第5回日本成長戦略会議人材育成分科会 議事録

1.日時

令和8年4月27日(月曜日)11時30分から12時30分

2.場所

文部科学省 ※対面・WEB会議の併用

3.議事録

【釜井大臣官房政策課長】  それでは定刻となりましたので、ただいまから第5回日本成長戦略会議人材育成分科会兼第7回人材育成システム改革推進タスクフォースを開催いたします。本分科会は、ウェブ会議方式と対面を併用して開催させていただいております。
 本日御参加いただいております委員の皆様につきましては、お配りしております参考資料2の一覧をもって御紹介とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、これまでも含め、御多忙の中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 また、本日は松本大臣、中村副大臣、小林副大臣、清水政務官、福田政務官に御出席いただいております。また、中村副大臣におかれましては、公務により途中で退席をさせていただきます。
 それでは早速、議事に入ります。
 本分科会ではこれまで、高校から大学・大学院等までを通じた人材育成改革について議論を行ってまいりました。本日お示しする人材育成システム改革ビジョン(案)につきまして、御議論いただければと思います。
 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【今泉総括審議官】  それでは御説明申し上げます。資料1を御覧ください。限られた時間ではありますけれども、これまでの経緯についても御説明させていただきたいと思います。
 昨年11月12日に大臣の下で、両副大臣・両政務官、全省を挙げて大臣タスクフォースを設けさせていただきまして、大臣タスクフォースとしては7回の議論を含めております。そして、途中から日本成長戦略会議の人材育成分科会という位置づけもいただきまして、人材育成分科会としては、計5回目の開催となります。
 この間、4名のコアの先生方の御意見をいただくとともに、三十数名の各分野の有識者の方々の御尽力もいただいたところでございますし、本日も御列席いただいておりますけれども、経産省さん、厚労省さん、関係省庁の皆様方からのインプットもいただいたところでございます。
 以上を踏まえて、本日、資料1のような形でまとめさせていただいたところでございます。皆様方の御指導及び御尽力に厚く御礼申し上げたいと思います。
 それでは、1ページ目を御覧いただけますでしょうか。今回の目指す姿でございます。高市総理の目指す強い経済の実現においては、経済力の基盤となるのはやはり人材力でございます。
 今後、不確実で非連続な変化が起こり得る未来に対応する人材の育成のためには、人への投資の好循環を回すことが必要でございます。人への投資をして、質の高い、時代に合った人材育成を行うとともに、その成果で成長分野で活躍していただき、その果実がまた未来の人への投資につながる、この好循環を回していきたいというのが目指すところでございます。
 2ページ目、3ページ目でございます。2ページ目、3ページ目は、現在の課題でございます。AIの進展による大きな社会構造・産業構造の変革の中で、AX時代の産業構造変化に伴って、人材需要も大きく変化してまいります。その中で、理工系・デジタル系の専門人材の育成、そして現場人材の育成が必要なところでございますけれども、現在の教育システム、人材育成システムとミスマッチが生じるのではないかという懸念がございます。また、3ページ目のところと併せまして、人口減少と大都市への流出によりまして、地方ではいわゆるエッセンシャルワーカーの不足が懸念されているところでございます。
 こういう中において、我々、政府の日本成長戦略会議の位置づけの中で、4ページ目でございます、3月10日に日本成長戦略会議の戦略17分野の官民ロードマップが出されました。そこにおいて人材の課題というものが出されております。それをまとめたのが、この太字、丸の3つでございます。参考までに、参考資料5に戦略17分野における人材育成の課題についてまとめたものを付けさせていただいております。
 共通の人材の課題だけではなく、各戦略分野の人材需要にも対応する必要があります。例えばAI、創薬、造船、それぞれに必要な特有の人材需要というものもあります。これにも併せて対応していく必要がございます。
