第4回日本成長戦略会議人材育成分科会 議事録

1.日時

令和8年4月9日(木曜日)9時00分から10時00分

2.場所

文部科学省 ※対面・WEB会議の併用

3.議事録

【大橋大臣官房政策課企画官】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第4回日本成長戦略会議人材育成分科会兼第6回人材育成システム改革推進タスクフォースを開催いたします。本分科会は、ウェブ会議方式と対面を併用して開催をさせていただきます。
 本日御参加いただいております委員の皆様につきましては、お配りしております参考資料2の一覧をもっての御紹介とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 また、本日は松本大臣、中村副大臣、小林副大臣、清水政務官、遅れて福田政務官が出席いたします。なお、松本大臣につきましては、公務により途中退席をさせていただきます。
 それでは、冒頭、松本大臣から挨拶をお願いいたします。

【松本文部科学大臣】  皆さん、おはようございます。文部科学大臣の松本洋平です。お集まりの皆様におかれましては、大変お忙しい中、日本成長戦略会議人材育成分科会に御参加をいただきまして、誠にありがとうございます。ウェブ会議もありますので、立って挨拶すると、多分私が画面から出てしまいますので、座ったまま挨拶をいたしますことをお許しをいただきたいと思います。
 これまで本分科会におきましては、高校から大学、大学院までを通して一体的に取り組むべき人材育成の課題について御議論をいただいており、前回は、新技術立国を担う人材という切り口で科学技術人材の育成につきまして、御議論をいただいたところであります。
 本日は、まず、コンテンツの海外展開や文化資源を中核とした地域活性化に向けた文化芸術人材の育成について御議論をいただきます。文化芸術は我が国のソフトパワーの源泉であります。17の戦略分野の一つでもあり、我が国の強みであるコンテンツにつきましては、2033年までに日本発コンテンツの海外売上高を20兆円とする政府目標の達成のために、それを担うクリエイター等の育成は不可欠であります。実際に、海外で我が国がどれだけ儲けているのかという数字を見てみますと、1位は自動車産業なわけでありますが、実は2位につけているのがコンテンツ分野でありまして、そういう意味では大変重要な分野と言えるのではないかと思っております。
 また、同時に、地域の文化資源の多様な魅力や価値を生かしまして、地域経済の活性化につなげていく人材の育成も重要であります。文化芸術を通じた我が国の成長のために、これらを一体的に推進していくことが必要であります。
 続きまして、成長戦略人材の健康インフラの構築について御議論をいただきます。少子高齢化が進展をする我が国におきまして、全ての人が元気で働ける状態を維持することは、労働市場における重要課題であります。17の戦略分野を含む経済成長を支える人材育成とともに、スポーツを通じて心身の健康増進を図るための基盤構築を官民一体となって進めることは我が国の成長にとって非常に重要である、そのように考えているところであります。世界や地域で活躍するクリエイターなどの育成も、健康インフラも、我が国の経済成長にとりまして、非常に重要な観点でありますので、ぜひ本日は忌憚のない御意見を頂戴できればと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 どうぞ、自由濶達な、そして忌憚のない御意見で良い結果を導き出すことができますように御協力をよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。それでは、松本大臣はここで退席となります。
 プレスの皆様は会議室から御退席をお願いいたします。以後、事前に御案内しておりますユーチューブ配信を御覧ください。
 また、議事に入る前に会場の皆様に御連絡です。御発言の際は、前のマイクのボタンを押して御発言いただき、終わりましたら、同じボタンを押してマイクを切るよう、お願いいたします。
 それでは、議事に入ります。本分科会は、高校から大学、大学院等までを通じた人材育成改革について議論を行うこととしており、今回は、議題1、コンテンツの海外展開や文化資源を中核とした地域活性化に向けた文化芸術人材の育成、議題2、運動スポーツを活用した成長戦略人材の健康インフラ構築に向けてについて御議論いただければと存じます。
 では、まず、議題1、コンテンツの海外展開や文化資源を中核とした地域活性化に向けた文化芸術人材の育成について説明をお願いします。

