中央教育審議会(第122回) 議事録

1.日時

平成31年2月20日(水曜日)14時00分~15時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階)

3.議題

  1. 会長の選任等について
  2. 中央教育審議会運営規則等の制定について
  3. 教育振興基本計画部会の設置について
  4. 第9期中央教育審議会の審議状況及び最近の動向について
  5. その他

4.出席者

委員

 明石委員,天笠委員,荒瀬委員,今村委員,牛尾委員,加治佐委員,亀山委員,菊川委員,木場委員,小林委員,今野委員,竹中委員,永田委員,中野委員,萩原委員,橋本委員,長谷川委員,東川委員,日比谷委員,堀田委員,道永委員,村岡委員,村田委員,吉岡委員,渡邉委員

文部科学省

 柴山文部科学大臣,浮島文部科学副大臣,中村文部科学大臣政務官,藤原事務次官,山脇文部科学審議官,芦立文部科学審議官,生川官房長,瀧本総括審議官,菱山サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官,柿田大臣官房政策課長,清水総合教育政策局長,平野大臣官房審議官,塩見社会教育振興総括官,寺門総合教育政策局政策課長,永山初等中等教育局長,丸山大臣官房審議官,玉上大臣官房審議官,森大臣官房審議官,白間高等教育局私学部長,常盤国立教育政策研究所長 他

5.議事録

  • 新しい会長について,渡邉委員がふさわしい旨発言があり,了承された。
  • 副会長については渡邉会長から永田委員,天笠委員の指名があった。

 ※ 事務局から説明の後,資料2‐2から2‐4のとおり,中央教育審議会運営規則及び中央教育審議会の会議の公開に関する規則が了承されるとともに,中央教育審議会の会議の運営について申合せがなされた。

【渡邉会長】
 それでは,大臣も御到着されましたので,第10期中央教育審議会の発足に当たりまして,早速ではございますけれども,柴山大臣から御挨拶をお願いしたいと思います。それでは大臣,よろしくお願いいたします。

【柴山大臣】
 皆様こんにちは。委員の皆様におかれましては,御多用のところ,第10期の中央教育審議会の委員をお引受けいただきまして,誠にありがとうございます。これからの2年間,どうぞよろしくお願い申し上げます。着座をさせていただきます。
 今期の総会の初回の開会に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。これまで政府一丸となって人生100年時代,あるいはSociety5.0時代,この到来を見据えた社会の在り方を構想する中で,人づくり革命の断行と生産性革命の実行,これが国に課せられた大きな使命であると考えております。そして教育がその中核を担うものであるということは,申し上げるまでもございません。
 こうした考え方の中で,家庭の経済事情に左右されず,誰もが希望する質の高い教育を受けられるように,幼児期から高等教育段階までの教育の無償化ないし負担軽減策の具体化に向けて今,私どもとして準備を進めております。また,少子高齢化,グローバル化が進展する中で,イノベーション創出の基盤となる大学等の改革が急務となります。
 この高等教育の質の向上や教育研究基盤の強化を図るために,2月1日に高等教育・研究改革イニシアティブ,略称,柴山イニシアティブと名付けさせていただきましたけれども,こちらの方を取りまとめさせていただき,大学等の教育研究,そしてガバナンスの一体的な改革を加速化していくこととしております。
 これらに関しましては,さきの教育の負担軽減と併せて,今国会において既に所要の法案を提出し,これから審議を頂く予定でございます。
 さて,先般は千葉県野田市において女子児童が虐待により亡くなられるという大変痛ましい事件がありました。亡くなられた女子児童に対して心から哀悼の意を表します。この事件を踏まえて先週13日に,文部科学省内に,私の隣に座られている浮島文部科学副大臣を主査とするタスクフォースを開催し,課題の検証と再発防止策の検討を今行っております。
 また14日,全国の幼稚園,小学校,中学校,高等学校等及び教育委員会に対して,今回のような虐待が疑われるケースについて緊急点検を実施するように依頼したところでありまして,その点検活動を3月8日までに完了し,その結果を3月14日までに文部科学省に報告することをお願いしております。
 加えて,2月15日には,文部科学省及び厚生労働省が連携して対応していくために,両省の副大臣を共同議長とするプロジェクトチームを設置して検討を開始いたしました。
 文部科学省としては,引き続き厚生労働省等との連携を深めつつ,実効ある再発防止策を検討するなど,取組を進めてまいります。
 本日の総会では,最近の施策動向や前期までの中教審での審議状況につきまして事務局から取りまとめて説明をしてもらった後に,委員の皆様によって自由討議を頂きたいと考えております。
 この中教審は,文部科学大臣の諮問に応じて教育の重要事項を調査,審議いただく我が国の教育政策の要となる大変重要な審議会でございます。委員の皆様におかれましては,その豊富な御識見や,これまでの様々な御体験を基に,是非忌憚なき御提言を賜り,大所高所から御審議を頂きますよう,私からお願いを申し上げる次第でございます。
 これから約2年間,実り多い御審議を頂くことを重ねて期待を申し上げまして,私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 大臣,どうもありがとうございました。
 それでは,私からも御挨拶させていただきたいと思います。改めまして,この中央教育審議会におきまして会長に選任されました渡邉でございます。第10期の中央教育審議会をしっかりと推進してまいりたいと思いますので,どうかよろしくお願い申し上げます。私も座って少しお話させていただきたいと思います。
 先ほど身に余るご推薦を頂いたわけですけれども,御紹介いただきましたように,私は2016年から,中教審の教育振興基本計画部会に参加をさせていただきまして,第9期からは委員を務めさせていただきました。その間に,この第3期教育振興基本計画をはじめといたしまして,教員の働き方改革の問題ですとか,2040年に向けた高等教育のグランドデザインの答申など,非常に未来志向型の答申を出すことができたと認識しております。これも私の前任であります北山前会長をはじめとして,第9期を担っていただいた委員の皆様方,また,それを支えていただいた文科省の皆様方の御尽力のたまものだと思います。
 第9期の答申がいずれも非常に未来志向型となっているわけですけれども,これは恐らく世界的に第4次産業革命と言われている社会構造,あるいは産業構造が大きく変わる中にあるということが背景にあるからだと私は感じております。日本におきましてもSociety5.0が打ち出され,そしてそれが,国連が提唱しますSDGsのゴールに向かっていくという考え方の整理がされてまいりました。このSDGsの中には誰一人取り残さないという理念が含まれているため,Society5.0はそういった持続性のあるバランスのとれた世界を目指していこうではないかということが明確になっていると思います。
 しかも,このSociety5.0には,世界的な第4次産業革命のデジタル革新の要素は当然入っているわけですけれども,それに加えて,多様な人たちの総意によって未来を創るという考え方が明確に示されています。このようにSociety5.0 for SDGsという考え方の中には,人を中心に考えていくということが明確になっている。このことは恐らく,世界の中でも日本の非常に特徴的な要素だろうと私は確信いたします。そういう考え方は,今後の多様な人材の育成をどうしていくのか,教育の在り方をどうしていくのかという課題に必ず結び付いていくということだと思います。
 したがって,そのような経緯があるからこそ,第9期の答申も未来の課題について検討し,それをバックキャスト的に課題解決していこうという,未来志向型の答申になったのだろうと思います。
 第10期を担う私たちについても,この背景は同じだと思います。ただ,そのときに,日本の教育の強さの源になっている自立,協働,創造という理念はしっかりと継承して,その上で新しい世界に向かっていくということが私たちの担うべき役割ではないかと感じております。
 いずれにしましても,残されている課題は大きいと思います。教育振興基本計画におけるこれからの課題整理,それをフォローアップしていくことについても大変大きな課題として残っております。それから大臣からもございましたように,後ほど各御担当の方からも御説明いただきますが、初等中等教育に関すること,高等教育に関すること,それから人生100年時代を目指した生涯教育に関すること,それぞれ答申の中にも,残されている課題は多々あります。それらに私たちが真摯に向かい合って,これからもしっかりと審議をしていきたいと考えているところであります。
 私は「変化は摩擦を生み,摩擦は進歩を生む」という言葉が大変好きなのですけれども,こういった変化の時代に新たな課題に向かっていくと,必ず摩擦が生じると思います。教育現場においては大変大きな問題が生じると思いますが,副会長にご就任いただいた永田先生,天笠先生,それから今回新たに任命されました18名の方を合わせました29名の委員の皆様方,そして文科省の皆様方とともに,この課題にしっかりと向き合っていきたいと思います。どうかご協力をよろしくお願いいたします。
 そのことをお願いしまして私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
 続きまして議事に移りますけれども,まず教育振興基本計画部会の設置についてでございます。資料3‐1,3‐2をご覧いただきたいと思います。
 第9期の中央教育審議会では,教育振興基本計画部会が設置され,先ほどお話しいたしましたように,教育振興基本計画案について審議が行われてきました。昨年3月に中教審でも答申を取りまとめ,6月15日には,答申に基づき,その計画が閣議決定されております。この部会につきまして,今後とも引き続き設置する必要があろうと考えております。本件につきまして,第9期までの審議状況も含め事務局からの説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【清水総合教育政策局長】
 それでは御説明いたします。座りまして失礼いたします。
 資料3‐1と3‐2でございますが,まず3‐2の方をご覧いただきたいと思います。教育振興基本計画部会の審議の状況でございます。
 教育振興基本計画部会では,平成28年の4月に第3期教育振興基本計画について諮問されたことを受けまして,第8期から第9期に引き続く形で御審議を頂き,平成30年の昨年の3月に答申を取りまとめていただいたところでございます。今後5年間の教育政策の目標や施策にも,基本的な方針ごとに取りまとめていただいたものでございます。この答申を受けまして,昨年の6月15日に,今年度から5年間を対象とする第3期の教育振興基本計画が閣議決定されたところでございます。
 続きまして,今期,第10期に継続して審議する事項でございますが,前期で策定されました,この基本計画のフォローアップを行いまして,4年後になりますけれども,次期の教育振興基本計画の策定に向けた課題の整理を継続して行っていくということが挙げられると考えております。
 それが,資料3‐1にお戻りいただきたいと思いますが,こういったことで今期も,この教育振興基本計画部会の設置をということで,資料3‐1のとおり,こちらを御決定いただきたく存じる次第でございます。
 説明は以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,今の説明にありましたように,今期も,この教育振興基本計画部会を引き続き設置するということが適当だと考えますが,いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【渡邉会長】
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは,教育振興基本計画部会を引き続き設置することといたします。
 また,部会に属すべき委員につきましては,中央教育審議会令に基づきまして会長が指名することとされておりますので,私に一任していただければと思います。
 なお,本日は,第10期として最初の総会でございますので,これまでの審議の確認のために,第9期の各分科会の審議状況につきまして事務局から説明をお願いしたいと思います。また,最近の施策の動向につきまして,説明を事務局にお願いしたいと考えますけれども,順序といたしましては,生涯学習,初等中等教育,高等教育の順に,各局長にお願いしたいと思います。
 それでは,まずは中央教育審議会答申等の全体の総括,それから生涯学習分科会の審議状況につきまして,説明をお願いいたします。

