図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議(第6回)議事録

1.日時

令和7年9月2日(火曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. これからの子供の学びを支える読書環境の充実について

3.出席者

委員

秋田委員(座長)、池内委員、伊佐治委員、伊藤委員、植村委員、緒方委員、紀之定委員、小林委員、汐見委員、設楽委員、曽木委員、田井委員、髙橋委員、土屋委員、手塚委員、奈須委員(副座長)、野口委員、林委員、堀川委員(副座長)、松木委員、松本委員

文部科学省

塩見総合教育政策局長、神山社会教育振興総括官、髙田地域学習推進課長、坪田地域学習推進課教育改革調整官、田中図書館・学校図書館振興室長、稲田図書館・学校図書館振興室専門官

4.議事録


【秋田座長】 おはようございます。定刻となりましたので、これより、図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議の第6回の会議を開催いたします。
本日の議題は、「これからの子供の学びを支える読書環境の充実について」です。
まず、事務局より今回の会議における「論点(案)」を説明いただきます。その後、3名の方に御発表をいただきます。初めに、奈須委員より「学習指導要領等の改訂を巡る審議の状況を踏まえながら、図書館・学校図書館に関わる探究的な学びと情報活用能力の育成」について御発表をいただきます。次に、紀之定委員より「学校図書館における子供の学びを支える読書環境の現状と今後の充実に向けた取組やその課題」について御発表をいただきます。そして、髙橋委員より「図書館における子供の学びを支える読書環境の現状と今後の充実に向けた取組やその課題」について御発表をいただきます。
お三方の御発表が終わりましたら、御発表に関する質疑や「論点(案)」に基づき意見交換の時間を1時間程度取りたいと思っております。
まず、今回の会議における「論点(案)」について、事務局より御説明をお願いいたします。

【田中図書館・学校図書館振興室長】 それでは、事務局より御説明をいたします。
資料1の2枚目を御覧ください。本日の「論点(案)」は1-3、「これからの子供の学びを支える読書環境の充実」、1学習指導要領に基づく「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実、主体的・対話的で深い学びの実現、2不読率の低減や子供主体の読書の取組の推進を図るために、図書館・学校図書館に求められる資料・サービス、施設・設備、人材の在り方についてです。
次に、3ページを御覧ください。現状として、特に高校生の読書離れが長く続き、読書を好きと回答する児童生徒の減少が課題となっております。公益社団法人全国学校図書館協議会における第69回学校読書調査によりますと、不読率の割合として小学生が8.5%、中学生が23.4%、高校生が48.3%となっております。また、1人当たりの平均読書冊数におきましても、小学生が13.8冊、中学生が4.1冊、高校生が1.7冊という結果になっております。
また、令和7年度全国学力・学習状況調査において、質問項目「読書が好きですか」の設問に対し、「当てはまる」または「どちらかといえば、当てはまる」という割合が小学生は全体の69.8%、同様に中学生は61.7%という結果です。この中で、選択肢ごとの教科の平均正答率に当てはめてみますと、同じ設問で「当てはまる」と回答した小学生の国語では73.6%の正答率、中学生の国語では61.9%の正答率でした。
次に、4ページを御覧ください。これらの基本的な方向性を示されているものの一覧になります。1つ目の「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」においては、利用者に対応したサービスの項目の中に、児童・青少年用図書の整備・提供、児童・青少年の読書活動を促進するための読み聞かせ等の実施、その保護者等を対象とした講座・展示会の実施、学校等の教育施設等との連携と記載されております。
また、「学校図書館ガイドライン」においても、(1)学校図書館の目的・機能では、学校図書館は、児童生徒の読書活動や児童生徒への読書指導の場である「読書センター」としての機能と、(略)「学習センター」としての機能とともに、(略)「情報センター」としての機能を有している。(3)学校図書館の利活用では、学校図書館は、児童生徒の興味・関心等に応じて、自発的・主体的に読書や学習を行う場であるとともに、読書等を介して創造的な活動を行う場である。このため、学校図書館は児童生徒が落ち着いて読書を行うことができる、安らぎのある環境や、知的好奇心を醸成する開かれた学びの場としての環境を整えるよう努めることが望ましいと記載されております。
さらに、第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」においても、基本的方針に、読書活動の推進に当たっても、子どもが、それぞれ、好きな本を選択し、好きな時間に、好きな場所で、主体的に読書活動を行えるよう、アンケート等、様々な方法で、子どもの意見聴取の機会を確保し、多様な子どもの意見を取組に反映させる等、子どもの視点に立った読書活動の推進を行うことが重要であると記載されております。
次に5ページでは、その他の方向性としまして「小学校学習指導要領」では、総則の中で、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに、児童の自主的、自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また、地域の図書館や博物館、美術館、劇場、音楽堂等の施設の活用を積極的に図り、資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実することと記載されております。
最後に6ページを御覧ください。ここまで御説明した内容を踏まえ、本日の論点と検討の視点(案)として、3つ挙げております。
1つ目「児童生徒の自主的、自発的な学習活動や読書活動の充実のために求められる役割・必要性」です。共通事項として、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実、主体的・対話的で深い学びの実現へ対応するために、図書館・学校図書館はどのような役割を担うか。また、図書館においては、都道府県立図書館に対して期待される役割/市町村立図書館が担う役割についてです。
2つ目「図書館資料・サービス、施設・設備の在り方」についてです。主に図書館では、児童・青少年の読書活動を促進するためにどのような取組を実施し、学校図書館等と連携するか。また、学校図書館では、児童生徒の興味・関心等に応じ、自発的・主体的に読書や学習を行う場としてどのような蔵書構成、運営が必要か。不読率の低減や子供主体の読書の取組の推進を図るために求められる環境の整備についてです。
3つ目「司書・司書教諭・学校司書等の人材の在り方」です。共通事項として、子どもの視点に立った読書活動の推進を行うため、司書・司書教諭・学校司書等に求められる役割、専門性や資格及び研修について。また、学校図書館においては、学校図書館を有効に活用し、子どもの読書活動を推進するために司書教諭、学校司書等が習得すべき知識・技能等についてを論点として設定しております。
事務局からは以上です。