【日向文化庁次長】  文化庁次長の日向でございます。小林副大臣の下に設置をされました文化芸術分野における戦略的人材育成タスクフォースにおきまして、これまで4回にわたり文化芸術分野の人材育成を戦略的に進める方策を議論してまいりました。タスクフォースで行ったヒアリングを含め、これまでの議論を整理しましたので、御報告をさせていただきます。
 2ページを御覧ください。文化芸術分野における戦略的な人材育成ということで、基本的な考え方といたしまして、まず、文化技術は、我が国経済全体の成長を牽引する力を持っている。我が国の基幹産業となったコンテンツ分野における人材育成を加速するとともに、文化芸術の振興を地域の活性化につなげ、これがまた新たな価値を生み出すという好循環を形成していく、このような必要があるという認識。そのためには、戦略的な人材育成が不可欠であると。このような基本的な考え方の下、視点として2つ置かせていただいております。
 一つは、17の戦略分野にも掲げられているコンテンツ分野における新たな価値の創造や海外市場の拡大に重点を置いた視点。この視点を受け、検討事項の一つとして、まず、文化芸術の海外展開のためのクリエイター等育成と、このような柱を置かせていただいております。また、視点の2つ目といたしまして、我が国古来の伝統文化の維持、継承、発展を含めた地域の文化芸術を通じ、地域課題の解決や地域経済の活性化を下支えする視点。この視点の下、検討事項の2つ目といたしまして、文化芸術による地域活性化を担う人材育成、この2つの柱の下、検討を進めさせていただいております。
 それでは、4ページを御覧いただければと思います。まず、コンテンツ分野の関係でございます。日本のコンテンツの海外市場規模につきましては、政府目標といたしまして、2033年までに20兆円とする目標を掲げております。この目標に向け、幅広いコンテンツ分野の人材育成や海外展開の推進が必要となっているところでございます。
 5ページを御覧ください。これまでの取組でございます。クリエイター支援基金を創設し、複数年度にわたり、人材育成や海外展開を行っております。令和5年度、令和6年度、令和7年度、それぞれ御覧の金額の下、卓越した若手クリエイター、グローバル展開を支える高度専門人材、また、コンテンツ需要増大に対応する中核的専門人材、これらの人材育成への支援を行うとともに、その下に書いてございますが、基金を活用いたしまして、国際芸術祭等へ出品、出展をさせていただき、世界から高い評価を得ているところでございます。
 6ページを御覧ください。コンテンツ分野を取り巻く現状についての資料でございます。我が国のコンテンツは世界的に高い評価を受けている一方、右側を御覧いただきますと、コンテンツ関連予算は令和7年度の補正予算で、政府全体で550億円を超える関連予算を確保いたしましたが、諸外国との間では引き続き差があるという状況でございます。
 7ページを御覧ください。これまで有識者ヒアリングをさせていただきました。例えば真ん中左側でございますが、産業界と高等教育機関が連携し、コンテンツ制作を専門的に学ぶ学科コースの創設や、企業や企業間で連携した現職研修の実施など、新技術にも対応できる即戦力人材の育成、また、コンテンツ制作を志す層の裾野を広げるということで初等中等教育との連携、また、中ほど右側でございますが、文化や商業、非営利セクター、営利セクターとの循環ですとか研修、実践の循環、また、国際、地域の循環、こうしたことの必要性について御示唆をいただいているところでございますが、こうした提案を踏まえ、小林副大臣タスクフォースにおいて、現場と一体となったさらなる仕組みづくりについて、さらなる検討を進めてまいる所存でございます。
 次に、9ページを御覧いただければと存じます。文化芸術による地域活性化を担う人材育成についてでございますが、地域の文化資源を中核として、観光や教育などの他分野や他地域の多様な主体とも連携し、地域活性化や社会課題の解決に向けた文化芸術施策の企画運営等を行うコーディネーターの育成が必要となっております。中央の図でございますが、検討の方向性として、5つの取組と有機的な連携を示したものになってございます。現状、我が国においては、こうしたコーディネーターの役割を果たす人材が育成されておりません。日本の各地域において、地域経済を活性化させる分野、分野横断の取組の実現に当たり、構造的、制度的な課題があると認識をしております。国による人材育成を支える制度的基盤整備の取組に加えまして、各地域の自発的、自律的な活動による持続可能な取組が必要と考えております。コーディネーターの育成により、日本の各地域における文化芸術を活用した経済波及効果の創出、新たな地域の価値の創造、持続可能な社会基盤の構築を可能とし、文化芸術が我が国経済全体の成長を牽引すると、このように考えております。
 以上、小林副大臣の下に設置をされました文化芸術分野における戦略的人材育成タスクフォースでの議論を整理しております。その現状について報告をさせていただきました。本日いただく御意見等を踏まえまして、今後、再度タスクフォースを開催させていただき、さらに明確化していきたいと考えております。
 説明は以上でございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。
 それでは、ここから意見交換の時間とさせていただきます。委員の皆様から御意見をお願いできればと思います。まず、オンラインで御参加の竹谷委員より御発言お願いいたします。

