学校安全の推進に関する有識者会議(第3回)議事録

1.日時

令和5年3月22日(水曜日)15時30分~17時30分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 今後の検討体制・検討の進め方について
  2. 消費者安全法第33条の規定に基づく意見等について
  3. 不審者の侵入事案を受けた学校安全の確保に向けた対策について
  4. その他

4.議事録

【渡邉座長】 定刻になりましたので、ただいまから第3回学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。
本日も委員の皆様におかれましては、御多忙のところお集まりいただきありがとうございます。
それでは、まず、事務局から配付資料と、本日の出席委員の確認をお願いいたします。
【林補佐】 事務局でございます。資料につきましてはお手元の次第に記載のとおり、本日の資料は、資料1、今後の検討体制・検討の進め方について、横表の資料でございます。資料2のシリーズが2-1、2-2、2-3。2-3は、資料2-3のa、2-3bとございます。消費者安全法第33条の規定に基づく意見等について、文部科学省総合教育政策局長名の通知が資料2-1でございます。意見そのものが資料2-2でございます。資料2-3が、消費者安全調査委員会の意見と報告書でございます。その概要が2-3a、2-3bがその報告書の本体、厚いものになってございます。資料3も事務連絡でございます。これが3月17日付で発出されているもので、不審者の侵入事案を受けた学校安全の確保に向けた対策についてという資料となっています。
そのほか参考資料として、前回同様、第3次学校安全の推進に関する計画、参考資料1が概要、参考資料2がその本文ということになってございます。
資料は以上でございます。
また、本日の出席委員でございますが、御都合により、山中委員と木間委員が御欠席と承っております。
事務局からは以上になります。
山中先生入られました。失礼いたしました。木間先生には御欠席ということでございます。失礼いたしました。
【渡邉座長】 配付資料に不備はございませんでしょうか。何かございましたら、Zoomの挙手機能で事務局にお知らせください。
それでは、議事に入ります。本日の1つ目の議事は、今後の検討体制・進め方についてです。本年度以降の第3次学校安全の推進に関する計画期間中、令和8年度末の本会議の検討の体制及び検討の進め方について、これまでの議論を踏まえ、事務局が資料を用意しましたので、御説明をお願いいたします。
【林補佐】 事務局でございます。では、資料を画面共有させていただきます。お手元にも資料はございますので、適宜お使いいただければと思います。
資料の1番をお手元に御用意いただければと思います。今後の検討体制・検討の進め方についてということで、先ほど座長からお話がありましたように、これまで2回の御議論を踏まえまして、事務局のほうで今後の進め方について資料を取りまとめさせていただきました。
御案内のように、この会議におきましては、3月31日で一度、設置要綱上任期が切れると。また、これも従前お知らせしておりますように、4月からまた同じメンバーで、常設の学校安全に関する専門家の有識者の会議ということで、皆様方におかれましては御協力をいただきたいと考えています。次年度に向けた検討の進め方、体制と、スケジュール感も可能な限りということでお示しをしたいと考えて御用意した次第でございます。
資料の1の1ページ、表紙の後を御覧いただきたいなと思います。大きく資料の1の1ページは2つテーマがございまして、1つ目が検討体制でございます。この会議の設置要綱上、個別のテーマについて、専門的、機動的に議論ができるように、ワーキンググループを設置することができることになってございます。これまでも議論の中で、学校事故対応指針に関する見直しと、またこの後、議事の2にも関わってくることなんですが、学校安全のテーマの中でも学校における安全点検の在り方、これは特に事務局といたしましては、優先的に特に検討に着手する必要があろうかなと考えてございまして、この2点についてワーキンググループを置かせていただいて、7月以降、検討を進めさせていただきたいなと考えてございます。
また、これも事務的なお話になるんですが、年度が替わりましたら速やかに日程調整と併せまして、委員の皆様方にはこのワーキングへの御参加について御意向をお聞かせいただきたいなと思います。御自身の御希望なども事務局のほうで承った上で、座長と相談しながら、メンバーについてもこの後決めていきたいと思うんですが、ひとまずはこの2点に関しましては、ワーキンググループを設置をさせていただきたいなと考えております。
また、検討の進め方が2ポツでございます。第3次計画期間、来年度から2年目に入ってくるわけなんですが、令和8年度までの間に、これまで2回の会議の中でも、おおむねその方向性については御了承いただけたのかなと思うんですが、5つの推進方策を第3次計画の中では掲げていただいておりますが、さらにそれを個別化、特に個別の施策に落とし込んだもの、テーマに落とし込んだものとして、学校事故対応に関する指針の見直しに加えて、AからEまで便宜的に記号を付させていただきましたが、それぞれのテーマに関して、全部で6つのテーマを掲げさせていただいております。
このうち1ポツでもお示しをしたとおり、学校事故対応に関する指針の見直しと、あと安全点検の在り方に関してはワーキングを置きたいと考えておるところですが、これに後続する形で、順次危機管理マニュアルの見直し並びに学校安全を推進するための組織体制の在り方、校務分掌とか、中核的な教員の在り方、そういったテーマでございます。これらに関しましては、当面置こうと考えている2つのワーキングに続く形でワーキンググループを置くということも想定しながら、集中的に議論を深めて、第4次計画の期間に向けて、何らかの方向性を取りまとめて示していきたいなと考えてございます。
一方ですが、この6つのテーマのうち、学校における安全教育の取組のテーマと、あとは学校事故予防に向けたデータの活用、施策の検証といったテーマに関しましては、テーマの性質上、継続的に協議をいただきながら、ほかのテーマとも大きく関わる部分もあり、また、新たな取組がこれからも提案されたり実践が積み重なっていくということも期待されますので、継続的にこれを取り扱うとともに、時々ですが、プレゼンテーションを委員会の中で、会議の中で外部から来ていただいてお話を聞いてみるとか、あるいは、会議として視察といったようなもの、現場に見に行くといったような取組も、これらのテーマを取り扱う方法としてはいいかなというふうに考えます。
いずれにいたしましても、ワーキングというスタイルではなくて、計画期間を継続的に取り扱うテーマとして、3つ目の丸の学校安全教育とデータの活用と施策の検証に関しましては取り扱いたいと、このように事務局としては考えてございます。
そして前回の会議の中でも御指摘いただきましたように、学校安全のテーマは、テーマとして個別のテーマに分解することはできますが、それぞれのテーマが密接に関わり合っておりますので、これを一体性を既に確認しながら進めていくことが重要です。それぞれの関係性、また、その検討の範囲などもワーキングでは明確にしながら、緩やかな役割分担としては、今日開催させていただいております、便宜上親会と呼ばせていただきますが、この親会に関しましては、俯瞰的に検討状況を御覧いただいて、施策としての一体性を確保するといった役割で検討を進めていくという在り方で進めていきたいなと考えています。
また、おのずとワーキングを置きますので、開催のスピードに関しましても、親会のほうのスピードは、これまでの月1ペースで大変お忙しい中御参加いただいておりましたが、少しペースを落とす必要もあろうかなと、このように考えているところでございます。
資料1のメインはこの1ページ目でございます。その後の資料に関しましては、事故対応指針以外の5つのテーマに関しまして、前回の会議資料に加える形で第2回の会議の中で、委員の先生方から御発言いただいた内容を赤字で追記をしているところでございます。Aの危機管理マニュアル等の見直し・実効性を高める方策に関してという点に関しましては、丸として加えているところですね。全ての危機管理マニュアルを見直すのはとても大変なので、訓練や点検とセットにすること、こういったことが短期的で効率的に行うことができるのではないかと。また、子供の視点も重要といったような御指摘をいただきます。マニュアルの内容の更新に当たっては、情報が新しいか古いかということだけでなくて、絶対に起きるという、言わば当事者の意識も必要であるという御指摘もいただいています。
そういったことで、B以降も、前回の議事録から、関連する記述を箇条書のような形で抜き出させていただいて、それぞれのテーマに関連するものを追記させていただいております。
1点すみません、これは事務局の不手際があったんですが、ヒヤリ・ハットの事案に関して、これ必ずしもCだけの、安全教育の取組だけに関わるということではないのかなとは思うんですが、前回Bに掲載されていたものを、全体のバランスを見ながら、今回はCのほうに、青地の部分で今画面でお示しをしているところですが、転記をしているという点が前回からの変更点でございます。
