中央教育審議会(第133回) 議事録

1.日時

令和5年1月27日(金曜日)15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階) ※WEB会議

3.議題

  1. 次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について
  2. 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の一部を改正する法律等について
  3. 令和4年度文部科学省関係第2次補正予算・令和5年度文部科学省関係予算案及び税制改正について

4.出席者

委員

渡邉光一郎会長、荒瀬委員、井坂委員、今村委員、越智委員、加治佐委員、清原委員、後藤委員、小林いずみ委員、小林真由美委員、貞広委員、清水敬介委員、
清水信一委員、竹中委員、永田委員、中野委員、堀田委員、吉岡委員、吉田委員、渡辺弘司委員、渡邉正樹委員

文部科学省

藤江総合教育政策局長、藤原初等中等教育局長、池田高等教育局長、里見大臣官房審議官(総合教育政策局担当)、森友総合教育政策局政策課長、
高谷大臣官房会計課長、奥野大臣官房政策課長 他

5.議事録

【渡邉(光)会長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会を開催させていただきます。
 本日も大変御多忙の中、またお寒い中、御出席いただきまして本当にありがとうございます。この会議は、まだ新型コロナウイルス感染症の拡大が収まっていないため、前回同様、ウェブ方式と対面を併用して、ハイブリッド形式での開催とさせていただきます。
 それでは、まず、本日の会議の開催形式と資料につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【森友総合教育政策局政策課長】 本日もウェブ会議での会議開催とさせていただき、傍聴につきましてはユーチューブにて配信しておりますので、御承知おきください。
 各議題質疑、意見交換の際、御意見がございます場合は、会場で参加の委員の皆様はネームプレートを立てていただき、ウェブ参加の委員の皆様は「挙手ボタン」を押して、お知らせください。御発言は、会長の御指名の後にお願いいたします。ウェブ参加の委員の皆様は、御発言時以外はマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。会場での参加の委員の皆様は、会長から御指名があった後、事務局がマイクをお持ちいたしますので、机上の端末にお顔を映していただきながら御発言いただければ幸いです。
 続きまして、本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1-1から資料4までとなっております。なお、資料4につきましては、配布のみとさせていただきます。御不明な点ございましたら、事務局までお申しつけください。
 最後に、本日の御出席につきまして、全29名中、会場参加の方が6名、ウェブ参加の方が14名、併せて20名の方々に御参加いただいていることを御報告申し上げます。御公務等の御関係で、本日、途中退室、途中参加予定の委員の方々もおられますので、御承知おきください。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございました。資料の御確認はよろしいでしょうか。
 それでは、本日の議事について説明させていただきます。本日の議題は3つございます。
 まず、議題の1ですが、次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について、事務局より説明をいただいて、その後質疑応答をしたいと思います。次に、議題の2ですけれども、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の一部を改正する法律等について、同様に資料の説明ののち、中央教育審議会の運営規則の一部改正について、お諮りをさせていただきたいと思います。そして、議題の3、令和4年度文部科学省関係第2次補正予算、それから令和5年度の文部科学省関係予算案及び税制改正について、事務局からの説明ののち、質疑応答させていただきたいと思います。
 早速ですけれども、議題1の次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過について、事務局から説明をお願いいたします。
【藤江総合教育政策局長】 ありがとうございます。総合教育政策局長の藤江と申します。
 教育振興基本計画につきましては、先生方、御案内のとおり、来年度からの5年間の次期計画策定に向けまして、昨年2月に大臣から諮問を行わせていただきまして、この中教審の下に基本計画部会を設置していただきまして、これまで12回御審議いただいたところでございます。
 その後、1月13日に審議経過報告を取りまとめていただいたものでございまして、その間、部会参加の先生方は精力的に御審議いただいておりまして、誠にありがとうございます。本日は、資料1-1に基づきまして、審議経過報告の概要について説明をさせていただきます。
 緑のところでございますが、この審議経過報告では、まず、我が国の教育をめぐる現状・課題・展望を概観するとともに、第3期期間中の成果と課題といったところを整理していただいております。特に、現行計画の期間中におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大などの予測困難な時代の象徴ともいうべき大きな社会変化が生じたところでございます。
 また、期間中の成果といたしましては、GIGAスクール構想ですとか、教育費負担軽減制度の導入など、大きな政策の進捗があったところでございます。また、他方ですが、右側のところにございますように、グローバルな交流の停滞や不登校、いじめの増加など、コロナ禍を背景とした課題も生じているという現状の認識をしていただいております。
