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(1)「学校環境衛生の基準」の一部改訂(案)(抜粋)  



(1)「学校環境衛生の基準」の一部改訂(案)
(抜粋)





第1章  定期環境衛生検査


 [ 学校給食の食品衛生 ] 
検査項目
<1>学校給食施設
<2>学校給食設備及びその取扱い状況
<3>学校給食従事者の衛生管理状況及び検食、保存食の状況
<4>学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況
<5>学校給食における衛生管理体制及び活動状況



<1>学校給食施設
1  検査回数
  検査は、毎学年1回定期に行う。

2  検査事項
  検査は、次の事項について行う。
  給食施設の位置、使用区分、構造及び調理場内の衛生状況    

3  検査方法及び判定基準 
  給食施設の構造及び附属設備の管理については、建物の位置、使用区分等、建物の構造、採光、通風、換気、防そ、防虫、建物の周囲の状況、給水設備、厨芥容器、清掃用具及び便所等について衛生的であるか、又は能率的であるかどうかを調べる。その際、次の点に留意するとともに第1票を参考に判定する。
(1)施設の構造・機能
  ア  施設は、下処理、調理、配膳、洗浄の作業区域に区分されていることが望ましい。
  イ  調理室内は、汚染作業区域と非汚染作業区域とに明確に区分し、床の色分け、衝立の設置等により作業動線が明確となるよう工夫し、これらの区域の交流を少なくした配置であること。
  ウ  調理室等は、内部の温度及び湿度管理が適切に行える構造等であること。
  エ  配膳室は、外部からの異物の混入を防ぐため、廊下等と明確に区分されていること。また、その出入口には、原則として施錠設備を設けていること。
  オ  搬入された食品等の保管場所は、適切な温度及び湿度管理がなされ、かつ衛生面に配慮した構造であること。
  カ  食品保管施設は、食品の搬入・搬出にあたって、調理室を経由しない構造・配置であること。
  キ  調理従事者専用の便所(出入口の扉は自動ドア、便器は自動洗浄装置付きが望ましい)を設け、調理室から直接出入りできない配置が望ましい。
調理場への雑菌等の侵入を防ぐため、便所や出入口に調理従事者のため手指の洗浄・消毒を行うための機器を設けていること。
  ク  給水栓(蛇口)は、直接手指を触れない給水・給湯方式(レバー式、足踏み式、自動水洗式等)が望ましい。
  ケ  排水溝は、詰まりや逆流がおきにくい構造・配置であること。
  コ  廃棄物の保管場所は、調理室外の適切な場所に設け、廃棄物専用の容器を備えていること。
  サ  学校食堂・ランチルームには、児童生徒等の手洗い施設を設け、さらに手指の洗浄・消毒を行うための器具を設けていることが望ましい。
(2)施設の衛生状態
  ア  天井の水滴の有無、落下防止の状況、特に黒かびの発生に注意すること。
  イ  給食施設の日当たり状況及び夏の直射日光を避ける設備について調べる。給食施設は、十分な明るさが確保されていること。
  ウ  給食室内の通風及び換気設備、その位置、効率及び故障の有無などについて調べる。給食室内の換気は、十分であること。
  エ  給食施設においては、防そ、防虫が完備しており、建物の周囲の状況、給水設備、排水施設、厨芥容器、清掃用具及び便所等が衛生的であること。

4  事後措置
(1)施設の構造に欠陥又は故障箇所があれば、速やかに改善、修理するなどの適切な措置を講じるようにする。
(2)周囲の状態が不良であれば、速やかに適切な措置を講じるようにする。


<2>学校給食設備及びその取扱い状況
1  検査回数
  検査は、毎学年3回定期に行う。

2  検査事項
  検査は、次の事項について行う。
(1)給食従事者用手洗い施設  
(2)使用水
(3)流  し
(4)食器類
(5)食器洗浄状況
(6)食器消毒及び保管状況
(7)調理機器・器具類及び保管状況
(8)包丁及びまな板類
(9)冷蔵庫、冷凍庫、保管庫及び保管場所
(10)温度計及び湿度計
(11)日常点検の記録の有無