【秋田座長】 田中室長、御説明をどうもありがとうございました。
それでは、発表に入ります。まず奈須委員から御発表いただきます。よろしくお願いいたします。

【奈須副座長】 よろしくお願いします。私からは、現在改訂中の学習指導要領の状況について、図書館・学校図書館と関わるところを中心に発表いたしますが、先に全体像を共有させていただきたいと思います。次お願いします。
まず、改訂のスケジュールですけれども、教育課程企画特別部会での議論がもう終盤に入ってきまして、これが終わると教科等の専門部会ということになっていくかと思います。次お願いします。
大臣諮問のなかに、顕在化している課題というのが3つ出ていまして、これが今回の議論の枠を理解するのにいいかと思います。
1つ目が、主体的に学びに向かうことができていない子供の存在ということで、多様性の公正な包摂という令和答申の実装ということです。
2つ目が、学習指導要領の理念、趣旨の浸透は道半ばという表現をしていますけども、現行学習指導要領の方向性を堅持してこれを熟成するということかと思います。
3つ目が、GIGAスクール構想が進んでまいりましたけれども、デジタル学習基盤を学校教育の基本に据えようということです。私なりに申し上げれば、デジタル学習基盤を駆使して現行学習指導要領を熟成し、多様性を公正に包摂するということに向かって議論が進んでいるかと思いますし、そのために、裁量拡大というか余白を生み出すということが議論されています。次お願いします。
審議事項としては4つ、大臣からは提起されていますけど、この中には図書館・学校図書館に関わる具体的な記述は特に見当たりません。次お願いします。
審議のスケジュールはこのように初回では議論されていて、実際、このように進んできたかと思います。
具体的なことに入りたいと思います。次お願いします。
まず、1点目は、多様性に応じられる教育課程ということをどう支えるか。いろいろ議論がありますけども、子供の多様性の拡大、これは皆さんも実感しておられると思います。不登校34万人ということをはじめ、海外にルーツを持つ子供や特異な才能のある子供に対しても、しっかり対応していこうという議論が進んでいます。次お願いします。
具体的な教育課程としては、「2階建て」という議論が出ています。多様な子供たちに対応するためには、まず学校の教育課程全体を柔軟なものにして、裁量拡大をして、地域や学校のニーズに合ったものができるような仕掛けにしようということと、それでも包摂できないお子さんも当然出ますから、個々の児童生徒に対してきめ細やかな対応、柔軟な教育課程の実現ということに向かって制度設計をしていこうということです。
まず、学校として編成する教育課程の柔軟化としては、形式面として授業時数、単位授業時間、内容の学年配当等を弾力化、柔軟化しようと。具体的に時数としてでは、今の別表第1の総授業時数は堅持しつつも、教科等ごとの時数の運用を柔軟化する授業時数特例校というのがありますけど、あれを一般化してはどうかという議論が出ていますし、そこで生み出された時数を子供に返すことはもちろんですけど、先生方に返して、よりよい教育課程の開発に努めてもらってもいいんじゃないかという議論も出ています。
また内容面、これは後でお話ししますが、中核的な概念や方略、教科の本質ということをしっかりと確認して、本当に子供が何を身につけるべきかということを明確にして、内容の構造化を進めようという議論もあります。次お願いします。
「2階建て」というのはこんなイメージです。まず、1階の部分で時数を弾力化して、その学校らしい教育課程をつくってほしい。さらに2階部分として、今3つ出ていますけど、日本語指導が必要な子供、不登校の子供、特定分野に特異な才能を有する子供、こういった子供に対する教育課程の特例措置を考えられないかという議論が出ています。次お願いします。
各学校が編成する一つの教育課程では対応が難しい子供の包摂として、7月9日の教育課程部会で、今後の具体的な議論に際し、「不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」と「特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」という2つのワーキンググループをつくって、集中的に審議するということが決まっています。とても画期的なことかと思います。次お願いします。
今のような形式的なことに加えて、内容的な弾力化ということも進んできています。次お願いします。
現行指導要領、これは4年生の社会科を例に挙げましたが、都道府県内の特色ある地域では、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解すると。これが実現を目指すべき内容ですが、これだけだったら非常に自由度のある教材開発とか単元展開ができると思うんですが、「内容」の下に「内容の取扱い」というのがあります。次お願いします。
今の内容を実現するために、幾つか規定があるんです。伝統的な技術を生かした地場産業を扱う、それから国際交流に取り組んでいる地域を扱う、地域の資源を保護・活用している地域を扱うとなっていて、これはマストになるので、例えば教科書を見ると分かるんですが、この3つないし4つの小単元を網羅的に次々とやっていって、それで全体が10時間程度の設定ですから、非常に細切れになってしまう。
これ自体は悪いと思いません。「内容」のよりよい習得を目指した「内容の取扱い」が書かれているんですけれども、法的拘束力を持つので、これを網羅しないと教科書は検定合格しないわけです。現場でもそのようにやるわけですが、これらを細切れで網羅的に扱うことを通して、この「内容」、県内の特色ある地域でいろんな取組をしているよということの理解がかえって危うくなる可能性もある。この辺りをどうするかということが大事だと思います。次お願いします。
教科の内容系統を子供が俯瞰・感得できるような授業・カリキュラムというのは、世界中で議論があって、これは1980年代にウィキンズという人が言い出したことですが、従来の学校教育は網羅する学習になっているんじゃないか。今ほどのこともそうですけど、細かい指導事項を網羅する、それがかえって内容の本質への理解から遠ざかっているんじゃないかという批判があります。
それに対して看破する。uncoverageというのは、全部をカバーしようとしないということですね。一つ一つのコンテンツ、指導内容がありますけど、それらを集約的に整理するような教科の本質、今回の指導要領で、「見方・考え方」と言っていますが、それを意識して統合的な意味理解、この教科はこれがポイントだな、この内容はこれが核だなということを、先生もしっかり押さえて指導するし、子供にもそれと分かるようなもの、これは国際的には、big ideaという言い方、中核的な概念という言い方をしていますけど、そういったものを中心にした教育課程にしていけるといいなということです。
現行では、理科の様々な事物・現象を粒子やエネルギーという中核的な概念で構造化して体系的に教えるというように既になっていますけれども、なかなかこのことが徹底できていないのではないか。これが実現されると、先生は少なく教えて豊かに学ぶ授業になる。教える指導事項は少ないですが、学びは深く、納得のいくものになり、応用のきくものになるということは国際的に言われていますし、子供からすれば、いろんなことをやっているけれど、結局いつも粒子じゃんと。いつもエネルギーに目をつければ理解できるよという学びになる。こんな教科を目指したいなということで議論が進んでいます。次お願いします。
具体的には「タテ」と「ヨコ」という言い方をしていますが、同じ知識・技能でも、上のほうは主要な概念、そして下が指導事項、思考・判断・表現についてもそういうことが「タテ」であって、さらに知識と思考がばらばらじゃなくて結びつく。これは知識がただ知っている知識ではなくて、思考の礎になるような知識にしていくということ、こんなことを考えているわけです。次お願いします。
探究的な学びと情報活用能力も大きな主題になっています。情報活用能力については、現行学習指導要領総則の第2の2に「教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成」ということで書かれてはいるんですけど、これ以上細かなことが示されていないので、現状は十分に進んではないと思います。次お願いします。
なので、GIGAスクール構想のこともありましたので、情報活用能力の育成は喫緊の課題です。これは図書館や学校図書館にも深く関わってくることだと思いますけども、目下のところ、情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解という3つに分節化して、つくっていってはどうかという議論が進んでいます。次お願いします。
それを小・中・高等学校に対して、それぞれ、この台形の大きさは、内容の大きさ、を示しているわけですけども、小学校では活用をベースに適切な取扱いや特性の理解も少しずつやっていこうと。学びの場としては、総合的な学習の時間に情報の領域を創設してやってはどうかという議論が進んでいます。次お願いします。
中学は、既に情報を専門的に扱う技術・家庭科の技術分野、高校は情報科というのがございますので、こちらで基本をやりつつ、小学校と同じく総合的な学習の時間にも展開していくと。ただのお勉強で終わらせると使えないので、しっかりと教えると同時に、それを実の場で使うということ。そして実感を持った学び、生きて働く学びにしていこうということを考えております。では次お願いします。
「図書館・学校図書館を巡って」とさせていただきましたけども、次のスライドにあるとおりで、先ほど申し上げたように、特にこれまでのところ集中的に審議されたような事項はございません。今の情報活用能力のところには関わってくると思うんですけど、図書館・学校図書館について何かしっかり審議したということはないです。現行指導要領を見ると、これは御案内のとおりですが、主にこの2か所に書かれているということかと思います。総則の部分と、それから国語科の部分ですよね。これはもう先生方が取組の礎にしておられることだと思いますけど、ここをどう扱うかは総則評価の部会、それからここからワーキンググループでしっかりと御議論をこれからしていくんだろうと思います。次お願いします。
少し私見になりますけど、学習指導要領の改訂作業に入る前に、幼児教育に関わって有識者検討会がございました。秋田委員や私はメンバーでしたけれども、その中で、子供は生まれながらにして自らの学びを展開していくし、その力を持っているというのが幼児教育の基本的な考え方ですが、その考え方が小学校以降にも適用できるのではないかという議論がありました。今進んでいる令和の日本型学校教育などは、幼児教育の環境を通して行う教育の考え方とつながっているんじゃないかと。次お願いします。
であれば、小学校でもそのようにしてはどうか。実は、そういう発想に立った取組というのは過去にもあるんですが、環境整備にかかるイニシャルコストが高くて展開しづらいという部分があった。ところがデジタルが入ったことによって、環境を通して行う教育の省力化と高度化が可能になっている。そこで新たなICT環境、先端技術を活用しつつ、環境を通して行う教育という幼児教育の基本的な考え方を小学校以降にも取り入れてはどうかということが展開されているんです。
実際、個別最適な学びと協働的な学びの展開では、この環境を通して行う教育という考え方が鍵になります。そうなると、デジタルや操作教材と並んで、整備する学習環境の中心は図書資料ということになってくるかと思います。ここに図書館の一つの新たな展開可能性があるかなと。次お願いします。
例えば環境を通して行う教育はこんな姿になるんです。先生が前に立って、先生が指示してやるのではなくて、子供が課題をしっかりと自分で理解して、それに基づいて様々な環境、デジタルや操作教材も含めて、環境に子供が関わっていく。次お願いします。
伝統的な授業では、先生が前に立って、先生が時間を刻んで、そのときに使うものは先生が渡すというようにやっていたんですけど、環境を通して行う教育、そこでの個別最適な学びと協働的な学びでは、その場所に行けば、その活動や学習をする道具、材料、情報が全部整っていて、場もあって、子供たちが時間を刻んで、子供たちが必要な物を取って活動するというようになります。これは1年生の算数ですけども。次お願いします。
そうなってくると、図書館、あるいは図書資料、あるいは司書教諭や学校司書の新たな仕事というかアプローチが可能になってくるんですが、これは教室周りで国語科の学習をしている場面ですけれども、実は学年の教師と相談して、司書教諭あるいは学校司書が子供たちの学習に適切な図書資料を選択して、学習環境整備の一環として教室の周辺に効果的に配置すると。展開中の単元に係る図書資料を図書館から教室に出張させるということをやっています。面白い取組かと思います。次お願いします。
これもいろんな教科の学習についての単元で使い得る図書資料を持ち出して、しかもとてもカラフルですてきな学習環境として構成した例です。こんな環境はよく図書館の中には作られていると思うんですけど、これを子供の学習に焦点化して教室周りに配置するという取組です。次お願いします。
これは逆に、図書館の中に、今進んでいる単元の図書資料コーナーを作る。こんな取組は既にやられているかと思うんですけど、これは中学ですが、今4つの教科の学習に関わるコーナーが作られていて、授業時間中も、それから授業時間外も図書館に来て、こういう資料を使って学んでいるということです。次お願いします。
もうそうなってくるのであれば、当然図書館も特別教室の一環として、教室を飛び出して子供の日常的な学びの場にすればいいんじゃないかということです。学校図書館が日常的に様々な教科の学びの場になっているという様子です。これは個別最適な学びを、教室でやっている子もいるし、ほかの場所でやっている子もいるし、図書館でやっている子もいる。このとき図書資料を使う子もいれば、図書資料だけじゃなくてコンピューターを使ったり普通の学習カードを使ってやったりする。
そうなると図書館の中に、その単元で使うほかの教材も持ち込んでいると。左下にあります。こうなってくると、もう図書館が教室になり、逆に教室周辺も図書館になると。だから、学校全体が図書館になるという言い方もできるかもしれませんし、図書館の中に学校があるという言い方ができるかもしれませんが、学習環境整備という概念を、幼児教育では普通の概念ですが、小学校以降にも展開をしていきたいと。そうすることによって個別最適な学びや協働的な学び、あるいは子供が主体的に場や時間やメディアを選択して学んでいく。これによってメタ認知や学習の自己調整の能力もついてくるかと思いますけど、そんな学びが可能になるんじゃないかなと思っています。
そのときに、場としての図書館は鍵になります。そこにある図書資料も鍵になりますし、それに対して専門性のある司書の先生方も鍵になると、そんなことを思っています。
以上です。