 これらを踏まえまして、次期計画のコンセプトといたしまして、2点、お示しいただいております。まず、2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成という点が掲げられているところでございます。予測困難な時代ということで、そこにおいて自らが社会の創り手となって持続可能な社会を維持発展させていく、そのための社会課題の解決、あるいはイノベーション、生産性向上に向けた人への投資の必要性というところを示しているものでございます。
 そして、2点目といたしまして、ピンクのところでございますけれども、多様な個人が幸せや生きがいを感じられる、特に調和と協調に基づく日本社会に根差したウェルビーイングの向上というもの、この2つが基本的なコンセプトとしてお示しいただいているものでございます。
 その上で、オレンジの部分ですけれども、5つの基本的な方針として、グローバル化する社会の持続的な発展に向けて、学び続ける人材の育成、それから誰一人取り残さず全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進、地域や家庭で共に学び、支え合う社会の実現に向けた教育の推進、そして、この3つを支えるものとして、教育デジタルトランスフォーメーションの推進、そして、計画の実効性確保のための基盤整備、対話という形で整理いただいているものでございます。
 1つ目のグローバル化の項目につきましては、主体的な社会への参画、探求、STEAM、文理横断・融合、留学等の国際交流やリカレント教育の方向性が示されております。
 2つ目の「誰一人取り残さず」といったところにつきましては、子供の抱える困難が多様化、複雑化する中での多様な教育ニーズへの対応、多様性、公平・公正、包摂性のある共生社会の実現といった方向性が示されております。
 また、3つ目の地域や家庭の項目につきましては、持続的な地域コミュニティーの基盤形成に向けた公民館、社会教育人材、あるいはコミュニティ・スクールと地域、学校、協働活動の一体的推進といったものが示されております。そして、これらを支えるものとして、教育DXということで推進が掲げられておりますけれども、ここではGIGAスクール構想や情報活用能力、教育データの分析、利活用、デジタルとリアルの活動の組合せについても示されているところです。
 さらに、計画の実効性確保のための基盤整備、対話ということで、指導体制やICT環境の環境整備、そして、学校の働き方改革、経済的、地理的状況によらない学び、様々な関係者との対話の方向性といったものが示されております。
 2枚目に移っていただきまして、2枚目の上の、これも緑のところにございますのが、教育政策の遂行に当たって留意すべき事項ということで、エビデンスに基づく政策立案ということと、教育投資の在り方ということについて示されております。教育投資につきましては、人への投資が成長の源泉であるとの認識の下、教育費負担の軽減、あるいは各教育段階における質の向上に関する主な施策を示した上で、一番右のところに書いてございますが、OECD諸国など諸外国における公財政支出など、教育投資の状況を参考とし、必要な予算について財源を措置し、必要な教育投資を確保することということを示しております。
 その下の水色の部分が各論のパートでございまして、今後5年間の教育政策の目標と基本施策、そして指標について記載しているものでございます。教育政策の目標につきましては、1から16まで掲げていただいておりますが、1から3がそれぞれ知・徳・体に関わる事項でございまして、4から6がグローバル、イノベーション、主体的な社会形成への参画に関する事項でございます。そして、7が多様な誰一人取り残さない多様な教育ニーズに関する事項でございまして、8から10が生涯学習や社会教育に関する事項、11が教育DX、12以降が基盤整備といたしまして、指導体制、ICT、経済的状況によらない学びの確保といった形で整理していただいております。
 時間も限られておりますので、個々の施策について御説明はできませんが、それぞれの目標について、基本施策というものを包括的に記述しており、ここでは、その基本施策の例ということで記載しておりますので、御覧いただければと思います。
 この資料、今、御説明した2枚ものの資料は概要資料であり、本文に、後ろにつけてございますが、詳細事項を記載しております。現在パブリックコメント中でございまして、関係団体からのヒアリングも実施しているところでございます。今後、年度内に答申いただき、その後の閣議決定ということで予定しておりまして、本日、御議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございました。それでは、早速皆様から御意見、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。それでは、会場から御参加の渡辺委員からお願いいたします。
【渡辺(弘)委員】 日本医師会、学校保健会の渡辺でございます。次期教育振興基本計画の策定に当たりましては、これまで中教審や関係団体ヒアリングの場で、健康はウェルビーイングの大前提であること、それから、教師のウェルビーイングを確保するために産業医の配置を進めること、また、学校医などが学校保健活動に参画しやすくなるプラットフォームの再整備を行っていただくこと、あるいは、インクルーシブ教育につながる共生社会の理解の必要性などと幾つかの点について、意見を述べさせていただいております。
 詳細につきましては繰り返しになりますので割愛いたしますが、述べさせていただいた私の意見というのは、全国各地で学校保健に取り組んでおられる学校医や関係団体などの意見を集約したものでございますので、その総意と考えていただければと思います。したがいまして、教育振興基本計画部会の委員の皆様や文部科学省事務局の皆様におかれましては、ぜひそのことをお受け止めいただきまして、最大限の御配慮をいただければと考えております。
 以上、私どもが意見を述べる機会を与えてくださいましたことへの感謝の意も込めて発言させていただきました。ありがとうございました。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございます。令和の日本型学校教育の答申の際、それから昨年12月に答申を取りまとめた令和の日本型学校教育を支える教師の在り方の特別部会でも、同趣旨の御発言をいただいています。それぞれの答申には、御指摘の趣旨は盛り込まれていると考えてございます。
