令和7年10月30日(木曜日)16時00分~18時00分
Zoom利用によるWeb会議
【渡邉座長】 ただいまから第2回学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。座長の渡邉でございます。
本日も、御多用の中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
冒頭、事務局の人事異動がありましたので、御紹介をお願いいたします。
【岩倉室長】 安全教育推進室長の岩倉でございます。
文部科学省の事務局の人事異動について紹介いたします。
7月15日付けで、総合教育政策局長が塩見みづ枝局長に交代いたしました。
開会に当たりまして、塩見総合教育政策局長より御挨拶を申し上げます。よろしくお願いします。
【塩見局長】 失礼いたします。7月に着任いたしました塩見と申します。
本日は、皆様、御多用のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
委員の皆様には、日頃から学校安全の推進に関する政策あるいは取組について幅広く御助言をいただいているところでございまして、深く感謝を申し上げます。
本年度のこの有識者会議におきましては、学校安全に関する恒常的なアドバイザリーボードとして、第3次学校安全の推進に関する計画に基づき、検討すべき施策や取組について幅広く御議論いただいていると伺っております。
学校安全をめぐりましては、社会の変化ですとか地域の変化をはじめ、様々な事象の影響もあるところでありまして、日々緊張感ある対応が求められるところでありますし、また、変化に対応して取組の進化が常に求められるところと認識をしております。
本年度、皆様に御議論いただいている内容につきましては、次年度から検討をスタートする予定の第4次の計画を検討していく上でも大変重要な基盤になると考えております。ぜひ、引き続き闊達な御議論を賜ればと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉座長】 塩見局長、ありがとうございました。
それでは、事務局から本日の配付資料と出席委員の確認をお願いいたします。
【合田補佐】 本日の会議資料は、事前に送付させていただきました資料1から資料5まで、資料3は1と2がございますので、計6部でございます。
なお、資料5につきましては、非公開の議事に係る資料でございますので、非公開とさせていただいております。取扱いには御注意いただきますようお願いいたします。
また、本日は、北村委員、山中委員から欠席の御連絡を受けております。そのほか、神内、平塚委員からは遅参との連絡を受けておりますので、御報告いたします。
【渡邉座長】 配付資料等に不備はございませんか。
何かございましたら、Zoomのチャット機能で事務局のほうにお知らせください。
それでは、議事に入ります。本日の議事は、今年度の3つのテーマについて、「危機管理マニュアル」と「安全教育」については(1)と(2)として、調査研究の進捗報告をいただきます。また、「学校事故予防に向けたデータの活用」については、議論において個々の学校事故に触れる可能性もありますことから、非公開とさせていただきます。(5)として、最後に協議をお願いできればと考えております。さらに、(3)として、令和6年度の学校安全に関する施策のフォローアップを御報告いただくとともに、これを踏まえた来年度の第4次計画の検討に向けた課題についても協議いただければと考えております。その他では、昨年度の有識者会議「審議のまとめ」を踏まえた、最新の文部科学省の動きについて報告をいたします。
それでは、1つ目の議事に入ります。議事(1)「危機管理マニュアル等の見直し・実効性を高める方策」の進捗報告について、事務局から御説明をお願いいたします。
【合田補佐】 では、資料1を御覧ください。スライドの投映をお願いいたします。
こちらでは、「危機管理マニュアル等の見直し・実効性を高める方策」について、NTTデータ様に委託をして進めております調査研究の進捗報告をさせていただきます。
スライド4まで進めていただけますでしょうか。まず、7月の第1回有識者会議の資料がこちらでございますけれども、今年度は、各学校における危機管理マニュアル等の実効性を高める見直しの観点や手法等を整理した資料を作成することを目的としております。
次のスライドをお願いします。全体のスケジュール感についてでございます。前回7月の第1回有識者会議の後、NTTデータ様において調査の進め方やヒアリング先の選定案、成果物のイメージなどについて検討を進めていただきました。また、その間、大木先生、桐淵先生、桜井先生、平塚先生に御協力をいただき、小グループヒアリングを一回開催し、意見をいただきながら進めてきたところでございます。
今回、第2回の有識者会議では、現時点の先進事例の選定方法や分析の状況、成果物のイメージについて報告をさせていただきます。その後、また小グループヒアリングを挟みながら、12月の第3回会議では成果物の素案、年明け2月の第4回会議で成果物の案を協議いただければと考えております。
次のスライドをお願いします。調査の進め方についてでございます。こちら、当初は教育委員会等に対するアンケート調査を最初に実施することを想定しておりましたけれども、第1回の会議におきまして、学校現場の負担などに配慮すべきとの意見がありまして、最初の先進事例を把握するアンケート調査については、既存資料を活用した机上調査に切り替えることといたしましたので、まず、その点を御報告いたします。