【竹谷委員】  龍谷大学の竹谷でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 私はこれまで文化芸術、そして観光、クリエイティブツーリズム、創造都市の研究と実践を通じて、地域と文化、そして人材の関係を見てまいりました。まず、申し上げたいのは、これからの創造社会において、文化は極めて重要なインフラであるという点です。とりわけ、 人口減少社会において、文化芸術は地域の価値創造と持続性を支えるインフラとなります。そのため、 その価値は経済的効果のみならず、社会的価値との両輪で評価すべき段階に来ていると考えております。その中核にいるのが「文化をつくる人、つなぐ人」です。
 では、3ページ目を御覧ください。そもそも文化芸術を中核とした地域活性化については、これまで「文化は経済にどれだけ寄与するのか」という観点で語られてくることが多くございました。もちろん観光消費や関連産業への波及など、経済的な効果は非常に重要です。しかしながら、現場を見てまいりますと、文化芸術の本質的な価値はそれだけにとどまらないと考えます。むしろ地域の愛着の醸成や住民参加の促進、そしてコミュニティの結束、さらには人材の定着、こういった社会的価値こそが長期的な成長の基盤を形成していると考えます。
 例えば石川県の金沢においては、工芸や現代アートの振興が観光消費を生み出すにとどまらず、若手作家の定着や第一線で活躍するアーティストの輩出、そして地域のアイデンティティの強化、これにつながっているというところがございます。また、兵庫県の丹波篠山におかれましては、クリエイティブツーリズムという創造的な観光や、あるいはアーティスト・イン・レジデンス、アーティストの滞在型のプロジェクト、そして創造的な人材の流入が地域への新たな価値を生み出し、そしてそれが関係人口の拡大へつながっているという事例もございます。これらの事例に共通しているのは、経済的効果と社会的価値、これらが相互に作用し、持続的な地域成長を生み出しているという点でございます。そもそも、なぜ金沢や丹波篠山に着目したかと申しますと、これは日本における代表的なユネスコ創造都市であるということ、このフレームがございます。ユネスコのネットワークというものが世界的に100か国、そして、400以上の都市のネットワークの広がりがありまして、国際的な枠組みとして重要な意義を持っています。 このフレームに基づき、本事例として金沢と丹波篠山を取り上げました。そして、こうしたユネスコ創造都市において重視されているのは、文化芸術の価値を単なる経済的効果にとどめず、社会的価値との統合的な視点で捉えることにあります。 したがって、今後の成長戦略において、文化は芸術の価値やGDP、あるいは消費額といった指標だけで捉えるのではなく、人材の定着率、そして地域の参加率、国際交流の拡大、このような社会的指標を組み合わせて評価するという視点が不可欠だと考えます。
 文化芸術は「経済を生む装置」であると同時に、「社会を支えるインフラ」であり、この両輪があってこそ初めて持続的な成長が実現されると考えます。そして、この両輪をつなぐ鍵が「人材」です。人材が地域と世界を循環する、すなわち文化をつくる人、これはコンテンツ分野だけでなく伝統文化、いわゆる世界に誇るような高度な技術や職人技を担う人材を守り、継承し、さらに発展させることも加え、文化をつなぐ人材、これらの人材を地域と世界を循環する仕組みを設計することが、文化政策の真の成長戦略へと昇華させる鍵であると考えております。
 最後に、5ページ目を御覧ください。もう一つの論点でありますコンテンツの海外展開については、単に外貨を獲得する手段にとどまらず、「その文化が生まれた場所を訪れたい」という動機を生み出す点に大きな意義がございます。すなわち海外展開と地域活性化は切り離されたものではなく、供給と源泉の関係にあり、相互に好循環を生み出す構造にございます。その鍵となるのが人材です。ですので、国としては、もちろん既存の文化、観光、教育、こういった施策を横断的に接続することも重要ですが、地域と海外を往還する人材の育成、そして実践の機会を支える基盤的予算を重点的に確保することが不可欠だと考えます。文化をつくる人、そしてつなぐ人、この人材に対する戦略的投資こそがコンテンツと地域の双方の成長を持続的に支えると考えております。
 以上でございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。
 それでは、そのほか構成員の委員の皆様から御意見ございましたら、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。大竹委員、よろしくお願いします。

【大竹委員】  大竹でございます。日向次長、そして竹谷委員から非常に魅力的な御説明をいただきまして、ありがとうございます。金沢モデル、それから丹波篠山モデル、大変勉強になるところでありました。
 文化的手法という言葉が多分あったかなと思っていて、恐らく藝大の日比野学長がおっしゃっている考え方だと思っています。今日御説明いただいたのもそれに近いお話かなという中で、地方を活性化するのに文化的手法というのを取り入れるというのは非常に魅力的なことでもありますし、竹谷委員おっしゃるとおり、それを担う人材というのが十分でないというのが現状かというのは私も思うところであります。ですので、日向次長のペーパーの中に、高等教育機関と連携してというところがありまして、これは一つキーワードかなと思います。
 芸術、あるいはアートのみで人材育成するというよりは、もう少し広い範囲で人材育成していくというのが次のプロセスとしてあり得るのかと受け取りました。その延長線上には、恐らく芸術教育というのをどこまで広げていくのかと、STEAMという言葉があるのはその証左だと思います。アートというのをいわゆる文系とか、あるいは理系とか、そういった人材育成の中で、あるいは、理系転換が今図られている中でどれぐらいその要素というのを一般化して入れることができるかと。これは全ての人材に対してのクリエイティビティを増加させるという正の効果があると私は思っていて、ここをこれから検討していけるとより魅力的な人材が育つのではないかと期待しておるところでございます。以上です。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次の議題2に移りたいと思います。議題2、運動・スポーツを活用した成長戦略人材の健康インフラ構築について説明をお願いいたします。