【秋田座長】 奈須委員、御発表をどうもありがとうございました。続きまして、紀之定委員から御発表いただきます。よろしくお願いいたします。

【紀之定委員】 熊取北中学校の司書教諭、紀之定美知代です。よろしくお願いいたします。本日は、「学校図書館における子供の学びを支える読書環境の現状と今後の充実に向けて」というテーマでお話しさせていただきます。特にここ数年間の本校の学校図書館活用の取組を紹介させていただきます。次お願いします。
まず、熊取町は大阪府の南のほう、関西国際空港の近くに位置し、人口は約4万5,000人で、町立の小学校が5校と中学校が3校あります。そして、唯一の町立熊取図書館があり、蔵書冊数は約38万4,000冊です。ただ本校は学級数11クラス、生徒数約320人、教員数34人の中規模校です。クラブ活動が熱心であり、さらに朝の読書、読み聞かせやビブリオバトルが本校の文化となっています。次お願いします。
そんな中でスクール・エンパワメントの学校図書館を充実・活用するためのモデル校として取り組みました。研究テーマは「学校全体で本に親しむ活動や学校図書館を活用した各教科等の授業づくりをめざして」です。生徒の現状として、発表したり人前で話すことに抵抗があり、対話して解決策を見いだしていくことが苦手でした。そこで目標は「ことばの力を育もう」、言語能力の育成・コミュニケーション能力の向上です。司書教諭として学校全体を巻き込めるように、率先して、学校図書館を活用した研究授業や校内研修等を実施しました。
図書館教育部の目標は「学ぶ楽しさ 知る喜び つながりながら進める読書活動」です。情報教育部とつながり、タブレット端末を活用した学習の深まりを目指し、支援教育部とつながり、読書が苦手な子を読む楽しみに導き、人権教育部と手を組み、人権に関する資料を常に学校図書館から発信し、学力向上部とつながり、本を通し互いの意見・考えを認め合える力の向上を目指し、生徒指導部・特活部とタッグを組んで、図書館イベントを学校全体の行事に広め、誰でも来館しやすくし、この図のように、全教科、各分掌とつながり、仲間との学びをつなげ、チーム学校でより成果を上げ、確かな力になれる学校図書館でありたいと考えています。次お願いします。
まず、学校図書館を活用した授業づくりが全教科領域に広がるように校内研修です。先生方に授業で使う教科書を持ってきてもらい、各教科で集まり、どの単元で図書館を活用するのが効果的か、などを検討します。これから教科の授業の年間計画を立てていくという年度当初に考えてもらうことに意義があります。年間の授業計画の中に図書館活用を組み込んでもらうためです。次お願いします。
こうして出来上がったのがこの学校図書館活用計画一覧表です。毎年4月当初の職員会議で提案し、全教育活動で学校図書館利活用の授業づくりを考えてもらうことを大切にしております。次お願いします。
さらに大切にしてきたことは、主体的な学びを目指すことです。生徒の主体性を生む学習計画表です。これにより、単元の目標、学習の流れ、日程、学習内容の計画が分かり、見通しを持って生徒自身で進めていけます。多くの教科で活用しています。そして、根拠を裏づける情報を集める情報カードの利用指導も行い、いつでも使えるように図書館に設置しています。参考文献の書き方、奥付を知ってもらうチャンスです。著作権や日本十進分類法、引用の仕方などについても、学校司書、授業者、司書教諭と連携して実施します。学校図書館の役割だと考えています。次お願いします。
これらの調べ学習を通し成長を感じているところがあります。与えられたテーマを調べるだけでなく、それを超えるものが出てきます。そして第一に、課題に関する興味・関心が広がり、多くの問題に気づき、幅広い視野に立って考えるようになりました。調べる活動を通し、主体的に聞く力、課題を解決する力が向上し、また、企画力がついたなどがあり、調べ学習の魅力は主体的・対話的で深い学びそのものだと実感しました。次お願いします。
ここからはGIGAスクール構想、1人1台端末時代の教科横断の図書館活用授業づくりです。学年ごとに取り組むことにしました。2年生の学年テーマは東日本大震災です。それぞれの教科、理科、体育、社会、英語、国語、数学、家庭科の各視点で学びを深め、つなげていきます。次お願いします。
まず、スタートは理科の実践です。めあては「知ろう・調べよう・共有しよう、南海トラフ巨大地震」で、どのようにして地震・津波が発生するのか、メカニズムを調べ、理解していきます。複数の資料を比較・評価し、本とネットそれぞれの特性を生かして使い分けます。次お願いします。
地震が起こり、津波が発生するメカニズムを、第1時はまず多くの本をじっくり見ます。複数の本の情報を読み比べて選択し、レポート用紙にまとめます。第2時は、タブレット端末も使い、多様な情報を収集し、深めます。学校図書館とICT活用を統合した学びです。次お願いします。
理科では、どのレポートにも本の出典とネットの情報の出どころを記入する両方の欄を準備しています。本とネットの両方を使うこと、そして参考文献を示すことを大切にしています。これはウェブ資料と本資料との両方を活用し、多様な資料から調べを進めていくコツになっています。次お願いします。
そして、クラスみんなで共有です。分かりやすい発表にするために、資料の数値を画面に取り入れ、説明で必要なグラフや図、絵だけを取り出して作成したスライドをモニターに映し出し、説明しています。発表者が手に持っているタブレット端末には、スピーチの骨子を作成しています。あらかじめ話の展開等を考え、準備しています。次お願いします。
次の体育の授業のテーマは防災で、地震によってどんなことが起こったか、学習のめあては、1、自分の問いを言葉にする。2、調べた情報を比較・分類・関連づけながら考えまとめることを大切にします。理科調べでの知識を踏まえ、地震による二次災害について調べ、考察します。ここでも本が基本ですが、深めたり、違う視点の情報も得るため、タブレット端末も併用します。次お願いします。
体育の発表では、理科で調べた語句や言葉も使われ、理科の知識を引っ張ってきての伝え合い、聞き合いが充実していました。写真にあるように、何とか分かるように伝えたいと思わず手振り身振りが入り、そして相手の反応を見て話そうと、相手を意識しての話す・聞くという姿から、対話がある学びを感じます。対話により生徒たちの心の距離も縮まっています。次お願いします。
続いて、社会では、東北地方の震災前と震災後の様子の移り変わりについて、伝統や文化、お祭り、農業・漁業の視点で、特に人々の思いや願いについて着目し、調べを進めます。その人々の思い・願いは動画を見ると分かりやすく、動画の人々の会話から思いを読み取りました。本活用とタブレット端末活用のすみ分け方を示して組みました。次お願いします。
人々の願いを調べるには、話している声を聞くと分かりやすく、話す表情や声を動画で聞き取り、思いを読み取っていきました。授業者はあらかじめ適切な動画をピックアップし、数個のURLを提示しています。大切な仕掛けをしていました。漁業・農業・産業については本の資料が分かりやすく、本で調べています。各班の共有でもタブレットで写真・動画のみを提示しながらプレゼンしています。タブレットをうまく使うことで、思いを読み取れたり、グループの交流を深めたり、各単元の達成度が上がってきています。次お願いします。
単元の最後では、社会で調べた、東北を襲った厳しい現実や、復興に向けた人々の思いを協働して4コマ漫画に表現していきます。その際にグループの交流の中で様々な考え、アイデアが交わされ、一人一人のよさや頑張り、つながりがたくさん見え、対話がある深い学びとなりました。次お願いします。
続いて英語では、タブレットを用いて避難について調べ、考えたことを英語に書き直す翻訳を行います。英文に翻訳するときにサポート的に参考にタブレットを活用します。次お願いします。
次の数学では、「東日本大震災を知る」と題しまして、めあては「調べたデータから考察する」です。被害の大きかった東北地方、宮城県にある次の3つの町から1つ選び、震災前後と現在までの人口の変遷や町の場所を調べ、気づいたことをまとめます。まず、予想と要因を考えて、震災前、震災後、現在までの人口の推移を調べ、表やグラフにします。そして、この3つの度数折れ線の色を変え、1つのグラフに書き込み、最後3つの震災前、震災後、現在までを比較して考察します。1年で学習した統計の復習を兼ねて行いました。
次の国語では、自分たちの住む熊取町の防災はどうなっているのか調べます。まず情報の集め方にはどんなものがあるか、確認し合い、そして写真にあるように、実際にハザードマップを広げ、熊取町に予測されている災害が何かを確認します。最後に避難所を確認し、自宅から避難所までの道のりや危険な道を確認し、逃げ方をイメージして文章にして共有しました。
最後は、家庭科の災害に強い住居を調べです。調べた後、学年廊下にレポートを提示し、共有しました。
以上が2年生の教科横断の学校図書館とICT活用の調べ学習です。先生方に「生徒にどんな力がついたと感じますか」というアンケートに答えてもらっています。その1例を紹介します。知識を組み合わせたり、いろいろな角度から関連づけ学習でき、学びに向かう力、人間性も深まってきている。広い視野で考え、表現できる力がついた。より多面的な考えを持てるようになったなどです。次お願いします。
探究学習で多様な図書資料を複数冊、ページを開けておいて読み比べ、特定の情報を見つけ出す力が、タブレット端末においても多くのページを横断しながら特定のウェブページにたどり着き、特定の情報を見つけ出す技能を身につける力につながっていきます。このようなデジタル読解力が深い学びを目指すには必要になってきます。自分の興味のあるテーマについて、多くの資料から思わず夢中になっている学びこそ自分事となり、個別最適な学びであると感じています。そして、自分が調べたいテーマを納得いくまで真剣に向かい合い、深めていく学びこそ、まさに主体的な学びであると感じています。次お願いします。
1人1台端末時代になっても大切なことは基本的には変わりません。学校図書館活用とICT活用の統合においても、自分で考えを巡らせるプロセスが重要であり、探究学習で大切にしたいところです。この考えを巡らせる、つまり、考えるプロセスを大切にし、情報活用能力及び読む力が育成されていくのだと実感しています。次お願いします。
主体的に学びに向かい、自ら問いを立て、調べ、深めるには、それをひもづける多様な資料を収集できる環境が必要です。ネットの情報が信頼できるか、複数のサイトを見比べ、信頼性を吟味すると話す生徒もいました。ウェブ上で多様な資料を活用する場合には、情報活用能力、情報リテラシーを育んでいくと同時に、図書館側から信頼できるリンク集の提供が必要です。学校図書館は、これらデジタル情報活用のサポートをしていきたいと考えています。さらに、参考文献の書き方や引用の仕方、小論文の書き方などを掲載し、いつでもアクセスできるようにしたいなと考えています。次お願いします。
あるホームページには、探究のためのリンク集がたくさん紹介されています。先日社会科の教員に、ジャパンサーチは知っていますかと聞いたところ、知らないというので一回見てくださいと言ったところ、すごくいいなという反応が返ってきました。こういう信頼できる探究のためのリンク集を必要に応じ、生徒たちに、そして先生方に提供していくのが大切であって、学校図書館の役割であると考えています。そして、学校図書館と教室をつなぐ独自のサイトを情報教育部と力を合わせて開設したいと考えています。次お願いします。
毎月の職員会議では、タブレット端末調べのICT活用、プラス学校図書館の本を活用した、つながりや深め合い、仲間とつながりを感じられるような授業づくりをうたい、その成果物を図書館前の廊下や図書館内に展示し、子供たちの頑張りを見える化していくなど、常にアピールしています。また、図書館内に平和学習や人権学習などのコーナーをつくり、学校で学んでいる学習を広め、深めやすい環境をつくっています。関連の本、新聞の切り抜きなど、展示を工夫し発信しています。これも学校図書館の役割であると考えています。
まとめとしまして、デジタル社会に対応した、これからの学校図書館の役割を考える。提案としまして、学校図書館とICTをともに活用して、思索をまとめ発表するプロセスが大事であること。学校図書館側から信頼できるサイトのリンク集や使い方を提供することが必要であること。お互いがつながりを深めて、仲間意識が感じられるような授業づくりを支えるなどのことが大切だと考えます。
課題としまして、生成AIの特徴や問題点を正しく理解した上で、Canvaなど他のアプリとともに効果的に活用できるように、新しい時代に対応する情報活用能力の育成も視野に入れていく必要性を考えています。
最後に、図書委員が考えた読書推進の動画を御覧ください。全校集会でみんなに披露したものです。
(動画上映)

