「高等学校等における海外留学に関する危機管理ガイドライン」の策定に関する検討会(第2回)議事要旨

1.日時

令和5年2月15日(水曜日)13時~15時

2.場所

オンライン

3.議事要旨

事務局から、協力者の紹介、第1回検討会の概要、ガイドラインのたたき台等について説明がされた。
上記説明後、意見交換がされた。主な発言内容は以下の通り。
・留学において学校だけの対応は少なく留学機関・団体との密なる連携を加えると良い。
・学校が主催となる留学、交流団体による留学、私費留学、個人が海外の高校にアプライする留学など、危機管理体制は異なる。本ガイドラインの対象を明確にすることも必要。
・危機管理体制のひな形に留学団体や業者、外務省、在外施設などを記載しておくと先生も分かりやすいのではないか。
・組織体制部分に、留学で何かあった時の対応を付け加えても良いのではないか。
・学校の既存の計画を出来るだけ活用しながら、海外に出た時の危機対応に備える等のアレンジがあっても良い。
・留学時のホストファミリーや留学先の団体との連携が重要であり、いざという時のマニュアルやフロー図を作る場合、事前の情報共有を入れ込んでも良い。
・事前の危機管理には、未然防止対策と危機発生に備えた対策があり、記載に整理が必要。
・危険箇所の点検という表現は、場所とか施設設備的なイメージになるので、危険個所プラス、どういう場所が危険か、どういう危険が予想されるかを記載しても良い。
・危険な場所の具体的な例としてデモや集会、反対運動、鳥市場などを示しても良い。
・危険なことを何でもノーとすることで、機会の損失になってはいけない。出来るだけこうしたら良いという表現に変えていくことも必要。
・海外旅行保険は、個人の選択肢を尊重する必要もある。
・保険がバラバラの場合、対応、病院、出来ることが違うことを参加者が事前に理解しておくことが必要。何らかの方法でサポートできるのであれば問題ない。
・保険は、全員加入の団体保険と個人の希望による任意保険の二重で加入する場合もある。
・てんかんや、既往症など保険が効かない場合の対応を明確にしておくことも必要。
・保護者から事前にメディカルリリースの了解を取っておくことも必要。
・特殊な病気など、英語や留学先の言葉で書かれた医者の診断書があることで、現地での不測の事態への対応が可能。
・普段から服用している薬がある場合、薬の内容、成分を英文で記載したものを持参することでトラブルを未然に防ぐことも可能。
・日本語と英語で薬剤の説明をしてくれる「くすりのしおり」というサイトも参考となる。
・健康管理は、例えば発熱や脱水の状況など受診の境目を事前に把握しておくことも必要。
・健康管理においては、カルチャーショックについて、学生が海外に出る前の心構えとして、知っておくことも必要。
・感染症対策は、アメリカのCDCやイギリスのFit for Travelのサイトも参考となる。
・心のケアは、普段の授業などにおいて、心のストレスの学習や簡単な対応方法を事前に学習しておくことも必要。
・心のケアは、受入校のスクールカウンセラーに相談することも可能。
・心のケアは、海外でも日本でも心理カウンセラーとの連携を図っていくことも必要。
・海外への適応過程でメンタル不調が起こりやすい時期があるため留学した生徒に電話をかけるフォローなどルーチンで行うことも必要。
・海外での心のケアは、サイコロジカル・ファーストエイドというページが参考となる。
・海外でメンタルの治療あるいは、カウンセリングを受けるリストとしてグループウイズというサイトも参考となる。
・心のケアは、孤独孤立対策の関係で5つのNPOと連携し、現地でSNS、チャットにより24時間海外からもご相談頂ける取組を行っている。
・保護者に対する心のケアも記載が必要ではないか。
・未成年であれば保護者の責任となるため、そこを明確にした上で保護者が子どもから相談を受けた時にしっかり判断できるような正しい情報提供をしていくことが必要。
・トラブルの事例について、大麻も必要ではないか。
・ホストファミリーとのトラブルやジェンダーの問題などを入れていくことも必要ではないか。
・国によって法律や慣習が違うため、生徒が被害者だけでなく加害者にならないような視点も必要。
・例えば「死んだ方がましだ」など語学力不足のため現地の人をびっくりさせる、自殺志向があると誤解が生じる場合がある。言葉の表現の仕方に対する注意も必要。
・海外での窃盗や強盗などを掲載したクライムマップというサイトも参考となる。
・学生教育研究災害傷害保険の報告書に学生の海外での怪我、病気、携行品損害、賠償責任等の事例があり参考となるのではないか。
・大使館は敷居が高い印象があり、それを変えることも必要。
・在外公館は気軽に駆け込めるあるいは連絡して頂ける場所であり、ガイドラインにおいてそれが分かるような表現も必要。
・生徒向けのページは生徒が親しみやすいトーンで記載することを検討しても良いのではない。