図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議(第8回)議事録

1.日時

令和7年11月14日(金曜日)13時00分~15時00分

2.議題

  1. 「これからの図書館・学校図書館の運営の充実に向けて」報告書骨子案について

3.出席者

委員

秋田委員(座長)、池内委員、伊佐治委員、植村委員、緒方委員、紀之定委員、小林委員、汐見委員、設楽委員、曽木委員、田井委員、髙橋委員、土屋委員、手塚委員、中村委員、奈須委員(副座長)、野口委員、林委員、堀川委員(副座長)、松木委員、松本委員

文部科学省

神山社会教育振興総括官、髙田地域学習推進課長、坪田大臣官房教育改革調整官、田中図書館・学校図書館振興室長、稲田図書館・学校図書館振興室専門官

4.議事録

【秋田座長】  皆様、こんにちは。定刻となりましたので、これより、図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議の第8回の会議を開催いたします。
 本日の流れですが、本日の議題は「報告書の骨子案」についてでございます。
 まず、事務局より、本会議の「報告書の骨子案」について御説明をいただきまして、その後、意見の交換の時間を取りたいと思っております。
 それでは、「報告書の骨子案」について、まず、事務局より御説明をお願いいたします。

【田中図書館・学校図書館振興室長】  まず、資料1「図書館が拓く未来の学びと地域社会~これからの図書館・学校図書館の運営の充実に向けて~(報告書骨子案)」を御覧ください。
 1枚目は、全体構成を示しております。前回の会議で提示された構成から変更し、これまで御議論いただいた内容を基にしながら、未来の学びと地域社会を拓く図書館・学校図書館について、主に3つの構成から示すこととしました。
 その中の1では、現在の図書館・学校図書館を踏まえながら、これからの図書館に求められる図書館・学校図書館の機能や役割を示しています。
 そして、2では、1で示した機能及び役割を果たすために必要とされる方策を示しています。この方策について、ユニバーサル・アクセス、連携・協働、人材の育成・配置充実の3つに整理しました。
 また、3では、1及び2で示したこれからの図書館・学校図書館に向けて、今後、国及び地方公共団体に求められる対応を示しております。
 2ページ目でございます。1では、これからの図書館・学校図書館の機能及び役割を示す章としております。現状として、近年のデジタル社会の進展や読書バリアフリー法の施行などを受け、そのニーズが高まっていること、また、来館に限らない利用や、資料の利用のみでない「場」としての需要の高まりを上げ、それらのニーズに対応するための資料や設備、人材の不足が課題であることを(1)において記述します。
 (1)で示す内容を受け、(2)では、「今後求められる機能と役割」として、図書館と学校図書館に分けて記しました。この項目で示す内容や方向性は、これまでの議論を踏まえながら、それをより明確に示すものとなるよう事務局から提案させていただいたものです。この後の意見交換において、皆様より特に御意見を賜れますと幸いです。
 具体的な内容としては、図書館の機能と役割として、これまでの読書機会を提供する機能、読書に限らない様々な集いの場としての機能、生涯学習の機能の3つを更に強化し、掛け合わせることにより、新たな地域を市民と共につくる場とさせていただいております。
 また、学校図書館においては、教育課程における学校図書館の位置づけを踏まえた上で、これまでの3つのセンター機能と子供の居場所としての機能を持つ施設を示しました。そして、これからの学びや社会で生きる力を身につけるため、紙と電子の両方を融合させながら、学びを促進する場であること、学校図書館が子供にとって、地域の図書館、さらには地域社会とつながるための入り口や橋渡し役を担う施設であることを含めました。
 このように機能及び役割を事務局より提示しましたが、1の仮で置きました副題とともに、今後、図書館・学校図書館像を示すものとしてどのような内容を含めるべきか、御議論いただきますようお願いいたします。
 3ページ目です。さきにお示ししました1の機能及び役割を果たすために必要な方策としまして、「2.全ての人に開かれた図書館サービスの構築に向けた方策」とまとめました。この章内にテーマは3つございますが、まず1つ目として挙げたのがユニバーサル・アクセスの実現に向けた方策です。
 ここでいうユニバーサル・アクセスは、「いつでも、どこでも、誰でも読みやすい資料や知りたい情報を得ることができる」ことを意味しています。もし、より適切な言葉がございましたら、意見交換の際に御教示ください。
 ユニバーサル・アクセスのためにまず必要な要素として、ICT・デジタル化を1)に入れました。これまでの図書館・学校図書館において、デジタル化が進みながらも、その費用負担が大きく、しかしデジタル化を進めるメリットとして、これまで様々な理由により来館できなかった市民へのサービス提供が可能になることや、障害の有無にかかわらず、より多くのサービス提供が可能になること、また、より多くの読書機会を提供できることなどが挙げられます。
 サービス導入に向けた方策として、第2回会議でも上がりました広域連携による費用等の負担を報告書で提示します。分担の一例として、長野県全体で費用や選書の分担をする「デジとしょ信州」を示すことを考えております。
 また、この「デジとしょ信州」の例からは、さらに都道府県のリーダーシップが鍵になることも併せて示唆します。
 そのほか、紙書籍とは違った方針による選書等に係る情報資源マネジメントポリシーの整備、利用者の情報リテラシー向上のための取組を積極的に行う必要なども記述します。
 4ページ目を御覧ください。次に、「読書バリアフリーの推進」を2)として入れました。読書バリアフリー法における対象者は視覚障害者等ではありますが、この報告書において、その対象者の範囲を広げ、高齢者や外国人、入院患者等も含めて記述します。
 読書バリアフリーは、法の施行以降、その機運は高まりながらも、読書バリアフリーに関するニーズの把握不足によって、各館の提供サービスや取組に差があり、読書バリアフリーに向けた費用の確保や人材配置が進まない課題を第3回会議での御発表等を踏まえて記します。
 この現状を打破するための方策として、アクセシブルな書籍等を集めた「りんごの棚」の設置やサピエ図書館、国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスの積極的活用などを提示します。
 また、特別支援学校での資料、設備、人材の不足や、外国人向けの多言語資料整備の必要性も言及します。
 これまでに挙げたICT・デジタル化と読書バリアフリーに関する方策を掛け合わせることでユニバーサル・アクセスの実現へとつながると考えております。
 これらの方策を実現するために必要なこととして、まず、国による先進事例の広報が必要であり、そして、都道府県内でも優良事例を共有し、取組を広げることを挙げます。
 図書館が設置されている自治体に加え、未設置自治体においても、読書や情報のタッチポイントの拡充に向けて取り組むためには、その活動を一自治体の図書館・学校図書館に閉じずに、それぞれの専門部署や他機関等との連携が必要であることも強調しながら報告書の本文にも記載いたします。
 5ページ目を御覧ください。必要とされる方策の2つ目を連携・協働としてまとめております。読書に限ることなく、様々なテーマを持って、ふだん利用しない人々も図書館へ誘い、集うことで、様々な市民と対話することができます。対話を通じて、地域全体の課題を知り、その課題に対して図書館がどのように貢献できるかを模索することができます。この流れは、図書館のみならず、学校図書館にも言えることであり、学校内の課題解決へと導くことができると考えられます。
 このような動きから図書館・学校図書館の機能及び役割として、ファシリテーターの役割の重要性が浮かび上がってきます。ファシリテーターとしての役割を担うための方策として、多種多様な連携・協働を一層促進することが挙げられます。
 その1つとして、都道府県立図書館と市町村立図書館・学校図書館の連携を促進することが第一に挙げられます。また、この連携・協働は、平常時のみならず、大規模な自然災害等においてもさらに重要となります。
 連携・協働の2つ目として、図書館同士、学校図書館同士だけではない、他機関との連携もあります。自治体を超えた連携や、公民館、博物館、地域の書店等との連携により、地域や学校における課題解決へとつながることが考えられます。
 6ページ目を御覧ください。文字・活字文化を支える出版社や書店は長く不況に立たされています。図書を所蔵し、文字・活字文化を共に支える図書館・学校図書館は、この文化を衰退させないために、出版社や書店と共に読者人口を増やす必要があります。
 共に読者人口を増やし、市民における読書のタッチポイントを維持するためのベストプラクティスとして、第5回会議において発表された鳥取県立図書館の事例を報告書内に記載しながら、書店と共に事業を展開することをその方策として提示してまいります。
 そして、令和5年度に開催された書店・図書館等の関係者における対話の場でまとめられたように、図書館・書店での相互理解が重要であるということも報告書の本文で触れます。
 読者人口を増やすという観点においては、地域における読書推進人材との連携・協働も挙げられます。絵本専門士やJPIC読書アドバイザーなどが持つそれぞれの専門性や、これらの人材に共通する課題に触れながら、読書推進人材の活用が図書館・学校図書館の課題解決や更なる読書推進につながる方策となることを記述する予定でございます。
 7ページ目を御覧ください。これまで述べた方策を実現するための下支えとなるのは図書館・学校図書館における人材です。この方策の3つ目として掲げる人材の育成・配置の充実では、まず、現状として、司書・学校司書の非正規雇用や司書教諭の業務負担が大きいこと等を挙げます。
 また、図書館のDXや読書バリアフリーへの対応のために必要なスキルを習得する研修受講が進まないこと、スキルを持つ職員が配置できていないことも課題の1つです。加えて、司書養成課程の中で、同様のスキルの習得が求められていながら、現行カリキュラムでの対応では限界との意見もこれまでの会議で上がりました。
 このような課題も踏まえた上で、対応すべき方策を図書館・学校図書館に分けてお示しします。
 まず、図書館については、安定した図書館事業を実施するために、司書・司書補を積極的に任用し、それらの職員を常勤として配置することが方策の第一歩と示します。その上で、さきに述べた課題に対応できる職員を配置し、体制を構築することの重要性にも報告書の本文で触れます。対応できる職員が配置できなかった場合、課題に合わせて、専門人材や他機関等との連携により補うことも考えられます。
 また、課題に対応できる職員の育成の点においては、司書養成課程科目の改定や、新たにファシリテーション能力の育成も研修に加えることなどを記述します。
 さらに、これまでの会議内での御議論にはありませんでしたが、事務局より社会教育士の称号取得やその人材の活用を加えました。社会教育士とは、学びを通じて、人づくり、つながりづくり、地域づくりに中核的な役割を果たす専門人材であり、ファシリテーターと近い称号であることから、今回御提案します。
 8ページ目を御覧ください。学校図書館についてです。これまでの議論において、司書教諭・学校司書、そして館長である校長の役割が、教師や教育委員会にしっかり理解されていないことが背景にあることから、まずはこれらの役割を明確にする必要がございます。本日の意見交換において、この点も御議論いただきたいと考えております。
 それぞれの役割を明確にした後に、役割に合わせた学校図書館の体制構築を次に示します。この点は、図書館と同様に、対応できる職員が配置できない場合は、課題に合わせて専門人材や機関等との連携により補うことも考えられます。
 役割ごとの体制構築を行う上で人材の安定的な確保も重要になります。司書教諭が学校図書館を活用した教育活動の企画、実施等を従事できるようにするため、業務負担の軽減、ないしは司書教諭を複数人発令することにより、負担を分散すること、学校司書においては、いつでも利用できる環境とするために、1校専任、常勤配置の必要性を報告書に入れます。
 また、学校図書館の運営に必要な知識やスキルを身につける必要もあります。そのために、学校経営方針に関する研修を学校司書向けに、学校図書館に関する研修を校長や教師向けに実施する必要があります。
 任用前の養成として、図書館同様、学校司書モデルカリキュラムを改定する、あるいは、司書養成課程科目との一体的な見直しということも考えられ、これらの内容を報告書の本文に記載します。
 9ページ目を御覧ください。これまでに示した図書館・学校図書館の機能及び役割を果たすための方策を講じるために、様々な制度や基準を見直す必要があることがこれまでの会議でも上がりました。制度や基準の見直しについては、国及び地方公共団体において対応が求められます。
 まず、国においては、司書や学校司書等の配置等に関して、「望ましい基準」や「学校図書館ガイドライン」、あるいは法令において示すこと。電子資料への対応を「学校図書館図書標準」において示すことの検討が求められると報告書内で示します。
 加えて、司書養成課程科目や学校司書モデルカリキュラムの改定、あるいは一体的な見直しについても今後検討が求められています。
 地方公共団体においては、国の検討結果を踏まえながら、図書館・学校図書館の運営に係る費用を予算化し、人材の確保に向けて、任用条件や研修を見直す対応が求められることを記載します。
 これまでの会議においてはあまり多くは議論されておりませんでしたが、図書館評価の在り方や、図書館協議会による図書館運営のチェック体制の在り方についても地方公共団体に求められるのではないかと考えております。
 研修の内容、実施方法や、それらを担保するための方策についての内容についても意見交換の場で伺えればと考えております。
 続いて、資料2について御説明いたします。こちらは、今回の会議におきまして、報告書の骨子案を御議論いただくに当たり、補足情報としておつけしました。この資料は、海外の図書館における先進事例を御紹介し、骨子案に示すこれからの図書館・学校図書館の機能及び役割を考える際の材料としていただければと思います。
 まず、1つ目に御紹介するのがフィンランドのヘルシンキ中央図書館「Oodi」です。IFLAのPublic Library of the Yearを受賞したこの図書館は、全ての人々に開かれた居住的・機能的な出会いの場とウェブサイトでうたっており、その機能は、通常の図書館機能のほか、様々な創作活動等への支援機能も備えております。敷地内には映画館やカフェ、レストラン、音楽スタジオなども設置されております。
 2つ目は、シンガポールのメイフラワー小学校です。シンガポールは国主導による図書館の設置や読書推進等が行われており、その一環として学校図書館との連携がございます。メイフラワー小学校では、この連携により、Read@Schoolが実施されています。このプログラムは幅広く、ストーリーテリングから児童文学に関する国際クイズ大会への出場を目標とした活動を実施し、それらのサポートを学校図書館が行っている事例です。
 3つ目でございますが、こちらはカナダのトロントレファレンスライブラリーです。トロントは移民が多い地域であることから、40以上の多言語資料を紙、電子共に収集し、提供しております。また、新たに移住した市民への支援として、専門スタッフが配置され、定期的に英語学習の講座が開講されております。施設内にはピアノの練習室や、メーカースペース、ユースハブなどもございます。
 その下にございます4つ目と5つ目は、アメリカの高校の事例でございます。4つ目は、学校内で事件が発生した高校における、図書館資料以外のサービス提供を御紹介しています。事件のトラウマを癒やすための場としての学校図書館の例と言えます。
 5つ目は、日本における授業での学校図書館活用と類似していますが、こちらは授業時間ではなく、昼休みに実施したゲームの取組です。ゲームを通じて表現の自由や検閲用語などを学ぶ機会として提供した例です。
 また、今月6日、中央教育審議会生涯学習分科会社会教育の在り方に関する特別部会第12回が開会されました。この第12回のテーマが、公民館、図書館、博物館等における社会教育活動の推進方策であったことから、今回の御議論における一助となるよう、事務局からの説明及び日本図書館協会からの御発表資料を参考資料4及び5とし、机上に配付しております。
 これらの事例を含めながら、骨子案におけるこれからの図書館・学校図書館の機能及び役割につきまして、委員の皆様より御意見をいただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【秋田座長】  田中室長、御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、報告書の骨子案について、御質問や御意見がある方は、お手元のタブレット等で挙手のアイコンでお願いをいたします。
 ありがとうございます。まず、池内委員からお願いをいたします。

