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中央教育審議会(第124回) 議事録

1.日時

令和2年1月24日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階)

3.議題

  1. 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律について
  2. 大学入試改革の現状について
  3. 令和元年度文部科学省補正予算案・令和2年度文部科学省関係予算案及び税制改正等について
  4. OECD生徒の学習到達度調査(PISA2018)の結果について
  5. 新しい時代の初等中等教育の在り方 論点取りまとめについて

4.出席者

委員

 渡邉会長、永田副会長、天笠副会長、明石委員、荒瀬委員、有信委員、今村委員、牛尾委員、亀山委員、菊川委員、木場委員、清原委員、小林委員、今野委員、志賀委員、竹中委員、中野委員、西橋委員、橋本委員、長谷川委員、東川委員、日比谷委員、堀田委員、道永委員、吉岡委員

文部科学省

 萩生田大臣、藤原事務次官、山脇文部科学審議官、芦立文部科学審議官、串田総括審議官、木村大臣官房会計課長、塩崎大臣官房政策課長、浅田総合教育政策局長、平野大臣官房審議官、寺門社会教育振興総括官、丸山初等中等教育局長、矢野大臣官房審議官、蝦名大臣官房審議官、浅野初等中等教育局初等中等教育企画課長、滝波初等中等教育局教育課程課長、塩川初等中等教育局参事官、玉上大臣官房審議官、白間高等教育局私学部長、牛尾高等教育局高等教育企画課長 他

5.議事録

【渡邉会長】
 それでは,ただいまから中央教育審議会総会を開催いたします。本日は大変遅い時間帯で,御多忙の中を御出席いただきまして,誠にありがとうございます。

 本日は,後ほどになりますけれども,萩生田大臣にも御出席を頂く予定としております。

 それでは,まず本日の議事について御説明いたします。まず議題(1)として,「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律について」説明を頂きまして,中央教育審議会運営規則の一部改正についてお諮りする予定としております。

 次に,議題(2)の「大学入試改革の現状について」説明を頂いた上で,少し時間をとって意見交換をしたいと思います。
 続いて,議題(3)の「令和元年度の文部科学省の補正予算案・令和2年度の文部科学省関係予算案及び税制改正について」,議題(4)の「OECD生徒の学習到達度調査」,いわゆるPISA調査の結果について,そして,議題(5)として,「新しい時代の初等中等教育の在り方論点取りまとめについて」説明いただき,まとめて意見交換を行いたいと思います。
 なお,本日,報道関係者の方々より,会議の全体について録音とカメラ撮影を行いたいという旨の申出があり,許可しておりますので,御承知おきいただければと思います。
 それでは,議事に移りたいと思います。まず本日の配付資料について,寺門総合教育政策局政策課長から御説明をお願いします。

【寺門社会教育振興総括官】
 今回より,資料につきましては,お手元のタブレットにて御覧いただきたいと存じます。資料5と一部につきましては,お手元に紙の資料も用意してございます。不明な点等ございましたら,恐れ入りますが,事務局までお申出ください。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。今,御説明がありましたが,ペーパーレス化を徐々に進めたいと思います。ただ議論をするときに,集中的に行うために必要だと認めた場合には,紙ベースでもお出ししますので,御協力いただければと思います。
 それでは,よろしいでしょうか。議題(1)について,事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【丸山初等中等教育局長】
 初等中等教育局長でございます。
 議題(1)について御説明をさせていただきたいと思います。資料の1-1の1ページを御覧いただきたいと思います。さきの臨時国会におきまして,給特法の一部を改正する法律が成立をいたしまして,昨年12月に公布をされたところでございます。本法律は,昨年1月の中教審において取りまとめていただいた,学校における働き方改革に関する答申を踏まえて立案を行ったものでありまして,渡邉会長,永田副会長,天笠副会長,また,さきの臨時会の参考人質疑にも御対応いただきました東川委員をはじめ第9期から委員として御審議を頂いた皆様に改めて御礼を申し上げるところでございます。
 本法律の内容でございますが,大きく2点でございます。ここにありますように,昨年1月に策定をいたしました公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを法的根拠のある指針に格上げをするとともに,休日のまとめ取りのため,1年単位の変形労働時間制を条例で選択的に活用できるようにすることを内容とするものでございます。
 おめくりを頂きまして,2ページ目でございます。働き方改革に特効薬はないわけでありまして,予算,制度,学校,教育委員会における取組など,総力戦を徹底して行い,その組み合わせで確実に成果を出していくことが必要であると考えております。また本ページの下部に記載をしておりますとおり,現在,中教審において,教育課程,免許制度,教職員配置の一体的見直しなどについて検討いただいておりまして,感謝を申し上げるところでございますが,これらを通じまして,学校の業務量の削減のみならず,教育の質の向上に努めてまいりたいと考えております。引き続き御審議のほどよろしくお願い申し上げるところであります。
 3ページをお開きいただきたいと思います。在校等時間の上限に関する指針につきましては,資料の上部にスケジュールをお示しいたしておりますが,先週17日に学習指導要領と同じ形式であります文部科学大臣の告示として公示をさせていただきました。本指針の適用につきましては,本年4月1日からといたしておりまして,1日でも早く勤務時間管理を適正に行い,業務の縮減を徹底していくためにも,法律上の施行日と同じく,本年4月から,指針を踏まえた各教育委員会の上限方針が実効性ある形で進められることが重要であります。
 このため,任命権者であります都道府県,指定都市において条例で上限方針を根拠付けた上で,服務監督権者であります市町村教育委員会の規則等において上限方針を年度内に定めていただき,このような枠組みで働き方改革を加速化することが必要であると考えております。昨年以来,この点につきましては,文科省としても,都道府県,政令市に対しまして条例の整備について働き掛けを行ってきたところでありまして,年明けから全ての67県市の教育長や首長に対しまして直接,条例整備をお願いしているところであります。今回の法改正を踏まえた条例整備等によりまして,全国的に働き方改革をさらに進めてまいりたいと考えております。
 なお,ここにありますように,休日のまとめ取りのための1年単位の変形労働時間制の活用につきましては,スケジュールのカラーの方にあるように,法令上,本制度の詳細な事項を規定する省令を定めるに当たって中教審の意見を聞くということとされているため,必要な審議を頂いた上で年度内にお示しをし,来年度,各自治体において準備を進めていただくこととしたいと考えております。このため,今回の上限ガイドラインから格上げする指針とは切り離して対応させていただきたいと考えています。
 次のページでございますが,具体的には4ページ目を御覧いただきたいと思いますが,元々,労基法におきましては,本制度導入に当たっての詳細な要件について,労働政策審議会の意見を聞いて,厚生労働省令において定めることとされているわけでございますが,今回の法改正では,複雑な読み替えを行っておりますが,ホームページのカラーのところにあるように,省令を定めるに当たっては,労政審ではなくて,中教審の意見を聞くということとしているところでございます。
 なお,先ほど申し上げましたとおり,今年度中に御審議いただきたいと考えておりますが,その内容につきましては,本制度を活用するに当たっての詳細な要件であり,専門的な内容であるため,初等中等教育分科会の専決事項とさせていただければと考えているところでございます。
 最後になりますが,9ページをお開きいただきたいと思います。通し番号の11ページになります。9ページでございますが,学校における働き方改革については,今般の法改正のみで進むわけではありません。これを1つのきっかけとして,教育委員会からの要望等も踏まえながら取組を総合的に進めていく必要があると考えております。
 学校における教育環境の条件整備につきましては,本年度補正予算案でGIGAスクール構想について,また来年度の予算案におきまして,教職員定数の実質1,726人の改善増や,1万200人の部活動指導員などの経費を計上することができたところでございます。また業務の縮減につきましては,資料の赤枠の部分でございますけれども,また,先般,大臣を本部長とする学校における働き方改革推進本部を開催いたしまして,その場において大臣から,部活動の抜本的な見直しについて,将来の検討チームでしっかりと議論の上,実現をすること,また教員免許更新制については,現在,10年ごとに30時間の講習を受けなければならない現在の仕組みを,10年間の教師の学びを蓄積し,加算する方式に抜本的に転換を行うこと,さらに,全国学力・学習状況調査については早期のCBT化を図ることといった検討の方向性が示されたところでありまして,現在,中教審で御審議を頂いております小学校高学年からの教科担任制の本格的な導入や,小学校低中学年の教育課程の重点化のための教育課程,教員免許,教職員配置の一体的改善と併せて,委員の先生方のお知恵を拝借させていただきながら,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上でございます。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,只今,御説明のありました,資料1-2でございますが,中央教育審議会の運営規則の第3条の第2項に追加して,初等中等教育分科会の専決事項とさせていただく一部改正を案のとおり,議決したいと思いますが,よろしいでしょうか。

         (「異議なし」の声あり)

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 只今,大臣が御到着されました。早速でございますが,中央教育審議会総会に御出席いただくのは,就任後初めてでございますので,御挨拶を頂きたいと思います。それでは,大臣,よろしくお願いします。

【萩生田大臣】
 皆さん,御苦労様でございます。文部科学大臣の萩生田光一でございます。大臣に就任して初めての中央教育審議会の総会の開催に当たりまして,この間,重点的に取り組んできた事項について報告をさせていただき,御挨拶に代えさせていただきたいと存じます。
 まず,大学入試の改革についてでございますが,平成26年12月の中央教育審議会答申を踏まえ,高校関係者,大学関係者等の御意見,御協力を頂きながら取り組んできたところでございますが,英語民間試験の活用及び大学入学共通テストにおける記述式問題の導入について,来年度の実施を見直さざるを得ないとの判断を昨年,行うこととなりました。これを受けまして,私の下に検討会議を設置し,これまでの経緯や課題も踏まえ,今後の大学入試の在り方について議論を開始したところでございます。今般の検討は,既に中央教育審議会から提言をされた高大接続改革の大きな方向性の中で行うものであり,今後,検討状況を報告したり,御意見を伺う機会を設けたりするなど,適切に連携をさせていただきたいと存じます。
 次に,学校における働き方改革については,昨年1月に頂いた中教審答申も踏まえ推進しているところです。学校における働き方改革は特効薬のない総力戦です。昨年末の臨時国会における給特法の改正も1つの契機として,文部科学省が学校と社会の連携の起点,つなぎ役としての役割を前面に立って果たすとともに,勤務時間管理の徹底や学校及び教師が担う業務の明確化,適正化,また教職員定数の改善・充実,専門スタッフや外部人材の配置拡充など,あらゆる手段を尽くして取り組んでまいりたいと思います。また,働き方改革を推進する観点からも,これからの時代に応じた教育課程や教職員の配置,教師の養成,採用,研修や教職員免許制度等について総合的な検討が必要と考えております。引き続き先生方の御議論に供したいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。
 最後となりますが,昨年末,令和の時代の新しい学校像を掲げて,令和元年度補正予算案において,児童生徒向けの1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することを決定させていただきました。1人1台端末環境は令和の時代における学校のスタンダードです。これまでの教育実践とICTとのベストミックスを図っていくことにより,この新たな教育の技術革新は,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない,公正に個別最適化された学びや,創造性を育む学びに寄与することと思います。この1人1台端末環境の整備に加えて,新学習指導要領の着実な実施,教員のICT活用指導力の向上,また,情報モラル教育をはじめとする情報教育の充実など,ハード,ソフトの両面からの教育改革に取り組んでまいります。これらの事項は,いずれもこれからの教育,ひいては我が国の未来を左右する重要なものであります。
 委員の皆様方のこれまでの御尽力に対して改めて深く感謝を申し上げるとともに,引き続き積極的な御審議を賜りますようお願い申し上げまして,私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【渡邉会長】
 国会でお忙しい中を本当にありがとうございました。
 それでは,議事の方を進めたいと思います。議題(2)の大学入試改革の現状について,事務局から御説明をお願いいたします。