【浅野スポーツ庁次長】  スポーツ庁の次長をしております、浅野のほうから説明をさせていただきます。清水政務官の下でのタスクフォースにおきましては、5回にわたり、ヒアリングを行ってまいりました。資料の順番、逆になりますけど、資料の最終ページに簡単な概要をお付けさせていただいております。
 一つは医薬品の製造、販売を行うロート製薬におきまして、従業員の健康を守る役職者の配置や、運動・スポーツの取組推進を通じて体の健康の向上、そして運動習慣者の拡大等が図られている事例をヒアリングいたしました。また、これは小規模な会社ですけれども、建設不動産開発業を行う竹徳という会社におきまして、組織的な運動・スポーツの推進を通じて、雇用の拡大や離職率を低下させるといったような改善が図られた、業績向上につながっているという事例でございます。また、新潟県見附市におきましては、長期にわたる健康運動教室の実施を通じて、参加者の体力年齢の若返りや医療費の抑制が図られ、介護認定率も全国や新潟県平均を下回るという結果が得られているという事例が紹介されました。本日、スポーツ庁から初等中等教育段階、高等教育段階の人材育成と併せて、運動・スポーツを活用した人材の心身の健康の保持、増進の基盤となる健康インフラの構築について、御説明をさせていただきたいと思っております。
 資料の2ページ目を御覧いただければと思います。現在、政府を挙げて検討を進めている8つの分野横断的課題の一つであります、厚生労働省を中心とした労働市場改革に関連して、労働市場では、心身の健康問題を理由に本来のパフォーマンスが発揮できない、労働市場から撤退を余儀なくされるといった課題が生じております。また、理工系を中心とする17の戦略分野の人材の多くは、継続的なプロジェクトに関与することも多く、これら人材の心身の健康の維持が重要な基盤であることは疑う余地はありません。この点、運動・スポーツは、心身の健康保持や生産性の向上に効果的なツールであり、こうした課題の解決に対して果たせる役割は極めて大きいと考えております。
 資料3ページを御覧いただければと思います。労働市場の状況を見てみますと、近年働く方の心の病が増加傾向にあり、その中心は10代から30代の若年層となっております。また、就業を希望する55歳以上の中高年齢層におきましては、約4割の方が自身や家族の健康上の理由により、就業を断念していると、スライドの資料の下の段になりますけども、そういったデータがございます。
 次の資料4ページを御覧いただければと思います。さらに、再雇用等による労働者の確保が推進されているところでございますが、その対象となる高齢層になればなるほど、労働災害、とりわけ転倒による骨折や墜落、転落等の発生割合が高まる傾向となっております。また、近年、女性の就業率は8割に上っておりますが、PMSや月経随伴症状等の女性特有の問題等により、仕事のパフォーマンスに影響があるとする本人の申告でありますけれども、割合が約半数となっております。
 資料5ページ目を御覧いただければと思います。このように、心身の健康問題が原因で本来の持てるパフォーマンスが発揮できない者や労働市場から撤退を余儀なくされているものが多数上がっております。日本の成長を支えるためには、成長分野の人材育成や適正配置のみならず、そうした人材が健康で元気に働ける状態を長く維持しつつ、持てる能力を最大限発揮するための環境整備を行うことが重要となります。この点に関しまして、下段のロジックモデルのとおり、運動・スポーツの実施が直接的には心身の健康の向上をもたらし、その結果として、生産性向上や人的資本の強化、労働災害の防止が図られるというエビデンスが国内外の様々な研究により明らかになっております。運動・スポーツに投資することで企業の利益率や成長率向上にもつながり、結果として日本の経済成長に貢献できると思われます。
 資料6ページ目を御覧ください。今般、本日御出席をいただいております筑波大学の久野教授の協力を得まして、運動・スポーツの実施による心身の健康改善がもたらす経済効果について試算をしていただきました。疲労やメンタル不調、睡眠不調、月経痛等の女性の健康問題、男性の更年期障害等による生産性に関わる経済損失額は約40兆円となっているところ、運動・スポーツ、これは6,000歩から8,000歩歩く、それに併せて筋力トレーニングを行うといったプログラムを実施することによる改善効果や生産性にもたらす影響の割合を掛け合わせ、年間の経済効果を約0.88兆円と試算をしております。また、運動・スポーツの実施による体力レベルの向上等に伴う就労期間の延長の効果を3.3年と設定し、増加する就労人口等を踏まえた年間の経済効果を8.19兆円と試算し、合わせて約9兆円の経済効果が得られると結果が出ております。さらには、医療費や介護費の削減効果が得られることによる年間の経済効果を約3.5兆円と試算し、これらを合算して、年間約12.6兆円の経済効果をもたらすという試算結果を出していただいております。なお、ここでお示ししている数値は、いずれも論文や調査結果等に基づくものの試算を久野先生のほうでしていただいております。
 資料7ページ目を御覧ください。こうしたことから、運動・スポーツが持つ価値を最大限に発揮し、17の戦略分野を支える人材を含む様々な労働者の心身の健康増進を図ることを通じて、人材の定着や継続的な能力の発揮と生産性の維持向上、現役期間の拡大等を図るための仕掛けとして、健康インフラの構築が必要であると考えております。具体的な内容は資料にお示ししている3点となります。
 1つ目は、運動・スポーツの推進に取り組む企業の支援であります。忙しい現役世代の運動・スポーツを推進するために企業の協力が不可欠であります。従業員の健康増進等のために、運動・スポーツを取り入れる企業等が増えつつある中、そうした動きを一層加速させるべく、地方自治体と協力し、各地域で従業員の運動・スポーツ推進に取り組む企業を支援する仕組みの構築が必要であります。
 2つ目は、企業向け運動・スポーツ関連サービスの強化、高度化であります。企業の取組をより効果的に促進するため、企業向けに運動・スポーツ関連サービスを提供する企業とのマッチング支援を強化するとともに、プロスポーツの拡大に合わせて、スポーツに関わる多様な人材を確保、育成することにより、スポーツ関連ビジネス市場を拡大していくことも必要であります。
 3つ目は、企業や個人が運動・スポーツを行う場所の確保と、生涯スポーツにつながるための基盤の構築であります。体育館など学校体育施設や市民スポーツセンターなどの社会体育施設等に加えまして、企業や大学等の所有施設も含めた地域のスポーツ資源の活用や、民間企業のノウハウに基づくプログラムを提供する仕組みの構築、部活動の地域展開をはじめとした子供の頃から運動スポーツに親しむ機会を確保し、生涯にわたる運動・スポーツ実施の基盤の構築も進める必要があります。
 以上の3点をパッケージプランとして、17の戦略分野の人材が活躍する基盤となる健康インフラの構築を強力に推進していくことが重要と考えており、さらに検討を進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。
 それでは、これまでの説明を踏まえまして、議題2についての意見交換の時間とさせていただきます。委員の皆様から御意見をお願いできればと思います。それでは、久野委員より御発言お願いいたします。