D、Eそれぞれ役割の部分で、すみません、御発言された方の名前が残ってしまいました。すみませんでした。事務局として削除を忘れてしまったところです。大変失礼いたしました。
以上が、資料1の説明でございます。ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ただいま御説明のありました資料1及び事務局の説明について、質問や御意見があればお願いいたします。どなたでも結構ですので、いかがでしょうか。
首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全研究所の首藤でございます。
次年度以降、テーマに応じてワーキングという形で検討を進めるという点は非常にいいやり方だなと思いますので、賛成いたします。
1点確認なんですけれども、このワーキングに入るメンバーというのは、この有識者会議のメンバーのみに限られるのかどうなのか確認を取りたいと思います。というのも、やはり個別のテーマに応じた形で、よりそこの部分の専門的な知見のある方に入っていただいたほうがいいのではと私は個人的には思っておりますので、その点を教えていただければと思います。
以上でございます。
【林補佐】 事務局でございます。首藤委員、どうもありがとうございました。
ちょっと事務局の冒頭の説明の中で、それは言及すべきでした。失礼いたしました。まさに御指摘いただいたように、親会のメンバーを中心としながらも、それぞれのテーマの専門性に応じて外部の方も御参画いただいて、ワーキングの組織をつくっていきたいと思っています。それも含めて、また年度が再来週から新年度になりますが、検討していきたいと思いますので、またそれに関しましても御意見等ありましたら、メールで事務局までお寄せいただけたらありがたく存じます。御指摘ありがとうございました。
【渡邉座長】 よろしいでしょうか。
ほかにはございませんか、御意見は。ワーキング以外のことでも結構です。いかがでしょう。
特に御意見がないようでしたら先に進めさせていただいて、また後でちょっといただいてもよろしいかと思いますので。では、議事の(1)については、一旦終了させていただきます。
後でまた御意見があればお伺いしますけれども、令和5年度以降は、本会議の検討体制と検討の進め方については、この資料1に基づいてワーキングを置いて、そして、第3次学校安全の推進に関する計画を踏まえて、優先的に6つのテーマを進めていくというようなことになると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議事に入ります。本日の議事の(2)は、消費者安全法第33条の規定に基づく意見等についてです。3月3日に消費者安全調査委員会の調査報告書が取りまとめられ、また文部科学大臣に対して意見が提出されました。これについて事務局が資料を用意しましたので、御説明をお願いいたします。
【林補佐】 ありがとうございました。資料の2は、冒頭御紹介しましたように、3点ほど資料を御用意しています。
まず、資料の2-1、画面に投影してございます。これはこの後御説明いたします、消費者安全調査委員会から文部科学大臣に意見交付が3月30日付でされていますので、子供たちの生命の安全を守るための御意見ということもあり、速やかにこれは各教育委員会等に発出した内容でございます。
先に調査委員会の報告書並びにその意見に関しまして、お話をしたいと思います。資料の順番が前後してしまうんですが、資料の2-3がよくまとっているので、資料の2-3から御覧いただければと思います。消費者安全調査委員会は、国民生活に係るあらゆることに関しまして調査をする権能を有しておりまして、市民生活、国民生活の中で特定の事案が起こった場合に、それを調査のテーマとして取り上げて調査を自律的に、政府の所管官庁とは別に調査を行い、必要に応じて関係機関、行政機関の長に意見を述べることができるという権能が与えられています。
学校の施設または設備による事故等に関しましては、ちょっと前なんですが、2020年(令和2年)から、テーマとして調査委員会が調査をするということで取り上げまして、その後約3年にわたって調査をいただいておりました。その報告が、このように取りまとまった次第でございます。
概要のほうに絵がたくさん入っているので御覧いただきたいんですが、学校の転落事項、また倒壊事項が発生しているということもくみまして、また一方で、現行法制上、学校保健安全法においては、毎学期1回以上点検をすると、安全点検を行うということが義務づけられ、制度化されています。ただ、こうした事故が発生しているという点で課題があるのではないかというところが、調査の目的、発端でございます。
この調査委員会に関しましては、自律的に様々な調査を専門的に深めていただいていまして、事故の発生状況、事故の事例等について、報告書に関しましては今日、大部にわたるものですので、基本的に概要の説明中心にしていきたいと思います。適宜併せてお目通しいただけたらと思うんですが、様々な事故情報のこれまでの蓄積を引用いたしまして、例えば2012年4月から2022年3月までの間、主に学校の施設または設備が原因で、小中学生が死亡したと考えられる事故が9件登録をされていたというデータがございます。窓からの転落が5件、吹抜けからの転落、椅子からの転倒、ゴールポストの転倒、防球ネット支柱の倒壊が各1件ということでございました。
また、それ以外の30日以上の治療を要するという重大な事故になるんですが、それに関しては、2017年4月から2022年までの3月までの間で103件登録されていたということでございます。例えば、窓、ドアのガラスであるとか、扉のあたりの事故が多く、また、体育設備、大型のゴール、ひな壇、テント等に関するものも発生しています。
これらを踏まえて認定した事実といたしましては、安全点検というものそのものは行われており、安全点検をより実効性を高めるために、文科省としても様々な刊行物、資料等を発出しているところではございます。また、安全点検の実態についても、調査委員会のほうでアンケート調査をしていただいていて、安全点検に使用する点検表に関して、細かいところでございますが、公立小中学校を対象としたアンケートということなんですが、それに関しては97.8%が「ある」という回答でございました。見直している時期に関してですが、定期的に見直すものに関しては87.2%と比較的高くなっておりましたが、事故が発生したとき、あるいは改修を行ったときといった際は3割程度にとどまっていると。さらに教育委員会から要請があったときとの回答が29.8%であって、それぞれ4割を下回ったということでありました。
また、施設または設備による事故を防止する上で課題について、「安全に関する知識・経験」との回答が、言わば学校の先生の知識・経験の中で点検をするということに課題を感じているということかと思うんですが、それが51.7%。また、いわゆる多忙化をしているという現状の中で、「時間」という回答が61.4%となっていました。
また、安全点検の知見を有する外部の人材が点検に参加していないと回答した割合でございますが、こちらは3分の2程度の64.5%と。その理由としては、「予算の都合で難しい」というものが4分の3程度を占めていました。また、「適切な外部人材を見つけることが難しい」という課題も8割程度あったということでございました。
また、点検表の実態に関しましても、調査委員会のほうで調べていただいておりまして、こういった画面に投影しておりますようなカードであるとか、こういったものを各学校で備え付けられているということでありました。
訪問調査の結果もございます。訪問調査は2校行ったということでございました。そうした学校でも、窓際に机等が設置されて、転落の危険があるような窓が見つかってしまったと。また、固定せずに積み重ねられて倒れてくるようなロッカーも、視察を行った2校で確認されたということでございました。
一方で、安全点検を実際に行っているスタッフとして、学校の教員が行っているという実態がございますが、その学校の教員も、再三言われておりますように、長時間勤務化していると。45時間を超えて時間外勤務を行っている小学校の教職員の割合ですが、これは2022年の4月から7月までのデータとして、小学校では36.9%、中学校の教職員では半数を超えて53.7%となっていました。こうしたことから、教職員が担う業務の明確化、適正化についての整理は確認できていないということも指摘をいただいています。
認定したこれらの事実に基づく課題の抽出もございます。まず、点検の内容であります。安全点検そのものは行われているということが確認をしていただいていますが、安全点検をする際、死亡の危険のある施設、または設備を点検項目としないで、黒板の汚れ等の危険性の低い箇所を点検の項目とした点検表を用いている公立の小中学校が存在しているというような記述もございました。このように、点検表に基づいて安全点検を実施している、このような点検表で点検が行われているという可能性がある。点検をされていますが、その点検表に課題があるのではないかと。