3  検査方法及び判定基準
  検査は、次の点に留意するとともに第2票を参考に判定する。
(1)給食従事者用手洗い施設  
  給食従事者用手洗い施設は、衛生的で清潔であるとともに使いやすい位置にあり、石鹸及び消毒薬等が常備されていること。また、作業途中及び作業区分ごとに手指の洗浄・消毒を行うための機器を適所に設けていること。
(2)使用水 
  使用水の水質検査を行う。 
  色、濁り、臭い及び味に異常はないこと。遊離残留塩素は0.1ミリグラム/リットル以上あること。
(3)流  し
  流しは給食取扱い量に応じて、ゆとりのある大きさ、深さがあり、食品相互の汚染が起きないよう、衛生的、効率的に区分して使用できる多槽式構造であること。
  さらに、食品洗浄用と食器器具洗浄用とに区別されていること。必要に応じて器具洗浄用の深い流しを備えることが望ましい。食器洗浄用流し及び野菜洗浄用の下流しは、3槽式であることが望ましい。
(4)食器類
  食器は洗浄、消毒が適切にできるものとし、損傷の状況については、十分注意を払うこと。
(5)食器洗浄状況
  食器洗浄の方法を調べ、さらに、洗浄を行った食器を任意に数個ずつ抜き取り、でんぷん性残留物及び脂肪性残留物の検出を行う。
  食器の洗浄は適切に行われ、洗浄後の食器から残留物が検出されないこと。
(6)食器消毒及び保管状況
  食器の消毒は、煮沸消毒、熱風消毒その他の確実な方法で行われたのちに、衛生的に保管されていること。
(7)調理機器・器具類及び保管状況 
  調理機器、器具は下処理用、調理用、洗浄用等処理の過程ごとに区別されていること。
  食肉類、魚介類、生食する野菜・果実類等の調理にあっては、それぞれ専用の器具を設けていること。
  調理台等調理用の機器・器具類は清掃、消毒等が容易な形式・構造で、清掃、洗浄又は洗浄消毒し、衛生的に保管・保持されていること。
  かま、なべ、焼き物機、揚げ物機、球根皮むき機、野菜裁断機、合成調理機、冷却機、包丁及びまな板等は給食人数に適した大きさと数量があり、保守に容易な材質と構造で、常に清潔に保たれていること。
(8)包丁及びまな板類
  包丁及びまな板類は用途別(下処理用及び調理用等)及び食品別(食肉類用、魚介類用、野菜・果実類用等)に区分されており、洗浄消毒が容易であること。
  使用後は十分に洗浄し、消毒、乾燥した後、清潔な場所に保管されていること。
(9)冷蔵庫、冷凍庫、保管庫及び保管場所
  冷蔵庫、冷凍庫、保管庫の内部及び保管場所は常に清潔で整頓されており、庫内温度が適正に管理、確認されていること。また、食品類は、庫内及び保管場所に区別され適切に保管されていること。
(10)温度計及び湿度計
  冷蔵庫・冷凍庫の内部及び食器消毒その他のために、適切な場所に正確な温度計が使用されていること。なお、冷蔵庫用には最高最低温度計が望ましい。
  給食施設内の適切な温度及び湿度の管理に努めること。
(11)日常点検の記録の有無
  記録は毎給食日に確実に行われていること。

4  事後措置 
(1)学校給食用の設備に欠陥又は故障箇所があれば、速やかに改善、修理するなどの適切な措置を講じるようにする。
(2)学校給食用設備の取扱いに欠陥を見いだしたときは、速やかに改善するなどの適切な措置を講じるよう。