【久野委員】  筑波大の久野でございます。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。資料3-2を見ていただければと思います。
 最初の2ページ、まず、今回御説明する論点ですが、今、浅野次長のお話にありましたように、スポーツは身体的機能の維持改善のみならず、ストレス軽減、認知機能の改善、疲労軽減、睡眠の質の改善等をもたらすだけではなく、社会生活においてもコミュニケーション増加によるソーシャルキャピタルの向上等の多様な価値があるということです。さらに、労働においても集中力の改善や学習意欲の向上等によって生産性向上に影響を与えており、心身の健康の改善によって、欠勤や疾病就業の減少や勤務中の事故、労災の減少に寄与することが分かっております。ただ残念ながら、成長戦略としてのスポーツ政策の充実によって得られる効果が十分に把握されていなかったため、ソーシャルキャピタルというようなコミュニティー、そういう認識が中心であって、政策的にこの領域が過少投資になっている傾向が強いと考えています。
 そこで、スポーツによる健康政策へ投資することによって、退職タイミングを遅らせ、要介護、医療費、労災コストの削減などによる経済的価値を定量化し、その価値を明らかにしていくことにより、健康に関する投資、あるいは健康施策を拡充していく重要性を示したいと考えました。今、浅野次長から話題の試算結果について、先ほど御説明をいただきましたエビデンスの一例を御紹介していきます。
 3ページをお願いいたします。スポーツによる身体への効果は非常によく分かっていまして、体力年齢とか、要支援1以上の認定を受けるリスクも2分の1ぐらいにできるというエビデンスも出ております。
 次のページをお願いいたします。先ほども働く方々のメンタルの問題が指摘されていますが、体だけではなく、精神健康度に関しても明確に効果があります。もちろん臨床的な症状の方には、状況に応じますが、そうじゃない多くの場合に効能があることが分かっております。
 次の5ページをお願いします。女性活躍というような文脈からいっても男女差が非常にあります。特に職業性リスクにおける性差ということで、女性は男性より職業性障害リスクが1.4倍高いということが分かっておりまして、今後、理系人材を増やしていくという中にも当然そこに女性がかなり入ってくることを考えていきますと、非常にそこへの対応なしに進めていくというのはいろんな問題が起こることが分かってきています。
 次、お願いします。女性におけるスポーツによる健康効果というエビデンスはどれぐらい出ているか。これも一例ですが、痛みに対する効果、あるいは抑うつに対する効果等、非常に分かってきていまして、女性特有の健康課題、月経痛やあるいは更年期障害においてもスポーツの効果は相当確認されつつあります。
 7ページ目お願いします。そういう観点で自治体に欠勤やプレゼンティーイズム、いわゆる生産性の低下に与える影響に関しても、スポーツの効果は分かっていますが、この左側を見ていただくと、興味深いのは、高強度なスポーツをやるよりは低強度、中強度、特に低強度でも十分効果があるということが分かっていまして、ここの習慣化が非常に重要と考えております。
 次に、労働人口不足の中で、定年延長も含めて、高齢者の方にも働きを延長していただきたいという部分があると思いますが、高齢労働者の就業継続の要因に関しても、多様な要因があって就業継続あるわけですが、一番上に示してありますが、健康というのは一つの大きな要因になりますので、ここへの働きかけも非常に重要となります。
 次、9ページをお願いいたします。これが先ほど浅野次長のほうから御説明いただいた試算効果のためのロジックモデルということで、アウトプットがこの3点ありまして、健康アウトカムがこれだけ挙げております。そして、社会的アウトカムとして企業の生産性向上、個人の就業期間延伸ということで、人手不足への貢献という形で経済インパクトという、これまでスポーツ分野で経済インパクトを計算されたものがありませんでしたが、次のページ、先ほどから同じデータになりますが、この委員会にあわせて計算したところ予想より経済効果が高い。特に就労期間を延伸することが非常に効いてくるというようなことも分かっております。生産性の向上に関しては、女性特有の健康課題のところがこの中では非常に高いです。メンタル不調とか睡眠の質に比べて、女性へのと効果も非常に期待できると思っております。
 最後に、ちょっと刺激的なコメントですが、やれば何でも効果が出るわけではなくて、次のページをご覧ください。これは、ある政令市のプロジェクトで、3,000万ぐらいの事業費をかけていますが、医療費、介護費の削減効果は(下段ご参照)この程度の金額です。それほど経済効果が出ていません。
 それに対して、13ページをご覧ください。これはいい例なので実名を挙げていますが、京都の八幡市でやられて、右下を見てみると年間事業費3,500万をかけて、医療経済への効果が3億8,000万ぐらい出ています。やり方によって政策効果に大きな差が出てきます。ただ進めるんじゃなくて成果が出るような政策推進の枠組みをぜひ進めていただければと思っております。
 最後のページは、今申し上げたことを、大変恐縮でございますが、提言とさせていただきました。これまで何となく健康にいいというだけで進められた部分があったのではないかと思いますが、経済的効果も大きいということで成長戦略の中で進めていただければと思っております。
 以上でございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。
 それでは、そのほか構成員の委員の皆様から御意見ございましたら御発言をお願いできればと思います。いかがでしょうか。平松委員、よろしくお願いします。