これに関しては、文化省からも点検の実施方法の例などが示されていますが、こうした学校の潜在的にあるリスクに関して、それを見積もる具体的な方向であるとか、安全対策の優先順位を合理的に決定する方法等についてですが、大変厳しい御指摘ですが、資料は確認できなかったということであります。つまり、効果的な安全点検の手法が標準化されていないということで御指摘をいただいています。これが安全点検の内容面での課題です。
もう一方は、担い手の課題です。教職員が学校安全の安全点検の担い手として想定されていますが、御案内のように厳しい勤務実態の中で、またその点検の内容も、必ずしも専門性は持っていない、むしろ教育のプロではあっても、そういった施設・設備の専門家、専門性があるわけでは必ずしもないので、また予算上の制約、また適切な人材が見つからないといった事由から、外部人材を見つけることが難しいということも課題として言及されています。外部人材が安全点検に参加していないなどの回答が見られたと。これらの事実により、安全点検の担い手の支援が不十分であるという課題も指摘をされています。
ということで、安全点検の手法が標準化されていないことと、担い手の支援が不十分である、この2点を原因として指摘をいただいています。
これに向けて再発防止をどう検討するのかということについても、調査報告書の中で述べられています。この手法に関しましては、これまで2回にわたるこの会議の中でも御指摘をいただいておりますし、第3次安全計画の中でも御指摘いただいていますが、科学的な手法が必要なのではないかと。関連する資料は文科省以外の機関から出されているものもあるんですが、例えば、ユネスコの教育施設に係るガイドラインなどが参考にできるといったことを御紹介いただいています。
一方、担い手の問題でございますが、これも事例としては役割別に労働安全コンサルタント、安全管理士、事務補助者としてシルバー人材センターの会員といった事例も御指摘をいただいています。
その上で再発防止策として2点、その後の意見と、これは対をなすものでございます。まず1つが、安全点検の改善ということでございます。安全点検の改善、これまで述べてきたように、安全点検の手法と標準化されていない手法と、あとは担う担い手です。教職員が行うべき点検の内容、教職員が行うべき業務なのか、こういったもの。遊具や建設の専門家が見ないと分からないようなもの、リスクもあるというのは容易に想像できるわけですが、そうした専門性のあるスタッフが行うべき業務、教職員以外の方も可能なサポートスタッフも従事できるような業務、こういったものについて考え方を明らかにすると。やはり多忙化する現状に鑑みて、教職員が確認すべき学校安全に関する資料の精査でございます。こちらも大変私どもも反省しなければならないなと思うのは、大変いろんな資料はお示しをしているんですが、どの資料を見ればいいのかという御意見もやはり承るものですから、この際、そういったものも整理しながら、使い勝手のいいもの、効率的に行えるようにするという環境整備も、私どもとしても、文科省としてもやっていかなければならないのかなというところで御指摘をいただいています。これが安全点検の改善です。
もう1点が、緊急的対策です。これまで述べてきた安全点検に加えてではありますが、これはやはり手法の改善や担い手の改善はある程度時間が必要であるのに対して、やはり消費者事故安全調査委員会が訪問したところ、既に現に学校の中では転落の可能性のある場所、また、倒壊の危険のある場所が確認されたことから、これらの部分に関しては、例えば、この画像にあるような部分に関しましては、緊急の安全点検を行っていただいて、窓際の建物、設置物は撤去すると。また、積み重ねたものについては固定したりとか、これも撤去していただくといった対策が求められるのではないかという、緊急的な対策も併せて御指摘をいただいています。
これらの2点が、文部科学大臣への意見として取りまとめられています。文部科学大臣への意見といたしましては、これまで述べてきたように、安全点検の改善としては、手法の改善です。標準化していないと言われている安全点検の手法について、科学的な知見という観点から、労働安全分野等におけるリスクアセスメント等の知見を参考とした改善を行うと。また、その担い手については、多忙化する学校現場に鑑みて、教職員が行うべき業務、確認すべき業務、確認すべき資料等を精査するとともに、外部人材の活用が促進されるように支援していくということ。ある程度これは長期的な時間軸もある程度想定をしながら、腰を据えて取り組んでいく内容なのかなというふうに私どもとしては受け止めておりますが、現に緊急性の高いものといたしましては、転落の危険のある窓や積み重ねられたロッカーといったところに関しては、取り急ぎ時間を置かずして緊急に対応していただきたいという意見でございました。
ここでポイントが最後の1行でありまして、この緊急点検に当たっても、確かに子供たちの命を守るための点検ではありますが、一方で、深刻化している学校現場の多忙な状況に鑑みまして、ここで外部人材の活用が可能な場合には、その活用も検討できるように依頼するということとも、一部最後に追記していただいているところです。
これが意見書でありまして、この報告書の最後の部分が意見という形で切り離されるような形で、資料2-2にありますように、この部分がまさにそのまま転記されるような形で、文部科学大臣に送付をされます。これも3月3日でございました。
これを受けまして、冒頭申し上げましたように、文部科学省から各教育委員会等に通知を発出しています。特に緊急点検の部分については、まさに今日のこの会議でも御紹介しておりますが、議事としてお諮りしておりますが、この会議において御知見をぜひいただきたいと思っています。また、来年度、文科省で要求しております予算事業の中でも調査研究事業がありますので、そういったものの中で専門的な知見をいただきながら、この緊急点検の在り方、特に意見の中で言われておりました緊急点検の在り方に関しましては、ある程度こちらで一旦お預かりして整理をした上で各現場にお示しをしていただきたいので、御承知おきいただきたいということを、この3月3日の時点では御案内をしている次第でございます。
一方、この調査報告書に関しまして、内容については、やはり学校現場の方にもぜひ御一読いただきたいと、私どもも考えております。その点については、下線部で強調させていただきました。これから、春休み期間中になります。春休みになると、やはり新年度を迎えるに当たって、学校の中で掃除をするだけでなくて教室のレイアウト変更したりとか、やはり新年度を迎えるに当たってチェックをするよい時期になりますので、そうした時期を活用していただいて、報告書の中でも指摘をされておりました、転落の可能性のあるような窓辺の設置物、あるいは倒壊の危険のあるような固定されていないような棚、そうしたものについては、これは自主的な取組ではございますが、そこは留意をしていただきたいということで下線部を引かせていただいております。
こうしたことで安全調査委員会の報告書について御案内するとともに、そこで求められている緊急対応に関しましては、一度こちらのほうで預からせていただきますので、御承知おきくださいということで、このように教育委員会には通知でお示しをしたところでございます。
資料2-1、2-2、2-3の説明は以上でございますが、先ほどの議事(1)とも関わってまいりますが、これに関しましては、まさに令和5年度4月から日を置かずしてワーキンググループを設置いたしまして、安全点検の在り方については、専門的に議論を深めていきたいと考えておるところなんですが、その議論につなげるためにも、私どもとしても消費者庁からの意見を重く受け止めまして、ぜひ今日の御出席いただいている委員の方々から、次年度以降の専門的な議論につながる御知見、お考えなど、忌憚ない御意見いただけたらなというふうに思っています。
ちょっと長くなってしまいましたが、事務局の説明は以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、今、御説明にありました議事の(2)の内容につきまして、皆様のほうから御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょう。
では、小川委員、お願いします。
【小川委員】 小川です。どうぞよろしくお願いします。御説明ありがとうございました。
今後、点検についてはワーキングの中で、いろいろ手法を改善するとか、そういった議論が深まっていくんじゃないかなと思います。今、話をお伺いしてて、何か根本的な考え方というか、こういう考え方をしたらどうかなと思いました。事故のリスクというのは、環境と子供の行動との対応関係で決まってくるので、子供がいないときに点検しても、古くなった設備だとか、崩れかかっているものとかそういったものは点検できるかと思うんですけれども、その設備を子供がどう扱っているのか、子供がどういう行動を取っているかとの関係で見ていかないといけないので、子供がいるときに点検しないと、本当の意味でのリスクは見つけられないと思います。
それでマクロデータでどういう場面、どういう時間帯で事故が多いかというのはデータとして出ているはずですので、例えば清掃中であるとか、休み時間であるとか、事故の多い場面があると思うので、それはマクロデータで多分出ていると思います。じゃあ休み時間とか、清掃とか、給食の配膳のとき、子供はどういうふうに行動しているかということをやはり見ていって、その中でリスクというものを抽出していかないと、本当の意味でのリスクマネジメントはできないんじゃないかなと思います。
