「高等学校等における海外留学に関する危機管理ガイドライン」の策定に関する検討会(第3回)議事要旨

1.日時

令和5年3月23日(木曜日)13時~15時

2.場所

オンライン

3.議事要旨

事務局から、第2回検討会の概要、ガイドラインのたたき台等について説明がされた。
上記説明後、意見交換がされた。主な発言内容は以下の通り。・健康管理について、下痢の際は、脱水にならないよう水分と電解質を補うように留意が必要。経口補液(ORS)あるいはスポーツ飲料に少し塩分を足したものの摂取が良い。
・下痢症状で医療機関を受診すべき場合、発熱のあるときは感染性の下痢の可能性があり、処方箋の必要な薬を服用。また、脱水が一定程度を越え、点滴が必要な場合も発熱する。
・全身脱力など自力で水分が摂れないとき放置すれば重度の脱水から生命にかかわることもあるため点滴が必要。
・インフルエンザやコロナなど呼吸器疾患で救急車を呼び緊急に受診すべきサインは、脳炎をうたがわせる場合、わけのわからない事を言うなど意識障害を示唆するサイン。また、肺炎をうたがわせる場合、呼吸困難感、爪や顔色が蒼白など、体が十分に酸素をとれていないサインであり、すぐにホストファミリーや受入団体などへの連絡が必要。
・写真撮影については、鉄道や橋梁も軍事的に気をつけなければいけないところであり撮影に注意が必要。また空港も軍事基地が共有している場合もあり注意が必要。
・感染症の中でも黄熱はイエローカードが必須であり、扱いを別にしても良い。
・保険関係ではチャーター機を使うと、二千万円程度必要な場合もあり、それらを想定した保険の検討も必要。
・比較的短い日程の中にスケジュールを詰め込んでいるケースもあることから、体調や天候が悪い場合はあきらめることを考えておくことも必要。
・わざとぶつかった隙に盗むスリや強盗はソフトクリーム以外にホットドッグやワイン、眼鏡など様々な事例があり、書き加えても良い。
・ガイドラインを実体験に生かす段階では、メンタル面を含め事前のオリエンテーションが大事。その際は、ワークシートなどを使い、トラブルの対処方法を一度考えてみることも有効。
・自己責任が全面に強く出ているが、自分で何でも解決しようとすることで、トラブルの元になることもある。留学中は周りに助けてくれる人たちもたくさんいることから、一番必要なものとして助けを求める力、発信力、発言力、他とかかわる力が重要。
・マスコミ対応についても記載が必要。
・学校が設置する対策本部における、具体的な設置場所や電話番号、役割などを事前に想定して記載しておくことも必要。
・事件が起きた際の情報共有の観点で、事前に保護者から個人情報共有の了解を取っておくことも必要。
・渡航先の在留届について帰国時に大使館等に届け出ないまま帰国することもあり注意が必要。
・人間関係や友達関係では、大麻やマリファナなどに誘われることもあることから、注意喚起が必要。
・保険についてはどこまでカバーされているか、あとから揉めることがないようしっかりと事前確認をすることが必要。
・海外での災害時においては、飛行機の手配が大変であり、航空会社との連携、事前の対策が必要。
・飲酒については、グループで飲んでいる場合、本人が飲んでいない場合でも捕まる場合もあることを事前に知っておくことも必要。
・心のケアについて、海外のカウンセラーにかかる場合、通訳などの手配を想定しておくことも必要。
・危機管理の視点と合わせて、留学の意義について記載しても良い。
・危機管理においてまずは、自分の命を守る、自分の命や安全を最優先にするということを加えても良いのではないか。
・保険証書の控えがない場合、入国できないこともあるため事前の確認が必要。
・海外危険情報については目安として表しており、法的拘束例もないが、一般的にレベル3・4の場合、渡航は選択肢には入らないという理解で良いのではないか。
・海外安全虎の巻については、海外安全ホームページに掲載があることを示しても良い。