【平松委員】  御説明ありがとうございました。経済効果などが具体的に示されて、この取組の重要性の認識ができました。日本の企業においても、数年前から健康経営というのを企業の重要なテーマとして取組をしております。もちろん不健康な状態だと、ちゃんと仕事ができないし、生産性も落ちるので、不健康な人を減らしていこうと、取り組んできたんですが、最近は各企業、もう一段レベルが上がってきていまして、ウェルビーイングの向上という観点で、その中にスポーツや健康ということがベースとして非常に重要なんだというように取り組んでいます。
 富士通におきましても、ウェルビーイングの向上を様々なデータとして取っています。グローバル11万人の従業員でウェルビーイングの実感値をアンケートで定期的に取っているんですけど、それで見ると、ウェルビーイングの実感値が高い人のほうがパフォーマンスがよい、もしくは成長意欲が高い、そこに明確な相関が見えています。ロスを減らしていくというところからウェルビーイングの向上自体が、より挑戦だったりパフォーマンスをよくするというところに明確に関連があります。ウェルビーイングという概念で言いますと、仕事のエンゲージメントよりももう少し広くて、ライフの充実であるとか仕事以外のコミュニティの多様なつながりがあるとか、もしくは、健康やスポーツを通じて、よりよい自分になっていくというようなもの。そういう観点でもスポーツというのがウェルビーイングの向上に非常に重要ということで、強化運動部などを持つ以外にも各社員の運動習慣をつけていこうと、定期的にウオーキングイベントをつくってみんなで競い合ったり様々やっています。
 さらには、企業で持っている運動施設なども地元の自治体に一般開放するので、そこは自治体のホームページを使って募集をかけたりしています。こういったように、ロスを減らしていくということは、企業の義務でしっかりやるんですけども、ウェルビーイング向上がより挑戦やパフォーマンスの向上につながるという観点に各企業も取り組み始めていますので、積極的に運動の推進をするような企業に対してのインセンティブであったりとか、より地域に貢献をしていくということに対して、自治体と企業がもっと密に連携しながら、せっかくある施設をより有効に使っていくことで地域の人々の運動習慣を促進したり、もしくは、企業にとっても様々なコミュニティに参加できるといった、こういうメリットを産官学で連携して推進できれば、よりすばらしいんじゃないかと思います。以上です。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。久野委員。