通学路を点検する際、よく現場へ行って、その作業に携わったんですけれども、子供がいない時間帯、交通量が少ない時間帯に行っても分からないんですね。でも、朝か夕方の子供が登下校している時間帯、交通量が多い時間帯に通学路を点検すると、車と道路と子供の行動との関係の中でリスクが把握できます。同じように学校の中での事故についても、子供がいる時間帯、そして事故の多い時間帯に、子供の様子と環境との関係を観察してリスクを抽出していく、そういう作業が必要かなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
これについて、文科省のほうからは特に何かございますか。よろしいですか。
【林補佐】 ありがとうございます。しっかり御意見として承りたいと思います。ありがとうございました。
【渡邉座長】 では、次は桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】
最初に質問です。1点目に、消費者庁が法に基づく調査を行っているということは承知しています。私の認識が違っていれば御指摘いただきたいのですが、学校の施設事故をテーマにして調査しているわけですよね。これはいつもやっているわけではなくて、消費者庁のこのチームがこのテーマを選んだからやっていることであって、そういう意味で日常的なものではない。文部科学省として、このような調査を行う組織や、あるいは事業があるのかどうか。これほど細かいもの、時間をかけなくてもいいのですが、研究センターみたいなもの、外部の消費者庁の検査を待たずに、自律的に文部科学省として学校の安全について調査していく事業や組織があるのかどうか。
2点目は、2-3aの資料ですけれども、大きな2番の本文に事故情報データバンクとありますが、これはJSCのデータバンクではなくて、消費者庁のほうですか?。分かりました、これは消費者庁ですね。
それから、外部人材が点検に参加しているかしないかという視点での調査がありますけれども、これは私が県の教育委員会の教育事務所という組織で働いていた頃の話です。簿冊、帳票や個人情報の管理の状況、施設や設備の安全状況などをその自治体の教育委員会に、教育事務所も同行して、いろんなチェックリストを持って、危険な要素をチェックするというふうな事業を行っていたのですが、今そういうことを行っていないのでしょうか。それと関連して、電気とか水道とかガスとかというのは、別の法律に基づく専門機関によるチェックはありますよね、定期的な。これも外部人材ですね、専門的な点検は教員にはできないので、教員が行うものは、教育活動を推進する上での使用上の安全点検ということになると思います。この点は整理して考えないといけないのではないかと思います。
私が初めて中学校長になった最初の日に、学校の鉄製の非常階段に、さびが見えて危険だなと思い、教育委員会に連絡して点検をお願いしました。それは学校施設課という課に依頼しましたが、これを教員に点検させようとは最初から思わないわけで、施設課が専門の業者を連れてきて、確かめることになります。外部人材の活用というときに、専門業者の業務や、それから教育委員会が行うチェックなども、奥行きのあるシステムとして考えないと、当然教員に全部やらせるなどということはできないので、この点を整理したほうがよいというのが私の意見です。
【渡邉座長】 ありがとうございます。
文部科学省の方。
【林補佐】 事務局でございます。
まず、消費者安全調査委員会のテーマの選定に関してです。資料2-3bの2ページに選定理由がございます。今、画面に出しています。自律的に調査委員会は、選定指針はお持ちであって、委員会としての決定事項としてどういう方針でテーマをやりますよというルールはお持ちのようで、令和2年(2020年)の時点の事故を踏まえて、このテーマというものが、施設・設備に関わる学校事故というものが選ばれたということでございます。それは別機関ですので、自律的に消費者安全調査委員会のほうで選ばれたものでございます。
また、こうした専門的な調査を行う機関が文科省にあるかということですが、申し訳ございません、文科省にはそうした調査機関はございません。ですので、それは消費者庁の恐らく制度趣旨と申しますか組織のミッションとして、今回は文科省の所掌している学校安全、学校の教育の安全に関してでございますが、それは例えば、食の安全であったりとか、工業製品の安全だったりとかということで、それぞれ所掌している役所の所掌を横串を刺すような形で学校安全という切り口から、自律的にテーマを定期で選んで、アドホックな形と申し上げたほうがいいのかなと思うんですが、選んで調査を深めていただいているのかなと思います。
また、教育委員会による訪問に関してということでございます。こちらも実態は文科省としては把握はしていないんですが、やっているとは思います。私も参加した経験はあるんですが、県教委の訪問になると、管理訪問は割と教職員の定数の義務教育国庫負担金が入っていますので、定数がちゃんと運用されているのかという観点からの訪問をしているところがあるやに聞いています。ただ、施設管理に関しては、施設を一時的には、小中学校については市町村教育委員会が所管していますので、県の訪問ではなくて市町村教育委員会の施設管理の担当者が、やり方に関しては、やはり教育委員会の権限の責任においてやっていただいていることですので統一のルールがあるわけではないんですが、定期的に訪問していただいて、施設の整備状況に関して、また老朽化が進んでないかといったことに関しては、点検をしていただいているのかなと思います。それを統一のルールでこちらとして、文科省としては把握をしているという状況ではございませんということであります。
ただ御指摘いただいたように、奥行きのあるシステムというのは大変重要な視点かなと思います。安全点検の在り方を、これから文科省としてもしっかりと議論していく上で、奥行きのあるシステムとして構築をしていく必要があろうということで、御指摘をしっかり承りたいと思います。ありがとうございました。
【渡邉座長】 よろしいでしょうか。
【桐淵委員】 今のことですが、教育委員会は人事管理も施設管理もやっています。もちろんカリキュラムの管理もやっていますので、教育活動上の事故、施設・設備に関する事故、それから人事に関する個人情報の漏えい等も含めた安全管理についても、教育委員会がきちんと学校をチェックしていけるような、文部科学省のほうでモデルを示すなり指針を示すなりして、進めていただきたい。それを教育委員会自身がもっと足腰を強くするような方向で、後押しをしていただければと思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 大阪教育大学、藤田です。
先ほども御質問の中にあったんですが、今回の事故情報データバンクで9件の転落死亡事故ですが、以前、学校事故対応指針の調査研究を担当した際に、10年間ほどでかなりの数の事案等があったと思ったので、このあたりは母数となるものが若干違うのかなというふうに感じた次第です。それで今回の今後の担い手について、教職員というのは、これはいわゆる学校教員だけじゃなくて事務職員を含むという意図で教職員というふうな形で、実際には高等学校等で教員じゃなくて事務職員がやっておられる学校も多いというふうに聞いていますので、そういう点で、かなり意識改革等が今後必要になってくるんだろうなというふうに伺って感じました。
あと今回の事故等についてなんですが、例えば「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン等においても、例えば廊下等を含めて、いわゆる火災、または地震等の避難の経路の確保という観点と、それから、施設・設備の安全点検という中で、国としては今まで転落防止を含めて、窓際に足場になるものを置かないようにというような通達を出しておられますが、そのあたりの徹底の状況というか、周知されている状況というのはどんなものなのかなと思って聞いていました。窓からの転落防止等で、足場という観点で物を置かない、机とかキャビネットを置かないというだけでなくて、実際には、例えば廊下の手洗い場の上に乗って窓を開けようとして転落死亡事故が発生した事案であったりとか、また、図書室等の窓際にある本棚の上に座って本を見ていて、バランスを崩して転落というふうな事案があったりとか、今までの国内でそういった転落死亡事案がかなりあったかと思いますので、そういう点で今後の、例えば窓の安全点検についても、教員などで開閉の状況というのは、消防法等との兼ね合いがかなり出てくるんだろうと思うんですが、そのあたりを今後、安全点検の視点の中に付け加えていただくという形で検討いただくといいのかなというふうに感じました。
あと、先ほどありましたヒヤリ・ハット登録システムなども、現在、附属池田中学校のほうでGIGAスクール構想で、端末を使って校内のヒヤリ・ハットの登録システムを中学生にやらせてみると、いわゆる教員と一緒にやっても、やはり違いが出ています。だから、教員目線の視点と、生徒目線の視点の違い、これは当然小学校であれば身長の差もあって、目線の高さの違いがあってというのも出てきたりしていますので、そういった中での今後の安全教育の展開という中で今回も言及いただいておりますが、さらに突っ込んだ形で、安全教育における安全管理活動の活用という視点で充実していくという方向で検討いただけたらうれしいなというふうに思って話を聞いていました。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