 それから、今回の教育振興基本計画というのは、学校段階ごとに記載するという形ではなくて、全体を横断的な形で書いています。そのため、御発言のような趣旨がまとめて書かれているわけではないのですが、そもそもウェルビーイングの構成要素として心身の健康を立てて、それが誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出した共生社会を形成するというように展開し、共生社会の実現に向けた児童生徒の心身の健やかな育成に向けて、学校の保健ですとか、食育も含めた心身の健やかな育成に向けた取り組みを推進していくという書き方になっています。御趣旨のような医療とか保険機関、福祉機関の連携については、本冊には、明示的に書いてございます。具体的には医師会、歯科医師会、薬剤師会、学校保健会、地域の医療・保険機関等との連携は非常に重要であるということも記載してございますので、今の御発言の趣旨は十分盛り込まれていると思います。
【渡辺(弘)委員】 ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 御指摘の点につきましては、今後の行政においても生かしていだけると思います。文部科学省より何かありましたら補足いただければと思いますが、よろしいですか。
【渡辺(弘)委員】 ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 それでは、ほかにいかがでしょうか。吉岡委員、お願いいたします。
【吉岡委員】 一言だけ。2ページの一番上の緑色のところの一番右端のところにOECD諸国等と書いてあるところですけども、「必要な予算について財源を措置し」の後に、「真に必要な教育投資を確保」と書かれています。これはこれでそうだと思うのですが、真に必要かと言うのは、多くの場合は削るための理由になってしまっていて、つまり、それが真に必要かということの立証責任が学校側とかのほうに偏ってくると非常に苦しいことになる。何が真に必要なのかというのはなかなか難しいし、成果もなかなか難しいので、その部分の余裕というのを常に考えていただきたいと思います。
 以上です。
【渡邉(光)会長】 志としては私も全く同感でございまして、今回の答申では「Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき事項」のところで、その辺がよく伝わるような形で書かせていただいております。御発言の趣旨については、今後の予算措置において生かしていただきたいと思います。
 何かありますか。よろしくお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。後藤委員、お願いいたします。
【後藤委員】 今の御発言と少し共通的なものがありますが、教育政策を支えるもの、DX推進というのは、確かに期待が大きいところではありますが、それだけではなく、教育というのは、現場での協働、共創、地域や家庭との連携、そういったものが支えの源ではないかと思います。
 その観点から、教育投資については、現場の人的なリソースに費やすという必要があるかと思っています。超勤や休日出勤が常態化しており、教育サービスの低下につながりかねないという現状がございます。支援体制、外部人材の提供も含めて、抜本的な検討がもう少し必要ではないかと感じております。
 また、家庭や地域へ期待するところは非常に大きいです。子供たちが抱えている困り事に、本来でしたら家庭や地域と連携して対応しなければ解決できないのですが、それがなかなかできない現状になっています。感想めいたことになりますが、よろしくお願いいたします。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。今も先ほどと同じように、特に留意すべき事項において、御指摘の趣旨を含めた措置が必要だということで、特に教育投資のところに書き込んでおりますので、御趣旨は十分踏まえていると思っております。
【後藤委員】 ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 よろしいでしょうか。それでは、次に、中野委員、お願いいたします。
【中野委員】 浅口市の中野でございます。感想になるかと思いますが、12回もの基本計画の部会を開かれまして、しっかりまとめてあると思います。それから、基本計画の策定に当たり、報告書の6ページに、5つの答申とそれぞれの部会において各政策分野の審議が取りまとめられたという記載がございます。
 計画を立てるまでに多くの答申も出されましたし、また、いろいろな部会も開かれていますが全体に目を通しますと、答申や審議がしっかりと生かされていると感じました。
 実際に、私が所属している生涯学習分科会において、清原委員長の下で何度も議論を重ねて、「全ての人のウェルビーイングを実現するとともに、学び支え合う生涯学習、社会教育に向けて」という副題をつけてまとめることができたのですが、その重要な内容が、この中の15ページからの「誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進」、3番目の「地域、家庭で共に学び、支え合う社会の実現に向けた教育の推進」等と、しっかりと盛り込まれておりますので、評価できるものだと思いました。
 また、58ページの目標9、それから目標12、しっかりと生涯学習の内容が反映されていますし、特に59ページの目標10においては、地域コミュニティーの基盤を支える社会教育の推進ということについては、国においても、いろいろな省庁において、福祉や防災、農山村、漁村振興などの関連施策があるわけですが、その施策の成功のかぎは、「地域コミュニティーの基盤強化」であるということで議論をいたしました。
