令和8年2月26日(木曜日)9時00分から10時30分
文部科学省 ※対面・WEB会議の併用
【中安生涯学習推進課長】 定刻より少し早いですけれども、御出席者おそろいでございますので、ただいまから第2回日本成長戦略会議人材育成分科会兼第4回人材育成改革推進タスクフォースを開催いたします。
本分科会は、ウェブ会議方式と対面を併用して開催させていただきます。
資料での意見提出含め、本日御参加いただいております委員の皆様につきましては、お配りしております参考資料2の一覧をもっての御紹介とさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
また、本日は松本大臣、中村副大臣、小林副大臣、清水政務官、福田政務官、本タスクフォースの構成員に加えまして、関係府省として、厚生労働省より蒔苗大臣官房審議官、経済産業省より畠山経済産業政策局長に御出席をいただいております。
なお、松本大臣、清水政務官、福田政務官につきましては、公務により途中で退席をさせていただきます。
それでは、冒頭、松本大臣から御挨拶をお願いいたします。
【松本文部科学大臣】 どうも皆さん、おはようございます。ただいま御紹介をいただきました文部科学大臣の松本洋平です。本日は大変お忙しい中、御参加をいただきまして、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
この人材育成分科会でありますけれども、高市総理の指示の下、強い経済、未来への成長を実現をするために立ち上げられました日本成長戦略会議の下に設置をされました分科会の1つであります。高校から大学・大学院までを通して一体的に取り組むべき人材育成の課題について議論をしていただいているところであります。
本日は、産業構造の変化を踏まえた職業人材育成の充実についてということをテーマといたしまして、リ・スキリングを進める上での課題、そして専門学校における人材育成の在り方について御議論をいただくことになっております。
我が国が持続的に発展、成長をしていくためには、一人一人の可能性を広げていくということ、そして能力を伸ばしていくこととともに、産業界の需要というものも踏まえた人材育成というものが大変重要になっていくと考えているところであります。
技術や社会が急速に変化をする中、社会に出てからも学ぶ機会をどのように確保をしていくのか、教育界と産業界の双方でビジョンを共有をしまして新たな取組を進めることが必要であると考えているところであります。
大学にその役割が期待されていることはもちろんでありますけれども、前回、経済産業省から発表いただきました2040年の就業構造推計におきましては、地方では専門職、エッセンシャルワーカーが大幅に不足をするということが示されたところでもあります。これを踏まえますと、高校卒業者だけではなくて、社会人、就学生など幅広い人材を受け入れて、専門人材として育成してきた専門学校への期待もますます大きくなるものと承知をしているところであります。
本日は、経済産業省や厚労省にも御参加をいただきまして、政府一丸となって必要な取組を進めてまいりたいと思いますので、ぜひ委員の皆様におかれましては忌憚のない御意見を賜りますように心からお願いを申し上げたいと存じます。
今、文部科学省におきましても、今、私たちは改革に取り組んでいるところであります。それは一体なぜかというと、やっぱり社会が大きく変化をしてきている時代だからこそ、我々も大きく変わっていかなければなりませんし、また同時に、国を挙げて大きくこれらの変化に、社会の変化に対応したこうした教育の仕組みというものをつくっていかなければいけないと考えているところでもあります。
そういう意味では、全ての事柄の礎になるのは人材力でありますから、そういう意味では大変重要な審議をお願いをしているところでありまして、ぜひお願いを申し上げたいと思います。
今後も、我が国が持続的に成長、発展していくために求められる人材育成の方策につきまして、関係省庁や関係機関と連携をして全力で取り組んでまいりますことをお約束を申し上げまして私からの挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。
それでは、松本大臣は御公務のため、ここで御退席になります。
【松本文部科学大臣】 どうぞよろしくお願いいたします。
【中安生涯学習推進課長】 プレスの皆様は会議室から御退室をお願いいたします。以後、事前に御案内しておりますYouTube配信を御覧ください。
それでは、議事に入ります。本分科会は、高校から大学・大学院までを通じた人材育成改革について議論を行うこととしており、今回は、産業構造の変化を踏まえた職業人材育成の充実についてを議題として、産学官が連携したリ・スキリング・エコシステムの構築、専門学校における実践的かつ専門的な職業人材育成方策の2点について御議論いただければと存じます。
リ・スキリング・エコシステムの構築については、松本大臣の御指示により、福田政務官の下で検討を進めてまいりましたが、福田大臣政務官は本日公務のため、この後退席されますので、まず一言頂戴したいと存じます。
福田政務官、お願いいたします。
【福田文部科学大臣政務官】 ありがとうございます。皆様、本日は本当にありがとうございます。文部科学大臣政務官の福田かおるです。
本日、御議論いただきますリ・スキリング・エコシステムの構築、社会人の学び直しなどとも言われておりますが、私自身が国会議員になる前から取り組みたいと申し上げてきたテーマでもございます。先ほど御案内いただきましたとおり、松本大臣の下、プロジェクトを立ち上げ、政策検討を行ってまいりました。
本日、実は、皆様の御意見を伺うのを本当に心待ちにしていたので、法案の説明にこの後行かなければいけないということで、途中退室となってしまいまして、大変にショックを受けています。
ただ、恐縮ですが、このプロジェクトについて私がどのような思いを持って臨んでいるか、簡単に冒頭、お話しさせていただければと思っています。
本件は、教育の在り方、教育システム全体を変えていく大変革の入り口に当たると思っています。技術や社会が目まぐるしく変化していく中で、よい教育を受けたら安泰という時代ではもうなくなりつつあると思っております。
転職がより一般化する中でも、また社会の変化が激しい中で、企業の皆さんからは、これまで社内で行ってこられたOJTのままでは人材育成が難しいと、見直していかなければいけないというお声もたくさんいただいています。大人になってからも、社会や技術の変化に合わせて、知識、技術、技能を更新していく、活躍することができる、こうした社会をどうやったら実現できるのか、そんな検討をこれまで行ってまいりました。
皆さんも御存じのとおり、教育機関においても、一部既に先進的な取組も進んでいると承知しております。企業ニーズを反映したカリキュラムを組成していくということ、プロジェクトそのものをどうやって推進していくのか、体制をつくっていくということ、そして外部人材、内部人材の活躍など、本当にいろんな課題に直面されながら、そもそも学内での理解醸成も難しいという中で、たくさんの教育機関の方が今トライされている状況だと承知しています。
ただ、少子化の流れの中で、社会人向けのプログラムをつくって収益化をしていくことができるということは、高等教育機関のこれからの経営を考える上で極めて本質的な視点であるように思っております。収益化ができるということは、すなわち、産業界、社会から価値ある内容の教育を提供していると認められる証左でもあると思っておりまして、未成年の学校選択や政府の政策検討においても重要な判断根拠へとなっていくものであると思っています。
本日、経産省の方から前回に続いて、2040年の就業構造推計、予測の1つを持ってきていただいていると承知しています。15年後を確度を持って予測するというのは容易なことではないというのは皆さんも御承知のとおりかと思います。つい数年前までは生成AIが登場するまで、プログラミングが大切だと、学べば安泰だということも言われていましたが、今や海外においてはソフトウエアエンジニアが大量解雇されるような事態になっているのは御案内のとおりでございます。
そうすると、どんな時代が来るか予測するのが困難な中で、本質的なことは、どんな社会になったとしても、時代に翻弄されつつも、教育機関が人々の人生にとって助けになる教育プログラムを機動的に提供し続ける、そのこと、それができる体制を構築していくことそのものにあるのではないかと思っています。そんな柔軟な高等教育機関の在り方はどのようにしてつくっていくことができるのか。そして、産業界における人材育成に教育機関はどうやってお役に、どうすればお役に立っていくことができるのか。そして企業が教育機関をより有効に活用していただくために、経営や人事はどのような体制を整えていっていただけるのか、いくべきなのか。また、社会人の皆さんが、教育機関で学び直すことに積極的に向き合うためにはどのようなことを政府としていくべきなのか。
ぜひこうした観点から、政府がどのように障壁を取り除いて後押しができるのか、御意見賜れればと思っています。
退室しなければいけないこと、本当に残念なんですが、ただ、必ず本日の議論、後ほど確認させていただきまして、政策検討に活用させていただきたいと思っております。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。
それでは、福田大臣政務官は公務のため、ここで退席になります。
【福田文部科学大臣政務官】 失礼します。ありがとうございます。
【中安生涯学習推進課長】 それでは、本日の検討用資料について、塩見総合教育政策局長より説明をお願いいたします。
【塩見総合教育局長】 失礼いたします。文部科学省総合教育政策局長の塩見でございます。着座で大変失礼ですが、本日の資料について御説明をさせていただきます。
文科省の資料、横紙の検討用資料を御覧いただければと存じます。
今、松本大臣、また福田大臣政務官からの御挨拶にもございましたとおり、2ページ目御覧いただきますと、技術や社会が急速に変化していく中で、また、個々人の人生・雇用、また我が国の成長にとりまして、一人一人が社会に出てからも学び続け、能力を高めるとともに主体的にキャリアを形成していくということが必要になっております。その機会をどのように確保するかということが重要になっております。
また、3つ目の丸のところでございますけれども、我が国の成長戦略としまして、人口減少、産業構造の急速な変化による労働需給のミスマッチに対応していくためにも、一人一人の労働生産性、また労働の質の向上、それから新しく成長する産業分野の知識・技能を取得していくということが重要になってきております。
このため、今後、教育界と産業界の双方がビジョンを共有しながら、「学び続ける社会」の実現に向けまして取り組んでいくことが必要と考えているところでございまして、今回の本分科会におきましては、こうした観点から、社会が求める実践的な職業人材を育成するために、産学官が連携したリ・スキリング・エコシステムをどう構築していくか、また、専門学校の人材育成の高度化をどう図っていくか、こういった点を御議論いただければと考えております。
まず、本日の1点目の産学官が連携したリ・スキリング・エコシステムの構築についてということで、資料の右下4ページと書いてあるところを御覧いただければと思います。これもよく知られていることでございますけれども、我が国の仕事関連の成人の学習参加率と時間当たりの労働生産性、これらはOECDの加盟国と比較しても高いとは言えないという状況に残念ながらございます。
その現状の背景がどうなっているのか、5ページに少し整理をしておりますけれども、まず産業界、特に企業のほうからの意見といたしましては、リ・スキリング、学び直しということに係る人員や予算等のリソースの確保が課題である。
また、どのようなプログラムが提供されているかということに関する受講先の選定ということも難しい。
また、結果としまして、リ・スキリングの成果というものを処遇に反映するという取組がなかなか進んでいないという状況がございます。
また、働き手の側からいきますと、学んだ成果というものが見えにくい。また、処遇改善にどうつながっていくかがイメージできない。
さらに、受講時間や費用の確保の問題、情報が少ないという問題ということがございます。
それから、教育界、特に大学のほうの現在の課題といたしましては、企業にどう働きかけていけばよいかということが難しい。特にコーディネーター等の確保が難しい。
また、企業が活用したいと思っていただける教育プログラムが不足している。
それから、先ほど福田政務官の話にもございましたけれども、リ・スキリングの取組について収益化ということが見通せない。また、リ・スキリング実施のための学内体制の整備が十分でないといったようなことがございます。
また、そういった課題があるものの、6ページを御覧いただければと思いますけれども、一方で社員の教育に今後大学を活用したいとお考えの企業について、経団連さんのほうで調査いただきましたところ、6割に上っているということで、大学へのリ・スキリングの潜在的な期待というものは高いと認識しております。