 さらに、日本成長戦略の具体化として、どの分野をどの地域において行うのかを併せて進めていく地域未来戦略というものも政府で進んでおります。この地域未来戦略における戦略産業クラスターまたは地域産業クラスター等との連携も視野に入れていく必要がございます。
 これらの状況を踏まえまして、次のスライドをお願いします、改革の方向性といたしましては、日本成長戦略会議における成長17分野の課題及びAX時代における人材需要の構造変化を踏まえまして、一人ひとりの意思に基づいて能力・スキルを最大限伸ばすために、予測困難な時代において変化を構想し、なおかつ機動的に対応できる人材を育成すると。その認識の下で、教育界だけではなくて、産業界、産官学金、こういう連携の下で、イノベーション人材、エッセンシャルワーカー、現場人材等の戦略的な育成を行ってまいりたいと。それを、例えば高校、例えば大学という単体ではなくて、高校から大学・大学院、そして社会人、これを通じた一体的な人材育成改革を進めてまいりたいというものでございます。
 次のスライドをお願いします。ここからが具体的な中身でございます。ここからのものについては、大きく3つのエリアに分けさせていただいております。
 1つ目のエリアが、AX時代における産業基盤を支える人材育成に向けた高校から高等教育、そして社会人まで至る一体改革についてでございます。
 2つ目のレイヤーが、成長分野を牽引できる科学技術・イノベーション人材の育成についてでございます。
 3つ目のレイヤーが、前2者のレイヤーを支援する基盤、環境整備についての話でございます。
 まず1つ目のレイヤーについてのお話をさせてください。この一体改革においては、産業界、自治体、地域の教育機関が協働する、そして高校から大学、社会人等まで一貫した教育改革を一体的に推進することが大切でございます。
 まず、高校教育改革については、2月に、国の「N-E.X.T.ハイスクール構想」を踏まえまして、各都道府県では現在、高校教育改革の実行計画を作成しているところでございます。
 また、昨年秋の補正予算におきまして、3,000億の基金をお認めいただきまして、各都道府県にこの基金を造成し、パイロットケースとしての取組を進めることを支援する予定にしております。
 また、今後でございます。安定財源を確保した上で、各都道府県の実行計画を実現するための高等学校教育改革交付金、仮称でございますが、これを、現在の基金の執行状況を踏まえまして、27年度予算の編成過程の中で検討してまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、高校教育改革と連動した高等教育改革についてでございます。ここについては、大学の規模適正化をはじめといたします社会・地域のニーズを踏まえた高等教育の実現に向けまして、一人一人の支援の充実、教育の質の向上、これらを含めた高等教育改革を推進してまいりたいと考えています。
 大都市部におきます私立大学も含む理工系・デジタル系人材育成の強化とともに、人文・社会科学系学部のダウンサイジングによるST比率の改善、または理数分野併修を通じた教育の質の向上を図ってまいりたいと思います。また、それとともに、国内外の多様性の中で価値を創造する人材育成プログラムの強化も行ってまいりたいと思います。
 (b)でございます。知事、学長、産学官金、各地域の関係者、これは国もありますけれども、連携いたしまして、地域の人材需要を踏まえた必要な人材育成、またはアクセスの確保について、連携・協議する場を設定してまいりたいと思います。
 そして公立の高専の設置を促進するとともに、地域のインフラを支える人材の育成の強化を図ってまいりたいと思います。
 次のスライドをお願いします。これは社会人のリ・スキリングに関するところでございます。社会・産業基盤を支える実践的職業人材の育成でございます。
 日本成長戦略の17の戦略分野など成長分野のニーズに応じたリ・スキリングの推進のため、大学等における社会人のための教育プログラムの開発、そして、これからの時代、大学等においても、全学的なリ・スキリングに向けた体制整備と収益化に向けた推進を行っていく必要がございます。
 また、これまでこの分野に関しましては、厚労省さん、経産省さんとも連携を密にさせていただきまして、いわゆるリ・スキリングのエコシステムを作成してまいりたいと思っています。その意味で、産業構造変化を踏まえたスキル体系・標準の整備やスキルや学習歴のデジタル化・可視化の基盤構築も行ってまいりたいと思います。