 そのための地域住民の学びが重要な役割だということで、地方において、地域住民の学びが重要であるということが議論されました。社会教育施設や、それから社会教育士の充実ということについて盛り込まれており、地域住民の学びの充実というもの、学びが充実することを願っています。そういったものがしっかり盛り込まれているなという感想を持っています。実効性のある計画になっているという感想をお伝えいたします。
 以上です。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございました。第3期の教育振興基本計画には、生涯学習という視点が新たに入って、生涯学習分科会で非常にしっかりとした議論を行っていただいたと思います。そういった要素を学校段階別ではなくて、まさしく生涯学習を含めて、全体体系の中でしっかり位置づけていこう、そして、誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育というのは、まさしく第3期の検討内容が総括されたものだと考えます。御指摘のような評価をいただき、大変ありがたいと思います。
 それでは、貞廣委員、お願いいたします。
【貞廣委員】 発言の機会を与えていただきありがとうございます。千葉大学の貞廣でございます。
 大変目配りが効いたバランスのよい計画をおつくりいただいたと感謝申し上げたいと思います。特に、資料1-1の1ページ目を見ますと、次期計画のコンセプトが明確に示されているわけですけれども、こちらでは、特に個人的、私的な成長の側面にのみ着目するというよりも、むしろ自らが社会の創り手となるであるとか、持続可能な社会を維持発展させていく人材といったような、まさに公的な側面についても、むしろそれが前面に出るような形で書いていただいています。
 こうしたことがあってこそ、個人のウェルビーイング、社会のウェルビーイングが実現するかと思われますので、ぜひこのコンセプトが全体的に通底する形で実際に計画が進行していくことを期待したいと思います。
 これによって個人の成長の中で、場合によっては他者を出し抜いていくような競争ではなくて、皆が共生社会の実現の担い手となっていくと。これが本当に最も重要な部分であろうかと思いますので、ぜひこのコンセプトを大事にしていただければと思ったところでございます。
 以上、雑駁な感想でございますが、意見とさせていただきます。ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。御指摘いただいたように、今回の非常に強いメッセージ性というのは、次期計画のコンセプトのところにあります、2040年以降という未来を見据えて、持続可能な社会の創り手の育成という視点と、それからゴール感というのを、日本社会に根差したウェルビーイングだという形でまとめさせていただきました。これは答申全体としての非常に強いメッセージになるのではないかと考えております。御評価をいただき、ありがとうございました。
 それでは、次に越智委員、お願いいたします。
【越智委員】 ありがとうございます。私自身は2点ほどお話しさせていただきたいと思います。まず、最初に、学習者本位にというのが、34ページにもありますが、いろいろなケースで、頭に必ず「学習者本位の」とついています。ただ、その内実は、学習時間の増加など、大学側とか教師側から見たものが多いのではないかと思います。
 2ページに、教育基本法第1条の教育の目的である人格の完成に向けたという表現がありますが、人間としての成長の観点で捉えた真の意味での学習者本位の記載というものもあってしかるべきではないかという点です。これがまず、1点。
 それと、もう1点は、11ページの4行目から5行目にございますが、大学において文理横断、文理融合教育を推進するとともに、初等中等教育では探求、STEAM教育を強化しと分かれております。あえて表現を初等中等教育と大学で、変えるのが適切であるのかどうか。もう既に大学教育で文理融合、分離横断とかを唱えても、前々から言っているように、これは遅いということで、初等中等教育のレベルから文理の分断をなくすべきだとあります。13ページの22から23行目にありますように、起業家教育、アントレプレナー教育をあらゆる学校段階で推進していく表現という形で、例えば、あらゆる学校団体において、発達段階に応じて、従来の文理の枠にとらわれない、分野を超えた探求活動等によるなど、初等中等でも文理の枠にとらわれないというような表現があってもしかるべきかなと思います。
 以上、2点です。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございました。最初の御指摘ですけれども、第3期の期間中に大学分科会にてグランドデザイン答申をまとめていただいています。この答申は基本的には多様性というものを前提として取りまとめられていますので、全体の多様性の中における学習者本位という御理解をいただければと思います。
 2つ目の、文理融合のところについては、非常に重要な御指摘をいただいたと思います。ただ、この点についても大学分科会で、教育振興基本計画の策定に向けて、かなり深く御議論いただいたところでございます。したがって、その整合性を取るときに、文章の修正が必要どうかは検討させていただきますけれども、趣旨としては、大学分科会での十分な議論を踏まえて、今回の表現になっていることについて御理解をいただければと思います。
【越智委員】 ありがとうございます。私自身も分科会の委員ですので、十分そこは承知の上ですが、最終的なまとめとして出ていくということになると、少しどうかなと思いましたので、あえて発言させていただきました。以上です。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。事務局から、今の御意見について、よろしいですか。
 それでは、次に、清原委員、お願いいたします。
【清原委員】 ありがとうございます。清原です。私は計画部会の副部会長を務めさせていただいていますので、この案を提案させていただいている立場に当たるのかもしれないのですが、一言発言させていただきます。