そこで、各企業等が大学でのリ・スキリングにどんなことを期待しているのかということを我々のほうでも幾つかの企業や団体の皆様からお話を伺いましたところ、6ページの青い枠で囲ってあるところでありますけれども、特に大学でのリ・スキリングに関しましては、民間の教育機関などで代替できない高度で専門的な深い学び、また、関連分野を含めた総合的な学びということに期待が高い。
また、経営者の再教育ということを含めた地域の持続的発展に必要な人材の育成、それから、企業側のニーズを酌み取ったプログラム構築、さらにはリ・スキリングを入り口に修士課程、博士課程や大学との共同研究につながるような工夫、さらに組織の枠を超えた人脈形成、こういったことに大学へのリ・スキリングという観点から期待があるということが分かってまいりました。
ということで、その上のオレンジの枠で囲ってありますところ、大学ならではの強みということで、理論×実践、またグローバル動向・最先端の知見、他者との交流・ネットワーキングの場となり得る、こういった大学ならではの強みを生かした形でリ・スキリングを進めていくということが必要であると考えております。
そこで7ページでございますけれども、令和7年度から5年計画で我々取り組んでおりますのが、1つ目は地方創生の観点から、地域のニーズを踏まえた特に経営人材の育成等ということで取り組んでおりますのと、2つ目としまして、産業成長の観点から、産業界のニーズが特に高い領域における人材育成を中心に、この2つの分野をターゲットとしまして、産学官が連携した質の高い大学におけるリ・スキリングプログラムの構築ということを進めてきております。
そして、この中で特にポイントとなりますのが、大学がやりたいリ・スキリング、大学でできるリ・スキリングではなくて、大学や産業界、また自治体などとしっかりそれぞれが向き合いまして、連携体制を組んで、ニーズに対応したプログラムを開発していくと、このことを重視していこうということでございます。
そこで8ページを御覧いただければと思います。取組の方向性ということでございますが、今まで申し上げてまいりましたことの繰り返しにもなりますけれども、特にこうしたこれまでの取組を踏まえまして、リ・スキリングにおきましては、産業界、自治体と強力な連携を組んで大学のリ・スキリングプログラムをつくっていくということが必要であると考えているところでございます。その下に幾つか例示で書いてございますけれども、成長戦略会議でも言われております17の戦略分野に対応したプログラムでありますとか、大学での研究成果、そういった強みを生かしたプログラム、また、博士課程まで一貫したプログラム、地域の就業構造の推計を踏まえた人材育成プログラム、それから、持続的な自走のための全学的な体制整備、また収益化を目指した取組、こういったことを進めていければと思っております。
また、2つ目としまして、リ・スキリングの成果の見える化ということと処遇に結びつく環境整備が重要と考えておりまして、この後、経済産業省さんのほうからも御説明あるかと思いますけれども、産業構造変化を見据えたスキル体系や標準等の整備、また、リ・スキリングのプログラムの修了証明、また学習履歴をデジタル化・可視化していくということ、こういったことにも取り組む必要があると考えております。
それから、9ページに参りまして、リ・スキリングを目指す方々への支援の充実ということで、この後、厚生労働省さんから御説明あると存じますが、様々な負担軽減策の一覧化、また活用例の作成、また、利便性の高いポータルサイトの構築ということ、さらに4番目でございますが、リ・スキリングへの全国的な機運の醸成、またKPIを設定した着実な取組の推進ということを必要と考えているところでございます。
続きまして、2つ目のテーマでございます専門学校における実践的かつ専門的な職業人材育成の方策につきまして御説明をさせていただきます。11ページを御覧いただければと存じます。
専門学校、専修学校の専門課程を専門学校と称しておりますけれども、専門学校は、高等学校等における教育の基礎の上に、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図るというものでございまして、この表にございますように、大学に次ぐ規模で社会に人材を供給しているという学校でございます。
その次のページ、12ページを御覧いただきますと、専門学校における分野別就職者の状況ということでお示ししておりますけれども、専門学校は特に学校で学んだ分野に関する資格なども取得するケースも多ございますけれども、学んだ分野に就職するという割合が非常に高いということが特色の1つでございます。
それから、13ページを御覧いただきますと、専門学校修了者は地元就職の割合が高いということで、県内の大学を卒業された方に比べまして、県内の専門学校を卒業された方が県内に就職(内定)する比率が高いという特色がございます。
駆け足で恐縮です。14ページを御覧いただければと存じますけれども、専門学校、今申し上げましたように、我が国の産業界、特に地方でエッセンシャルな分野におきまして、高校卒業者だけではなくて、社会人のリ・スキリングといった観点からも多くの人材を受け入れ、育成し、専門人材として輩出していく役割を担ってきております。
また、柔軟な教育課程の編成が可能という特色を生かしまして、その時々の人材需要、また学ぶ側のニーズに対応した教育を行っているということ。
また一方で専門学校は学校教育法のいわゆる一条校というものではなく、所轄庁は都道府県ということになっておりまして、国からの経常的な補助が行われているものではございません。ということで、民間の教育機関に類似した経営が中心ということになってきております。
そこで、課題のところを御覧いただければと存じますけれども、今後、専門学校の特性を生かして人材育成を進めていく上で、特に各地域、例えば都道府県単位で今後必要な分野の人材を育成するということを考えた際に、AIやデジタル技術の活用をはじめとする生産性の高い人材を育成するための教育への転換を図っていくことが必要であると考えております。
また、各地域で人材需要を満たす人材供給を維持するための取組。専門学校は小規模なところもございます。小規模でも人材需要にとって重要な分野もございますところ、こうした供給を維持するための取組というものが重要になってまいります。
そこで15ページでございますけれども、最後のところでございますが、今後どのような方策を検討していくかということでございます。今申し上げましたような各地域で必要となる人材を育成するために、それぞれの所轄庁である都道府県を中心に、専門学校の教育環境を整え、教育の質を向上させていくための取組というものをいかに支援していくかということが重要になってまいります。
そのために都道府県単位等で地域の人材需要とその対策を検討する場というものが数多く今後設けられていくと思いますけれども、その際に大学のみならず、ぜひ専門学校の関係者の参画を得るなど、連携を強化していくということが重要であると考えております。
また、少子化に対応していくという意味でも、教育の質を確保しながら、遠隔授業など、重要な制度運用を図っていくということ。
また、専門学校教育の質の向上のための評価を含めましたそれぞれの学校の努力というものをいかに支援していくかということが重要になっているかと考えております。
ということで、すみません、大変駆け足でございましたけれども、説明は以上でございます。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。
続いて、本日お越しいただいております厚生労働省、経済産業省より両省におけるリ・スキリングに関係する取組の現状について御説明をいただきます。初めに、厚生労働省、蒔苗審議官、よろしくお願いいたします。
【蒔苗厚生労働省大臣官房審議官】 おはようございます。厚生労働省でリ・スキリングと外国人雇用を担当しております蒔苗でございます。どうぞよろしくお願いします。
では、資料に基づきまして、厚生労働省のリ・スキリングに関する政策を御説明いたします。資料2の1ページを御覧ください。
リ・スキリングを含む人材開発の現状でございます。まずは企業側の人材投資のデータでございます。左側ございますように、OFF-JTの実施状況につきましては、コロナで一旦落ち込みになるんですけども、3年以降、正社員に関するOFF-JTの割合は徐々に上昇傾向にございまして、直近では71.6%となってございます。また、正社員以外に対する実施割合は、令和6年度において若干持ち直しをしてございます。
企業規模別にOFF-JTの割合を見たのが右のグラフでございます。こちら御覧いただきますと、小規模企業のほうがOFF-JTの実施率が低くなってございます。正社員につきましては、従業員49人以下の企業で実施率がコロナ前を上回っておりますが、それ以外のカテゴリーにおきましてはコロナ前を下回っている状況にございます。
資料の2ページでございます。今度は労働者の自己啓発の実施状況と理由を見たデータでございます。まず左側の折れ線グラフでございます。自己啓発の実施割合につきましては、正社員が45.3%、正社員以外で15.8%となってございまして、近年は正社員はおおむね横ばい、正社員以外はやや低下傾向で推移してございます。
自己啓発を労働者が行った理由につきまして聞いたデータでございますが、右側の棒グラフを御覧いただきますと、「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」が最も多く、次に「将来の仕事やキャリアアップに備えて」が多くございますけども、「転職や独立のため」という割合は1割程度となってございます。
こうした状況を踏まえまして、厚生労働省として行っているリ・スキリングの主な施策のポンチ絵でございます。まず、左側の上でございます。個人への支援でございます。個人の方々に対しましては、一番大きいのは、離職者の方々に対する無料のハロートレーニング、公的職業訓練でございますけども、こちらは求職者が無料で受講できる訓練でございます。
2つ目の教育訓練給付等というのがございます。こちらは労働者の方が自発的に自分のリ・スキリングをする場合の支援でございまして、教育訓練給付金につきましては、文科大臣や経産大臣が認定した講座などを含め、厚生労働大臣が指定した講座を受講して、修了した場合に受講費用の一部を支給する制度でございます。詳細は12ページにつけてございますので、御覧いただければと思いますが、講座の内容によって2割から8割の給付を行ってございます。
また、これに加えまして、昨年10月からは、いわゆる自己啓発休業、企業において無給の休暇を取得した労働者の方々の生活保障として、新たに教育訓練休暇給付金、リ・スキリング等教育訓練支援融資事業等を実施してございます。
これに加えまして、真ん中にございますけども、キャリアコンサルティングも個人の方に支援してございます。こちらは労働者の方々の職業生活設計や職業選択、能力開発を支援するキャリアコンサルティングの実施でございます。
右側が企業への支援でございます。企業に対しましても、公的職業訓練の中で、いわゆる在職者訓練を全国の訓練校を通じてやってございます。
2点目は、企業が委託を含めて自ら社員の方に訓練した場合の支援でございまして、人材開発支援助成金でございます。こちらは令和8年度におきまして537億円の助成金でございますけれども、事業主の方が社員の方に対しまして、職業訓練、研修等を行った場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成しているものでございまして、今、人への投資期間でございますので、最大75%の助成を行ってございます。
これに加えまして、特に中小企業の場合には、どんな訓練を社員にやればいいんだろうというところがなかなか分からない企業さんもございますので、そういった方々に対しましては、真ん中にございます生産性向上人材育成支援センターというのが全国にございますので、こちらでどんな訓練をこの会社でやったらいいかという相談に乗ってプログラム策定の支援というのも行ってございます。
これらに加えまして、下のほうにございますけれども、いわゆるリ・スキリングの関係の基盤の強化といたしまして、労働者のスキル、労働市場の見える化等を行う職業能力評価制度、技能検定でありますとか、あるいはそういった技能検定を生かして、いわゆるオリンピック、技能五輪というのをやってございます。技能五輪の国際大会、技能五輪全国大会ございますが、今年度、全国大会は愛知で開催されますけれども、従来は建設、製造等のものづくり中心でございましたが、最近は職種も増えておりまして、西洋料理とか、理美容とか、フラワーアレンジメント、今年からは、介護サービスも技能五輪全国大会の中で実施予定となってございます。
