大変大きな前進であり、評価、賛同するものでございます。
 他方で、資料でいくと43ページでありますけども、校内外の教育支援センター等と連携して個別の指導計画を作成する方向で検討すべきという論点が提示されておるわけでありますが、不登校の現場の話を聞いたり見たりしておりますと、個々の児童生徒によって対応がまちまちでありますし、その日によっても刻々と状況が変化するということが特性だと思っております。また、それに応じた流動的な対応が必要になるということでありますので、この計画の作成ということを過度に求めると、教員の負担になったり、あるいは柔軟性を損なう可能性があるというふうに考えております。また、あとそれを誰がやるのかという問題もあるわけでありまして、当市の場合は、市の単費でスタッフ配置を行っておりますけども、そういうことがないと、不登校児童生徒への対応自体が難しい。なので、加配等の措置も必要じゃないかと思います。
 いずれにしても、この指導計画ということを重視するのではなくて、日々柔軟に対応する中で、簡易な形でそれを共有して、それから対応をした上で、学習内容の記録を持って履修認定を行うというようなことも必要じゃないかなと考えております。これが1点目です。
 2点目、探究的な学びでございます。
 ここについても、当市で非常に力を入れておりまして、小中学校のみならず保育園から高等学校までを1つの学校とみなして、地域ぐるみでこの探究的な学びを進めていく「飛騨市学園」という取組をしておりますけども、非常に手応えも感じておりますし、子供たちの成長も感じられて、これからの大事な柱だと考えております。
 他方で、その中で、大事なのは学校側の教員の担当者だけではなくて、地域と学校をつなぐコーディネーター役が間違いなく必要だということを強く感じております。例えば、小学校でいえば、地域の歴史とか文化とか産業とかの資源というものを基にしながら活動をいろいろ行っていくのですが、それをつないだり、教えたりということになると、やっぱり地域の方のほうが一日の長がある。そしてまた、中学校であれば、様々なまちづくり活動、こうしたことに参画したり、自主的なまちづくり活動に取り組んだりするわけですが、そういった様々な地域との調整を行うということも必要でありまして、これもコーディネーターの役割になると思っております。
 これを担当教員に求めれば、元来、地域とか社会の仕組み、流れが熟知されていない中で過度な負担を強いることになってしまうと思っておりまして、やはりそうしたコーディネーターの研修育成ということが必要だと思います。しかも、その際に大事なことは、学校の常識、語法を理解した人間であること、これが非常に大事であります。教員OBなんかがスタッフになればいいのですけれども、純粋な民間人の場合、思いが強い分だけ、一方的なアプローチになったり、あるいは子供たちの主体性がなかなか尊重できなかったということもありますので、学校教育であるということを前提に、どのように子供たちとか学校に関わっていったらいいのかということを学んでいただいたり、あるいはそういうことを知っていただくような体制を整備する必要があると考えておりますので、そうした論点も含めながら議論を進めていただければと思います。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。同じくオンラインで、堀田委員、お願いいたします。
【堀田委員】  東京学芸大学の堀田でございます。
 私の専門は教育の情報化でして、教育課程企画特別部会の委員の1人でもございました。次期学習指導要領に向けたこれからの時代の学びの在り方については、主体的・対話的で深い学びをより確かなものにするために、学習内容の整理の仕方や、学習指導要領としての表現の仕方、あるいはそれらを支える教科書や教材の在り方等について、検討が進められてまいりました。
 これらの学習指導の前提として、先ほど中村副大臣が御挨拶の中でもおっしゃった、1人1台端末などのデジタル学習基盤の考え方についても検討されてきております。私は、学校現場によく出かけておりまして、それで今日もオンラインなんですけども、端末の活用によって一人一人のペースで学ぶような時間が授業の中でも割合として増えてきていて、結果として同じ時間内での児童生徒の理解は自分のペースで学べるだけで、総体的にやはり深まっているなと思います。学校現場は、最初はICTを活用するのは苦労されていましたけども、今では随分とスムーズになってきております。
 また、先ほど局長がおっしゃっていましたが、学習指導要領をデジタル表現する、このことと、例えばデジタル教科書やデジタル教材がうまくつながることができれば、学習すべき内容と教科書や教材の部分の関係を、教師にも児童生徒にも分かりやすく、そして学びやすく提供することができるようになります。学習内容同士のつながりが可視化されることは、深い学びになりやすいと同時に、無駄な重なりを減らすこともできます。
 デジタルで記録が残ることは、教師から見たら学習評価もやりやすくなりますし、プリント等の印刷の手間も随分減ります。このように、デジタル学習基盤をしっかり活用することは児童生徒の学びやすさや教師の働きやすさにつながりますし、そうなると、総授業時数は今のままだったとしても、学びの密度のようなものが上がる分、余白は結果として生まれやすくなります。
 ですので、無理に既定の時数を超えるような教育課程を組まなくてもよくなります。ぜひ全国の学校が、若干まだICT活用にちゅうちょしているような自治体、あるいは学校がありますけども、今以上に余白を生み出すようなデジタル活用にしっかりと取り組んでいただくことを期待すると同時に、先ほど申し上げたようなデジタルで学びやすい教科書や教材、それと学習指導要領とのつながり、これを可視化するような研究開発をさらに推進していただければと思います。
 発言は以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、会場に戻りまして、古沢委員、お願いいたします。
【古沢委員】  ありがとうございます。まず、論点整理については、調整授業時数のことなんですけれど、学校現場の裁量が増えるということは非常に望ましいと思っておりまして、ぜひ教員の負担軽減だけでなくて、教育の質を高めるほうにつなげていくことが必要だと思います。
 ただ、学校現場は当初はかなり戸惑いがあると思いますので、この資料の中で令和8年度から事例創出を加速するというふうにありますが、ぜひこれを進めていただきたいと思います。
 もう1点、現行指導要領の学習評価の在り方の見直しは、かなり踏み込んだ改正点があると思うのですけれど、非常に学校現場への影響が大きくて、これも子供たちの資質能力を引き出す方向につながるとよいと思っています。特に中学校の場合は、高校入試の在り方と併せて検討することが欠かせないと思っておりまして、文科省としても、今後検討していくと思うのですけれども、今後どのように、この入試の在り方というのを検討していかれるのかというのを、可能でしたらお聞かせいただければと思います。
 今まで都道府県に委ねられている部分が大きかったと思うのですけれど、不登校が増えているとか、ある程度共通理解することが必要な点もあると思います。併せて、大学の年内入試が増えている中、高校の評価の在り方というのも、いま一度、やはり現状把握と併せて検討が必要だと考えています。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。取りあえずは、次の方の御意見発表に移りたいと思います。オンラインになりますが、桑原委員、お願いいたします。
【桑原委員】  新潟県津南町町長、桑原でございます。
 縦、横についての要点を、絞ってお話をさせていただきます。
 非常に縦横のイメージですけれども、設計がつくり込まれておりまして、非常に議論を積み重ねている印象を持ったところであります。一方で、縦と横の整理をしていきますと、個々人に対してどこまで来ているかなどの評価をすることになり、どうてこ入れするかとか、どこでつまずいているかとか、そういう話をすることになると思います。また、子供自身も自分のレベルが今どこで、今後の学期でどこを目指すのかとか、そういう話をすることになると思われますけれども、そういう運用が本当に回るのかということについて、現場の理解醸成の負担が増すということも考えられます。理解する期間ですとか体制については、十分に取っていただく必要があると考えております。自治体の教育センターで研修計画を組める自治体はいいのですけれども、我々のような小さい町村で組むのはなかなか難しいところもございまして、そういった人的な体制も必要と考えております。
