統計業務の質の向上に向けた専門家会議(第1回)議事録

1.日時

令和8年3月27日(金曜日)10時00分~11時30分

2.場所

文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はYouTube Live上のみ)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 会議の開催について(非公開)
  2. 文部科学省の公的統計について
  3. 学校基本調査「年次統計」における特別支援学校の取扱いに関する修正について
  4. 子供の学習費調査の公表数値等の訂正について
  5. 今後の進め方について
  6. その他

4.議事録

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  それでは、定刻となりましたので、会議を始めさせていただきます。
 本日は、第1回統計業務の質の向上に向けた専門家会議に御出席くださり、ありがとうございます。
 総合教育政策局参事官付の稲葉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 初回につき、冒頭のみ私のほうで進行させていただきます。本会議は、対面とZoomウェビナーのハイブリッド形式にて開催しております。会場から御参加いただいている皆様におかれましては、机上のタブレットをZoomウェビナーに接続しておりますので、発言される際は、タブレットのミュート、一番左下側にあるかと思うのですけれども、そちらを御自身で解除いただきまして、発言が終わりましたらミュートに戻していただくようお願いいたします。また、オンラインで参加されている委員の方が御発言されている際には、タブレットに接続しております、皆様にもつけていただいていますけれども、ヘッドセットを着用いただいて聞いていただければと思います。
 次に、資料の確認でございます。皆様には机上にも置かせていただいておりますけれども、議事次第に加えまして、資料1から5、あと参考資料1から3があります。もし見当たらない場合は、挙手ボタンか実際の挙手で教えていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、続いて資料1-1及び1-2の運営規則等について、ポイントに絞って御説明させていただきます。
 まず、資料1-1の「開催について」ですけれども、本専門家会議は、主査に議事を整理していただくこととしておりまして、主査については、総合教育政策局長及び科学技術・学術政策局長からの指名によって、椿構成員にお願いさせていただきたいと思います。また、副主査は清原構成員にお願いさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続いて資料1-2の「運営について」ですけれども、会議の公開については、第1条にございますとおり、原則公開で行うことといたしまして、事前に登録いただいた報道関係者、一般の方の傍聴を認めることとしております。また、第2条、第3条にございますように、会議資料及び議事録は原則公開を予定しております。こちらの運営規則案の内容に御異議がないようでしたら、登録した傍聴者の傍聴を開始したいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。
 それでは、これより報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeにて配信したいと思います。
 また、これ以降の進行を椿主査にお願いさせていただければと思います。お願いいたします。

【椿主査】  おはようございます。本会議の主査を務めます椿広計と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 ここまで、会議の運営規則の議論のため非公開としておりましたけれども、運営規則が決定されましたので、ここから会議は公開で行いたいと思います。
 それでは、本日初回になりますので、橋爪淳大臣官房審議官(総合教育政策局担当)より、冒頭、御挨拶を頂戴したいと思います。橋爪審議官、よろしくお願い申し上げます。

【橋爪大臣官房審議官(総合教育政策局担当)】  ありがとうございます。
 文部科学省の橋爪と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
 まず初めに、構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、お引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。本日も御出席ありがとうございます。
 公的統計につきましては、国民、それから企業、行政などが合理的な意思決定を行うための重要な基盤でございまして、近年、特にエビデンスに基づく政策立案、EBPMを支える基盤として、その役割は一層高まってございます。それから、社会・経済情勢も近年大きく変化してございますが、こうした変化に的確に対応しながら、社会にとって有用で、高い品質の統計を継続的に作成していくこと、さらにそれらを利用しやすい形で提供していくこと、これらがこれまで以上に求められておりまして、文部科学省の統計調査等でもしっかり対応していくということが必要と考えてございます。
 そのような中で、文部科学省におきましては、昨年12月から今年の1月にかけまして、統計の関係で立て続けに2つの不適切な事案がございました。1つは、学校基本調査の年次統計におきまして、大学進学率等に特別支援学校の数値が含まれておらず、過去に遡って修正を行ったというもの。それからもう一つが、子供の学習費調査の令和5年度実施分及び令和3年度実施分について、公表数値の大幅な訂正を行ったというものでございます。このようなことが生じたことにつきましては、私どもも大変申し訳なく感じており、真摯に反省して、統計に対する信頼を回復できるよう、しっかりと取り組んでいく必要がございます。
 このため、再発防止策といたしまして、文部科学省の統計について有識者の先生方から御意見を頂くべく、本会議を設置させていただくことといたしました。本会議では、基幹統計及び一般統計を中心とした各種調査等について、統計の検討方針や公表方針などに関する確認機能を強化する観点から、専門的知見を有する皆様の御意見を幅広く伺い、統計業務の質の一層の向上、信頼の回復につなげていきたいと考えてございます。皆様方からの忌憚のない御意見、御示唆を賜りますようお願い申し上げて、冒頭の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【椿主査】  橋爪審議官、どうもありがとうございました。
 続きまして、構成員の方々や文科省の参加者の御紹介を事務局からお願いします。また、本日は初回となりますので、構成員の先生方から一言ずつ、自己紹介を頂ければと思います。よろしくお願いします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  失礼いたします。資料1-1、別紙の構成員名簿の順番にお願いしたいと思います。
 本日は、石田構成員、岡室構成員が御欠席です。また、土屋構成員は少し遅れての御参加となってございます。
 それでは卯月構成員、お願いいたします。

【卯月委員】  こんにちは。国立教育政策研究所の卯月と申します。今お話を伺いましたように、非常に重要な趣旨の下で立ち上げられた会議と受け止めておりますので、微力ながら貢献したいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。木村治生構成員、お願いいたします。

【木村委員】  ベネッセ教育総合研究所の木村です。よろしくお願いいたします。
 私は現在、民間企業の教育研究機関で、主に子供や保護者、学校を対象とした調査を担当しております。今回はそういう研究の視点に加え、民間で統計を活用している立場からも発言させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。副主査をお願いしております清原慶子構成員、お願いいたします。

【清原副主査】  皆様、こんにちは。杏林大学客員教授で前東京都三鷹市長の清原慶子です。
 私は、三鷹市長在任中から2025年10月まで、総務省統計委員会の委員を務めておりました。そして統計制度部会長、それからデジタル部会長を務めておりまして、特に、社会のデジタル化の統計的把握の在り方、すなわち、デジタル社会をどのように把握していったらいいのかについてや、デジタル技術を活用した統計業務の在り方についても委員の皆様と検討してまいりました。また現在、文部科学省では中央教育審議会の委員を務めさせていただいております。「生涯学習分科会」の分科会長と、その中に設置されている「社会教育の在り方に関する特別部会」の部会長を務めております。加えて、「初等中等教育分科会教育課程部会」においては「特別支援教育ワーキンググループ」の主査を務めさせていただいておりますので、そうした経験から、本日開始されますこの取組についても、ぜひ国民・市民の視点を重視しながら発言させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。千野雅人構成員、お願いいたします。

【千野委員】  統計数理研究所の千野です。よろしくお願いします。
 私は今の統計数理研究所で人材育成を行っておりまして、レベルで言うと、リテラシーレベルの上の、応用基礎レベルの上の、エキスパートレベルの統計人材の育成を行っております。統計数理研究所に来る前は、総務省統計局で統計行政の実務を担っておりましたので、そのような経験が生かせればいいかなと思っております。よろしくお願いいたします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。最後に、主査をお願いしております椿広計構成員、お願いいたします。

