21世紀出生児縦断調査研究会(令和7年度第1回)議事要旨

1.日時

令和7年5月19日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

一般社団法人新情報センター会議室、オンライン
(東京都渋谷区恵比寿1-19-15)

3.議題

  1. 21世紀出生児縦断調査研究会について
  2. 令和7年度調査等スケジュールについて
  3. 子どもの成長過程を解明するための長期的な縦断調査に関する調査分析の成果 報告について
  4. 平成22年出生児調査 第16回調査について

4.出席者

委員

石田座長、遠藤委員、妹尾委員、辰巳委員、濱中委員、廣松委員、石田専門委員、川本専門委員、佐藤専門委員、土屋専門委員

文部科学省

木村参事官(調査企画担当)、宇野分析調査官、小松教育分析官

オブザーバー

厚生労働省、こども家庭庁、一般社団法人新情報センター、株式会社サーベイリサーチセンター

5.議事要旨

事務局より、事務局体制の説明、出席者の紹介、配付資料の確認が行われた。

(1) 21世紀出生児縦断調査研究会について

事務局より、文部科学省では平成22年出生児調査を、第16回から厚生労働省より実施主体を引き継ぐ方向で検討していること、平成13年出生児調査の第25回に相当する調査から厚生労働省に実施主体を引き継ぐ方向で検討を進めること、本研究会の名称を「21世紀出生児縦断調査研究会」とすること、平成13年出生児調査の実施主体移管後も、共管調査として文部科学省は関与を残すことの報告がされた

(2) 令和7年度調査等スケジュールについて

事務局より、資料2-1及び2-1に基づいて、令和7年度の調査スケジュール及び研究会開催スケジュールの説明があった。

(3) ⼦どもの成⻑過程を解明するための⻑期的な縦断調査に関する調査分析の成果報告について

調査研究について、委託先である株式会社サーベイリサーチセンターから、資料3に基づき報告があった。 委員からの主な意見は以下のとおり。

【廣松委員】
・回顧的方法について、これまでの実績や有識者の意見を丁寧にまとめられているおり、今後、この報告書を参考に議論できると良い。

【石田座長】
・廣松委員からも発言のあったように、特に逆境体験などを含めた過去の経験を回顧的に聞くことの有効性についてまとめられており、これから検討する上で重要な報告書になっている。

【川本専門委員】
・非認知能力に関する結果の記述について、過去の経験が非認知スキルを向上させる可能性もある一方で、もともと非認知能力の高い子がそのような活動に積極的に従事しているなど逆の因果が考えられるため、こういうことをやれば非認知能力が伸びるといった過大に評価された受け止めがなされないように留意する必要がある。

(4) 平成22年出生児調査 第16回調査について

事務局より、資料4-1に基づいて、「第16回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)方針(案)」の内容について説明があった。続けて、資料4-2から資料4-8までの資料について説明があった。その後、質疑応答がなされた。委員からの主な意見は以下のとおり。

【廣松委員】
・平成13年出生児調査で以前厚労省から文科省に移ったとき、どの程度調査拒否があったか情報はあるか。

【事務局・回答】
・調査拒否には、単純な未回答と調査拒否の申出があるが、後者については情報の保存期間を過ぎているので確認は難しいと思われる。回収率は15回調査91.7%、16回調査88.7%、17回調査80.9%となっている。

【事務局】
・本人票問9について資料4-2では10項目となっているが、回答者の負担軽減のため平成13年出生児調査では6項目へのスリム化が図られている。平成22年出生児調査でも6項目のみとしてもよいか。

【川本専門委員】
・平成13年出生児調査では、18回調査のタイミングで事務局から項目数を減らす提案があり、4項目を削除している。平成22年出生児調査では初めから6項目のみでよいと思う。

【遠藤委員】
・コホート性を考慮するならば、10項目にしておくという考え方もある。どこに重きを置くかによって設定すべき調査項目が変わるので目的の確認をしておくとよい。

【濱中委員】
・資料4-2の青字の項目は15回調査までにも含まれているものか、16回調査で新たに追加されたものか。管轄が変わったことにより、内容が大きく変わると回答者が異なる調査としてとらえてしまう恐れがある。
・問14の「得意だった教科」については個別に聞いても意味があるかどうか。
・入試に関することやどの程度勉強して今の学校に入ったかは設問を追加してもいいかもしれない。

【事務局】
・問19で勉強時間について聞いているが、受験に関しての勉強時間を尋ねるということか。

【濱中委員】
・そうである。受験以外の期間の勉強時間として解釈されると、調査の時期的にあまり勉強していない時期の可能性もある。
・また、学費の関係は来年から高等学校の就学支援が大きく変わるので、保護者票問6と補問6-1など関連する質問はよく検討したほうがよいのではないか 。

【石田座長】
・来年度の変更を見越して、内容を再検討する必要がある。

【遠藤委員】
・(どのような回顧的質問を入れるかについて) 2010年か11年ぐらいの学習指導要領の改訂の中で「生きる力」に重きを置かれるようになった背景もあるので、調べていただくとよいのではないか。