【池内委員】  よろしくお願いします。何点かございまして、1点目は、ユニバーサル・アクセスの実現に向けてということです。これは明示的に言及されるかどうかは別として、これまで公共図書館・学校図書館において、関わっている皆様はそのような意識をきちっと持っていらっしゃったと思うんですね。
 一方で、公共図書館に関しますと、図書館法や「望ましい基準」に評価が重要であるということがきちっと明示されているんですが、こうした多様な方々、また、ユニバーサル・アクセス、デジタル技術によって可能になったユニバーサル・アクセスについて、利用されているとか、されてないとかということについて明示的に評価指数として実現している例は極めて少ないので、評価という観点が極めて重要です。かつ、ユニバーサル・アクセスに関しては、積極的に評価の観点の視点として組み込んでいただくよう、できればこの中にも明記していただくといいというのが1点です。
 もう1点は、デジタル読書の環境整備についてなんですけれども、やはり経験もなく、お金もないというのが現状で、まだまだ環境整備が十分になっていない。これは公共であっても、学校であっても同じだと思うんですね。「デジとしょ信州」の事例を出していただいて、都道府県が固定費を払ってコンソーシアムに参加する、あと、以前から学校図書館でのデジタル読書について公共図書館がIDやパスワードを配布するというような事例があります。これについていろいろ調べたんですけども、やはりまだ公共図書館自体で電子書籍を提供しているところが少ないこともありながら、学校と連携しているところは、基本的に、同じ教育委員会の中ということであって、小学校、中学校がメインなんですね。調べてみると、高等学校と連携している例は極めて少なく、高等学校におけるデジタル読書環境というのは、実は、見えてないですけど、ほとんど進んでない。それは公共図書館との連携を都道府県レベルでやると円滑に進むのかもしれませんけど、そこが実は非常に穴になっているので、そこは明示的にきちんと対応するべきというのが1点。
 もう一つは、電子書籍サービスそのものが、これはデジタルネットワークサービス全体的に言えるんですけども、極めて寡占的なんですね。つまり、特定の事業者だけが提供しているので、競争が起きない。なので、イノベーションが起こりにくいんですね。そのときに、政策的にどうこうというよりも、これは顧客である自治体や学校と業者との契約の話なので、なかなかその構造を理解して改善することが難しくなっています。そうすると何が必要かというと、顧客である図書館や学校の人たちが積極的に交渉していく必要があるんですね。今の電子書籍サービスのビジネスモデルが今後、何十年続くかは極めて不安定で、かつ、今までの図書館の在り方とは違う、新しい読書、あるいは契約モデルの中で、自治体や図書館関係者の方々が積極的に交渉したり、ビジョンを持たないといけないです。それは政策的にどうこうできる話ではなく、本当に1対1の契約なので、そういう重要性が増していることをそれぞれのリーダーの方々に自覚していただく必要があるんだろうと思うんですね。
 海外の事例では、例えばアメリカだと、大手出版社がエンバーゴを非常に長くする。図書館へのデジタル化サービスを貸出しするまでの期間を長くしています。つまり、紙では刊行されているけど電子では発売されていないとか、電子で発売しているけど、図書館向けにはまだ貸し出されてないときに、発表内容に対して署名を集めて抗議したり、それはちょっと過激かもしれませんけども、そういうことをやって、お互いに納得のいく落としどころを見つけています。
 だから、極めて寡占的な状態なので、一般的なサービスと違って、幾らで売っているからこれを買う、買わないというだけではなくて、もう一歩進んで交渉していく自覚が各自治体の方々にも、今の段階では特に必要です。
 全体的なグランドデザインを、やっぱりこれまでの図書館サービスと全然違うので、特に「デジとしょ信州」はそういうことを積極的にやってくださった一例だと思いますし、そういうことが必要になってくるので、だからこそ連携をしなくちゃいけないし、話し合わなくちゃいけないという自覚を持っていただくようにともここに書いていただくといいかなと思いました。
 あと最後、1点だけ。これはコメントです。「集う」という言葉について、非常に今自治体の中でも図書館の中で集うという機能が期待されていたり、何となく図書館に行くということがあったり、居心地のいい場所ということを求められることがあったと思うんですけども、政策文書の中で、集うという機能について着目して、きちっと明文化したのは今回が恐らくほとんど初めてだと思います。そこの書きようで皆さんがこれからどうするか変わってくるので、ここは慎重にいろいろ考えて書いていただくといいかなと思いました。
 以上です。