これについて、文科省のほうから特によろしいですか。
ほかにはございますか。北村委員、お願いします。
【北村委員】 産業技術総合研究所の北村です。
まず1番初めにコメントされた小川委員の御意見に関連するんですけれども、おっしゃるとおり環境だけ見ていてもリスクアセスメントは難しいという話はそのとおりで、そのときに使えるのが、小川先生がおっしゃったように、実際の状況を観察するというのもあるかと思いますが、もう一つは事故のデータを、どういう状況で起きているかというのを整理するために活用する使い方ができると思っております。
そのときに、今、藤田先生がおっしゃったような形で、学校で独自に事故のデータを記録するとか、ヒヤリ・ハットを記録するというのをされていると、良いかと思っています。それをやってないところでも、使えるのは日本スポーツ振興センターのデータだと思っています。その場合の日本スポーツ振興センターの災害共済給付データの1つの課題は、保険を請求するための申請データなので、予防のために使うとか、事故の状況を把握して原因究明のために使えるような記録法にはなっていないので、現状リスクアセスメントに全て活用できるデータになっていないと思います。そのため、事故予防、原因究明、リスクアセスメントに使えるようなデータの集め方をしていく必要があると思います。
そのときに、教職員の負担にならないような形で集めるような仕組みも併せて考える必要があると思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
これもよろしいですか、文科省のほうは。ありがとうございます。
ほかにはございませんか。首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。
学校の安全点検についてしっかりと検討していくということ自体は非常に大事なことだと思っているんですけれども、私が専門としているヒューマンファクターズの観点からいきますと、人が注意をして、人の手でよりよい運用をすることで安全を確保するというのは若干弱いなと思っておりまして、そもそも施設や設備が安全につくられるということが重要ではないかと思います。その意味では、安全点検についての検討ではありますけれども、その検討の幅の中に、安全な施設や設備をつくるための基準づくりという観点も入れていただいて、危険な施設や設備が学校に配置されないようにするということも視野に入れていただけたらいいかなと思います。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
【林補佐】 ありがとうございます。安全点検、確かにソフトのお話ではあるんですが、ハードの話とこれは密接不可分でございますので、関係課とも連携しながら、ハードの視点も十分に含めた形で検討に取り組んでいければと思っています。御指摘ありがとうございます。
【渡邉座長】 それでは、山中委員、お願いします。
【山中委員】 山中です。先ほど北村委員からお話が出ましたように、我が国で今後、学校安全のことを検討する場合は、やはり日本スポーツ振興センターの災害共済給付のデータを基本にすべきだと思うんです。去年は83万件、そのうち9割以上はけが、傷害ですので、かなり膨大なデータが得られます。今、日本スポーツ振興センターの委員会に入っているんですけれども、現在日本スポーツ振興センターは、災害共済給付のデータ収集のプログラムの改変を試みています。令和8年の1月から、新しいシステムで入力が始まります。今、そのための入力項目の検討が始まっているんです。1年以内に新しい入力項目が完成する予定なんですが、最終的には手書きではなくて、全てクリック式の入力システムに移行してもらおうと思って、今働きかけを行っています。
災害共済給付は保険金を支払うためのシステムで、予防のためのデータを取るシステムではなかったわけですけれども、文科省等からも、そのデータを予防につなげてほしいとい言われています。多分新しくなる入力システムは、予防のためのデータがかなり入ると思うんです。例えば、転落してどこか骨折したら、転落した高さとか、ぶつかったものの素材、例えば砂なのかコンクリートなのか、そういうものを手書きではなくてクリックだけで行うようなシステムになると思います。
既に北村委員がそのためのシステムを開発していて、今、既に2,000例ぐらい医療の救急の現場で情報入力をしていますので、そのシステムに近い形で、今後はけがのデータを入力する、そういう時代が来るだろうと思います。
そういう意味で、今回こちらで安全点検等のシステムを検討するときに、ぜひそういうのも、文科省側でお考えいただければと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかの委員の方、ございませんか。平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 矢本第一中学校の平塚です。よろしくお願いします。
今、最初に言った小川先生の意見が、私も現場の状況を考えたときに非常に有効だなと思いました。というのは、学校現場で安全点検を行う時に、児童生徒がいない状況での施設・設備の点検というのが中心になっていたように思います。特に図に示された、例えば図1のようなケースですが、こういうことは日常あまり考えられないのだけれども、やはり子供の動きとして、こういうような動きがあるということは想定できることなので、こういったことを防ぐためにも、子供の動きがある中での点検は大事だなと思いました。ぜひ、うちの学校でもすぐに取り入れたいぐらいのことだと思いました。
一方で、例えば、図2のケースであれば、これはやっぱり施設の棚の置き方等で防げますし、日常の中でも起き得ることなのですが、図1のようなケースの場合、子供自身の事故や安全に対する意識を高めていく必要があるのだろうなと思っています。
先ほど藤田先生がおっしゃったような、子供たちの安全に対する当事者意識というか、安全に対する意識を高めていくということ、安全教育の部分ですよね、そういった部分を強化していくことは大事だなと思います。やっぱり自分の命、それから自分の安全は自分で守るという視点も大事にしていかなければならないのだろうなということを、話を聞いていて改めて思いました。ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかの委員の方はいかがでしょう。よろしいでしょうか。
【林補佐】 座長、すみません、よろしいでしょうか、事務局から1点。時間に限りがある中で大変恐縮なんですが、1点補足等と、ぜひ御識見をいただきたいなと思っているテーマがありまして、先ほども紹介をいたしましたように、外部の人材の活用という点です。活用という言い方はちょっと語弊があるのかもしれませんが、外部の知見をいただく、外部の力を借りるという点です。実はこの消費者安全調査委員会の意見書の中で、ポイントになっているのはここなのかなというふうに事務局としては思っているところがありまして、外部の人材の活用の場合には、その活用の検討を依頼することという意見を受けて、文科省から発出した通知もそこがかなり苦慮しているところがあります。どこに苦慮したかというと、ここの文言を一言補っております。「教職員の負担を配慮しながら」という言い方に、そこは変換しています。趣旨としては、私の説明の中でも触れましたように、多忙な学校の状況、また安全性に関して、施設・設備といった専門性の高いものについての確認できる専門的な知見という点から、やはりそのこと自体、業務自体が専門的過ぎるので、先生方の負担になるということもあり、だからといってあえて通知の中で外部人材という言葉を選ばなかった理由といたしましては、必ずしも全国どこの地域でも外部の方のお力を借りられるような環境ではなかったり、ある種、自前である程度やらなければならないというところもなくはないのかなということもあり、資料2-1でお示しをしている通知の中では、やはりここで言われている外部の方の力を借りるというのは、教職員への負担を配慮しながらという言葉で置き換えさせていただいております。
そこで伺いたいのは、特に現場経験のある委員の方々に時間の許す限りでいただきたいのは、安全点検を行う際に、特に専門的な、例えば設備の遊具の打音検査とか、建物の老朽化はメンテナス上大丈夫なのかとか、あるいは、一見して素人が見たら分からないんですが、実は潜在的なリスクがこういうものには隠れているといったような細かなひびとか、そういったものを点検する際に、教育委員会の施設のスタッフであるとか、あるいは専門事業者に投稿してもらったりとか、あるいはこの報告書の中で掲げられているような専門性のある方の知見を実際に取り入れたことがあるよといったようなもの、そういったものでも構わないので、外部の活用、外部の方の知見の借り方、関わり方に関して、何か関連するもの、御知見をいただけたらなというふうに思います。