【紀之定委員】 以上になります。御清聴ありがとうございました。

【秋田座長】 紀之定委員、どうもありがとうございました。生徒たちもありがとうございました。
では、最後に髙橋委員から御発表をいただきます。よろしくお願いいたします。

【髙橋委員】 それでは、静岡県立中央図書館の髙橋から、当館の小学生対象の「夏休み子ども図書ウィーク」の事業の実践と、それを踏まえた今後の展望等について説明をさせていただきます。
まず、当館の説明をする前に、軽く現行学習指導要領の基本的な部分を確認しておきたいと思います。先ほどの御説明にもあったとおり、先行き不透明な時代を子供たちが生きていくために必要な資質・能力として、知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性などという3つが示されています。そしてこの3つの力をつけるために、主体的・対話的な深い学びが提唱されています。
これを個別に見ていきますと、全体の見通しを持って粘り強く取り組むであるとか、他者との協働や話し合いにしっかりと取り組むであるとか、体験等を通して創造的に実感を伴って課題を解決するであるとか、学んだ知識を実生活と関連づけていくということなどが示されています。
公共図書館は、直接的な指導要領の対象ではないんですが、当館の「夏休み子ども図書ウィーク」で毎年実施されるような様々な講座を通じて、学校での学びと同じ方向性を持って、かつ、日常生活に即役立つような実用的な学びを公共図書館でも提供できるんではないかと考えています。それでは当館の「夏休み子ども図書ウィーク」について説明をしたいと思います。
事業の立ち上げの背景ですけども、平成20年度に遡って、当時耐震工事などの影響で、来館者数や貸出数の減少が続いた時期がありました。その対策として、平成21年の国民文化祭であるとか、平成22年度の国民読書年に合わせて多くの関連イベントを実施した結果、実績が回復していきました。そこで、この流れを受けて、23年度から、大人向けのいろんな講座等に加えて、今度は子供向けの体験講座というのを手厚く実施して、子供たちの夏休み期間の学習支援の一環にしたらどうだろうということで始まったのが、この「夏休み子ども図書ウィーク」です。
そして今年14年目になるわけですけども、今年度は何と当館創立100周年という記念の年でしたので、講座数を7本に拡大して実施しました。近年では特に明確なルールとして決めているわけではないのですが、講座の内容が結果として次のような傾向をもつようになりました。一つは図書資料と直接関連性を問わないもの、必ずしも本の紹介につながるものでなくてもいいということ。それからもう一つは、他者との交流の要素があったり、そしてこれが一番大切ですけど、何かお土産として持ち帰ることができるような成果物、こういったものがあるような実用的な講座が大半となってきています。開始当初は募集で苦労した時期もあったんですけど、このような内容になってから応募も多数いただくようになってきました。
具体的な講座の内容について、今日は図書館と地域のつながりを生かしたものを中心に、3つほど紹介させていただきます。
まず、「草薙神社龍勢花火について学ぼう!」という講座です。講座の説明の前に、スライドの写真の子供を見てください。右側の銀色の扉の前に黒い服を着たタブレットを持っている子がいます。このタブレットの中には、夏休みの宿題のプリントが入っているんですね。聞いたことを入力したり写を撮って貼りつけたりしていました。
その向こう側には、見えにくいかもしれませんけど、鉛筆を持った、白いマスクをした男の子がいます。この子は宿題の紙のプリントを持って、聞いたことを書き取ったりして、これに参加することで夏休みの宿題を少し進めていました。ある意味での講座の実用性が象徴されている写真だと思います。
さて、この草薙神社の龍勢花火ですが、毎年図書館でも資料展示等をしている地域の無形文化財です。この保存会の方々が講師となって今回は講座を実施しました。龍勢花火というのは、右の銀色の扉の前に大型のロケット花火みたいなものが置いてありますが、あれが打ち上げられ、空をばーっと上がっていって破裂して、中から落下傘が下りてくるんですね。落下傘のサンプルが天井のところに幾つかぶら下がっていますけど、子供たちはこの落下傘の作成にこの講座で取り組みました。
難しいところもありましたが、講師の人に、「ここはどうするんですか」と質問したり、時々手伝ってもらっていました。またコツが分かった友達がほかのグループの子供に教えたりして、助け合って落下傘を作成していました。
最後に落下傘をみんなで飛ばすんですが、左のほうにある3つの落下傘を見てください。一番右側にある落下傘がよく開いていますよね。あれは、講師の先生が紙をよく揉んくださいと言うんですけど、揉むと紙が柔らかくなって、空中ですぐぱっと開くんですよね。講師の先生が言っていた意味が飛ばす段階になってやっと分かって、慌ててその場で揉んでいる子がいたりして、体験を通した実感を伴う学びというのはこういうことだなと思いながら見ていました。全員の落下傘が図書館の中を飛び回る姿は圧巻で、みんなすごく楽しそうでした。
2つ目です。「作って見せる!工作マジック」これは、地元のNPOから紹介していただいたプロのマジシャンを講師に招いて実施しました。最初にデモでマジックを5つ見せます。その5つのマジックから気に入ったマジックを1つ選んで、必要な道具を子供が自作するという講座です。作成している間は、保護者の方は一旦退室していただきました。作るときに、小さい子が多かったものですからちょっと苦労する作業もあり、先ほどの龍勢と同じように、講師の先生に聞いたり、グループ内で助け合いながら道具を完成させます。
最後に、会場に戻ってきた保護者の前でマジックを披露するんですけど、どうですか、このドヤ顔というか、得意げな顔。苦労して作成した道具を使ったマジックで皆が喜ぶ、その姿を見て達成感を味わう。自分がやったマジックで人が喜んでくれるという他者との関わり合いの楽しさみたいなことを子供たちは学んだんじゃないかなと思います。きっとお盆で家族が集まったときに披露した子供もいたのではと思っています。
最後はちょっと手前みそですけど、私がやった「親子で挑戦!英検4級」という講座です。最近小学生も英検4級に挑戦している子が多いので、その対策ということで講座を実施しました。子供は言語に対して柔軟に取り組む姿勢を持っています。大人は英語が苦手だとか言っていましたけど、何だかんだ言って学生時代に学んでいるので、文法的な用語とかは分かっているんですよね。なので、親子で話し合って解答を考えましょうという場面を多く設定して、英語の学習はもちろんですけど、家庭内でのコミュニケーション促進も狙いました。
この上の写真を見ていただくと分かるように、話し合ってくださいと言うと、顔を近づけて、本当に真剣に話し合うんですよね。そういうほほえましい姿が見られて、解答までの考え方はもちろんですけど、家庭での会話のきっかけみたいなのも持ち帰っていただいたんじゃないかなと思っています。
この講座では、当館所蔵の英語の多読資料に加え私が音読の学習方法を紹介して、事後アンケートでいろんなポジティブなコメントをいただきました。「英語学習の取組については小学校ではあまり教えてもらっていないので、とてもためになりました」とか、英語の学習に関する前向きの意見も多く見られて、学校とは少し異なる角度での英語の学習機会を設定する意義というものを感じました。
ここから、こういった実績を踏まえた上での課題と展望についてお話をします。講座に参加した結果、子供たちが何らかの成果物を得られるということが伝わると、参加者が集まりやすく、参加した子供も目的を持って楽しく意欲的に活動に取り組むことができます。このメリットや成果物に関しては、私は3つに分類できると思っています。一つは工作物等の物理的な成果物です。知識・技能を習得した結果できてくる「モノ」です。即宿題の提出につながるというような具体物。これがまず一つ。
それから2つ目が、プログラミングとか、さっきの英語の学習方法もそうですけど、具体的な手段や方法です。言ってみれば「ノウハウ」、これは思考力や表現力の源になるものだと思っています。
それから3つ目として、他者と一緒に何かを楽しむ機会です。これも言ってみればコミュニケーションとかつながりの機会。こういったものは、学びに向かう力とか人間性等につながると思っていて、以上の3つに分けられると思っています。このようなメリットや成果物があると人は引きつけられるわけです。
今後の展望としては、この小学生対象の実績を基に、不読率の高さが指摘されている中高生対象にこういった実践的な、実用的な講座ができないかということを考えています。例えば、スライドに3つ挙げましたけど、必要な情報を読み取る技術とか、選択肢を選ぶ際の判断力につながる英検講座。それから論理的な文章の読み方とか表現力の向上につながり、最近いろんな学校で取り入れつつある文章検定講座。入試や就職で役立つ面接や小論文に向け必要な知識の習得とか表現力の向上につながるという観点の新聞記事活用講座、こういうことが考えられます。
その際、大切なのは、合否とか得点よりも、むしろ読んで、考えて、表現するという資質の向上と、そういったことに取り組む楽しさを経験することを狙いとして、そこから読書人口の裾野の拡大につなげていけるんじゃないかと考えています。
ここからは私見になりますけど、中高生の読書習慣に関しては、こども家庭庁の青少年のインターネット利用環境実態調査などの結果から、私は個人的にスライドの図のようなイメージを持っています。幼少期の頃、0歳から5歳のあたりですけど、読み聞かせ等で本に親しむ機会が多くて、子供が読書に親しむためのすばらしい環境が大人によって整えられていると思います。
しかし、先ほどのこども家庭庁の調査の結果の中には、10歳になると、機器の専用と共用が逆転して、子供の専用機器の割合が65%を超えるという調査結果があります。専用機器を手にして、大人の手を離れて、気軽に刺激的な情報を得られるインターネット、主に動画だと思うんですけど、こういったものに娯楽や学びを求める結果、読書から離れる子供も相当数いるんじゃないかなと考えています。私たちがターゲットにすべきゾーンの人たちはここにいるんじゃないかなと私は思っています。
この層の人にとって、文字情報からイメージを喚起して概要を頭で整理するという読書活動はタイパが悪い。それから忍耐力が求められて面倒くさい。その結果、読書にあまり意義を感じないと具体的に口にする高校生を私は何人も見てきました。そんな子を読書活動の側に呼び戻すためには、多少の不便とか負荷があっても、読書にはそれらを乗り越えるだけの価値や実用性があるんだということを示して、まずはトレーニングのつもりで読書に取り組むように導く工夫も必要じゃないかなと思っています。
そこで、これまでいろんな取組をしていますけど、そういったものに加えて、主に学びの部分、実用性が実感できる学びの部分にフォーカスして、まず講座への参加や読書活動で自分の資質が高まる経験してもらう。経験するのが大切だと思うんです。読書活動の有効性とか実用性を実感してもらう。経験と実感、ここがポイントです。このような機会を提供することも試す価値があるんじゃないかと考えています。
まとめると、読書で思考力・判断力・表現力などの資質が向上するという体験を、講座など様々な形の形態で提供して、過度のネット利用、主に動画ですけど、による読書活動の喪失状態から子供たちを救い出すというイメージです。例えて言うなら、目的が明確で、効果が実感できるから、この猛暑の中でもつらい筋トレも頑張れるという、こういうのとちょっと似ているかもしれません。
最後に、読んだ方も多いと思うんですけど、名著と言われている『本を読む本』からの言葉を紹介させていただきます。読む目的が、精神や心を成長させるなど、そこから利益を得ることであれば、しっかり目を覚ましていなければいけない。それは最も積極的な読書である。見返りを期待して読書することであると、このように述べられています。
本会議でも、他の様々な取組と同様に、読書の有用性とか実用性を踏まえた実体験を伴うような読書環境の整備、こういったことについても引き続き協議していければと思っています。
私からの発表は以上です。