【椿主査】  大学共同利用機関法人情報・システム研究機構に勤めております椿と申します。
 この委員会、専門家会議につきましては、むしろ公的統計の品質管理といいますか、現在も総務省の統計監理官というのを兼務しておりまして、いろんな意味で各府省の統計の品質管理の状況を見させていただいているというような職務をしております。私も昨年まで清原先生と御一緒に総務省統計委員会の委員長を務めておりました。やはり公的統計は非常に、先ほど審議官からもありましたように、社会の意思決定の根幹に関わることですので、今回の会議の中でもその観点からいろいろな御意見を聴取するとともに、私自身の考えも述べさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  ありがとうございました。
 また文部科学省からは、橋爪審議官、野田参事官、石川課長などが出席しております。また西條科学技術・学術政策局長は、用務の都合により遅れての参加の予定です。
 紹介は以上になります。

【椿主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、議事に移りたいと思います。今回の議題は5つございまして、第1に「会議の開催について」、次に「文部科学省の公的統計について」、その次に、先ほどありました「学校基本調査『年次統計』における特別支援学校の取扱いに関する修正について」、それから「子供の学習費調査の公表数値等の訂正について」、最後に「今後の進め方について」ということになります。
 議題1の「会議の開催について」は、冒頭の公開前に事務局より開催要項あるいは運営規則について御説明いただき、承認を得ましたので、この後、議題2以降から進めさせていただければと思います。今回、初回になりますので、議題2では、まず文部科学省の公的統計について事務局より御説明いただいた上で、昨年12月より文部科学省で発生した統計調査関係の修正などとして、先ほど申し上げましたように、学校基本調査「年次統計」における特別支援学校の取扱いに関する修正について、それから子供の学習費調査の公表数値等の訂正について御説明いただきたいと思います。
 議題4まで終わった段階で一度、質疑あるいは御意見等を頂く時間を設けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。次回以降、文部科学省の個別の調査について御議論いただくこととなりますけれども、最後の議第5「今後の進め方」においては、本会議の進め方について事務局より御説明の上、構成員の皆様全員から一言ずつ御意見を頂戴できればと思います。今日はそのような進め方にさせていただければと思います。
 それでは、まず議事(2)「文部科学省の公的統計について」に入らせていただきます。この件、事務局から御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

【野田参事官(調査企画担当)】  御説明いたします。資料2を御覧ください。
 開催要項にもございますとおり、本会議では、基幹統計、一般統計を中心とした文部科学省の調査について御意見を頂きたいと考えておりますので、まず文部科学省の公的統計の全体像について御説明申し上げます。
 次のページでございます。まず統計調査でございますけれども、統計法に記載されておりますとおり、統計の作成を目的として個人や団体等に対して事実の報告を求めることにより行う調査となっておりますが、公的統計といったときには、こういった統計調査により作成される統計のほか、業務データ、行政実務を行う中で得られるデータを集計することによって作成される、いわゆる業務統計ですとか、あと文部科学省では該当がございませんが、加工統計についても該当するということでございます。また、国が行う統計調査としては、統計法にございますとおり、総務大臣が指定する特に重要な統計として基幹統計調査、それからそれ以外の一般統計調査がございまして、これら統計調査については、統計法に基づく各種の手続を行った上で実施等を行う必要があるということでございます。
 次のページから、文部科学省の公的統計について御説明いたします。
 まず、基幹統計については4調査ございます。全て教育の関係になっておりますけれども、1つ目の学校基本調査が文部科学省の中でも最もボリュームのある調査となっておりまして、幼稚園から大学等に至るまでの全ての学校への全数調査を毎年行っておりまして、学校数ですとか在学者数等について、かなり幅広い事項を調査しているものでございます。
 それから学校保健統計調査。これも毎年行っている、こちらは抽出で行っているものですけれども、満5歳から17歳の児童生徒等の健康診断の状況を把握しているという調査でございます。
 学校教員統計調査と社会教育調査。こちらは3年に1度行っておりますけれども、これらも全数調査として詳細な状況を把握しているというものでございます。
 一般統計については、19の調査がございます。このうち、教育の関係が11ございます。その中で、初等中等教育関係が7つ、ここにあるものがございまして、児童生徒の問題行動・不登校等の状況調査や、学校における教育の情報化の実態調査、また学校給食に関する実施状況や栄養に関する調査、高等学校卒業者の就職状況に関する調査、また地方の公共団体から支出される教育費の調査や、子供の保護者が学習費に支出しているものの調査といったものがございます。
 次のページに行っていただきまして、高等教育の関係では、高等教育機関の卒業予定者の就職内定状況調査ですとか、また高等教育機関で行われるキャリア形成支援活動実施状況等調査がございます。また、そのほかのものとして14番が、厚労省と共管で実施している、こちらは同じ対象者に毎年、質問調査を行っている縦断調査でございます。また、日本語教育実態調査も実施しております。
 科学技術・学術政策の関係では5調査ございまして、民間企業を対象に研究活動やイノベーション活動の実態の調査、それから学術情報の基盤の実態調査、ポスドクの雇用・進路に関する調査や、大学等の研究者数を国際比較できる形のフルタイム換算するための調査というものがございます。
 次のページに行っていただきまして、体育・スポーツの関係では2つございまして、小学生から成人までを対象とした体力・運動能力調査、それから体育・スポーツ施設の現況調査がございます。
 文化の関係では、宗教法人の数などを調査する宗教統計調査となっております。
 6ページ以降が業務統計でございまして、全部で45ございます。個々の説明は割愛いたしますけれども、このうち大多数に当たる42が教育の関係になっておりまして、その中でも初等中等教育関係が非常に多く、31ございます。
 こういったものについて、今後御意見を賜りたいと考えております。事務局からは以上でございます。

【椿主査】  御説明ありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、質疑等は議題4の後に一度設けさせていただくのですけれども、現時点で特に確認・質問しておきたいこと等ありましたら、挙手ボタンでお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、どうも御説明ありがとうございました。
 続きまして、議事の3番目、「学校基本調査『年次統計』における特別支援学校の取扱いに関する修正について」に入らせていただきます。これも事務局から御説明をお願いいたします。