次、4ページでございます。デジタル人材の育成に向けまして、政府全体で、デジタル田園都市国家構想基本方針に基づきまして、2026年度までに5年間で230万人の人材育成を関係省庁連携してやってございますけれども、このうち厚生労働省につきましては、そこの青枠でございますように、2024年度は教育訓練給付金や公的職業訓練、人材開発助成金を用いまして年間13.5万人の育成目標となってございます。
次、5ページでございます。具体的な内容でございます。左側が離職者向けの訓練、ハロートレーニングでございますけども、こちらにつきましては、1つ目の丸にございますけれども、デジタル分野の訓練コースの設定を促進するために、DX推進スキル標準に対応した訓練コースですとか、IT分野、ウェブデザインの資格取得を目指すコース等につきまして、訓練機関への委託費等を上乗せして支援してございます。
また、デジタル分野のオンライン訓練につきましては、パソコン等の貸与に関する経費についても委託費等の中で対象にしてございます。
下でございますけれども、離職者及び在職者向けの支援といたしましては、先ほども出てまいりましたけれども、雇用保険制度の中におきまして、労働者が自ら費用を負担して、
厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、修了した場合に、受講費用の一部、2割から8割を支給する教育訓練給付金がございます。こちらにつきましては、経産省さんの大臣が認定いただいております第四次産業革命スキル習得講座のうち基準を満たすもの等につきまして給付金の対象としておりますし、現在も関係省庁と連携してデジタル分野の講座指定を促進してございます。
右側でございます。企業向けの支援でございまして、先ほども出ました人材開発支援助成金でございますが、こちらにつきましては、高度なデジタル人材の育成のための訓練を高率助成、75%してございますけれども、IT分野未経験者の即戦力化のための訓練ですとか、eラーニングで効率的に受講できるサブスク型の訓練等も助成してございます。
下が先ほど御説明いたしました中小企業等の方に対して、社員への訓練内容をアドバイスする生産性向上センターの支援も行ってございます。全国に87か所ございまして、訓練コース、そこにございますように、クラウドとかビッグデータとかAI活用等がございます。
6ページでございます。現在、厚生労働省におきましては、職業情報はjob tag、ハローワークにおきまして、求人情報はハローワークインターネットサービス、職場情報や企業情報等として「しょくばらぼ」をやってございますけれども、ちょうど来月公開予定でございますけれども、これらを全体をつなぎまして、労働関連ポータルサイト「みんなの労働ナビ」と言っておりますけれども、こちらにつきまして、来月公開予定でございまして、来年度はこれらにつきまして、情報連携の強化を行うこととしまして、各種申請画面の遷移ですとか、AIによる訓練検索への活用も検討中でございます。
最後でございますけれども、7ページでございます。全世代型リ・スキリング国民運動でございます。リ・スキリングにつきまして、その重要性や必要性の認知・理解を促進しまして、様々なレベルでの取組や国民の中でのさらなる機運醸成を図るために、企業、大学等の教育訓練機関や業界団体あるいは労働者におきまして国民運動を開催してまいりたいと考えてございます。経産省さんや文科省さんなどとも連携してまいります。
こちらにつきましては、令和8年度からの3年間の事業として組み立ててございまして、2028年度に先ほど申しました技能五輪国際大会が21年ぶりに日本で開催されまして、名古屋で開催予定になっておりますけれども、そこの28年に向けて、集中取組期間として国民運動をやっていきたいと思ってございます。
国民運動の内容につきましては、下にございますけれども、有識者会議等を設置しまして、シンポジウム。シンポジウムやりますけれども、こちらも一方通行のシンポジウムだけではなくて、来場者との相互系イベントとして、来場者のワークショップ等も検討してございます。関係省庁さんとも連携しながら、こういった国民運動も進めてまいりたいと思ってございます。
最後、8ページ以降は、労働市場改革分科会の資料でございますけれども、こちらにつきましては、第1回が来月11日となっておりますので、説明は省略させていただきます。
私から以上でございます。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。
【畠山経済産業省経済産業政策局長】 皆さん、おはようございます。経済産業省の畠山でございます。
それでは、資料3をお開きいただければと思います。経済産業省の取組についてという資料でございます。
1枚開けていただいて右下2ページでございますけれども、今後の産業構造変化を見据えまして、最適な人員配置をいかに実現していくかということでございまして、下に絵がありますけれども、産業に必要なスキルの可視化を行い、そのスキルに合ったリ・スキリング、教育を行うということで、右下ですけれども、企業もそのスキルに応じて採用する、あるいはスキルのレベルなどに応じた処遇をしっかりするという、この3つをうまく掛け合わせることが大事だと思っております。
具体的には次のページを御覧ください。それぞれ紹介しますけれども、スキル情報の可視化。まず下の絵の左側を御覧いただければと思いますけれども、まずスキル標準、これを策定いたしまして、その上で、そのスキルについての需要、あるいは処遇、これも賃金水準含めて可視化をしていくと。一部、今、job tagでもやっていただいていますけれども、こういったことを進めていくというのがまず可視化のところでございます。
その上で、真ん中のところですけれども、そのスキル需要に応じた講座を充実していくという、このリ・スキリングを拡充していくということをいたします。
その上で、しっかり労働移動を促していくということをしなければいけませんので、個人個人がどういう講座を受講して、どういうスキルを習得しているか、これまでどう蓄積してきているのか、こういったことを証明できるデータベースを整備していきたいと考えております。その上で、そのスキルに基づく企業側の求人・求職、そして企業側の処遇、こういったこともしっかりと分かるようにしていきたい、こういうことでございます。
それぞれについて順に御紹介いたしますけれども、右下4ページを御覧ください。これは産業横断のスキル体系をつくっていくことのイメージでございまして、現在、職業関連の情報、あるいは、これはjob tagなんかでもございますけれども、それから各社の求人情報、こういったことを基にAIを用いてスキル情報を抽出いたしまして、特に戦略分野に関連する職種中心に業界団体と連携しながら職種ごとに必要なスキルを整理したいと思っております。
下の絵を御覧いただきますと、真ん中の段、カテゴリー、スキルということで書いてございますけれども、カテゴリー約30、スキルについては、細かく1,300ぐらいのスキルに分解をしたいと思っております。その上で、職種ごとに必要なスキルを特定するということで、例えば生産工程従事者であれば、半導体製造従事者はこういうスキルが必要ですよというようなことで整理していきたいと思っております。
さらに次のページを御覧ください。これもまた具体例でございますけれども、これは左側が半導体製造従業者に求められるスキルということで、重要度に分けてどんなスキルが必要なのかということを整理した。こんなイメージでございまして、右がバイオテクノロジー技術者ということでございます。
6ページを御覧ください。そういったスキルをしっかりと整理した上で、そこに必要なスキルを身につけるためのリ・スキリング、これを拡充していきたいということでございまして、先ほど厚労省さんからも言及ございました教育訓練給付金の下で、第四次産業スキル習得講座ということでやっておりますけれども、これはIT関連分野のリ・スキリング講座でございますけれども、これを拡大していきたいと。これに座学だけではなくて、むしろ実践的なプログラムを追加すること、あるいは文科省さんとも連携をして、大学などにおけるリ・スキリング実施体制の拡充を進めていきたいということでございます。
7ページを御覧ください。前回この会議で私のほうから今後の産業構造の変化、これに伴って就業構造がどう変化をし、どういう職種の人、あるいはどういう学歴の人が不足をするのか、あるいは一方で余るのか、こういったことも御紹介させていただきましたけれども、そういったことも念頭に置きながら、地域人材育成構想会議というものを開催して、必要な人材育成を行っていくということを地域ごとに進めていきたいと思っております。
これはもちろん最初の趣旨のところにありますように、地域における産業需要ですとか人口動態を踏まえて、戦略的な産業人材育成を進める必要があるということでございますので、構成員のところにございますように、産業界、教育界、労働界、そこに自治体にも入っていただいて、具体的な人材育成について進めていくと、この議論をするということでございます。それが地域人材育成構想会議ということでございます。
中身といたしましては、2ポツのところにございますけれども、地域別の人材需給推計を共有した上で、産業界と教育機関、訓練機関の先進的な事例を共有し、そういった連携をしていくための取組について議論を行っていくと、こういうことでございます。先行して2月2日に北海道で開催済みでございます。
ちなみに今、好事例ということを申し上げましたけれども、8ページを御覧ください。まさに産学官が連携して、人材育成事例、いいものが出てきております。下のところを御覧いただければと思いますけれども、北海道では洋上風力、ますます盛んになりますけれども、こういった分野での人材育成、これを行ってございますし、北陸ではバイオ分野、これは企業版ふるさと納税などを活用して行っております。右側、これは四国でやっていますけれども、情報システム分野でございまして、これは文科省さんの予算も使いながらうまく連携しながらやらせていただいていると、こういうものでございます。
その上で、先ほど御紹介した北海道での懇談会ということでございますけれども、主な意見のところを少し御覧いただければと思いますが、北海道全体の将来像を踏まえて、産学官一体となって必要な人員構成や育成戦略を検討する必要があるという御意見ですとか、初等中等教育段階から企業が教育の場に参画をすることが重要だという御意見ですとか、若者の育成だけではなくて既存産業の人材に対してリ・スキリングが必要だということですとか、あるいは生成AIの時代に、知識詰め込み型、これはもちろんAIに取って代わられるということだと思いますけれども、むしろ研究的かつ実践的な教育への転換が必要と、こんな議論がされてきたというところでございます。
10ページを御覧ください。スキルを習得した人を適切に採用して、スキルのレベルに応じた処遇を正しくするということで、そういう人材を正しく活用することが大事ということでございまして、人的資本経営を企業が行っていくということを今進めております。まさに人材をコストではなくて資本として捉えるということがポイントだと思っておりまして、人的資本経営を実践、そして開示する、この両面から促進をする取組として人的資本経営コンソーシアムというのを設立し、今年の4月からはそれを一般社団法人化するということで、ますます取組として進めていきたいと、このように思っております。
それから11ページ、それとも連動いたしますが、人的資本経営あるいは人的資本投資、どういうことをやっているのか、それを可視化するための取組でございまして、人的資本可視化指針というものを2022年につくっておりますけれども、このたびそれを改訂したいと思っております。
まさに今回の改訂は、実際有価証券報告書などに記載をする事項について内閣府令を改正して盛り込むんですけれども、それと連動させて、企業が経営戦略と連動した人材戦略、人的資本投資、これを実践しているかどうか、その上でその情報開示を通じて資本市場、労働市場との対話を進められるようにするための指針でございます。
下のところを御覧いただきますと、左側のところの吹き出しで企業の現状と、ちょっと小さくなって恐縮ですけれども、今ももちろんこういう人的資本関係の開示はしているところではあるんですけれども、一般的な開示、例えば女性管理職の比率ですとか、エンゲージメントサーベイの結果を書くのみにとどまっておりまして、経営戦略がこういうことになっているので今後こういう人材が必要だというような、経営戦略と連動した人材戦略が開示される格好にはなってないということでございまして、内閣府令とも連携をいたしましてこの可視化指針を改訂してまいります。
ポイントは右側にありますけれども、申し上げたように、経営戦略と人材戦略を連動させていくこと、まさに人的資本投資をどう考え、どう実践するか、具体的なステップ、考え方を整理していくということだと思っております。
それから、好事例も整理をしていくということ、こういったことを踏まえて改訂をしていきたいということでございます。