 そして、佐賀県知事の山口委員おっしゃいましたように、かなり設計がつくり込まれておられて、例えば企業ですと、人材の等級の制度の話みたいなのは、設計をつくり込む時期と簡素化する時期を交互に設けることでバランスを取るそうでございますが、国の制度については、そういうことが果たしてできるのか。運用してみて、簡素化の期間というのを設けることができるのか。こういったつくり込みの度合いによっては、現場の負担ですとか、制度の機能具合を見ながら、慎重に判断することが求められるようにも感じております。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、会場に戻りまして、廣津留委員、お願いいたします。
【廣津留委員】  バイオリニストの廣津留すみれです。簡潔に申し上げます。
 今回、拝読させていただきまして、好きを伸ばすということが大変いいコンセプトだなと思いまして、私も職業柄、その延長で仕事をしておりますので、ぜひぜひ実現していただきたいと思うのですけれども、今回実現可能性というのが3つの軸のうちの1つのポイントになったのは非常に大きいかと思います。理想に終わってしまうのではなく、実際にどうやって現場に落とし込むことができるのか。教員の負担、そして、どう汎用的なモデルをつくるかということと、好きをどう評価するかということをぜひ御議論を進めていただきたいと思います。
 2点申し上げたいのですけれども、まず1つ、12ページの縦と横の議論についてですけれども、今回大変トピックが多いので、どこまで具体的にお話をするかもあったんですけども、例えば私の大学で、今、マクロ音楽学という授業をやっているんですけれども、自分が小中学生のときに、音楽の授業で何が好きで何が嫌いだったかということを聞きますと、やはり個人技で、例えば歌を人前で1人ずつ歌わせられるとか、ギターを個室に連れていかされて披露しなければいけないというところが、どうしても音楽を嫌いになってしまった原因であるみたいな話がありまして、それは毎学期同じ質問するんですけど、似たような答えが返ってきまして、もちろんこのようなテストというのは評価のために本当に必要なもので、特に縦の評価をするときには大切なものであるんですけれども、例えば英語にしても、本来はコミュニケーションのツール、楽しいツールであるべきところを、教科、試験勉強のために単語、文法をやっていたら、だんだん科目、勉強になってしまって、だんだんだんだん苦手になっていく。それが縦と横の関係が今回出ていますので、この評価方法が、縦の評価が必要なのはもちろん重々承知なのですけども、縦と横のつながりを伸ばす評価方法に本当になっているのかというのを、将来、好きになる可能性をそぐことのないようにというか、長期目線で、その科目について見詰めていけるような設計をしていただければなと思います。
 そして2点目なのですけれども、職業柄、例えば中高、学校に講演に行きますと、好きが見つからないのですけれども、どうしたらいいですかという質問を小中学生から中高生ですか、からたくさん受けるのですけれども、今回この好きを育み得意を伸ばすというのがテーマになったことで、学校側から生徒向けに好きを見つけなければいけないというのがプレッシャーになってしまって悩みになったりすることがないように設計ができるといいなと思います。意外とそのお年頃は、周りがすごく好きを見つけていると自分はとても焦ってしまって、皆さんがおっしゃっているように、余白をどうやってつくるかで、恐らくその余白の中で、皆さん好きを見つけていくことだと思いますし、私も大学以降にやっと好きを見つけたというところもありますので、曖昧なというか、余白のうちにどう好きを見つけるかの手助けをするのが学校であるというところで、あまりプレッシャーをかけないようなものができるといいなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
【橋本会長】  ありございます。それは、最後にさせていただきますが、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】  ありがとうございました。先ほどの廣津留委員のコメントにも近いんですけども、この主体的・対話的、探究的というものを進めるためには、どうしても好奇心、好きでないと進めることができません。主体的に事をやらされるというのは主体的でありませんので、自ら好きでとことん掘り下げていかなければいけないのが探究的だと思います。例えば生成AI一つを取っても、生成AIに対してとことん質問するというのは、探究心や好きなことがあってできることであって、それに対して宿題をするためのツールとして、ただ必要なことを聞いているだけでは、実はそれは探究的にならないということで、そのツール自体の使い方をどこまで自分が好きなものがつくれるかということによって大きく変わってきますし、実際にノーベル賞を取った皆さんも、本当に好きだからこれを突き詰めてきたのだということをおっしゃっていますから、やはり好きなことをつくれる環境をつくるということが何よりも大切だと思います。
 そのためにどういう環境をつくるのかというのは、最初は目的として点数を取るのが好きなうちに好きなものができる人もいれば、褒められることによって伸びる人もいればって、いろいろなバランスがあると思うのですけど、その辺のところにいろいろな融通を利かせていただけないと、あまりにもつくり込みをし過ぎると、やはり好きなものがつくれないんじゃないかと思っていて、そしていろいろな好奇心、いろいろな好きなものができていくと、一人一人が好きな方向性が多少違ってくるので、そこに多様性が生まれて、多様性が生まれると、今度は、先ほど堀田委員もおっしゃっていましたけど、デジタルでとことんとことん、ある意味差がついてくるんですけど、そこで終わらせずに、もう常に授業の中で、じゃ、何々さんは何々が好きで進んでいるから、ほかの人に教えてあげようといったような、つまり、子供がほかの子供にも教えてあげるようなものも余暇の時間でちょっとずつつくることによって、好きな人が褒められてみんなから尊敬されるようなことをつくっていけば、全てが先生の負担にならないんじゃないかと思っている次第でございます。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、議題1につきましては、意見交換をここまでとさせていただきたいと思います。先ほど古沢委員から御質問ありましたけど、望月局長、よろしいでしょうか。
【望月初等中等教育局長】  11人の先生方から御意見、そして御質問いただきまして、ありがとうございます。それぞれいただいた御意見につきまして、私ども、そのとおりだと、なるほどなということも繰り返し思ってございまして、いろんな形で具体化をしていきたいと思ってございます。
 幾つか御質問をいただきました。子供たちの状況は一人一人違う。地域の状況も違う。子供たちを取り巻く環境というのは、それぞれの自治体によっても学校によっても違うわけでございます。学習指導要領は大綱的な基準でございますので、これまでも、学校の実際の裁量はもちろんあったわけでございますけども、日本にいる子供たちがどこにいてもしっかり学ぶことができる、そうした基準、内容を学習指導要領で定めながら、そのやり方、あるいは学習の子供たちをどう好きに、無理に好きにさせることはもちろんないんです。自分たちの興味関心、このことが好きだ、あるいはこのことが自分に少し自信がついたなと思うようなことは個人個人のペースで進めていけるような、そうした学習指導要領作りももちろんしていく、そういう発信もしていきたいというふうに考えてございます。
 御質問をいただきました。高校の在り方、高校入試の在り方、これは今、政府全体、党のほうでも検討されておりますけども、全体的に教育の質を小中高をつなぐ形で、自分の学んだことがどういうことにつながっていくのかということを、先ほど御質問いただきましたように、これは我々としてもしっかり意識をしていかなきゃいけないと思っています。
 高校入試につきましては、平成5年のその前の業者テストによる偏差値偏重の、いわゆる高校入試から、自分の学習動機や、あるいは将来の自分の職業、あるいはそうした学習のそうした気持ちというものをできる限り生かした体制の高校入試というのも、高校入試の多様化あるいは評価尺度の多元化ということを進めてございます。今、都道府県教育委員会が設置者ではございます。ですから、文科省の1つの方式ということで、これは決めることはできませんけども、各都道府県の状況を我々としても近いうちにしっかりお聞きをして把握をして、そして、自治体ともコミュニケーションを取りながら、高校教育の、これは子供たちの学びの質につながっていくような、そうした制度と学習環境をつくっていきたいと。そのために、皆さん方にはぜひ御支援をいただきたいと思っているところでございます。