 そして、地域のエッセンシャルワーカーを支えるためには、専門学校の機能強化も必要でございます。さらに、地域の人材需要、これは各地域、様々でございます。その各地域、様々な人材需要をそれぞれ、どういう人材がこれからその地域の産業振興に必要なのか、それにどう教育機関が応えられるのか、これを検討するために地域人材育成構想会議、これは既に幾つかの地域では進んでおりますけれども、これを活用した取組の推進も行ってまいりたいと思います。
 続きまして、地域のエッセンシャルワーカー育成のために質の高い安定的な養成体制の確保も行ってまいりたいと思いますし、また、新しい産学連携の形として、これまで大学においては寄附講座がございますけど、そこにおいてはやはり履修証明が主だったところ、これからは産学が協力して設置・運営して、学位を授与できる契約学科、これを経産省さんとともに進めさせていただきたいと思います。
 また、産業界から地域人材の投資拡大のために、企業版ふるさと納税の活用等を通じた取組を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、次のスライドをお願いします。2つ目のレイヤーのところでございます。成長分野を牽引する科学技術人材・クリエイティブ人材の育成についてでございます。この点については、先月末、第7期科学技術・イノベーション基本計画が出されました。この中身については、新技術立国・競争力強化の分科会とも連携しているところでございます。
 まず1つ目、新技術の研究及び社会実装を担う科学技術人材の育成についてでございます。
 産学での研究開発を通じて研究者・技術者の育成を図るとともに、若手研究者を中心とした新興・融合研究の促進、博士課程人材の活躍促進などを図ってまいりたいと思います。また、基盤的経費と多様な競争的経費の充実・強化を図ってまいりたいと思いますし、特に国立大学運営費交付金の充実、そして科研費の大幅拡充を含めて取組を進めてまいりたいと思いますし、キャンパス全体がイノベーションコモンズとして産学官が共創する場としていきたいと思っております。また、国際頭脳循環の強化や先端・戦略分野における国際的な枠組みを通じた人材育成・国際流動の促進も行ってまいりたいと思っております。
 続きまして、17の分野を中心とする産業競争力の強化のために、新たな研究大学群を創設してまいりたいと思いますし、また、国立研究開発法人のプラットフォーム化の強化を進めてまいりたいと思っております。
 さらに、コンテンツの分野につきましては、コンテンツ産業官民協議会においても検討を進められているところでございますけれども、コンテンツ分野の人材育成、そしてコンテンツの多様性を生み出す我が国の歴史や伝統、地域性に根差した芸術・文化の拡大、そして裾野の拡大も行ってまいりたいと思っております。
 続きまして、次のスライドをお願いいたします。これは3番目のレイヤー、前2者を支える基盤となる環境整備でございます。この環境整備については、AX時代における人材強化につながる社会基盤、または価値観の再構築等のものも含めて考えております。
 例えば高校であれば、普通科に行け、または大学であれば、名のある大学に行け、そういう固定的なキャリア観ではなくて、また、女性なら文系に行ったらどうかという、そういうアンコンシャスバイアス、これらの刷新・払拭に向けたキャリア教育の推進も行ってまいりたいと思いますし、女子中高生の理系進路選択支援の強化も行ってまいりたいと思います。
 また、今後このAX時代、AIの社会実装に向けた初中段階からの教育・人材育成の強化を踏まえまして、次期学習指導要領が目指す主体的・対話的で深い学びの実装、そしてこれを支える環境整備も進めてまいりたいと思います。また、特定分野に特異な才能のある児童生徒の資質・能力を最大限伸ばす教育の充実に向けた指導体制の構築も行ってまいりたいと思います。
 さらに、研究の分野でも、AIを活用した研究開発、AI for Scienceの推進を進めてまいりたいと思います。
 そして最後でございます。これら生産性を維持するものとして、健康インフラも非常に重要です。これを、運動・スポーツを活用した形で実行してまいりたいと思います。この点については、労働市場改革分科会とも連携させていただければと考えているところでございます。
 以上を全て取りまとめまして、今回、人材育成システム改革ビジョンという形でまとめさせていただいたところでございます。