最後、12ページ、具体例で、これは好事例でございますけれども、これはSHIFTという株式会社で、ソフトウエアのテストをやる、そういう会社なんですけれども、経営戦略としては、ソフトウエアテストを主力としながらも、上流工程から開発工程、あるいは付随するサービスを拡大していこうということを目標に掲げていまして、そういう中で、じゃあ、どういう人材が必要になってくるのかということを連動させておりまして、開発などの大規模案件を担うことができるプロフェッショナル人材が必要だということで、それに基づいて人材採用基盤の構築もやって、結果として、プロフェッショナル人材の在籍人数を相当増加させたと。
こんな事例でございまして、下の絵を御覧いただきますと、まさに大型案件ニーズを拡大しているということで、所得層も高いプロフェッショナル層、こういうところをどんどん伸ばしていくんだということ。一方で、若手人材の稼働率の低下も踏まえて、むしろ給与水準の低い方のところは採用を絞り込むというようなことで、メリハリをつけた、そういう人材戦略をやっていると。
こんな例でございまして、こんなことを行いながら、冒頭申し上げたスキル標準を、スキルの可視化をするということ。それからリ・スキリングをしっかりやり、それを企業がしっかりと採用し、処遇をするという取組を、これは文科省さん、それから厚労省さんと連携しながら進めていきたいと、こういうものでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
【中安生涯学習推進課長】 畠山局長、蒔苗審議官ありがとうございました。ここで清水大臣政務官が御退席されます。
それでは、これまでの御説明を踏まえまして、委員の方々から意見をいただきたいと思います。大変恐縮ですが、本日10時半までの会議を予定しておりまして、今9時40分過ぎでございますので、お一人5分程度での御発言という形でお願いできればと考えてございます。恐縮でございます。
まずは、リ・スキリングについて、産業界の立場、アカデミアの立場、個人としてリ・スキリングに取り組まれたお立場、業界横断の人材育成に取り組まれているお立場の順で御発言いただきます。その後、専門学校の関係で御発言いただきます。なお、佐藤委員におかれては本日御欠席でございますけども、意見書を御提出いただいております。資料の4-1でございます。簡単に御紹介させていただきます。
冒頭前文4行の2行目の後半からですけれども、2040年の就業構造の変化や労働需給のミスマッチを踏まえ、産学連携によるリ・スキリングと専門学校の役割強化を軸に整理されており、方向性としては極めて妥当とおっしゃっていただいた上で、(1)、リ・スキリングと大学院の利活用でございます。OECD諸国と比較して、日本では長期雇用を前提とし、外部で取得した学位や資格が賃金、ポストに直結しにくい傾向がある。転職市場でも学修歴より職務経験が重視されやすいとの御指摘をいただいた上で、次のポツですが、リ・スキリングについては、大学、企業、従業員の3者の連携と相互理解を前提とした制度設計が求められるという御指摘をいただいております。
また(2)でございますけども、専門学校と地方私大の役割分担という中で、エッセンシャル分野を支える人材不足が懸念される中、担い手として専門学校および地方私立大学は重要な役割を果たし得るという御指摘をいただいた上で、最後のところでございますけども、専門学校と地方私立大学の連携も視野に入れた制度設計が重要ではないかという御指摘をいただいております。
それでは、最初に、産業界を代表して小路委員から御説明いただければと思います。
【小路委員】 ありがとうございます。経団連の小路と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど松本大臣から社会の変化に対応した教育の仕組みの構築というお話がありまして、我々産業界も全く同感でございます。言葉の問題ですが、産学連携からさらには産学融合まで踏み込んでこのテーマを進めていきたいと考えております。
本日は、産業界から見たリ・スキリングと職業人材の育成について申し上げます。資料は4-2でございます。これを御覧いただきながらお話をさせていただきます。
まず1ページでは、リ・スキリング、リカレント教育をめぐる経団連の基本的な考え方を整理いたしました。リ・スキリング、リカレント教育は個人が継続的に能力を高めることで、企業の成長、ひいては企業の成長が産業、さらには国全体の成長につながる基盤になると考えております。
ただ、実態としては、ここには書いてありませんが、労働者のスキルに関する日米の調査によると、新たなスキルを習得したいと思わないと回答した労働者が、米国では僅か3%に対して日本ではまだ30%に及んでいる、つまり、端的に申し上げますと日本では3人に1人がリ・スキリングに消極的であるという結果も公表されております。
働く一人一人には、自らの適性、また希望に基づいた主体的にキャリアを築く「キャリアオーナーシップ」の発揮が求められると考えます。
その実現には、官民が連携して、政府や企業が学ぶべき方向性を示し、学びを支援する環境を整備することが大変重要だと考えます。
さらに社会全体への展開に向けて、大学の組織的な対応が進むことを産業界としては大いに期待をしたいと思います。
次に2ページでは、働き手のリ・スキリング、リカレント教育を推進するための個人、そして企業、政府それぞれの役割について整理いたしました。個人には、先ほど申し上げましたキャリアオーナーシップを発揮し、主体的に学び直すことが求められております。
また一方、企業は、能力開発支援などの投資、学びを活かす社内制度の整備、また必要なスキルを明確化するジョブ型の雇用を進めることが大変重要であり、産業界では、メンバーシップ型からジョブ型への転換が進められている状況です。
当社の事例で恐縮ですが、当社にはホールディングの下に日本の事業を統括する中間持ち株会社(アサヒグループジャパン)がございます。この中に、キャリアオーナーシップ支援室という部署を設け、キャリアコンサルタントの資格を持った社員が10人程度所属しております。グループ社員向けのキャリア相談、またセミナーやワークショップの開催を通して、社員の自律的なキャリア形成を支援する支援制度を行っております。もちろん転職についての相談も積極的に受けております。それによって良い労働移動ができればと考えております。
政府には、産業構造の変化を踏まえたスキルの可視化を進めるということをお願いいたします。これは先ほど経産省より十分な御説明をいただき、うまく進んでいると感じております。
併せまして、教育訓練給付あるいは職業訓練制度の拡充にぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、また先ほど申し上げたキャリアオーナー支援といった組織の拡充もぜひお願いしたいと思います。このキャリアオーナー支援については、先ほど厚労省からキャリアコンサルティング支援の説明がございまして、これもうまく進んでいると感じました。
こうした取組がそろうことで、リ・スキリング、リカレント教育がより効果を発揮すると考えております。
次に、3ページ、4ページを御覧いただければと思います。ここでは雇用保険制度における働き手支援のメニューをつけております。政府には、雇用保険の一般教育訓練給付金、あるいは支給要件緩和、新設された雇用保険の教育訓練休暇給付金、そしてリ・スキリング等教育訓練支援融資制度の周知、運用、効果検証をお願いしたいと思います。
次に5ページを御覧いただければと思います。大学におけるリ・スキリング、リカレント教育の期待を2点申し上げます。
1点目は、社会人が受講しやすい時間、場所、また期間の面で柔軟な形態のプログラムの充実でございます。
オンラインあるいはハイブリッド型、短期間で学べるプログラム、モジュール型の設計も求められます。
さらに、マイクロクレデンシャル等、学習成果を可視化する仕組みを整備して、学び直しの成果がキャリアにつながる環境を整えることが重要だと考えます。
2点目は、産学連携による教育プログラムの構築でございます。大学と企業が連携し、企業ニーズを踏まえた教育プログラムを協働して策定していくことが有効です。これにより、協定等を通じて企業側からリ・スキリング、リカレント教育の資金を呼び込むことが期待できると考えておりますし、実際に取組が進んでおります。これは企業の人材戦略と連動した体系的なリ・スキリング、リカレント教育を構築する点でも意味があると考えております。
次に6ページでございます。ここでは大学と政府に期待する役割について申し上げます。大学には、リ・スキリング、リカレント教育を教育・研究活動に改めて位置づけ、組織的・継続的に取り組むための改革を進めていただくことを期待したいと思います。
そのためには、大学横断的・組織的に対応できる体制を構築し、学内の複数分野の知を組み合わせた教育プログラムの設計が求められると考えます。
あわせて、産学連携を円滑に進めるためのコーディネーター機能、また人材の強化も大変重要だと考えております。
さらに、大学財源の確保や適切な教員配置を進めることが求められます。
あわせて、教員による社会人教育への貢献、産学連携への関与、教育プログラムの企画運営などが適切に評価される仕組みを整備していく必要があると考えております。
政府には、大学横断的な体制の有無を把握していただき、取組を進める大学の評価と支援をお願いしたいと思います。
最後に7ページ以降につきましては、今月17日に公表いたしました大学等との産学連携に関するアンケート結果からリ・スキリング、リカレント教育に関する内容を抜粋しておりますので、これは経団連の資料として後ほど御覧いただければと思います。
私からは以上でございます。
【中安生涯学習推進課長】 小路委員、ありがとうございました。続きまして、平松委員、お願いいたします。
【平松委員】 富士通のCHROの平松でございます。よろしくお願いいたします。
富士通は、人材戦略の御紹介、特にジョブ方の雇用とかジョブ型の人材マネジメントというキーワードが出ておりますが、それといわゆるリ・スキリングとかスキル関係のことが非常に関連が深いということで、取組を御紹介したいと思います。
次の1ページ目を御覧ください。富士通のジョブ型人材マネジメントの特徴は、いわゆるグローバルスタンダードなジョブ型の仕組みを変に日本的なものとかを入れずに一貫性が大事だということで導入したというところにございます。ジョブ型人材マネジメントフルモデルチェンジと表現をしておりますが、まずは、会社の目指す方向性や競合との関係などを見ながら、組織設計をしますと。組織設計をして、それぞれのジョブやポジションの定義をし、そのジョブの職責の大きさや求められる専門性に応じて、ジョブと報酬を関連づけます。その上で、いわゆる採用であったり、ポスティングという社内公募などの人材流通マネジメントの権限を実際のビジネスの責任者、本部長とか、そういう人たちに権限委譲します。そういう環境の中で、社員は、そこでオープンになっている様々なポジションに自ら手を挙げてジョブやポジションを勝ち取っていく。そのために自ら学ぶという、この全体的な一貫性を非常に重視をした設計にしております。
次の2ページ目で、このジョブ型人材マネジメント、狭く言うと、ジョブディスクリプションを書いて、そこに報酬をというところが着目されがちなんですが、ジョブ型の本来的な意味は、日本型の人事の仕組みというのは人材を長期的に抱え込む仕組みなんですけども、人材の流動を前提としているのがジョブ型なので、富士通の場合は、ポスティング、いわゆる社内公募、これを大幅に拡大して、人材の流動を1つのドライバーにしていくということを重視しています。
次の3ページ目、ここに会社が本気で取り組むということで、様々な情報や機会をオープンにしたところ、国内で、富士通は7万人の会社なんですが、制度を導入してから5年間の間に延べ3万5,000人の人がポスティングに手を挙げて挑戦をし、うち1万3,000名が合格して異動するという、恐らく国内最大規模の主体的な意思による人材の流動が実現できているとなっております。
次のスライド4ページ目ですね。これの前提が、まさにキャリアオーナーシップで、大半の社員は、配置転換や昇進は会社や人事や上司が決めるものだ、それに黙って従うんだという頭でずっとやっていたんですが、そうじゃなくて、自ら目指すポジションを決めて、それに向けて学ぶんだよと。
そのためにはキャリアオーナーシップの教育機会、徹底的にやらなきゃいけないということで、キャリアオーナーシップってどういうこと、もしくはそういうことを仲間と一緒に話し合うような理解と浸透の施策、さらには学びの機会として、「Fujitsu Learning EXperience」という学びのポータルをつくりまして、そこにUdemyであったり、LinkedIn Learningであったり、社内の教育であったり、様々な学びと、それから、どういうロールやどういうポジションではどういうスキルが求められているので、そのためにはこういう教育がお勧めですよみたいなことも、一覧性があるような形で見れるようにしているとか、それから、挑戦の機会でいうと、まさにポスティングの拡大に合わせて、「job チャレ!!」とか「Assign Me」というのは、社内インターンシップとか社内副業の機会も、これを公募して、どんどん何があるかを見てください、とした。