 教育政策の目標の16、「各ステークホルダーとの対話を通じた計画策定・フォローアップ」についてでございます。この間、部会での審議を重ねながら、昨年末には内閣府と連携して、小学生から大学院生まで参加していただいたユースフォーラムを実施して、子供、若者の本音といいましょうか、生の声を聞かせていただきました。
 また、1月20日、23日の2回にわたって関係団体ヒアリングを実施して、合計しますと、28団体になるかと思いますが、御意見を伺いました。参加者及び参加団体の皆様に感謝するとともに、事務局の条件整備にも感謝いたします。
 私は、いずれの会議にも参加しましたが、理念、コンセプトについては、大方御賛同いただきましたが、例えば、リカレント教育、リスキリングなどについては、さらに現実に即した具体性をお求めになる厳しい御意見もいただきました。また、教育に係る評価指標について、教育現場の実態に即した積極的な御提案もいただきました。
 そして、関係団体の皆様と委員の皆様との意見交換の中で深められた論点もございましたので、まさに目標の16に明記されている「対話」がキーワードであることを実感しました。計画策定段階での経験を踏まえて、PDCAサイクルを適切に回すフォローアップにおいても、データに基づくEBPMを進めるとともに、計画策定段階のように関係団体、特に子供・若者との対話の機会をつくって、教育関係者の皆様が当事者意識を持って、共にこの計画の実現に当たるということが重要である、ということを申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
【渡邉(光)会長】 御意見本当にありがとうございます。また、子供たちからのヒアリングなど、いろいろな形で御参画いただいており改めて感謝を申し上げたいと思います。
【清原委員】 こちらこそありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 この計画がまとまったとしても、その後いろいろなところの御意見を踏まえながら絶えずPDCAを回し続ける、そのことにより改善させていくということだと思います。これは事務局にお願いしたいことですが、ぜひ行政においてPDCAを回し続けていただきたいと思います。御意見ありがとうございました。
【清原委員】 ありがとうございます。自治体の皆様も頑張っていただけると思います。ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。それでは、今村委員、お願いいたします。
【今村委員】 今村です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私も次期教育振興基本計画の部会に参加をさせていただきまして、本当に真摯に事務局の方々が細かな意見に対して向き合っていただいて、最終的にすごく納得感が持てる計画になっていることに、とても感謝をしております。
 その中で、最後に各論で、いつも各論で、本当に申し訳ないのですが、55ページに示されている成果指標のところで、不登校の子供たちについての支援に関する政策の指標について、どうしてもここだけは入れていただきたいということを、各論で大変申し訳ないのですけれども、お伝えさせていただきます。今回は、全ての子供たちのウェルビーイングというのを最上位に置いて、そして誰一人取り残さないということを大切にされるということで、54ページに、まず、不登校児童生徒への支援の推進ということ、51ページに、全体的な目標の中の誰一人取り残さないということを目標に掲げた上で、51ページに、現状、不登校児童生徒への支援の推進がどのようになっているかというところで、大変重要な数字である、現在地である学校内外、2行目ですが、学校内外で相談指導等を受けていない児童生徒のうち、90日以上欠席している者が4.7万人いるということが明記されています。
 その上で様々なこと、特に不登校特例校300校の設置を目指すというような意欲的な設置目標も入っていて、大変すばらしいと思っているのですが、できれば、55ページの目標のところに、誰の相談にも、支援にもつながれていない子供が減少しているということをきちんと指標に入れるべきなのではないかと思います。そこがないと、何を設置しても成果になっているのかが図れないと思います。その点だけ、細かいですが入れていただけますと幸いです。
 私からは以上です。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございました。御指摘の内容は指標候補として挙げていますので、行政として全体をフォローしていただけるものと思います。文部科学省から何かありますか。それでは、今村委員の御意見については、こちらで預からせていただきます。
【今村委員】 ありがとうございます。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございました。
【藤原初等中等教育局長】 一言だけ、失礼します。初等中等教育局長でございますけども、今のお話も踏まえまして、また、よく考えてみたいと思いますが、今も55ページ、指標候補の上から3つ目に、学校内外の機関等で相談指導等受けていない不登校児童生徒数の割合の減少ということが書いておりまして、御指摘の趣旨も踏まえて、しっかり考えて、かつ取り組んでいきたいと考えております。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、今、手の挙がっている方はおられないようですので、ここで一旦区切らせていただきます。冒頭、事務局から説明がありましたように、本日いただいた御意見を反映させていただくということと、それからパブリックコメントと関係団体のヒアリングが同時並行的に行われておりますので、こうしたところからいただく御意見も踏まえて、今年度中に答申として取りまとめたいと思いますので、引き続き御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題の2の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の一部を改正する法律等についてですが、まず事務局から御説明をお願いいたします。