 この件については、次のスライドでKPIを設けさせていただいております。
 そして、今後でございます。4月22日に日本成長戦略会議において、8つの横断的分野とともに、この部分、今日お話しした中身のコンパクトなバージョンをお示しさせていただいているところでございます。
 そして今日4月27日、経済財政諮問会議においても、大臣から人材力強化ということでプレゼンしていただく予定になっております。
 今後、5月・6月に向けまして、骨太方針、日本成長戦略、そして地域未来戦略の取りまとめにおきまして、この中身についてしっかり盛り込まれるように取組を進めてまいりたいと思います。
 説明については以上でございます。
【釜井大臣官房政策課長】  ありがとうございました。
 中村副大臣はほかの御公務のため、これ以降、御退席になります。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、ビジョン案の御審議をいただきたく、意見交換のお時間とさせていただきます。委員の皆様から御意見を頂戴できればと思います。
 それではまず、大竹委員からよろしくお願いいたします。
【大竹委員】  かしこまりました。御指名いただきました大竹でございます。御説明ありがとうございました。
 5ページからの改革の方向性、それから方策、非常にうまくまとめられていると思います。これまでの会議の内容が網羅されていると申し上げてよいと思いますし、10ページ目にKPI、それから現状の数値も含めて出てきたということで、これによって目標がより分かりやすくなったと思います。そういった意味でも、これを実装していくというのが期待の大きいところでございます。
 その上で、2点ほど申し上げたいと思います。
 ここに記載していますように、いわゆる文系に関しては、理系の基盤の知識あるいは能力をいかに高めるかというところがやはり重要であろうと、記載もされていますし、恐らくそれが新しい人材として生まれたときに、日本の人材の力というのはより強まるのかなと。これまでの文系という枠組みで話さないほうがいいのではないかと思うところでございます。
 高大連携という観点で申し上げると、SSHはこれまで大きな成果を出してきたと私は思っていて、その果実をいかに活用するかというところもここに含まれているのだろうと拝察しているところでございます。
 もう1点、具体について申し上げたいことがございます。
 理工系の人材の不足については今申し上げたように言及がある中で、文化芸術を担う人材についても十分でないと認識したところでございます。
 STEAM、これはScience、Technology、Engineering、Art、Mathematicsですね、その言葉がありますとおり、文化芸術に関する教育の充実、さらには文化芸術を通じた地域活性化を支えるような人材育成へと広げていく必要性があるのではないかと思いました。
 このような観点から申し上げると、取組についても検討しているものがあれば、施策として追加してはいかがかと思っているところでございます。
 付言させていただければ、Artの考え方というのは、17の戦略分野を進めていくに際しても、我々に大きな力を与えてくれるものだと思っております。
 以上でございます。
【釜井大臣官房政策課長】  大竹委員、ありがとうございました。
 続きまして、加藤委員から御意見を頂戴できればと思います。
【加藤委員】  取りまとめ、ありがとうございます。我々の、我々のというか、私の拙い、感覚的な意見も散りばめて反映してくださったような気がして、本当にありがたく思っています。
 最後に、やっぱりAIの進化がこの数か月、特にすごい状態で、インドとか海外はIT人材の首切りなんかも相当な数と、もう急速に進んでいます。
 私たちみたいに農業現場を持っていると、そもそもやっぱり現場人材がイノベーション人材だという方向に急速に向かっていまして、我々みたいに現場にいて、しかも技術が分かると、非常にやりやすい状態にさらになってきているかなと思いますので、人材育成に関しては、人そのものの力、現場で活躍できるというのはやっぱり人の五感とか六感とか、これを培うベースの力が本当に必要でして、遊んだことがないとか、自然が理解できないとか大切にできないとか、そういった時点で現場人材としてはちょっと使いにくい人材になってしまいますので、ぜひ高等教育につながっていく人材のベースの素養として、五感をしっかり鍛えることは大事なんじゃないかなと思っています。