【野田参事官(調査企画担当)】  御説明申し上げます。
 冒頭の挨拶でも触れさせていただきましたとおり、本専門家会議はこの事案の再発防止策の一つとして開催することにしたという背景がございます。
 まず事案の概要でございますけれども、学校基本調査の参考資料として平成11年度から掲載しています「年次統計」の中で公表してきました「大学(学部)進学率」について、算定式の分母として使用していた、3年前の中学校等の卒業者数という中に、特別支援学校(中学部)の卒業者数が含まれていなかったということが報道で取り上げられまして、これは不適切であったとして、我々として謝罪するとともに、「年次統計」においてほかにも同様の適切ではない取扱いのありました11の指標とともに算定式を修正し、過去に遡って数値を修正し、令和7年度調査の確報値とともに公表したというものでございます。説明は割愛いたしますけれども、12指標の修正前後の算定式は別紙1、修正前後の数値は別紙2にございます。
 また、補足でございますが、これら12の指標については、いずれも学校基本調査の統計本体ではなく、統計調査で把握した大学入学者数などの数値を二次的に使って算出していたものでございます。このため、統計法に基づく手続の必要がなかったことから、文部科学省が自身の判断で速やかに修正して公表できたものということになります。
 また、2ページ目に行っていただきまして、2ポツでございますけれども、修正作業と並行しまして、大学(学部)進学率の取扱いに関する経緯を、過去の文書の確認、それから退職者を含む40名の過去の担当職員へのヒアリングによって実施いたしました。
 3ページにございますように、まず文書の調査からは、遅くとも昭和46年度から、当時は「高等教育就学率」という指標で分母に3年前の中学校卒業者数を使用し、ここに盲・聾・養護学校の卒業者数は算入されていないという算定式が使用されていたことが分かりました。なお、この昭和40年代は、まだ盲・聾・養護学校の卒業者の大学進学状況が把握されていませんでしたので、そのことが背景にあった可能性はございますけれども、その後、昭和50年代には卒業後の進学状況についても詳細な調査を行い、その結果を公表していましたが、現在に至るまで算出方法の見直しがなされていなかったということでございます。
 また、担当職員からのヒアリングでは、「統計的なトレンドを捉えることが大事という認識だった。一番近い近似的な数字として、3年前の中学校卒業者がよいとなったのではなかったか」といったことですとか、また、「学校基本調査に掲載を開始した際には、既に同様の資料があって、それをそのまま用いた」、「調査の継続性の観点から、それまでと同様に算出していた。また、それに対して、統計を活用する部署からの問題意識を伝えられたこともなかった」といった回答がございました。
 4ページ目が、経緯を踏まえた反省点となりますけれども、まず長年にわたって「大学(学部)進学率」等の算定に特別支援学校に関する数値を含めていなかったこと。またさらに、算定式は公開されており、誰でも知り得る状況にあったにもかかわらず、問題点の認識に至らず、適切な対応がなされないまま漫然とその状態を放置していたこと。これは不適切であったとしております。また、統計の担当部署には、「進学率」等を統計的な数値としてのみ扱う意識ですとか、また継続性の偏重・前例踏襲の意識がうかがわれ、また政策検討に活用する部署からの問題提起が行われたという回答もなく、統計担当部署と統計活用部署との連携・意思疎通が不十分であったということを反省点としております。また、このようなことを踏まえ、統計や各種指標の算定について不断に見直しを行う必要があるとしております。
 また、学校基本調査以外にも、特別支援学校の扱いについて改善を図るべきものや見直しの検討が必要な調査がないかということについて調査しましたところ、こちらに列挙していますとおり、15の調査がございました。この中には、基幹統計、一般統計、業務統計のほか、公的統計以外の調査も含まれております。また、それぞれの調査については、次の調査実施までに、学校現場の負担にも配慮しながら見直しを行って、必要な措置を講ずることとしております。
 また、資料にはございませんが、文科省本省のほか、施設等機関や所管独立行政法人の調査についても確認範囲を広げましたところ、国立教育政策研究所の1調査、インターンシップ実施状況調査でございますが、それと、独立行政法人国立青少年教育振興機構の2つの調査、青少年の体験活動等に関する意識調査、それから日・米・中・韓の青少年に関する国際比較調査で該当があることが分かりましたので、これらについてもそれぞれ見直しを行っていく予定にしております。
 また、15調査のうち、この報告書をまとめました12月の末からこれまでの間に既に対応を行っている調査について、資料3-2にお示ししております。
 まず、教員免許状授与件数等調査につきましては、これまでも調査対象には含まれておりましたが、公表資料には入っていなかったというものでございましたので、今月公表した令和6年度調査の結果から含めて公表するとともに、併せて過去の調査結果も遡って追加して公表しております。
 また、調査の対象または一部の調査項目の対象に含まれていなかった、こちらにある4つの調査においては、特別支援学校も含める形で既に調査を発出しています。なお、児童生徒の問題行動・不登校等の調査においては、暴力行為については引き続き検討となっておりますが、その他の項目については、ほかの学校種と同様に含めて調査を発出しております。ここに挙げている以外の調査についても、特別支援学校の関係者や統計の専門家と相談を始めるなど、検討を進めているところでございます。
 それでは、資料3-1の5ページに戻っていただきまして、再発防止策でございます。
 (1)にございますとおり、職員の意識向上・人材育成ということについては、各種研修を行っていくということとともに、また(2)の統計業務の改善を進めてまいります。まず本事案では、省内で問題点の認識に至らなかったということが反省点でございましたので、これを踏まえて、統計業務に外部有識者の方の目を入れる仕組みを整えるということにいたしまして、まず1つ目の丸にありますとおり、まさに本会議を開催することにしたということでございます。それによって、統計の検討方針や公表方針などについての確認機能を強化するということにしております。また、もう一つ、統計分析アドバイザーというもの。こちらは、統計業務の各段階において、これまでも公表前など御相談していたのですけれども、こういったアドバイザーを増員することによって、さらにチェック機能を強化することにしております。また、デジタル技術のより一層の活用による効率化を進めるとともに、統計を作る側と使う側の情報交換・情報共有というものをしっかりと業務サイクルに組み込んで、利用側のニーズや問題意識を統計に反映できるように取組を進めてまいります。さらに、広く職員から改善意見などを募れるように、意見募集の仕組みを2月に開始したところでございます。最後に、統計について不断の見直しを行って、見直す点がある場合には早急に対応するということが重要でございまして、省内でもこのことを周知したところでございますが、引き続き徹底を図ってまいります。
 また、この点検を行う中で、学校基本調査について見直しが必要な項目がございましたので、資料3-3で御説明させていただきます。令和8年度調査につきましては、この4月7日から回答開始となりまして、例年と同様、8月に速報値、12月に確報値の公表を予定しています。これについて、今後の調査に向けて調査票を精査していましたところ、約30種類の調査票のうち3種類、具体的にはそこにあります高等学校・専修学校・各種学校の学校調査票における「当該年度入学者」について、入学者の合計数には、特別支援学校を卒業して入学した方が含まれている一方で、その内数を問う項目、具体的には、高等学校の他県所在の学校の卒業者・過年度卒業者、専修学校と各種学校の直近3月の卒業者に、特別支援学校が含まれておらず、見直しが必要であることが分かりました。本調査は基幹統計でございますので、調査項目の変更には、統計法に基づく手続が必要でございますので、間もなく開始する令和8年度調査につきましては、総務省とも相談した上で、この内数に該当する特別支援学校卒業者の数値について、附帯調査という形で、統計法に定める必要な手続を経た上で別途実施し、その結果を精査の上で、その数値も含めて公表を行うことを予定しています。
 また、下に行っていただきまして、令和9年度以降の調査項目の変更についても検討を行い、必要なプロセスを進めてまいります。改めて、修正が続いたことを反省し、今後も不断に点検・見直しを行い、修正を行うべきものがあれば早急に対応してまいります。
 御説明は以上でございます。

【椿主査】  御説明ありがとうございました。
 最後に、次の4月から実施する令和8年度学校基本調査についても御説明があったところです。今回もまとまった質疑とか意見交換は議題4の後等にしたいと思いますけれども、これも今の時点で確認ないしは質問しておいたほうがいいという点がありましたら、挙手ボタンでお知らせください。
 清原先生、よろしくお願いします。

【清原副主査】  今、資料3-1で御丁寧に説明していただいたことにつきまして、現在、先ほど自己紹介いたしましたように、私は「中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会」で「特別支援教育ワーキンググループ」の主査を務めさせていただいておりますので、その審議の状況など、野田参事官の御報告に少し付け加えさせていただければと思って発言させていただきます。
 実はこのワーキンググループに野田参事官には2度御出席いただきまして、最初は、「学校基本調査」において特別支援学校の取扱いに関する不十分な点があったという御報告、そして2回目は、それをこのように修正していますという御報告に、2回来ていただいております。
 最初に報告していただいた際には、委員である「全国特別支援学校長会」の緒方会長から、次のような御発言がありました。「共生社会を目指す特別支援教育を担う立場からも、本件については非常に残念に思っておりますので、至急、改善と調査結果の修正を望みます。ほかの調査においても同様のことがないか確認し、障害のある子供やその保護者、学校関係者などの信頼回復に全力で当たっていただきたい。それを強く要望します」という御発言でございました。また、障害のある子供を持つ保護者の有吉委員からも、「大変遺憾に思います」ということと、「数は少ないかもしれないですが、大学進学を目指し、そして大学へ進学した児童生徒は私たちの希望でもあり、今後の改善及び資料の修正をお願いいたします。障害のある子供たちのことが忘れられないようにと願っております」との発言がございました。こうした発言を受けて、文部科学省で修正していただいた後、すぐまた野田参事官に御説明にきていただきまして、その内容について委員の皆様には一定の御理解を頂いたという状況でございます。
 そこで、現在、見直しと改善が進められている関連調査においても先ほど御報告がありまして、随分広汎にお調べいただいたようです。関係団体の統計調査も含めて特別支援教育に関する視点が抜けていたということも確認していただきました。何よりも私たちは現在、次期学習指導要領を検討するに当たっての基本的考え方については、①「主体的・対話的で深い学び」の実装の次に②「多様性の包摂」ということを重要な柱に置いています。もちろん同時に③「実現可能性」の確保を踏まえて検討しているわけです。このように、②「多様性の包摂」を次期学習指導要領の改訂の基本的考え方に提起している、言わば通常からのインクルーシブを考えている文部科学省におかれては、この事案を端緒として、広範な公的統計業務の質の向上についての検討をスタートされたということは、とても意義があることだと思っています。特別支援教育に関係する方々も、このことが端緒になって、文部科学省全体で公的統計の充実に向けた検討を開始されて、専門家会議も設置されて省内での取組をされていくということには、期待を持っていらっしゃると思います。ぜひ特別支援教育関係者にも、また折に触れてこのような状況を報告していただいて御理解を深めていただき、共に歩みを進めていければよいと願っております。
 以上、私から報告をさせていただきました。ありがとうございます。