【池田高等教育局長】 高等教育局長の池田でございます。議題2について、御説明をさせていただきます。資料2、2-1から2-3を用いて説明をさせていただきます。
 成長分野を牽引する大学・高専の機能強化に向けた基金につきましては、背景・課題のところにございますように、社会が急激に変化している中で、日本では大学で理工系を専攻する学生が諸外国に比べて低い状況にあるということ、それから、我が国では特にデジタル、グリーン分野を中心とする成長分野における人材が圧倒的に少ないということ、こうしたことを踏まえて、政府の様々な提言などで、基金を設けて、大学が理工系、特にデジタル、グリーン分野の成長分野に学部等を転換する際に支援をするということで、動いてまいりました。
 昨年暮れの臨時国会におきまして、関連の補正予算により基金を設置して、各大学、高専の意欲的な取組を支援するため3,002億円の予算が計上されました。また、実施主体となる大学改革支援・学位授与機構の根拠法を改正して、基金をつくって助成を行うということを可能にする法改正をいたしたところでございます。
 支援の内容としては、2-1の1ページの下の方にございますが、大きく分けて2つのメニューを考えております。まず、メニューの1つ目は、私立・公立、特に私立は文系の学部が圧倒的に多いので、私立と公立の大学が学部再編などによって、デジタル、グリーン等の分野への学部転換や充実をするための取組に対して支援をするというものでございます。
 それから、メニューの2つ目は、国公私立を通じ、大学、特に大学院を中心として、既に情報科学系の学部や大学院があるところを、さらに機能強化したり定員を増加したりする取組について支援するとともに、高等専門学校に対しても支援をしていくというものでございます。
 1枚めくっていただきまして、2ページが独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の改正の内容でございます。概要のところ、ポイントは3点ありまして、先ほども申し上げたように、同機構の目的と業務に基金を設置して助成を行うことができるという規定を追加いたしました。
 それから、2つ目は、助成業務に係る基本指針の策定などでございまして、特に基本指針では、文部科学大臣が基本指針を定めるということと、同機構は基本指針を踏まえて、助成業務のより具体的な実施に関する方針を定めるということでございます。
 それから3点目は、基金の造成に関して必要な規定の整備ということでございます。
 2つ目のところで御説明した基本指針の策定につきましては、策定したり変更したりする場合は、別途政令で定める審議会において意見を聞かなければならないとされておりますけれども、このたび、1月25日に公布されました政令によりまして、この審議会を中央教育審議会の意見を聞くと位置づけられております。中教審で必要な御審議をいただいた上で、この指針を策定したいと思っておりますが、内容につきましては、基金に係る業務を機構が実施するための方針となるもので、非常に専門的な内容でありますので、大学分科会の専決事項とさせていただければと考えております。
 もう1枚めくっていただきまして、助成業務の具体的なイメージでございますけれども、基金を設置して、その後、先ほど御説明した基本指針を定めます。それから、基本指針を踏まえて、機構が実施方針を認可申請して、認可を受けて定めるということでございます。その後、各大学、高専に対して、公募をして各大学、高専から計画を出していただいて、審査の上、採択を決定するという流れでございます。
 日程的には、今後、法律の施行日、すなわち法律が実質的に効力を発揮するのが2月20日と定めておりますので、その後、速やかに公募採択をしてまいりたいと思っております。1月25日の大学分科会におきまして、基本指針の検討状況について御報告いたしました。現時点での基本指針案の概要は次の4ページにございます。それから、その後の資料に、具体的な基本指針の本文をつけておりますので、御理解いただければと思います。
 説明は以上でございます。
【渡邉(光)会長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明にありましたとおり、昨年10月の閣議決定に基づいた成長分野を牽引する大学、高専の機能強化に向けた継続的な支援策と、それを円滑に運営していくための機関に関するものですが、今回中央教育審議会運営規則を見直して、大学分科会の専決事項とすることについての一部改正案をお示ししております。
 そこで、大学分科会の専決事項とすることに関する一部改正案についての議決をさせていただきたいと思いますが、まずは質問等がございましたら受けたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、一部改正案のとおり議決をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【渡邉(光)会長】 ありがとうございます。異論ないようですので、了承とさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、議題の3に移らせていただきます。令和4年度の文部科学省関係第2次補正予算、それから、令和5年度の文部科学省関係予算案及び税制改正についてですが、事務局から説明をお願いいたします。
【髙谷会計課長】 文部科学省の会計課長の髙谷でございます。
 それでは、お手元の資料、2つ使いまして、第2次補正予算、それから令和5年度予算案について御説明をさせていただきます。
 まず、資料3-1に基づきまして、昨年12月に成立をいたしました、令和4年度第2次補正予算の文部科学省分について御説明させていただきます。
 資料3-1の1ページ目を御覧ください。資料のたてつけですが、全体は、昨年10月に閣議決定されました、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の柱に沿った順に事項を示しているところでございます。
