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デジタルアーカイブ化するときには、何を保存の対象とするのかを常に考える必要がある。例えば文化財であれば、現存する状態のものをアーカイブ化したいのか、復元したものをデジタル化したいのか整理しなければならない。
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その点は(文化財などを)デジタル化するときに一番問題になるところであり、場合によっては、一部分をデジタル技術で再現という方法をとることもある。自分たちがCGプログラムを作成した際には、関係博物館の学芸員と密に連絡を取り合った。
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ものや歴史をデジタルアーカイブ化することにより、体験的なプログラムを作り出すことが容易になり、大人・子どもを問わず教育的な効果が期待できる。
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デジタル技術の長所は、そのコンテンツをさまざまなパターンで見せることができること。例えば寺社であれば、現存する姿と創建当時の極彩色に彩られた姿を同時に見ることが可能。
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デジタルアーカイブ化するときには、デジタルベースで保存する必要のあるものが何か、考え続けなければならないと思う。発達したデジタル化技術があって、それを使用する対象として例えば文化財を選ぶ、というものではないだろう。
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例えば古い印刷物をデジタルアーカイブ化するとして、印刷物というのは時を経ればその質が変わってくるものであり、アーカイブ化の時点、光の当て方で見た目がかわってくるので、色の再現のため、撮影時の光源データ等を計測し保存している。
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デジタル・ミュージアムというのはいろいろな可能性がある。あるひとつの情報から絵・文書・建物というように串刺しにしていく方法もあるだろう。しかし現物だけではそういったことは容易でない。
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コンテンツの製作やシステム導入に係るコストは相当大きい。今回見学した4K超高精細シアターのシステムはネットワークがベースであるが、光ネットワークのインフラさえ整えば、あるひとつのミュージアムが持っているコンテンツを他の博物館が最小限の機器を整備するだけで共有することが可能になるだろう。
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