一番右の自律的な風土でいうと、「Work Life Shift」というのは、働き方についても、働く時間や場所を自らデザインして最適なところでやってくださいと。こういうふうに全体的に主体的に自ら選ぶんだよという形にしています。
次のスライドで5ページ目。もともと自己啓発、あまりやらずに、会社やお客様のために目の前に仕事にがむしゃらにという会社だったんですが、このような環境を整えた、もしくはポスティングで人が流動し始めた影響だと思いますが、UdemyやLinkedIn Learning、1人月にどのぐらいやりなさいみたいなことは一切言っていませんが、5年間で学ぶ時間、学んでいる人が5倍以上に増えてきたと、主体的に学ぶようになってきたということでございます。
次のスライドで、こういった流動を力にするということ、まさに真ん中にある成長事業に人材をシフトしていくんだ、もしくはこの領域、このロールはこれからどんどんシュリンクしていくんだみたいなこともオープンにして、そこに向けて、それに合わせた処遇とセットで社員とも共有していくと。そこに、こっちに、この学びをすれば将来可能性あるなとか、もしくは成長領域がどんどんポスティングにかけられるとか、そういうふうにしていくと、成長事業の財務のところにもちゃんとひもづいてくる。このようにリターンがある程度イメージができれば、しっかりと処遇を上げていくであったり、リ・スキリングのための投資をするということがちゃんとひもづいていくということでございます。
最後、7ページ目で、産官学によるリ・スキリング、エコシステムの構築に向けた要望事項ということで、1点目はまさにキャリアオーナーシップということで、これはもう学生時代、何なら中学、高校ぐらいから社会人になって、それからずっと何年たっても常に自分のキャリアということを考え続けるという、そういう機会をやっぱりまさにつくっていくべきだなということ。
それからリ・スキリングにおける大学への期待ということで、これからITの時代になっていきますし、様々な専門性ももちろんなんですけれども、Howを学ぶよりもWhyやWhatを考えなければ仕事がなくなるような時代になってくると思いますので、そういったことこそまさに大学ならではの教育なんじゃないのかな、と思う。いいものがあるんだとは思うんですけれども、企業人にとっては非常に分かりづらいというか、あまり魅力的に見えないようなお示しのされ方をされているのでもったいないなと思いますので、その辺りを改善していただければなと思うということ。
それから、やはり環境整備ということで申しますと、産官学、やはりエコシステムを本当に機能させるのはお互いの相互理解が非常に大事なんですが、やっぱり人材交流をして本当に現場でやってみないと理解できないだろうということで、人材交流を活性化してはいかがでしょうかということと、それから省庁横断で利用者の視点で分かりやすい、そういうポータルサイトや補助の仕組みの提示の仕方などなどが求められるかなと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
【中安生涯学習推進課長】 平松委員、ありがとうございました。
続きまして、アカデミアで須賀委員、お願いいたします。
【須賀委員】 それでは、私から早稲田大学のリカレント教育の取組について簡単に御紹介をさせていただきながら、そこで直面している問題について御紹介できればと思います。
最初の2ページぐらいは、これまでの早稲田大学の社会人教育の歴史が書かれておりますので、御参考にしていただければと思います。
その次のページを開けていただけますか。
今度、実施体制をというので、ようやくコンティニューイング・エデュケーション推進室という、全学のワンストップ窓口をようやく2025年につくったということです。それまではばらばらにいろんな社会人教育が行われてきたということが御理解いただければと思います。その後、具体的にどのような方法で社会人教育をやってきたかということで、中心的なのはその次のページを、次の次ですかね。
社会人のための入学試験。要するに、これまでは大学は大学の授業の中に勉強したい方に入ってきていただくという形を中心としてやってきているということで、正規の科目を履修をしていただく。それで入ってこれない場合には、もう少し違った形で科目等履修生というような、そんな仕組みをつくっていた。それが若干進んでまいりまして、夜間開講の大学院をつくったり、専門職大学院をつくったりと、こういったような形のものを始めてきたということがございます。
すみません、ページ番号がないので、その次の次のエクステンションセンターというところから行っていただけますでしょうか。いろんな形で社会人教育をやってまいりましたが、一つがオープンカレッジに相当するエクステンションセンター、これがかなりの歴史を持ってやってまいりました。
それから、その次のページがビジネス・ファイナンス研究センターで、ここがエグゼクティブ教育を中心としながら、あるいは企業からのニーズに応じてカスタマイズした研修を行うというようなところでやってまいった非正規の課程ということになります。
それから、その次のページを御覧ください。これが日本橋で開校しております非正規の講座群ということになりますが、多くの履修証明プログラムをここではやっております。
その次のページから、若干そこでのプログラムの中身についての御紹介をさせていただきたいと思います。まず、スマートエスイーIoT/AIコースとDXコースという2つのコースから成るものでございますが、AI、IoT、ビッグデータ、人工知能の各技術を活用したサービスの分野の教育を行うプログラムということになっております。
ここでの講座につきましては、教育訓練給付金とか、あるいは職業実践力育成プログラムの認定を受けているプログラム等が走っておりますが、次のページを御覧いただきますと、早稲田リーダーシップカレッジ、それからその次に早稲田マーケティングカレッジ、その次がデータサイエンス実践講座、そしてその次にキャリア・リカレント・カレッジといったものが先ほどと同じような職業実践力育成プログラムの認定を受けておりましたり、職業訓練交付金の認定を受けているような講座になっております。
それから、そういったものとはまた外れまして、次のページに早稲田公共政策カレッジというようなものと、その次のページに、同じく非正規で履修証明プログラムでございますが、Life Redesign College。こちらは1年のコースになっておりますけれども、多くの方が継続して履修をされているということで、本当に大学の行き直しのようなことがここでは行われているということになります。
それから、その次のページを御覧いただきますと、先ほど出てまいりました文部科学省のリカレント教育エコシステム構築支援事業の認定を受けたものが幾つか紹介されております。先ほどのスマートエスイーのプログラムと、それからその次のページにありますChief Marketing Officerのプログラムというものがございます。中身についてはその次のページに書かれておりますので、内容を御覧いただきたいと思います。
そのほか、その次が地方創生に関するものとして、観光地域経営人材育成プラットフォーム構築支援というものが、北海道を軸として以下のような形で展開されてまいりました。
それから、その次のページがオックスフォードのサイードビジネススクールと共同で始めます経営/リーダー人材で、The Global Leader Acceleration Programというものでございます。
ここまでが短期のプログラムですが、その次が、これは産学連携の一つの例として御紹介をさせていただきたいと思います。三菱電機との人材育成における産学連携をやっておりまして、グループの社内研修にプログラムを提供するという形になっております。
具体的な中身はその次のページを御覧いただきまして、直接に提供しているデータ科学の科目と、それから先ほどのスマートエスイーのものを組み合わせて三菱電機様に提供している講座ということです。中身を検討する上で相当に先方との連携を強めていったということですが、三菱電機様との包括連携の中で、教育連携についても何かできないかということでこんな話がうまく進んだということになっております。
その次のページから我々が問題だと思っているところなんですが、まず1番目は教員の負担で、教員というものの位置づけが結構難しい。大学では教員は、教育、研究、それから公務、そして社会貢献となっておりますが、実はこういう社会人教育に携わる方については、この活動は社会貢献として扱われていて、正規の仕事とはなかなか位置づけられていなくて、そのためにインセンティブについても十分な制度ができていないというような状況になっております。
それから、次は実施時間で、土日、祝日といったような要望があって、これがまたなかなか参加してくれる方をリクルートするのに難しい。
その次のページに、実施の形態が、いろんな形で要望がなされておりますが、これに対応するということがなかなか難しくございます。大学教員として、もともとは対面での授業をメインとしてやってきた方々が、コロナを契機にオンラインやオンデマンドの講義を始め、それを利用しながら社会人教育へというふうな形の流れになっておりますので、もともと産業界で要求されているものにうまく対応できるかというと、かなりの問題があるかもしれません。
次のページからは、実は競合者が多数いて、しかもその次のページ、コンテンツの無料化やサブスク化が進んでいるので対応が大変ということと、教員がオンデマンドの教材を作りますとしっかりと作ってくれますが、すぐに陳腐化が進んでしまうといったようなことが起こってきてしまいます。それが結局は集客難や収益の悪化につながっているということです。一番最後のページにちょっと飛んでいただいて、こういった経験を通じて何を思っているかといいますと、どこを対象としてこういうふうなリカレント教育を提供できるかというところです。一番抜けていそうなところというのは、現在の産業構造からすると修士・博士の支援の部分であろうと思います。こういった修士・博士に対するしっかりとしたものが必要だろうということと、それから実際に経験したことですが、産業界との連携はかなりできますけれども、企業ごとに要求する内容がかなり異なっているということがあろうかと思います。そういったことで、修士・博士一貫のプログラムのようなものを、これから先、もう少しつくっていきたいというふうに考えおります。
私からは以上です。どうもありがとうございます。
【中安生涯学習推進課長】 須賀委員、ありがとうございました。
続きまして、磯貝委員、お願いいたします。
【磯貝委員】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まず、私自身の立場を御説明いたしますと、私はテレビ局でアナウンサーとして勤務した後に、政治や経済のことをもうちょっと知った上で伝える仕事をしたいということで、大学院に行くために、会社を退社しました。現在はフリーランスとしてアナウンサーの仕事を続けながら、職業人選抜ということで現在4年間の長期履修制度を利用して大学院で公共政策を学んでいます。仕事をしながら学んでいる当事者としての話、また同世代が学び直しを考えたり、実際に学び直しをしたりしているというところもありまして、その辺りを踏まえてお話をさせていただければと思います。
まず、プログラムやカリキュラムの拡充という話が再三出ていたと思いますが、私としては、必ずしも0か100かで議論する形ではなく、今あるものを柔軟に利用できる形であっても当事者としてはかなり助かる部分があると実感しています。例えば長期履修制度に関しても、学生の皆さんが2年で必要単位を取りきる想定のプログラムを、4年で必要単位などを取ればいいという形であれば、仕事との両立の可能性が一気に広がるように思います。また、教員の方の負担の話も出ていましたしなかなか難しいかもしれませんが、土日授業がもともとあるものに関してはそれを活用するなど、そういったものも、そのために新たにつくるのではなくてもあるものを柔軟に使えるというところで、社会人の学び直しというのが可能になる部分は色々なところにあるのではないかと思います。
また、複数分野の組合せという話も出ていました。組織の再編となるとかなり大変になってくると思いますが、自身が体験してありがたいなと感じていることとしては、専門の必修を取った上であれば他学部の授業も聴講できる仕組みです。従来あるプログラムの柔軟な活用が許されることで、複合的な学びをさせてもらえているというのが私自身の実感としてはあります。
成果の処遇改善というところで、学び直しが適切に評価されるかどうかという話につきましては、同級生、社会人学生としての同級生を見ていても、きちんと評価されている職場、そうでない職場もあるなという実感があります。例えば、本人はとても楽しそうでしたが、私が疑問を抱いた事例として、元いる職場を休職してドクターを取る、休職かつ自分で学費を出して学んだ上でそこで得た知見を職場に生かす予定の学生の方もいらっしゃって、そういったところは何か改善できるものがあればいいなと思いました。