【玉上大臣官房審議官】
 それでは,全体の資料の21ページ,資料2をごらん願います。
 資料2でございますが,大学入試改革の現状についてということで,高等教育局の審議官,玉上が御説明させていただきます。
 まず1ページ目の方にお移りください。まず,高大接続改革の必要性ということで,経緯から御説明させていただきます。
資料の左上にございますように,国際化,情報化の急速な進展等でこういう社会構造も急速に変化しているなどのという認識の下,下に学力の3要素,1,2,3とございますけれども,知識・技能の確実な習得等の3つの要素を掲げ,それから右側の図に参りまして,社会構造が急速に変化していることを踏まえまして,高大接続改革を行う必要があるということが出されました。この中で高等学校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体的な改革ということを掲げさせていただきまして,右側図中の上にございます入学者選抜,下の学力の3要素を育成する高等学校教育,高校までに付けた力をさらに向上,発展させ,社会に送るための大学教育で成り立っているところでございます。
 次のページに,2ページ目でございますけれども,検討の流れということでございますが,先ほど萩生田文部科学大臣からも御説明申し上げたとおり,中央教育審議会でまず平成24年に諮問をさせていただいたところからスタートしているわけでございますけれども,中央教育審議会総会直属の高大接続特別部会を設置していただきまして,平成24年9月から審議を開始いただきました。同時に,教育再生実行会議におかれましても,平成25年には第四次提言を出していただきまして,この入試の人材育成機能の抜本的強化のことでございますとか,そういうものを総合的に評価し得る入試選抜制度への転換についての御提言を頂き,例えば英語民間試験につきましては,新たな試験,達成度テストを導入し,外国語の外部検定試験の活用を検討するということですとか,記述式問題につきましても,中央教育審議会において専門的・実務的に検討されることを期待されるということが提言されました。
 その下に,先ほど萩生田文部科学大臣からも御説明しましたとおり,平成26年中央教育審議会において,「新しい時代にふさわしい高大接続改革の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」の答申を頂戴したということでございます。英語の試験につきましては,大学入学希望者学力評価テストというものの英語については,民間の資格・検定試験の活用により,読む・聞くだけではなく,書く・話すということも含めた英語の能力をバランスよく評価する。また,記述式問題の出題につきましても,先ほどの学力の3要素である知識・技能と思考力・判断力・表現力を総合的に評価するものにしていくことが必要であるということで,現行のセンター試験を廃止して,新テストを実施することとなりました。その際,回答方法については記述式を導入することになっているということでございます。
 次のページ,3ページ目をごらん願います。それを受けまして,文部科学大臣の方で平成27年に高大接続改革実行プランを作成,その後,高大接続システム改革会議の最終報告ということで,英語民間試験につきましては,4技能を重視して評価する,また民間との連携の在り方を検討するということ。それから,記述式につきましても,一番下にございますように,対象教科については高等学校で設定されている国語と数学というものに記述式問題を導入することとするということが決まったということでございまして,その後,平成28年から,文科省の中に検討準備グループを設置,高大接続状況の進捗状況を公表するとともに,最終的に,平成29年7月に高大接続改革の実施方針の策定を決定しました。
 その3つ,ポツがございますが,その内容につきましては4ページ目の方にその概要を示しているところでございます。この中では高校生の学力の3要素についてと,先ほどのものに踏まえまして,高大接続改革プランとこの報告に沿って入試の改革を着実に推進するということで,2020年度に入試の共通テストを開始,2024年度に学習指導を前提にさらに改革という形でございまして,具体的には三つ,現行のセンター試験の択一問題のみを記述式問題を導入する。センター試験の英語を読む・聞くのみであった現行に対しまして,4技能評価へ転換する。それから,学力の3要素が評価できていない入試で,早期合格による高校生の学習意欲低下については新たなルールの設定をするということをここで決めたということでございます。
 さらに,その次のところで,英語のことについての御説明を申し上げます。
 ちょっと飛びまして,6ページ目をごらん願います。これが大学入試の英語成績提供システムの概要でございます。概要を御説明いたしますと,民間の試験団体の試験が次のページにいろいろな英語民間試験団体の試験の種類がございますけれども,受験生はこの試験を受けるに際して,大学入試センターの方で共通IDを発行されます。この共通IDを発行した上で試験を受けて,その受験結果の成績が大学に提供されるという形でございまして,これによりまして,当然これまでも大学の入学者選抜におきましては,個別学力検査,推薦入試等で活用はされておりましたけれども,今回はセンター試験の成績に,資格・検定試験の成績に応じて得点を加算する方式でありますとか,それから,試験受けることによって検定試験の加算をする,見なし満点とする,免除をするような活用でございますが,様々な活用がこれによってできるということを考えていたものでございます。
 次のページに参りまして7ページでございますが,これが英語民間試験実施団体である6団体のそれぞれの団体とその試験の名称でございます。こういう種類が6種類もございますので,受験生はどれを受けてもいいわけでございますので,いずれの試験を受けるのか比較することができるところでございます。それが8ページ目にございます英語成績提供システム参加予定の資格・検定試験とヨーロッパで使われておりますCEFRの対照表でございますけど,これを先ほどの六つの試験に入れ込みまして,比較できるようにしたものでございます。
 御説明を差し上げた仕組みを作っていたわけでございましたが,次の9ページをごらん願います。検討段階において指摘された課題といたしましては,ここに次のページまで八つの課題が指摘されておりまして,それらの御指摘への対応をしていたところでございます。例えば受験に対する地域的事情への対応が不十分ではないか,都市部に比べて,都市部では受験可能な試験が,地方部では受験可能な試験が限定されていること,それから,経済的に困難な方への対応が不十分ではないか。これも増減,軽減することにはしておりましたけれども,試験団体任せであり,不十分との御指摘を頂いたということでございます。
 では,3番目で,障害のある受験者への配慮が不十分ではないかということ,それから,次のページ,さらに10ページ目に参りまして,参加試験のスコアとCEFRとの対照を評価することは不適切ではないかなど,あと,早期化のことでございますとか,情報提供のことでございますとか,様々な御指摘がございまして,それぞれにつきまして,いろいろな対応はしておったところでございます。それらの御指摘を受けまして,11ページ目でございますけれども,萩生田文部科学大臣の方から,11月1日に「大学入試英語成績提供システム」の導入延期を発表させていただきました。1番といたしまして,民間試験のための英語の成績提供システムについては,経済的な状況や居住している地域にかかわらず,等しく安心して試験を受けられるような配慮など,準備が十分でないということのため,来年からの導入を見送り,延期をするということです。ただ,英語4技能評価は,グローバル人材育成のためには重要なものであるので,令和6年の実施の入試に向けて,文部科学大臣の下に新たな検討会議を設置し,1年をめどに結論を出すということを発表したわけでございます。12ページに,文部科学大臣のメッセージといたしまして,受験生,高校生,保護者の皆様へということのメッセージを発信させていただいたところでございまして,一番下から2つ目のセンテンスのところに,高校生にとって,読む・聞く・話す・書くといった英語の4技能を伸ばすことは大事なことに変わりはございませんということも書いたということで,メッセージを付けさせていただいたということでございます。
 次の13ページでございますけれども,それを受けまして,当面の対応ということでございますけれども,文部科学省といたしましては,この英語の資格・検定試験の活用について,各大学においては,「大学入試英語成績提供システム」導入予定について,受験生の進路のためにも,早く発表していただくように要請をしたところでございます。
 その結果については,14ページでございますけれども,国公私立大学において,この「大学入試英語成績提供システム」の導入予定時の状況でございます。これは,まだ10月の段階で,延期の発表前のものでございます。公表していたところで見ていただきますと,この総数のところをごらんいただきますと大学全体で約1,000ございますけれども,その中で利用予定大学というのがございます。一番左から二つ目のところで,大学数が538,全体の約7割で,選抜区分と申しますのは,いろいろな選抜単位がございます。学部とか,英語とか,いろいろな選抜単位がございますけれども,その選抜単位,8,000ということで約3分の1,31.6%の大学が活用するという予定であったということでございました。次の15ページをごらん願いますと,11月の導入延期の決定した後の状況といたしましては,それぞれ大学の同じような形で書かせていただいておりますけれども,大学におきましては,412,56.3%,選抜区分におきましては,約4分の1の24.3%,国公私立それぞれの大学,特に国立大学の方が導入を予定している大学数が多かったところでございますけれども,11月の導入延期の決定を受け,少なくなっているということでございます。
続きまして,記述式問題の経緯でございますけれども,17ページをごらん願います。記述式問題の導入の狙いということで四角の中に入れさせていただいておりますけれども,総合的な学力ということで,思考力・判断力の発揮が期待できるということ,それから,表現,特に論理的な思考力であるとか表現力の発揮が期待できるということ,文章とか,そういったようなことを書く,つまり,選択肢の中から選ぶということではなくて,書くということによってそういう表現の発揮が期待できるということ,それから,受験生の思考力・判断力・表現力を的確に評価することが可能になるということを狙いとしていたわけでございます。国語におきましては国語総合の内容で,この策定の方針というものはここに書いてあるとおりでございます。あと,数学におきましても,マーク式と混在させた形で小問3問ということを計画しておったわけでございます。
 次に,18ページでございますけれども,これにつきましても様々な御指摘を頂いておりました。まず大きい一つ目といたしましては,質の高い採点者を確保することが最終的に,採点事業者におきましては,質の高い採点者を十分に確保できる見込みがあるということでございましたけれども,それから,正確な採点ということがやはり課題でございました。ただ,これにつきましては,質の向上が可能なものの採点ミスをゼロにすることは極めて困難であるとの結論に至りました。
 3番目といたしまして,自己採点というものをして,大学に出願を受験生はするわけでございますけれども,その採点結果と自己採点の不一致の解消がなかなか困難で,ある程度の効果は出るものの大幅に不一致の解消をすることはなかなか困難であるということやそれから,守秘義務に関する御指摘がございました。このあたりは,確保は可能だと考えておりましたし,民間事業者が行うための教育事業との関係におきましても,社会的疑念が生じることのない体制が確保されるよう努めてきたということもございます。
 それから,障害等がある受験生に対する配慮といたしましても,円滑な準備が可能になるように進めてきたというところでございますけれども,これにつきましても,19ページでございますが,大臣の方から,12月17日に発表させていただいたものがこれでございまして,課題に対する検討状況について,大学入試センターと萩生田文部科学大臣大臣の方でお話をしていただいたわけでございますけれども,まず採点者につきましては,試験による選抜とか研修を経て,実際の採点者が決まるのは来年ですから,確定をするのが今年の秋から冬になってしまうこと,それから,元教員の専門的知見を有する方の専門チームを設けるなどによって,一定の採点精度の向上は図れるけれども,ミスはゼロになることはなかなか難しいとの結論に至りました。それから,3番目といたしまして,この自己採点のことも大幅に改善することは困難であるということを受けまして,特に2番のところで導入見送りを判断させていただいたということでございまして,安心して受験できる体制を早急に整えることは,現時点においては困難であるということで,導入見送りを判断したということでございます。
 3番目におきまして,ただ,記述式問題が果たす役割は重要であり,各大学の個別選抜における記述式問題の積極的な活用をお願いしていくということ。それから,先ほども「大学入試英語成績提供システム」の導入延期を発表の御説明で申しましたけれども,文科大臣の下に設置する検討会議におきまして,記述式問題の在り方など,大学入試における記述式の充実案についても検討するということを発表させていただいたということでございます。
 次のページにはその内容が詳しく書かれておりまして,20ページ,21ページ,22ページに,それぞれ発言が記載をさせていただいているところでございます。
 先ほど萩生田文部科学大臣のお話がございましたように,それを受けまして,今もう既に開始しておりますけれども,最後,25ページをごらん願います。先ほどのことを受けまして,入試選抜英語提供システム及び共通テストにおきます記述式に係る今般の一連の経過を踏まえて,4技能の評価や記述式問題含めた大学入試の在り方についての検討を行うということで,検討事項といたしましては先ほどの4点,4技能,それから記述式,経済的状況や,地域や障害の有無にかかわらず,安心して試験を受けられる配慮,それから,その他大学入試の望ましいあり方などにつきまして,有識者委員11名,団体代表の委員7名,それからオブザーバーで大学入試センターの理事長にお入りいただいたものとして,この会議を立ち上げたということで,検討が開始されて,1回目は令和2年1月15日,2回目は令和2年2月7日を予定しておりますけれども,こういった形で今後1年掛けまして検討させていただくと,そういう次第でございますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 説明は以上でございます。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,本件については少し意見交換をさせていただきたいと思います。ご意見がございます委員は,プレートを立てていただければと思います。
 まず,橋本委員からお願いいたします。3人ぐらい続けて御発言いただきたいと思いますので,続いてお隣の西橋委員も御発言いただければと思います。橋本委員,どうぞ。