【秋田座長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、松本委員、お願いをいたします。

【松本委員】  私のほうから4点ほど、報告書骨子案について意見を述べたいと思います。
 1点目は、1の(2)です。図書館について、「読む」×「集う」×「学ぶ」=「新たな地域共創」へというコンセプトを今回打ち出していて、これはかなり注目されるという気がします。
 日本図書館協会も、地域振興に関する調査を実施していますので、ある意味これと似たようなことを調査しているということなんですが、ちょっと気になるのは、1の(2)というのは、今後求められる機能、役割として言われていて、かなり大きな話のように見えてしまうんですね。公共図書館というのはこういう方向性だけでよいのか。やっぱりいろいろな方向性は多分あるんだろうと思います。例えばこれからの図書館像で課題解決支援が出されて、それを随分進めてきたということがあると思います。海外を見ても、結構こういう課題解決支援というのをいろいろ取り組んでいるという点では、ある意味先進性もあったのかなという気もします。
 海外では、孤独の問題とか、貧困の問題だとか、依存症の問題だとか、外国人の問題とか、そういったものを非常に取り上げられています。そうした課題解決支援がこれまで取り組まれてきた中で、新たにこれからは地域共創だと言われてしまうと、少し戸惑いもあるのかなという気がします。
 もちろん、こういう取組自体は方向性としてあると思いますので、1つの可能性としてというような、そういう留保をつけていただいてもいいのかなというのが1点目の意見です。
 それから2点目が、2の(1)の1)「ICT・デジタル化への対応」のところに1つ付け加えていただけたらと思うことがあります。今、世の中というのは、デジタルでいろいろやることになっている。パソコンとインターネットですよね。行政手続もそうしたことで行われているし、これからもそうしたことがどんどん進むことが予想されるわけです。そうすると、使える環境をどう担保していくかという問題があると思います。図書館以外の政策分野の中でもいろいろ議論されていると思うんですけど、やっぱり図書館というのはひとつ有力な施設だと思うんです。パソコンを提供したり、使えるようにしたり、あるいはその使い方を支援したりというようなことが、これからますます重要になってくるんじゃないかなと思っています。
 総務省のほうでICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会というのがあって、そこの報告書でも、リテラシー獲得のプログラムを開催する機関として図書館が挙げられております。このこと、「望ましい基準」で既に書かれていることではあるんですけれども、より踏み込んだ形で進めていってもいいのかなと思っております。
 それから3点目としましては、(3)の2)の社会教育士の件です。社会教育士は地域連携の観点からやはり重要な専門職であろうと思います。
 ただ、この場でやはりあんまり議論してなかったということと、それから図書館界でもこのことってあまり議論されてこなかったと私は理解しているので、これをいきなりばんとぶつけるよりも、こうした方向性について検討するというような形で、これから図書館界と対話というか、議論を深めていく、そのきっかけにするという位置づけでもいいのかなと思いました。
 あわせまして、これ前回も発言したことですが、やはり人材育成の基盤として自己研さんを司書に進めてもらうことは非常に重要だと思います。日本図書館協会は、この15年間、認定司書制度を進めてきました。ただ、前も言ったように、まだ普及が不十分です。司書は約2万2,000人いるんですけど、認定司書は176人、1%に満たないんですね。
 ですので、認定司書制度等のさらなる活用によって自己研さんの積極的取組を進めるというような文言が載ると、こうした取組もより進むのではないかと思っているところです。
 それから最後ですけども、3の(1)の国において今後求められる対応についてです。今後、どう進むのかどうか分からないのですが、今回の報告書を受けてすぐ法令等の改正あるいは基準、ガイドラインの改定、そうしたものに進むのでよいのか、少し不安なところがあるということなんです。
 今回、それぞれテーマを決めて議論してきたと思うんです。デジタル化とか、読書バリアフリーとか、子供の読書とかですね。そういう意味では、そのテーマについてはいろいろ議論が深まったと思うんですけれども、図書館、あるいは学校図書館という施設にフォーカスを当てて、そこを網羅的といいましょうか、全体的に議論するということはできていないと思います。そうした議論を一度挟んでから法令等の改正やあるいは基準等の改正に進んでもいいのかなと思ってはいます。
 どういうふうに進めるかという話は、この会議体の話ではないかもしれませんが、ちょっと気になったものですから、発言させていただきました。以上です。

【秋田座長】  松本委員、どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、植村委員、お願いいたします。

【植村委員】  植村です。私のほうから3点ほどお願いします。1つは、6ページ、2ポツ、(2)の4)ですが、「文字・活字文化を共に支えるために」ということで、「地域の書店との連携による読書推進」というのがタイトルになっています。地域連携は、5ページにも他機関との連携というのがうたわれています。なかでも書店とは、本、読者を共有しています。
 ところが、読書推進とうたっていながら、ここに書かれているのは、出版流通界と図書館に関する課題であって、複本やエンバーゴのような貸出開始時期、あるいは図書館が地域の書店から購入できているのかとか、装備代を含む割引問題があげられています。図書館がどう書店の事業を支えられるのかということ書かれているわけです。これは最初に書くこととしては違うのではないでしょうか、まずは同じ読者を共に育てるということの読書推進のことを強くうたっていただきたいと思います。
 事例として鳥取方式があげられていますので、小林委員から後で補足もしていただきたいのですが、鳥取県図書館大会に参加すると、書店の皆さんも、読書活動に熱心なんです。そのための大会なんです。鳥取県立図書館が中心となって読書推進をしている地域の大会であり、何も購入方式だけが取り沙汰されることではないはずです。
 ほかによい例としては、「図書館・書店等連携実践事例集」にもあります山梨県立図書館が中心となって活動している山梨読書活動促進事業があります。一つ例を挙げると「贈りたい本大賞」があります。図書館が選んだ贈りたい本というのは、贈るためには買わなきゃいけない本であって、図書館で読みたい本じゃないんです。贈りたい本大賞に選ばれた図書を、図書館は貸し出さないで、展示だけして、地元書店が平台に陳列して販売します。贈りたい本は、入手できることを条件に選んでもらうってやっています。
 こういう連携の中で町全体がまさに読書活動をしている。行政も、書店人たちも。こういう事例もあるので、そこを最初にしっかりうたっていただきたい。読書人口が高いということを誇りにしていますから、山梨県は。
 このような事例は、ほかにもあります。だから、その辺をまずメインに書くべきじゃないか。図書館と書店の連携を支える方策としては、確かに地元書店からの購入もあるでしょう。ただし、書店支援が目的ではなく、あくまで読書推進が目的であって、そのために図書館と書店が連携するのだと思いました。これが1点です。
 それから2つ目、8ページ、学校図書館の司書教諭と学校司書、ここでもしっかりと配置のことが書かれております。しっかり配置して、あるいは常勤職員化して学校図書館がいつでも開いているようにしていただきたい。
 まず司書教諭について、「11学級以下の学校への司書教諭の配置促進」とありますが、11という数字そのものを見直すべきでしょう。というのは、11学級とうたわれたのは、学校図書館法が改正された1997年だと思いますが、問題はその頃と比較して学級数がどのように変化したか、です。学校基本調査によると、小学生と中学生の人数は、97年から今、小学校で74%、つまり四分の一減っています。中学校は69%、3割強減っています。それなのに同じ11学級のままではないでしょう。あの当時、12学級以上を必置と決めた理由は、詳しくはわかりませんが、そのときの基準には最低限すべきであって、できればすべてに司書教諭の必置にむけて、進めていただきたいと思います。
 この数字の見直しとともに、学校司書も「置くように努めなければならない」ではなく、司書教諭のように必置とすべきでしょう。もちろんその条件は今後考えていくことですが、まずは、必ず置くというような文言にしていただかなければ、学校図書館が、いつも開かないんですよ。開かなければ、居場所としての学校図書館は実現できません。鍵かかっているわけですから。そうならないようにしていただくためには、学校図書館法の改正を議論していかなければ実現できないと思います。
 この点は、9ページです。ここに国における役割として法令改正と書かれています。それは図書館法と学校図書館法の改正を念頭にしなければなりません。
 そのためにも、ぜひ明確に「望ましい基準」や「ガイドライン」に何を盛り込むかということを具体的に、今回の報告書に書く必要があります。さらに報告書に書けるかどうか分かりませんけど、前回、たしか松本委員が御指摘されていたと思いますが、次年度にはワーキンググループを作って、コアなメンバー結構だと思いますけど、「望ましい基準」や「ガイドライン」の検討をしていただきたいと思います。
 以上3点です。