【椿主査】  重要な報告といいますか背景の説明を、清原先生、どうもありがとうございました。まさに包摂性の問題自体が今後非常に重要なことで、これは、公的統計に算入するというか、それに入れるという条件ではなくて、いろんな分野でこういう配慮というのが必要ではないかと思いますので、ぜひ文部科学省の方々についても、もう既に今回大いにいろいろ認識を新たにされたとは思いますけど、徹底していただければと思います。どうもありがとうございました。
 いかがでしょう。ほかに補足の意見等々ございますでしょうか。あるいは質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。後ほどでよろしいでしょうか。
 それでは、続きまして議事の4番、「子供の学習費調査の公表数値等の訂正について」に入らせていただきます。これも恐縮です。事務局から説明をよろしくお願いします。

【野田参事官(調査企画担当)】  御説明申し上げます。
 子供の学習費調査でございますけれども、この調査は、幼稚園から高等学校までの子供の保護者が、学校教育や学校外の教育に支出した教育費に関する調査でございます。2年に1度実施しておりますけれども、直近で公表しました令和3年度分と令和5年度分の2回の調査の結果に大幅な誤りがありまして、1月16日に公表いたしました。令和3年度は、修正幅が学習費総額で数十円から数百円と比較的小さかったものの、令和5年度については、最大で私立高校の約15万円の上方修正という大幅な訂正がございました。また、ここでは学習費総額のみを示しておりますけれども、内訳の各項目や標準誤差もかなり大幅に訂正したところでございます。
 2ポツにありますように、発生原因については、直接的には表計算ソフトウエアの計算式の誤りや、データ入力誤りなどの職員の手作業によるミスでございましたけれども、下の注にございますように、背景には、集計システムの整備の遅れによって手作業のプロセスが増えていたということがございます。また、共通の原因として記載しておりますように、ミスを見つけることができなかったという確認体制の不十分さがございました。
 このため再発防止策としましては、システムの改修のほか、学校基本調査の件と共通でございますけれども、外部のアドバイザーの一層の活用、研修等を通じた担当職員の専門知識の向上に取り組んでいくこととしております。
 また、今回の訂正の影響として、本調査は政府内で各種の給付金の算定などに活用されておりまして、文部科学省の高校生等奨学給付金のほか、人事院の奨学援護金、外務省の子女教育手当、厚生労働省の生活保護基準のうち教育関係扶助の算定に活用されていました。関係省庁に確認いただいた結果、外務省の子女教育手当では、訂正に伴う追及が必要な方への対応が生じ、そのほかの省庁では、使用していた項目の訂正幅が大きくなかったことなどから、今回の訂正に伴う変更はありませんでした。ただ、このように統計の訂正によって利活用者に影響を与え得るということを改めて認識し、再発防止に取り組んでまいります。
 御説明は以上でございます。

【椿主査】  御説明ありがとうございました。
 それでは、議題2から4につきまして一通り御説明いただきましたので、ここで改めて確認したい事項あるいは質問したい事項等あれば、よろしくお願いいたします。これも挙手ボタンでお知らせください。
 今、土屋委員が入られたようですね。どうしましょうか。先ほど自己紹介を一通りやっていますけど、ここでやっていただくということでよろしいですか。
 土屋先生、恐縮です。簡単に自己紹介をしていただいた上で質疑に入りたいと思います。よろしくお願いします。

【土屋委員】  議事を妨げまして申し訳ございません。遅れまして申し訳ございません。横浜市立大学、土屋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は専門は、統計調査の設計を専門としておりまして、子供の学習費調査なども長年関わらせていただいております。何らか貢献できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【椿主査】  どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、改めまして議題2から4の質疑・確認事項に移りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、私から質問させていただきますと、学校基本調査のほうはかなり、いろんな意味で問題意識や何かはもともとあったんですけど、統計の継続性とか、その他もろもろのことが省内にはあったと先ほど御説明いただいたところですけど、今回の事象から考えたときに、本来あるべき姿にする時点、先ほど昭和40年代、50年代、いろいろあったのですけれども、本来だったら、お互いのいろんな意思疎通ができていたら、この辺りでアクションを打てていたのではないかということについて、文科省様のお考えなどあれば、少しお聞かせいただければと思うのですが。

【野田参事官(調査企画担当)】  ありがとうございます。非常に難しい点ではございますけれども、先ほども少し御紹介しましたとおり、この算定式が開始された昭和40年代は、そもそも当時の盲・聾・養護学校から大学に進学されている方がどれぐらいいるのかといった調査を行っておらず、把握されていなかったという状況がございましたけれども、昭和53年度からは、かなり詳細に進学状況ですとか就職先の状況の調査も行っておりましたので、そういった調査結果を踏まえて検討する余地はあったのではないかとは思います。ただ仮定の話にはなりますけれども、やはり把握できた数字をきちんと分析して、それを統計に反映していく、そういったサイクルをきちんとつくっていくことが必要だと考えてございます。

【椿主査】  どうもありがとうございます。かなり重要な考え方を示していただいたと思います。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。木村先生、よろしくお願いします。

【木村委員】  御説明をありがとうございました。
 最後の「子供の学習費調査」についてお伺いしたいのですが、私も少し関わらせていただいていることもあり、今回の件は集計作業中の計算式の誤りなど、作業のプロセスの中で生じたミスであって、外部からはなかなか発見しにくい性質のものであったと思いました。その一方で、状況を伺う中では、本日ご出席の土屋委員が中に入って検証されたとも伺っております。そこで、今回の誤りが内部でどのように発見されたのか、そのプロセスや、修正の過程で外部の方がどのように関わっていたのか、その点についてお伺いできればと思います。

【野田参事官(調査企画担当)】  ありがとうございます。まさに今、木村委員が御指摘のとおりでございまして、子供の学習費調査の、次の令和9年度以降の調査に向けて、有識者会議を立ち上げる準備をしておりまして、その中で、土屋委員を含め、有識者の方と相談を始める中で、この数字はちょっとおかしいのではないかというような御指摘を頂き、確認したところ、やはり訂正が必要であったということでございます。当時も、集計して推計した後、仕上がった数値について、その傾向をどう捉えるかということについては外部の有識者・アドバイザーの方の御意見もお伺いしていたのですけれども、この数値そのものにおかしな点がないのかということについては外部の確認は依頼していなかったものですから、今後はこういった点についても外部のアドバイザーの方に御相談できるように、外部アドバイザーを増員するということにしたということでございます。