【橋本委員】
 大学入試改革につきましては,今も御説明いただきましたような課題への対応が十分ではなくて,実施による受験生等の不安等を考慮して延期や見直しの判断がされました。このことについてはやむを得ない面があったなと思います。ただ,特に英語の民間テストの活用につきましては,小学校からの英語教育がこれから変わっていく。高校においても4技能がバランスよく学ばれるチャンスとなるはずだっただけに,この間,準備を進めてきた教育委員会としては少々残念な気持ちも持っております。
 大学入試を高校教育の改革に利用するような考え方に異論もあるかもしれませんけども,大学入試が変わらない限り,高校の教育を大きく変えられないというのが残念ながら事実でありますし,高校で学んだことが大学入試で正当に評価されるということも大変重要だと考えております。
 改革を進めていく上で,課題はもちろん小さいにこしたことはありませんけども,課題の全くない制度の構築というのはなかなか難しく,他方,実施によるメリットの大きさというものも考慮する必要があると考えます。英語4技能評価や記述式問題の充実を図っていくことの重要性は,大臣もお認めになっておられると承知しておりますので,何もなかった状態に戻すのではなくて,改善を加えていただいた上で是非勇気を持って改革を進めていただきたい,このように考えております。
 以上です。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございます。
 引き続き西橋委員もお願いいたします。

【西橋委員】
 よろしくお願いいたします。今,検討会議の設置ということで,もう既に1月15日に開催されたと思うんですけれども,この検討会議の委員の方々というのは,何か特に考慮して選ばれた方とかいらっしゃるのだろうかということをちょっとお聞きしたいんですね。大学の先生方をはじめとした非常に専門性の高い方々で構成されているなというような感覚がいたします。そして,さらに,どちらかというと関東方面に近い方々と,そういうようなイメージがあります。
 やはり今回のこういった事態になったということも,私,以前,想像力の欠如だということを申し上げたんですけれども,やっぱり高校生に実際に近い人がこういう検討会議にいるということが大事なんじゃないかなと思うんですね。高校生に近い,学校で授業をしている先生方がそんなに簡単には出てこれないのかもしれないんですけど,もしそれであれば,何か意見を吸い上げると,そういったシステムも考えられるのかもしれませんけれども,そういう高校生に極めて近い,そして,様々な背景を持っている子供たちのことがしっかりと理解できている人,そういう人が入っている必要があるんじゃないのかなということを非常に強く思うわけです。
 それともう一つは,1年を目途にということでありましたけれども,例えば,4技能の評価については,早めに具体的な全体像を本当に示していただかないと,新しい方法に対応できるように,3年間掛けて生徒を育てていかなければなりません。現場が準備するのに残された時間というのはわずかだと考えています。計画を立てることも考えると,もっともっと少なくなるんじゃないかなと思っています。
 もちろん大学入試のために学校の勉強をするわけではないのですが,現場としては,大学を目指す生徒と,それから保護者の期待にはやっぱり最大限応えなければならないと考えています。入試で問われるスキルとか,それから知識を3年間掛けて育成する必要があると考えていますので,本当に早い時期に全体像が示されればいいなと思っています。そのためにも,やはり高校生に近い人の意見を入れていけるシステムがないと,また後になってということになったら困るんじゃないかなと思います。一旦決めたら,急に変更するだとか,やめるだとかいうのは,これは一番やっぱり現場は困るというふうに言っておりますので,そういったところをまたよろしくお願いしたいなと思っております。
 そして,あと英語の試験につきましては,来年度は新しい形になるわけですけれども,これは4技能の民間試験を受けることが前提で多分変わってきていると思うんですね。だから,来年度はどうなるのかなというのを現場では非常に不安に思っているところです。リーディングと,それからリスニングだけということになっていますので,しかもリーディングが80分で100点,リスニングは60分で100点と,こういう感じだと何かリスニングに随分時間を掛けたりとか,4技能をしっかりと一緒に伸ばしていくというところがもしかしたらだんだん欠けていってしまうんじゃないかなというような心配を今,しているところですので,また来年度のことはどうなるのかということなども併せてお示しいただければなと思っています。
 以上です。

【渡邉会長】
 内容に関しての議論はこれからの検討会議で進めていただきますが,検討会議の位置付けとか,今後の展開の仕方で,何か今の時点で補足できることがあれば,事務局の方からお願いいたします。

【玉上大臣官房審議官】
 御質問,ありがとうございます。まず人選等でございますけれども,今回の大学入試のあり方に関する検討会議におきましては,この大学入試英語成績提供システムの導入延期及び記述式問題の見送りの一連の経過を踏まえまして,限られた範囲,期間で入試に関する幅広い検討を行っていただくということになりますので,相当の専門,大学入試ですとか,英語教育に専門性を有する方でございますとか,大学,高等の関係者をはじめ様々なお立場の方,賛成,反対の方,今までいろいろな意見を表明された方にも入っていただいたわけでございます。
 高校生の声ということをおっしゃっていただきましたけれども,特に先ほどの資料の25ページをごらんいただきますと,末冨委員は日大の先生でございますけれども,様々な背景のある高校生の支援をしていらっしゃる方でございますので,そういった方にもお入りを頂いたということでございます。
 英語のことにつきましては,今後,来年の共通テストにつきましては,今後さらに入試センターの方で発表をすることになろうかと思いますけれども,各大学におかれましても,どういう入試をされるかはきちんと検討されているところと伺っているところでございます。

【渡邉会長】
 よろしいですか。
 それでは,引き続き清原委員の方からお願いいたします。

【清原委員】
 ありがとうございます。清原です。
 この間,高大接続改革については,一定の時間を掛けて幅広い視点から検討が加えられ,大学入試についても改革の方向性が示されてきました。しかしながら,大臣におかれて,このたび,一旦立ち止まって再検討をされるという趣旨の中で,私が特に重く受け止めておりますのが,「経済的な状況や居住地域,あるいは心身の障害の有無等にかかわらず,受験ができる条件整備をする」ために立ち止まられたのではないかと拝察しているわけです。
 私は,大学入試の在り方について,一旦立ち止まり,そして,改めて設置されている「大学入試のあり方に関する検討会議」の今後の検討,とりわけ経済的な状況,障害の有無等によらず,開かれた入試制度となるための検討に大いに期待したいと思います。
 2点目に,この機会に申し上げますが,先ほど大臣は,大学改革と働き方改革に加えて,「令和のスタンダード」として「1人1台PC」「大容量高速ネットワーク」について触れてくださいました。これは,私がかねて属しておりました全国市長会,あるいは全国町村会の大変重要な要望事項でございました。それをまずは補正予算で推進するという英断をしていただいたのですが,入試につきましても,ひょっとしたら,この初等中等教育の「1人1台PC」の普及ということが将来的には大きくその内容とか在り方を変えていくかもしれません。したがいまして,「1人1台PC」は入試改革にもきっと関連がある,あるいは働き方改革に大いに関係があるということにも着目をしていただければありがたいと思います。
 最後に,あくまでも検討会議,そして中教審の検討について,責任を持って進めていくことが重要だと思っておりますが,児童生徒に「1人1台PC」だけではなくて,大臣におかれては,是非教員においても,働き方改革での時間管理のために,また質の高い教育実践のために,さらには社会に開かれた対話のある時間を確保しつつPCを生かしていくという,「人間的な対話」と「ICTの活用」の両立を図る場面においても,教員にも「1人1台PC」の実現を,ということにつきましても御検討いただければと,このようにお願いいたします。
 以上です。ありがとうございます。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。そろそろお時間ですが,荒瀬委員はかねてより高大接続の検討をされておりましたので,是非御意見をお願いいたします。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。入試そのものというよりも高大接続に関しまして,1点だけ申し上げておきたいと思います。 高校生にどのような力を付けるかというときに,今の高校生にとって必要なものと,これからを生きていくために必要になる力と,両方を常に考えなければならないと思っております。これからを生きていく上で必要になる力は大学に行ってから学ぶ力にもつながっている。そのことは現行学習指導要領でも,次期学習指導要領でも示されているものでありますので,そこに基づいて入試が行われていくということについては,変わりはないということを思っております。
 以上であります。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。
 頂いた意見は,検討会議の方に,事務局から趣旨を伝えていただき,反映していただければと思います。いずれにしても,検討会議でのこれからの結論を期待したいわけですけれども,今回,大きな問題となった要因の一つとして,大臣のお話にもありましたように,ICTインフラの遅れというものがあるのではないかと思います。しかもそれが自治体間,学校間で差が出てしまっていた。これがいろいろな意見が出た要因の1つでもあったと思います。きょう,大臣から力強いお話を頂きましたので,是非これから自治体の御理解,それから教育委員会,学校の御理解,それぞれの現場の御理解を得ながら進めていただければと思っておりますので,是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは,大臣は,この後,公務がございますため,ここで御退席されます。御出席を頂きましたことにお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

【萩生田大臣】
 ありがとうございました。

【渡邉会長】
 続きまして,議題(3)から(5)についてまとめて御説明いただき,意見交換したいと思います。それでは,まず議題(3)の令和元年度の文部科学省補正予算案・令和2年度の文部科学省関係予算案及び税制改正等について,事務局から順次,説明をお願いいたします。

