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超高精細・高感度フルスペックカメラの技術開発の必要性 5年)
超高精細映像を撮影するには、3,300万画素の撮像素子を持ったカメラが必要だが、現在の技術では、800万画素の撮像デバイスを斜め方向にずらすことで、見かけ上の解像度を向上させた画素ずらし方式によるカメラしかなく、また、十分な明るさがないと鮮明な映像が得られない。超高精細映像の性能を十分に引き出していくためには、フルスペック(7,680 4,320画素)解像度が得られ、美術品に照明をあてなくても鮮明な映像が得られる高感度特性を有する撮像素子と、その撮像素子に対応した光学系(撮影レンズ、分光プリズム)、そして通常の照明条件でも正確な色再現を可能にする信号処理技術が必要である。
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高速大容量ストレージ 5年)
超高精細映像信号は膨大な情報量を有することから、撮影された超高精細映像信号を記録し配信するためには、ハードディスク装置のより一層の小型化、高速化、大容量化が必要である。また、それらの映像をアーカイブスとして大量かつ長期に保存するためには、高速大容量光ディスク、ホログラム記録など次世代の光記録技術の開発も必要となる。
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ネットワーク伝送 5年)
大容量の超高精細映像信号を各地のシアターや一般家庭に配信するには、 超高速光通信網を利用した伝送技術、およびアーカイブスやデータベースと利用者をインタラクティブに結ぶことのできる柔軟なネットワーク技術、 様々な場所に散在する文化資源の記録・伝送を機動的に行うために必要な、超高速デジタル信号の長距離光伝送技術、 圧縮信号をも考慮した、FTTH(Fiber To The Home)ネットワークを利用する光波長多重による低廉な配信技術等の技術開発が必要である。
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圧縮符号化 4〜5年)
上記の記録蓄積やネットワーク伝送において、非圧縮の超高精細映像信号を記録できる十分な記録容量や、伝送できる十分な伝送容量が確保できない場合には、超高精細映像信号を圧縮符号化する必要がある。そのためには、符号化、復号化によっても画質劣化がほとんど生じない高画質高能率符号化方式を開発する必要がある。特に、アーカイブス記録においては、絵画の表面や文化財の外観をできるだけ忠実に記録し再現することが求められることから、圧縮しても画質劣化のない素材記録用高品質符号化技術を開発する必要がある。配信時の符号化については、ネットワークの帯域幅や受信側のディスプレイの解像度の違いに適応が容易な階層符号化が有効であると考えられる。
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映像システム 5年)
博物館、美術館や市民会館等に附属するシアターで大画面スクリーンにより超高精細映像システム(スーパーハイビジョンシアターシステム)を実現するためには、 高コントラストなプロジェクター、 正確な色再現を可能にする技術、 専門の技術者がいなくても機器を最良の状態に調整することを容易にするための技術、 取り扱いが容易なスーパーハイビジョン信号源、 シアター用のマルチチャンネル音響技術等の技術開発が必要である。
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直視型超高精細ディスプレイ 5年)
一般家庭や学校、公民館等において超高精細映像の鑑賞を可能にするためには、その表示能力を十分に発揮でき、かつ設置スペースをあまり取らない100インチ程度の直視型超高精細ディスプレイの開発が必須である。この実現のために、例えば次世代型プラズマディスプレイや液晶ディスプレイの超高精細化の研究が必要である。また、このような100インチクラスの画面にふさわしい音響再生技術の開発も必要である。 |