【椿主査】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしくお願いします。

【卯月委員】  御説明ありがとうございました。今回、具体的に出てきたミスや、修正に至った経緯について、大きく分ければ2種類の課題があったと思います。1つは、学校基本調査に関しては、特別支援学校に関して入っていないというのが、今後進めていく「多様性の包摂」についても課題を表示させるような論点であって、それはそもそも私たちが統計を使って何を測定しようとしていたのかというところにおいて、統計の技術的な問題というよりは、教育政策に必要なデータが誰を包摂したデータであるべきなのかというところの論点だったと思います。もう1つの子供の学習費調査の今回のことに関しては、どちらかといったら、実施体制の中の問題や技術的な問題で生じたことかと思いまして、それぞれ種類の異なる問題が発生したと理解しています。どちらも重要で、たまたま再発防止策の資料4に書かれていることですが、ここで、研修等を通じた担当職員の専門知識の向上といった場合に、例えば先ほどの「多様性の包摂」という観点についても、これから統計に関わる職員のほうで専門知識として研修などされていく御予定や方針などがおありでしたらお聞かせいただければと思います。

【野田参事官(調査企画担当)】  4の(1)の1つ目の丸に記載していますけれども、今回は特別支援教育に関する数値が入っていなかったということですので、障害者理解の増進に関する研修ということを今年の1月に実施いたしました。また、既存の研修内容も今後拡充するなり、やはり、我々として何を捉えて認識していかないといけないのかというところは研修の中にも取り入れながら、意識の向上を図っていきたいと考えております。

【卯月委員】  ありがとうございます。技術的な面だけでなく広く考えられていることと理解しました。

【椿主査】  どうもありがとうございました。木村委員、卯月委員、非常に貴重な意見をありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。千野先生、よろしくお願いします。

【千野委員】  大学進学率の分子・分母の問題なのですが、これは比率を出す統計なのですが、比率というのは簡単なように見えるのですが、統計技術的には難しい部分があって。一般的に分子は明らかなんです。ほかの比率にして、例えば高齢化率などという、いかにも明らかな数字があるんですけど、高齢者数というのははっきりしているんです。分母に何を使うか。総人口。ここが日本人なのか、外国人も含める人口なのか。さらに、統計調査には未記入・未回答もありますので、それを含めるのか含めないのかといったところで、一般的に分母をどうするかは難しいんです。それは、ほかにも例えば失業率についても、失業者数というのは明らかなのですが、では分母をどうするのか。人口全体なのか、就業者プラス失業者なのか。そういうのがあります。あるいは、産業別の就業率というのですか。製造業就業者というのは、調査で何人と明らかに出るのですが、では分母を何にするか。産業の項目に答えない人がいますので、そういった未記入部分を分母に入れるのか入れないのかによって、率は大きく変わってくるんです。そういうふうに、単に割り算しているだけなので、シンプルに簡単そうに見えるのですが、特に分母というのが、比率の場合、ポイントになりますので、ここが、これから何か点検等していくときの1つのチェックポイントになると思います。

【椿主査】  この点も非常に示唆に富んでいると思います。ぜひ配慮してと思います。どうもありがとうございました。
 いかがでしょう。この後の今後の進め方で、いろんな総括的な意見を頂戴するのが重要かなと思ったところなので、今後の進め方に入らせていただいてよろしいでしょうか。
 それでは、これも事務局からよろしくお願いいたします。

【野田参事官(調査企画担当)】  御説明申し上げます。
 まず、2ページ目でございます。基本的な考え方としてお示ししておりますけれども、本会議で扱う対象としましては、統計法に基づく基幹統計と一般統計を基本としたいと考えております。ただ、そのほかの調査についても御意見を賜りたいことがある場合には対象とさせていただければと考えております。また会議開催に当たりましては、この会議自体が統計の質の向上を目的にしておりますので、円滑な統計業務の実施のための既存の検討体制ですとか業務プロセスとの整合性は確保して、効率的に実施できたらと考えております。
 先に参考資料の3を御覧いただければと思います。政府全体の統計のPDCAについて少し御説明させていただきたいと思います。参考資料3の、2「背景」というところ、1ページ目から2ページ目にございますけれども、令和元年9月ですとか令和4年8月の総務省の統計委員会の建議なども踏まえて、2ページ目の3つ目の丸にございますとおり、統計法に基づいて閣議決定されている、現行の「公的統計の整備に関する基本的な計画」の中では、各府省がPDCAサイクルを定着させるため、自己点検とその結果に基づく自己改善の取組を行う体制を確立するということとされておりまして、このガイドラインを踏まえて、文部科学省でも自己点検を実施・公表してきているところでございます。
 資料5に戻っていただきまして、このような取組の中で、この専門家会議にも御意見を頂戴したいと考えております。
 3ページをお願いします。真ん中の図にあるのが、先ほどのPDCAでございますけれども、このチェックとアクションの部分、点検・評価をし、見直し・改善の方向性について検討する、その内容について、この専門家会議で御意見を頂きたいと考えております。
 タイミングとしましては、基幹統計は4つでございますので、点検・評価の確定する実施の前に、それから一般統計については、会議の開催時期に応じて事前または事後に意見を頂いて、その後の調査の参考にさせていただきたいと思います。その会議の際には、ここにあるように、調査の概要、目的や対象範囲ですとか、または全数なのか抽出なのか、抽出の場合には抽出の方法等が非常に課題になることもありますので、そういったこと。また、計画と不整合の部分や改善点があれば、そういったこと。また、統計の品質確保・向上に向けて、担当として課題として認識していることや、見直し・改善の方向性、必要な精度確保や向上に関して御報告させていただきまして、それに対して御意見を頂戴したいと考えております。
 この点検・評価は、総務省と調整の上、実施計画を定めて計画的に実施することになっておりますので、定期的に御意見を頂く機会が、これによって設けられると考えております。また、点検・評価の時期でなくても、調査の実施方法等について大きな変更を行う場合には、必要に応じて意見を頂きたいと考えております。
 4ページ目、5ページ目は、総務省で作成されている観点でございますけれども、こういった公的統計の品質の要素も踏まえて御意見を賜れればと考えております。
 6ページ目に、今後の点検・評価の時期がございますけれども、まず令和8年度については、ここにあります学校基本調査等の調査を予定しておりますので、次回以降、御説明し、意見を頂戴したいと考えております。また、統計調査によっては別の有識者会議を設置しているものもございますので、そういうものについては、基本的には重複しないように有識者会議で検討を頂くのですが、必要に応じて御報告させていただきたいと考えております。
 御説明は以上でございます。

【椿主査】  どうもありがとうございました。
 これも本日、初回の委員会でございますので、構成員の先生方からそれぞれ3分程度の短い時間となってしまうのですけれども、今、一連の説明があった、今後の進め方あるいは公的統計の質の向上に向けた必要なこと等について意見を賜れればと思います。御出席されている全員の構成員から御発言を頂ければ幸いと考えておりますので、進行に御協力いただければと思います。御発言いただきたい方から、挙手ボタンで挙手いただければと思います。よろしくお願いいたします。いかがですか。