<3>学校給食従事者の衛生管理状況及び検食、保存食の状況
1  検査回数
  検査は、毎学年3回定期に行う。

2  検査事項
  検査は、次の事項について行う。
(1)給食従事者の健康管理の状況
(2)検食及び保存食の状況

3  検査方法及び判定基準
  検査は、次の点に留意するとともに、第3票を参考に判定する。
(1)給食従事者の健康管理の状況
  ア  健康診断の年間回数、検便実施(第4票参考)の月間回数、化膿症、下痢症等の発見状況、被服の清潔及び清潔に関する習慣についての検査等について記録簿等によって調べる。
  イ  健康診断は年3回実施されていることが望ましい。検便は月2回以上実施されていること。
  ウ  給食従事者の健康状態に常に注意し、下痢をしている者、化膿性疾患にかかっている者、手指・顔面等の創傷及び化膿部位等の検査が行われており、その結果は、記録されていること。
(2)検食及び保存食の状況
  ア  検食及び保存食の記録の有無を調べる。
  イ  当日食される給食は、児童生徒等に提供される前に責任者を定め、検食が行われていること。その際、異常な臭気、味等が感じられたときには、食品の提供を中止するなど直ちに適切な処置が取られていること。また、検食の結果等については、適切に記録されていること。
  ウ   保存食は、原材料及び調理済み食品を食品毎に50g程度づつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、−20度以下で2週間以上保存されていること。また、その記録があること。
  なお、原材料は、特に洗浄・消毒等を行わず、購入した状態で保存されていること。

4  事後措置
(1)保健管理において不備又は欠陥を見いだしたときは、速やかに適切な措置を講じるようにする。
(2)清潔保持に不適当な点を見いだしたときは、速やかに適切な措置を講じるようにする。
(3)検食及び保存食の保存方法に不備があれば、速やかに適切な措置を講じるようにする。


<4>学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況
1  検査回数
  検査は、毎学年3回定期に行う。

2  検査事項
  検査は、学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の記録について行う。

3  検査方法及び判定基準
  検査は、次の点に留意するとともに、第5票を参考に判定する。
(1)学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況及び不良品が検出されたときの事後措置の記録を調べる。
(2)学校給食用食材等の日常の検収・鑑別は確実に行われ、また、受取り・保管は適切であり、その成績が記録されていること。
(3)学校給食用食材等に不良品が検出された場合は状況に応じて、保健所、学校医、学校薬剤師等と連絡の上、適切な措置が講じられていること。

4  事後措置
  学校給食用食材等の日常の検収・鑑別・受取り・保管が適切に行われていないときは、日常点検の強化を図るようにする。



<5>学校給食における衛生管理体制及び活動状況
1  検査回数
  検査は、毎学年3回定期に行う。

2  検査事項、検査方法及び判定基準
  検査は、給食における衛生管理体制、学校保健委員会等の活動、日常的な点検、指導、助言の実施などについて、第6票を参考に実施し、判定する。



第3章  日常における環境衛生(以下これを「日常点検」という。)


 [ 学校給食の衛生管理 ] 
  日常点検は、第7票を参考に実施し、その状況を記入すること。その際、次の点に特に留意すること。
(1)学校給食従事者は、健康で下痢、発熱、化膿症及び手の外傷等がなく、作業衣、マスク、髪覆い等服装が清潔で、作業前及び用便後の手洗い消毒、作業区分ごとの手洗い等が行われていること。 
(2)学校給食の施設・設備は清潔で衛生的であること。特に、調理室、食品庫の温度・湿度、冷蔵庫、冷凍庫の温度は適切であること。
   調理室内の調理器具、食器・食かんは十分な温度で洗浄され、適切な消毒が行われていること。また、適切に保管・保持されていること。
   使用水は異常が無く、消毒されていること。
(3)主食、牛乳など食材等の搬入品については、品質、鮮度及び異常の有無などをみるための検収・鑑別が適切に行われていること。
   食材等は、清潔な場所に食材の分類ごとに区分され衛生的な状態(温度・湿度、通風、直射日光など)で保管されていること。
(4)下処理、調理、配食は作業区分ごとに衛生的に行われていること。
   生食する野菜類及び果実類等は流水で十分洗浄されていること。また、必要に応じて消毒されていること。
   加熱、冷却が適切に行われていること。特に、加熱すべき食品は十分に加熱されていること。
(5)調理終了後速やかに喫食されるよう配送・配膳されていること。さらに、給食前に責任者を定めて官能的な検食が行われていること。
(6)保存食は、適切な方法で、2週間以上保存され、かつ記録されていること。
(7)給食当番の健康状態は良好であり、服装は衛生的であること。
(8)調理に伴うごみや残菜は、それぞれのごみに区分(厨芥、雑芥、プラスチック・ガラス・金属くず等及びリサイクル)され、衛生的に処理されていること。





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