ちょっと事務局からのお願いになってしまって恐縮なんですが、御発言いただけたらありがたく存じます。
【渡邉座長】 ただいまのことにつきまして、いかがでしょうか。
桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 また校長も経験しての話しで、先ほどと繰り返すところもありますが、教育委員会の施設課というところに連絡すると、施設課が専門業者を連れて見に来ます。それは学校の施設・設備で心配だったときにそういう対応をしてくれるのですが、それ以外に、ガスとか電気とかというのは、ほかの法律に基づく定期点検を必ず教育委員会が業者を引き入れてやっていると思います。
例えば、教室の窓ががたがたしていないかとか、窓際でそこに乗ったら転落する危険のあるようなところに物が置いてないかとか、教室のテレビが地震で落ちてこないよう固定がされているかというのは、当たり前のように教員が、学級担任がやります。それは負担でも何でもなくて、要するに教育活動上の危険については、過去の事故の事例から、危険なものが分かっていますので、チェック表の中にこれがこうなってないかという項目が一覧表になっていて、毎月それ点検するということはやっていました。
ですから、教員が教育活動を推進する上で、必ず必要な危険のチェックと、それから、専門家でないと見抜けないような定期的な点検と、教員なり校長なりが、これちょっと心配だなと思ったときに臨時点検あるいは緊急点検ができるよう、教育委員会は窓口をきちんとするなど、むしろシステムを整理するほうを促したほうがのよいのではないかと思います。規模の小さい自治体の教育委員会だと体力が足りない面もあるかもしれませんが、指針を示せば、それには対応してくれると思います、首長部局とも協力して。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
では藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 外部の人材活用という点で、私の立場からセーフティープロモーションスクールの活動をやっていく中で、学校で安全委員会等を設置していただいてという、その安全委員会のメンバーに、地域の経験者を委嘱するというのは、可能性があればそういう形でどんどんと協力体制が組めるんじゃないかと思っています。また、あとコミュニティ・スクール等での学校運営協議会の委員の委嘱あったり、また学校評議会の評議員といった際に、警察とか消防とか、また防災に関わる知見を持った方にメンバーに入っていただいて、学校の活動の中に、安全点検に外部の視点を入れていくというのが望ましいと思っています。ただその際、またいろいろと経費等の問題があるのかもしれませんが、可能な範囲で協力体制を構築するというのを広めると、多分校長先生の負担が大きくなるかなという不安もあるんですが、そのあたりの可能性について検討いただければいいかなというふうに感じたところです。
【渡邉座長】 ありがとうございます。
今、お二人の御意見に対して、文科省のほうは何かございますか。
【林補佐】 ありがとうございます。やはり専門に頼まざるを得ないところもどうしてもあるのかなとは思うんですが、やはりどうしても国民の立場からすると、全国の水準を維持するためにはユニバーサルでなければならないものですから、恵まれない地域も含めたものになるとどうしても抽象的なものになってしまったりとか、指針を示してはどうかという御意見もいただいているので、そうした中で、体力のない自治体に関しましても、首長部局と一緒になって、さすがに自治体全部で見ればそういった専門性がどこかにあるかもということなので、またやり方を引き続き検討していきたいなと思います。ありがとうございます。
【渡邉座長】 ほか、いかがでしょう。
平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 平塚です。
今の話で、現場サイドからいうと、安全点検の中で我々の手に負えないものが上がってきた場合には、先ほど桐淵委員が言ったように、教育委員会のほうにそれは上げて、必要があれば専門的な方が来て点検をしたり、対処したりするというようなこと。そういうサイクルは現場に当たり前にあると思っています。
それから、例えば教科の活動内の安全等に関しては、担当の教員が見ていくというのは、当たり前にやっていることなのかなと思っています。外部の方が来て、評価をするということで言えば、例えば、石巻市の教育委員会であれば、学校安全推進課というのがあって、避難訓練等、これまで外部の人が評価をしなかったものを、外部の視点で評価していくというシステムがあったり、あと先ほど藤田委員が言ったように、学校安全委員会みたいな組織に外部からいろいろ入っていただくという仕組みがある学校があったりするので、そこに専門的な方を入れるということはできることだと思います。以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
この件についてほかには御意見ございませんか。それ以外のことでも結構ですけど、いかがでしょう。
では、ちょっと私のほうがちょっと1件お願いというか。今回のことは安全点検の話なんですけれども、安全点検というのは結局、学校でどこか支障のある箇所が見つかった場合には、当然改善を図ることになりますよね。それが学校保健安全法にはちゃんと書いてあるわけです。ですが、今回は点検の話だけで、その先のところは、対策のところは先ほどの資料に、例えば窓の下の足がかりになるものは置かないというのはあるんですけど、例えば破損しているとか老朽化しているというケースだと、そう簡単にはいかないと思います。そういったことも含めて点検しました、危ないところ見つかりました、でも何もしないでそのままということになってしまうとそれはまずいわけで、そういう改善を図る方向に持っていくような議論じゃないといけないんじゃないかと思いました。
というのは、もう大分前になるんですけれど、東京で天窓の転落事故がありましたよね。そのときに、文科省から「学校における転落事故防止のために」というリーフレットが出ました。これはとても点検する上でも、あるいは事故を防ぐ上でもとてもいいものなんですけど、多分文科省、これ1回だけだったんじゃないかと思うんです。その翌年なんですけれども、これは、学校安全のほうじゃなくて施設のほうなんですが、学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議から、「学校施設における事故防止の留意点について」という、何ページにもわたるものが出ているんです。これは、実際に起きた事故の事例とそれを防ぐための対応の仕方、それと点検を含むものなんですけど、これも、果たしてこれがどのくらい利用されたかがよく分からないんですけれど、文科省の対策が単発になっているというところが気になっています。
やはり継続的に、先ほどのリーフレットなんかは今だったらPDFですから、毎年こういうようなものがあるから、ちょっとこれで注意しなさいみたいなこと言えると思うんですけど、何かこれまでやったものが、大きな事故が起きるとその後はすぐ対策するんですけど、そこ1回で終わってしまうわけですね。これを国としても少し見直してほしいなというのがありますので、いい機会なのでどう周知して徹底するかということも併せて検討していただければというふうに思います。
以上です。
【林補佐】 渡邉座長、ありがとうございました。大変重要な御指摘をいただいたと思います。
まさに我々も、大きな事故、社会的な関心を集めるような事故が起こると政策を取りまとめて周知し、何らかの実施をお願いするんですが、必ずしもそれを、フォローアップをすること自体が現場に負担をかけているという自覚もありますので、まずは対策をしていただきたいという趣旨でいろいろお示しをしているんですが、振り返るとそのこと自体が分厚い資料集を複数にわたってお示しをして、どれを見ればいいのかという御意見もいただくような事態になっていますし、また、先ほど渡邉先生から御指摘ありましたリーフレットに関しましても、過年度に見ると、やはり施設関係のものについても定期的に作成され、公表されているという実態がございます。その点でもやはりPDCAをしっかりと回していく必要があるということを痛感しております。
事務局を預かる者として、私の個人的な感想にもなるんですが、やはり常設の会議として先生方にお集まりいただいたのも、そうしたところをしっかり整理しながら、今後、これまで出してきたものを検証しながら次につなげていくということをしっかりやっていく必要があろうと、このように強く思っている次第でございます。引き続き御指導いただければと思います。ありがとうございます。
【渡邉座長】 それでは、議事の(2)についてはよろしいでしょうか。
それでは、次の議事にまいりたいと思います。議事の(3)は、不審者の侵入事案を受けた学校安全の確保に向けた対策についてです。事務局が資料を用意していますので、説明をお願いいたします。
【林補佐】 次は、資料の3番を御用意していただければと思います。3月17日に発出した事務連絡でございます。「不審者の侵入事案を受けた学校安全の確保に向けた対策について」という題の事務連絡になっております。