【秋田座長】  ありがとうございます。それでは、続きまして、野口委員、お願いいたします。

【野口委員】  よろしくお願いいたします。私からは数点あるんですが、まず、1点目としまして、2ページ目の1の(2)のところですね。学校の中心に学校図書館を位置づけるという視点は非常に重要だと思います。ただ、学校の中心に位置づけるのは、施設・設備というだけではなくて、やはり学校図書館の機能全体を学校の中心に位置づけていくというふうに考えますと、学校図書館が教育課程の展開に寄与していくための中心的な存在になる必要があります。今議論も進んでいますけれども、次期の学習指導要領の中により明確に学校図書館の機能の活用を明記していくということが重要ではないかと思っています。
 現在でももちろん学校図書館の利活用については学習指導要領の総則等に記載はありますけれども、それがしっかりと学校の学びの中で活用できるようにしていくというためには、学習指導要領の改訂とここでの議論の連動が非常に重要であり、かつ欠かせないと考えております。
 それから、次のページの2の(1)の1)「ICT・デジタル化への対応」の部分ですけれども、こちらについては、先ほど池内委員も御発言がありましたが、全体として見ると、公共図書館についての視点で書かれている印象を持ちました。学校図書館におけるデジタルコンテンツのアクセスということをしっかりとできる環境をつくっていくという文脈でいいますと、最後の2つの項目で学校についての言及に関わるところはあるんですけれども、もう少し学校図書館においてのICT化・デジタル化への対応の部分の言及を増やしていただくこともお願いできればと思います。
 それから、さらに次のページの2の(1)、2)「読書バリアフリーの推進」に関してですが、これをしっかり位置づけていただくのは大変ありがたいことですけれども、ちょっと気になるのは、読書バリアフリーの対象者に、視覚障害者等のほかにも高齢者であるとか、外国人、入院患者等を位置づけていただいている部分です。これらの方々に対してのサービスを充実していくことは大変重要ではあります。しかしながら、読書バリアフリーといったときの読書バリアフリー法等の対象者は、視覚障害者等ということですので、今回の報告書でいう読書バリアフリーの対象者と法律でいう対象者にずれが生じてしまうのではないかというところが若干気になります。
 これまで図書館界では、視覚障害者等はもちろん、高齢者で図書館を使いづらい方とか、外国ルーツの方とか、入院患者の方たちへのサービスを充実しようということで、図書館利用に障害のある方へのサービスという概念を提起して、また実際に使ってきました。
 ただ、その考え方が十分に定着をしているとは言い難い面もあります。先月、愛媛県で開催されました第111回全国図書館大会では、インクルーシブな図書館、あるいはインクルーシブな図書館サービスという視点で、こういった幅広い対象の方々に向けて図書館として何ができるかを議論する分科会を設定していますので、インクルーシブな図書館サービスという用語ないし概念をここで示していくというのも1つの考え方かなと思います。
 そして最後ですけれども、先ほど植村委員のおっしゃったところとも重なりますが、今回の報告書の骨子の中で、学校司書の常勤化であるとか、司書教諭の負担軽減及び11学級以下の学校への配置促進ということを記載したということは非常に重要だと思っております。
 それにあわせて、今回の骨子案の中では特に言及がなされていないのですが、司書教諭の養成科目の見直しということもぜひ御検討いただきたいと思っています。
 さらに、学校図書館を利活用するのは、学校の先生方お一人お一人ですので、教職課程を履修し、教員免許を取得する人は、全て司書教諭養成科目の授業を受講していただくぐらいのことができれば理想だなと思っております。それが無理にしても、司書教諭の科目と教職課程の科目の相互乗り入れなどを将来的にはぜひ検討していただきたいと思っております。
 長くなりましたが、私からは以上です。

【秋田座長】  野口委員、ありがとうございます。それでは、緒方委員、お願いをいたします。

【緒方委員】  特別支援学校の校長の立場で資料1、資料2に関して意見と感想を述べさせていただきます。
 まず、資料1については、図書館・学校図書館を地域のハブ、学校の中心として再定義して、ICT対応や読書バリアフリー、地域連携を通じて、学びの深化を目指すという方向性が示されているんですけども、この方針については、教育全体においても極めて重要だと私は考えます。
 また、特別支援学校に在籍している障害のある児童生徒等にとっては、情報へのアクセス保障や居心地のよい学びの場所の確保は、学習権の保障に直結します。特にユニバーサル・アクセス、読書バリアフリー、ICT・デジタル化への対応については、障害のある子供たちにとっては必要不可欠な要素であって、強くこの点については支持したいと思います。
 さらに、先ほど野口委員からもありましたが、学校図書館を教育課程に位置づけ、個別最適な学びと協働的な学びを支えるという方向性については、現在、私も参加していますが、中央教育審議会において検討されている次期学習指導要領においても重要な視点だと考えます。
 まず、資料2については、先進事例が示されておりますが、図書館が単なる本の貸出しから学びの交流の拠点へと進化していることが示されています。日本においても参考になる取組であり、例えばアメリカの心のケアの空間等の実践は、障害のある子供や家族にとって大きな価値を持つのではないかと期待しているところです。
 ただ、幾つかの課題もございます。1点目が財政、人材面の制約です。司書・学校司書の非正規雇用や人員不足は深刻です。特別支援学校では障害特性に応じた専門的支援が必要不可欠であり、単なる司書配置では不十分だと考えます。ICT支援員や福祉的視点を持つスタッフとの連携が求められますが、現状では、予算の確保であるとか、また自治体間の格差が広がってくることは避けるよう配慮していただければと思っております。
 次にデジタル化の進展についてなんですが、電子図書やデジタル図書館サービスの導入は、距離や時間の制約を超える利点がありますが、例えば認知特性に応じたアクセシビリティ対応が不十分な場合、逆に排除を生むおそれがあるので、十分に配慮していただければと思っています。
 3点目、法整備についてです。学校図書館ガイドライン、学校図書館図書標準の見直しについてですが、中身として、障害者差別解消法であるとか、合理的配慮の観点を十分に反映していただきたいと思っております。
 例えば点字、音声、拡大文字、やさしい日本語など、多様な資料整備を義務化する仕組みが必要だと考えます。
 あと、最後に、地方公共団体において今後求められる対応、ここが一番重要だと思うんですけども、やはり研修の実施方法については、都道府県立図書館を中核に広域連携で研修を共同開催したり、研修内容については、基礎、応用、実践の3段階に分けて司書・学校司書、管理職向けにカスタマイズしたりすることが有効なのはないかと思っています。
 あと、担保策としては、やはり研修修了書や資格取得を昇任要件に反映させたりとか、研修効果を図書館協議会指標に連動させてPDCAサイクルで改善を図るなど、そういった担保策が、また国や都道府県の優良事例を共有して研修プログラムを標準化することが必要じゃないかと考えたところです。
 以上です。

【秋田座長】  緒方委員、ありがとうございます。それでは、続きまして、曽木委員、お願いいたします。

【曽木委員】  拝見しまして、気になったところを申し上げたいと思います。今までの委員の皆様の発言と若干重なっていますけれども、まず、7ページの研修についてです。こうしてしっかり書いていただくというのは大変ありがたいことなのですが、実際、都道府県などで実施していただいておりますが、割と何十年もやり方を変えないという状況が見えます。対面にこだわるとか、オンラインで参加できるようになったということもありますが、そもそも内容の構成があまり変わらないということがあります。それは講師不足の問題もあると思うんですけども、そういった研修の企画についても見直しということは必要です。研修のことについては、受講機会の確保も必要ですけども、研修内容の検討もしていくということ。それから、受講機会を確保するというのを、研修を充実させるだけではなく、受講の機会を確保することを報告書に書いていただくと、実現へと向かっていくかなと思います。
 それから、ちょっと戻りますけども、デジタルのところで広域連携による費用負担の解決ということで、「デジとしょ信州」の例示をしていただいています。広域連携でやっていただくということは必要なことなんですけども、結果的にこれは自治体の負担になりますので、これは国に求められるところに入れていただければと思います。やはりこういった負担や、予算については、国が何らか担保していただけるといいのかなと思います。
 今の電子書籍の導入が拡大したきっかけというのはコロナだったと思いますが、このときにデジタル田園都市国家構想交付金が各自治体に交付されました。これをきっかけに電子書籍を入れた自治体は非常に多いです。これがなくなったことで今少し鈍化したという自治体もあるかもしれないんですけども、こういう意味で、お金の担保というのがあると、図書館においても拡大していくのかなと思います。
 最後のところで、地方公共団体に今後求められる対応があるんですが、先ほどもお話がありましたけれども、評価はやはり入れていただきたい。こういったことを進めましょうということで方針を書くのはいいんですけども、チェック機能がなければ結局実効性は全くなくなります。
 評価の手段として、図書館協議会の設置、今日、事務局の方から説明いただいて、確かにあんまり議論がなかったんですけども、評価については、図書館法第7条の3で、評価を行い、運営の改善を図るための措置を講ずるように努めなければならないとありますけども、実際に評価を行っている図書館は、社会教育調査を見てみると、令和2年度間ですと7割にも満たず、まだ全然やってない図書館もあるんですね。同じように図書館協議会の設置率を見てみると、やはり70%弱、全部の図書館が置いているわけではありません。なかなか評価することができていないです。これは図書館法の中でも置くことができるとか、努めなければならないとし、なかなか進んでないのかなと思うので、実効性のある報告書に改善していくのであれば、こういった手段は非常に必要なことだと思います。
 図書館協議会も、基本的に館長の諮問に応えるという、館長が上で協議会が下みたいな意味に取られないこともないんですけども、実際にこれは内部で図書館頑張ったよねという評価だけではなくて、ここができてないですよねと指摘する第三者機関としての評価機関でもあります。これについてはしっかり機能できる形で置くこと、それを地方公共団体において今後求めるというところに入れていただけるといいのかなと思います。
 私のほうからは以上です。