【椿主査】  では、木村先生からよろしくお願いします。申し訳ありません。

【木村委員】  それでは、口火を切って発言させていただきます。
 いろいろ御説明をいただき、ありがとうございました。事情についてもよく理解できました。
 まず、前提として、先ほど椿主査からもお話がありましたように、統計は社会の意思決定の根幹に関わるものです。教育に関わる全ての国民の間で共通言語として用いられ、政策判断の材料になり、政策の効果を検証するための基盤でもある必要があると考えます。その点を踏まえて、3点ほど申し上げます。
 第一に、政策判断の基盤にする以上、言うまでもなく、正確性、信頼性、妥当性の確保が最も重要です。これは御説明にもありましたとおり、担当者個人の努力や注意に委ねるのではなく、組織としてそれを支える仕組みをどうつくるかがポイントです。先ほど、省内のヒアリングの結果をお聞きしましたが、前例踏襲を見直すことや、工程全体を問い直すことができる体制を整えていくことは、たいへん重要です。その取組を内部で閉じずに、このような形で外部の意見を聞き、多様な目でチェックすることも、プロセスの改善には有効だと思います。
 第二に、統計を民間で活用する立場からすると、統計が社会で活用されるためには、正確であることに加えて、社会や政策のニーズに合わせる必要もあります。つまり、ニーズの適合性や適時性を考えることも重要です。例えば先ほども申し上げましたが、私も検討に加わらせていただいている「子供の学習費調査」でも、社会状況の変化に伴って教育費の支出構造や費目が変わっています。また、子供を取り巻く状況も変わっているため、幼稚園だけではなくこども園を対象に含めることも検討されています。こうした見直しは政策的にも有意義だと思います。他方で、項目や対象を見直せば、過去との整合性や比較可能性という課題も生じます。それから、私自身は女子生徒の進路選択の研究をしておりますが、その中で「学校基本調査」の学科系統分類が国際基準と十分に整合しておらず、本来はSTEMに入れてよい領域が非STEMに分類される場合があるなど、国際比較をするときに日本の状況を捉えにくい面があると感じています。特に、女子学生の理工系進学の促進やSTEM領域の拡大といった政策を検討する上では、こうした不整合は課題になります。一方で、分類を変えてしまうとやはり、過去と比較が難しくなるという問題が生じます。重要なのは、実態把握や政策的な必要性と継続的な比較可能性をどう両立させるかを、その領域の専門家を交えて検討することだと思います。
 第三に、正確性やニーズ適合性を追求するとプロセスが複雑になりがちなので、その点も同時に考えないといけません。私は調査を実施する立場にもなるので、調査を持続可能な形にし、データの使い勝手を良くしていくにはプロセスの検討も必要だと感じます。回答者の負担をどう軽減するか、調査サイクルの見直しをどう考えるか、実施者側の作業をどう効率化するか、また、公表の仕方や内容を工夫して利用者にとってどう使いやすいものにしていくかといったことも重要です。さらに、データ公開を進めて、多様な活用や外部からの意見が得られやすい環境を整えていくことも大切です。統計が広く使われ、外部から意見が寄せられる環境をつくること自体が、結果として統計の質向上につながるのではないかと思います。
 以上のような観点を支えるためには、統計人材の育成や体制整備も含めて取り組んでいく必要があり、本当に大変だと思います。しかし、今回の議論が個別事案への対応にとどまらず、文部科学省の統計全体の質を高めていくことにつながればよいと考えております。

【椿主査】  木村先生、貴重な意見をありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 指名させていただくのも失礼なんですけど、私は何か最後に。千野先生、よろしくお願いします。

【千野委員】  資料の中に「公的統計の品質要素」というのがあるのですが、公的統計には統計の品質という概念があります。これは日本の定めた品質なのですが、国連が品質保証のガイドラインをつくっておりますし、またIMFとかEUでそれぞれ掲げているのですが、そこで言う品質の概念というのは広いんです。ここのガイドラインは、各府省が実施できることという観点で、若干、アウトプット、統計データの品質を中心に掲げられているのですが、品質でいうと、統計データの品質、それから統計作成プロセスの品質、それから統計を作成する組織・制度環境の品質といった広い概念があります。それらは哲学的なことが最上位に来るので、いろんな大きなことが起こったときの方向性のような感じなのですが、例えば今回のミスのようなことは、EUの品質枠組み、これはコード・オブ・プラクティス、直訳すると実務の規範みたいなことになるんです。内容的には品質の枠組みなのですが、6番目の品質に「公平性、客観性」というのがありまして、「公平性、客観性」とは何かというと、全ての利用者を公平・客観に扱うように透明に統計を作成するということなのですが、その中に、誤りを発見した場合には早期にそれを修正して、その内容を公表すると。当然のことなのですが、そういうことが書かれておりまして、今回の文科省の取組はまさにそれに沿ったものになっていると思います。
 ほかにもいろいろ参考になることが書かれておりまして、「客観性、公平性」の中では、統計の内容もともかくなのですが、統計をいつ公表するか。公表日時はできる限り早期に公表しておくということがあります。これは、なぜそんなことが必要かというと、そういうことをしておかないと、例えば選挙があるときに、選挙の投票が終わってから統計を公表してくれ。例えば景気が悪いとき、そういったプレッシャーがかかるとか、あるいは難しい法案を審議しているときに、法案が成立した後に統計を公表してくれ。これはないと思いますが、そういったプレッシャーがかかるおそれがあるということを避けるためには、早めに。IMFの基準では、3か月以上前に公表期日を公表しておくというふうにしておりますので、そういったことも重要だと。
 さらに、これは各府省の取組ではどうにもならないのですが、組織とか制度環境でいうと、EUの品質概念では15、品質があります。その中で第1に来る品質というのが、プロフェッショナル・インディペンデンス、専門的な独立性というのですが、これは、何から公的統計が独立である必要があるかというと、政治や政策から独立であるべきだというんです。では具体的にどんなことに注意する必要があるかということの一つに、統計の公表は政治や政策の表明とは明確に区別して行う必要があるということです。これは、統計部局が作成する統計ではそんな心配は要らないのですが、政策部局が何かの政策をするときに、それに併せて調査するということがあると思いますが、そういったときには、調査結果は調査結果として、その調査の対象、方法、それから調査結果を、一まとまりのものとして、区別して公表しておく。それで、それを引用する形で、政策の必要性や何かを述べるということが大事で、ややもすると、そういうことがなく、政策の文書の中にだらだらと、必要性は何%ですということが入り込んでしまうということになりがちで、そうするとミスも起こりやすいということになります。そういったことで、作成プロセスとか、あるいは組織の環境に関して、国際的な品質枠組みを見ると幅広いことが書いてありますので、そういったことも参考にしながら進めていくといいのではないかと思います。
 以上です。

【椿主査】  千野先生、ありがとうございました。品質をどう考えるかということに関して大変重要な示唆を頂きました。
 ほかにいかがでしょうか。卯月先生、よろしいでしょうか。よろしくお願いします。

【卯月委員】  ありがとうございます。今回の調査の実施の環境について、文部科学省の中では、やはり統計業務を行政の一環として担当されている方が配属されることを踏まえると、そのときに、こういった仕事の取り組み方の、例えば研究職が担当する場合との心理的な違いについて考えることがあります。研究というのはある意味では、過去に行われたことを反証していくことも仕事ですので、常に過去に行ってきたことに対して批判的に取り組んでいいんだというスタンスでできるのですけれども、行政職員ですと、やはり前例を踏襲することのよさですとか、過去にやったことが間違いでないという前提に立ちたくなるような心理的な傾向が働くのではないかと思います。そういったところを、統計業務に関わる上では、かなり乗り越えていく必要があるということを、意識していかれるとよいのではないかと考えております。
 その都度その都度、ミスがないように、体制づくりを含めて一人一人が努力するわけですけれども、今回のように万が一ミスが見つかった場合に、すぐ対応されたということは非常によかったことだと思います。今度、誰か職員が何かに気づいたときにも言いやすいという、風土づくりみたいなところから始めるのが本当に重要だと考えております。もちろん気づけるということも大事なのですが、気づいたときに、こんなことに自分が気づいてしまったら、より大きな力の中で迷惑をかけるのではないか、仕事を増やすのではないか、日々悩みながら仕事をされている方も多いかと存じますので、そのようなことを申し上げさせていただきました。ありがとうございます。

【椿主査】  どうもありがとうございます。ある意味で、どういう態度で我々が臨むべきかということが非常によく分かります。
 Zoomで土屋先生が入っていらっしゃると思うんですけど、土屋先生、何かコメントを頂戴できませんでしょうか。