去る3月1日、埼玉県戸田市の中学校に、17歳の高校生ということが後に判明しましたが、不審者が侵入いたしまして、それを制止をしようとした教員1名にけがを負わせるという事案が発生いたしました。不幸中の幸いと言うのもあれですが、生徒の中には被害は特になく、重傷を負われた先生には大変お気の毒な事案ではございましたが、事件といたしましては、今、犯人の身柄は警察にあって、現在もなお捜索中というふうに承っています。
事故が発生した、不審者が侵入した後の対応といたしましては、生徒の誘導であるとか、また迅速に複数の教員がすぐに集まって犯人を取り押さえていただくことができたといった点で、従前から当該学校の取組、避難訓練等の取組、緊急時の対応についての蓄積があった旨、これは確認できたのかなと思うんですが、一方で厳然たる事実として、不審者の侵入を許してしまったということ、容易に入ってくることができてしまったということについては、一方でこれもひとつ重く受け止めなければならないことかなと考えておる次第です。
折しも3月17日には、政府のほうで犯罪対策閣僚会議が開かれました。今、SNSを使った強盗事件で、その犯人と、実行犯と、それを指示する者が遠くでつながっていて、なかなか犯人の特定にならなかったりとか、一方で同じような手口の悪質な巧妙な落とし穴が起こっているということもあって、そうした中で、犯罪対策閣僚会議での防犯に関する政策が取りまとめられて発表された次第です。それと軌を一にいたしまして、子供たちの学校安全に関しましても、不審者侵入事案を受けた取組について、文科省としてもこの取組を取りまとめて発信をした次第です。それが3月17日にありました。
内容に関しましては、資料の3の2ページ目、別紙1のほうでお示しをしているところです。やはり侵入者が侵入しにくくなるような各学校の取組を後押ししたいと私どもは考えておりまして、従前、防犯のための環境改善、施設整備の工事に関しましては一定額の補助をしていたところなんですが、それを時限を区切って補助率をかさ上げしたり、従前、400万円以上の事業費を必要としていた工事のお金を100万円に引き下げることで、より整備をしやすくするということで、防犯等取組を、ハード面での取組をしやすくなるような、来年度以降、もう再来週から来年度になりますが、令和5年度の予算事業として御紹介をしている次第でございます。
あわせまして、私どもでお示しをしている学校の危機管理マニュアルの見直しガイドラインの中では、また安全に関する資料の中でも、不審者の対策については3つの観点で危機管理マニュアルに位置づけて、これを各学校で意識づけをしていただくということを促してきたところです。これが画面で投影しております資料の3の事務連絡に付しております調査表でございます。
不審者侵入の防止の3段階のチェック体制として私どもがお示しをしているものの中ではこの3段階です。校門、校門から校舎への入り口まで、そして校舎への入り口という3つの段階でのチェックをしていただくことが重要かなと考えています。危機管理マニュアルの中にも不審者対応について、不審者侵入対策についてを位置づけていただくとともに、その際にはこの3つの観点で対応ができるように、各学校の危機管理マニュアルの中には位置づけていただきたいと考えているところでありまして、今回、この事案を踏まえまして、各学校にマニュアルを見直す機会として点検をお願いするとともに、この3点に関しましては、改めて確認をお願いしているところでございます。
資料に関しましては、その後ですが、事務連絡の後ろのほうには、これに関して別紙の3については、従前行っている取組に関して説明書きを加えているところです。また、参照していただけるようなコンテンツについても、私どもが従前情報発信をしております学校安全のポータルサイトであるとか、また、その手引きに関してもQRコードで示しているところでありまして、改めて各学校での不審者侵入の防犯対策に関して、学校安全の確保に関しまして、振り返る機会にしていただければなと、このように考えているところでございます。
議事(3)の資料3の説明に関しましては以上でございます。ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ただいまの御説明の事案についてなんですけれど、これは現在、警察の捜査中であり、学校安全の政策的な観点からはまだ精査されておりません。ただ、3月17日に政府として速やかに対応すべき政策が取りまとめられまして、各教育委員会等に示されたというところなんです。ですので、本日のこの議事で上がってはいますけれども、報告事項という位置づけになると考えることができると思います。ですが、本件について、もし委員の皆様から御意見があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 これ、私ども委員にも即送っていただいて大変ありがとうございました。的確な内容であり、皆様方の姿勢に対して敬意を表します。
1点だけ意見ですが、スピードの問題です。私は、埼玉県在住ですが、事件が3月1日で、この事務連絡は3月17日付けです。多分事件翌日には埼玉県教育委員会から点検その他調査について通知が出ているのではないかと思います。こういう事故が起こったときに、それぞれの地方自治体や教育委員会が取り組んでいることに、時間がたってから、またそれにかぶせて二度手間にならないかどうかちょっと心配しています。学校安全に関するホットラインのようなメールのシステムで、速報と、この件については点検をお願いいたしますというような内容をいち早く設置者、教育委員会に連絡して共有するということはできないでしょうか。埼玉県は緊急点検などをやりましたが、もしやってない自治体があれば、文科省からの連絡を受けて始めるという注意喚起の意味も含めて、もっと早くすることができないかということです。17日だと恐らくやっている教育委員会は、既に第一次の調査終わって
いるのではないでしょうか。そこにまた新たな調査項目が来ると混乱するのではないか、それだけが心配です。
以上です。
【渡邉座長】 お願いします。
【林補佐】 桐淵委員、ありがとうございました。
やはり事件が発生してから時間が少し経過してしまってからの事務連絡の発信になってしまったという御指摘はそのとおりかなと思います。ちょっと言い訳がましくはあるんですが、今回、予算事業としてお示しをしていまして、来年度、補助率をかさ上げをして防犯対策を進めていただきたいということから、こう言っては何ですが、財政当局との折衝がありまして、その中でも財政当局も理解を示していただけたということがありまして、その調整に少し時間がかかったというのが実態としてございます。
当然ながら、やはり現場負担、本当に特異性のある事案だったと私は個人的には思っているんですが、そうした中で何か1つ事件が起こると、全国一斉に何か点検するというのは、効率性であるとか負担感だけが大きいのかなと。さらにそれがフィードバックをされて、よりよい安全つながればいいんですが、何かその事案が起きてからそうやって点検するということ自体、すごく慎重に物事を考えなければならないなという、実は意見もありまして。なので、本当にピンポイントでマニュアルの不審者対策の3点だけを限定してお願いをしているという経緯がございます。
いろいろな調整の結果、このタイミングとこの内容になったということで御理解いただけたら大変ありがたいと思いますが、ただ桐淵委員おっしゃっていることは、まさにそのとおりかなと思います。ありがとうございます。
【桐淵委員】 私は非難しているわけではなくて、内容的にはよく対応していただいていると思っています。ただ緊急点検、つまり模倣犯もあり得るわけで、緊急に点検を呼びかける注意喚起も含めてという事務事業作業と、中長期的にマニュアルを点検してその報告を求める、予算措置についてもお知らせして、自治体、財政当局に教育委員会が働きかけるという、事務は分けて考えたほうがよいと思います。緊急の注意喚起、点検の呼びかけと、中長期の改善の対策というのはきちんとこう分けて、特に緊急の即応体制が文科科学省にあるのかどうかという、意見を言いました。
【林補佐】 すみません、ちょっとお答えの漏れがございました。調査の仕組みに関しましてはEduSurbeyという仕組みがありまして、学校とダイレクトにつながっている調査の仕組みがございます。調査の項目を文科省のほうで担当レベルで作成をいたしますと、従前エクセルでつくっているような調査項目を、オンラインでの選択式であるとか、ウェブ上で回答するような調査項目を割と平易に、私もつくることができるぐらいのレベルでつくることができまして、かつこれをダイレクトに学校で送ることができます。中間的にその管理をしている市町村教育委員会、都道府県教育委員会は、その回答の状況を当該地方公共団体内のものであれば見ることができるということで、かなりこれで調査工数を軽減するということができてはおります。
とはいえ、逆に調査がしやすくなるとやりやすくなってしまうということに甘えてはいけないなという思いは一方ではございますので、その点に関しましては、従前よりは学校現場での負担の軽減にはつながっているのかなとは思いますが、やっぱり従前としては、やり方に関しては、引き続き課題意識を持って取り組んでいく必要があろうかと存じております。
以上です。
【桐淵委員】 ありがとうございます。
【渡邉座長】 ほかにはいかがでしょうか。