 まず、新しい資本主義の加速の項目では、「人への投資」の抜本強化と成長分野への労働移動という項目でございます。この項目では、先ほどの議題にございました、大学・高専の機能強化に向けた継続的支援策の創設が2つ目の項目に挙げられてございます。基金3,002億円が措置されているところでございます。ほかにも、1つ目の項目、リカレント教育関連で21億円、出世払いの仕組みなどを実施するための改修などを行います奨学金業務システムの改修58億円のほか、留学生関係の予算が措置されているところでございます。
 また、2ページ目を御覧いただきますと、医学教育、それから幼稚園のICT環境整備、運動部・文化部活動など、教育関連の事業を措置しているところでございます。
 資料2ページ目、中段から始まります科学技術・イノベーションにつきましては、地域中核・特色ある研究大学の振興2,000億円、それから、国際頭脳循環・国際共同研究の推進501億円、科研費の「国際先導研究」110億円。さらに資料3ページに参りますと、創発的研究支援553億円。少し飛びまして、4ページ目でございます。革新的GX技術創出事業496億円。また、中段では経済安全保障重要技術育成1,250億円など、継続的、安定的な支援を行うための基金の創設や積み増しなどを中心にいたしまして、新しい資本主義の重要事項をはじめとする各分野の研究開発に必要な経費を措置しているところでございます。
 資料5ページ目、スタートアップの起業加速では、国際展開する大学発スタートアップの創出に向け、ギャップファンドなどの支援を複数年にわたって支援するような予算、基金1,500億円のほか、全ての高専に対する教育環境整備支援を行う経費60億円を措置しているところでございます。
 4番目のDX(デジタル・トランスフォーメーション)では、一番上の項目、GIGAスクール構想の推進といたしまして、学校へのサポートを担う運営支援センターの機能強化ですとか、リーディングDXスクールによる先進事例全国展開等により、学校DXを加速するための経費95億円を計上してございます。さらに、教育DXの基盤的ツールの整備活用、国民のデジタルリテラシー向上のほか、一番下の項目でございます、「新たな教師の学び」を支える研修体制の構築として、オンライン研修コンテンツの充実など、教員研修の高度化のため、25億円を計上するなど、DX関連の項目一連を措置しているところでございます。
 資料6ページ、コロナ禍からの需要回復、地域活性化では、統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業をはじめ、文化やスポーツ関連中心に必要な予算を計上しております。
 次の7ページ、防災・減災、国土強靱化の推進など、国民の安全・安心の確保では、老朽化対策や脱炭素化、耐震対策を図るために学校施設等の整備に2,579億円を措置するほか、令和4年発生の福島県沖地震ですとか昨年8月の豪雨などによります学校施設の災害復旧等に213億円、学校などの感染症対策等支援として、学校における保健衛生用品の購入に係る取組ですとか特別支援学校のスクールバスにおける感染リスクの低減を図る取組などに必要な支援に255億円、また、子供の送迎用バスへの安全装置の装備等のためのこどもの安全・安心対策支援事業に78億円を計上してございます。
 これらを合わせ、令和4年度第2次補正予算においては、経済対策に係る文部科学省関係として、総額1兆4,426億円を措置しているというところでございます。
 資料3-1、資料8ページ以降は関連資料を添付しております。
 続きまして、資料3-2に基づきまして、昨年末、閣議決定をされました令和5年度予算案について御説明をさせていただきます。資料のページ番号の1が全体概要でございます。一般会計予算総額は対前年123億円増の5兆2,941億円となっております。
 次のページは全体構成でございます。
 次の3ページからがポイントになりますので、主要事項につきまして、御説明させていただきます。説明の前に、数字の見方でございますけれども、各項目、何もついていない数字が令和5年度当初予算案の額、その隣の丸括弧の中の数字は令和4年度当初予算額、項目によっては、一番右に墨付き括弧がございます。これは今ほど御説明を差し上げました、令和4年度第2次補正予算の額というものをそれぞれ示しているものでございます。
 まず、文教関係予算ですが、総額4兆146億円を計上しております。文教関係はポイントを大きく4つの柱に分けてございます。
 1つ目の柱、個別最適な学びと協働的な学びの実現では、小学校高学年の教科担任制ですとか35人学級の推進などのため、義務教育費国庫負担金に1兆5,216億円を計上しております。また、学校における働き方改革のための支援スタッフの充実に91億円を計上しております。GIGAスクール構想の着実な推進と学校DXの加速につきましては、この当初予算案で必要な予算を計上しておりますほか、先ほど御説明をいたしました令和4年度第2次補正予算と一体で推進していくということになります。また、中段でございます運動部・文化部活動の地域連携や地域クラブ活動移行では、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現ということを目指すとして、28億円を計上しております。ほかにも、幼児期及び幼保小接続の教育の質的向上、感染症対策と学校健康教育、道徳教育、英語教育等、必要額を計上しております。
 次に、右上でございます。新しい時代の学びを支える学校施設の整備では、老朽化対策や脱炭素化等を支援いたします。令和5年度当初予算案では、公立学校687億円、国立大学・高専等363億円、私立学校90億円でございまして、先ほどの補正予算と併せて進めていくということになります。
 3つ目の柱、高等教育機関の多様なミッションの実現では、国立大学の基盤的経費の確保と改革を推進するために、1兆834億円を計上しておりますほか、高等専門学校についても高度化・国際化を進めるため、対前年度3億円増の628億円を計上しております。私立大学等の改革も4,005億円を計上して推進してまいります。あわせて、時代に合った高度専門人材の育成等も推進をしてまいります。