【廣松委員】
・遠藤委員に賛同する。
・厚労省でこの調査を始めたそもそもの目的は少子化対策のためであった。文科省では調査を引き継ぐと同時に別の観点からの調査項目も含めるという趣旨を踏まえて、簡単な形でもいいので入れた方がよいと思う。

【辰巳委員】
・リサーチセンターからの報告を基に考えると、学校教育をより良くするための質問項目が入っていた方がよいのではないか。
・本人票問14の得意教科を聞く質問は、アメリカで連邦政府が実施したパネル調査で、子ども時代のある得意教科が、社会に出た後に社会階層を覆すことができるといった分析に使用されていた。分析の際にそうした分析も検討いただきたい。
・学力学習状況調査の項目と重なる可能性はあるが、「学校に居場所があるのか」といった心理的安全性にかかわる項目を聞くのはどうか。
・問10は最近2週間の私の心の状態を聞いているが、全体的に心の状態を聞いている項目が多く、立て続けに尋ねる仕立てになっているので、分析を前提としたときに、心の状態を聞く質問がすべて必要かどうかを検討する必要があるのではないか。

【川本専門委員】
・問10は平成13年出生児16回調査の際に提案したもので、簡便で利便性の高い尺度になっている。問11が身体面で、問10と併せて心身の健康状態ということになっている。この問を残すかどうかは、目的によるものと思うが、バックグラウンドとしては取っておいたほうがベターかと思う。

【辰巳委員】
・質問項目が増えていく方向になるため、目的を考慮して取捨選択をしていくべきと考える。

【石田座長】
・問10については、毎年聞いている質問のため、継続した方がいいと考える。

【川本専門委員】
・内面に関することを立て続けに聞く負担感を考えるのであれば、問3の起床入眠時間と並べて聞いた方がいいかもしれないが、変えてほしいという強い意見ではない。

【濱中委員】
・問3、問4の起床入眠時間や朝食を食べるかを高校生に聞く必要があるのか。

【厚生労働省】
・これらは厚生労働省の調査項目を踏襲していただいている。起床時間・就寝時間は第2回から、朝食のとり方は、5回と9回、11回以降は15回まで継続して、生活習慣が必要な時期までに形成されているかを確認している。

【濱中委員】
・起床就寝や朝食については、子供の頃は大事だが、高校生になれば聞く必要はないのではないか。スペースの問題もあるので削除の候補にはなるかと思う。

【遠藤委員】
・文部科学省の調査背景に「朝食欠食率」などがあったのかどうか、その点は検討したほうがよい。

【廣松委員】
・厚生労働省で調査を始めたとき、少子化対策もそうだが、親の育児の負担という観点もあったように記憶している。起きる時間や寝る時間が30分単位で細かいのは、そうした意図があったと思う。

【川本専門委員】
・健康関連行動ということで、OECDでも睡眠時間はウェルビーイングに関して関係の深い項目だった。一方で詳細な時刻までの必要性はないかもしれないので、OECDの基準で○○時間寝ているか、といったように形を変えてもいいかもしれない。空いたスペースで運動の習慣などを盛り込んでもいいのではないか。
・また、問9の自尊心については、当時の文科省担当から政策として重要な位置づけだという説明があり提案をした。問8の質問で非認知スキルは聞くことができるので、問9は削除してもよいかもしれない。
・自己と他者をそれぞれ尋ねることに意味があるので、問8に相当するものを保護者票に他者評価として入れてもよいのではないか。
・睡眠時間、運動習慣、保護者の問8の提案内容については事務局へ後ほど提案する。

【遠藤委員】
・目的の設定については検討の必要がある。川本先生のおっしゃるように世界的には8時間睡眠が基準とされているのでその点に注目する観点はあるが、文部科学省として、学校での授業の集中という観点で連続睡眠時間数の回答を求めているのか、起床時間が必要なのか、目的次第で必要になる項目が変わる。
・問8は時代における自尊感情の低下を知りたいのであれば残しておいてもよいが、非認知スキルを見たいのであれば項目として削除してもよいのではないか。

【濱中委員】
・スマホやSNSの利用に関する質問項目を追加した方がよいのではないか。高校生が答えて面白い質問であれば回収率があがると思われる。いつからスマホを持っていたかなどを回顧的に聞くなどはどうか。

【辰巳委員】
・高校1年生でも生成AIを宿題の中で活用する時代なので、生成AIに関連した内容を追加することを検討していただきたい。

【石田座長】
・提案のあったスマホ、SNS、AI関連について、H13年出生児では17回で聞いていたところ、16回に加えるのか、それとも17回に少し変更して聞くのかということを含めて事務局で検討していただき、次回に検討をしたい。
・本日の意見を踏まえた質問票の案を事務局で検討してほしい。

(文部科学省総合教育政策局参事官(調査企画担当)付)