【土屋委員】  ありがとうございます。今、卯月先生がおっしゃったことに私も非常に賛成でして、統計というのはできていて当たり前ですので、ここに「点検・評価」と書かれておりますけれども、評価と考えますと、できていて当たり前ですから、どうしても減点方式になっていく。まずいところ、悪いところを見つけようということになっていくかと思います。どれだけマイナスにならないかという意識になってしまうと思います。それで、評価というふうになりますと、評価を受ける側が、問題があってはいけない、間違ってはいけないという、言わば守りの意識になってしまうのではないかと思います。そういう守りの意識になっていきますと、場合によっては、本来改善すべきところが見えなくなってしまうということになっていくのだと思います。ですので、すみません。この会議の位置づけ自体、前半欠席しておりましたので十分理解できていないところもあるかもしれませんけれども、重要なところは、統計に関して一番よく分かっていらっしゃるのは担当者の職員の方だと思います。そういう職員の方が気になる点とか問題点、あるいは誤りとかを見つけたら、それが減点になるのではなくて、逆にプラスに評価されると。間違っていたということが見つかった、見つけたということをプラスに評価するというような、組織としての風土とか体質というのが私は非常に重要ではないかなと思います。心理的安全性というような言葉もあるかと思いますけれども、誤りを見つけたときに、それを見つけたら評価されると。ですから今回、学校基本調査と子供の学習費調査の、誤りと言ってよいのか分かりませんけれども、見つかったということについて、逆にこれが見つかってよかったと思えるような意識というふうに、意識を変えていくということが非常に重要なのではないかと思います。この会議で意見聴取をするというのは、この会議が意見聴取をするのかなと思っておりますけれども、外部から見ても、本当に詳細なプロセスというのは担当の職員の方が一番よく分かっていらして、外から見てもやっぱり見えないところも非常に多いのだと思います。外から、客観的といいますか、第三者的に見ていくということも大事ですけれども、内部からも見ていくということが非常に重要なのだと思いますので、そういう組織風土づくりというのが、これからは非常に求められるのではないかと思います。
 それから、この会議の位置づけが、すみません、私が十分御説明を伺っていないので理解できていないかもしれませんけれども、この会議自体が点検などを行うというよりは、むしろ文科省さんの中で点検のチームをつくられて、そこで点検された結果をこの会議で拝見していくと。文科省さんの中に、点検をするチームみたいなものをつくっていくということが必要なのではないかと思います。それは、省内での統計人材の育成ということにもつながっていくかと思いますので、この会議の位置づけを私が理解していないところもあるかと思いますけれども、この会議の1つ前の段階として、文科省さんの中にそういう点検のチームをつくられるということが、私は必要ではないかなと思います。
 長くなりましてすみません。以上です。

【椿主査】  土屋先生、非常に重要なポイントだと思います。どうもありがとうございます。
 それでは清原先生、よろしくお願いします。

【清原副主査】  ありがとうございます。清原です。
 もう既に委員の皆様から大変重要な進め方の視点を提起していただいて、心強く思います。私は、今日、主査を務めていらっしゃる椿先生と、実は、「国土交通省の建設工事受注動態統計調査における不適切処理事案」に際して、第三者である統計専門家の立場から、平成22年度以降の総務省の対応を精査する、「再発防止に向けたタスクフォース」のメンバーを務めました。その報告の直後に、2022年2月に統計委員会に設置された「公的統計品質向上のための特別検討チーム」に参加し、これも椿委員長の下で御一緒に検討を重ねて、2022年の8月に、先ほども御紹介いただいた『公的統計の総合的な品質向上に向けて』の建議を取りまとめたのです。そのときのメンバーの気持ちは、「ピンチをチャンスにしよう」ということです。公的統計に対する不信感が内外から寄せられたときに、これをきっかけに、信頼回復に努め、それを実現していく、望ましい統計の品質向上に向けた取組を新たに強めていこうという方針で一致しました。そして、その際、私たちが提言したのが、1つ目に「総合的品質管理の推進」、2つ目に「ガバナンスのための組織内外のコミュニケーションの確保」、3点目に「デジタル化による人間系ミスの低減と業務プロセスの改善」、そして4点目に「品質優先の組織風土のための基盤の整備・強化」ということで、特に「マネジメント能力の向上と職員の人材育成」についても改めて重要視するということになりました。
 確かに今回も、先ほど卯月委員もおっしゃったように、研究職の人はどちらかといえば、常なる改善とか、あるいは見直しとか、過去に至らないことがあったらもう、それを直そうとする気概が相対的に強いと思うのですが、行政職の方はどうしても、継続性であるとか、経年比較ができるデータにしていきたいとか、どちらかといえば、言葉はよく表していないかもしれないのですが、保守的というか、そういうふうにならざるを得ない傾向がないわけではありません。でも、今回誰かが本件に気づいてくださいました。この統計にには多様性への視点が不足していると。文部科学省に、「多様性の包摂」とか「インクルーシブ」についてのデータが十分ではないということを発見してくださったわけですよね。そして、それを幹部が重く受け止めて、改善しようという動きをキックオフされたわけです。この機運というのはとても大事だと私は思います。
 要するに、今までのことが間違っていたわけではなくて、視点が欠落していたとか、項目が欠落していたとか、不十分であった。だったら、これから改善していこうということになりました。これは、「複眼」と、そして「多角的視点」があれば、今までもっと早く見つけられてきたかもしれない。けれども、それができなかったことを責めるのではなくて、やはり今こそチャンスなので、「複眼」を持って「多角的視点」で、より、木村さんもおっしゃった「民間のニーズ」、また自治体経験者に私としては「自治体のニーズ」、そして「国民のニーズ」や「研究者のニーズ」を広く考えながら、きめ細かく調査設計をしていくことが必要と気づいたのです。そして、集計についても配慮していくということに、今、より一層、なりつつあるのだろうと思います。
 そこで改めて、これから、この専門家会議は、基幹統計4つと、それから一般統計19について、改めて、謙虚にこれまでの経過を見ながら、しかし現代的な課題解決のために本当に役立つエビデンスを得られる統計とするために、率直な意見交換ができる場にできればよいと思っています。特に今日、皆様の御意見を聞いていて、改めて思ったのは、残念ながら子供の学習費調査の訂正事案では、人間系のエラーがなかったわけではないということです。でも、修正することはできますから、まず1点目に、「透明性の高い運用」、すなわちミスを隠さず迅速に是正し、その経緯を公表する透明性こそが、国民の信頼を得る道だと思います。「組織文化の変革」として、エラーを悪とするのではなくて、速やかに報告・共有できる。まさに、先ほど「心理的安定性」というキーワードも頂いて、私も共感したのですが、その確保が必要だろうと思います。心理的安全性の確保です。
 2番目に、「幹部の皆様、どうぞ主体的に関与してください」ということです。職員は、任されて育つ方もいるかと思いますが、責任を取ってくれる幹部がいらっしゃると、より一層、品質管理に力を注ぐことができます。幹部の方に「ガバナンス」を徹底していただくことで、それぞれの職員が「自分事」としてお仕事を考える意識変革ができると思います。「与えられたPDCAサイクル」ではなくて、「自発的なPDCAサイクル」が回るということが大事だと思います。
 3点目に、「プロダクト評価からプロセス評価へ」です。これは、先ほど千野委員も品質管理のことを言っていただいて、椿主査も品質管理の御専門でいらっしゃるので、やっぱり品質を確保できるのは、プロセスが適切であるということが必要だと思います。特に今、GIGAスクールで、児童生徒はタブレットを使っています。教職員にもかなり、パソコンやタブレットが普及してまいりました。ヒューマンエラーを減らすために、こうしたデジタルを活用するということも大事だと思います。プロセスの可視化とは、数値だけではなくて、「企画から公表に至る過程を可視化する、透明化する」ということで、乗り越えられていくのではないかなと思います。
 文科省の扱っている統計の範囲は広いです。学校教育、科学技術、スポーツ、文化のように分野も本当に幅広いので、ぜひ「教育現場の視点」、「民間の視点」、「研究者の視点」、そして「職員の視点」を大いに生かして、建設的な取組を進めていただければよいと思います。この専門家会議が、そういう文科省内部の統計業務の質の向上に関するチームワークを応援できる、そしてその取組みを担保できる提言ができればよいと感じました。よろしくお願いします。ありがとうございます。
 以上です。