平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 平塚です。
起きたことに対して文科省としてやれることとしては、これが限界なのかなと思っています。
生徒の命も守らなければいけませんが、教職員の命も守っていかなきゃならないと考えたときに、どうしたらいいのか、ちょっといろいろ考えさせられた事例ではあります。現場としてどうしていったらいいのか、いろいろお話を聞ければと思っています。以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、嵯峨委員、お願いします。
【嵯峨委員】 私は私立で、特に女子高校やっている者なんで、不審者というのは割と、危険なことはなかったんですけれども、寮もあるもので、夜中に雨樋を伝って上ってきたとかそういうことも実際あって、結局捕まってはいないんですけれども。ただ、やはり防犯対策の費用を出していただけるんで、カメラとかオートロックとかは実際にやっていて、その部分は大変ありがたいんですけれども、実は学校自体が校舎と校舎の間が飛び地になっておりまして、結局道路を挟んで行くために、そこを通るときというのはある時間帯はほぼ開けっ放しに近い状態にどうしてもなってしまうんで、簡単に言うとほとんど機械でやるというのはなかなか難しくて、むしろ本格的にやるとなると、やはりさっきの話ではないんですけど、先生ではなく警備員を雇うというようなことをしないと、完全に防ぐというのはちょっと私どもでは難しいのかなというふうに感じております。
以上です。起きたことに対して文科省としてやれることとしては、これが限界なのかなというふうに思っています。
ここからは記録に載せなくていいんですけど、本当に現場的には、それこそ自分の命を惜しまない人が学校にやってきて、傷つけようという目的で入ってくるということに対して、ほんと対応は、いや、無理だよなと正直思っています。もちろんやれることをやりますが、どうしたらいいのかと考えたときに、本当にそれこそ各校に警備員をやっぱり配置するとか、それから、オートロックシステムとかもやっぱり全て導入するとか、そういうことなんですかね。でも、そういうお金は多分出ないですよね。そうした場合に、教員に求められることはやりますが、そういった不審者を取り押さえるということは教員がやるべきではないし、教員の仕事ではないと思うんですよね。そういう教職員の命も守っていかなきゃならないと考えたときに、どうしたらいいのか、ちょっといろいろ考えさせられた事例ではあります。
でも、だからといってそれで諦めたくはないですし、やっていかなきゃいけないことはやっていかなきゃいけないんですけれども、いや本当にどうしていったらいいのか、いろいろお話聞ければななんて逆に思っています。
すみません、愚痴になってしまいました。以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、嵯峨委員、お願いします。
【嵯峨委員】 私は私立で、特に女子高校やっている者なんで、不審者というのは割と、危険なことはなかったんですけれども、寮もあるもので、夜中に雨樋を伝って上ってきたとかそういうことも実際あって、結局捕まってはいないんですけれども。ただ、やはり防犯対策の費用を出していただけるんで、カメラとかオートロックとかは実際にやっていて、その部分は大変ありがたいんですけれども、実は学校自体が校舎と校舎の間が飛び地になっておりまして、結局道路を挟んで行くために、そこを通るときというのはある時間帯はほぼ開けっ放しに近い状態にどうしてもなってしまうんで、簡単に言うとほとんど機械でやるというのはなかなか難しくて、むしろ本格的にやるとなると、やはりさっきの話ではないんですけど、先生ではなく警備員を雇うというようなことをしないと、完全に防ぐというのはちょっと私どもでは難しいのかなというふうに感じております。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
これまで議事3番目まで進めてまいりましたけれども、これまでのことについて、まだ何かお話が足らないというようなことがありましたら、少し時間がございますけど、いかがでしょう。
【桐淵委員】 では、よろしいでしょうか。
【渡邉座長】 はい。じゃあお願いします。
【桐淵委員】 先ほどの平塚委員、校長先生の御発言に関連して、教育長をやっているときに取り組んだことを紹介します。
当時は震災も事故もありましたが、「スクールサポートネットワーク」というシステム・組織を市民、特にシニアの方々のご協力を得て学校ごとに作りました。緑のゼッケンをつけてもらって、登下校時ですとか、その他都合のいい時間に学校の周りを歩いてもらうなどしました。もちろん警察にもパトロールの要請をしましたが、さらに、運搬事業、郵便宅配とかタクシーとかの業者さんと子供安全協定という協定を結んで、不審者を見かけたり、子供が逃げている様子を見かけたりしたら、声をかけてほしいという依頼をしました。実際それで助けられた生徒もいて、表彰状をお渡ししたこともあります。警備員の配備や校門の閉鎖・施錠もしましたし、防犯カメラもつけてもらいましたけれども、地域住民の方々の協力を仰ぐという視点も大切かなと思います。
どこまで実現するかというのもなかなか難しいと思いますけど、市長部局と連携してやっていくというようなことも大切かなと思います。
以上、参考までに申し上げました。
【渡邉座長】 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
文科省のほうから何かございますか。よろしいですか。
【林補佐】 ありがとうございます。
平塚委員おっしゃったように、教員の仕事としてどこまでというのは非常に大きなテーマかなと思います。本件に関しまして、戸田市の戸ヶ﨑教育長のほうからもお話があったということを承っているんですが、確かに身を挺して生徒たちを守るという行為は、それ自体は英雄的なものではあったということですが、必ずしもそれをもって称えるということについては、ちょっと慎重にならざるを得ないのではないかということでした。というのも、全ての教員がそれができるわけではなくて、その意味では非常に尊く、自らも負傷されたということは大変痛ましいことではあるんですが、その意味においては、私もすみません、経験があるわけではないんですが、起きた課題を投げかける事案だったのかなというふうには私自身も思っています。御指摘ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、議事(3)まではこれで終了させていただきます。
次に、議事の(4)について、事務局から御説明お願いします。
【林補佐】 座長、平塚委員が挙手をされています。
【渡邉座長】 すみません、今気がつかないで。平塚委員、ではお願いします。
【平塚委員】 すみません、議事終わったところで。
1点なのですが、日本の国自体の治安が変わってきている状況があるとするならば、例えば、外国でもっと治安が悪い国などで、子供たちの安全を守るということで、より進んだ学校の防御みたいなものがあると思うのですが、そういう外国の事例等も、やはり今後どこかで日本でも取り入れていく必要があるのかなと思ったところです。意見でした。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、よろしいですか。これで議事の(3)は終了させていただきまして、議事の(4)について御説明をお願いします。
【林補佐】 議事の(4)でございます。今後の予定でございます。
冒頭から申し上げておりますように、第3回、今回の会議をもちまして、令和4年度の今年度の会議は終了いたします。設置要綱上も、一旦委員の皆様方の任期は満了という形になります。継続的に令和5年度も、学校安全の推進のためにお力添えを賜れたらなと、新たな任期として委員をお願いしたいと存じますので、引き続きお力添えいただければと思います。その際、大変お手数なんですが、委員の委嘱等の手続についてまた発生いたしますので、御対応いただければと思います。
あわせまして、本日の議事(1)で皆様方に御了承いただきましたワーキンググループのメンバーに関しましても、また御相談させていただきたいと思います。年度明け早々に、もろもろの連絡の中でワーキングへの参加の動きと、あるいは御自身は親会だけでもいいよというような御意見もあろうかと思うんですが、参加を希望されるワーキング等の御意向を承った上で、座長とも相談した上で、また議事の中でもありましたが、外部の方にも御参加いただいて、専門性をしっかりと確保した上で各ワーキングを立ち上げていきたいと思っています。
ですので、また御連絡を差し上げますので、それまで少々お待ちいただければと思います。御承知おきいただければと思います。
事務局からは以上でございます。ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、第3回学校安全の推進に関する有識者会議は以上とさせていただきます。委員の皆さんにおかれましては、本日、御多忙のところ御出席いただきありがとうございました。終了いたします。

―― 了 ――

 

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)