【木村大臣官房会計課長】
 会計課長でございます。
 それでは資料3‐1を御覧ください。令和元年度文部科学省予算(案)の資料でございます。この補正予算でございます。まずタイトル,国民の安全・安心の確保,未来への投資ということでございますが,先ほど来,議論にも上っておりますGIGAスクール構想の実現ということで2,318億円を計上いたしまして,特にハードの部分の整備,学校における高速大容量のネットワーク環境の整備でありますとか,1人1台の端末の整備ということを令和5年度までに段階的に実現していくための初年度の経費ということであります。
 その他,学校施設等の整備,学校施設,防災機能の強化が必要になってまいります。避難所としても使われるということもございますので,その機能を強化すると。併せて国立・私立大学の設備の整備,国立高等専門学校,高専の機能の高度化を進めるということで1,170億円。さらに首里城やノートルダム大聖堂の火災などを踏まえまして,文化財をしっかりと守っていくための防火・防災対策でありますとか,認定こども園の設置を促進して待機児童の早期解消を図るというための経費,そして,研究開発法人の安全確保,防災・減災に資する研究開発を進めていく。さらには1ページ目の最後でございますが,就職氷河期世代対応といたしまして,教員免許状を持っているんですけれども,一度も教壇に立ったことがない方々を対象にいたしまして,いわゆるリカレント教育ということで,教師の正規採用への再挑戦を支援するための経費を計上しております。
 2ページ目へ行ってもらいますと,宇宙・航空分野の研究開発ということで,H3ロケットの打ち上げ,あるいはその防災・減災を支える人工衛星の開発,打ち上げのための経費ということ。さらに世界最高水準の大型研究施設の整備・利活用の推進,我が国の研究力の向上に向けて,特に若手を中心とした多様な研究者が挑戦的なチャレンジングな研究を進めるための資金,あるいは環境の整備を行っていくための経費というものを計上してございます。
 スポーツの方に参りますと,ラグビーワールドカップが行われましたが,この大会のレガシーとしてラグビー競技が実施できるようなスポーツ施設の整備を進めるための経費などを計上しております。
 その他,災害復旧の関連といたしまして,台風の被害,大規模災害により被害を受けました学校施設等の災害復旧を迅速に進めることと併せて,被災した子供たちの教育機会を確保する,スクールバスなどの通学支援とか,授業料減免の支援を実施するための経費など,合わせて5,367億円を令和元年度文部科学省補正予算案として,政府案として計上させていただいております。
 次に,令和2年度予算案,資料3-2でございます。1ページ目です。全体だと173分の49になるかと思いますが,こちらを用いて簡単に御説明をさせていただきます。
 一番右上を御覧になっていただきますと,文部科学省総額5兆3,060億円というものを令和2年度,来年度の予算案ということで計上させております。
 具体的な中身に移ります。まず左側の箱ですけれども,教育政策推進のための基盤の整備ということであります。新しい学習指導要領を円滑に実施していくということと併せて,働き方改革のための指導運営体制の構築ということで,これは大臣折衝の方も行いまして,教職員定数の改善3,726人を行うということと併せまして,スクールサポートスタッフ,部活動指導員などの専門スタッフ外部人材,これの支援を大幅に増額しているところでございます。
次の四角でございます。学校安全につきましては,例の川崎市の事件なども踏まえまして,スクールガードリーダーの大幅拡充を図っていくということであります。
 さらに3つ目のポツです。GIGAスクール構想のうち,この効果の最大化を目指した実証研究を進めていくための経費を5億円計上してございます。さらに,大学等の基盤的な経費を充実するということと併せて,評価あるいはその客観的指標に基づいた,メリハリある配分を行っていくということによって改革を進めていく。それと併せまして高専の高度化,国際化というものを進めてまいります。
 右の方に移りますと施設の整備でございます。公立学校につきましては補正予算,あるいは,いわゆる臨時特別の措置という防災・減災対策含めまして,相当の額を計上しているということがお分かりいただけるかと思います。
次に,右下の項目でございますが,夢と志を持ち,可能性に挑戦するために必要な力の育成であります。学校・家庭・地域の連携協働を進めてまいります。地域学校協働本部の拡充を通じて,働き方改革や地域による学習支援,これにも積極的に取り組んでまいります。また,就学前の子供さんを対象とした多様な集団活動への支援の在り方に関する調査を実施してまいります。
新しい時代に求められる資質・能力の育成でございますが,高等学校教育の改革,PISA2018の結果を踏まえた学力向上に向けた取組,さらに道徳教育などの推進に必要な支援,これを実施するための経費を計上してございます。
 一番下の項目でございます。スクールカウンセラーにつきましては,今年度の予算で全公立小中学校に配置を完了いたします。そして,スクールソーシャルワーカーについては,全ての公立の中学校区への配置を完了いたしますが,令和2年度の予算では,様々な虐待事案,あるいはいじめ・自殺事案などを踏まえまして,こういった対策のための重点配置を図っていくための経費を計上しているということでございます。
 ページおめくりいただきまして,2ページでございます。社会の持続的な発展を牽引するための多様な力の育成ということで,まず,在外教育施設における派遣教員数を拡充してまいります。さらにSociety5.0の到来を見据えまして,卓越した博士人材養成プログラムの拡充,あるいは数理・データサイエンス・AI教育の全国展開などを図ってまいります。
 次に,生涯学び,活躍できる環境の整備でございますが,人生100年時代などを見据えまして,リカレント教育などをはじめとした社会人の学び直しの総合的な充実を図っていくということと併せて,障害を持つ方々が学校卒業後も学び続けられるような環境整備できるような特別支援教育の生涯学習化プランを進めてまいります。
 次に,左下の一番最後でございますが,誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットの構築でございます。幼児教育・保育の無償化,私立高等学校授業料の実質無償化,これを中心といたしました高校生への修学支援金の充実,あるいは高等教育の修学支援の新制度の創設などによりまして,各教育段階における教育の負担軽減を図ってまいります。
 また一番下ですが,昨年度,出入国管理法の改正がございました。外国人の受け入れ拡大への対応といたしまして,日本語教育,外国人児童生徒への教育の充実を図っていくということで,5億円増額をしてございます。
 右の方に移っていただきまして,スポーツ関係予算でございます。いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が始まります。日本代表の選手団が万全の態勢で本番を迎えられるような予算を確保しております。具体的には,選手強化活動への支援,大会中の選手のサポート拠点の整備,これを実施することと併せまして,大会以降も見据えたスポーツレガシー創出のための施策を総合的に推進してまいります。
 右下,文化芸術関係でございます。先ほど申し上げました首里城,ノートルダム大聖堂の火災を踏まえました防災対策促進プランを進めることによって,文化財の確実な承継を進めていくということと併せまして,文化芸術創造活動への効果的な支援,子供の文化芸術体験活動も含めた文化芸術人材の育成,文化発信の国内基盤の整備を実施してまいります。
 次,3ページを御覧ください。科学技術の関係でございます。まず一番左の上でございますが,研究に関する人材,資金,環境の改革,それと大学改革を一体的に併せまして,研究自体の強化体制を図ってまいります。そして,左下でございますが,Society5.0を実現し,未来を切り開くイノベーション創出とそれを支える基盤の強化ということで,産学共創の場と,オープンイノベーションを推進するための場を作っていくことを進めてまいります。さらに大学発ベンチャーの創業を支援してまいります。さらに,AIやIoT,量子技術,ナノテクノロジーといった国家戦略の議論を踏まえた研究開発を戦略的に進めてまいります。
 一番左下です。スーパーコンピューターの「富岳」あるいは東北に作られます次世代放射光施設など,世界最高水準の大型研究施設の整備,利活用を促進してまいります。
 右上に行っていただきますと,国家的・社会的重要課題の解決に貢献する研究開発でございますけども,iPS細胞研究をはじめとした世界最先端医療の実現をはじめとした健康医療分野の研究開発を進めてまいります。それと併せて地震,津波等の防災・減災分野,核融合の研究など,環境エネルギーシステムの研究開発を推進してまいります。
 右下です。国家戦略上重要な技術の研究開発でございますが,宇宙・航空分野の研究開発といたしまして,H3ロケットの打ち上げでは,国際宇宙探査計画であります月周回有人拠点のゲートウェイの計画に参画するために必要な経費を計上してございます。このほか,海洋・極域分野,原子力分野の研究開発にしっかりと取り組むための予算を計上しているところであります。
 最後,4ページでございます。これも参考でございますけれども,復興特会の中で文科省の関係の部分を記述してございます。就学支援,心のケア,教育支援といった分野につきまして,被災地のニーズを丁寧に酌み取りながら必要な経費を計上してございます。
 右に行っていただきますと,いわゆる臨時特別の措置及び防災・減災,国土強靱化のための緊急対策予算ということで,学校施設の整備をさらに進めていくことと併せて,地震・津波観測網,南海トラフ地域における観測網を整備するための経費を計上しているということでございます。
 その後は,個別の事業について参考になるポンチ絵が載せておりますので,適宜御参照いただければと思います。
予算に関する御説明は以上でございます。

【塩崎大臣官房政策課長】
 続きまして,大臣官房政策課長でございます。資料3-3,令和2年度当初の税制改正要望事項の結果という資料を御覧いただきたいと思います。
 要望等の結果を全部一覧にしてまとめたものでございますけれども,要望の一部又は全部が認められたものが9件,その他要望していたものということで,今回認められなかったものが2件になってございます。
 1枚おめくりいただきまして,(1)につきましては,国立大学法人等への個人寄附の税額控除の対象事業の拡大についてでございますけれども,現行の修学支援事業に加え,不安定な雇用状態である研究者等への研究助成であるとか,能力向上のための事業についても税額控除の対象と認められたものでございます。
 次のページを御覧いただきたいと思います。ゴルフ場利用税の非課税措置の拡充でございますけれども,今年,東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開かれますけれども,これらの大会を含めまして国際的な規模のスポーツ競技大会におけるゴルフ競技への参加選手による公式練習及び競技,それから国民体育大会のゴルフ競技への参加選手による公式練習につきまして,新たに非課税措置が認められたものでございます。
 それから,後段(3)でございますけれども,メダリストに対する金品の非課税措置について,まず1つは,JPSA,日本障がい者スポーツ協会加盟団体からの報奨金につきまして,非課税措置の創設が認められたものが1つでございます。またJOC,JPSA加盟団体からの報奨金の非課税措置につきまして,東京オリンピック・パラリンピック大会におけますJOCからの報奨金額まで非課税措置を引き上げることが認められたものでございます。
 続きまして,(4)を御覧いただきたいと思います。博物館に美術品を譲渡・寄附した際の特例措置についてでございますけれども,1つは,新たな法律の制定を前提としまして,新法の認定を受けた事業を行う独立行政法人等に美術品を寄附した際の手続を簡素化するということ,それから,登録美術品の対象範囲として現代アートまで拡大をするということが認められたものでございます。
 それから,(5)でございますけれども,劇場や音楽堂等について,バリアフリーのための改修を行う場合における固定資産税等の優遇措置の適用期限につきまして,2年間の延長が認められたものでございます。
 (6)以降の項目につきましては,制度改正等に伴いまして税制上の措置が必要な事項について,それぞれ認められたものでございます。
 私の方からは以上でございます。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして議題(4)になりますけれども,OECD生徒の学習到達度調査,PISA調査の結果につきまして,引き続き事務局よりお願いいたします。