 今後のスケジュールのこともいただきました。今回の学習指導要領、これは大体2年ぐらいのスパンの中で検討する、結構長丁場の審議でございます。そして、いろんな議論を積み重ねて、大きな方向性を出していく。今、途中の段階ですけども、教育課程部会の下につくっております、先ほどの企画特別部会、あるいは総則・評価部会のほうの委員が、横串でワーキングのほうの委員の方に入っていただいて、横串を刺して、またそのグループの状況を、それぞれ一定の段階にいったときに、また往還をしていくということで、しっかり全体の方向性の中で、1つの教科だけで教育内容がどんと積み上がったりすることなく、あるいは、バランスの取れた教育課程になるような形も取っていかなきゃいけないと思っています。貞広部会長にいろいろやっていただいていますけども、ここにお越しいただいている委員の多くの先生方に、その任を担っていただきまして、こうした各教科のみならず、全体の次世代、10年、15年先の教育課程の状況につきまして、皆様からのお知恵と御意見をいただきながら、御協力いただきながらつくっていただく。そのために、全体とこうした個別の往還をさせていくというふうに考えているところでございます。
 子供たちは、自分たちの個々の状況、発達段階も違います。発達状況も違います。ですから、何か自分のことを自己決定、自己選択をしていかなきゃないということがあります、ある段階で。その進路がいろいろみんな人によって違う。そして、そこのところに支援している状況も、シルエットも違う。それを国としては、できる限り、そうした状況も把握しながら、御支援できるところはし、それで自治体のほうも、都竹市長さんがおっしゃっていましたけども、首長部局も首長も、子供たちの教育環境、大きな教育基盤、それから学習基盤、育ちの基盤というのを関わってつくっていますので、学校の働き方もそうですけど、こうした子供たち、こういう関わりを持って、地域の関わりを持って進めていくのだということを、ぜひそれぞれの自治体でも考えて、裁量性、あるいは学校の裁量性というものを、質を全体として向上させていくことを考えながら、できる限り、今回の指導要領でも、そうした自治体や学校の教師の裁量というのに関して、それが子供たちの学力にもつながっていくと、考える力につながっていくと、そうした教育課程を目指していきたいというふうに考えてございます。
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【橋本会長】  ありがとうございました。貴重な意見をたくさんいただきましたので、引き続き、初等中等教育分科会におきまして御審議をいただきたいと思います。
 それでは、議題2に移りたいと思います。
 議題2の多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策に関する論点整理につきまして、事務局から御説明お願いいたします。
 それでは、堀野学習基盤審議官よりお願いいたします。
【堀野学習基盤審議官】  それでは、議題2について御説明させていただきます。
 資料が2-1、2-2、2-3とございますけれども、最初の2-1の概要資料に基づいて御説明をさせていただきます。
 この論点整理でございますけれども、昨年12月に諮問させていただきました、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、これを踏まえまして、初等中等教育分科会教員養成部会で御議論いただきました内容をまとめたものでございます。
 上段には、論点整理に至る現状と課題を記載しております。
 令和の日本型学校教育の実現という目標の下、各種改革が進行しているところですが、生産年齢人口の減少、さらにはAI等の技術革新が進む時代だからこそ、教師による対面指導や子供同士の学び合い、地域での体験活動を通じた子供一人一人の能力を最大化する教育の重要性が高まっています。その中で教師の役割は、子供たちの主体的な学びへの効果的な支援・伴走へと転換していくとともに、こうした使命を果たしていかなければならない教師には、質の高い人材を十分に育成・確保していく必要があります。このことは、現在の教師不足の背景にある、年齢構成に起因する大量退職、大量採用の時期がすぎればおのずと解決するという課題ではありません。こういった現状や課題がある中で、令和6年の中教審答申で示された改革の方向性にのっとりつつ、先ほど説明のあった学習指導要領改訂の議論も踏まえ、教師人材の質の向上と、入職経路の拡幅を強力に推進し、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速させていくということが必要でございます。
 こうした観点を踏まえ、基本養成部会で御議論いただき、このたびおまとめいただきました内容が論点整理となります。
 資料下段を御覧ください。それぞれ3つの論点と基本的な考え方を整理いただいております。
 まず、一番左、諮問事項1ですけれども、社会の変化や学習指導要領の改訂等も見据えた教職課程の在り方についてでございます。本事項につきましては、以下のような御意見がありました。現在の教員免許制度が担保している教師養成の質を落とすことなく、教師の質の向上と量的確保の両立を目指す必要があるのではないかということ。また、教師の育成は、大学全体の学びの中でなされるべきであり、教職課程において共通で学ぶ内容は厳選し、学生が自らの強みや専門性を高めることのできる柔軟なカリキュラムとすべきではないかということ。教職課程において修得すべき内容やデジタルも活用した学び、学修の成果確認等の教員免許状取得に至る総合的な学びの在り方を検討することが必要ではないかということ。学習指導要領の改訂の議論との連携を深めながら、教職課程における学びを検討していくことが不可欠ではないかということ。教員養成における大学院での学びにおいて、臨床的、実践的な教育研究をどのように位置づけていくべきか検討が必要ではないかということでございます。以上のような点について論点を整理いただいたところでございます。
 次に、真ん中、諮問事項2ですけれども、教師の質を維持・向上させるための採用・研修の在り方についてです。以下のような御意見がございました。教員採用は他の公務員だけでなく、他職種と同じ市場で人材獲得競争しているという現実を前提に考えていく必要がある。採用広報を教育委員会だけに委ねることには限界があり、国と地方が一体となった広報戦略が必要ではないかということ。また、教員採用試験の第一次試験の共同実施には様々なメリットがあると考えられ、引き続き具体策を検討すべきではないかということ。現職教師等が学びたいときに学びたいことが学べるよう、経済的負担の軽減等の環境整備、研究・研修休暇等による学びの促進を検討すべきではないかということ。研修等に参加しやすくなるよう、教師の一時的な不在をカバーできるような人材の採用についても検討すべきではないかということ。教師になった者への学部段階の奨学金返還免除については、大学院段階の検証や自治体独自の取組も含めた効果の分析が必要ではないかということ。以上のような点について論点を整理いただきました。
 一番右、諮問事項3ですけれども、多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方についてでございます。以下のような御意見がありました。大学院段階における教職課程の在り方について、多様な学部出身者や社会人経験者が新しいプログラムを履修することによって標準的なレベルの免許状を取得できるような仕組みを考えていく必要があるのではないかということ。それから、教員資格認定試験について、様々な専門性を持つ方が教師としての資質を身につけていけるような試験の在り方についても今後検討していくべきではないかということ。社会人の教師入職を進めていく際は、服務倫理や教職への理解等を、入職前後の学習プログラムで担保する必要があるのではないかということ。企業に所属する社会人の活用については、学校のニーズや実情を踏まえつつ、派遣者の質を担保した上で、例えばシニア人材から始めて実例を増やし、それを若手中堅世代まで拡大するということが考えられるのではないかということ。以上のような点について論点を整理いただきました。
 以上が論点整理の概要ですけれども、別途御議論いただいている、先ほどの教育課程の基準の在り方に係る御議論とも連動させながら、今後ワーキンググループを設置してさらに詳細を議論していくこととしております。その後、再度教員養成部会で議論いただき、令和8年夏から秋頃に答申をまとめていただくことを予定しております。