 次、2ページ目に移りまして、文教4つ目の柱、誰もが学ぶことができる機会の保障では、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置充実など、いじめ、不登校、自殺等への対応に85億円を計上しています。また、医療的ケア看護職員の配置など、特別支援教育の充実に41億円を計上しています。日本語教育、外国人児童生徒等への教育、海外で学ぶ日本人児童生徒への教育も充実するための経費を計上しています。
 さらに、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動等の一体的推進といった、学校を核とした地域力強化に79億円を計上しておりますほか、学校安全体制整備、リカレント教育、さらには高校生・大学生等への修学支援の確実な実施に必要な経費も計上しているところでございます。
 右上はスポーツ関連予算でございます。さきに御説明した部活動を含め、総額359億円、その下は文化芸術関連予算として1,077億円を確保しているところでございます。
 次のページでございます。最後のページ、科学技術関係でございます。我が国の抜本的な研究力向上と人材向上のため、科研費2,377億円をはじめとする基礎研究の推進、国際頭脳循環の推進に必要な経費を計上しております。スタートアップ、大型共同研究施設の整備等の経費も計上しております。
 右側では、量子・AI等の重要先端技術の研究開発をはじめとする様々な分野の研究開発を着実に推進する経費というものを計上しているところでございます。
 残りのページは参考資料でございます。今、御説明をしました概要の各項目の名前の右側に丸数字がございます。この丸数字が対応する資料のページとなっておりますので、御参照いただければと思います。
 予算に関する説明は以上でございます。
【奥野官房政策課長】  引き続きまして、官房政策課長の奥野でございます。
 お手元の資料の3-3を御覧ください。議題3-1、令和5年度税制改正について、当該資料3-3の令和5年度文部科学関係税制改正要望事項の結果概要を用いて御説明申し上げます。
 説明は3ページ以降の参考資料の欄を適宜用います。では3ページにお進みください。(1)の祖父母等の直系尊属から孫等に対して一括して贈与された教育資金に対する贈与税の非課税とする措置につきましては、当該資料の丸1、丸2に掲げている見直しを行った上で、3年延長することとなっております。今般の見直し事項丸1、丸2につきまして、丸1は教育資金として支出されなかった残額の扱い、丸2につきましては、当該見直し事項が適用されるのは、各年の全ての死亡者の0.3%弱を範囲とするものであること等から、引き続き、本制度につきましては、子供が小さい段階から予見性を持って、将来の教育資金がまとまって確保できるという形で、高齢層に偏在する資産を、若年層の世代間で人への投資として移転することを促進する政策目的の達成に、引き続き寄与できるものと考えてございます。
 1ページおめくりして、4ページでございます。(2)、これは民間企業が試験研究を行った場合に、その費用を当該企業が法人税等から控除することができるという、いわゆる研究開発税制についてでございます。こちらにつきましても、このページに掲げる所要の見直しを行った上で、3年延長されることとなってございます。
 今般の見直しにおきましては、当該ページの図に掲げておりますとおり、民間企業において博士号を取得した者や研究職の人材を当該企業が外部から新たに雇用することを促進するという観点で、新たに税制優遇措置が盛り込まれておるところでございます。
 次に、5ページを御覧ください。(3)は研究開発の日米の新たな宇宙協力において、国際約束に基づいて、輸入消費税等を免除する措置でございます。
 次に、6ページを御覧ください。文化関係におきましては、(4)昨年改正した博物館法において、改正後の規定で新たに登録が可能となる博物館に、事業所税の非課税措置の対象を拡充するものでございます。
 (5)につきましては、公益法人である能楽団体等の所有・取得する能楽堂に係る固定資産税等の優遇措置について、2年延長するというものでございます。
 最後に、7ページを御覧ください。(6)から(9)に掲げる税制上の優遇措置のこれまで対象となっておりました事業の内容でございますとか、団体の業務等が見直しをなされた後等につきまして、優遇措置を継続する等の制度的な対応、(10)の新たに設立されます福島国際研究教育機構に係る優遇措置などの措置が講じられてございます。当該措置の内容に基づきまして、今後、税務当局等において、所要の法改正等の措置が進められていくこととなります。
 以上でございます。
【渡邉(光)会長】 ありがとうございました。
 それでは、今御説明いただいた予算関係と税制関係について、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。リモートで御参加されている方はいかがですか。
 それでは、特に御質問もないようですので、以上とさせていただきたいと思います。補正予算等をめぐっては、政府も人への投資を含めて、従来以上に御対応いただいていると認識をしております。御担当者の方々の多大なる御尽力に感謝申し上げたいと思います。
 ただ、教育関係の予算というのは継続的措置が非常に重要だと思いますので、引き続き御尽力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 全体の議事は以上でございます。
 これにて終了させていただきたいと思いますけれども、委員の皆様には、今日も大変お忙しい中、御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
 次回の中央教育審議会の日程でございますが、追って事務局より連絡していただく形にさせていただければと思います。
 事務局から何か連絡事項等はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日は予定の時間よりも少し早く終了となりました。御協力いただき、ありがとうございました。
 以上でございます。ありがとうございます。
 
―― 了 ――

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