【秋田座長】  曽木議員、ありがとうございます。
 それでは、続きまして、堀川委員からお願いいたします。堀川委員、資料が出てございます。

【堀川副座長】  補足資料、机上配付をお願いしました。これを御覧ください。骨子の8ページに「館長、司書教諭、学校司書の役割の明確化」というように3行目に書いてありますけれども、これぜひお願いしたいところです。そして、その明確化だけではなくて、それを周知する方策を考えていただきたいということを強調したいと思います。
 左、1枚目の左上のところからちょっと読みますと、司書教諭の役割に関する明確な文書が今まで出されていません。1959年に文部省から出された『学校図書館運営の手引』に、管理的職務、技術的職務、奉仕・指導的職務という3つに分かれて箇条書きになっているだけです。それぞれ解説書等で書かれているものはありますが、正直、2003年度から12学級以上の学校に発令された司書教諭の方々は、何をよりどころにして司書教諭として自分がどういう役割を遂行するかということが分からない状態のままで来ています。校長、教員においても司書教諭の役割は理解されていませんし、教育委員会においても、いまだに学校司書と司書教諭が混同されているという状況があります。学校図書館のガイドライン、2016年に出たものには、「司書教諭は、学校図書館を活用した授業を実践するとともに、学校図書館を活用した授業における教育指導法や情報活用能力の育成等について積極的に他の教員に助言するよう努めることが望ましい」という文章はありますけれど、ガイドラインは望ましいという指針にすぎません。
 下から半分の、学校図書館関連の真ん中のところを見ていただきたいんですけれど、全国学校図書館協議会では、「学校図書館の利用指導」の体系表を1971年に発表して、81年には「学び方を学ぶ」という児童生徒中心の考え方をもとに改定をしています。そして1987年に文部省から「小学校、中学校における読書活動とその指導:読書意欲を育てる」という指導資料が出ています。これが1948年から87年までに学校図書館関係文部省出版図書として11冊刊行された手引き類の最後になっています。
 先ほど申しましたように1997年に学校図書館法が改正されて、2003年以降には12学級以上の学校に司書教諭が必置になりましたけれど、そのときには司書教諭の講習の科目が改定されたということがあります。同じ時期に、右側の情報教育のほうでは、1986年に、「教育改革に関する第二次答申」、臨教審の答申の中で、「社会の情報化の進展に伴い、情報活用能力(情報リテラシー――情報及び情報手段を主体的に選択し活用していくための個人の基礎的な資質)をどの程度身に付けるかによって」という文章があるんですけれど、要するに、情報活用能力が情報リテラシーという言葉を翻訳した言葉として使われていると思われます。
 1998年の8月には「情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて」という調査研究協力者会議の最終報告が出ています。これには「司書教諭には、読書指導の充実とあわせ情報教育推進の一翼を担うメディア専門職としての役割を果たしていくことが求められる」という文章があります。これは2枚目の右下のところに引用して出しておきましたので、これは後で読んでいただければと思います。こうした協力者会議の最終報告を受けて、1枚目の一番下のところに四角で囲ったところですが、1999年に司書教諭情報化のカリキュラムや、あるいは教材が作成されています。これは当時の文部省所管のメディア教育開発センターが中心になり、教育工学や図書館情報学の研究者、それから全国SLAも、そして富士通の事業部が協働してという産学共同プロジェクトという形で進められました。
 今、左側のほうには、アメリカの状況なんですけれど、1974年に米国情報産業協会の会長が、情報産業に携わる人には、インフォメーション・リテラシーを持っていることが必要だと発言をしていて、それに対して1989年にアメリカの図書館協会がその定義を発表しています。そして、1990年代にサーチプロセスモデルという、探索プロセスモデルが開発され、御存じのように、ビッグ6など、プロセスモデルが発表され、そして図書館界では利用指導から情報リテラシーを育成するという流れになってきています。
 そして、長くなってすみませんが、2ページ目、先ほどの1999年の司書教諭情報化のカリキュラムや教材の開発の一方、学校図書館関係では、次のような動きがありました。
 左下の『図書館年鑑』から取ってきた文章をちょっと読みますと、「文部省は、学図法改正直後に法改正時の附帯決議事項を検討するとして、『学校図書館の充実等に関する調査研究協力者会議』を発足させた。同会議では、98年2月に『司書教諭講習等の改善方策について』をまとめた。同会議は、98年度第2期を再開し、3小委員会(1ガイドラインを中心に学習活動に関すること、2施設整備を中心に学校図書館メディアネットワーク等に関すること、3司書教諭の役割を中心に研修等を含めた充実施策に関すること)を設けて、それぞれの課題について検討を始めたが、99年度はこの会議を中断したまま過ぎた」と記述されています。
 そのほかに、文教施設部が出した書籍一番下のところから2行目、『新しい時代に対応した学校図書館の施設・環境づくり』というものが出されていますが、協力者会議とは別のものです。
 ここから分かるように、司書教諭の役割についてもまとめられるはずであったものが現実にはないんですよね。そのまま来ているので、司書教諭の方々が本当に何をしたらいいか分からない。それから教育委員会も、実際に指導主事の方が司書教諭は何をするか分からないんですよねとおっしゃったことがあります。そして、2014年の3月に「これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について」という報告書が出ています。これは3月に出たもので、同じ年の6月に学校司書が法制化される、それをにらんで出されたものです。だから、まだ学校司書とは書かれていませんが、担当職員として学校司書のことを述べているものです。
 このように学校司書については、役割が一応、文部省から出されています。細かく書かれています。
 それから、2016年には学校図書館ガイドラインが出て、そして学校司書モデルカリキュラムが出たと。ガイドラインの中には校長の役割が館長として初めて触れられていますし、それから司書教諭についても、最初に述べたように、一文書かれています。
 左側のほうに行くと、2017年、18年に告示された学習指導要領の総則に御存じのように学習の基盤となる資質能力の1つとして情報活用能力が出されました。
 それが出されたからだと思いますが、総則の中に情報活用能力の定義が示されています。ただ、それはコンピュータを使うことを前提とした定義なんですね。1ページ目の右上のところに戻りますと、情報活用能力の育成が学校図書館の役割であることがこの骨子案に書かれていますが、それが司書教諭の役割と結びつけて具体的に書かれていない。なので、多くの学校で司書教諭が機能していないという現状があります。探究的な学びへの支援、指導という言葉は、この骨子案にはないんですけれど、自治体の中ではよく使われているんです。ただ、それも学校図書館とか司書教諭とは結びついていないんですね。
 それで、したがって、司書教諭の役割とか、その職務の遂行の方法について、具体的に明確にして、明確にしただけではなくて、それを周知するために何らかの方策、例えば手引書を作成して、司書教諭自身、あるいは、教育関係者に周知するということをぜひお願いしたいと思います。その中にはICTの活用能力の教育の担当者と協働するということはぜひ入れていただきたいと思います。
 最後ですけれど、本会議の第2回で堀川が補足資料で出しましたが、また先ほどもちょっと申しましたが、今、我が国で使用している情報活用能力というのは、インフォメーション・リテラシーの訳語だと思われるんですが、本来のインフォメーション・リテラシーというのは、コンピュータの利用だけではないんですよね。でも、図書館の「望ましい基準」とか、今の学校図書館のガイドラインには情報活用能力という語が使われています。その後で、先ほどの2017年、18年に告示された学習指導要領の総則の中に、具体的に捉えれば、情報活用能力というのは、情報手段を活用してという言葉がありますので、本来は同じもののはずなんですけれど、情報活用能力とそれから情報リテラシーの言葉はやはりちょっと整理が必要かなと思っています。
 長くなってすみません。以上です。

【秋田座長】  堀川委員、どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、伊佐治委員、お願いをいたします。

【伊佐治委員】  先ほどの野口委員、それから緒方委員の御意見にも重なるところがありますけれども、自治体の現場からということで意見を言わせていただきます。今回、この1の(2)のところにあります学校図書館の学校の中心に位置づけることによる学びの深化というところの関連です。先ほど学習指導要領との関連ということをきちんと書き込む必要があるのではないかという御意見がありました。私もこの資料を拝見して、そこを補強していただく必要があるのではないかと思いました。
 といいますのは、第6回の委員会だったと思うんですけれども、奈須先生の御講義の中でありました情報活用能力、質の高い探究的な学びの実現、これを学校において実現していく上で、学校図書館のハード、それからソフト、これが重要になってくる、新たな子供たちのこれからの学びにおいてはこれが大切になってくるのだということをきちんと学習指導要領の中での位置づけとともにこの中に書き込むことが必要なのではないかと思いました。
 自治体の側で言いますと、予算とか、それからハード整備を行っていきますし、それから、実際の教育活動を展開する学校での校長を中心とした教員、教職員の皆さん、両方とも、学習指導要領に書き込まれている、だからこれが必要なんだという、そういう立てつけがあると事が進みやすいと私は思います。
 この後半のほうに出てきます、人材の配置充実・育成というところにも関連をするんですが、前回曽木委員の御意見だったと思うんですが、なぜ質の高い人材の確保、それから安定した人材確保が必要なのかということを説得できないと人を確保できないというようなお声があったと思います。そのためにも、この新たな学校の学び、学習指導要領を中心とした、新たな子供たちの学びのためにはそれが必要なのだという議論を展開することが必要なのではないかと思いました。
 それからもう1点、それに関連するんですが、先ほど来、司書教諭の位置づけ、それから学びというのがなかなか確立されてないということが出されていたかと思います。そういった意味では、教職員の研修計画というものが、教育委員会、教員の任命権者である都道府県ですとか政令指定都市とか中核市には、教職員の研修計画の策定、それから実施が義務づけられていますので、その中にきちんと司書教諭の役割ですとか、研修計画、これは校長も必要かもしれませんけれども、図書館の活用、これは探究的な学びにおいて、情報活用能力の育成も含めた、そういった内容を盛り込んでいくことが必要なのではないかと思いました。
 以上です。