今、学ぶ側のお話をしましたが、企業の側、職場の側からしてもこれでいいのかという事例があります。例えばMBAを取りに海外に行くことを検討する同世代も多いですが、個人で学び直してキャリアアップという形もありますし、会社が費用を全面負担して送り出してくれるケースもあります。その中で、ある会社は、会社のお金で留学してMBAをとって会社を出ていく人が多い。でも、何のペナルティとか、学費の回収もないので送り出しキャリアアップを応援する一方という形になっていて、学ぶ側個人は評価されているかもしれないけれども、終身雇用を前提としてという仕組みがそのままで会社の制度として続けるのが難しいなどがあれば、そういったところを考え直すほうがいいというところもあるのかもしれないなと感じています。
あとは、現役として働く期間が長くなっているということで、現在、仕事で使っているスキル、あるいはこれを自分のスキルに足せばそのまま仕事に生きると見えているところ以外にも、全く新たなことを学びたいというニーズもあるのではないかなと思います。そういった意味で、重力が働くインセンティブ設計、何か新しいことをしたいという人に向けて、教育訓練給付金なども含まれると思いますが、そういった仕組みがより周知されていけば、欲しい分野に欲しい人材が集まるというのは進んでいくのかなと思います。
データベースの整備、学んだことの見える化の話も出ていました。個人的には、たまたま学部時代を過ごした大学院に戻ったということもありまして、大学1年生のときからの履修した授業、成績を全部同じデータベースで見られることによってかなり個人のモチベーションとしては高く持てる部分がありました。社会人になって学んだところのみ切り出すのではなく、難しい部分はあると思いますが、可能な範囲で人生における学びの見える化というのもあったらうれしいかもしれないと考えました。
最後に、専門学校についてです。エッセンシャル分野、地域ごとにどうしても必要な分野に関して、特に設備が必要なものに関しては、人口減少の全体としてのトレンドがある中で、一度廃校にしてしまうともう戻せないというところがどうしてもあると思います。遠隔授業などで活用できる部分もあるかと思うんですが、そういった可能性を含めて、長い目での地域を維持する上での設計などがなされていくといいなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【中安生涯学習推進課長】 磯貝委員、ありがとうございました。
続きまして、藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】 三菱電機株式会社の藤田と申します。
先ほど須賀副総長から御紹介がございました早稲田大学のスマートエスイーIoT/AIコースを受講しまして、その体験からリ・スキリング実践者としての立場で意見を述べさせていただきます。皆様の高尚な御意見の中で、一点お目汚しになってしまうかもしれませんが、御容赦のほどお願いいたします。
ページめくりを。すみません。
では、まず今回のリ・スキリング講座受講に至る経緯をざっとお話しさせていただきます。経歴ですが、私大の電気電子工学科を卒業後に電気メーター勤務、延べ25年になります。延べと申しましたが、一旦無職になっておりまして、この期間に都の離職者支援で専門学校でのプログラミング講座を3か月300時間みっちり、1回目のリ・スキリングを体験しております。しかし、現在に至るまで、システム、ソフトウエアの開発側に立ったことはありません。ずっと利用者、発注側の立場になります。
そして、もう一つの背景、現在の職務周囲の昨今の情勢なんですが、人を集めるのが難しくなっておりまして、しかも顧客側からの要求は厳しくなっているという状況です。カスタマーサポート、早々にAIに取って代わられる職業の代表格として知られておりますが、そもそもAIを、人でないものを当てて自動化する、効率化する、そうしないと事業として早晩立ち行かなくなる、生き残れない、そういうような状況にあります。がしかし、使う側の人間として、そもそもAIについての知識がない、どうしたらいいのか、ジレンマがございまして、何とかAIを使う立場としての知識を得なければならない、そういう焦燥感がございました。
ページをお願いします。
何とかAIについて知識を得よう、そう思ったフルタイム勤務の子持ち非システム要員の会社員なわけですけども、その立場でできそうな方法、これは特に費用面で気軽な順に3つに分けております。まず、オンライン記事や物の本で学ぶ。これは無料か数千円くらいで手軽で取りかかりしやすい方法です。それから、続けて有料の社外研修。これは大学での研修も含まれるんですが、総じて高額な費用がかかりますし、探すにも内容確認にも手間がかかるものが多い。それから、最後に社内研修。これは費用の個人負担は原則ないんですが、業務上必要なのか、部門での審査承認が必要で、一番結果として敷居が高くなります。
そのほか、探す、または受講する上での問題点をそれぞれ右に書いておりますが、いろいろございまして、まとめると費用、受講に当たっては費用を筆頭に、時間帯や期間や場所、内容、それから受講資格、そういった懸念がいずれもたくさんありまして、結局、先送りにしていた。ジレンマにあがいているところで、何とも都合よく社内ですスマートエスイーIoT/AIコースの受講者募集、上長経由で回ってまいりました。
ここで受講の募集があったその背景となる当社のDXの推進について御紹介したいんですけれども、ちょっと読み上げは割愛させていただきます。受講募集の経緯部分だけかいつまみますと、DX人材育成の一貫で、早稲田大学を三菱電機で協定を結びましてスマートエスイーの受講枠を確保した。そして、その初回募集だった。そういう背景でした。そして、初回ですので、これ、重要なんですけれども、費用は何と人材開発センターが全額負担してくれるようになって、部門費もなし。何という好条件。これはやるしかないだろうと、そう思ったわけです。
次のページ、お願いします。
まず、運よく費用面の問題はクリアされたわけですけれども、それ以外に受講を決めた動機は何だったのか。結論、結局、それはたまたま運がよかったという答えになります。なぜかと申しますと、先ほど申しましたように費用面以外にも講座受講においての懸念点はいろいろあったわけですが、このスマートエスイー受講に当たってコースの紹介情報が非常に豊富で、必要と思われるものはすべて網羅されておりまして、懸念点や心配がことごとく払拭されてしまった。
それから、一つ申し伝えたいのが、費用についてなんですけれども、これも情報掲載がありまして、実は60万円かかると。60万円、自分で出すかというと、申し訳ないですけども否です。もちろん内容を確認して、これ、実際、60万円じゃ安いんじゃないかと思うんですけども、自分で個人負担で出せるかといったら、これは否です。
そして、こちらに挙げた費用を含め一般的な条件はもちろんなんですけれども、一番下に書きました受講要件の特に2つ目のほう、資格ではないほうの要件、自分から考える、自分が大丈夫なのか、耐えられるのかについてなんですけども、これの判断に過去の受講記録というものが大変参考になりまして、具体的には過去受講者の声というものがありまして、私と同じようなプロファイルの方で、恐らくこれまでシステム要員ではなかっただろう、そして女性で私と同じぐらいの年に見える方が紹介されていまして、大変失礼かもしれませんが、これなら大丈夫だろうというふうに結論に至って受講を決めました。しっかりチャンスの神様、前髪をつかめたわけです。
次のページ、お願いします。
では、リ・スキリング講座受講を決めて、受講中のことについてお話しさせていただきます。まず、先ほども御紹介あったんですけども、感想も交えて、実践者の感想を交えてちょっとお話しいたします。本当にフルスタックな講座で、ハードからビジネスモデルまでの講座まで幅広く、かつ受講の進度に沿って概論、基礎から応用へしっかり学べるカリキュラムになっておりました。たしか特別聴講含めると、18ではなくて全19科目、そして修了制作なんかも含めると約200時間あったかと思います。そして、学習補助となる情報ツールが適切に用意されていまして、スタッフの方の助力も万全でした。先ほど須賀総長から、かなりこの辺の負担が大きいとおっしゃっていたんで、ちょっと大変申し訳ないと思っております。
そして至れり尽くせりの中、それでも何度かくじけそうになりまして、なぜかと申しますと、1つ目にはまず初夏の繁忙期。三菱電機、エアコンが主力でございますので初夏に繁忙期が参ります。日常業務は肩代わりを頼むことがしばしば生じまして、それから講義中、先生が何を言っているか分からない。一番大きな理由が、それがレポート地獄がありまして、これが確かにきつかった。
そんなチャンスの神様の前髪が多いにぬるつく中、モチベーションになったものについて、くさびになったものについて御紹介いたします。ポジティブな、精神的な支えですね。知る喜びですとか、上司と修了制作の担当の先生のいたわり。大変優しく励ましてくれました。それから、ネガティブ面、これ、くさびになったものですけれども、これはもう周囲にここまでしてもらって落とせないというプレッシャー、義務感、これがくさびになってくれました。両面で支えになってくれたものなんですけれども、終盤はどちらかというとくさびのほうが役割が大きかったというのが実感です。簡単にまとめますと、最後まで走り抜ける支えにはあめ、むち、両方必要というふうに考えております。
最後に、受講後の振り返り、効果、実感についてなんですけども、受講で得たもの。もちろん早稲田大学からは履修証明頂いておりますが、実際、直接な利益はない。取得や昇格目的ではないので、これは想定どおりです。そして、明確な成果になっているもの、効果としても今現在ではございません。大きな進歩はあるんですけど、言葉で表現してしまうとちょっと地味だなというふうになっております。
それで、今後の見込みなんですが、まず当社で評価づけがあります。ただ、これは9割業績等の反映はないけれども、ジョブチェンジができるかもしれないという可能性。それから、賞をいただきました、修了制作内容のアプリケーションの実装、これを進めております。スマートエスイーコースでは1年後にアンケートがございますので、これで報告できるように頑張っております。
最後の最後、ついでのようで恐縮なんですけれども、リ・スキリングを通じて一番身にしみて学んだこと、身の程をわきまえる。これ、何が言いたいかというと、とにかく必要なこと、それから何ができるのかに絞りたい、絞らないと最後までやり切れない。これ、リ・スキリングに当てはめますと、最初はたくさん講座の情報が必要ですけれども、選定する際に、最後にスキルをちゃんと習得するためにも、何ができるようになるのか、何が必要なのかというのを考える必要があります。そして、その補助も周囲からあるといいだろうというふうに考えます。
私からの意見は以上です。御清聴、誠にありがとうございました。
【中安生涯学習推進課長】 藤田委員、ありがとうございました。
この後、加藤委員、前川委員、丹羽委員、河原委員の4名の方から御意見をいただく予定になっておりまして、誠に恐縮ながら、正直ベースで申し上げると、10時半終了と、15分ほど延長させていただくしかないかなというふうに考えてございます。ただ業務御多忙の中、今日御参集いただいていると思いますので、10時半が来たら、もう次のことがある方は退席をいただければというふうに考えてございます。
それでは、加藤委員、よろしくお願いいたします。
【加藤委員】 私、加藤で、こちらで大丈夫ですか。
【中安生涯学習推進課長】 よろしくお願いいたします。
【加藤委員】 ありがとうございます。
私も、リ・スキリングで産業機械のエンジニア研究者から農業事業に切り替えた経験があります。その経験の一つと、あとちょっと地方で新しい事業をやりながら感じているリ・スキリングに関する課題みたいなものを共有させていただければと思います。
私自身、静岡におりまして、エンジニアしていたんですけれども、農業の事業をやるに当たって、農業に非常に関心を持っていたんで静岡大学に通わせていただいて、その当時は、大学と地域の企業ですかね、が連携して、寄附講座みたいな形で文科省さんからもサポートいただいた大学院の社会人向けコースみたいな軽いコースが半年間あって、週1回通うという形で、仕事しながら、子育てもしながら、週1回、無料で通えたんで、非常にいい機会になりました。その後、その半年間のプログラムで考えたビジネスモデルで創業して、今、17期目に至っています。
当時の経験としては、やはり私は静岡出身でもない中で地元密着の農業事業を始めたので、友達ゼロ人から地域の大企業とか、先生とか、行政とか、みんなとつながりを一遍に持てたというのが一番の効果だったなというふうに振り返っています。やはり地方の大学の役割というのは非常に大きいんじゃないかなというのを、身をもって感じています。今、その授業は大学院のコースになっていて、1年間、多分、60万とか70万ぐらいですかね、の授業料で受けられることになっています。