【浅田総合教育政策局長】
 総合教育政策局長,浅田でございます。
 12月3日の日本時間の17時に世界同時公表されましたPISA2018の結果の概要について,御説明させていただきます。
 既に報道等で御存じの方は多いと思いますが,改めてポイントを御紹介します。資料4です。通しページで言うと104ページからですが,以下は,資料4の右下に付けてあるページ番号で御説明をさせていただきます。
 まず1ページ目に概要をまとめてございます。このPISA調査は,3年ごとに読解力と数学的リテラシーと科学的リテラシー,この3つの分野で調査をしています。日本で言うと高校1年生相当学年が対象になります。毎回,重点分野を決めていまして,今回は,読解力が中心分野ということになりました。前回の調査から,紙ではなくてコンピューター使用型に移行をしております。
 日本の結果につきましては,まず平均得点と順位の推移ですが,数学的リテラシーと科学的リテラシーは,今回も引き続き世界トップレベルにあるということです。一方,読解力につきましては,もちろんOECD平均よりは高いグループに位置しておりますが,前回,3年前,2015年よりも平均得点及び順位が低下をしております。読解力の平均得点が低下した理由,原因については,いろいろな要因が複合的に影響している可能性があると考えておりますが,例えば日本の生徒の正答率が低かった問題には,テキストから情報を探し出す問題とか,あるいはテキストの質と信憑性を評価する問題などがございました。読解力については,後のページでもう少し詳しく御紹介をさせていただきたいと思います。
 それから,保護者の学歴,あるいは家庭の所有物などに関する質問項目から,社会経済文化的背景というものを出しておりますが,この水準が低い生徒群ほど習熟度レベルが低い生徒の割合が多いといった傾向は,ほかのOECD加盟国と同様に見られたところです。ただ,この加盟国の中では,社会経済文化的背景の生徒間の差は日本が最も小さく,そうした背景が平均得点に影響を及ぼす度合いが低いという分析をされております。
 また,生徒のICTの活用状況については,日本は,学校の授業での利用時間がOECD加盟国中最も短く,学校外ではいろいろな用途で活用しておりますが,特にその使い道がチャットとかゲームに偏っている傾向が見られるということでございます。
 2ページは,上がOECD加盟国37か国での表,下が加盟国以外の参加国地域も含めた表でございます。
 3ページは,日本の読解力の結果について,習熟度レベル別に経年推移を見たものですが,一番左の赤枠がレベル1以下ということですが,低い得点層の生徒がやや増加しているということでありますが,これは実はOECD全体の傾向でもございます。
 それから,下の9つのグラフは,今回,OECDが分析をした,2000年にこの調査は開始されておりますが,その2000年以来の国別の長期トレンドということで,それによると日本は,全体としては平坦,フラットであるというふうに分類をされているところです。
4ページが今回の中心テーマでありました読解力でありますが,4ページで,まず読解力で,これは実は元々の言葉はリーディングリテラシーでございますが,読解力について,この調査では,情報を探し出す,理解する,評価し,熟考する,この3つを測定するとしております。このうち,日本は,理解する能力については平均得点が安定的に高い傾向がありますが,情報を探し出す,あるいは,評価し,熟考するといったところのうち,特に下線を付けたのが今回の調査から新たに入った項目ですけれども,テキストの質と信憑性を評価するといったことについて課題があるという結果でありました。
 また自由記述の問題については,自分の考えを人に伝わるように根拠を示して説明するといったことについて課題があるということですが,それだけではちょっとよく分かりにくいかと思いますが,例えばPISAの調査というのは,原則として問題が公表されないのですけれども,下に少し概要だけ御紹介しているように,あくまで例ですけれども,ある商品について企業の宣伝の文書と,それから別のオンライン雑誌に掲載された,その商品の安全性に関連するような内容の文書を読んだ上で,自分ならどう評価,対処をするかということを根拠を示して説明する,そういった問題で日本の生徒の平均得点がOECD平均と比べて低いと,こうした点にも課題が表れているということであります。
 5ページを御覧ください。前回の2015年から,紙ではなくて,コンピューターを使った,画面上でテキストを読んでキーボードとマウスを使って回答するという形に変わっております。したがって,読解力という分野の問題においても,スクロールするとか,複数の画面をタブで切り換えるとか,ドラッグ・アンド・ドロップをするとか,そういったコンピューター操作の能力が必要となるということです。
 あと,問題の特性として,大問ごとに言うと,ある大問が終わって次の大問に進むと,もう前の大問に戻れないといったことで,紙のテストではそんなことはないですから,そういった特性もあるということであります。
 さらに御覧いただきますと,例題もそうですが,題材の多くがオンライン上でよく見られる形式のものであるといったこと,そういった特徴もございます。つまりPISA調査で重視されているのは,そういう意味でのリーディングリテラシーであるということであろうかと思います。こうしたことが平均得点に影響している可能性も否定できないということであろうかと思います。
 6ページは,読書活動と読解力の関係ですが,日本だけでなくて,OECD全体で本とか雑誌や新聞を読む生徒が減っているということは共通なんですが,日本は,OECD全体と比べると読書は大好きな趣味の1つだといった肯定的な答えをする生徒の割合が多いということであります。
 それから,7ページ,数学的リテラシーと科学的リテラシーは世界トップレベルであるということを御紹介したところです。きょうは省略させていただきます。
 それから,8ページの社会経済文化的背景も,先に1ページのところで少し触れさせていただきましたが,全体としては,やはり日本も,OECD全体も,社会経済文化的背景の水準が高いほど習熟度レベルが高い生徒の割合が多いといった傾向が見て取れます。
 9ページ以降がICTの活用状況等ですが,まず9ページ,ICTの活用調査の結果によりますと,日本,OECDとも,この赤枠で示したところ,インターネットを平日,学校外で1日に4時間以上使っているという生徒が増えておりますが,まだOECD全体に比べれば,日本はややその割合は少ないということであります。それと平均得点との関係では,折れ線グラフの赤枠で示したように,学校外でのインターネットの利用が4時間以上になると平均得点が低下するという傾向が共通して見られます。
 それから,10ページでございますが,日本は国語,数学,理科など,学校の授業でのデジタル機器の利用時間が短く,OECD加盟国中最下位という結果です。また,学校外でのデジタル機器の利用状況が下でございますが,日本の特徴として,コンピューターを使って宿題をする生徒の率がOECD加盟国の中で最も低い。一方で,ネット上でチャットをするとか,1人用のゲームをする,オンラインゲームをするとかいうところではOECD平均をかなり上回っているということであります。ここで言うチャットというのは主にラインなどでございますけれど,そういった傾向というか,特徴が見られるところです。
 資料の11ページが今回のPISA調査の結果を踏まえた文部科学省の施策ということであります。文部科学省として,今回の結果を踏まえて新学習指導要領の実施,あるいは学校のICT環境整備の加速化,全ての児童生徒の教育機会の確保によるセーフティネットの構築等に努めていく必要があるということであり,先ほどの予算のところで御紹介させていただいたように,既に補正予算及び来年度の当初予算案において関連の必要な予算を盛り込んでいるところでございます。
以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,次に,議題(5)に入りたいと思います。議題(5)は,昨年の4月17日の文部科学大臣の諮問を受けまして,初等中等教育分科会の下に設置されました新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を中心にしまして,関連の部会や,ワーキンググループ等において審議が進められてきたところでございます。
 昨年12月の初等中等教育分科会におきまして,これまでの議論が「新しい時代の初等中等教育の在り方論点取りまとめ」という形で取りまとめいただいておりますので,まずは,この論点取りまとめの作成に大変御尽力いただきました初等中等分科会の荒瀬分科会長から御説明をいただき,事務局から,御説明をお願いできればと思います。では,よろしくお願いいたします。

【荒瀬委員】
 それでは,まず私の方から,既に関連する内容の御説明ですとか御発言もございましたが,今,御紹介いただきました新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の部会長でございますので,これまでの審議の経緯について御報告させていただきたいと思います。
 昨年4月,文部科学大臣から新しい時代の初等中等教育の在り方について諮問を受けまして,初等中等教育分科会の下に置かれた新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を中心に,教育課程部会や教員養成部会など,関係する部会や有識者会議等におきまして審議を重ねてまいりました。毎回,非常に闊達な御意見を頂き,昨年12月,先ほど御紹介いただきましたように,初等中等教育分科会におきまして,資料5-1にあります論点取りまとめを行いました。
 この論点取りまとめでは,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない,個別最適化された学びが実現していることや,全国津々浦々の学校において質の高い教育活動を実施可能とする環境が整備されていることなど,2020年代を通じて実現を目指す,新しい時代を見据えた学校教育の姿をお示ししております。その上で,このような教育を実現していくために,これからの学びを支えるICTや,先端技術の効果的な活用や,義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方等につきまして方向性を示すとともに,今後さらに検討を行うべき論点をまとめました。
 子供たちが多様化する中,先ほども申しましたように,誰一人取り残すことのない,個別最適化された学びを実現するためにはICT先端技術の効果的な活用が不可欠であると考えております。一方,学校教育の情報化につきましては,地域間格差も大きく,致命的な遅延があることへの懸念も審議の中で多くの委員から示されたところであります。新しい時代の学校の実現に向けまして,ハードとソフト一体で国の取組を早急に進めていただく必要があると考えております。
 初等中等教育分科会といたしましては,児童生徒1人1台端末という環境が実現し,学びの在り方が変わっていく中で,教師の在り方や果たすべき役割等について引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。また,義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方につきましては,令和4年度,2022年度を目途に,小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入すべきとした上で,引き続き教育課程,教員免許,教職員配置などの一体的検討を進めていくこととしております。
 教員免許と申しましたが,例えばこの教員免許につきましては,もとより子供たちの学びを支えて,これからの社会を生きるために必要な資質・能力をしっかりと養うという,この趣旨を揺るがせにすることなく,しかしながら,これまでの発想だけにとらわれない大胆な改革というものも求められているのではないかと思っております。そのほか,審議事項が初等中等教育全体にわたりますため,子供たちを主語にした新しい時代の学校教育の在り方について,引き続き精力的に審議を進めてまいりたいと思っております。
 私からは以上であります。