【髙橋委員】 ありがとうございました。

【秋田座長】 ありがとうございます。それでは、続きまして植村委員、お願いいたします。

【植村委員】 ありがとうございます。紀之定先生に重ねてお聞きします。司書教諭の紀之定先生が中心になって、全ての教科で図書館を利用した授業づくりが行われている、すばらしいなと思いました。今ほど、人員の補強があったという回答でしたが、それにしても司書教諭の仕事はかなりワークとして大きいと思います。そこで一つ目の質問は、紀之定先生の国語の授業とか、教科の御担当の負担減というんでしょうか、何か教科に対する、あるいは担当に対する配慮というのはあるのでしょうか。
二つ目の質問として、資料の最後のほうに、図書館を活用した授業づくりの中に、「司書さんや図書委員に資料を集めてもらい」という言葉がありましたが、学校司書の配置はどうなっているんでしょうか。また図書館の開館とかの運営に関してはどのようにされているのかをお聞きしたいと思います。

【紀之定委員】 まず1点目ですが、今、司書教諭をしておるんですけれども、その時間数は全く軽減はなく、学校で一番授業数が多いのではないかなと思う、逆にそういう状況になっております。このスクール・エンパワメントがあった時だけ、授業は週14時間に減ったかなと思っています。今は、週22時間等ですけれども、SE担当時のみ配慮がありました。ふだんは特に配慮はありません。
2つ目ですけれども、学校司書さんが来てくださっていて、初めの頃はかけ持ちで来てくださっていたり、いろいろ大変だったんですけれども、午前はうちの学校、午後からは違うところへ行ったりということもありました。しかし、今は火曜日がお休みで、月水木金と来てくださっています。開館をしてくださっているのと、火曜日以外は一日中学校にいて開館してくれています、私のほうも行きたいんですけども、授業の準備等でお昼休みしか行けず、なかなか行けないところを学校司書さんがいろいろ手伝ってくださって、開館してくださっております。

【植村委員】 ありがとうございます。学校司書さんのいらっしゃらない火曜日の開館はどうされているんですか。

【紀之定委員】 今は、朝は個別に生徒を教室に送り届ける対応、放課後はクラブ活動指導や生徒対応等があり、もうお昼しか開館できないという状況です。

【植村委員】 よく分かりました。ありがとうございます。

【秋田座長】 ありがとうございます。それでは、御発表者や論点(案)に基づく御意見等を伺ってまいりますが、その前に、今回の議題である、子供の学びを支える読書環境に近いお立場におられる委員からの御発表をお願いしたいと考えております。初めに、伊藤委員、今回の議論や委員からの御発表について御意見を伺えますでしょうか。伊藤委員、お願いいたします。