 もう一つ、スタートアップみたいな観点も私は持っていますので申し添えると、やっぱり今まで日本は管理でリスクをどうにか減らしていくという意味で、管理、管理をぎゅうぎゅうと進めてきたんですけど、それではやっぱりスタートアップも伸びませんし、研究も伸びないということは結果が示しているとおりかなと思っていますので、管理から需要へ、海外の方を、多様な価値観を持っている方を受け入れて、まず混ぜ混ぜすることも必要ですし、冒険したい日本人もいっぱいいますので、そういう意味では、今まで蓋をしてきた冒険したい人材たちをどうやってサポートして送り出せるのかという両面ですね、受入れと送り出しをしっかり強化して、冒険、チャレンジャーをサポートできると、より元気な日本になっていくんじゃないかなと思っています。
 感想ですけれど、ありがとうございます。
【釜井政策課長】  加藤委員、ありがとうございました。
 それでは、佐藤委員、よろしくお願いいたします。
【佐藤委員】  取りまとめ、御苦労さまでした。
 このビジョンについて資料を読ませていただきましたけれども、人への投資の好循環という基本的方向性というのは、強い日本経済の持続的成長に向けた、本質的な課題認識として高く評価できると思いました。
 特に2040年を見据えた需給ミスマッチの数値的な分析に基づいて、大学から大学院、社会人まで一気通貫した改革を体系的に呈している点には、説得力があるのではないかと考えます。
 この資料にもあるとおりなんですが、理系やデジタル人材、現場人材やエッセンシャルワーカーの育成強化と文理融合の推進、これは急務であると考えます。その方向性というのは、産業界や地域経済にとってのニーズにも合致していると考えます。
 また、リ・スキリングや博士人材の活躍推進などは、既存の人材への継続的な投資にも目を向けている点では、少子高齢化時代における現実的なアプローチではないかと考えます。
 数値目標についてのKPIですか、達成目標までの期間が長いことで、今後の状況変化を踏まえながら柔軟に見直すことができるかと思いますけれども、一方で、ビジョンの本質を失わないようにすることが肝腎ではないかと思いました。
 大学関係者からしますと、お配りいただいた資料1の8ページ目にある大学交付金であったりとか科研費の拡充の方向性というのは、大変うれしいというか、応援したい方向性であると思います。
 このようなビジョンについて、これから関係省庁や産業界、教育機関や地方、一体となって、着実に、現実的に進めていってもらいたいと、そのように考えました。
 以上です。どうもありがとうございます。
【釜井大臣官房政策課長】  佐藤委員、ありがとうございました。
 それでは、平松委員、よろしくお願いいたします。
【平松委員】  取りまとめ、ありがとうございました。
 初等中等教育から高等教育、それから社会に至るまで、全体的な人材育成のシステムを変えていく、それも省庁横断、産官学連携でやっていくという、その全体像がビジョンとして示されたということで、本当にこれを実効性のあるものにぜひしていきたいという思いがあります。
 資料の中で、5ページ目の改革の方向性で、この「労働量×人材力」というところだけ少し引っかかっています。労働量というと、労働する人の数をぱっとイメージしがちなんですけども、日本において言うと、労働量が減少していくというのは明らかです。一方で、これからはAIとの協調や協働を前提として、AIを含めて労働の在り方なりスタイルを設計していく時代になってきている。
 一部の企業では採用を抑えたり、そういうことで対応しようとしているんですけども、そういう方向に大きくなっているときに、労働量という一言で人の数というふうに見られると、今の時代に合っていないかなとも感じられる。労働量は労働量でいいのかもしれないんですけれども、この辺り、説明する文脈の中で、AIと協調・協働する時代の労働とか働き方のデザインのようななことも含めた労働量ということを、どこかで補足するといいかなというように思います。