【清水総合教育政策局長】
 それでは,まず資料4‐1をご覧いただきたいと思います。前期,第9期の中央教育審議会における答申等の全体でございます。第9期,平成29年2月からの2年間でございますが,資料の1枚目と2枚目に各答申の概要が記載されてあります。
 まず1つ目が「第3期教育振興基本計画について」,そして次でございますけれども,「2040年に向けた高等教育のグランドデザインについて」,3番目が「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」,そして次のページになりますけれども,「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」,この4つが答申でございます。それぞれの答申の内容につきましては,各分科会の審議の状況とともに,それぞれ担当の局長から御報告するという形でお願いをしたいと思っております。
 それから,答申以外の報告といたしましては,2ページ目の下以降でございますけれども,初等中等教育分科会の報告が1件,大学分科会の報告が3件でございます。それぞれ概要を記載しておりますので,御参照いただければと思います。
 それでは続きまして,第9期の生涯学習分科会の審議の状況について御説明をいたします。資料4‐2をご覧いただきたいと思います。
 まず1点目,人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策についてでございます。平成30年3月の諮問の後,ワーキンググループを設置するなどして御審議をいただきまして,昨年12月に答申を頂いたところでございます。
 答申の内容でございますが,地域における社会教育の意義や果たすべき役割について御検討いただきまして,今後「『社会教育』を基盤とした人づくり・つながりづくり・地域づくり」が一層重要であると提言を頂いたところでございます。その上で,新たな時代の社会教育の方向性として「開かれ,つながる社会教育」というものを提示いただきました。今後の社会教育の展開に当たりましては,3点でございますが,第1に,学びの場への多くの地域住民の主体的な参画を得ること,また第2に,学習者のニーズや様々な課題に対応するために,社会教育の行政の担当部局と首長部局,またNPOなど,多様な主体との一層の連携・協働を図るということ,そして3点目として,専門性ある人材の活躍を促進すること,この3つが重要であると提言を頂いたところでございます。
 また,こういった取組を支える場となる社会教育施設の在り方につきましては,社会教育施設が,その学習,活動の拠点であることは当然でございますけれども,それのみならず,住民主体の地域づくり,持続可能な共生社会の構築に向けた取組の拠点としての役割も求められていくとした上で,社会教育の適切な実施の確保に関する制度的担保が行われるということを条件に,地方公共団体の長が公立社会教育施設を所管できることとする特例を設けることができるという提言を頂いたところでございます。
 文部科学省としては今後,提言いただいた内容を具体化するために必要な法改正等,制度の改正に取り組んでまいることとしているところでございます。
 それから2ページ目でございますが,第9期に御議論いただいた事項の2つ目が,第3期の教育振興基本計画について生涯学習の分野において基本計画に盛り込むべき事項について,生涯学習分科会で意見交換をしたところでございます。
 このほか,文部科学省認定社会通信教育について,新たに2課程の認定,1課程の廃止について答申を頂きました。
 前期の審議実績としては以上でございますが,今期審議することが考えられる事項として,2ページ目の下に4点挙げているところでございます。
 1点目は,地域や社会における様々な課題の解決に向けて生涯学習・社会教育が果たす役割について,また,地域課題の学びを通じた解決に取り組む様々な団体の振興方策について,そして3点目,高齢者をはじめとした地域住民の学びと活動への参画を促すための方策についてが考えられるところでございます。また,最後4点目でございますが,先般,前期に頂きました答申で示されました「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」,この答申で示された事項のフォローアップをしていくといったことが考えられると思っているところでございます。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは次に,初等中等教育分科会の審議状況と,先ほど大臣からもございましたけれども,最近の児童虐待の問題,さらに幼児教育の無償化の制度改正等につきまして,まとめて御説明を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【永山初等中等教育局長】
 初中局長でございます。それでは,まず資料4‐3をご覧いただければと思います。第9期におきます初等中等教育分科会の審議状況につきまして御説明を申し上げます。
 まず,学校における働き方改革特別部会の関係でございますが,学校における働き方改革につきましては,平成29年6月の諮問を受けまして,学校における働き方改革特別部会を設置いただきました。その後,御議論,御審議いただきまして,勤務時間管理の徹底,あるいは業務の明確化・適正化,学校指導・運営体制の効果的な強化・充実,勤務時間制度の改善等々の学校における働き方改革に関する総合的な方策について御審議を頂きまして,先般,答申としておまとめいただいたところでございます。
 それから,教育課程部会の関係でございます。平成29年3月の学習指導要領の改訂を踏まえまして,教育課程部会の下に,児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ,これを設置をいたしまして,新学習指導要領下での児童生徒の学習評価の在り方について検討を進め,平成31年1月,先般,これも部会としての報告を取りまとめていただいたところでございます。
 それから教員養成部会でございますが,教員養成部会におきましては,教職課程の質の向上等に向けまして,大学からの教職課程の設置申請に対して文部科学大臣の諮問に基づいた審査,それから教育職員免許法及び同施行規則の改正に対応した教職課程認定基準についての所要の改正を行っていただいたところでございます。
 来期といいますか,今度,今期に継続して審議していただく事項ということでございますけれども,先ほど申し上げました働き方改革に関する答申におきまして,今後さらに検討を要するとされた事項ですね。具体的には教育課程の在り方の見直しですとか,教師の養成・免許・採用・研修全般にわたる改善・見直し,新時代の学びにおける先端技術の効果的な活用,小規模校の在り方,人事委員会等の効果的な活用方法等々につきまして,引き続き御検討いただければと思ってございます。
 それから,本答申におけます提言の進捗状況につきましても,これを総合的にフォローアップしていただくということと併せて,それを踏まえて,学校における働き方改革に関して引き続き御審議を頂く予定でございます。
 参考資料を付けてございますけれども,説明は省略をさせていただきます。
 以上が第9期の初等中等教育分科会の審議状況についての御説明でございました。
 2つ目の事項でございますが,資料は1つ飛びまして,資料5をご覧いただければと思います。先ほど大臣の御挨拶でも触れられましたけれども,千葉県野田市における小学4年生の死亡事案における対応等につきましての御説明でございます。
 本件につきましては,例えば野田市の教育委員会がいじめに関するアンケートのコピーを父親に渡してしまったことなどが指摘をされておりまして,文科省においても,教育委員会あるいは学校の対応について検証を行うなど対応しているところでございますが,文科省の対応状況につきまして改めて御説明を申し上げますと,まず事案の発生後,2月1日に担当室長を野田市の教育委員会に派遣いたしまして,事実確認を行うとともに指導も行ってございます。
 それから8日には,児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議が開催されまして,総理から児童虐待の根絶に向けて総力を挙げて取り組むことなどが指示されました。その会議での指示も受けまして,浮島文部科学副大臣が大口厚生労働副大臣とともに野田市を訪れまして,事実確認や指導に当たっていただいたところでございます。
 13日には,文科省内に,浮島副大臣を主査とするタスクフォースを第1回,開催をいたしますとともに,厚生労働省の専門委員会にも,これらの担当課長ですけれども,出席をいたしました。
 それから14日ですけれども,児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検,これを各都道府県教育委員会に発出いたしまして,2月1日以降一度も登校していない児童生徒等を対象に,3月8日までに面会による点検をお願いしたところでございます。
 それから15日には,厚生労働省と連携をして,本件に取り組むための両副大臣を共同議長とする合同プロジェクトチームを開催いたしたところでございます。
 今後,この省内タスクフォースですとか合同プロジェクトチーム等において対応をしっかり検討していく予定でございます。
 3点目の事項でございます。資料は3つほど飛びまして,7をご覧いただければと思います。最後の資料でございます。横長の2枚紙ですけれども,幼児教育の無償化の関係でございます。
 まず2枚目の方をご覧いただければと思いますけれども,これは昨年12月28日の関係閣僚合意のポイントということでございます。この幼児教育の無償化につきましては,法律では子ども・子育て支援法という法律の一部改正になりますけれども,これを今月12日に閣議決定いたしまして,同日,所管である内閣府から国会に提出をしたところでございます。
 その幼児教育無償化の全体像につきましては,この関係閣僚合意をご覧いただければと思うんですけれども,まず1のところで,3歳から5歳までの子供につきましては,幼稚園,保育所,認定こども園等の費用につきまして,原則として無償化をいたします。子ども・子育て支援新制度に移行していない幼稚園,私学,助成を受けている幼稚園については,月額2万5,700円までを上限として無償化をいたします。
 それから,0歳から2歳の子供につきましては,住民税非課税世帯を対象として無償化いたします。
 さらに,幼稚園の預かり保育につきましては,保育所とのバランスも考慮しまして,保育の必要性の認定を受けた場合に,月額1万1,300円までの範囲で無償化となります。
 それから3の認可外保育施設でございますけれども,これ,待機児童問題等で認可保育所に入りたくても入れない,そういったお子様を対象に,やむを得ず認可外保育施設を利用している方がいらっしゃるということから,代替措置として月額3万7,000円までを無償化いたします。
 4の費用負担の割合ですけれども,国が2分の1,県と市町村がそれぞれ4分の1,ただし公立については市町村が10分の10となってございます。実施時期については,今年の10月1日ということでございます。
 その上で,今般の法改正でございますけれども,これ1枚目に戻っていただきまして,今し方御説明いたしました関係閣僚合意の内容の実現に向けまして,基本理念に保護者の経済的負担の軽減に適切に配慮されたものとする旨の文言を追加をする。それから,新たに子育てのための施設等利用給付を創設した上で,対象施設,支給要件等の規定や費用負担等について規定をいたしているところでございます。
 今後,内閣府,厚労省と協力いたしまして,法案の早期成立に向けて,しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
 私の方から説明は以上でございます。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは次に,大学分科会の審議の状況,それから高等教育の修学支援,ガバナンス改革に関する制度改革につきまして,まとめて説明をお願いしたいと思います。