あと、地域に行って、専門職大学、静岡は農業に関してはありまして、非常に人気がありますし、就職も100%ずっと続いているって、新設の大学なんですけど、非常に社会人というか、産業界からも人気のある大学になっていますので、やはり専門性を持った大学の在り方みたいなのは、各産業からの要望は高いかなと思います。技術高専みたいなものとか、専門職大学みたいなのは、地方で非常に重要な役割を果たしていく、生き続けると感じています。
あと、ベースで課題なんですけど、私たちが農業事業やりながらインドも進出していまして、インドの人たちと日本の人材を比較しちゃうと、やっぱりリスクテークするとか、仕事に対するモチベーションの高さみたいなもので大きな差があります。正直言うと、日本人採用はあんまりしたくなくって、インド人とか海外の人材が日本大好きで、日本で働きたいからって来て、モチベーション高く仕事してくれる人材を今のところ選んでいるというのが現実です。
課題としては、やっぱりマインドとスキルと両方の2点がありまして、マインドがもう働くマインドなんていう人が、ちょっと人材育成の失敗かなと思っていますので、そもそも、働くことに対するマインドを小さい頃から醸成していかないと、いわゆる非認知能力というんですか、もつけていかないと知識だけ詰め込んで、与えられた問題をうまく解くみたいな受験ベースのシステムだと、世界に全然勝てないなというのを感じています。
スキルはもう皆さんおっしゃったとおりだと思うんで、非常にプログラム化みたいなのはこれから進んでいくんだと思ってますので、そこはあんまり心配してないんですけど、そもそも人間そのものの育成が、ちょっと今のところ日本はうまくいってないんじゃないかなというの現場から感じています。
以上です。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。続いて、横断的な視点から、前川委員、お願いいたします。
【前川委員】 よろしくお願いいたします。マーサージャパン、前川と申します。
マーサージャパンは主に、組織、人事のコンサルティングを行っておりまして、リ・スキリングあるいはスキルの棚卸し、あるいは最近よく出てくる黒字化のリストラクチャリングにおける人材のアセスメントとか、その辺を中心にやっております。
では、次のページをお願いいたします。目次、少しお時間の関係ありますので、飛ばしたいと思います。
次のページをお願いいたします。こちらメンバーシップ型雇用、ジョブ型雇用ということで、今日何回か出てきた言葉が並んでおります。現場で活動しておりますと、リ・スキリングに対する社員の動機づけが極めて難しいと、今日の経団連様のお話にもあったとおり、3人に1人がリ・スキリングに消極的であると。この最大の背景というのが、基本はリ・スキリングというのは、右側のジョブ型雇用の世界観からのスキルであると。ジョブ型雇用というのは、事業戦略に応じてジョブを社内に設定し、戦略が変わったらジョブを開放する、労働力の流動性が前提になっているわけです。
ただ、そういう中で、簡単に言ってしまうと、ぼーっとしていると自身の仕事が場合によっては無くなってしまう。そういう極めて厳しい世界観の中で、先立って学ぶ、これがリ・スキリングのマインドであり、本質的な部分です。
今、日本企業として一番課題となっているのは、左側の世界で育ってきた方々に、右側のスキルをどうインストールするのか。前提の状況が違う中で、右のスキルを左にインストールする、ここがやはり最大のボトルネックになっていると。そうなったときに、今日の富士通様の例のように、1社で右側の世界観をつくるという方法もありますし、今後、解雇法制の緩和や、新卒一括採用といった日本型の人材マネジメント変化の中で、徐々に右には来るんですが、やはりこの左側の方々にどうインストールするのか、ここはポイントになってまいります。
次のページを御覧ください。では、リ・スキリングという議論になったときに、今日の様々なスキルの整理の話がありましたが、これは左の氷山モデルに出るような、目に見えやすい水面より上の部分です。ここはいろんな取組が今なされていて、個人的には、こちらにはハードスキル、ソフトスキルと書いていますが、経産省様が今日お出しになられたような、何々ができるというような業務レベルでの整理というのは、非常に重要かつ有効だと思っております。
ただ、先ほど申し上げましたとおり、重要なのはこの水面下の価値観、動機、取り組み姿勢、行動特性、この部分が変えられるかどうかです。例えば、今日、藤田委員がお話をされましたが、藤田委員の資料の方に、「チャンスの神様は前髪しかない」という表記があったわけですけども、まさにここの部分は価値観だったり取り組み姿勢の部分です。
今日、何人か個人のリ・スキリングの方々がお話しされていますが、そういう方々は、もともとこの水面下の部分があったから成功した。今後はそういう環境になかった人にどのようにそれを刺していくのか。ここがない限り、スキームの整理をしてもエンジンがないんです。ここは私は非常に重要だと思っています。
次のページをお願いいたします。そうなっていったときに、リスキル自体がスキルであるという定義は一つ重要になってくると思います。この左側、コアなスキルを広げる、高める。これは今日幾つかあったスキルの整理、自分のスキルを高める、広げる、自分の御近所にどんなスキルがあって、それができると自分はどう御飯が食べれるのか、一人一人考えることが可能になります。ですから、この部分というのはきちっと整理をする必要があります。
ただ一方で、産業構造の転換や破壊的イノベーションが進みますと、このキャリアチェンジ、全然違うところでリスタートしなきゃいけないという場面がいっぱい出てまいります。ですので、右側にあるような、「広げる・高める・チェンジする」、これ自体をリ・スキリングセットとしてこれを教えてあげないといけない、あるいはそれを意識するために、組織から離れた交流の場や、あるいは産業構造・労働市場の変化を少しチラ見をするといいますか、ああ、世の中こんな感じで変わっていくんだというのを意識する。
最後のページになります。そういう中で大学に期待することとしては、雇用の流動化が今後徐々に進んでいく中で、会社がそういった気づきを与える場というよりは、会社はマッチングの場になりますので、右側にあるように、キャリア人生を歩みながら適度なタイミングで大学教育の中でピットインをして学ぶ、あるいはキャリアを振り返る、あるいは交流して刺激をし合う。その中で、自らのキャリアを考えていく、こういう場が会社以外に必要となってくる。ここが特に産学協同という面で、私としては、期待したいと思っているところであります。
以上となります。ありがとうございました。
【中安生涯学習推進課長】 前川委員、ありがとうございました。
続きまして、丹羽委員、お願いいたします。
【丹羽委員】 ボストンコンサルティング、丹羽と申します。今日は貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
文科省のリ・スキリング事業及び、幅広い大学のリ・スキリングの支援をさせていただいている伴走者として、大学におけるリ・スキリングを取り巻く状況について意見を申し上げたいと思います。特に潮目の変化が来ている。こういったところも御紹介できればと思います。
では、次のページをお進みいただきまして、まず、いい話としては、どんどんどんどんいいプログラムが出てき始めているというところはいい話としてはあると思います。
こちら2ページに載せているのは、今年度の文科省さんのリ・スキリング事業の中での例ですけども、例えば九州大学さんでは、企業と連携した幅広い理系人材の育成です。例えば半導体については、ソニーセミコンさんや三菱電機パワーデバイスさん。洋上風力はINPEXさんや関西電力さん、東京電力、東京ガスさん。建設DXは、アトリエサンカクスケールさん、内野設計さん、こういったところと組んだプログラムというのが出てきていたり、あとは例えば、東京大学さんではいすゞさんと組んで、高度な人材が必要になってきているサプライチェーンマネジメントについてのプログラムが出てきており、いずれも非常に好評を博していると、これはいい話でございます。
これでもう万々歳ですかというと必ずしもそうではなく、ちょっと次のページからのところでございまして、少し引いた目で、大学におけるリ・スキリングを取り巻く環境を申し上げさせていただくと、左側に書かせていただいているのは、いい話と、要はニーズが高まってきていますよという話と、右側に書かせていただいているのは、必ずしも今のままでは手なりでは加速化しないというチャレンジがありますと、この両方があるというのが今の現状と見ております。
もう少し申し上げさせていただきますと、左側のところは、人材育成に対するニーズの高さというところは、国内に閉じないで人材獲得競争が今高まってきておりますし、2つ目のところに書いていますような、例えば高市政権の中で述べられている17の成長戦略分野、こういったところをはじめとして、成長していく分野に対するニーズは強いと。加えて、一番下ですけども、地域において、エッセンシャルサービスを担うような人材は、一方で非常に不足していて、この辺のニーズ、人材育成のニーズが非常に高いというのはありますが、右側のところで、上段のところは、従来でいうと企業様が中で人材を育てるというのが中心でしたが、これも大分今チャレンジが来ていると、弱体化していると言わざるを得ない中で、期待される大学がというところは、動きは出始めてきているんですけども、必ずしも全学を上げてリ・スキリングというのを中核に捉えようという動きまでなっているところは限られておりますし、あとは企業に求められるようなニーズ、このニーズを踏まえてプログラムをつくる力、これはまだ途上であると言わざるを得ないところあります。
加えて、各ステークホルダーにとってみて、投資をして、ちゃんとそのリターンとして返ってくるかなというところに関して、まだ明確になってないという意味でのちゅうちょ感がある。こういったような組合せで、見合っているような状況があるというところだと思います。
ですので、次のページでございますが、私どもとしては非常に大事になってくるのが、社会全体のスキル需要と、こういった最新情報が集まって、労働市場における各主体が具体的に行動を起こすことで、経済成長であり、事業成長、人材活躍、こういったところにつながっているエコシステムの構築、これが非常に重要だと考えています。
具体的には、これは経産省さんの御説明の中にもございましたが、やはりスキルの定義、どういったスキルが必要なのかというのが明示化されていて、さらにそこにどれだけのニーズがあるのかという需給ギャップがあると。こういったことを踏まえた上で、そこをしっかり満たせるようなクオリティの高い教育プログラムが提供され、そしてそのプログラムを受けた方が、企業との間でマッチングが適切に行われて、最終的に企業で昇給やキャリアアップも踏まえた上での活躍がされる。ここまでのエコシステムが大事になってくるのかなと考えています。これは諸外国を見ましても、シンガポールのSkills Futureあり、米国、欧州、インド、こういったところでも類似の政策が取られております。
また、日本の中においてはこのジョブ型への移行というのは完全に進んでない、まだ今途上だと考えていますので、手なりではなくここを全部つなげた形でエコシステムをつくっていく。こういったことで初めて移行も進んでと考えています。
その際に、次のページでございますが、5点ほど大事なところがあると考えています。
まず、1点目は、一番上に書いてありますけれども、17の戦略分野とも連動した目標・KPIの設定と書いてありますが、当然ながら、どういったような社会を目指していきたいのかという目指す姿の像をしっかり提示しながら、そこに、アスピレーショナルなKPIの設定というのも必要だと思います。これは文科省さんの冒頭の御説明の中で、リ・スキリングの受講者3,000人というようなお話もありましたけれども、少なくとも、数年後には数万人から十数万人ぐらいは受講しているんだと、これぐらいの目標感というのは、ぜひ掲げていただきたいと思います。
その上で、目標であり、KPIを達成する両輪として、2、3と書いてありますが、まず、2のところは、企業ニーズを取り込んだリ・スキリングプログラムの構築するケーパビリティ、これを高めるというのが非常に大事だというところと、3のところでは、そういったものがあるときに、みんながそういったところに参画しようと思えるようなインセンティブの設計です。これは教育機関さんもそうですし、企業さんもそうだと思います。そういった人材を創り出す、もしくは受け取るということを含めてのインセンティブが必要だと思います。
こういったものがあった上で、それを支えるものとして4、5というのを書いておりますが、4のところでは、途中、磯貝委員のお話でも、自分の受講履歴とかが見えたという話がありますが、これは自分の情報というのは、ある意味ポータビリティを持って、就業履歴であったり企業での経緯、こういった経験をしている履歴も含めて、持っていけるようになることが大事ですし、そこにその情報が正しいという信頼性の担保、これが大事になりますので、そういったことを国が提供していく。さらには、いろんな学ぶ・働く機会の情報提供ですとか、そういったことも含めてこういった仕組みが必要になるというのが4番。