 それからKPIについて、具体的になってきて、かつ現状示されたので、このギャップをどうやって埋めていくかということにみんなでフォーカスしてやっていきましょうということだと思います。一方、これが2040年という、感覚的には少し先のように見えてしまうので、これから具体化する段階で、適切なロードマップや中間指標、もしくは今後、社会がさらに変化していったときに適切に軌道修正をして、本来のありたい姿に近づくためにきちんと機能させていくということも併せて、KPIを決めたらこれを達成すること自体を目的化して、そこに向けてやっていけばいいやということではないということで進めていただければなと思います。
 最後に、今回、人材育成分科会ということで、初等中等教育と大学・大学院のところにかなりフォーカスしていて、いわゆる社会人のところはリ・スキリングというところだけなんですけど、この目指す方向性や、2040年の需給ギャップまで考えると、既存の社会人もこの間に大きく、人材の流動やリ・スキル、もしくは、縮小する領域から必要とされる領域に職種の転換なりしていかないといけないいと思います。
 リ・スキリングの目標はこれでいいんですけど、横断的な成長戦略会議という文脈の中で、既存の社会人も含めて、社会全体で変わっていくというようなメッセージでこの分科会の資料が語られると、みんなで変わらなきゃいけないという意識ができると。
 逆の言い方をすると、この資料を見て、既存の社会人が安心してしまって、これからの学生は大変だなというふうになってしまうと、おかしなことになるなという危惧もありますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
【釜井大臣官房政策課長】  平松委員、ありがとうございました。
 ただいま4名の委員の先生から大変貴重な御意見を頂戴いたしました。
 ほかに委員の皆様から御意見はいかがでございましょうか。ほかに御発言はございますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、ここまでで人材育成改革ビジョン(案)に関する議論を終了いたします。
 人材育成分科会といたしましては、本日お示ししたビジョン(案)については、本日いただいた御意見も含めまして、分科会長でございます松本文部科学大臣に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。本日いただいた御意見も踏まえ、今回、人材育成分科会で取りまとめさせていただいたものは、今後、日本成長戦略等の今年夏の政策文書などにしっかり盛り込んでまいりたいと思います。
 なお、本取りまとめに当たりまして、今日、有識者の先生からもいただいたとおり、まず実行していくということが大事だと思いますけれども、併せて、社会に分かりやすくPR、発信していくことも重要であると本分科会の御議論でもございましたことから、例えば机上配付させていただいております横長の資料のようなもの、こちらはあくまでイメージでございますけれども、例えば人材力が全ての礎、基礎であること、一人ひとりの意思に基づき能力やスキルを最大限伸ばしていくこと、そのために初等中等教育から大学・大学院等、さらには社会人、リ・スキリングまで、続けて学んでいくための育成システムに変容していくことや、具体的な施策の方向性などを本取りまとめのポイントとして、分かりやすい資料を準備いたしまして、文部科学省としても積極的に発信していきたいと考えておりますので、引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは最後に、本分科会長でございます松本文部科学大臣から一言御挨拶をいただきたいと存じますが、これからプレスの皆様が入りますので、少しお時間をいただければと思います。
 それでは準備が整いましたので、松本文部科学大臣から御発言をお願いいたします。
【松本文部科学大臣】  文部科学大臣の松本洋平です。本日はお忙しい中、日本成長戦略会議・人材育成分科会に御参加をいただきまして誠にありがとうございました。また、委員の皆様方、そして各省庁からも御参加をいただきまして、大変実りのある議論をこれまで積み重ねていただいたことに対しまして、改めて私から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 国力の基盤となるのは人材力であります。これまで本分科会におきましては、高校から大学・大学院などを通しまして一体的に取り組むべき人材育成の課題につきまして御議論をいただきました。まずは御議論に参加いただきました皆様方に心から御礼を申し上げたいと存じます。