【秋田座長】  伊佐治委員、ありがとうございます。
 それでは、小林委員、お願いをいたします。

【小林委員】  それでは、何点かお話しさせていただきたいと思います。まず2ページの1の「図書館・学校図書館を巡る現状と課題」というところです。ICTの対応、読書バリアフリー等ということがあげられているのですが、もう少しここに社会的な背景というのを書き込みたいと思います。今、SNSがすごく普及して、コミュニケーションがとても便利になっているという面もあるんですけども、逆にコミュニケーションの取り方、情報収集の仕方が大きく変化している中で、SNSで流れている情報を見てみますと、他者を攻撃する内容や、かなり偏った意見を押しつけるような書き込みもたくさん見られます。それが実社会にも影響を及ぼしているといわれています。事件に発展したり、あるいは選挙に影響したというような報道もされたりしています。
 そういう状況の中で、様々な情報を収集し、評価し、判断するという基本的な情報収集活用能力を身につけるということは、これは大人、子供にかかわらず、喫緊の課題なのではないかなと。そういう社会の中で、図書館が情報提供することによってそういうことに貢献できる可能性があるということについてやっぱり書いていくべきではないかなと思います。
 また、そこに居心地のよい場所ということが書かれているんですけども、居心地のよい場所という表現だけでは図書館じゃなくても公園でもいいし、どこでもいいという話になります。やはり、なぜ居心地がいいのかという点について触れるべきだと思います。多様な資料がそろっている、情報がそろっているということで、自分を受け入れてもらえる土壌があるとか、あるいは自分の力を高めてくれる、そういう情報があるとか、そういう何らかの図書館の機能と結びつけたかたち形の居心地のいい場所という表現が必要なんじゃないだと思います。
 それから3ページ目なんですけども、1)の「資料やサービスのデジタル化、電子書籍・電子図書館サービスの現状」ということが書かれています。電子書籍と電子図書館サービスというのが並行して書かれているんですけども、これはかなり違う概念だと思います。電子図書館というのは本当に幅広く様々なことを包含している。電子書籍を入れたら電子図書館が成立するんだという、そんな話ではないと思いますので、電子図書館とはどういうものかということの定義づけであったり、あるいは例示であったり、そういうことが必要だとなんじゃないかなと思います。
 次に、4ページの2)の下から2番目ですか、「特別支援学校における読書推進のための人材、設備、資料等の整備充実」ということがありますが、前回の会議の中で特別支援学校への学校司書の配置の低さということでお話しさせていただきました。もちろん特別支援学校の体制を整えるということもものすごく大事なことなので、それについてはぜひ御配慮いただきたいと思いますけども、特別支援学校以外の学校であっても特別支援学級というのがあって、特別な支援を必要とする生徒がいるわけです。そこにもやはり目を向けていただいて、その子供たちの情報活用能力が育成されるような環境、あるいはそれが、学校司書であったり司書教諭であったりがそこをサポートしていくというような視点で書き込んでいただけるといいと思います。
 あと、4ページの(3)の真ん中ですかね。図書館未設置自治体の住民や来館困難者に対する配慮、連携ということが書いてあるんですけども、連携してそこをカバーしていくということもすごく大事だと思いますが、一番大事なのは、そこが図書館を造るという気持ちになること。図書館設置をするということがあって、次につながっていくのだと思います。連携の前にまず自立、それぞれの自治体が図書館を造るというようなインセンティブが働くような何らかの働きかけ、あるいは書き込み、そういうことが必要だと思います。
 あと5ページなんですけども、「都道府県立図書館と市町村立図書館及び学校図書館との連携推進」というところで、都道府県内の図書館の求めに応じて域内の図書館への支援をするのが県立図書館の役割だと書いてある。これは決して求めに応じてやるというような話ではなくて、ちゃんとリーダーシップを持って、グランドデザインを描いて、圏域の図書館界をリードしていくんだ、それが都道府県立図書館の役割なんだというような書きぶりにしていただけると、全国の都道府県立図書館の職員が元気になるのではないかと思いますので、そこはお願いしたいと思います。
 それから、6ページなんですけども、鳥取方式のことについて触れていただいています。ベストプラクティスというような言い方をしていただいて非常にありがたいんですけども、この発表をしたときに、植村委員から、なぜほかの地域ではできないのかという質問も出ていました。やはりこれが鳥取方式という手法が一般化して他地域でもできるんだと、日本中でそういうものが広がっていけるのだという前提の上で紹介してもらうといいありがたいかなと思います。ですけども、やっぱりなぜできないのかということが、鳥取の事情がいろいろあって、あるいは鳥取の規模感とかもあってできているという事情があると思うので、これを事例として書いたから、じゃあ、よそへ広がっていけるのかということはまた別の話なんじゃないかなと思いますので、その点はちょっと検証していただくとありがたいかなと思います。
 あと、学校のところについては、11学級以下の学校への配置とか、学校司書の専任・常勤職員の配置とか、あるいは、法制化についても言及していただいているし、非常にこれはいいと思うんですけども、それに併せて1つ加えていただきたいのは9ページの(1)のところの「国において今後求められる対応」のところにやはり財源措置ということを入れていただきたいなと。書いたはいいけど、それが実現しないということでは意味がないと思いますので、その一文もぜひ入れていただきたいなと思います。
 いろいろ言いましたけど、以上です。

【秋田座長】  小林委員、ありがとうございます。それでは、続きまして、奈須委員、お願いいたします。

【奈須副座長】  よろしくお願いいたします。学校図書館のことについて主に2つです。1つは、簡単なんですけど、今日の資料の2ページ目のところですね。教育課程における学校図書館の位置づけということが学校図書館の冒頭に出ていまして、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実と主体的・対話的な学びの実現、それから、情報活用能力と書いていただいているんですが、主体的・対話的で深い学びという言葉、これはかなり上位の概念で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実というのは一段下の概念なんですね。なので、ちょっと両者の横並びはよくないと思います。
 逆に言うと、主体的・対話的で深い学びというのは本当に今の教育課程全体の学力論そのもので、それは当たり前のことなので、特に取り組むという話になると、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実と、もう一つ書くとすれば、図書館の関連でいうと、先ほど来先生方も言われていますが、探究的な学びですよね。紀之定先生の実践報告でも、子供の探究的な学びを図書館が独自なアプローチで強く支えられるということが出ていたように思うんです。だから、ここは探究的な学びとしていただいたらどうかなという一つの御提案です。
 それから、情報活動能力は先ほど堀川先生のほうから経緯も含めて丁寧な説明があって、そのとおりだと思います。今回の学習指導要領改訂の中でこのことについても検討が進んでいるので、そこを御紹介しつつ、私として図書館・学校図書館をこんなふうに考えたらどうかというのを申し上げようと思います。
 情報活用能力は、先ほど堀川先生が言ってくださったとおり、現行指導要領の総則の第2、「教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成」ということを新設で書き込みました。そこには言語能力とともに情報活用能力が並べられたということですね。
 情報活用能力は、情報及び情報技術を活用する能力という言い方をしてきました。情報の活用という意味での能力というのは、ずっと以前からやられてきたし、さっきのインフォメーション・リテラシー、そういう話かなと思うんですけど、情報技術の活用ということがこのところ広がってきたし、深刻な問題をもたらしているし、さらにGIGAスクール構想で1人1台端末を小学校1年生から配っちゃったので、取り組むべきだし、取り組まないといろんな問題が起こるということですね。
 じゃあ、それを今回の指導要領改訂の議論でどうしているかというと、まず、情報活用能力という中で、いろんなことをやっていくわけですけど、一つには、情報技術の活用とが喫緊の課題ですし、急速に注力しなきゃいけないということで一つ大きく取り上げています。教科等横断的な資質・能力を考えるときに、一般的な情報の活用ということは言語能力ともすごくかぶる部分があるんですね。言語能力というのは、言語を用いて、テクスト(情報)を理解し、文書や発話により表現するための力としていて、これは国語が中心にやってきて、さらに全部の教科等がその特性に応じてやってきましたし、図書館もここですごく頑張っているわけですけど、それと情報活用能力と言ってきたものは当然重複する部分もあるので、これを整理しなきゃいけないねという議論が一つ出ています。
 もう一つ強く出ているのは、現代社会で今問題なり取り組まなきゃいけないことの多くは、情報技術を介するものだと。こんな表現です。現代社会で情報技術を介さない情報活用に関わる能力の育成は実践イメージが持ちにくい。ちょっと強過ぎる気もしますけど、そういう表現があって、今般の情報教育の充実を契機に学習の基盤となる資質・能力としては、情報技術の活用ということに一つ中心を置いていこうという動きがあります。
 情報の活用というのは、伝統的に国語科や社会科が担ってきましたし、図書館がその中心的な舞台にもなってきましたけど、それは当然引き続き今後も各教科等の特質に応じてしっかり指導していくし、そこには図書館が果たすべき役割も引き続きあるんだと。もちろん従来の役割だけではなくて、変化するということだし、その変化をちゃんと考えなければいけませんけど、そういう少し整理をしているということがまず1点ですね。
 情報技術の教育については、小学校では総合的な学習の時間の中に新たな領域として、情報を扱う領域を新設して拡充していこうということですし、中学校は技術・家庭科が技術科と家庭科として独立しようという話になりましたので、新生技術科は、これまでも情報をやっていますけど、さらに情報の部分を拡充していくし、また総合などとの関係も深めてやっていこうということを考えています。
 高校は情報科が独立教科としてありますので、それを充実するとともに、こちらも総合などとの関係も引き続き深めていくということが、全体の構想として、情報の議論でやられているんですね。
 そう考えたときに、情報活用能力は情報技術の活用、コンピューターだけじゃないっていうのは、そのとおりだと思います。情報の活用については、先ほど堀川先生の資料にあったとおりだと思います。各種メディアの中心としての学校図書館ということだし、メディアの専門職としての司書教諭ということですよね。これがとても大事だと思います。
 一方で、情報技術の活用に関する取組が本格化する。その中で、学校図書館、あるいはメディアの専門家としての司書教諭は、情報の活用の何を担うかということをやっぱりはっきりさせていくと。すみ分けとかいう意味じゃなくて、事態が随分進行しているわけですよ。その中で、どういうことかということを再定義する必要があるんだろうと私は思います。
 情報技術の活用で話題になっていること、例えばフェイクニュースとか、フィルターバブルとか、エコーチェンバーといったことはもう既に情報技術の活用の中に明確に位置づけられて、小学校からきちんとやろうという話になっています。それは向こうに任せればいいとは言いませんし、そこは学校図書館も、もちろん一緒にやるんだと思いますけど、取組としては明確にやるという話になっているので、その辺りどう考えるかということだと思うんですね。学校図書館の利活用というのはそれとの関係でどうなるのか、司書教諭の仕事はどうなるのかということは、やっぱり考えなきゃいけないんだろうと思います。
 ただ、私が一つ思っているのは、ここからは個人的な意見ですが、情報技術の活用を教育課程上で分厚くしていこうという動きがあるわけですけど、そこで問題になっていることの中核は、子供たちが扱っている情報がフェイクニュースのように危ういものだと。あるいは断片化されたものだと。あるいは薄っぺらいものだと。そんなものを頼りにして子供たちが学習や思考や判断をするのは危険だと。そこを何とかしたいという話があるんだと思いますし、情報技術を推進している人たちもそんなことは本意ではないので、情報技術をちゃんと使うためにはそこを乗り越えたいという話だと思うんですね。
 そう考えたときに、学校図書館って真逆ですよね。信頼できる情報、量、質ともに分厚い情報、構造化された情報じゃないですか。この強みを今起こっている問題との関係でどう考えていくかだと思うんですね。
 そういった情報がある図書館ですから、その利用に関する専門家として司書教諭や学校司書がいて、教員と連携できるという枠組みがあるわけですよね。そういった学校図書館の特質を踏まえたときに、今進んでいる情報技術の活用、あるいは、情報をめぐる問題状況、これに対してどうやって関わっていくか。情報技術の活用という動きとも連携もしたいですし、あるいは差別化ということも必要だと思うんですね。情報技術の活用に関する動きに対して、学校図書館の強み、特質で何ができるか。この辺を明確化して打ち出していかないと、何となく情報技術の活用の文脈では、今の問題は全部コンピューターやデジタルに関わるんですという話にどうしてもなりがちで、一方で、国語科の皆さんなんかも、情報とか情報の活用という話はコンピューターだけではないんですというふうによく言われるんですが、それでは分断ということもないんですけど、一緒に何かやれるスキームをつくらなきゃいけないと思うんです。改めて今の問題状況と、進行しつつある政策展開の状況を見た上で、学校図書館とか司書教諭は何ができるか、何をすべきか、それが教育課程全体として子供たちにどんな利益をもたらすか。そのことをしっかりと考えると同時に、それを実現する方途を戦略的に検討して、こういうことをしたい、そのためにこういう要求を出したいということを打ち出していけるといいなと思いますし、先ほど来、教育課程に載せたいという話もありましたけど、私、教育課程部会長なので、私のほうでちゃんと考えなきゃいけないことだと思います。だからここに来ているということもあると思うんですけど。
 だったらそこにどんなことを載せるといいのか。それは、今ほど申し上げた、情報活用能力を整理して再定義していく動きが今ありますし、その1つの大きな、喫緊に取り組まなきゃいけないこととしての情報技術の活用に関する取組が今進みつつあります。それとの関係で、学校図書館をこんなふうに使っていただきたい。学校図書館にはこんなことができます。司書教諭にはこんなことをしていくような方向で考えたいと。そこが明確になってくれば、それを学習指導要領の総則なりにしっかり書き込むとかですね。書き込めば、先ほど来、先生方おっしゃっているように、自治体でも予算措置とか人の手当てとかといったことができると思うんですけど、そこをちょっと今の段階の状況を踏まえて、再整理、再構造化する必要があるのかなあということを思っていました。
 以上です。