【伊藤委員】 ありがとうございます。練馬区立谷原小学校で校長をしております伊藤と申します。昨年度まで全国連合小学校長会で、教育環境整備等委員会のほうで調査などを進めてきました。その中で学校図書館の整備状況についてなど、数か年にわたって継続調査をしております。本年度においても、この学校図書館の整備状況について、全国連合小学校長会で調査しているんですが、実は昨年度の調査研究のまとめの中で、幾つか特徴的な内容について御紹介させていただきます。
まず、児童用図書購入予算が、国として与えられているもの、各都道府県で与えられるものは増加傾向ではあるんですけれども、実際にそれを各学校でどの程度使っているかという調査で、学校規模で考えますと、小規模校は12学級以下の、1学級から2学級の学校で、図書購入費が減額しているという傾向が出ています。
また、同じく行政から援助が出ている学校図書館に複数の新聞を置くということが求められているんですけど、実際に複数紙を置いている学校が非常に少ないと。全国で考えますと18.4%程度ということで、いろいろと予算的な措置はされているんですが、実際現場のところで運用がされていなかったりするという現状が調査の中で明らかになっています。
それから、GIGAスクール構想が進んできた中で一つ特徴的なことで、総合的な学習の時間を進めるための蔵書の数というか、そういったものの数がポイントとして年々減ってきているということです。本をそろえなくてもタブレット端末を活用することで困らないということで、学校の全国的な傾向としては、実際このタブレット端末の配置の影響ですとか、様々学校現場に求められている教育、図書館のみならず様々な要請がある中で、学校図書館の蔵書の整備になかなか目が向かなくなってきたり、タブレットの使用の影響などが自然に出てきたりしているのではないかなと感じております。
今回3人の先生方の今日の提案は非常に参考になりました。自分の学校でもやっていきたいなという、紀之定委員の提案なども参考にしながら進めていきたいとは思うのですが、一番大きな今回の議論の柱である識字率とか、読書の危機というんでしょうか、そうしたことを改善するということは本当に学校現場でだけでいいのかなということを感じておるところでございます。
ちょうど8月の終わりにデンマークの読書危機というニュースがあって、売上税25%をもう廃止して、国を挙げて取り組んでいる危機感が伝わってくるニュースを聞いて、本当に国全体の動きみたいなものがあって、読書ブームなどが起きない限り、根本的に解決していくのかは難しいということを考えております。
学校現場で、小学校などでも、図書館との連携ですとか、読書習慣など、どの学校も熱心にやっております。先ほど奈須委員から御提案のあったような図書資料の出張ですとか、そういったことも非常に盛んに行われております。現場の小学校では本当にどの学校も熱心にやっているんですが、根本的なところでは、子供もそうですけれども、大人社会全体の問題というのが大きく影響しているのではないかと個人的には感じております。
それから最後、奈須委員から御提案があった、学校全体が図書館になるような環境からの整備というのは、学校の在り方、学びをどう捉えるか、そのための施設整備をどうするかというところで、図書館や図書室の影響というのは大きいのではないかなと。その辺のところから図書室とか図書館の位置づけをもっと大事にしてもいいんじゃないかなと個人的には感じております。
まとまらない意見の表明で恐縮ですが、感じているところを率直に述べさせていただきました。以上です。

【秋田座長】 伊藤委員、どうもありがとうございました。それでは、続きまして田井委員、同じく御意見を伺えますでしょうか。

【田井委員】 発言の機会をいただき、ありがとうございます。全日本中学校長会、東京都目黒区立目黒西中学校の田井と申します。私からは3点お話しいたします。
まず第1は、不読率の課題に係る中学生の読書の習慣と学校図書館の役割についてです。中学生では、不読率が2割を超えている状況にあります。ただ、その一方で、学校図書館は授業活動や自主的な読書活動の基盤として機能しており、学校図書館が読書の楽しさを実感できる場や時間を提供することが、生徒主体の読書につながっていくのではないのかなと考えております。
第2は、生徒自らが学ぶ、あるいは、生徒の読書活動を生徒同士が共有する、生徒主体の読書活動の充実のための学校図書館の役割です。生徒が自ら本を手に取り、選び、仲間と共有することが読書活動を広げる大きな力になります。学校では、先ほどの発表の中にもありましたけれども、読書クラブの活動やブックトーク、ビブリオバトルなどを推進しておりますが、その活動を支える学校図書館の機能の充実は欠かせないと思います。単に蔵書を整えるだけでなく、教職員から生徒への働きかけや、生徒がすぐに手に取れる環境づくり、さらには、生徒が自分の図書体験を発信できる仕組みを整えることが今後さらに求められると考えます。
第3は、これからの中学校の学校図書館の役割についてです。学校図書館は、生徒の学習と生活をつなぐ言わばハブみたいなものでありまして、探究的な学習の資料収集、ICTを活用した調べ学習やまとめ、そしてその発表に至るまで、図書館は重要な役割を担っていると思います。このような役割を充実させるためには、例えば、まずは常に開館して、生徒が利用できる体制として放課後や下校時刻までも含めた運営体制を整えることが求められます。
また、学校図書館のデジタル化を進め、これまで各学校にあったコンピューター室、この機能と連携、そしてさらに発展させたラーニングコモンズとして整備することで、読書センター、学習センター、情報センターの拠点としての機能が、より高まると考えます。さらに、学校図書館を生徒の落ち着ける居場所として日常的に利用できるよう整備することも重要だと思います。
以上のような活動や学校図書館の環境を実現するためには、専門的な人的配置と安定した財政的支援が不可欠であります。特に、学習に必要な図書を用意したり、先ほどの質疑にもありましたけれども、生徒がいつでも活用できるように図書館を開館することを可能にするためには、専門職員のさらなる配置が強く求められます。あわせて、ラーニングコモンズとしての整備や地域図書館との連携強化も一層望まれる。以上のように考えます。
私からは以上です。

【秋田座長】 田井委員、どうもありがとうございました。それでは、続きまして林委員、同じく御意見を承れますでしょうか。

【林委員】 都立八王子拓真高校校長の林と申します。最初に私の勤務する学校を説明いたしますと、昼夜間3部制、午前部・午後部・夜間部、計10学級1学年ある学校で、生徒数は九百二、三十名いるような学校です。学び直しをメインとしていまして、様々な課題を抱えた生徒が数多くおります。図書室も、本校居場所づくりの一環として開館をしております。漫画も置いていますし、少年ジャンプも置いています。寝転がれるようなスペースもありますし、テント、段ボールハウスみたいなものも置いて、生徒の居場所に学校がなればなということで行っています。
一昨年は、図書館がとても昇降口に近くて居心地がいいので、そこでいろんなイベントを行っていたんですが、やっぱり静かに本を読みたい、調べ学習をしたいという生徒もいるものですから、それは1年間だけでやめることになってしまいました。私もずっと高校の教員をやっていますけれども、心配なのは、格差の拡大が進んできているなと。この間、学力テストの結果を見ましても、上のほうは伸びているというか学力は落ちていないと。下のほうは全然学習していない、当然本も読まないということで、家庭環境においても活字が一切ないような家庭も珍しくありません。
そういう中で、高校の段階で本を読むというのはかなり厳しい状況かなと思っています。本校の場合ですと、恐らくADHDで100人ぐらいいるかなと。あと識字障害の子は多分2桁はいるかなというような学校ですけども、生徒の居場所づくりをきっかけにして、どうやって、活字だけではなくて、映像教材も含めて生徒の学びを止めずにいけるかということに腐心をしております。
少し前になりますけど、私、焼肉屋に行ったときに驚いてしまったんですけども、焼肉屋に行ったところ、御家族で来ている方がいらっしゃって、まだ小さいお子さんを抱っこしながら焼肉をしているんですね。心配だなと思って見ていたんですが、子供は当然飽きるわけですが、どうしていたかというと、スマホの画像ずっと、20センチぐらいしかないような距離でずっと見せていて、そこで家族は焼肉を食べ、その小さい子は映像を見ていると。
そういう環境にいる子たち、アルファ世代になってくると思うんですが、そういう子たちが育ってくると、本当に活字というか、本からどう学んでいくかということについては意識が希薄になってしまうなと。そういう中で、髙橋委員からもありましたけれども、どうやったら読書することによって、メリットと言ったらおかしいけど、読書による楽しみを与えられるのかということがとても重要かなと思っています。本当に小さいうちからの体験、それがすごく大きいかなと思っています。
それとあと、前回だと思うんですが、地域と学校図書館との在り方という話がありましたけども、この間、恥ずかしながら教職員による不祥事も結構あったわけですけれども、外部に開くとそれだけリスクも大きいということで、なかなか今の御時世だと学校が地域に開くと、ちょっと怖いなということを前回、思い至ったところです。
あと、ICT等の活用等は本校でも行っておりますけれども、端末そのものを使うというよりも、教員のほうがむしろ操作していって、意見が言えない子に対して、匿名で意見をその場でばっとスクリーンに映せるようなPadletであったりとか、Kahoot!、あるいはMentimeterといったようなアプリを使って、なかなか寡黙な子もいますけれども、そういった子たちも意見が述べられるようなことを工夫しております。
図書館を、今の田井先生のお話もありましたけど、ハブとして、学びの場、対話の場として使っていきたいと思っています。本当に低年齢児の学習、あるいは読書体験がすごく大きいかなと思っております。まとまらない話になりましたけども、以上となります。