【玉上大臣官房審議官】
 高等局でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは,資料4‐4をご覧願います。第9期の分科会では,このページにございます将来構想,それから下の大学院,次のページに参りまして教学マネジメント,法科大学院,認証評価の認証,それから3ページ目の専門職大学等の制度設計に関する部会,6つの部会等を中心に御審議を頂いたところでございます。
 特に中心的な審議になっております1ページ目をもう一度ご覧いただきますと,我が国の高等教育に関する将来構想についてでございます。2040年の社会を見据えた,これからの時代の高等教育の将来構想について総合的な検討を進めていただいておりまして,ちょっと小さくて恐縮でございますが,米印のところにございます,専門の知識ではなく文理横断型の教育への転換,教育の質の保証を進め,「何を学び,何を身に付けることができたのか」という学修の成果の可視化の促進,それから地域における質の高い高等教育機会の確保のための大学の「強み」を生かした連携・統合の在り方ですとか,18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関全体の規模などについて,グランドデザインの答申を頂いたところでございます。
 今期につきまして,10期におきましては,4ページ目をご覧願います。今期の大学の中におきましては,まずグランドデザイン(答申)で御提言いただいております,大学設置基準などの,いわゆる質保証システムの見直しにつきましては,新しい部会を設置して御審議を進めていただきたいと思います。
 それからさらに,9期から既に審議を進めていただいております教学マネジメントに係る指針の策定及び学修成果の可視化と情報公表の在り方については,引き続き御審議を頂くということでございます。
 続きまして,法案のことの御説明をさせていただきたいと存じます。資料6‐2をご覧願います。資料6‐2,6‐3で御説明をさせていただきます。
 まず修学の支援に関する法律についてでございます。6‐2でございますけれども,高等教育段階の教育負担軽減方策につきましては,骨太の方針の策定以降,文科省としましても制度の設計を進めておりましたが,このための法律案を,去る2月12日に今国会に提出をさせていただいたところでございます。
 この法律案は,子供たちが経済的な事情により進学を断念することがないよう,進学の機会を確保するため,大学,短期大学,高専,専門学校に通う真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し修学の支援を行い,経済的負担を軽減する措置を講ずるものでございます。そういうことによりまして,高等教育機関へのアクセスの確保を狙うものでございます。
 具体的な点としては3点ございますけれども,まずは,そういう授業料ですと授業料減免ですとか,給付型奨学金を併せて措置するということ,それから大学が授業料減免を行い,その費用は国又は地方公共団体が負担をするということ,それから3点目といたしましては,給付型奨学金は日本学生支援機構が実施をするということでございます。
 それから資料6‐3をご覧願いますと,学校教育法の一部を改正する法律案の概要でございます。高等教育改革につきましては,骨太の方針ですとかグランドデザイン(答申)を踏まえまして,いわゆる先ほどのアクセス機会の確保,それから教育の質向上,教育研究基盤の強化というものを一体的に推進することとしております。
 アクセス機会の確保につきましては,先ほど御説明いたしました,いわゆる大学等における修学の支援に関する法律案認定措置,教育の質向上と教育研究基盤の強化につきましては,この4本の法律がございますけれども,学教法と国立大学法人法,私立学校法,独法の4つの法案に,それぞれ必要な規定を設けることを措置しておるところでございまして,具体的なものにつきましては,まず1番目の学校教育法につきましては,いわゆる認証評価を義務付けておりますけれども,その状況が大学評価基準に適合しているかどうかの認定を評価機関に義務付ける。
 国立大学法人法につきましては,国立大学法人岐阜大学と名古屋大学を統合し,新たに同法人を設置する国立大学法人東海国立大学機構の創設ですとか,1つの法人が複数の大学を設置する場合など,法人の御判断によりまして学校教育法上の学長の職務を担う大学総括理事を設置することを可能とする。
 3番目の私立学校法におきましては,学校法人の役員の職務及び責任を明確化,財務書類等の公表に関する規定を整備する。
 それから4番目の独立行政法人の法につきましては,国立大学法人等の経営基盤の強化を図るための情報収集・分析を業務として追加するという,これらでございます。
 この日本の法律は,施行日は一部,準備行為に係る規定を除き,来年,いわゆる2020年の4月1日としております。
 簡単でございますけれども,以上で説明を終わります。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは続きまして,高等教育に関連して,柴山大臣の下で高等教育・研究改革イニシアティブ,通称,柴山イニシアティブが本年の2月1日に取りまとめられましたので,この内容につきまして説明していただければと思います。お願いします。