 私からの説明は以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、本件につきまして、委員の皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 なお、しつこいようで恐縮ですが、こちらの議題につきましても、多くの委員の皆様から御意見いただきたいと思いますので、先ほどと同様に、二、三分をめどに、簡潔にお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、冨永委員、お願いいたします。
【冨永委員】  東北大学の冨永でございます。
 我々は、博士人材を多方面に輩出することを本学の目的としておりますが、現在、多くの大学で教育の高度化を目標として大学院生を増やし、博士号取得者を増やすという流れの中にあるものと認識しております。そうした中で、多様なキャリアパスという観点から考えますと、博士号を取得した人材が教師として社会に貢献することも1つの方向であり、優れた方向であると考えております。ぜひ、このような方策を一層進めていただければと期待しております。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。続きまして、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】  ありがとうございます。
 3点ほどあります。
 1点目が、特別免許状のさらなる活用の促進に向けてです。現在、特別免許状ですけども、都道府県教育委員会が発行の主体となっていますけども、今後市町村教育委員会もその市町村の中だけで、ある一定期間、効力を有する特別免許状を発行できる、授与できるようにするということも、改めて検討してもいいのではないかと考えます。これによって、いわゆる市町村立学校に必要な教員が足りていないという状況においても、今、都道府県教育委員会だけに任せて市町村を配置されるのを待っているしかないというような形ではなく、市町村が自ら自分たちの学校に必要な求める人材を発掘、確保するというふうに、主体的にさらに動けるようにもなっていくというところもありますので、今、教員不足も進んでいますし、これからより一層多様な専門性を持った人材が必要だというところですので、懸念点等の対策なんかも検討した上で、全国の市町村でも活用できるようにするということも改めて検討されてはいかがでしょうかというのが1点目です。
 2点目が、実際採用する前の段階において学校現場で実践的な経験を積めるような制度設計というようなことが、この論点の中で書かれておりました。これは非常に重要だと考えます。その制度設計の際には、地域や企業等で実務経験を持った社会人が、先ほど都竹委員も言われていましたけど、例えば学校や子供と地域や社会もしくは産業界をつなぐコーディネーターとして、学校現場に、もしくは総合的な探究もしくは総合的な学習の時間の授業支援や、必ずしも教員がやる必要がない学校広報だとか渉外とかDX推進といった、そういったところの校務を中心に担う役割として学校現場にある一定期間配置というような仕組みなんかも考えられると思います。この期間に、給与を得ながら現場経験を積んで、一方で、教員免許の取得だとか、教職大学院での学習とか、入職前の学習プログラムなんかも平行して学習していけるというような形で、この社会と学校現場の間の橋渡しの期間だとか中継地みたいな機会や役割を設計するというところも、この制度設計において必要かなと思います。
 最後ですけども、企業から学校現場への教職の派遣受入れというところも出ておりましたが、こうした企業からの在籍出向とか兼業副業、クロスアポイントメントと、こういったところを進めようとしたら、その意義や効果をより明らかにしていくということが絶対必要だと思います。その効果においてはそういった人材が入ってくることによる学校現場への価値だけではなくて、そういった人材が実際学校現場の経験を通して、どういう資質・能力とか、もしくは、ほかの職場でも通用するポータブルスキルが身についていたのかとか、もしくはそういった方が企業に戻った後、企業にとってもどういったメリットがあったのかとか、こういったところを実証的にちゃんと検証して、価値の見える化ということをしっかりとしていかないと、なかなかこの受入れは進まないかなと思いますので、こういったところも改めて実証をしながら推進ということも検討されてはいかがかと思います。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、同じく会場から、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  山口県立大学の田中でございます。
 論点整理の1の教職課程の在り方のところに関係するかと思うのですが、量的確保の両立とか、教員免許状取得に至る総合的な学びの在り方というところで、現に教職課程で学んでいる、将来学校の先生になりたいと思っているような方、あるいは採用試験で合格をされたような方をインターンシップ的な内容で学校の先生方の授業の補助につくとか、あるいは教材をつくるところに一緒に参画するとか、部活動の活動でお手伝いをするというようなところで、予備的職業的社会化という考え方があるんですけども、自分の職業をより専門的に見極めるための予備段階として学ぶという機会を設けると、一層その若手集団というか、次なる教育者の担い手離れや、途中リタイアということを少しでも改善でき、多くの人を吸引できるのではないかと思いました。もちろん、教職課程においては実習がございます。でも、そこの実習では、教え方とか、教材をどうするかというようなところで、教員集団の文化とか教員集団のありようというところまでを深く広く学ぶものではないのではないかと思う観点から、こうしたインターンシップ制度、あるいは、責任ある関わりということで、有償ボランティア的なところ、そういったところで関わってもらうようにすることで、層を厚くすることができる、量的確保として見通しを立てることができるのかなと考えた次第でございます。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、同じ会場から、戸ヶ﨑委員、お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】  改めて、特に今後議論を深めていただきたいことを申し上げたいと思います。
 教員が現職のままで上位の免許状を取得するために大学院や教職大学院で学ぶことと、「学び続ける教師」を支える研修との関係性の在り方について、ぜひ今後も議論を深めていただきたいと思っています。また、教員育成協議会等における大学と教育委員会との連携・協働等を通じた教師の養成、採用、研修の一体的な改革について、さらに議論を深めていただきたいと思っています。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして、会場で清原委員、お願いします。
【清原委員】  ありがとうございます。清原です。
 「3 多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方」について、4点挙げられているうちの2点について申し上げます。
 1点目、冨永委員もおっしゃいましたように、大学院段階の学びを重ねた専門家が学校に行くということは本当に望ましいことだと思っております。ぜひ「大学院段階における教職課程の在り方」について前進していただければと思います。と申しますのは、私、実は、大学院の博士後期課程のときに、教職課程を学部生と一緒に履修いたしました。そして、高校にも教育実習に行きましたときに、大学院生が教育実習に来るということで、とても生徒が注目してくれまして、いろいろ質問を受けました。慶應義塾女子校だったんですけど、大学院に女性も進学できるんだとか、どういうふうに学んでいるんですかとか、ただ、教育実習生の1人にすぎなかったんですが、大学院生が行くだけでも価値があったと感じたということもありまして、私はやはり「大学院段階における教職課程の検討」というのは、実体験からも有意義だと思います。