【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、松木委員、お願いをいたします。

【松木委員】  今回、地域の書店との連携による読書推進ということを明確に入れていただきまして、ありがとうございます。私のほうも今読書のまちづくり事業ということで、とりあえず書店と図書館さんの合同研修というのを今全国5つで仕掛けております。今、4つは決まりまして、今年度内に行っていきますが、このような対話の場や今回の有識者会議等もあって図書館側は非常に積極的にやろうと言っていただいていますが、やっぱり書店側はなかなか難しいところがあるというのが現実です。
 先ほど植村先生もおっしゃったように、まず、最初にあるべきは、読者を育てるということは間違いないと思いますが、やはり書店は経済的な中で活動をしておりますので、ここに書いてあるようなこともしっかりと残していただいて、書店と図書館がしっかりと長くやっていけるようにというところで、この辺についてもしっかりと残していただければと思っております。
 また、そういった意味で、この下、5番のところに、読書推進人材、私はJPICにおりますので、JPIC読書アドバイザーと書いていただいておりますので、1つだけ。ここの場で、ここに書くかどうかですけども、今、JPIC読書アドバイザーは、書店のことや図書館のことも勉強をしておりますので、できれば図書館・学校におけるニーズの把握のところに書店というのも入れていただけないかと思います。我々とすると、書店と図書館が連携する間に立つ人も読書推進人材であっていいのではないかと考えております。この3者をつなぐという意味においても読書推進人材を養成して活用していくというところも御検討いただければと思います。
 以上です。

【秋田座長】  ありがとうございます。それでは、続きまして、髙橋委員、お願いをいたします。

【髙橋委員】  お願いします。この会議を始める当初の論点(案)があって、何回目に何をやるという中に、読書への関心を高めるとか、不読率の改善に向けたサービスを考えるという項目立てがあって、実際に今回までいろんなテーマで協議する中で、ところどころ、そういう話が出てきてていたと思います。しかし、その部分が今回の報告書の中に色濃く出ている箇所がないところが気になります。例えば、2ページの1の(1)の「図書館・学校図書館を巡る現状と課題」のところで、図書館でも貸出数がちょっと伸び悩んでたり、書店がこれだけ減ってきたりということで、やはり電子にしろ、紙にしろ、書籍を手に取って、そこから情報を読み取って咀嚼して考えるみたいな機会がなくなってきているというのは大きな課題だと思います。1の(1)の1の辺りで、そこら辺の不読率が改善してこないとか、読書への関心を一層高める必要があるみたいな、貸出数が伸び悩んでいるとか、そんなこともちょっと書かないと駄目なんじゃないかなって個人的には思います。
 不読率の改善などを実現するために、僕もちょっと発表しましたけど、やっぱり子供らにしても、本を読むことで何のメリットがあるのかが分かれば読書に目を向けてくれると思うので、今言った1の(1)の下の(2)のところの「今後求められる機能と役割」のところか、どこかに読書の有効性とか、有益性とか、京都大学の猪原先生は、「読書効果」という言葉をよく使いますが、ああいうことを積極的に発信するとか周知するというような内容を、今後求められる部分としてちゃんと書いたほうがいいんじゃないのかなというのは個人的には思います。
 全体的に、報告書のタイトルとか、今まで話してきた流れからいって、「未来」とか「これから」という言葉があるので、今までちょっと手が届かなかったところ、例えばいろんな事情があって、書籍がちょっと読みにくいとか、図書館にいろんな事情でアクセスしにくいとか、そういう方々や、今まで手が届かなかったところに目が向いているんですけども、大多数の平均的な人たちが抱えている問題みたいなところにも目をちゃんと向けないと、やっぱり根本的な部分は変わっていかないんじゃないのかなと思っているので、いま一度そういうところをちょっと検討してほしいなというのは、まず1つ目として思います。
 それから、もう一つは、電子図書に関することで、3ページの2の(1)の1の「ICT・デジタル化への対応」ですけど、下から3つ目の三角のところに、電子書籍等の選書等における情報資源マネジメントポリシー等整備、紙資料との関係を含むって書いてあります。これってひょっとして図書資料の内容とか特性に合わせてベストミックスを考えていかなきゃいけないというような議論が今まであったと思うんですけど、そのことを意味しているのでしょうか。そうであれば、ちゃんとそこが分かるように記述する必要があると思います。このままだと全体的に電子書籍を入れるか、入れないかとか、電子図書館サービスでやるかやらないかみたいな数値的なところだけに目がいっているように見えるので、たしか協議の中で、中身のことも考えて、特性に合わせてベストミックスを考えようみたいな議論もあったので、分かりやすく、もしそういう意味であるのであれば、そこにちゃんとそういう書き方をしたほうがいいんじゃないのかなというのは思います。
 それから3点目、9ページの最後の3の(1)ですか、今後求められる対応ですけど、もともと高校の教員なので、どうしても高校のことを念頭に置いてしまって申し訳ありません。いろんな統計資料とか見ていると、義務教育の学校、小中のほうが、国民全員やらなきゃいけないので、そっちのほうに目が行くというのは分かります。しかし、例えば不読率の話をしたときに最初に出てくるのが、高校の不読率は高いよねみたいな、そういう不利なときだけ高校の話が出てきて、逆に、学校図書館図書基準のところで、これだけの本をここには置かなきゃいけないよねみたいな、そういう資料配備の部分では高等学校って抜けるんですよね。だから、ここは問題じゃないのというときに高校がフォーカスされ、セーフティーネットみたいな話になると、高校は抜けているんじゃないのか。
 これはちょっと私の被害者意識かもしれませんけど、そういうところがあるので、例えば、9の(1)の2行目、学校図書館図書標準のこと書いてありますけど、やはり今の学校図書標準って、小中のことが公立義務諸学校ということなので当然書いてあるんですけど、高校に行く人口がほぼ全員と言えるまで増えてきたので、同じ扱いで図書標準のところにも高等学校をそろそろ入れてもいいんじゃないかなという感じはします。
 その際に、よく学校図書館関係者と話をするときに出てくるんですけど、「学校図書館メディア基準」というのが全国学校図書館協議会で制定されていて、そこには小中高に、このぐらいの学級数ならこれぐらい置いたほうがいいよねみたいな基準があるので、そういうところも参考にしながら、国として高校にも少し手厚くやっていただけるとありがたいかなというのはいつも聞いていて思います。ぜひよろしくお願いします。
 以上です。

【秋田座長】  ありがとうございます。
 ほかにお手が挙がっていないようですが、本日、御出席の皆様、いかがでございますでしょうか。お言葉いただける方があればと思いますし、そうでなくても、それぞれの委員のお話を聞いて、2度目でもという方がおられれば、若干時間がございますので、お願いできたらと思います。
 いかがでしょうか。
 ありがとうございます。土屋委員、お願いします。

【土屋委員】  小学校の学校司書をやっておりますので、今までの皆さんのお話を聞いて、学校司書に関する正規の配置とか、司書教諭の先生方の役割をしっかりと明記するとか、そういう先生方がおっしゃっていることに納得して、ぜひそういう文章を入れていただきたいなあと思っていた次第ですが、一つ、今、髙橋先生がおっしゃったところで、私も同感したのと同時に、やっぱり子供たちを見ていると、不読ということに関しては、日常、目につくことが多くなってきていまして、不読率の増加というのはこの会の中でも言われていましたけれども、不読も、バリアフリーの視点とは別に、日常の中で普通の学級のお子さんたちも、読めないのではなくて読もうとしないという子供がとても増えてきているような気がするんです。読もうとしないお子さんたちというのは、学びに向かう力ってよく言われますけど、それがとても弱いような気がします。学習に向かえないという実態を目にすることがあります。
 なので、やはり不読というか、読書に関する重要性、それから、図書館が学びの入り口になっているということ、それから、主体的に読むということが読書の土台、それから、その先のもちろん情報活用をしていく上での土台になるということも入れていただけるといいのではないかなと思います。
 自己調整学習とかメタ認知とかいう言葉もよく聞くんですが、やっぱり読むこと自体が自分との対話であり、思考力を高める活動だと思うんですね。なので、いくら情報スキルを得たとしても、頭の中で今自分が何をして、どういうふうに学習しているのかということを考えられない。主体的に考えられない子供では、やっぱりその先に進んでいくことができないと思うんです。
 なので、一番もととなる読書とは何かとか、読書の定義も含めて、読むというこの入り口としての図書館の重要性、機能というのも入れ込んでいただけるといいなと思いました。
 以上です。