【柿田大臣官房政策課長】
 官房政策課でございます。資料6‐1をご覧いただきたいと思います。大学教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)につきまして御説明いたします。
 本件につきましては,高等教育機関,研究機関における「教育」「研究」「ガバナンス」改革を一体的に推進するための政策パッケージとして,去る2月1日に柴山大臣から発表されたものでございます。
 冒頭のところにありますように,今後の高等教育機関,研究機関の改革を進める上で,取組あるいは成果に応じた手厚い支援と厳格な評価を徹底することによって,「教育」「研究」「ガバナンス」の改革を加速し,世界を牽引するトップ大学群,あるいは地域や専門分野をリードする大学群の形成でありますとか,研究者,学生の育成,活躍を促進していくとの基本的な考え方でございます。
 改革の方向性としましては,先ほど高等局から説明がありました法案の内容を盛り込む形で,高等教育機関へのアクセスの確保をはじめとする4つの柱を掲げまして,それぞれの事柄について手厚い支援と厳格な評価を徹底するとともに,それぞれの取組を,ばらばらではなくて一体的に進めていくこととしております。
 例えば1つ目の柱であります高等教育機関へのアクセスの確保,つまり高等教育の無償化に関しては,授業料等の減免を進めてまいりますが,対象となる大学等につきましては,社会や産業界のニーズも踏まえ,学問追究と実践的教育のバランスがとれている大学等に限定するでありますとか,学生の学修状況のチェックや厳格な成績管理を行うことを要件としております。
 これらは,2つ目の柱であります大学教育の質保証・向上のための取組である教育に関する情報公表でありますとか,実務家教員の登用等による多様で柔軟な教育体制の構築といった取組と連動する形で,一体的に進められることとなります。
 2ページをご覧いただきたいと思います。これは4つの柱の主な内容と関連性を示したものです。先ほど法案の説明のありました,高等教育機関へのアクセスの確保によって機会を得た方々の進学先である大学等の教育の質保証・向上と研究力向上を,一番下にあります教育研究基盤・ガバナンス強化によって後押しすることにより,真ん中に書いてございますが,未来を牽引する人材・価値の創出を図っていくこととしております。
 3ページから以降は4つの柱のそれぞれの具体策,また7ページからは項目ごとの工程表を取りまとめておりますが,これらにつきましては,時間の都合上,説明は省かせていただきます。
 説明は以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。それでは,説明は以上とさせていただきたいと思います。
 本日は最初の審議ということで,まだ35分ぐらいの時間がございますので,自由に御意見を伺う場とさせていただきたいと思います。初めて御参加される方ですけれども,御発言のときに,運営上,名札を縦に立てていただいて,指名されましたら発言を頂くような形でお願いしたいと思います。
 それでは,特に本日初めて御出席の方々を中心に是非御発言いただければと思いますが,どうぞ御自由にプレート立てていただけたらと思います。遠慮なさらないで,どうぞ。御感想なりでも結構です。抱負的なものでもいいかもしれません。
 ちょうど正面に座られているので,では長谷川委員から,どうぞ。