 4つ目のレ点の「企業に所属する社会人の活用」について、まず、「シニア人材から始めて実例を増やし、それを若手中堅世代まで拡大することが考えられる」と記載してあるんですけれど、私はむしろ、若手こそいってほしいなという願いを込めて発言します。と申しますのは、小学生、中学生、高校生共に、やはり近い世代のロールモデルが必要です。どのような女性が、あるいは男性が、どういう仕事をして、その専門性を話してくれるか。そして、母親、父親世代が来てくれたら、また親近感も湧きますし、「ライフデザイン」というのが、最近の少子化対策の中でもキーワードになっています。若い起業人が学校に来て、実例を話していただくということも大事かと思いまして、段階的にではなく、「多世代」の視点で御検討いただき、岩本委員が言われたように、「企業にとってもメリットがある」という評価も踏まえながら進めていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、オンラインで都竹委員、お願いいたします。
【都竹委員】  ありがとうございます。この質の高い教職員の確保というのは必須の命題であることは言うまでもないんですけども、資料の中にもありましたけども、あらゆる分野がこの人口減少に伴って人手不足でありまして、その現実は、この議論に携わる皆さん全員しっかりと認識しておいたほうがいいと思います。今、我々、来年度の政策の議論に入っていますけども、この最近議論したものだけを思い出しても、介護の人材、医療人材、建設土木、大工、それから消防、先日は自衛隊の方も来られて、隊員確保の話もありました。全部、自分のところは大事だから何とか人を確保しなきゃいけないという議論をしているわけです。そういう並びで教師の議論というのがあるということなんです。
 なので、こうした現実の中で考えると、教師を従来の形のままのとおり、新卒からずっと勤めていただくという形で確保していくということは、今後恐らく困難だろうと思います。さらに、社会の中で雇用の流動化が進んでいますので、社会人の異分野への転職というのは一般的になっておりますし、公務員の世界でも、私たちの飛騨役所でも、過去9年、データを見てみたら、半分が社会人です。それが現実ですから、教師もやっぱり半分くらいが社会人の様々な経験した方が入職してくるということを前提に組み立てる必要があるというふうに思っています。その際に、質の確保ということがもちろんありますけれども、同時に飛騨役所の我々の実例を見ると、民間経験、企業経験豊かな人が入ってくるというのは、組織にとっても行政運営にとってもとてつもないプラスになっていると考えていまして、そういう意味でも、多様な経験を持った人が教育の現場で活躍するということを担保していく仕組みというものを考えていく必要があると思います。そこの前提条件を、しっかりと皆さん共有して持つということが大事ではないかと思います。
 その上で、資料の中にシニア人材を中心に企業に所属する社会人の活用を進めていくという方向性が書かれておりまして、大変いいことではないかと思います。他方で、このシニアの世代というのは、我々もその入口、60近いんですけど、そういう入口にいるわけですけども、やっぱり一方通行、一律の教育の中で育ってきている世代なわけです。そうすると、現在の教育の考え方、主体的で対話に満ちた教育、学校でそれが行われているというイメージができていなかったり、不登校でありましたりコミュニケーションが難しい、まさしく多様な児童生徒がいるという現実が分からなかったりするということがあります。そこの今の学校の現実というものをしっかりと認識してもらえるような、服務倫理だけではなくて、そういった現場を理解してもらう研修なり、そういったことをセットにして進めていく必要があると思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、同じくオンラインで、桑原委員、お願いします。
【桑原委員】  似たような話になりますけれども、地方の首長として感じるところといたしましては、教職員にとどまらず、他産業もセットでの人材確保の問題にも通じるところがあると考えております。産業におけます人材確保や地方移住などの議論もなされている中で、教職員のみを切り出しての施策ということで考えるよりは、産業での人材確保と併せての議論があるとよりよいと思っておりますので、産業と教育の間での人材獲得競争のようなことにならないように、そこのつなぎ目のところにつきましては、内閣府や総務省の地方創生の政策ですとか、経済産業省の産業関連の政策ですとか、そういったところともすり合うような話になりますと、人材が限られる地方自治体といたしましては、ありがたいというところであります。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございます。同じくオンラインで、内田委員、お願いいたします。
【内田委員】  私のほうからは、皆さんがおっしゃったこととほとんど同じことになるので、1点だけ申し上げますと、多様な人材に多様なところで御活躍をいただくにはどうしたらいいか、その障壁になるところを変革させるのは必要なことではないかと思っております。そこで具体的に言うと、大学ともうまく連携することは重要ではないかと思いました。
 教育に関わる領域はかなり様々な研究分野と接続性があります。例えば理科の先生であれば自然科学系の大学院で学んでいただくなど、大学院教育との接続は充実させられるのではないでしょうか。そのためには、大学の側も修士号、あるいは博士号を出すときの基準・要件に弾力性を持たせる必要もあると思っています。たとえば人文系では、単著の書籍を書かなければなかなか博士号が取れないというようなこともあるということを聞いたりもしております。それだと、社会人が大学院で教育を受けることのハードルが上がってしまいます。ここで一度大学院の多様な在り方ということとも連携して、多様な人材の育成を進めていけるとよいのではないかと思いました。
 以上です。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、会場に戻りまして、萩原委員、お願いいたします。
【萩原委員】  ありがとうございます。
 3点ございます。
 まず1つ、子供たちの主体的な学びの支援・伴走への教師の役への転換というところで、こちら、生涯学習分科会のほうでも必ず言われるのですが、地域の中で、NPOとか、いろんな子供の学習支援をしている、そういったところとぜひ連携する、そういった意味では、岩本委員がおっしゃってくださったように、どうつないでいくのかというところが非常に重要になってくるかなと思います。
 2点目です。教師の育成は大学全体の学びの中でなされるべきということなのですが、私も幾つかの国立大学の経営協議会のメンバーをしておりますが、大学、教職大学だけではなくて、教員を輩出した大学として、輩出した学生、教員になった場合にその人を応援するような、ずっと伴走するような仕組みが必要なんじゃないかということを申し上げております。そのときに、ただ単に出身大学だけではなくて、中学、小学校、中学校、高校がある、そこにある大学が、国公私立問わず応援をしていくということが大切じゃないかと思います。そこで大学院に学ぶもよし、こういった新しい科目が出てきたときに、新たな学びを大学の専門性のある方と一緒に学ぶとか、学生と学ぶとか、そういったことがとても重要なんじゃないかなと思います。
 3点目、シニア世代、先ほど都竹委員もおっしゃっておりましたが、やはりシニア世代の持っているステレオタイプとかバイアスというものが再生産されてしまうと非常に問題だと思っていまして、遅れてきたのはちょうど富山のある高校でちょっとアンコンシャスバイアスとは何かというのを、朝9時半から1時間講演をしてきたところでしたので、その中でもやはり、年配の先生とか、それから親とか祖父母とか、そういった人たちからいろんなことを言われてしまうこととかありましたので、その辺は、先ほどの都築委員のおっしゃったとおりに、今の教育の在り方にふさわしい資質を持った、どういう資質なのかということを明らかにしながら、そういった方たちにも協力していただくというふうな仕組み作りが必要なのかなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
【橋本会長】  ありがとうございます。同じく会場から森委員、お願いいたします。
【森委員】  桐蔭の森でございます。
 私からも2点ございます。
 1点目でございますけれども、今学長職ではございますけども、私自身小学校の校長職を5年、幼稚園の園長職を2年経験したものの中で、タコつぼ化することの怖さということをぜひ御指摘したいと思っております。若手の先生方は、当然ながら25歳であっても担任を持ちます。でも、一般的には25歳、企業におきましては、まだまだ初任者研修を受けている年代です。そのときに、保護者の方々となかなか価値観が合わないみたいなことも結構ございました。先ほどインターンシップの話出ておりましたが、ぜひぜひ、学校を超えた企業との人事交流などや、地域を超えた様々な経験をする、そういったような教職を超えて越境するような機会を設けていただきたいと思っております。