【秋田座長】 林委員、ありがとうございました。それでは、続いて緒方委員、同じく御意見をお願いいたします。

【緒方委員】 全国特別支援学校長会の緒方でございます。今回の論点の中で、キーワードは子供主体といったところが私は非常に重要だと思います。私も現在、中教審に関わっていますが、中教審でも顕在化する課題として、主体的に学びに向かうことのできない子供が増加しているということが最初に挙げられています。そのため、極めて重要、かつ、すごく難しい課題であるという認識でございます。
特別支援学校、特別支援教育においては、この主体性というのはすごく重要で、教育と福祉の連携をしながら、現在、福祉の分野では、障害の程度にかかわらず、障害者本人の意思を尊重する意思決定支援が重要視されています。そのプロセスを紹介すると、まず本人が理解できるように情報伝達をして、意思形成の支援をすることに始まって、その意思を表明する機会、表明支援を行う、そしてその意見が反映される、そして実行されるような意思実現の支援を行うという、このプロセスがあるんですけども。
学校図書館の運営や読書活動の推進についても、特に障害のある子供たちについては、この意思決定支援のプロセスを踏まえた取組が私は重要だと考えています。意思実現がかなうことにより、子供たちが学校図書館や読書活動に興味・関心が高まって、主体的な読書活動につながっていくと考えるからです。そのために教員の意識改革をさらに促進させる必要があると考えます。なぜなら、特に障害のある児童生徒に対して、まだまだ教員主導型の取組が少なからず見られるからでございます。
改善策としては、いろいろと特別支援学校の中でも工夫した学校の取組はありますが、例えば蔵書の選定については、教員主導で教員が読ませたい本が中心に選ばれている状況がございます。教員が読ませたい本が子供が読みたい本とは限りません。全部ではないんですけども、子供が学校図書館に置いてほしい本を選択して、毎年一定の割合、それを整備する中で、子供が学校図書館に関心を持ってもらえるような取組や、あと東京都の特別支援学校で少しずつ広がってきていますが、学校図書とコラボした給食メニューを定期的に提供する取組があるんです。これはすごく子供に人気のある図書に出てくる料理を給食で提供するというシンプルな企画ですけれども、非常に子供たちに好評です。また、その本を読みに学校図書館に行くというような状況も見られます。
これは子供と教員と栄養士のつながりがなければ実現しないことです。関係する人材の在り方等も関係するんですけども、子供主体の読書活動を進めるためには、子供の興味・関心を引き出す仕組みや、それを実現させるために、学校司書と教員、それと関係職員が連携して、特に学校司書には、これから子供が自ら学校図書館に関心を持つ取組も、他の教職員と連携して実現させる企画力であるとかコミュニケーション力、そういったことが必要な専門性の一つじゃないかとも考えます。さらに特に障害のある子供に対する専門性としては、先ほど紹介した意思決定支援のプロセスを理解して、適切な支援ができることも挙げられると考えます。
最後になりますが、現在、特別支援学校においては、全校学校司書が配置されているわけではございません。多職種連携により長期的なスパンで、障害のある子供の読書活動を支援すること。そのためには学校司書を全特別支援学校に配置していただきたいと願っているところでございます。
私からは以上です。

【秋田座長】 緒方委員、ありがとうございます。それでは、最後に汐見委員、同じく御意見を伺えますでしょうか。

【汐見委員】 よろしくお願いします。今まで聞き役に徹してばかりで何も発言をしていなかったので、お声がかかったのかなと思うんですが。一応作家としてこの会議に呼んでいただいているんですけども、今、小学2年生の子供を育てているのと、あと作家になる前に7年間、高校の国語科の教員をしていて、そういう経験を基に感想というか、自分の体感の話ぐらいしかできないですが、お話をさせていただければと思います。あまり考えがまとまっていないので、散漫な話になってしまいそうなんですが、よろしくお願いいたします。
まず、私が国語科の教員になろうと思ったのが、読書離れというのが言われている中で、少しでも本を読む楽しみを若い子たちに知ってもらいたいなとか、本を読む習慣をつけてほしいなという思いから国語科の教員をやっていたんですけども、あと小説家として作品を書いていく中でも、自分としては、ふだん本を読まない、今まで本を最後まで読み切ったことがないような子がちゃんと最後まで読めるような、そういう本を書いていこうという思いで活動をしております。そのように不読率を向上させることに少しでも貢献できたらなと思っているんですが。
最近とても思うのは、本を読まない子というのは、自分の感触としては、本の楽しみを知らないから本を読まないんだろうとか、本が嫌いだから読まないんだろうと思っていたんですけど、例えば教員をやっていたときに、たまに国語の授業を図書室で、学校図書館でやらせていただいたりしたんですが、今日は図書館に集合ねと言うと、喜ばない子はいなかったですし、図書館に行って何か好きな本を探してみたらと言って、何も探さない、本に全く興味ありませんという子は全然いなくて。
全然ふだん本を読まない子でも本に興味はあるんだなと思ったし、実際自分が興味のある本を見つけてぱらぱら見てみるということも、どんな子でもやっていたので、本が嫌いとか、読書に対して拒否感があるわけじゃないんだなというのをそのときにすごく思ったんですよね。
自分が書いている本でも、初めて小説を自分で読んでみて、そこからはまって、いろんな本を読むようになりましたという子も多いですし、きっかけがなかったために今まで読書の習慣がなかったのかなということを感じることが多くて。
ちなみに私の子供は小学2年生ですが、家にこんなにたくさん本があるのに、全く本を読まない子で、ちょっと絵本を読んでみようよと言っても、面倒くさがるというか、ぱらぱらめくるだけで、絵だけ見て終わるような感じだったんですけど、小学校に行き出して、クラスのみんなで図書館に行って本を借りる、何冊か借りるというような授業をしてくださっているようですけど、そこだととても喜んでいろんな本を借りてくるんですよね。家では全然読んでくれないというか、親が言っても読んでくれないのに、友達と一緒だったら読むんだなと思ったんですけど。
そういう環境、家の環境とはまた別の、みんなで和気あいあいとした中で楽しんで本を探したり読んだりという空間の力というのもすごくあるんだなというのをそこでとても思って。自分が以前までは、本を読む読まないというのは本人の趣味嗜好みたいなものも大きいのかなと思っていたんですが、それよりも環境が大きいのかなというのを思って。
例えば本当に家に一冊も本がなくて、本屋に連れていってもらうような家庭でもなく、たまにいるんですが、本を全く親に買ってもらえないんですという読者さんもいたりして、本が生活の中になじんでいないという環境で育っているとか、あと図書館に関しても、学校の図書館も、例えば部活が終わった後だともう閉まっていたりして、行く機会がないとか、公共図書館も立地の問題で、子供が自分の力で一人で行くのは難しい場所にあったりすると、図書館というのをとてもハードルが高く感じている子が多くて、ふだん行かない場所だと、何か本を探そうと思ってもそこに足が伸びないというか、そういう、書店にせよ、図書館にせよ、生活の中に、選択肢に入っていないというか、そもそもその学生にとって自分が行く場所としての候補に挙がっていないんだなというのを感じることが多くて。
ただ、例えばですけど、学生だと本当に落ち着いて自習できる場所が欲しくて、結構ファミレスとか、喫茶店とか、あとフードコートとかで勉強している子も見かけますけど、そういうところでは、「長時間の利用は」と言われたりして、多分肩身が狭い思いをしながら勉強しているのかなと思うんですが、そういう勉強できる場所を探している中高生も多いと思います。
一方、自分が子育てをしながら思うんですが、本当に夏休みの小学生を、この暇を持て余している子供をどうするかというのは、保護者は多分頭を悩ませている部分で、今日の御発表でもありましたけど、図書館でいろんなイベントを企画していただいて、夏休みの間に何か少しいつもと違う体験ができるような企画があったりしましたけど、そういう子供の行き場を探している保護者も多いだろうなと思うんです。
いろんなそういう場を求めているという需要と、図書館側はそういう場を提供してくださっている、そういう供給があるんですけど、そこが多分、量としては一致しているのに、いまいち矢印がかみ合っていなくて、お互い違う方向に向かっていて合致できていない部分があるんじゃないかなというのを今日感じまして。そこが、これからの多分試みでだんだん一致していくんだろうなと思ったので、今後とても楽しみだなと思いました。
あと、作家としての立場で一つだけ最後に。最近流行している本とかを見ていると、例えば非常に人気のあるコミックのノベライズだったりとか、あと人気のアニメとかゲームのノベライズだったりとか、あとは最近モキュメンタリーホラーというジャンルがとても人気があって、今まで書店で見なかったような本がたくさん出てきたなというのと、恐らくそういう本を手に取っている子は、今まで読書をしなかった子じゃないかなという感覚があって。コンテンツを作る側が、今まであまり読書になじまなかった層を引き込もうと一生懸命、皆さんが、つくり手の方々がつくっていらっしゃるなというのをとても感じるんですよね。
自分としても、例えば今まで小説というものにまだ触れたことがないような小学校の中学年、高学年ぐらいの子だったりとか、もうちょっと読書から一旦離れてしまった高校生、大学生の方が読みたくなるような作品というのをつくっていきたいなと、そういうつくり手側の立場から不読率を下げようと頑張っていらっしゃる図書館とか書店の方々に、何か力になりたいなと改めて思いました。
まとまらないお話ですみません。以上です。

【秋田座長】 汐見委員、どうもありがとうございました。それでは、ここから御発表や論点(案)に基づく御意見等がございましたら、自由にお手元のタブレット等で挙手のアイコンを押していただけますでしょうか。ありがとうございます。野口委員、お願いいたします。