【長谷川委員】
 ありがとうございます。御指名いただきました,株式会社LITALICOの代表をしています長谷川と申します。
 お話を伺っていて,本当に文部科学省の皆さん,委員の皆さん中心に様々な施策が,これまでも実行されてきていたのだと思いました。
 LITALICOは障害のある方の支援を13年間やってきている会社です。今,発達障害のお子さんたちを中心に約8千人,当社に通っておりまして,成人に関しては精神障害の方中心に,約4,000人が当社のサービスの方を利用しています。
 学校さんとも連携する機会って多くあるんですが,様々な施策の効果として,学校現場でも,障害のあるお子さん一人一人に対応した教育に,通常の学校も対応しているということは,今,意識が上がっていると思います。実際にうちの会社に研修してほしいというような依頼は,各学校さんや教育委員会さんから増えてきていると思っています。学校の先生におかれても,障害のあるお子さんへの対処を学んでいこうというところでも,効果があるのではないかと感じています。
 うちの会社の場合,障害者の方の教育から就職というところまでやっているんですが,もともとは精神障害の方の就労支援から始まったんですね。いわゆる鬱病や,特に重い方は統合失調症と言われる,幻聴が聞こえるとか,幻覚が見えるという病気の方々も通っています。
 精神疾患になったとしても,十分に働けるような,そういう地域づくりをしようということで就労支援をやってきたんですが,一方で,何で精神疾患になったんだろうかということを一人一人調査をしていくと,幼い頃からの失敗体験の積み重ねによって精神疾患を発症したというような方がいると。
 例えば,ある方は,ずっと勉強分からなかったと。分からなかったけれども,日本の教育って学年だけ上がっていくじゃないですか。出来が悪いと言われ続けた結果,ストレスの限界が来て,町なかの音が自分の悪口になって聞こえてきたと。何かしら家庭環境の問題や学校の勉強,いじめを受けていたということなど,幾つかの要因が重なっていって,結果的に精神疾患になった方がいる。
 もう1つは,精神疾患の方,非常にユニークな方,個性的な人がいます。人間は嫌いです,動物は大好きですとか,宇宙のことを語らせたらしゃべり続けるというような方がいて,仮説は,ユニークな子供に合った教育がなかった結果,精神疾患になっているケースがあるんじゃなかろうかということで,じゃあユニークな子供たちが集まるような教育の場所を作ろうということで,LITALICOジュニアという,発達障害のお子さんたちを中心に基礎力を伸ばそうと。かつ,ひとつのことにのめり込んだら,非常に創造的で集中力を発揮するお子さんがいるので,プログラミングやものづくりの機会を提供しています。そのプログラミングなんかの機会を提供すると,圧倒的に独創的な作品を作ってしまうんですね。
 まさに,この違いというものが,困難ではなく,違い自体が価値を創出するということが実現できるようになってきていて,IT業界とかって,まさにそういうゲーム大好きですとか,ちょっとオタクですというような方が経営者として活躍しているような業界なんですが,社会では,そういう活躍があって,子供にもそういう個性があるのに,真ん中の教育で,そういう才能をうまく発見して,うまく伸ばすのができていないというのが,非常にもったいないことだなと感じています。
 これからの時代,まさに,ある種,同質性を追求していく教育というよりは,子供たち一人一人の個性の先に新しい教育の答えを求めていくというようなことが,むしろ活躍につながっていく時代になると思っています。どう,この子供たちの多様な個性と社会での多様な活躍,真ん中の多様な学びを結び付けていくのかというのが,学校の先生において非常に大事になると思うんです。
 実際,うちでは,どうやっているかというと,ICTの活用ということをやっていて,一人一人のお子さんに合った個別支援計画を作るんですが,それもシステムが今ある程度自動でレコメンドしています。発達障害のお子さんを教える専門家の方は,社会では多くないので, ICTで代替していくということの方が,やはり実践的になっていくんですね。そういう形で計画を作るということもICTである程度代替しています。
 少しシリアスなケースですが,精神疾患の方で自殺されるケースもあります。今うちがやっているのは,AIを使って,リスクを発見するということを3年前からやってきています。
 そのような形で,学校現場で,お子さんたちの命を守る,虐待を受けている子を発見する,いじめを受けている子を発見するということを,先生が全部やるのは難しいので,そういうテクノロジーの力をうまく使って,組み合わせた形でやればやるほど,先生は,むしろ人間にしかできないことは何なのかということを追求できると。先生自体はAIができないことをやっていくんだと,そういうような教育づくりに向けて少しでも貢献できればと思っていますので,今回,どうぞよろしくお願いします。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。ダイバーシティ&インクルージョンの視点で,非常に重要な御指摘だと伺いました。
 皆さんにできるだけお聞きしたいと思いますので,少し短めにお願いできればと思います。また少し何人かお聞きした上で,もし事務局の方からコメントがあれば,後ほど,コメントしていただければと思います。
 それでは,札を上げていただいた萩原さん,それから竹中さん,橋本さんと,御三名続けてお願いします。
 それでは,萩原さんからお願いいたします。

【萩原委員】
 萩原です。御説明ありがとうございました。
 人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策というのに大変関心を持っております。私が今所属しております立教大学の大学院,21世紀社会デザイン研究科というところは,独立研究科で,8割が社会人です。まさに,この社会人教育というところに従事しておりますけれども。2040年に向けた高等教育のグランドデザインでも,18歳ということだけではなくて,多様な方たちが学べる大学ということの中の今,先を行っているかと思いますけれども。
 その際に,ポイントとすると,ワーク・ライフ・バランスの推進というのが1つ大きいのではないかと思います。それから,社会人が大学あるいは社会教育のところに関わっていくときに,その組織なりの理解というか,これを促進させていくということも同時並行していかないと,なかなか進まないという状況も現状ありますので,そういったところとの連携ということも必要になってくるだろうと思います。
 それから,もう1つ,やはり地域づくりということを考えたときに,総務省との連携ということも是非お考えいただきたいなと思います。そういう学んだ方たちが地域社会の中で活躍していくための仕組みというんでしょうか,そういったものも考えていかれるといいのではないかなと思いました。
 それから,もう1つの学資の,教育資金の件ですけれども,これは若い人たちもそうなんですが,学び直そうとする方たちにとってみても,大学あるいは大学院にもう一度行くといった場合には,やはり大きな経済的な負担ということもあるので,そのあたりの負担軽減についても考えていただければなと思います。
 もう1つ,最後になりますけれども,生涯にわたる一人一人の可能性とチャンスを最大化するということも非常に重要だと思っていて,大学を卒業したら学びから終わりではなくて,切れ目のない学びとか学習の環境を作っていくということも必要だろうし,それから若い頃でいうと,文部科学省の資源として,今やっている,私も関わっておりますけれども,ひらめきときめきサイエンスですね。科学研究費で研究したものを小学校,中学,高校生に還元をするというプログラムですけれども,これによって大学の研究ですね。それを小中高の段階で学ぶことによって,自分の方向性であるとか学び,新たな発見であるとか,そういったことにつながっているというので,今ある文部科学省が持っている資源ですかね。それももっともっと活用していくということも考えていくと,よりよい2040年に向けてのグランドデザインが作られていくのではないかなと思います。
 ちょっと長くなりましたが,以上です。ありがとうございました。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。では続きまして,竹中さんからお願いいたします。

【竹中委員】
 プロップ・ステーションの竹中ナミねぇと言います。よろしくお願いします。私自身は約30年前から情報通信を使って,介護の必要な,いろいろな障害のある方々が,ベッドの上でも稼いでタックスペイヤーになりたいよと言われた言葉に触発されて,そういう方々とともに,ずっと非営利の活動を続けてきました。おかげさまで情報通信の本当にすばらしいというか,スピードのある発達によって,様々な障害のある方々が,それは身体だけでもなく精神,視覚もそうですし,内部もそうですが,ありとあらゆる障害像の方々が,非常に高い能力を社会に対して発揮される,あるいは,そういう方々が,自分がこんなことできるんだ,ここにいて,こんな考えを持っているよというようなことが,どんどん発信できるという世の中になってきました。
 先ほど敦弥君がLITALICOのお話ありましたが,ああいう若い元気な方が,ビジネスの才能のある方が,こういう分野に入ってくる時代が来るなんて,本当に喜ばしいというか,驚くべき社会の変化なんですけれども。ただ,その中で,とりわけ私たちの仲間たちでいうと,全盲の目が見えない方々の教育と就労に関しては,まだ,もっともっと進められるんじゃないかなと思っていて,ちょうど私たちの仲間に,若い青年なんですが,全盲で,脳性麻痺で,車椅子に乗っているという者が今スタッフになったんですけれども。見えないんですが,脳性麻痺で指が震えるので点字使えない,脳性麻痺によって歩けないから白い杖で歩くこともできないというような状態で,本当に,ついこの間まででしたら,単なる重度のお世話だけが必要な方と言われちゃうような青年だったわけですが,今,プロップ・ステーションでは情報通信技術を駆使して,音声のパソコンを使って,もうばりばり,しかも英語が得意ということで,英語関係のお仕事などをしていただいています。
 そういうふうに,本当にこういう時代が変わってきたときに,文部科学省の,たまたまこういう委員に就任をさせていただいて,そういった時代を取り入れた皆さんの意見交換をさせていただければうれしいなと思っておりますが,1つだけ私の提案といいますのは,やはり働き方改革の中で相当,先生方のお仕事が大変過酷であること,あるいは過剰になっているというようなこともありまして,私も全く同感するところが多いんですが,やはりそういうことを,働き方改革を先生方の教員の世界に広げつつ,障害のあるチャレンジドの皆さん自身が教員になっていける,教育者になっていける道筋というのも,先進国では相当進んでいるんですが,日本ではまだまだ,その分野が後れているように思いますので,こういう委員会の中で,そういうテーマも,いつかお話しさせていただければなと思いました。
 どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。続いて橋本委員からもお願いいたします。