さらに、こういう形で社会が動いていくということを示すという意味での機運の醸成まで必要だというふうに考えています。ここまであって、初めて、前のページで申し上げたような一連のエコシステムができるんと考えています。
最後に一枚だけちなみにというところで、この企業ニーズを取り込んだリ・スキリングプログラム、2のところというところで、どういったような要素が必要になるのかというのを、今年度の文科省さんのリ・スキリング事業を御一緒させていただいた中で感じている点を4点ほど、述べさせていただきます。
1つ目が、育成対象とか内容をクリアにするということです。
どちらかというとプロダクトアウト的に、こういう教授がいて、こういうことが教えられるので、これを教えますということではなくて、どんな人材が企業で求められているのか、その人材を育成するためには何が必要なんですかという、ある意味でいくとマーケットイン発想で考えることであったり、そのために必要であれば、学内に閉じず学外からも含めて人材を連れてくるというようなことまでが必要になるというのが1つ目のところです。
2つ目は、これもいろんな方が述べられておりましたが、期間や形式のところで、現実的に企業を完全に辞めて学び直すというところだけに閉じてしまうと、相当数が限られてくると思いますので、ちょっと大学側が大変だという話が須賀先生からもありましたが、じゃあ代わりに教えられる人を連れてくるということも含めて、期間とか形式というのは考える必要があるのかなと思います。
3つ目のプライシングです。プライシングは、コストとして幾らのプライスを立てますということではなくて、どういった価値の人材をつくれるから、これぐらいのプライシングなんですと、ぜひこういったような考え方になっていく必要が大事だと思います。そうなっていくことで、実は大学の皆様が思っている以上にそこには価値があり、プライシングが取れるということもありますし、逆に言うとそれを意識してないと、コストに見合うだけのプライシングですというと、それなら払えませんという話にもなってしまいますので、こういったプライシング。
最後が体系的な学びの提供というところで、これは今後リ・スキリングという議論をずっとしておりますが、人生100年と言われている中で、1回リ・スキリングをしたら終わりという話ではないと。つまり2回、3回受けることも出てくると。そうなると、実はもうスポットでそれだけ学べるというんじゃなくて、自分はこうやって学んできたら、次にはこれで修士課程につながる形まで持ってきたらいいなとか、博士課程につながる形に持っていけたらいいなとか、こういったことも含めて、フレキシブルなんですけども、一過性ではなく、体系的に学びとしての機会を提供できるようになっていくと。こういったところが要素としては大事になるかと、こういったことを取り込むと、企業ニーズから見たとき、さらには、ひいては社会ニーズである国民のニーズというところに合致したようなリ・スキリングプログラムになっていくんじゃないかというふうに考えているところでございます。
少し時間の関係もあり、早口になりましたが、私の説明、以上とさせていただきます。
【中安生涯学習推進課長】 丹羽委員、ありがとうございました。
あと議事進行で、専門学校の河原委員から御発言いただいた後、高校教育改革のグランドデザインの御報告の後、最後、中村副大臣に締めていただくという進行を予定しております。
それでは、河原委員、お願いいたします。
【河原委員】 では、よろしくお願いいたします。私からは地域における専門学校教育の実態と地域振興に果たす役割、そして、今後の課題についてお話を申し上げます。
まず、スライドの2ページ目を御覧ください。河原学園は、現在、愛媛県と愛知県の2拠点において、大学、専門学校、高等学校、幼稚園等を運営しております。高等教育分野では、学術教育と職業教育の双方を担っております。専門学校10校は全て愛媛県内に設置しており、学生総数は約2,400名です。1学科1学年当たり約22名という小規模学科の集合体であることが特徴です。
次に、3ページ目です。本学園の専門学校教育の核は、「職種直結型」の職業教育にあります。工業、医療、文化・教養分野まで幅広く展開し、看護やITといった基幹分野に加え、eスポーツやネット動画クリエーターなど新興分野にも対応しております。ます。定員充足率が低い小規模学科もありますが、地域における唯一の人材供給拠点として、使命感を持って維持・運営をしております。
4ページ目です。専門学校では、卒業後すぐに専門職として一定水準以上の職業能力が求められます。その水準を確実に超えさせるため、専門知識・・技術の習得に加え、資格取得を重視しております。そのために徹底した教育管理体制を構築しています。全科目において90分単位の学修目標とそこに至る計画を明示した「コマシラバス」を整備し、その目線に合わせて授業ごとに小テストを実施、即時自動採点と不合格者への放課後補習を行っています。さらに、小テスト結果の標準偏差等を基に、各授業を6段階評価し、教員の授業改善につなげるなど、データに基づく質保証を実践しております。
5ページ目です。その成果として、昨年度、卒業生の進路決定率は99.1%、卒業生の89.4%が教育内容と直結した関連分野に就職しております。専門性を担保した人材育成により、企業から高い信頼をいただいております。これが職種直結型職業教育の大きな強みであると考えております。
6ページ目です。愛媛県産業への貢献という観点で申し上げます。県内高校生の高等教育機関への進学者は、大学が5,296名、専門学校が1,563名です。一方、県内高等教育機関から県内企業へ就職した人数を見ると、大学卒が1,190名、専門学校卒が1,006名と、ほぼ同等の規模となっています。大学進学者は県外流出が多い一方で、専門学校は高い地元定着率を示しており、、地域産業を支える重要な人材供給基盤となっています。
7ページ目です。地域人材育成を支える上で、産官学連携による基盤整備です。例えば歯科衛生士養成では、県立専門学校の閉校に伴う事業継承や、新居浜市との連携による新拠点設置を本学が担いました。愛媛県と創設した「歯科衛生士修学支援制度」は、入学者増と利用者全員の県内就職という成果を上げております。
8ページ目です。深刻な人手不足が続く介護分野や、インバウンド対応が急務となっている松山空港のグランドハンドリング分野においても、行政・・企業と連携し、給付型奨学金制度の創設や新学科設置に取り組んでおります。
9ページ目です。一方、持続的発展に向けた課題もございます。第1に教員確保です。特にIT分野では都市部との賃金格差が大きく、人材確保と流出防止が極めて困難です。第2に教材開発です。市販の教材が必ずしも学生の学力水準に適合せず、独自開発が必要ですが、現場の人的余力が不足しております。第3に公的データの不足です。大学と比較して専門学校に関する詳細統計が少なく、地域課題の精緻な分析が困難です。学校基本調査の見直しなど、国レベルでの環境整備をお願い申し上げます。最後に、地域連携の問題です。人口減少と人材流出が進む地方において、地域産業と生活基盤を将来にわたり維持するためには、産官学が垣根を越えて連携することが不可欠です。その際に、大学と専門学校を分けて考えるのではなく、地域人材供給の「二つ二つの軸」として一体的に捉え、地域プラットフォームを形成することが重要であります。地元企業や実務現場のニーズも産業構造の変化もそこで吸収します。
地域プラットフォームとしては、リカレントも含めて、1つ目ですけど、「入口・・育成・・出口」のシームレスな接続のシームレスな接続であったり、2つ目、多段階型教育プログラムによるリ・スキリングの体系化であったり、3つ目ですが、学びと実務現場を往復する循環型キャリアの形成等ををそこで実現できればと考えております。専門学校が地域の持続的発展に一層貢献できるよう、皆様の御理解と御支援をお願い申し上げます。
私からは以上となります。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございました。
次に、議題2、その他として、高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)について、2月13日に公表いたしましたので、橋田参事官、御説明をお願いします。
【橋田参事官】 資料5を御覧ください。このグランドデザインについては、第2回タスクフォースでの関係団体ヒアリング、前回、人材育成分科会での御意見も踏まえ、このたび公表したところでございます。ポイントのみ御説明します。
1、背景・必要性にございますように、2040年には、労働力需給ギャップが生じる可能性が指摘される中、生徒の能力を伸ばしていくことが重要であり、家庭の経済状況等に左右されることなく、希望する進学や就職をし、経済・社会の基盤を強いものにしていくことが求められます。このため、教育委員会だけではなく、首長、産業界、大学等と連携、協働しながら、取組を進める必要があり、その共通ビジョンとして本グランドデザインを策定いたしました。
次に、高校改革の方向性として視点1、AIに代替されない能力や個性の伸長。視点2、我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成。視点3、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保を示しております。
この3つの視点を重視しながら、高校改革を進め、さらに大学・大学院に至る一貫した改革に取り組むことにしております。
概要の2ページを御覧ください。このグランドデザインを踏まえまして、都道府県において実行計画を策定いただき、国としては、安定財源を確保した上で交付金等の仕組みの構築に取り組むことにしております。これに先立ち、令和7年度補正予算において、高校教育改革のための基金を都道府県に造成するため、約3,000億円を計上し、パイロットケースとして、改革先導拠点の創出にも取り組んでまいります。
中ほどでは、新しい学校のイメージや取組例を示しており、専門高校の機能強化・高度化を通じたアドバンスト・エッセンシャルワーカーなどの育成、普通科改革を通じた文理の双方の素養を有する人材育成、地理的アクセス・多様な学びの確保などに取り組んでまいります。
その上で、2040年までに達成を目指す目標についても盛り込んでおり、その実現に向けて取り組んでまいります。
資料3枚目は基金の資料でございます。このグランドデザイン公表に合わせて、公募を開始したところでございます。都道府県に対しては、グランドデザインや人材育成上の課題を踏まえた新たな取組を企画、立案いただくことを期待しているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
【中安生涯学習推進課長】 それでは、本日いただきました御意見、御議論を踏まえまして、中村副大臣から発言をお願いできればと存じます。
【中村文部科学副大臣】 副大臣の中村でございます。本日は大変、それぞれの立場から、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
リ・スキリングが重要になってくるというのはもう間違いのない事実で、二十歳過ぎまで勉強しても、その後の人生が50年となると、どんなふうに世界が変わっていくかはもう想像がつかないぐらいの変化になっている中で、本当にリ・スキリングが重要になってくると思います。そして、地域を支える人材も供給していただいている専門学校の皆様にも、さらなる充実をお願いしたいと思いますし、そのための支援も必要だというふうに考えているところであります。
今日のお話の中でキャリアオーナーシップ、それにポスティング制度を加えて、それが確実に処遇ややりがいにつながっていくというお話がございました。こういったことを学生の時代からそういった意識を持ってもらって、働くという意識を強く持ってもらう。そして、スキルという定義、スキルがどんなものがあるのかということを学生の時代からきちんと知っていただいて、それをちゃんと自分のスキルオーナーとして、キャリアオーナーシップとして、意識をしていただくことが重要だなというふうに感じました。
そういう教育システムに、我々も取り組んでいかなければならないというふうに感じたところであります。大変有意義な時間を、時間オーバーをして進めさせていただきましたけれども、今後の教育改革にしっかり生かしていけるように、松本大臣を中心にまた取り組んでいきたいと思います。
本日の皆様の御意見に心から感謝を申し上げ、私からのお礼の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
【中安生涯学習推進課長】 副大臣、ありがとうございました。
以上をもちまして、本日の分科会を終了させていただきます。進行の御協力と御参加、ありがとうございました。
(以上)
大臣官房政策課