【渡邉会長】
 では,よろしくお願いいたします。

【矢野大臣官房審議官】
 それでは,事務局の方から,資料5-2に基づきまして概要について御説明申し上げます。
 まず1ページ目に,2020年代を通じて実現を目指すイメージとして,新しい時代を見据えた学校教育の姿をお示しいたしております。Society5.0の時代の到来といった急激な社会的変化が進む中,変化を前向きに受け止め,豊かな創造性を備え,持続可能な社会の創り手といたしまして,予測不可能な未来社会を自立的に生き抜き,社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成するということを目標として示しております。
 これらの資質・能力の育成に向け,子供の学びとしては,多様な子供たちを誰一人取り残すことのない,個別最適化された学びが実現していること,また,その学びを支える環境としては,全国津々浦々の学校において質の高い教育活動を実施可能とする環境が整備されていることを目指してまいりたいと考えています。
 このような教育の実現に向けて,学校のチーム力を高め,学校の働き方改革を着実に推進するとともに,特に検討を深めていかなければならない事項を2ページ目にお示しいたしております。これらの検討に当たっては,これまでの学校の常識にとらわれず,新しい時代の学びの在り方を見据えた検討を行っていただくことも必要であると考えております。
それでは,個別の事項について詳しく御説明申し上げます。
先端技術の効果的な活用,義務教育9年間を見通した教科担任制についての2点です。資料5-2の2ページ目を御覧いただきたいと思います。ICT,先端技術の効果的な活用については,もう既にこの会議でも話題になっておりますが,補正予算の動きがまさに同時並行的に進んでおりましたので,その補正予算の動きも見つつ,審議を優先的に進めさせていただきました。子供たちが多様化する中,誰一人取り残すことのない個別最適化された学びの実現には,教師を支援するツールとしてのICT環境や先端技術が不可欠でございます。また,ICTや,その先端技術を効果的に活用することにより,これまで不可能だった学びにおける時間,距離などの制約を取り払う,個別に最適で効果的な学びの支援を行う,可視化が難しかった学びの知見の共有,これまでにない知見の生成,また学校における働き方改革の推進などが可能になると考えております。
 一方,現状としては,先ほど荒瀬先生からお話がありましたとおり,情報化の致命的な遅延や,残念ながら地域間の格差,これは義務教育ではあってはならないことだと考えておりますが,そういったことがあるのも事実でございまして,こうした状況は,学校教育現場・職場環境として大問題だという認識の下,教育の機会の均等の観点からも,令和の学校のスタンダードの実現に向け,ハード,ソフト一体で国の取組を早急に進めるべきとされたところでございます。
 ハード面では,国家プロジェクトとして,学校ICT環境整備の抜本的充実として,国公私を問わず,児童生徒1人1台の端末を実現することと併せ,高速大容量の通信ネットワーク環境,クラウド活用もセットで推進するということが示されております。また,今般の先ほど御紹介いただいた補正予算についても,所要の経費が盛り込まれたところでございまして,引き続き力強く進めてまいりたいと考えております。また,複数自治体による広域調達,標準モデルや調達仕様書例の提示,好事例の普及など,国や地方の連携の下,自治体や学校等が計画的に取り組める支援策が必要であるということが示されております。
 また,学校ICT環境の整備と両輪となるソフト面での取組促進として,デジタル教科書・教材等の先端技術の活用により,知識・技能の定着に係る授業時間を短縮し,探究的な学習等に時間を掛けるということが可能になるとともに,探究的な学習等における情報の収集,整理・分析,まとめ・表現等の場面においてICTの特性を十分に活かした活用を行うということで,思考力,判断力,表現力等の育成に資する学びの質の向上を図ることが可能となると考えております。そのための良質な学習リソースの開発・導入,統合型校務支援システム導入促進が必要であるというふうにされております。
 さらに,指導体制の充実に向けては,教師のICT活用指導力の向上を段階的・継続的に図る機会の確保や,ICT活用教育アドバイザー,ICT支援員,そして,企業の人材の活用促進が必要であるとされております。
 これらの取組を進めることと併せ,今年度内には,教師の在り方や果たすべき役割,指導体制の在り方,ICT活用指導力の向上方策について方向性を示すということとされております。
 さらに,先端技術の活用を踏まえた年間授業時数や標準的な授業時数等の在り方,学年を超えた学びの在り方についても早急に検討を進めること,デジタル教科書の在り方についても,来年度内を目途に方向性を示すということとされ,引き続き検討を進めていくこととされております。
 続きまして資料5-3をお開けいただきたいと思いますが,イメージといたしまして,施策についてお示しいたしております。ICT環境の整備の状況を踏まえつつでございますが,全国学力・学習状況調査のCBT(Computer-Based Testing)での実施に向けた検討を進めるということとともに,改訂教科書の使用開始を契機としたデジタル教科書の本格導入,遠隔教育のさらなる推進に取り組むということをお示ししております。
 全ての授業で,1人1台の環境でデジタル教科書をはじめとするデジタルコンテンツをフル活用でき,教師の指導や児童生徒の学びを支援する観点から,学習ログを活用できるなど,多様な子供たちを誰一人取り残すことなく,個別最適化された学びの実現に向けて取組を進めてまいりたいということを考えております。
 資料5-2にもう一度お戻りいただけますでしょうか。3ページを御覧いただきたいと思います。義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方についても同時並行的に御議論いただいておりますけれども,令和4年度を目途に,小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入すべきであるという方向性が示されております。そのため,今後,義務標準法の在り方も含めた教科担任制に必要な教員定数の確保の在り方,小中学校の連携の在り方,教育職員免許法の在り方も含めた義務教育9年間を見通した養成,採用,研修,免許制度,人事配置の在り方,義務教育9年間を見通した教育課程の在り方について,検討を進める必要があるとされております。
 そのほか,教育課程の在り方,教師の在り方,新しい時代の高等学校教育の在り方,幼児教育の質の向上,外国人児童生徒等への教育の在り方,新しい時代の特別支援教育の在り方等につきましても,以下に記載している論点について,今後,引き続き検討を進めるべきとされたところでございます。今後,中教審においてさらに検討を進めていただき,本年末を目途に答申を頂きたいと考えておりまして,この御検討を踏まえ,文科省といたしましても必要な制度改正,予算の確保等に取り組んでまいりたいと考えておりますので,引き続き活発な御議論を頂戴できればということでございます。
以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,本件について,皆さまから御意見・御質問を頂きたいと思います。同じく,ネームプレートを立てて御発言いただければと思います。堀田委員からお願いいたします。

【堀田委員】
 ただいまの浅田局長から御説明がありましたリーディングリテラシー,PISAの調査では「読解力」という日本語に訳されていますけども,メールとか,ウエブサイトとか,デジタルも含めた多様なテキストをしっかり読み取る能力が有意に下がったという結果と同時に,私どもの国の子供たちは,ネットは使っているんだけども,例えばSNSでのメッセージ交換とか,そういう生活での活用に留まっていて,授業内,あるいは宿題のような学習でのICTの活用がOECDでは最下位であるという現実を突き付けられたわけでございます。
 先ほど大臣もおっしゃったように,ちょうど補正予算が付きまして,このGIGAスクール構想が動いているわけですけども,これは簡単に言えば,端末の価格の8割ぐらいを国が面倒を見るという制度で,多くの自治体さんが今これをうまく活用して端末の整備を進めようとされているところでございますが,中には紙でやれることをどうしてICTでやらなきゃいけないのかというような声が出ていると聞きます。中教審でも,資料は紙ではなくて,タブレットでデジタルで確認するようになっているわけです。これは準備していただく方のコストあるいは準備に掛かる時間,そういうようなことを考えたときに,人口減少社会と環境問題を抱える我が国でいつまでこれを人手でやっていくのかというようなことを踏まえてのことかと思います。子供たちが生きていくこれからの時代は,よりデジタルにシフトした中で仕事をしていくわけで,そういう時代にふさわしい学習環境を学校に整えるという話で,高速なネットワークや端末の話が出ているんだというふうに考えますと,すべての自治体がこのことを踏まえて,精力的に整備していただくような形でこれからも是非働き掛けていただきたいと思います。
 一方で,その先の話を少ししたいんですけども,情報端末が行き渡ると,最初は少しそれなりの混乱はあるかもしれませんが,だんだん子供たちが慣れてきて,そして,情報活用能力がだんだん高まってくると想定されます。ぱっと調べたり,ぱっと情報を共有したり,そういうようなことが簡単にできるようになるわけで,そうするとまさに各教科等の学習を基盤として支えるような,学習指導要領に書いてありますけど,そういう情報活用能力が育っていって,その結果,授業のやり方とかがだんだん変わってくるということが多分,数年掛けて起こることかと思います。
 既に先進国ではそのような授業の変化が起こっていますので,そうすると,例えばインターネット上にある様々な正しいかどうか分からない情報を読み取るような能力,まさに先ほどのリーディングスキルですけど,そういうものがより一層重要になりますし,一方で,そうである以上,質保証されたコンテンツとしての学習者用デジタル教科書というのはさらに必要性が高まるところだと思います。ですので,情報端末が導入されただけではやはり学習の質保証が十分にできない可能性があるので,学習者用デジタル教科書を生かし,子供たちに情報活用能力を発揮してもらいながら,授業のスタイルを変えていくような取り組みをこれから精力的に進めていく必要があるだろうと思います。もう一つは,AIドリル等で,資質・能力の3つの柱のうちの知識・技能の,とりわけその習熟とか,定着とか,確認とか,そういうことについては,コンピュータによる個別最適化がやりやすいということは研究でも明確になっていますので,これを進めたとして,浮いた時間は,思考力・判断力・表現力の育成や,対話的で深い学びに,まさに集合して学習することの意義に,より一層シフトしていくような形が必要になるかと思います。
 ですので,情報端末が行き渡り,子供たちの情報活用能力が高まる頃を見越して,今のうちから,場合によっては教育課程の特例等を活用してカリキュラムマネジメントの好事例を集めていくようなこと,あるいは国が積極的にこのような授業の質的な改善を推進していくことを支援していくようなことをやっていくべきではないかと思っております。
 以上です。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。今の御指摘は,PISAの結果についての話と,その後のICTインフラを活用した今後の教育体制に関して,本質的な改革の方向性を示していただいた御意見だと思います。
 大学のカリキュラムマネジメントについては今,日比谷先生が座長をされている教学マネジメント特別委員会の方でかなり進んでいるわけですけど,御指摘のような初等中等・高校段階のカリキュラムマネジメントというのは大変重要な視点になると思います。
 事務局の方から何か補足すべきことはありますか。よろしいですか。どうぞ。

【滝波初等中等教育局教育課程課長】
 堀田委員のおっしゃっていただいたことも踏まえ,教育課程部会でも御議論いただきまして,しっかりと取り組んでいきたいと考えております。ありがとうございました。

【渡邉会長】
 次に,道永委員,お願いいたします。
 その次に,菊川委員,木場委員まで,3名続けてお願いいたしたいと思います。最初に道永委員からお願いいたします。

【道永委員】
 今のお話と少し外れてしまいますが,5‐1の1ページのところで下から2つ目の丸がございます。「生涯を通じて心身ともに健康な 生活を送るために必要な資質・能力を育成する」という表現を入れていただいたことには非常に感謝しております。
 これは文科省へのお願いになるのかもしれませんが,今,厚労省では国民の上手な医療のかかり方について議論をしております。デーモン閣下が参画しておりますので,いろいろなところで宣伝されております。また,厚生労働省の社会保障審議会というのがありまして,その中でも頻繁に,国民の社会保障制度に関する理解を深めるべきであるという議論がされております。今,国の方では全世代型社会保障ということをうたっていますので,是非こういったことを初等中等教育の中でも,難しい話でなくてもいいんですが,ヘルスリテラシーということと,あとは,こういった社会保障が日本で行われているということを是非厚労省と相談をして入れていっていただければと思っています。厚労省と文科省と別々にやるようなことではないので,是非それをお願いしたいなと思っています。

【渡邉会長】
 引き続き御意見を続けていただきたいと思います。菊川委員。

【菊川委員】
 1人1台のパソコンとか,教科担任制ですとか,以前からの課題が急速に取り上げられ,対応が進んでいることに大変ありがたく思っております。一方,このような課題というのは実行段階では,質のいい教員の確保,あるいは養成というのが求められるのではないかと思っております。
 そういった意味で,事前に送っていただきました資料5-1の教師の在り方のところ,14ページですけれども,ここに関連して2点申し上げたいと思います。
 14ページの一番最初のところに,免許状を持たない社会人の登用及び社会人等による普通免許状の取得という話が出てまいりますが,先ほどからICTのアドバイザーや,社会人の普通免許状の取得の多様なルートにより是非進めていただきたいと思います。
 私は今,放送大学におりますけれども,主な学習者の層は30代,40代,50代です。そして,その層は,女性の方が男性より倍ぐらい多いんですね。そして,彼女たちは,やはり勉強する以上は,学位とともに,職業につながる資格というのを欲しがっていて,一生懸命やられます。ですから,能力は高いので,そういう方々を新たにもう一度,社会への正面に位置付ける施策というのは,社会も元気にするし,学校も元気にする。場合によっては60を超したリタイアの人でも,60からでも教員免許状が取れるというような形にして,例えば今まで働いてきたいろいろな技術的なものをお持ちの方を学校現場に,パートタイムでもいいからどんどん入れていくというようなことをすべきじゃないかというのが1点です。
 それから,2点目は,その2番目のところの教職大学院等の話がありますけれども,今の第3期教育振興基本計画には,数値目標として専修免許状の保有率を進行管理するというのが出ております。専修免許状とか,あるいは修士の教員ですとか,そういう方々を,求められている課題に即して,プロを作るという意味で6年の過程でリカレントも含め育てていくということも大事だと思いますので,ここも御検討いただけるとありがたいと思っております。