【橋本委員】
 京都府の教育長の橋本です。まず今回,我が国の全体の教育の重要な方向性等を議論,検討する場に参画できましたこと,大変光栄に思っておりますし,また同時に責任も感じているところでございます。
 私自身は,この前まで,学校における働き方改革特別部会に所属をさせていただいておりました。答申という形で一旦整理はされましたけれども,今もお話ございましたが,改革を進めていくことは,なかなか難しい課題であります。その効果を上げていくためには,先ほど御説明ありましたように,継続的に検討していく制度的な事柄等々,いろいろなことがあるかなと思っております。その意味で,引き続きこの分野の審議にも加われることについては大変ありがたく思っております。
 これから,様々な資料にもありましたが,中教審の場で多様な事柄がテーマとして取り上げられることになると思いますけれども,私自身が都道府県の教育長ということで初等中等教育の分野を所管しておりますし,また学校の指導あるいは環境整備等行っていく立場でありますので,学校現場の実情,あるいは教員の思いなども常に頭に置きながら,これから会議に臨んでいきたいなと思っております。
 そして,これだけ社会の変化,あるいは教育を取り巻く環境の変化が激しい,またそのスピードも速いということで,教育委員会や現場の方で正直しんどさも感じているところありますけれども,やはり前向きな思考で,未来志向で,常に新たな教育改革に向き合っていくことが大切だろうなと思います。
 例えば,EdTechの進展等が見られます。これまでの教員の役割は大きく変わっていくと思いますし,先ほどの長谷川委員のお話なんか大変刺激的でありましたけれども,学校の当たり前ということをいろいろな面で変えていく必要があるなと思っています。
 ただ,その一方で,改革等の理念あるいは施策の方向性が幾らすばらしくても,現場サイドにおいて,働き方改革の問題ももちろんあって,実行することが難しいようでは,これは何もならないなと思っております。
 会長の冒頭の挨拶にありました,変化,摩擦,進歩という流れで見ますと,この摩擦をいかに小さくして進歩につなげていくか,ここが大切ではないかなと思っております。そういう意味では,審議会の議論の段階でも実効性の担保ということを重視して,ある程度具体性を持った手だての議論までを行うということが重要かなと思っております。
 是非そうした観点から発言等を行っていきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。今4名の方から御発言いただきましたけれども,1つは多様性と包摂の視点で,これからの困難を抱えた方々への審議等をどうするのかということ。これは生涯学習分科会の視点だと思いますが,その視点と,それからEdTechや働き方改革等の視点もありました。これは初等中等教育分科会の担当ということになると思いますが,この段階で何かコメントがあれば,それぞれお願いしたいと思います。清水局長,ございますか。

【清水総合教育政策局長】
 特にここで答えとしてお答えするということではございませんけれども,まず障害者が生涯にわたって学び続けて,そしてまた働いていくことにつないでいくというテーマ,非常に重要なことだと思っております。浮島副大臣の下でのプロジェクト等も,竹中先生からも既に御示唆を頂いているところでございますけれども,引き続き様々な事例などを頂きながら検討していきたいと思っております。
 それから,社会教育の関係では,特に萩原先生から社会人の学び直し,リカレント教育といったところで,ワーク・ライフ・バランスのこと,また地域,総務省など地域づくりとのつながりとか負担軽減,社会人の学習においても負担軽減といったような様々な課題を御指摘いただいたと思いますので,そういった観点,今期の生涯学習の検討の中で議論を深めていけたらと考えているところでございます。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。では,永山局長からも何かございましたら。

【永山初等中等教育局長】
 特に先端技術,AIとかそういった,EdTechの話もありましたが,これらにつきましては,確かに教育をかなり本質的に変える可能性も秘めていると思いますけれども,同時に,やはり使い方も気を付けないと。例えば,教員に取ってかわるとかいうことではなくて,むしろ教員の,長谷川委員がまずおっしゃいましたけれども,教員しかできないことを教員ができるようにするツールだと認識が必要なんだろうなと思っております。
 それから働き方改革との関連でいうと,これは,そういった先端技術の活用というのは,大いにこれも可能性があって,統合型校務支援システムで,かなり省力化できる,効率化できるということもありますし,そういったものについては大いにこれからも進めていかないといけないと思っております。
 いずれにしましても,働き方改革というのは,今答申を頂いたところですので,これからがスタートということですから,これは学校だけでもできない,教育委員会,文科省だけでもできないことですので,社会全体として,これを,いわば国民運動的な盛り上がりの中で,地域,保護者の方々の理解も得ながらやっていくというようなこと,努力というのが,これから本当に求められるのかなと。そのために私どもも本当に力を尽くしたいと思ってございます。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 それでは,こちらの方で,本日出席いただいた今村委員,牛尾委員,加治佐委員,続けて3名。大変申し訳ありません,ちょっと時間が押し始めまして,手短にご発言いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【今村委員】
 NPOカタリバという団体を,大学を卒業するときに作りまして,NPOの経営を18年間してきました。被災地の子供たち,また貧困状態にある子供たちをはじめとしたハンディを背負っている子供たちの支援から,あとは探究的な学びを高校生たちに広げていくということなどに取り組みながら、どんな環境に生まれ育つ10代も当たり前に創造的な未来を作り出せる世の中を目指してきました。
 以前、中教審に参加させていただく機会をいただいたのは、教育課程企画特別部会でした。その際に,特に論点整理議論の中で、出席されている先生方の夢と現実の両面から交わされるご発言の数々から,生き生きとした未来を描けるとてもすばらしい議論がなされ,これからの日本の教育は変わっていくんだなと,ここからの学習指導要領は本当の意味で変わっていくんだなと希望を持ちました。私がNPOを作った2001年のときは,高校に教員免許を持たない部外者が入っていくなんて,とても信じられなくて,本当に門前払いの日々を過ごした期間が5年間ほどあったわけですけれども、それから,こんなに社会に教育を開いていこうという当たり前を議論される時代が来たんだなということに大変励まされたのが,前回参加させていただいたときの感想でした。
 昨今、あの議論が実装され、段階的に各県でカリキュラム・マネジメントに基づいた総合的な探究の時間を推進していきましょうということを県から下ろされた高校の先生方が,あのときのロマンを語られたノリとは全然違う,大変困惑ぎみで,また新しいこと始めなきゃいけないのと。そもそも習得,活用は高校の役割だけど,探究は大学でしょうというような,そもそも探究なんて高校の役割なのということに対して,すごく困っておられる方々がたくさんいるんだなという現実に,日々勉強させていただいています。
 そんな中で,この本会議という会議は,どの辺の次元の話をする場なのか,いまいちつかめてはいないんですけれども,私としては,できるだけ現場に近い立場から,やっぱりロマンは語るべきなので,それを各論として,どのように現実に現場を担う先生方を助けられる形はどういう形あのか考えたい。特に、高校生の探究的な学びを本当の意味で現場が実現していける仕掛けを落とし込みたい。幾ら大学が高等教育の方ですばらしい大学改革を行っても,学びのスタンスがない子たちが大学生になっても,その機会を活用しようとは思えない。探究するということを高校までで経験した生徒たちがもっと増え、その上でその人達が大学生になっていくのは,学びのスタンスを,いい意味でチューニングしたところから大学生活が始められる大学生がふえるということ。ちゃんと大学生としてのスタート地点に立てる人を増やす仕掛けだと思います。そんな未来を実現していくために一生懸命発言していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 では牛尾委員。