【久野委員】  すみません、平松委員のおっしゃっていただいたこと、本当にすごくそのとおりで、ウェルビーイング経営が非常に今後必要だと、そういうデータが出だしているんですが、1点、政策的にぜひ検討いただきたいのが、今お話のように大企業と中小企業の差が非常に大きいということで、成長戦略を進めて中核になっていく大企業ですけど、大企業だけでは多分、産業は進むのではなくて、そこを支えている中小企業が労働力確保に苦労しているという視点で、幅広く中小企業も含め、国民全体にいくような政策への具体策が非常に大事だということだけ、付け加えさせていただきます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございます。オンラインで御参加の加藤委員、佐藤委員、先ほどの文化芸術人材も含めまして、何か御意見ございますでしょうか。

【加藤委員】  加藤です。よろしいでしょうか。

【大橋大臣官房政策課企画官】  よろしくお願いします、加藤委員。

【加藤委員】  ありがとうございます。スポーツでそのような効果が大きく出ると思っても、私もいなかったので、非常に参考になるというか、すばらしい調査結果じゃないかなと思って拝見していました。
 私、バックグラウンドはお茶ですけれども、静岡に、地方におりまして、地方におけるスポーツというと、選手になっていくみたいなところが大きいのと、先ほど御指摘あったとおり、大企業はやれるけれど中小企業はできませんという状態になっていますので、その点、一つ、政策としては御指摘のとおりで、みんなが、国民みんながスポーツとか運動に対しての意識を向上させていくという取組が必要かなと思います。
 でも、すごく高齢化率も高いエリアになりますので、その辺のフレイル予防です。フレイル予防と呼ぶのがいいのかどうかあれですけれども、我々も取り組んでいますが、予防の運動というのを、閉じ籠もりがちな、特に男性の高齢者が課題になっています。1人になってしまうと本当に外に出ませんので、その方々をどう外に引っ張り出すかというのが、大きな地方の課題になっているのを共有しておきます。
 あとは、もう一つ、心の病と、あと農業を私たち事業としてやっていまして、スポーツももちろん大事なんですけれども、心の病に対して農業、農作業も効果があるということは、感覚的には得ていまして、スポーツに限らず、健康という文脈でいうと農業も役に立てるのかななんて思って、今回はスポーツの効果なのであれなんですけれども、農業の効果みたいなところも付加してコメントさせていただきました。ありがとうございます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。佐藤委員、どうぞよろしくお願いします。

【佐藤委員】  よろしくお願いします。私もスポーツに対する効果を数字、つまり経済効果としても見せていただきまして、大変勉強に個人的になりました。身体的健康の向上以外にも、精神的な健康の向上にもつながるということで、ぜひスポーツ推進に関しては進めていってもらいたいと思います。
 個人的な自分のことを考えますと、小学校から高校までは体育の授業があったので、一応週に何時間はスポーツをする機会があり、強制的にさせられたような気がしますが、大学以降になりますと、特に忙しいとかほかにやることもあったりするので、大学になったり社会人になったりすると、急にスポーツをする時間や機会がなくなると思うんです。それが5ページあたりに書いてあるとおり、企業に対する支援であったりとか、各企業の取組によってスポーツを継続的に生涯続けていくということができるようになる、確保されるということはとても魅力的だなと思いました。
 なんですが、ちょっと一つ、頭に浮かんだのは、たとえこのように一生懸命企業であったりとか、国が支援をしたとしても、忙しいというのは言い訳の一つなんですが、実際、スポーツをやるのってやはりつらいことで、面倒くさかったりするので、スポーツをしなくてはならないという意識づけについて、もう少し取組を増やしていっていただけたら、もっとスポーツが推進されるんじゃないかなと感じました。
 私からは以上になります。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。そのほか御意見よろしいでしょうか。

【浅野スポーツ庁次長】  今の御指摘いただいた点について、スポーツ庁から出させていただいている資料の一番最後に、清水政務官の下、ヒアリングを行った一つとして、龍谷大学の取組を記載しております。御指摘いただいたように、大学生になってから運動不足になる、スポーツをやらなくなるというようなこともあり、龍谷大学におきましては、学生向けのトレーニングルームやランニングコース、こういったものを整備して、さらに女性専用エリアを設けたことによって、女子学生が大幅にここに通うような学生が増えたということで、かなり学生向けのこういったサービスが好評を得て、大幅に人数が増えているというような事例の紹介がございました。
 そういう意味では、私どもとしても幼少期から大学まで、そして社会人になってもスポーツに親しむ環境づくりが必要かなと思っております。久野先生、もう1点の御指摘で、運動する意識づけのことについてお願いします。