【野口委員】 御発表の皆方、ありがとうございました。私からは、不読率の低減、それから読書推進ということに絞って2点申し上げたいと思います。
まず1点目ですけれども、子供たちの不読率を下げていこうというときに、大人が読書を楽しんでいるかどうか、そういった姿を子供たちに見せることができているかどうかということは非常に重要だと思うんです。これは伊藤委員もおっしゃっていたことですけれども、学校だけで取り組むことの難しさは明らかだと思います。
大人にどう読書の楽しさを伝えていくのかというところで言いますと、髙橋委員の御発表の中で中高生に実用的な講座をという話がありましたが、ぜひ大人にもそういった取組を進めていくことが有効なのではないかと思いました。
ただ、これも先ほどの汐見委員のお話にもつながるんですけれども、図書館をふだん身近に感じていない方々にとって図書館に来てもらおうというのはかなりハードルが高いと思うんですよね。ですので、これまでの議論にもありましたように、アウトリーチ的な視点で、例えば移動図書館の活用であるとか、あるいは地域の図書館や学校図書館と、公民館や書店など、地域内の本のあるところとの連携、さらには地域で活動する読書に関わるボランティアとか絵本専門士とか読書アドバイザーとか、いろんな地域のリソースや人材とのつながりの中で、子供から大人まで読書活動を促していくようなアプローチを地域ぐるみで取り組んでいくことが、より一層重要になってくるのではないかなと思いました。
昨年の文化庁から公表された国語に関する世論調査ですと、16歳以上の人たちの6割が不読であるというデータもありますので、大人が子供と一緒に読書を楽しむ環境づくりが非常に重要ではないかなというのが1点です。
それから、2点目ですけれども、不読というと、どうしても自ら読まないとか、本に親しんでいないようなニュアンスで受け取られがちですけれども、読みたくても読みづらい状況で読書から遠ざかっている子供たち、大人もおります。この点については、林委員であるとか、緒方委員のお話ともつながってくるかと思うんですけれども、読みづらさに直面している人たちをしっかりと包摂できるような読書環境づくりが不可欠だと思います。この会議でも読書バリアフリーの論点は既に議論を行っていますけれども、不読率を低減するとか、読書活動全体を推進するという意味でも、読書バリアフリーの取組が非常に重要な意味を持ってくるのではないかなと思っております。
私からは以上です。

【秋田座長】 野口委員、ありがとうございます。それでは、続きまして池内委員、お願いいたします。

【池内委員】 池内です。論点の3番目の人材の在り方についてですけれども、この10年20年で、我々の情報環境の在り方というのは極めて大きく変わっているし、その速度も速いと思うんです。これは司書も、司書教諭も、学校司書のモデルカリキュラムもそうですけれども、図書館がどうあるべきか、学校図書館がどうあるべきかという議論が終えた後に、養成の講座のカリキュラムのほうにも改訂をやっていただきたいと。かなり現状とカリキュラムとの間に時差というか、そういうものが生じているような気がいたします。
もう一点は、せっかくその所管が、学校図書館、公共図書館、文科省の皆様が同じ部局で所管していただけるようになりましたので、この養成のカリキュラムについても、もう少しうまく融合して、コアになる部分と、各職種によっての特殊な部分とに分かれるような効率的なカリキュラムにしていけば、人材の効率的な配置もできるようになるのではないかと思いました。
もう一点は、私は公共図書館のことばかりやっていたから、あまり学校教育とか学校図書館に詳しくないですけども、この間、実は学校のこの委員になるということもあって、いろんな学校図書館に実はこの1年半ぐらい行っているんです。そこですごく感じるのは、個人間の学力格差もそうですけれども、学校図書館間格差というんですか、圧倒的です。もう全く無関心な現場と、ものすごく頑張っている現場があると。
もう一つ申し上げると、学校図書館側の政策資料、読書に関する政策資料と、先ほど奈須委員が御発表くださったように、学校指導要領とか学校教育の側から見た図書館と、学校図書館から見ている図書館と、それぞれちょっと違うずれがあると思うんです。ですから、政策の中できちんと学校図書館がどういう場所なのかということを明記して、定義した上で、どうすべきかというレベルで我々がここで議論する。
つまり、何でもできることは間違いないんですけども、すごい格差が生まれる土壌として、何でもできるけど別に何もやらなくてもいいというような。かく言う私は中学時代、開かずの図書室、これは大阪府ですけども、特定の自治体の名前は言いませんが、開いていなかったんですよね。そういう時代からどんどんと生まれ変わっていくところで、政策的なレベルでの位置づけをきちっとしていただかないと、すごく頑張っていらっしゃる私立とか、すごく頑張っていらっしゃる司書教諭や学校司書さんがいらっしゃるところと、本当に大丈夫、みたいなところがあるので、そこら辺はきちっとここで明記していただきたいという2点です。
以上です。ありがとうございます。

【秋田座長】 池内委員、ありがとうございます。それでは、設楽委員が資料を出してくださっていますので、お願いいたします。

【設楽委員】 それでは資料を御覧いただいて、学校図書館の立場から幾つかお話しさせていただきたいと思います。
まず、児童の自主的、自発的な学習活動や読書活動の充実のために求められる役割・必要性についてです。御承知のように、個別最適な学びは、学び方の習慣得と計画的な学習、振り返り、改善のサイクルが重要であります。また、協働的な学びは、的確な説明力であるとか、他者と自分の考えの融合、他者との関わりなどが重要だと捉えています。
こうした学びの実現には、学習者に対して信憑性の高い多様な資料の提供ができるように、0類から8類の資料をバランスよく整備したり、読書力の向上であるとか心を豊かにする良質な9類の読み物図書の整備をしたりする必要があると考えています。このとき、学校図書館には、学習者自身の語彙力や読解力、それから批判的思考力などを育む学び方の指導とレファレンスができる教師、司書教諭、学校司書の配置が必須だと考えます。
2つ目として、図書館資料・サービス、施設・設備の在り方についてです。児童生徒の読書力は、発達段階や興味・関心等により様々です。このことについては、多くの委員の方からもご発言がありましたが、日頃から児童生徒の読書傾向を把握している担任や教科担当、それから司書教諭や学校司書からの適切なタイミングでの適書を紹介するということが、読書力の向上や資料を活用した学習の深化を促すと考えております。
児童生徒の読書傾向や授業に必要な資料などは、貸出統計や年間指導計画などから事前に把握できます。館長である校長を中心とした「学校図書館運営委員会」など、学校全体の継続的な実践が必要だと考えております。
また、不読率の軽減についても、幼稚園や保育所の頃から読書の楽しさを味わわせる活動の継続が必須だと考えています。例えば読み聞かせやアニマシオン、紙芝居や図鑑など、あらゆる手法を用いて繰返し行うことだと思っております。このとき、絵や写真、図表などを見てその内容を言葉にする活動や言葉と文字を結びつけて事物・現象と対応する活動が欠かせません。
加えて、言葉を読み解くことができて知る喜びを味わわせたり、最後まで読み通した成就感を体験させたりするなどの読書指導ができる担任、教科担当、司書教諭、学校司書、そして保護者など、学校全体や家庭を巻き込んだ環境の整備が必要だと考えています。
3点目として、司書、司書教諭、学校司書の人材の在り方についてです。文字が読める楽しさや文字や図表を見て言葉として理解できる喜びなどは、自ら進んで読書するようになるきっかけになると思います。加えて、読んでもらって物語の楽しさを味わった子供たちには、自らの力で文字を言葉として読み解けるようにする指導が必要です。児童生徒の読書力には大きな違いがあり、発達段階によっても異なります。こうした一人一人に合った指導に必要な研究成果やその根拠、実践事例などを盛り込んだ研修体制が必須だと捉えています。
最後に、学校図書館を有効に活用し、子供たちの読書活動を推進するために司書教諭、学校司書等が習得すべき知識・技能等についてお話ししたいと思います。学校図書館は常に資料の更新をしたり、教育課程に沿った資料を整備したりするなどの活動が欠かせません。その中身は、豊かな心を育むための読み物の充実と、学習に活用できる信憑性の高い多様な資料の整理です。
一方、言語活動の充実に必要な語彙力や読解力、そして資料の内容をうのみにしない批判的思考力などの情報活用能力の向上に関わる指導もが重要です。こうした知識・技能は、司書教諭、学校司書が中心となり、担任や教科担当者に対して研究成果や多様な実践事例などを伝達して、日々の授業で活用できるような普及活動が必要だと考えております。
以上です。

【秋田座長】 設楽委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして松本委員、お願いいたします。

【松本委員】 先ほど伊藤委員からデンマークの事例について御紹介があったんですけども、この前まで私はポーランドにいたので、ポーランドの事例も少し御紹介したいと思いました。
ポーランドでは、国家読書開発プログラム2.0というのを今、実施といいましょうか、やっておりまして、計画期間は2021年から2025年です。5年間です。予算規模が400億円以上の非常に大きな事業でして、人口比で言うと日本は3.3倍ぐらいですので、1,400億円ぐらいの規模の事業をやっております。そういう意味では、ポーランドも読書に関して非常に力を入れていると言えるのかなと思います。
このプログラムの非常にいいなと思ったところはスローガンでして、そのスローガンは「読書にはよいことしかない」という、非常にシンプルですけど、力強いスローガンで実施しているということがあります。そういう意味では、なかなか難しいところはあると思うんですけども、読書の重要性を訴えるような、そういったキャンペーンのようなものもやってもいいのかなとは思ったりしております。
読書というのはいいことだというのは経験的に我々もよく知っていることだと思いますけれども、読書研究などで、もうある程度そういったことが裏づけられているということもありますので、そうしたことをやってもいいのかなと思いました。
以上です。

【秋田座長】 松本委員、どうもありがとうございます。ほかには御意見はございますでしょうか。
それでは、閉会の時間も迫ってきておりますので、次の議題に移りたいと思います。
次の議題は「その他」になります。事務局からお願いいたします。

【稲田図書館・学校図書館振興室専門官】 資料5を御覧ください。第7回の会議日程について御連絡いたします。第7回は10月7日火曜日、14時から16時を予定しております。会場は文部科学省会議室を予定しており、ウェブ会議を併用して行います。
以上でございます。

【秋田座長】 ありがとうございます。それでは、本日の議事は全て終了しました。3人の御発表者の委員の皆様、どうもありがとうございました。第6回の会議はこれで閉会といたします。ありがとうございました。

 

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