【牛尾委員】
 明治大学の牛尾と申します。このたび初めてこの委員を拝命いたしまして,責任の重さをかみしめながら,何らかの私なりの貢献ができればと思っております。
 私,今,明治大学で経営学の教授をしております。女性の活躍,ジェンダーの問題,ジェンダーと経営ということを,経営学者の立場から専門科目を担当しておりますけれども,私自身が実は大学を出て民間企業勤めまして,5年で辞めて,専業主婦になって,そこから学び直しで大学院に行き,そして公募で明治大学の専任講師になり,20年掛けて今日の今,役職,教授になりました。そういった立場から,研究者として,また実体験として,女性の問題,ジェンダーの問題というのは,誰も取り残さない。SDGsのLeave no one left behind。そこからいったら,障害のある方,経済的な困窮にある方,もちろんこれ大事なことで,今見せていただいた様々な答申,本当にすばらしい取組を提示されていらっしゃると思いますが,女性の問題というのも,まさに取り残してはいけない問題で,日本は高等教育の修学率,高いですけれども,やはり先進国の中で男女で,先進国に関しては特に女性の方が高等教育の修学率というのは高く出ております。ですけれども,日本が低い。また,高等教育を受けた方々が家庭で,家庭の主婦でいらっしゃったり,また就業するにしても,その能力に見合わない形での就業をされているケースが大変多い。この問題というのは,やはり軽視するべきではないですし,これからの日本,強い日本を創っていくためには,この能力ある女性の活躍,また今,様々な状況から修学機会を得られない女性の人たちというのもたくさんいらっしゃるわけで,こういう方々をどのようにして新たに教育の場に着いていただけるのか。また主婦であり,今は家庭を中心に生活をされている方でも,新たな学び直しというものを通して,もっともっと社会に出ていっていただきたい。こういうものを作っていくというのは,この教育,中央教育審議会の中でも議題として,どんどん取り上げていっていただきたいと思っています。
 明治大学では女性の学び直しプログラム,スマートキャリアプログラムというのを,文科省の履修証明プログラムとして展開させていただいております。多くの主婦の方,また,これからキャリアアップしたいという就業中の女性の方も,たくさん学びに来てくださっています。これによって多くを学び,視野を広げ,新たな就業機会をということで,その証明を持って,また就職のところに,ハローワークですとか,行くんですけれども,せっかくのその履修証明制度の存在を,例えばハローワークの方が知らない,あるいは企業の人事担当者の方が知らない。「何なんですか,これ」ということで,履修証明プログラムのいろはから説明して,それを勉強した私なんですということで売り込んでいかなければならない実態もあるというところからも,いろいろと具体的にやっていかなければいけないということもあると思いますし,対極として,本当に誰も取り残してはいけないという,そういった精神で,さらに良い教育というものを作っていけるように,私も本当に微力ながら貢献させていただけたらと思いますし,いろいろと御指導,御鞭撻いただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 では加治佐委員。

【加治佐委員】
 今いろいろお話を伺っていまして,本当に学校教育が変わるという思いを持っております。私,また4月から国立の教育大学の学長になりますので,本当に身の引き締まる思いをしています。
 Society5.0,そのときにはAI,EI,EdTechが発達して,個別最適化された学びが実現すると。そうすると,よく言われますように,教師の役割が大きく変わるということですね。ところが,教師がどういうふうに具体的に大きく変わるかというのは,まだ余り示されていないわけですね。抽象的には言われますが。
 例えば教員養成大学で,どういうカリキュラムや指導法を提供するのかということが,まだ作られていません。その議論を本格化しなければいけないと思っています。
 同時に,そのとき,やはり問題になるのは,大学教員が果たして大丈夫かなという気がします。教育学部とか教職大学院が,果たしてそういうことに対応できるのかなという懸念を持っています。
 だから本当に,これ急いでやらなければいけないけれども,教える側を急いで準備しなきゃいけないということになると,一層大変なわけですね。そこらの視点も,やっぱり持っていかなきゃいけないのかなと思っています。そういう議論ができるといいのかなと思います。
 そして同時に,今,大学教員のお話ししましたが,そういう資源の何らかの集約をしないと,やはりこれは難しいんじゃないかと思います。そうすることのできる大学の教員を,何らかの形で集めて,そこでプログラムを作って,先進的なそういう人材を育成していくとかいったような。
 例えば教育再生実行会議は,既にフラッグシップ教育大学というようなことを言われていますけれども,単に少子化によって教員ニーズが減少するから連携,再編,統合というだけでなくて,そういう新しいニーズに対応するために,そういうことが求められているのではないかという思いをしております。そういうことが議論できたらいいのかなと思っているところです。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。いよいよ時間が押してまいりました。
 それでは,事務局からのコメントは,省略させていただきまして,大変申し訳ないのですが,一言ずつということになると思いますが,村岡委員,堀田委員,東川委員,お願いいたします。

【永田副会長】
 木場さん委員もさきほどから名札を立てておられます。

【渡邉会長】
 失礼いたしました。では,最初に木場委員にしましょう。ずっと上げていただいたようですから,木場委員をスタートにして,村岡委員に引き続きということで。

【木場委員】
 あと7分で7人なので,1分を守りたいと思います。様々ありますが,1つだけ,資料5について,野田市における痛ましい事件についてだけ一言申し上げたいと思います。
 こういう事件が起きると,やはり再発防止ということで様々な取組を皆さんなさるんですが,またしばらくすると同じような事件が起きてという繰り返しで,私たち国民としては,もっと抜本的に改革をしてほしいですし,こういった虐待,あるいはいじめによる自殺ということで,先ほど来人生100年時代と言っていますが,やっぱり命を持って,生きて大人にならなければ何も始まらないので,ここの改革というのは非常に力を入れてほしいと思います。
 1つだけ申し上げたいのは,連携という言葉の安易さについてなんですが,連携している連携していると言っても,中身を見ると,具体的にどうつながるのかとか,会議は機能しているのかとか,そのあたりをきちっと検証しないといけないなと思います。
 最後に,いじめに関してですが,教育委員会に8年ほどおりましたが,まだまだ意識の部分で,学校はいじめを恥じていて表に出したくないという感覚がまだある気がしております。いじめを発見した,それを対策したことを評価するような,そういう意識改革をお願いしたいと思っております。
 以上です。