 2点目でございますが、これはテクニック的なことでございますけれども、教員養成課程ではない一般学部の学生が教員になろうとしますと、必ずキャップ制の問題に引っかかってくるというところになります。このキャップ制に関しましては、認証評価でも横並びに指摘を受けるところでございまして、学生とすれば、様々な、いわゆるキャリアチェンジのところで、そういったようなものを少し認めていくような施策も必要かなと思いました。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは吉岡副会長、お願いします。
【吉岡副会長】  ありがとうございます。
 先ほどの論点整理と今回の論点整理と両方を含めて、意見というよりも感想を述べたいと思います。この2つの論点整理を読んで大切だと強く思った点は、どちらも学びという視点で、学びという言葉を軸にして書かれているということです。児童生徒の学び、それから教師の学び、あるいは、ここで言うと教職課程を学ぶ学生、院生も含めてですけども、それの学びという、そういう学びの重層的な構造というのが扱われていると思います。これによって、学びという人間の営みの重要性というのが非常によく示されているなというふうに感じました。学びというのは、児童生徒と教師、それから学生と教員と、それぞれの局面において当事者の、先ほどから何度か出ている言葉ですけれど、主体的な関わりによって成立しているということだと思います。したがって、この論点整理はもちろんですけれども、今後制度化していくとき、常にその学ぶ側からの視点というのが重要だと思います。
 今日の主な論点は、初中関係ですけども、教職課程はもちろん高等教育の領域ですし、高等教育全体においても、本日の学びという視点というのは非常に重要な視点で、教育の現場というのは、教員と学生が向き合って知識や技術というのを受け渡すという側面がありますけれども、それもある意味ではごく一部で、むしろ教員と学生が共にある対象に向かって、対象に対して向かうことによって新たな発見というものに立ち会っていく、それが教育の場だろうと思います。
 したがって、その発見のプロセスから教員も学ぶことが多い、新しい発見が生じるということだろうと思いますが、ただ、往々にして、授業の方法であるとか効率性とかというふうに議論が向かいがちだということも事実だろうと思います。
 発見のプロセスである以上、本質的に、学びというのは本当に楽しいことであるはずなわけです。児童生徒にとっても教師にとっても、あるいは学生にとっても教員にとっても、学ぶということは楽しいことだという、これは非常に重要なことだと思います。この学ぶ喜びということを忘れないといいますか、常に意識しないといけないということと、学ぶことが楽しくないとすると何が問題なのかということで、これをやっぱり徹底的に考えていく必要があるだろうと思いました。
 今日の議論、今後の大学分科会での議論においても生かしていきたいと思いますので、そのお礼も含めて、ありがとうございました。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、安孫子委員、お願いいたします。
【安孫子委員】  株式会社ニトリから参りました安孫子でございます。
 企業におきましても、このゼネラリストに加えて、今、専門性を持つスペシャリスト育成は非常に重要な課題になっています。そういう意味でも、このテーマは、産官学の連携強化を図る上で極めて重要な視点で、特に検討の丸3番、ここに示された内容は、実践的な学びの場づくりにおいて大いに期待される論点であり、分科会の縦割り構造にとどまらず、横断的に取り組むべきテーマでもあると感じました。例えば、先ほど説明のありました資料1の教育課程企画特別部会、77ページに記された評価方向性イメージと併せて考えますと、学びに向かう力や人間性の育成を、企業、仕事、社会貢献の実践の場につなげて設計するということは、学校教育と企業教育の接点ができていくことで、さらに学び合う場が生まれてくるのではないかと考えます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、意見交換につきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。ただいまの委員の皆様からいただきました御意見を踏まえまして、初等中等教育分科会におきまして、引き続き御審議をいただきたいと思います。
 それでは、議題3に移ります。
 議第3、公立の義務教育小学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の成立等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【堀野学習基盤審議官】  それでは、資料3を御覧いただきたいと思います。
 昨年8月に、中央教育審議会において取りまとめていただいた答申、令和の日本型学校教育を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について、この答申を踏まえまして、本年6月、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に係る特別措置法等の一部を改正する法律が成立いたしました。この改正給特法は、国会において多くの法案が提出される中で、通常国会では4本のみが指定される重要広範議案というものに指定をされ、衆参両院において合計約50時間にわたる充実した御審議を経て成立いたしました。多くの方々の御協力、御支援によって今回の成立に至ったものでございまして、全ての関係者の皆様に対し、改めて心より御礼を申し上げます。
 本改正給特法の概要について簡単に御説明させていただくと共に、この法律を受けた国の働き方改革に関する指針の改正など、取組の御報告をさせていただきます。
 この1ページ目、改正給特法の概要でございます。
 改正給特法の内容は、答申においても、学校における働き方改革のさらなる加速化、それから2つ目に学校の指導運営体制の充実、3つ目に教師の処遇改善という3つの施策を一体的、総合的に推進するべきと御提言をいただいていることも踏まえまして、この資料においても、縦に1、2、3と3つの柱で構成した資料となっております。
 1つ目の上、働き方改革の推進につきましては、教育委員会に対して教員の業務量の適切な管理と健康福祉を確保するための措置を実施するための計画の策定・公表を義務づけると共に、計画の内容や実施状況を首長が主催する総合教育会議に報告すること。また、保護者や地域からの協力を得るために、学校運営協議会において議論することを義務づけることといたしました。また、組織的な学校運営及び指導を促進するため、児童等の教育をつかさどるとともに、学校の教育活動に関し教職員間の総合的な調整を行う主務教諭という新たな職を学校に置くことができる職として設けることといたしました。主務教諭については、新たな給与の級を設けまして、一般の教諭よりも6,000円程度高い処遇とすることを想定しております。
 さらに、処遇改善については、教育に関する専門職である教師にふさわしい処遇を実現するという観点から、教職調整額を現在の4%から10%まで段階的に引き上げると共に、職務や勤務の状況に応じた処遇とするために、右側の部分ですけども、義務教育等教員特別手当、これを校務類型に応じて支給することができる、学級担任手当ということを想定しておりますけれども、そういうこととして、その困難性を考慮して条例で支給額を定めるということとしております。
 次に、2ページ目を御覧ください。
 国会における質疑を受けまして、改正給特法の附則において、例えば時間外在校等時間を令和11年度までに一月30時間程度に縮減することを目標として、そこに掲げられているような様々な施策を講じること。また、公立の中学校の学級編制の標準を令和8年度から35人に引き下げるよう、法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとすること、こういったことが附則に盛り込まれたところでございます。
 さらに、3ページから4ページにかけまして、衆議院、参議院それぞれから、ここにあるような附帯決議というものが決議をされているところでございます。