【秋田座長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございますでしょうか。お願いします。

【紀之定委員】  電子書籍にしても広域に連携していくということなんですけれども、なかなか複雑だなと思っています。町立図書館とか大きな図書館があるところは、電子書籍、中学校のほうで、特別のIDを付与されて読むことができているんですけれども、小学校のほうはまだちょっと確認しなくてはいけないんですけど、自分の務めている地域には高校も大学もあるんですけれども、高校は私立の高校なので、どうなんだろうという、または大学も2つあるんですけれども、どうかなとちょっと確認したいのと、近くに、例えば熊取町でしたら読めるけれども、本当にすぐ近くの田尻町というところでは大きな図書館がないから電子書籍を読めていないとつい最近知ったんですけれども、また、もうちょっと隣の岬町の中学校も、うちは大きな公立図書館がないので、電子書籍が読めてないんですと伺ったりして、なかなか私立とかも入れると、広域に連携していくというのもなかなか複雑だなと感じています。大きな図書館がないからうち読めないんですというのも最近よく聞いていますので、何かいろいろ複雑かなと感じました。
 まず1点目ですけれども、先生方から本当に素晴らしい御意見を伺い、学習指導要領に記載し反映されていくという事も本当に素晴らしいと思っております。
 学校運営におきましても、学習指導要領にハッキリ記述されてあるからこうだよ、と指導要領を基に目指して実現化していくことが多くあります。また、望ましいという表現の場合は、参考にして話し合うのですが実現しない現状もあります。いろいろ事情もありますが、断定的な表現であると達成目標となりやすく有り難いなと感じております。
 2点目です。電子書籍等を広域に連携していくということですけれども、なかなか複雑だなと感じています。町立図書館等、大きな公共図書館がその市町村にあるところは、公立中学校の全生徒に特別のIDを付与されて電子書籍を読むことができています。自分が勤務している地域には、私立の中学校・高等学校・大学もあり、そちらの現状はどうであるのか確認したいと思っています。
 しかし、お隣の市町村や、またその隣の市町村のどちらの中学校も、「本校は、近くに大きな公立図書館がないので、電子書籍を読めていない」と伺い、現状を最近知りました。私立学校等も含め、広域に連携していくということも何かいろいろ複雑であるかなと感じております。
 以上です。
 
【秋田座長】  ありがとうございます。奈須委員、どうぞ。

【奈須副座長】  学習指導要領の話が随分出ているので、確認と思います。学習指導要領というのは法的拘束力を持ちますけれども、そんなに何もかもがんじがらめにしているわけではなくて、各学校で校長先生を中心に教育課程を創造的に闊達につくっていただく際の国レベルでの大綱的基準ですよね。それを基に各地域、各学校の状況、あるいは先生方の意図に基づいて教育課程を編成していただくということです。
 ただ、マストになっているというのは、各教科等の内容は必ずやりなさいという話になっているんですね。それを確認したいと思います。
 教科内容についてはマストなので、教科書を作るときも全部載せなきゃいけないし、全部扱わないと強く言えば法令違反になるという話ですけど、図書館をどう扱うかとかいうのは総則にあるわけですね。改めて見ますと、総則の第3の1の7ですけど、学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに、児童の自主的・自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また、地域の図書館や博物館、美術館、劇場、音楽堂等の施設の活用を積極的に図り、資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実することというのが書かれていて、特に前半部分が今日の内容と深く関わっています。後半も、今日の内容で言えば地域の入り口にしてやっていくという話だと思います。しかし、これを今全部完璧にやれている学校ってあるのかという話ですよね。だから、これはマストではないんですよ。
 こういうことをこの方向でぜひ考えてやってくださいという話で、だからここに何をどのレベルでどういうふうに書くかということが、現場の教育課程編成にどんなふうに使われるか、あるいはそれをインスパイアするか。ただ、自治体の条件を整備なんかするときにここにあるということがとても強いということは伊佐治先生もおっしゃったとおりで、だから、何を書くことが、それこそ自治体、あるいは現場の特に校長先生のような感覚として望ましいか、あるいは、状況が変わる中で、今、学校図書館はどんなことを担っていくこととしてどう書くべきかという話だと思うんですね。
 そう考えると、今ある総則の第3の1の7に対して、逆に先生方がどんな不満をお持ちかという話だと思うんですよ。どんな不満をお持ちで、どんな改善方向をお考えになっているかということを、またいろいろとぜひお聞かせいただいたりすることが大事なのかなと思っています。
 ただ、今の指導要領の議論の中では、できるだけ現場の裁量という言い方をしていますけど、基準は示しつつ、できるだけ縛らないようにしたいとは考えています。
 なので、全体として、記述量も減らしたいという希望を僕らは持っています。諸外国に比べて4倍という話もありますので、記述量が、多過ぎる、あるいはどんどん増えてきているということもあるので、全体として減らしたい。総則はまた増えがちなので、何とか減らしつつ、大事なことはしっかり書きたい。
 その中で、学校図書館については、何をどんなふうに書くべきか。今のものを基盤としてもいいし、何なら今のものを基盤にしないということも場合によってはあってもいいと思うんですね。どうしてもこういう文書は、従来のものを部分的に修文して、するとどんどん追加して長くなるということがあったので、一旦ゼロベースで見直すということも個人的にはあっていいんじゃないかと思っているんですね。だから、図書館・学校図書館の御専門の先生方から見られて、今の記述のどこがどうなのか、あるいはこんなふうにするとこんなことができるということをまたぜひいろんな形でお教えていただくということがすごく大事かなと思っていました。

【秋田座長】  ありがとうございます。ぜひこの点を皆様お考えいただけるとよろしいのではないかと思います。
 植村委員、ありがとうございます。

【植村委員】  1つだけ思い出しました。3ページのところで、ICT・デジタル化への対応ということで、学校連携については、2回目のときに報告をさせていただきました。あれからも、公共図書館で電子図書館契約したのを学校図書館で使えるようになっている学校連携が増えております。
 そのなかで、私と野口委員と電子出版制作・流通協議会で毎年、行っている電子図書館調査の中で、今年浮かび上がってきた問題があります。3ページの1)の真ん中辺りにある「授業内の一斉利用による教育課程への貢献」について、一番多いのが子供たちが読む朝読です。これはいいんです。ところが、電子図書館で借りた電子書籍を授業で使えるかという問合せが多く寄せられています。電子図書館事業者は、積極的に使えるようにするために、出版社と合意を取りつつ広報していますが、現場では著作権法上いいのか、これはSARTRASと関係があるのかと皆さん悩んでいます。
 集団読書にもすごく有効だという話になってきているので、電子図書館の授業利用については、ぜひ推進していきたいと思います。そこをうまく整理していくには、研修も有効でしょう。よろしくお願いします。

【秋田座長】  どうもありがとうございます。
 あとはよろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。今日いろいろな側面から御意見をいただきましたので、また、これを全体として加えたり、長くなっていく方向だと思いますけれども、増やしつつも分かりやすく構成をしていきたいと思いますし、ちょうど今の時期に、先ほどお話がありました、奈須副座長からお話がありました、教育課程に、学習指導要領にどういうふうに、こちらもつなぎながらその機能を考えていくのかというのは、議論するのはまさに今ここの時期でなければ、今度はまた10年後ということになるわけですので、その意味では、少し奈須副座長からも提案がありましたところについても、現実の文章と機能ですよね、そこについてここでも少しお話をいただけると、よりよろしいのではないかと。
 もちろんその中で、今日お話がありましたように、最初の目的から沿って加えなければならないとこはどこかというようなところ、もう一度見直しながら、事務局に大変な御負担もおかけしますけれども、また改めて出していただき、検討しながら、最終のほうに向かってまいりたいと存じます。
 これで皆様から御意見をいただいたわけですけれども、本日は、時間も迫ってきていますので、閉会のほうに参りたいと思いますので、最後の議題のほうに移りたいと思います。
 次の議題はその他ということでございますが、事務局から何かございますでしょうか。

【稲田図書館・学校図書館振興室専門官】  第9回の会議日程について御連絡をさせていただきます。資料3でございます。第9回は12月18日木曜日、14時から16時の開催を予定しております。会場は文部科学省会議室を予定しており、ウェブ会議を併用して行います。
 以上でございます。

【秋田座長】  ありがとうございます。
 すいません、どうぞ。

【髙田地域学習推進課長】  一言だけ。今日も多くの御意見をいただきありがとうございました。
 現在は箇条書きになっていまして、我々も、例えば読書バリアフリーの箇所で、障害者や外国人、高齢者等をどう書き分けようかと悩んでいたところ、いろいろ御提案をいただきましたので、今日いただいた観点で記載を充実して、次回の会議にしっかりしたものを提示したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、御意見にありました学習指導要領の関係については、我々も教育課程課と一緒にお話ししながら進めていきたいと思っております。また法令改正、あるいは基準やガイドラインの見直しについては、それぞれどのようなタイムスケジュールで進めるべきかを整理します。例えば「学校図書館図書整備等5か年計画」は次年度策定と決まっていますので、それに合わせて作業していかなければなりません。学校図書館ガイドライン、あるいは司書養成課程科目や学校司書モデルカリキュラムの見直しについても、どの順番で取り組むか。その際に、会議体を設けるのか、個別にヒアリングとするか。そうしたことも含めて、我々の中で整理して進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からの補足は以上でございます。

【秋田座長】  髙田課長、ありがとうございました。
 それでは、これで閉会とさせていただきたいと思います。皆様どうもありがとうございました。オンラインの皆様もどうもありがとうございました。
 

 

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総合教育政策局 地域学習推進課 図書館・学校図書館振興室
電話番号:03-5253-4111(内線:3484)