 分科会での議論と並行いたしまして、準備の整いました施策から順次実行に移しておりまして、高校教育に関しましては、高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)を2月に発表いたしまして、パイロットケースの創出に向けまして、令和7年補正予算で創設いたしました基金を通じて、理数系人材育成支援を行うなど、改革を進めているところであります。さらに高校教育改革交付金等の新たな財政支援を検討いたしまして、高校教育改革を強力に促進してまいります。
 高等教育につきましては、人口減少や産業構造の変化を踏まえた人材育成の在り方について御議論をいただいたところであります。理工・デジタル系人材育成の強化や、知事と学長、産業界などが連携いたしました地域の医療・福祉、産業、インフラなどを支える人材育成の充実などを進めてまいります。
 リ・スキリングに関する議論におきましては、大学と産業界が連携したプログラム開発やスキルの可視化、処遇への反映の重要性につきまして御議論いただきました。学び続ける社会の実現に向けまして、大学などにおける成長分野のリ・スキリングプログラムの開発や全学的体制整備、専門学校の教育の質向上、奨学金などの支援策の充実など、各種支援を検討してまいります。
 科学技術人材に関しましては、研究者や技術者といった多様な人材の育成・確保や、各教育段階での人材育成などについて御議論をいただいたところであります。
 運営費交付金などの基盤的経費と多様な競争的研究費の充実とともに、産業競争力強化に貢献いたします新技術立国の核となる新たな研究大学群の形成や、研究開発法人の機能強化について検討をしてまいります。
 最後に、前回は、我が国の経済成長に資するような、世界や地域で活躍するクリエーターなどの育成や、スポーツを通じた健康インフラの構築について御議論をいただきました。今後、具体的な施策につなげてまいります。
 今回、強い経済の実現に向けて必要な人材育成の考え方や具体的な方策案について、人材育成システム改革ビジョンという形でまとめることができました。高校・大学などの一体的な人材育成システムの改革を推進することは、私が大臣に就任する前から関わってきた、いわゆる教育無償化の議論の過程で取りまとめた3党合意においても、その必要性や財源の在り方が示されているものであります。
 3党合意での経緯も踏まえまして、今後、本ビジョンの実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。
 本日も大変活発な御意見を頂戴いたしました。また、私に今後の取扱いにつきましては御一任をいただいたところでありますけれども、そうしたいただきました貴重な御意見をしっかりとこの中で盛り込んでまいりたい、そのように考えておりますし、また、こうした計画というものは、つくるだけではなくて、それを実現してこそ初めて成果に結びつくものであります。
 そういう意味におきまして、これからも委員の皆様方、そして各省庁の皆様方にはぜひ最後までお付き合いをいただいて、これらを実現することができるようにお力添えを賜れればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 国力の基盤となるのは人材力でありますし、また同時に、一人一人の皆さんの自己実現をしっかりと後押ししていくことによって、国民の皆さん一人一人が、経済的な面だけではなくて、いろんな形で豊かさを実感してもらえるようにしていくことが大変重要なことだと私自身は考えているところであります。
 皆様方には、これまでの御議論に御参加いただいたことを心から改めて感謝を申し上げますとともに、どうぞ今後ともお力添えを賜りますよう心からお願いを申し上げまして、私からの挨拶に代えさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
【釜井大臣官房政策課長】  松本大臣、ありがとうございました。
 これをもちまして人材育成分科会を終了いたします。
 改めまして、委員の皆様、それから関係省の皆様におかれましては、本分科会への御協力に対しましてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
 以上でございます。
【松本文部科学大臣】  どうもありがとうございました。
 
(以上)

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