 続きまして、5ページ目でございますけれども、この給特法改正を受けまして、中教審の中に教師を取り巻く環境整備特別部会を設置いたしまして、文部科学大臣が定める働き方改革に関する指針の見直しについて御議論をいただきまして、9月25日に文科大臣より改正指針について告示をさせていただきました。この改正指針におきましては、1か月の時間外在校等時間を45時間以内とする等の上限時間については引き続き維持することとし、教育委員会が策定する、働き方改革に関する計画において、一番この資料の真ん中の枠囲みに書いてありますけれども、1か月の時間外在校等時間が45時間以下の教職員の割合を100%とすることを目指すことや、可能な限り、ワーク・ライフ・バランスや、働きがい等に関する目標を地域の実情に応じて設定することなどを盛り込むこと、こういったことをお示しをさせていただきました。
 さらに、6ページ目ですけれども、平成31年の中教審で示された、学校教師が担う業務に係る3分類について、今日の学校や教師を取り巻く状況や、教師の負担や働きがいの観点を踏まえて項目を追加するなど、アップデートした上で、前ページの改正指針に位置づけております。
 各教育委員会においては、この新たな「学校と教師の業務の3分類」を踏まえつつ、学校運営協議会等での議論を経て、優先順位を定めながら各校の実情に応じた運用を行い、業務を不断に見直していただきたいと考えております。
 また、資料7ページ以降ですけれども、働き方改革の実現に向けては、国、教育委員会、学校など、それぞれの主体が自分事として、その権限と責任に基づき主体的に取り組むということに加えまして、首長部局や地域の方々の御理解、御協力をいただくということが不可欠であります。これはページごとに内容を変えておりますけれども、こういう観点から、文部科学省で改正給特法の趣旨ですとか、次のページは教育委員会向けですとか、首長部局向け、地域保護者、教員志願者、志願者向け、それぞれ対象別にしたメッセージを分かりやすくまとめた広報資料を作成いたしました。この広報資料等も活用しながら、引き続き文部科学省が先頭に立って、先生方が教育にかける思いを十分に発揮できるような環境整備に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 説明は以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、本件につきまして、委員の皆様から御意見、御質問ありましたらよろしくお願いいたします。渡辺委員、お願いします。
【渡辺委員】  渡辺でございます。
 1点、意見を申し上げます。
 教職員の成り手を増やす、もしくはやる気を起こしていただく等のための教職員の働き方改革と給特法の改正がなされておりますが、改正の本来のエンドポイントは、いつも申し上げることでございますけども、教師の負担を軽減し、心理的、身体的なストレスを減らして休職率を減少させることにあると思っております。働き方改革における数値化しやすい評価指標として、時間外在校時間の削減を目標とされたことは妥当とは思いますけれども、教職員自らが望む研修とか授業準備の時間が減少するようであってはならないと思います。在校時間の削減のみを目的としてしまえば、潜在的な在宅勤務が増える可能性もあると思います。
 このようなことに配慮するとともに、資料3の2ページに示されている時間外在校時間の削減に関する措置、働き方改革に対する様々な試案がございますけども、これに対しては、財源が必要な項目が幾つかございますので、十分に財源を確保して実施していただきたいと思います。
 また、資料3の8ページ、9ページに、教師の健康・福祉の確保に向けて、とありますが、教師の負担の軽減に関する評価を行い、これらが効果的な対応ができているかどうかという検証をぜひしていただきたいと思います。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして、戸ヶ﨑委員、お願いします。
【戸ヶ﨑委員】  何度もすみません。
 教育委員会の立場から長く関わらせていただき、少なからず思いもありますので、意見をさせていただければと思います。若干辛口の意見が入るかもしれませんけども、御容赦いただけたらと思います。
 まず、今般の給特法の改正について、学校現場と教師にとって、大変歴史的な一歩が踏み出されたことに対しては大変心強く思っているところであります。今後、各教育委員会において、働き方改革に関するこの大臣指針に即して、その推進計画を策定して実行していく段階に入っていきます。
その際に大切にしなければならないことは、中教審答申にて示されました、働きやすさと働きがいの両立だと思っています。働き方改革は、単に時間外在校等時間を削減すればよいのではなく、教職に誇りを持って学習指導要領の趣旨等の実現に向けて日々研さんに励み、生き生きと子供たちと向き合っていける働きがいのある職場にすること等、教師のあるべき姿や社会が期待する姿を実現する出発点であると私は考えております。
 これまで繰り返し申し上げてきたことですが、議題1と議題2の論点整理は車の両輪であります。そこに通底するのが、この働き方改革の実現であると思っています。勝手なイメージで申し上げるならば、指導要領をX軸、教師の育成・採用・研修をY軸、働き方改革を三次元のZ軸とした立体的な理解に基づく施策と改革が必要だと思っております。
 僭越ながら申し上げますと、今行われている各部会での議論が、直線的にその事柄だけを検討し、それぞれの結果の実現を学校や教師に求めても、正直なかなか受け止められるものではないだろうと思っています。働き方改革を進めることも、学習指導要領の理念を実現することも、質の向上を図っていくことも、同じ教育委員会や学校が取り組まなければならないことです。文部科学省におかれては、僭越な言い方ですけども、ぜひそのことを十分に意識していただいて、虫の目だけではなく鳥の目や魚の目を持って議論を進めていただくことが大事であると思っています。
 とにかく、学校の働き方改革は現在待ったなしです。よく子供の学びと教師の学びは相似形であると言われていますが、働き方改革に関する教師の探究は、次期学習指導要領の子供の探究や、深い学びを実装するために必要不可欠なことだと思っています。厳しい言い方をしますと、今働き方改革に積極的に取り組んでいない学校や教育委員会は、おそらく次期学習指導要領を使いこなしていくことは不可能ではないかとさえ思っております。
 働き方改革に大切なキーワードは、OHP、オーナーシップ・ヘルプシーキング・プライオリティーです。つまり、それぞれの主体が自分事として考え、時には「助けて」とアウトソーシングができる、さらには、優先順位を明確にできることに尽きると思っています。
中教審としても、全国の教育委員会や学校が、3つの気と私は呼びますが、元気と勇気と気づき、これらが湧き出るように、ぜひイニシアチブを取って、立体的な施策や手本となるアウトプットを示せるように、私も自分のできることに努めていきたいと思っています。
 長くなりましたが、以上です。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、大変恐縮ですけども、時間の都合上、現在手を挙げておられる安孫子委員、秋田委員、清原委員、貞広副会長、岩本委員の5名様に人数をお絞りさせていただきたいと思います。それでは、安孫子委員、お願いいたします。
【安孫子委員】  ありがとうございます。学校の働き方改革において、実質的に作業量削減の成果を上げなければ、先生方に資料1の34ページで御説明いただきました裁量的な時間を捻出することも、やりがい、生きがいを捻出することも、さらに、これまで議論をされていた様々な施策を実現することもできないなと感じます。そのためには、これまで以上にこの現状を数値化して、客観的に把握することが本当に求められますので、今御説明いただいた6ページにある3分類、この3分類のおのおのの業務項目、この業務項目ごとに数値的背景がきちっとデータ化されることを期待します。何が問題なのかを、我々が数値で把握するところから全ての作業量削減というのは始まると思います。例えば、先生方の部活動が負担が大きいのであれば、この部活動を一般的な捉え方にとどまらず、部活動の中の何が一番作業負担がかかっているのか、さらにどの作業なのか、もっといえば、どの動作が負担になっているのか、そこまで細かく分解して検証しなければ、多分、実質的な改善には至らないと思います。また、自治体ごとにその状態が大きく違うのであれば、自治体ごとに学校の状態を横並びで比較できるようにすると、そのよい取り組みを発見し、拡大する方針にもつながると思います。
【橋本会長】  ありがとうございました。秋田委員、お願いします。
【秋田委員】  ありがとうございます。学習院大学の秋田です。