【渡邉会長】
 貴重な御意見,ありがとうございます。
 木場委員からもお願いいたします。

【木場委員】
 どうもありがとうございます。木場でございます。私の方からは,PISAの結果についての少し解説を頂きたいという点と,やはりこれから押し進めるICTの教育には賛成というところでコメントさせていただきます。
 PISAの結果を拝見いたしまして,まず一番驚いたのは,やはり授業でICT,そういった機器を使っていないという部分です。OECDの中で使用時間が最下位というのは,非常に私は衝撃を受けた数字でございました。それとともに,順位を拝見すると,OECD加盟ではないんですが,トップにずっと中国,それから,何ページだったかちょっと。シンガポール,マカオ,香港,台湾あたりがしっかりと上位を占めているという部分です。このあたりに対する分析というのは,国としては,これらの国々の上位への台頭について分析しているのかなというところを1つ,聞きたいと思いました。
 また,先ほどICTを使っている時間との兼ね合いの表もありましたけれども,やはりそういうものを使っている国と使っていない国と,もし成績との関連性などの傾向があれば是非聞きたいと思いました。
 PISAの結果で,読解力に何点か,少し課題があるというふうな結論を頂いていましたが,それに関しても,やはりICTを使って情報を収集する力,それから分析する力,そして総合的に判断する力,こういうことが少し,これは別に子供だけではなく私たち大人にも共通しますが,どうも物事を信じ過ぎてしまう素直なところがあるような気がしております。やはり収集して,分析して自分なりの見解を持てるような教育のためのツールとしてICTを学校現場で使うということも非常に賛成でございます。
 やはり子供たちがこれから出ていく社会というのは,まさに私たちはICT,AI,IoT,そういったものを駆使して,国が進めているSociety5.0のようなものを達成しなければいけないような世界に生きておりますので,これから行く世界のためにも必要かと。ただ,いい意味でよかったと思ったのは,ゲームやチャットではありますが,接点はあって,決してインターネット等を使ったことがないというわけではなく,慣れ親しんではいるので,それをどう使いこなすかという部分では,少しこれは安心とも思えました。
 最後に,ICT教育に賛成とは言いつつ,その上でやっぱり留意事項としては,インターネットをめぐる問題があることですとか,あるいはすぐ調べてしまって,自分で考える力を失わないようにですとか,それから,私もそうですけど,書く力が大分衰えてきておりますので,そういうことも含めて懸念材料も併せて確認しながら進めていただきたいと考えます。
以上でございます。ありがとうございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 お三方から御意見,御質問がありましたけれども,道永委員からはヘルスリテラシーということで,広く考えれば,社会的実務要素をどう取り入れて行きますかということだと思います。
 それから,菊川委員からは,教師の在り方の多様性ですね。これは,大学院ではリカレントも含めた対応や,多様性をどうするかということだと思います。
 それから,木場委員の質問は,PISAの関係で,ICT活用が進んだ国のベンチマークなどを行っているのかどうか。この辺について,事務局から御回答いただけたらと思います。御意見としては,インターネットのリスク面についても今後しっかり検討してほしいといった御意見でした。
 最初に,御質問のところから御回答いただければと思います。

【今村総合教育政策局主任教育企画調整官】
 失礼いたします。学力調査室長でございます。
 まずICTの整備状況と今回のPISAの結果との関係でございますけれども,ICTの整備状況は国によって,日本は前回,2015と比較しましても余り伸びていないという状況で,グループとしては整備状況停滞しているということで,今ちょっと御紹介にもありました,今回,成績がよかったアジアの国も含めまして整備を急速に進めているという状況がございます。それは国によって状況は様々ではございます。
 それから,もう1点,現状では,その整備状況と学力が正の相関とまでは至っていないというのが今回の結果でございまして,そこは先ほど説明にもございましたとおり,そのICT機器を何に使っているかということとも関係してくるかと思いまして,まだそこは相関関係までは見えていないというところでございます。
 それから,アジア諸国の状況でございますけれども,中国につきましては,御覧いただいておりますとおり,4都市の参加ということでちょっとイレギュラーな形での参加になっておりまして,そういう影響もあろうかと思いますが,それ以外の国は日本と比較しますと,高校生の人口比で言いましてもかなり小さい規模ということで,いずれの国もかなり教育投資に力を入れて,教育に力を入れておられるということは伺っております。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,天笠委員,それから小林委員,橋本委員の3名,引き続きお願いいたします。

【天笠副会長】
 失礼いたします。2つ申し上げさせていただきたいと思います。
 まず1つが,これから10年掛けてというのでしょうか,あるいは2020年代の目指す方向性ということで御説明いただきました。私もそちらの方で議論を一緒にさせていただいておりますけども,その中で1つ,これにありました全国津々浦々という,ここのところの大切さというか,必要性というのがあるかと思いますし,さらに,この中には人口減少の加速する地域ということがやはり外すことのできないキーワードにある意味ではならざるを得ないということで,こういう人口減少社会にどう望ましい学校,環境を維持していくのかということが大きなテーマであるということで,いろいろな法策というんでしょうか,方法がこれにこういう形で示されているというふうな捉え方をまずさせていただければと思いますけども,これまででいきますと,いわゆる標準規模とか,あるいは比較的スタッフがそろった大きな規模を前提にして,そして,教師の協力の在り方ですとか,教科担任制の在り方ですとか,どちらかというとそちらの方の比較的一定の規模を持った学校をというところが,それがあったわけですけども,やはり視野はある意味で,もちろん大きな学校も含めて,むしろ小さな学校も含めて視野に求めてもいいじゃないかと思っております。
 それはどういうことかといいますと,後の方に上げられている小学校における教科担任制の在り方というのも,これまでのいわゆる基準ですと,規模が小さくなると教科担任制は解消されて,ひたすら学級担任制の方に収れんしていくというふうなことがこれまで,あるいは現行の制度なんですけども,今回の議論はそのあたりのところについて問い直しをし,小さな学校,中規模でも,言うところの教科担任制をどんな形で展開していけるかどうかという,そのための制度とか法令の在り方ということが検討の事項ではないかというふうに私自身は認識しておりまして,また皆さんと議論を進めていきたいと思っております。
 1点がそれでありまして,もう一つは,今の点と関わってくるんですけども,その中で,私は,基本的には学校における,示されているように,教科担任制の在り方ということを推進すべきだと,そういう発言している1人であるわけなんですけども,それはただ小学校の高学年における教科担任制に限定されるものじゃなくて,現状の中学校における教科担任制も本当にちゃんと維持されているのかどうなのかというあたりはもう一度,見つめていく必要があるものであって,そういう意味で言うと,義務教育全体を通して教科担任制の在り方ということを検討すべきではないか,そのあたりのところの問題意識はこの中に随分入っているんじゃないかと思っておりますけども,改めてそういう意味で言うと,義務教育学校の在り方ですとか,教師ということなんですけども,そうしたときに,やはり大きな1つのテーマになってくるのは,現実にそれを担っていく先生方のいわゆる資質・能力の在り方に関わっていくんじゃないかということで,教科担任制の導入というと,何か特定の教科について専門性を深めた方がこの担当になればというように,一見そう思われがちなんですけども,実は少なくとも教科について比較的バランスがとれた,そういう基盤的な部分を持った先生方,資質・能力を有する先生方がスタッフを固めて,その中で教科担任制の在り方ということを求めていかないと,いわゆるカリキュラムマネジメントですとか,そういうものというのがもう一方で実現しない部分があるんじゃないかと思っておりまして,ですから,言うところの教科担任制を担う先生方の資質をどう育てていくのかという,要は教員養成の問題になるかと思いますし,さらに言うならば,やはり大学入試の問題になっていかざるを得ないと思います。
 そういう点では,先ほどありましたけども,望ましい大学入試の在り方という中にこういう文脈の話というのがあるのか,ないのか。もちろん先ほどありましたように,直接的には外国語対応,英語対応のそれが課題であるということは重々分かるんですけども,改めて教員養成,将来,教職を目指そうとする人たちの入試の在り方ということも,今,教員養成学部は非常に難しい状況に置かれているという現状でもあるわけですので,そういう点からするならば,大学入試の在り方ということと,それから,教科担任制の在り方というのは,一見,無縁のようにも見えなくはないんですけども,実はそういうつながりがあると,そういう意味で言うと大学入試の在り方というふうなことについても,今申し上げたようなことも視野に収めて,意見,議論をしていただきたいなと,これは要望でありますけど,申し上げさせていただきたいと思います。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。大変本質的な御指摘を頂いたと思います。人口減少による規模変化に対応した教員体制とかカリキュラムマネジメントをどう構築していくかということですので,これは是非重要な意見として取り入れていただきたいと思います。
 それでは,小林委員と,橋本委員,引き続きお願いできますでしょうか。

【小林委員】
 はい。簡単に,では,3点申し上げたいと思います。
 まず今回のPISAの調査,これは非常に重要な点が指摘されていると思います。もちろん数学的リテラシー,科学的リテラシーも重要ですけれども,今回,読解力と言っているところで出てきている,測定する能力,これはまさに新しい時代の中で,生活者全てに必要とされる能力を評価していると感じます。特に「その質と信憑性を評価する」という点について日本の学生,子供たちが評価が低かったということは,我々としては非常に深刻に受け止めるべきだと思いますし,これからそうして能力をどのように付けていくのかというのがまさに今回,話している全ての議論の中の根本にあると考えますので,その点について深刻に捉えるべきであるという点が1つ。
 それから,2つ目は,1点目に関連しますが,やはりこうした力を付けるために,ICTの環境を整えていくということですが,今後そうした教育をする教員の養成については教育養成部会において検討されるとのことです。プランニングに時間を掛けていますとどんどん遅れてしまいますので,検討と並行して新しい教員養成,トライ・アンド・エラーで進めていくような手続をしていただきたいと思います。特にICTに関心の高い若い世代が,じゃ,ICTの能力を教員になって使ってみようと思うようなカリキュラムを作っていくことが重要と考えます。
 それから,3点目は,今回,補正予算で,1人1台,大容量ネットワークの構築について予算が付いたということですが,実際に現場に導入されているかについて,自治体間の比較も含めて開示をしていくべきと思います。その点,よろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 橋本委員からも引き続きお願いします。

【橋本委員】
 それでは,教科担任制に関して3点,簡潔に申し上げたいと思います。
 教科担任制の導入については,専門性の高い教育を実現したり,働き方改革を推進する意味で,我々としても歓迎をしたいことだと思っております。ただ,例えば交換授業の方式でも教科担任制は実施できないわけじゃありません。持ちコマ数を本当に減らしながら,教科担任制を機能させようとしますと,どうしてもこの論点整理にありますように,教員定数の確保ということが重要になってくるかなと思いますので,この点をしっかり進めていただきたいなというのが1つです。
 それから,2つ目は,教科担任制の導入というのは小学校の指導体制を大きく変えていく内容であると思っております。それだけに準備をするだけのゆとりを我々教育委員会に与えてほしいなと思っております。例えば令和4年を待たず,もう来年度からできる取組というものは始めていきたいなと思っておりますが,ただ定数措置に関して,専科教育を実施しようとしますと,恐らく実施教科の必要教員数に直結するような可能性が高いので,教員採用数を正しく見込んで適正に確保したり,あるいは非常勤講師を確保する,こういった準備も重要になっているかと思います。ということですので,この中教審答申は年末ぐらいになるかもしれませんけども,余り4年までに時間がない中で,少しでも早い時期に見通しを示していただけると,教育委員会としては,対応がやりやすいなと思っております。
 それから,もう1点,これは小学校英語に関することなんですけども,現在,英語の免許を持たない担任の指導が行われている一方で,専門性のある専科教員の増員も図られており,これによる指導も進んでいるという,ばらばらとした状況が実際にはあるわけであります。教科英語につきましては,まさにこれから高学年で学習が始まるということでありますので,今回の小学校高学年での教科担任制の導入の機会を捉えて免許制度の見直しなどとともに,指導体制をある程度そろえるような整理を図っていくべきではないか,そのように考えております。
 以上です。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございます。
 それでは,お時間の関係もございますので,今挙げてらっしゃる方に御発言いただきたいのですが,少し簡潔な形でお願いできればと思います。それでは,今村委員,牛尾委員,それから,今野委員,引き続きお願いいたします。