【久野委員】  ありがとうございます。残念ながら、御指摘がされましたように運動やスポーツに大変だというイメージがあるのは事実と思っております。一方で、ここ何年も文科省、スポーツ庁の御支援で、日本がオリンピック等で獲得するメダルの数が非常に増えてきていますが、その理由の一つに、トレーニング法がかなり進化したということがあります。これはアスリートだけの話と思っていたのですが、パフォーマンスを上げるところ、あそこまで上げるのはアスリートだけの話です。それと、アスリートにもう一つ重要なのは、いかにけがをしないかです。けがをしてしまうと選手寿命が終わってしまうので、けがをしないためのトレーニング法が、アスリートだけでなく、国民の健康増進にすごく使われるようになってきました。中でも、運動やスポーツを嫌いな方でも、1回、2回やってすぐ効果感じられるようなトレーニング法ができてきています。
 例えば肩凝りは多くの方が持っていますが、肩をもんでも治らないのです。肩こりになる要因は、肩甲骨とかもう少し下のほうにあって、そこのトレーニングを入れることによって、一、二回で肩こりが軽くなる。そうすると、こんなに変わるんだなと実感する。今まで嫌いだったものが変わっていくような、ハイパフォーマンスをライフパフォーマンスのほうに持っていくものを、スポーツ庁10年でそろえていただいたので、あとはそれを組織的に企業や自治体にどう落とし込んでいくかというフェーズに入ったのではないかと思います。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、これで議事のほうは終了したいと思います。
 それでは、ここまでの御議論を踏まえて、清水政務官より御発言をお願いいたします。

【清水文部科学大臣政務官】  政務官の清水真人です。スポーツ担当の政務官として御挨拶を申し上げます。
 本日はお忙しい中、貴重な意見を頂戴し、誠にありがとうございました。冒頭、浅野次長から説明のありましたとおり、このたび、私のもとにタスクフォースを設置し、5回にわたるヒアリングを通じ、運動・スポーツが17の戦略分野を含む日本経済の成長にどのように貢献できるかについて検討をしてまいりました。現在の労働市場は自身の健康問題やメンタルヘルス、家族の健康問題等の発生件数が増加をしており、能力や専門性を十分に発揮することが困難な状況にあります。少子高齢化が進展する我が国にありましては、単に17の戦略分野を支える人材の育成配置のみならず、心身の健康維持増進を通じて生産性の維持向上、労働損失の防止を図ることが極めて重要となっております。
 これまでの研究から運動・スポーツにはそうした課題を解決する力があることも明らかになっており、本日いただいた御意見も踏まえまして、関係省庁、団体等とも密に連携をしながら必要な取組を進めてまいりますので、今後とも引き続き御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございます。続けて、小林副大臣よりお願いいたします。

【小林文部科学副大臣】  文化を担当しております副大臣の小林でございます。本日はどうも皆様方、貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。また、先生方からも、ありがとうございます。
 ここに至るまで、内部でもタスクフォースに向けて意見交換も随分行ってまいりまして、竹谷先生から、今日は限られた時間でありましたけれども、実際には、ここに至るまで随分時間をかけて意見交換をして、実際に地域、金沢であるとか、また、兵庫県の丹波篠山でありますとか、そういったところの具体的に、なぜここを選ばれたのかということも含めて、あと、若いクリエイターが集まっておられるとか、そういう情報、あるいは古民家を再生して民泊につなげているとかそういう事例もあるということでございました。
 文化芸術は古いものから新しいものまで幅広いわけであります。その位置づけは、我が国の勝ち筋となるソフトパワーの源泉となると、こういう位置づけであります。文化芸術分野の人材育成を戦略的に進める方策について、文化庁事業の支援対象となった方へのヒアリングを含めて、4回にわたって検討してまいりました。我が国の基幹産業となったコンテンツ分野における人材育成を加速するとともに、文化芸術の振興を地域の活性化につなげ、これがまた新たな価値を生み出していく。
 先ほど、コンテンツ海外輸出6兆円を、2033年度に20兆円にするという計画がありましたけど、これが循環です。人材育成をして、それが経済的価値を生んでいくということであります。一つ一つのIPの生み出す価値は相当な金額規模でありますけれども、それが実際に我が国の経済的価値としてお金が落ちていないという、ここを多分海賊版をどう取り締まっていくとか、お金に変えていくということも含めてだと思いますが、経済的価値に転換をしていくという具体的方策が必要で、松本大臣からも6兆円を20兆円にしていく過程において、具体的にどういう予算を、どういう省庁と連携しながらやるのかが重要であるという御指摘をいただいております。一口にコンテンツといっても、例えば芸術選奨の表彰式に臨んで私も思ったんですけど、舞台芸術であるとか、また、大衆芸能であるとか文学、評論、幅広いわけでありますけど、輸出するコンテンツというと、オンラインのゲームであるとかアニメとか、そういったことに偏っているわけですけれども、これをお金に変えていくという現実的な視点が必要でありますので、何となくやっていくというよりも、具体的に道筋を見つけて取り組まねばならないという、先ほどのスポーツの話と共通していると思うんですけど、そういう考え方、フォーカスしていくという必要があるのかなと。
 私も知らなかった部分、今回いろいろ学ばせていただきました。なるほどなと思っていたところであります。これ、今後も関係省庁と連携しながら、必要な取組を進めてまいりましょう。私からは以上でございます。ありがとうございました。

【大橋大臣官房政策課企画官】  ありがとうございました。
 これで、人材育成分科会を終了いたします。本日は誠にありがとうございました。

(以上)

お問合せ先

大臣官房政策課

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