 今回、この3つの論点を、先ほど戸ヶ﨑委員が立体的に捉えるというお話をしてくださいましたけれども、教育の質の向上のためには、時間として、客観的な時間だけではなくて、主観的に子供がわくわくする時間、そして教師がやりがいを持てるような時間を、どういうふうに制度として生み出していくのかということが今問われているのだろうと私は考えているところでございます。
 そうしたことの中で今取り組まれて、特に資料3の中で、給特法が変えられ、そして時間の基準等が出されたことはすばらしいことだと思います。また、資料の最後のところに、様々な宛名に合わせた周知の仕方がつくられている。これもいいなと思いながら、これからの教育を考えたときに一番届いてほしい者の1人が、教職を目指す学生たちであります。しかし、この紙を文部科学省が作って教育委員会に配ったとしても、教育委員会が、地域の教員養成大学とか教職を取っている学生にじかに届くように連携をしていただき、そして教職課程の授業を持っている大学の先生方がブラックな仕事ではなくこういう今取組がなされているのだということを知っていただくという広報周知ということが非常に重要になっていく。それを教職の魅力化とも呼ぶのだと思いますが、そういう周知の戦略というのでしょうか、これが大事だと思います。もしかすると、このチラシ、若者から見たとき魅力的かと訊かれると、先ほどから子供若者の視点、自分たちの意見という話が出ていましたが、まだまだ何か行政チックで、若者がとてもわくわくするチラシには、私には見えないのです。この辺りも、今後、本当に教師に、教師だけじゃなくて産業界もみんな人は足りないんですけれども、国の礎をつくっていく公教育の教師は極めて重要でございますので、ぜひこの辺りの周知戦略を考えていただきたいと思います。
 また、多様な人材を確保するためには、多様な方が教職に入ったときの給与です。例えば企業からの転職をしたときの給与水準であったり、資格を取った後の水準が一定保障されるような仕組みをきちっとつくっていただかないと難しいのではないか。この辺りの処遇の問題をこれから議論する必要があるのではないかと考えております。
 そして、最後に1点でございますが、資料3-1で、今回の給特法では、実は幼稚園の教師は既に子ども・子育て支援法のことがあるので除外をされております。しかしながら、幼小中高と教育課程の基準のほうでも、連続性が考えられています。働き方の話のところでも、ぜひ幼稚園教諭やこども園の保育教諭も含めて、これが働きがい、働き方の話というのに含めていただくということが必要ではないかと考える次第です。
 以上です。ありがとうございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。続きまして、清原委員、お願いします。
【清原委員】  ありがとうございます。清原です。
 1点のみ申し上げます。
 私は、第一次の学校における働き方改革特別部会のメンバーでございましたので、そのときから、教職調整額が大きな課題となっており、このたびの改正について、国会で可決されたことは大変有意義だと思っています。その内容が実施されるための措置として、「資料3-1、学校における働き方改革の一層の推進」の(2)に、「学校における実施の確保のための措置」として、下に、「公立学校の校長が学校運営協議会の承認を得ることとなっている学校運営に関する基本的な方針に、業務量管理・健康確保措置の実施に関する内容を深める」とあります。関連して、資料の4ページにありますように、「参議院の文教科学委員会の附帯決議」の11に、「業務量管理・健康確保措置の実施における学校運営協議会の役割の重要性に鑑み、学校運営協議会の設置を推進するとともに、学校運営の支援機能向上、学校運営協議会委員の研修の改善と適切な処遇を行うこと」とされています。私は、三鷹市長在任中に「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」を教育委員会と連携し創始いたしました。その際、学校運営協議会のメンバーとして、保護者の皆さん、そして地域住民の皆さん、有識者の皆様の活発な議論に支えられてきた経験を持っております。したがって、「学校における働き方改革」を本当に現場で実施するためには、「学校運営協議会」の力というのが本当に大きなものだと認識しています。ぜひこのことが各地で実施されますように、そして全国でコミュニティ・スクールが増加している中にあって、そのメンバーとして、「教員の働き方改革」が「保護者や地域住民の皆様の働き方改革」につながることによって、教員が子供たちと対話する時間を増やすだけではなくて、保護者や地域の皆さんも、子供たちと対話する時間を増やすという、「働き方改革の好ましい伝播」が起こるのではないかということも期待いたします。
 以上です。よろしくお願いします。
【橋本会長】  ありがとうございました。貞広副会長、お願いします。
【貞広副会長】  時間のない中で、申し訳ありません。千葉大学の貞広と申します。
 今日、3つの議題を出していただいていまして、私、主査等で全ての議題のプロセスに関わっておりますので、どちらかというと気持ち的には事務局の側とかなり同じで、お諮りしておりますみたいな気持ちでおりましたので、発言をしないでおこうかと思ったんですけれども、少しだけ皆様に屋上屋を重ねるような意見を追加で申し上げさせていただきます。
 皆様の御意見の中にも、議題1と議題2はとりわけ連動している、また、戸ヶ﨑委員の御意見の中には、X軸、Y軸、Z軸で立体的にという話がありました。恐らく、事務局の方々が、少なくとも議題1と2は、相当戦略的に、計画的に、もしかしたら議題3も戦略性を持ってこの3つの議題を今日の総会に並べてあげる様に段取ってくださったのだと思います、これは、文科省の中でこの政策同士が連動しているというだけではなくて、これから実際に都道府県の教育委員会や市町村の教育委員会、そして学校や地域の方に御理解いただいて、これらが連動して実際に実装されるということが非常に必要であるというメッセージを発信するために、今回この3つの議題が並べられたのだと私は考えておりますので、それをぜひそういう形で全ての方に受け止めていただきたいと思います。そして、これも「くれない族」と先ほど戸ヶ﨑委員がおっしゃっていましたけど、国がやってくれないから、都道府県がやってくれないから、市町村がやらないから、学校ができないからではなく、それぞれの方がそれぞれの場所でしかできないことがありますので、全ての人が主体となり少しずつでも前進をして、全体として正の駆動を起こしていただきたい。そういう気持ちを持ってのこの3つの議題だということを申し上げて、蛇足的ですが、申し上げたいと思います。
 まずは、一人一人ができることの正の駆動の一環として、私は今日最後の議題3の資料の12ページ目の、教職を目指す皆さんへという資料を、今日帰ってから研究室の前に入りたいと思います。もうちょっといいデザインに、もしかしたら秋田委員の御意見でなるかもしれませんが、まずは第一歩の正の駆動を起こしたいと思います。どうもありがとうございました。
【橋本会長】  ありがとうございます。それでは、岩本委員、お願いします。
【岩本委員】  すいません。
 1点だけです。X軸とZ軸の関わりというところで、スライド6ページ目の学校と教師の業務の三分類の17番目に、学校行事の部分が入っております。教育課程課の方はもう退席されてしまっていないのかもしれないのですが、ぜひ伝えていただけたらなと思ったのは、学校行事はいわゆる特別活動に当たるところで、今、教育課程部会の特別活動のワーキングなんかも始まっていますので、その中でもこの学校行事の話というのは、働き方改革の観点含めて記述というか、検討していただけるといいなと思いますし、その際には、この行事の準備運営の負担を下げるという話だけではなくて、質を上げるためにも、地域連携とか地域展開とか、昔でいう地域移行とか、そういったところの一番余白というか、やる伸び代があるところだと思いますので、ぜひ特別活動のワーキングのほうでも、そういった視点も含めて、ぜひ学校行事の今後の在り方というところを検討いただけるといいなと思います。
 以上でございます。
【橋本会長】  ありがとうございました。それでは、意見交換につきましては、ここまでとしたいと思います。
 大変多数の貴重な意見をいただきました。引き続き文科省におかれまして、御配慮いただければと思います。
 ちょっと時間を超過してしまいましたが、以上で本日の会議を終了したいと思います。どうも本日はありがとうございました。
 
── 了 ──

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