令和7年度国立大学法人会計基準等検討会議(第2回) 議事要旨

1.日時

令和7年12月25日(木曜日)10時00分~11時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 改正リース基準に関する報告書の内容と具体的な会計処理について
  2. 満期保有目的の債券に係る改正について

4.出席者

委員

樫谷隆夫主査、植草茂樹委員、江戸川泰路委員、加用利彦委員、野々村愼一委員、水田健輔委員、山﨑聡一郎委員

文部科学省

田畑国立大学法人支援課課長補佐、山田国立大学法人支援課専門官

オブザーバー

日本公認会計士協会
 

5.議事要旨

【議事1:改正リース基準に関する報告書の内容と具体的な会計処理について】
委員等
議事の前に、前回最後にご連絡のあった「注解55 資本剰余金を減額したコスト等に関する注記」については、令和7年度の会計基準等検討会においては論点を取り下げるとの理解でよいか。
 
事務局
ご認識の通り。
公認会計士協会内で議論がまとまらなかったため、次年度以降に改めて検討内容として扱いたいと考えている。
 
資料1-1から1-2に基づいて、内容を説明。
各大学のリースの実態について、アンケート結果を説明。
第6 減損額の会計処理について、一部誤記があったため修正の旨報告。
 
委員等
アンケート結果を踏まえ、事務負担を考慮しても各大学がリースの改正内容を正しく理解することができれば適切な対応が取れる改正ではないかと判断する。
 
委員等
今回、注解18で新たに無償又は減額された使用料による賃借取引について基準を新設している。ここで、減額された使用料の取引の場合、「通常の取引と同様」に処理することとされているが、「通常の取引と同様」の表現について、減額された金額で会計処理する意であるのか、それとも時価に直した金額で会計処理する意なのか明確にしておく必要があるのではないか。この点、公認会計士協会ではどのように考えているか。
 
委員等
基準の解釈については、実務を行う国立大学法人等にも確認を行いながら検討したいと考えている。具体的には、基準についてはこのままの文言で改正し、解釈上の混乱などが生じた場合に、実務指針で対応していくことになると考えている。
 
委員等
アンケート結果の解釈については注意が必要である。今回のアンケートは回答者である国立大学法人等における理解の範囲で回答したものであって、厳格に改正後のリース基準を適用した場合、想定していなかった契約にもリースが含まれることが判明するなど、実態としてはより多くの取引件数が存在している可能性がある。先行する企業会計では、今まさにそのような想定外にリースに該当する取引が検出され事務負担の水準が明らかになりつつある状況である。今後、国立大学法人等において適用の準備をするにあたっては、そのような企業会計の実態も確認しながら適切な実務について検討をしていく必要があると考える。
また、企業会計では「実質的に」といった判断を要する基準上の表現もみられるところ、国立大学法人等においては、法人間における会計情報の比較可能性の確保を強く要請されることから、基準の解釈によって会計処理に重要な差異が生じないよう、実務指針その他事務連絡などでより客観的に会計処理ができるような配慮が必要であると考える。
 
委員等
委員の意見と同様に、アンケート結果では法人間で取引件数に大きく差があり、これは各法人の解釈の違いに起因しているものと考える。アンケートの結論としては、過大な負担とは言えない、ということになっているが、やはり契約書の確認等で一定の事務負担が生じると考えられる。そのような基準適用上の課題については、実務指針で対応することになると考えるので、公認会計士協会において検討いただきたい。
 
委員等
基準適用上の懸念点については、主に実務指針で対応すべきであるとの意見に同意する。今後、公認会計士協会にて丁寧に対応していただきたい。また、各法人には会計監査人も設置されていることから、可能な範囲で、疑念点について会計監査人と国立大学法人等とのコミュニケーションが図られるよう公認会計士協会からも働きかけていただくことが望ましいと考える。
 
委員等
公認会計士協会としては、先行する企業会計の事例や国立大学法人等の実態を踏まえ、文部科学省と協力の上、必要な実務指針の改正をしていきたいと考えている。
 
【議事2:満期保有目的の債券に係る改正について】
 
事務局
資料2-1に基づいて内容を説明。
令和7年度の会計基準等検討会ついては、注解22との内的整合性を考慮し、注解23を部分的に改正することは不適切とし、改正案を取り下げることとした。ただし、今後、国立大学法人等の資産運用実態をより適切に反映できる基準となるよう、改正については引き続き検討していきたい。
 
委員等
基準間の内的整合性を考慮し、令和7年度においては、改正しないという結論は承知した。注解22の内容については、独立行政法人が資金運用を目的としておらず、運用方法に強い制限があることを反映して制定された基準であると考える。一方、国立大学法人等では、国立大学法人法の改正により独立行政法人よりも資金運用の規制が緩和されており、むしろ民間企業に近づいていることから、今後、より企業会計に近い内容に基準を改正していくことが継続的に検討課題になると考える。
 
委員等
今までの国内金融市場では、長期間、低金利で変動しない状態が継続していたため、債券を長期保有することを前提とした基準であっても特段問題は生じなかったと思われるが、現在は、市況が変わり、金利が上昇傾向にあることから、債券を長期保有することで損失が生じる可能性があり、長期保有を前提とした現行基準が必ずしも国立大学法人等の資金運用の実態と整合しないものと考えられる。委員の意見の通り、国立大学法人等の資金運用の実態は規制緩和により民間企業に近づいていることから、企業会計により近い内容に基準を改正し、その実態を適切に反映できるよう継続的に議論をしていく必要がある。
 
委員等
委員の意見と同様、本件については、引き続き検討をしていくことが必要と考える。
事務局に確認したいが、注解22では、長期保有であるかどうかの判断を、購入した中期目標期間が終了するまで保有しているかどうか、という基準で決定していると考えられる。例えば、中期目標期間の最終年度に取得した債券について、その1年後の翌中期目標期間の初年度に売却をする場合であっても、これは長期保有したものという判定になるという理解でよいか。
 
事務局
現在の基準の文言からはそのように判断されると考えている。
 
委員等
そうであれば、長期保有の判断基準について、一般的な感覚と相違していると考えられるため、そのような観点からも、今後、基準の改正を検討していく意義はあると考える。
 
委員等
改正の方向性について承知した。
国立大学法人会計基準は独立行政法人会計基準を参照して制定しているが、その一方、独立行政法人と国立大学法人等の運営実態は乖離しつつあるため、今回のような改正の検討が必要になったものと考えられる。今後は国立大学法人等の実態に整合的な基準となるよう、改正を進めていただきたい。なお、改正の時期について、今後、金融市況の変動スピードが加速した場合、基準改正の対応が遅きに失する恐れがあるため、改正については適時に対応ができるよう検討を進めていただきたい。
 
委員等
委員の意見の通り、金融市況は変動的になっているため、適時に対応できるよう事務局には早期に議題に挙げるよう検討をお願いしたい。
 
事務局
ご指摘の通り、足元で国内金利は上昇傾向にあり、国立大学法人等で保有する債券からもすでに一定の評価損が生じているものと考える。本議題は、そのような事態に適時に対応するべく、国立大学法人等の運用実態に整合的な基準に改正することを企図して提示したものであるので、令和7年度の改正は見送ることとしたが、令和8年度以降の改正論点としてできる限り早期に提案したいと考えている。
 
【その他】
事務局
今後のスケジュールは、改訂の前文なども含めた最終の報告書案を確認していただく予定となっている。内容次第では、書面決議等の可能性もある。詳細については、改めて連絡をさせていただく。
 

お問合せ先

高等教育局国立大学法人支援課

(高等教育局国立大学法人支援課)