【今村委員】
 失礼します。教員働き方改革についてなんですけれども,資料1-1の9ページの図を見まして,こちらの冒頭のところに,文科省みずからが学校に求めている業務の具体の削減案を示していくということを明記されるところから始まり,この赤枠のところを「思い切った削減や廃止を実施」と記載されていることは,本当に具体的に物事を進めていくイメージが付く資料になっているなと感じました。
 ただ,一方,学校の忙しさを生んでいるのは,もちろんペーパーワークが多い。文科省さんのペーパーワークを減らすということは重要なんですけれども,保護者のニーズに個別の対応が多いということの方がとても大きなことで,その最たるものが部活動なわけなんですけれども,今後,本当に抜本的にこういった仕事を学校から切っていくということをするに当たって,支払い能力のない家庭の人たちに,放課後の様々な機会にアクセスできなくなるということになるということも,両輪として進むような感覚もあります。既に受験対策とか,発達障害の子供たちの個別の訓練とか,そういったものは家庭ごとの支払い能力によって,できている対応が違うということが見えているわけなんですけれども,今後,高校教育改革がよりよく進んで,探究心を持った子供たちが教育課程外に時間を求めて,学びの時間を求めていったときに,誰がそれを支えるのかというところが,どの,誰がというところが,どこを見ればその対応や,民間の例えば育成,非営利セクターの育成のようなことも含めて検討されていくのかというところが足りない要素なのかなと思いましたので,今後の議論の中で,特に不登校の子供たちの居場所という点も含めて,そういった点も今後,検討が必要なんじゃないかと思いました。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 牛尾委員からお願いいたします。

【牛尾委員】
 私は,このたびのICT環境の整備により新たに生まれてくる時間をいかに有効に使っていくのかという部分について,2つの点からお話をさせていただきたいと思います。
 まず一つは,生まれてきた時間で,より対面の教育の重要性を考えていくべきだと思います。それによって,生徒たちの主体性であるとか,自分の考えを持って発信する力ですとか,人間力,いわゆるヒューマンスキルのようなものをいかに身に付けさせていくかというところを,質の高い教員,これには今までの教員制度を経て教師になった人以外の職業人,リタイアした人であるとか,女性であるとかさまざまバックグラウンドを持つ多様な人材が教育に携わっていくべきだと思います。今回,就職氷河期の方を再教育して教員採用の道を広げるための予算も付けられるということですが,そういった,まさに多様な方々が教師としての資格を持ち,学校教育の中に参加していき,生徒たちが自分も社会を構成する一員であるという当事者意識をもち,社会的な課題に対する関心を深め,自分の考えをしっかり表明できるような教育をもっと拡充していけるようお願いしたいということが1点です。
もう一つの点は,英語4技能の話も出ていますが,私は,むしろ初等・中等教育における日本語4技能の強化に目を向けていただきたいと思います。私はふだん大学教育に携わっておりますが,「えっ,こんな言葉も知らなかったの」というような場面がないわけではございません。今後,ICT環境の整備で新たな時間が捻出されるとともに,教員の質・量も高まっていくことによって,初等・中等教育における日本語教育がさらに強化されることを願っています。さきほどのPISAの資料の6ページをちょっと御覧いただきたいんですが,国語の授業のところで,日本は国語教師のフィードバックに関する制度の認識指標が著しく劣っていることが示されています。要するに,何か生徒が発しても,それに対するフィードバックが弱いということが示されているわけですが,きちっと生徒と向き合いきめ細かい指導を重視していくことで,子供たちの日本語4技能をしっかりと高めていただきたい。このたびの改革をそのきっかけにしてほしいと思っております。
 以上です。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございます。
 今野委員,お願いいたします。

【今野委員】
 1人1台端末の環境をそろえていただき,ICT環境の差を縮めていただくような予算を付けていただきました。そして,また,お示しいただきました復興特会では,スクールカウンセラー等の活用や学習支援のための教育加配ということで示されておりますけれども,地域の現場を見ますとマンパワー不足ということを感じております。人がおりませんので,働き方の改革や質の高い教育というようなことをしようと思っても,人がいないという問題があります。
 また,人事等について来年度の教員の配置や加配を各学校から申請しておりますけれども,県や市の担当者からは,加配が少なくなるので,加配教員が各学校に配置されなかった場合のことを考えるように指示を受けています。
 ある学校では代替講師を求めていましたが,4月に欲しかった代替講師が12月に配属されたり,欠員のまま学校運営を行ったりしているという状況です。働き方改革の点から,また質の高い教育を目指すことからも,教育加配を含め教員の適切な配当についてもお願いしたいと思います。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,中野委員と長谷川委員,続けてお願いいたします。

【中野委員】
 きょう,新しい時代の初等中等教育の在り方と論点取りまとめということで,新しい時代を見据えた学校教育の姿を示されておりますけれども,やっぱりこれの実現をするためには,働き方改革なくてはできないと思います。両方が両輪で,同じスピードで動いていかないと,この姿に近付かないと思うわけです。
 教師の自主的・自発的な時間が在校時間として認められた。それから,正規の勤務時間外の上限時間が指針に格上げされた。本当に評価されるものでありますが,ただ業務の見直しがないままでは,実効性はないと思います。そういった中で,学校における働き方の推進に当たっては,学校における業務の適正化とか明確化に取り組むというふうになっているわけですが,どの業務がどれだけの量で適正なのかとか,どうすれば明確になったと言えるかとかいった,教師の仕事が目に見えにくいということがありますので,是非この例示とか,それから,好事例を示していく必要があるかなということを1点,思います。
 もう一つは,やっぱり学校における条件整備が必要だということで,橋本委員も言われたとおりで,私もそんなふうに思いますが,結局,教材研究,授業の準備,評価の時間で,ICTの活用等について,この時間が正規の勤務時間の中に組み込まれるべきだと思うわけです。そうしたときにはやはり空き時間の確保が必要で,小学校,週29時間では到底無理で,毎日1時間でも空き時間を作ろうと思えば20から24ぐらいの持ちコマ数しか持てないので,具体的なものとして検討していく必要があると思います。
 併せて,条件整備と言えば,先ほどの義務教育の9年間を見通した効率的な教育課程を組んでいくというあたりもポイントだと思います。そのことを実現していくことも,やはり働き方の観点からも行うべき部分だと思います。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございます。
 長谷川委員,お願いいたします。

【長谷川委員】
 生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るという観点と,今後の検討事項で不登校がありましたが,その観点について。
 現在,大人,企業の方で働き方改革ということで,労働者がより健康に生産性を高めていけるような形を作るために,ストレスチェックであったり,長時間労働の規制であったり,有休を取るということも進められておりまして,会社のために犠牲になるんじゃなくて,きちんと一人一人が自分の幸せを考えるという変革の動きは非常にいい動きだと思っております。
 心身の健康を保つためには時には休むことも必要ですし,自分の弱さを分析して,自己理解を深めて自分らしい働き方を実現すると,非常に重要なことだと思っておりますが,子供たちに目を向けたときに,子供たちの心身の健康を守るという観点でいくと,同様な取組をしたい。長時間の学習をして,受験勉強で相当疲弊をして心の病になって,うちに来るようなお子さんもいらっしゃる中で,企業がやっているようなストレスチェックを義務化していって,虐待を受けたり,いじめを受けたり,何らかの問題を抱える子供を早期に発見するような仕組みも同様に導入したり,子供に対して有休制度を作ったりというのも1つかなと。夏休みにまとめて休むだけじゃなくて,大人もちょっと苦しかったりしたときに有休を使って,時に休みが必要だというメッセージを各企業,出しているとも思いますが,子供たちも夏休み以外において,時に自分の判断で休むということも学習の持続性を高める上では大事な観点かと思っています。
 具体的な制度というか,メッセージとして,子供たち自身が自分の幸せをちゃんと考えると。何か問題があったときに,自分の根性が足りないからではなくて,自分の弱さや苦しさというのをきちんと自己理解を深めて,自分らしい学び方を自分自身が考えるという観点のメッセージを出すことも大事だと思っていますので,今後の議論でそういった観点も議論できればと思っております。
 以上であります。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 多くの方より,大変貴重な御意見を頂けたと思います。
 荒瀬委員か事務局の方で今のいろいろな御意見に対してコメントすべきことがあれば,お願いいたします。荒瀬委員,いかがですか。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。もう時間の関係もありますので,今,頂きました意見を事務局とも共有しながら,議論を進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。

【渡邉会長】
 事務局の方,よろしいですか。
 時間が超過しておりますが,私の方からも,きょう全体を通じた感想めいたことを,少しお話させていただきたいと思います。
きょうの中教審総会は大変重要だったと思います。注目を集めました大学入試改革の現状についての報告もなされましたし,それから,OECDのPISA結果の報告もございました。確かにこれは,堀田委員の御指摘のとおりだと思います。私は,読解力の低下の問題に加えて,データリテラシーとか,パソコンの操作力の影響というのも大きかったのだろうと思いますから,これを第2のPISAショックというような形で受け止めていくべきではないかと感じました。
 これらに共通するのは,委員からの御指摘にもありましたけれども,日本がOECD各国の中で,ICTインフラとかICTの利活用において,明確な遅れをとってしまっていることが本質的な問題であると思います。特に日本国内において自治体間とか学校間で既に格差が生じてしまっているということが,非常に大きな問題です。きょう,大臣のお話や,予算案の説明の中にもありましたように,GIGAスクール構想といった形で大々的に打ち出していただいたので,是非こういったものを今回の教育改革の中に明確な要素として入れていく必要があると思いました。
 新しい時代の初等中等教育の在り方の論点においても,これからの学びを支えるICTや,先端技術の効果的な活用を一番先に上げております。これは今日的には非常に重要な論点になっていると思います。中教審が果たす役割は今の時代において何なのかということとも重なりますので,中教審が進めてきたこれまでの数年の答申に込めた思いも重ねながら考えていく必要があります。特に共通するのは,Society5.0時代といった新しい時代に対応する教育や,その時代を生き抜く人をどう育てるのかということであり,これが本質的な課題になっていると思います。
 第3期の教育振興基本計画や,高等教育のグランドデザインにしても,こういったこれからの動きを捉えて答申を出しているわけですが,私は,「自立・協働・創造」と「多様性」という言葉が共通するキーワードだと思います。
 問題となっている高大接続も,大学改革があって,それに併せた形での初等中等の改革,特に高校改革というものがあり,そして,それをどう接続するかという問題でした。そうした中での入学者選抜の問題も,高大接続の中教審答申を改めてよく読むと,多様な背景を持つ一人一人の積み上げた力というものを多様な方法で公正に評価して選抜する,という考え方が明確に出ているわけです。きょうの大臣のお話にも,今後の大学入試の在り方についての検討は,中教審が提言した高大接続改革の大きな方向性の中で進めるというお話もありましたように,この答申の本質的な趣旨を生かした検討がこれからも重要ではないかと思います。
 中教審が受けている諮問も,繰り返しになりますが,Society5.0時代の到来に,学校教育の在り方とか,次代を切り開いていく人材や,未来社会を支える人材をどう作っていくのか,ということが本質的な趣旨だと思います。さらに,Society5.0をデジタル革新の側面だけで捉えるのではなくて,人を中心に据えて,誰一人取り残さないということにベクトルを合わせていく,すなわちSociety5.0 for SDGsのコンセプトそのものですけれども,こうしたことにつながるということをベースに置いた検討が中教審としては必要だと思います。
 教育改革については,様々なところで,提案がなされ,いろいろなことが指摘,検討されているわけですけれども,中教審はやはりボトムアップ形であろうと思います。教育現場に最も近い位置におり,さらに幼児教育から始まって初等中等,大学,大学院,生涯学習に至るまで,一生涯をこれからどうするのかという検討を依頼されているのがこの中教審です。しかも,検討を急がれる上に,教育の改革には10年単位であったり,ワンジェネレーションを掛けるといった要素もあります。したがって,従来の答申の趣旨を生かしながらも,スピード感を持って皆さまと御一緒に検討を進めたいと思いますので,これからも是非よろしくお願いいたします。
 少し時間が超過して申し訳ございませんでした。
 今日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

── 了 ──

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