【渡邉会長】
 では村岡委員,お願いいたします。

【村岡委員】
 済みません,最後だと思っていたので,ちょっと油断しちゃいましたけれども。1分ですね,はい。
 これまで,第9期で教育振興基本計画部会に臨時委員として参加させていただきました。教育の分野,大変重要であると思っております。特に私,山口県知事でございますけれども,地域の中でしっかりと活躍できる,地域の思いを持って活躍できる人材も,しっかり育てていかなければいけないだろうと思います。
 私,知事に就任しましてから今5年目ですけれども,「地域教育力日本一」というのを掲げまして,各公立の小中学校全てにコミュニティ・スクールという仕組みを入れております。地域の方々がみんな学校の運営に参画をして,子供の学びや育ちをしっかりとみんなで支えていこうということであります。
 例えば28人の小学校に年間延べ500人地域の方がいて,子供たちのいろいろな活動や思いを聞いたり,様々なサポートをするということもやっておりますし,そうした中で,地域に感謝をしたり,これからもこの地域で頑張ると,そういった思いを持つ子供が多く育っております。
 是非,またこの地域の方も今,人生100年時代と言われますけれども,シニアの方などは,とても元気で,これからの地域を育てる,子供たちを育てることに熱い思いを持っている方も多くいらっしゃいますから,そうした力も結集して子育てをしていくことが重要ではないかと思います。
 それから,私,別途,知事会におきまして次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーをやっております。これは少子化対策ですとか,あと今お話あった児童虐待の関係等をやっております。福祉と教育の連携,大変重要だと思っておりますので,今回の野田市の事案を踏まえて,より連携が強化されるような仕組み,抜本的な体制の強化を期待をしておりますので,そういった意味でも,この会議の中でもお役に立てればなと思っております。よろしくお願いします。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございます。では堀田委員,お願いいたします。

【堀田委員】
 東北大学の堀田でございます。第8期と第9期は初等中等教育分科会で臨時委員をさせていただいておりました。時間短いので,一言だけ。
 私,専門は学校教育の情報化を専門としておりますが,学校現場の教育の情報化の基盤整備が極めて後れておりまして,世の中の毎日の生活,社会での暮らしに比べると別世界のような状況に,残念ながら,なっております。その結果,子供たちは多様な学びを阻害されており,保護者は必要な情報がいつでも頂けるというふうにはなっていなくて,先生方も教え方の多様性が保障されず,研修もネットで受けられず,その結果,諦め感がすごくあります。何より,世の中がこれだけ情報化に向かっているということに対する余りぴんとこない感じが学校の中に蔓延しているというのが1つの大きな課題かなと思います。
 きょう何度も,いろいろな方々が教育の情報化の可能性をお語りいただいておりますので,そういうことが学校に真に位置付くように私も努力してまいりたいと思います。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。では東川委員,お願いいたします。

【東川委員】
 失礼します。日本PTAの東川と申します。このたび初めて参加をさせていただいております。直前までは学校における働き方改革部会の方で,橋本委員と同様に議論をさせていただいておりましたけれども,今回答申が出て,これをいかに全国に伝播させていくのかといったところが非常に重要かなと思っております。
 部会では非常に,学校における先生方の働き方改革については,かなり大きな棚卸しはできたんだろうなと。多少の課題は積み残したと思いますけれども,成果としてはあったと思っております。いかにこれを伝播させていくのか。そういった部分につきまして,ここでも多くの議論ができればいいなと思ってございます。
 以上です。

【渡邉会長】
 御協力ありがとうございます。あと3人の方が残っていらっしゃいますので,本当に申し訳ないのですが,一言ずつお願いいたします。では小林委員,今野委員,中野委員の順でお願いいたします。

【小林委員】
 極めて簡潔に。2点あります。
 1つは,多様性の教育ということ,これが非常に重要なことだと思うんですけれども,これについて,教えられる側の多様性と教える側の多様性をどういうふうに担保していくのか。そのために教員の免許の制度ですとか,それからコミュニティの活用といったような,あと教員の研修についてを,もっと抜本的に考えていきたいと思います。
 それから,その働き方改革につきましては,国の方でもいろいろな議論をし,そして地方交付税等でお金を付けているにもかかわらず,それが現場で生かされていないという実態がどうもあるようですので,その辺のお金の使われ方ということを検証するような仕組みづくりというのも必要ではないかと思います。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。では,引き続きお願いいたします。

【今野委員】
 気仙沼から参りましたので,お話しさせていただきます。本市ですけれども,ESDが学習指導要領に位置付けられる前に,大分前からESDに取り組んでおりまして,先ほど渡邉委員長先生からお話のありましたSDGsに向かっていくというようなことがありましたが,ある学校の学校教育計画にもSDGsがきちんと位置付けられてあったり,一人たりとも残さないといったような文言が示されている学校さんもございました。私も,そのような計画を,きちんとアンテナを張って,ソナーを持って,こちらに臨みたいと思いますし,こちらで勉強させていただきましたことを気仙沼市の方に持ってまいりたいなと思っております。
 昨日だったんですけれども,校長会の研修部会がございまして,校長が何を研修したいか,研究したいかということになりましたら,チームとしての学校ということについて,まだ取組が十分でないので,これを取り組んでいきたいといったような課題が出ています。各学校の課題,主体的な探究的な学びにチームとしての学校を取り入れていく,それから働き方改革にチームとしての学校の在り方を取り入れていく,部活動の在り方,それぞれの学校さんに応じて,そのチームとしての学校の取組ということをこれから考えていくといったような研究になっております。
 児童生徒の様子,そして学校現場から目を離さないで,この会議に来て勉強させていただいて,またお話しさせていただければなと思っております。よろしくお願いいたします。

【渡邉会長】
 では中野委員,最後になりますが,お願いいたします。

【中野委員】
 岡山県の浅口市と言いまして,瀬戸内海に面したところから参りました。教育委員会の教育長,中野と申します。
 私の方は,先ほどいろいろな説明を頂いたのですが,その全てが教育委員会にやってきます。それを実際に実行に移しているということになりますので,実際の課題とか,それから,その施策がどこまで下りていっているかとか,そういったことをしっかりとお伝えできるのかなと思っております。
 今回の野田市の件も本当に遺憾に感じておりますし,喫緊の課題であると思っております,本当に忙し過ぎます。児童相談所も忙しい。とても連携はできているというか,情報は交換できていますし,どこも動こうとしています。ですが,本当に忙しい現状はあると思っています。
 そんな中で,教員の働き方について,先ほどお話が出ましたけれども,説明の中でスタートだと。答申が出たのですがスタートだというところを大変心強く思いました。答申が出た内容をきちっと形にしているのが文科大臣からのメッセージだったと思うのです。社会全体で子供を育てていこうということで,このメッセージを出され,地域の方々にも読んでもらえるような形を出しておられます。これは本当に評価できると思います。学校の課題が書かれておりますし,それから何より,優秀な若者が教員になりたいと思えるようにと,ここ大事だと思います。ブラックでは,なかなかそう思えるような現場にはならないということでは,働き方について,まだこれからだと思っておりますので,よろしくお願いしたいと思っています。
 以上です。

【渡邉会長】
 どうもありがとうございました。皆様の方から改めてお話を伺いまして,皆様が今までいろいろな実績を積まれてこられ,大変な知見を持たれていることがよく分かりました。是非皆さんと一緒に,この審議会を充実したものにしていきたいと思いますので,これからもよろしくお願いいたします。
 本日は以上で終了させていただきます。次回の総会の日程等につきましては追って事務局より連絡させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

―了―

お問合せ先

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政策審議第一係 堀井、市川
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