【椿主査】  清原先生、どうもありがとうございました。
 私は何か、取りまとめプラスアルファを発言せよというト書きがあるのですけれども、ほとんど全ての点について網羅されていると確信しました。
 今回、文部科学省で、統計の質改善ということで、省内でのいわゆる業務について我々外部有識者の意見を聞くという場をつくった。このこと自体は非常に、我々にとってもありがたいことだし、もうそういうことが進んでいるということ自体、それが例えば広義の統計の質あるいは狭義の統計の質の中で進むこと自体を高く評価したいと思います。今もありましたように、品質管理というのは本来は人間性というか、自分たちが自律的に何かやると。人から言われて何か検査をするとか、そういうものではなくて、自らが自律的・自主的に何かやれるというのが本来の姿だと思いますし、もともと、いろいろ先ほどから心理的安全性の問題もありましたけれども、品質管理の世界的な対応に、石川馨先生は、ミスが起きたら褒めてやれと言っていたんです。ミスを見つけたら褒めてやる。それは、システムとして改善するチャンスが生じたからということで、まさに今回、今回の1つの話から、非常に多様にいろんなアクションが取られた。それは恐らく、そういうこと自体は今後の再発防止にも、我々すごく確信できるような問題になっているということなんですよね。
 今般のいろんな整理の中で、包摂性の問題というのは実は統計調査だけの問題ではないので、実は統計調査の中でそういう問題が起きたといったら、本当は全府省、横断的にこういうことが起きているのではないかと思うところがあるんです。実は、私が関係している一種のコンペティションの中で、やはり特別支援学校の方々が範囲に入っていなかったということに実は気づいたばかりなので。そういう参入障壁になっていることは、統計調査以外にも幾らでもあるのではないかと思います。そういうことを、逆に統計調査が発信できたということ自体が、大変意義の大きいことではないかと思います。もちろん、包摂性の問題は、今言いましたように統計だけではなくて、今後、文科省がある種、重点的にウオッチしておく領域になったのだろうと思います。
 それから今回の見直し的なものは、PDCAサイクルの中でどこでやるのが一番、効果的か、効率的か。先ほどありましたように、実は次回の調査の見直しのときにいろんな問題が発見されるということは、文科省に限らず総務省でもよく見かけていたことなので、そういうことをどこの立場でどこでやるか。もちろん、発見する前に未然に防止できればそれがベストなんですけど、やはり今言いましたように、まず発見できること自体、非常に意義のあることでございます。ですから、そこに関して、ある意味で効率的なところで行うという態度自体、私はいいのではないかと思っております。
 一方で今回、もう一つの問題、人間系のミスということに関して、やっぱり今後、重点的な領域というのがあると思うんです。ふだんとは違う仕事をやった瞬間とか、変更した瞬間というのは、結構問題が起きがちだというのは有名であります。そういうところがあったときには、チェック体制を少し重視したほうがいいのではないかということに自ら気づくということ。それから、さっきあったように分母の問題とか、やっぱり統計調査の中でどういうところが主として人間系のミスが起きるかということは、特徴があると思うんです。これは文科省さんだけではなくて、各府省、共通事項ではないかと思うので、そういうことについて情報を各府省で共有していくということ。それで、最終的にはこういうところがチェックポイントになる、ここは重点的に管理しなくてはいけないというような項目自体を、統計の作業の標準、共通の標準にしていくということが必要なのではないかと思います。今回、そういうことに気づく非常にいいチャンスだったと思います。
 統計の質に関しては、今、プロセスの質やプロダクトの質を話しましたけど、本来は、やはり規格の質というところですね。木村先生が御指摘になりましたけれども、政策適合性、それから国際比較可能性というようなものも含めて、そういう議論も、実は文科省の統計の中では非常に重要ではないかと思いますし、我々がそういう立場に立てるのかどうかはまた別問題として、それは文部省の政策当局ないしは統計の部署が自ら考えていただければなと強く思うところでございます。
 今日は、いずれにしろ非常にいろんな意見を頂戴できたということで、第1回として、私自身も大変勉強になったというところです。本当に御議論いただいたこと、意見を頂戴したことに、座長として感謝申し上げます。
 橋爪審議官、よろしくお願いします。

【橋爪大臣官房審議官(総合教育政策局担当)】  本当に第1回目から先生方に大変深い示唆を頂きまして、ありがとうございます。また次回から進んでまいりますけど、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 本日、やっぱり学校基本調査の関係では、「多様性の包摂」の大切さというのは改めて我々肝に銘じて、統計以外も含めて、日々の業務の中で常に心がけていかないといけないことだということを改めて認識させていただきました。また統計に関しても、もちろん統計としてのいろんな品質というか、データとしての品質というのも重要なのですけれども、伺っておりまして、やっぱり統計の数値がその先に何を表すのかとか、誰のためのものなのかとか、その先にあるものにもちゃんと思いをはせながら、そこはむしろ統計を作る、実施する部隊と、あと使う方々とのコミュニケーションというところがやっぱり大切なのだと思っておりまして、その点は我々も今回の反省点、再発防止策の中でもしっかり、チャレンジの部分もあるのですけれども、取り組んでまいりたいとは思ってございます。
 それから、あといろいろ間違いを発見することの、これはなるべくないということが一番だとは思っておりますのですけれども、万が一あったときに、それを発見することを恐れてはいけない。守りの意識になってはいけない。そういったことは、我々としてもぜひ心がけないといけないことでございますし、こういう外部の先生方とのディスカッションの機会をつくらせていただきましたけれども、そこでもやはり我々が気になっていることを、自発的に恐れず御相談していくというところが大切だと改めて感じましたので、次回以降もまたぜひ御指導いただければと思います。
 以上でございます。

【椿主査】  橋爪審議官には大変重要な点をまとめていただいたし、今後の在り方も提示いただいたと思います。
 今もおっしゃいましたように、次回以降は少し具体的な各調査の検討ということに入っていくわけですけれども、本日、時間の関係で言い尽くせなかった点等々あれば、委員の先生方、御質問、御要望なども含めて、事務局までメールを頂戴できればと思うところです。
 最後に次回の予定につきまして、事務局から御説明いただければと思います。

【稲葉参事官(調査企画担当)付参事官補佐】  失礼いたします。第2回は5月中旬頃を予定しております。詳細は追って事務局から御連絡させていただきます。
 あと1点だけ、資料について、細かい点ですが補足させていただければと思います。資料3-3の1つ目の丸で、スケジュールを記載させていただいております。そのうちの、7月に文部科学省への提出期限の部分について、学校基本調査でございますけれども、提出期限が複数ございまして、一部項目は7月末なので全体が整うのは7月なのですが、今回御説明した3種類の学校調査票を含め、多くの項目は6月末が期限となっておりますので、念のため補足させていただきます。
 以上です。

【椿主査】  補足をありがとうございました。
 本日は大変貴重な意見、多様な意見を頂戴したことに、座長としても心から感謝申し上げます。
 本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 

お問合せ先

文部科学省総合教育政策局参事官(調査企画担当)付
電話番号:03-5253-4111(代表)
メールアドレス:chousa@mext.go.jp