さらに、全体の調査の流れについてでございます。まず、収集すべき先進事例を設定した上で、学校安全総合支援事業の成果報告ですとかセーフティプロモーションスクール認証校の資料、また、大臣表彰などを受けている受賞校といった資料などを基に机上調査を実施いたしまして、一部の有識者の先生方には事例の紹介も依頼をしたところでございます。これらに基づきまして、候補となり得る学校や学校設置者について幅広に抽出したロングリストを作成の上、ここからさらにヒアリング対象を絞り込む基準を設定し、これに基づいてヒアリング候補を決定するという流れをイメージしております。
具体的なヒアリング先の選定の検討についてでございます。
まず、ロングリストの抽出に当たりまして、危機管理マニュアルの作成や見直しの手法といたしまして、訓練、評価、改善の見直しサイクルが確立していることを挙げまして、具体的な要素といたしましては、例えば、校内の事故事例、ヒヤリハット事例、避難訓練、管理職訓練、コミュニティ・スクールをはじめとする地域との連携や専門家の振り返りを活用している。国からの最新情報や、これまでの重大事故などを反映している、行政間との連携等、学校の特性に合わせた情報収集の体制があるといったことを挙げております。
また、危機管理マニュアルの作成や見直しの内容といたしまして、マニュアルが実際に機能するために十分な項目について記載されており、見直し・改善もされていることを挙げ、具体的な要素としては、災害時の情報収集体制がしっかりしているか、人事異動等による分担や組織の変更はないか、施設・設備や通学路、児童生徒等の状況に変化はないか、地域や関係機関との連携に変更はないか、防災避難訓練、研修会等における図上訓練で問題点や課題に発見があったかどうか、他校の事例や社会情勢の変化等から、事項に不足している項目はないかといったことで見直しを行っているといったことを挙げてございます。
次のスライドです。これらにつきまして、学校と学校の設置者の両方について抽出をいたしまして、手法の観点では80事例、内容の観点で23事例を抽出いたしました。ただし、こちらにつきましては一部重複もございますことから、ロングリストとしては、計92の事例を抽出したというところでございます。
そして、さらにこのロングリストの中からヒアリングする対象を選定するために別途基準を設けまして、約20件程度候補を決定し、さらにヒアリングの内容を踏まえて、最終的には10から15事例程度を成果物に掲載していく予定としてございます。
なお、ヒアリング先の選定基準の考え方ですけれども、こちらに記載しているとおりでございますが、PDCAが毎年継続するための仕組みが明確に備わっており、具体的に定められている。継続的かつ効果的・効率的なPDCAに向け、学校管理者の役割が具体的に定められている。検証のためのインプット情報や方法が明確に定義され、効果が期待される。最新動向や過去の学びを反映している。行政や外部有識者と明確に連携し、効果を創出している。検証・見直しすべき項目が明確に定められている。地域事情に応じた項目がマニュアルに記載されている、といった内容について、幅広く当てはまるものから優先的にヒアリング対象として選定をしているというところでございます。
なお、現在の進捗状況といたしましては、ヒアリング対象を随時選定しながら、対応いただけるか照会をかけまして、随時ヒアリングを開始しているという段階でございます。まだ途中の段階でございますので、本日、もしこういった観点での対象も加えたほうがいいといった意見などがありましたら、追加の検討なども可能でございます。また、もしも個別に推薦したいヒアリング対象などがありましたら、後ほど事務局宛てに御連絡をいただくという形でも結構でございます。
続いてお願いします。最後、成果物のイメージでございます。現在、先ほどのヒアリング選定基準に基づきヒアリングを開始しているところでございますが、出口となります成果物については、現時点でこのようなイメージを持っております。
まず、これまでの危機管理マニュアルについては、「作成の手引」ですとか「評価・見直しガイドライン」といった資料を作成してきたところでございますけれども、これらは基本的に危機管理マニュアルに記載すべき内容について、見直しの際の留意点も含めて整理をしてきたものでございます。
一方で、今年度作成する資料につきましては、実際に各学校において危機管理マニュアルの運用あるいは見直しが実効性のある形で行われるよう、都道府県・市町村、それぞれ設置者の立場も含む教育委員会と学校の校内体制、この2つの観点に分けまして、先進的な実践事例について、その背景やプロセス、成功要因、阻害要因などを分析しながら、主に組織体制ですとか運用上の仕組みに関する具体的なポイントについて解説をするといった内容としたいと考えております。
また、そういった内容ですので、主な読者層といたしましては、教育委員会などの学校安全関係者や各学校の管理職レベルを想定しているところでございます。
なお、このような方針を踏まえまして、仮題ではございますけれども、ここに書いてございます「【教育委員会の学校安全関係者・学校管理職必読】実効性のある危機管理マニュアルの運営・見直しのための実践解説」といったものを考えているところでございます。
また、単なる事例集ではなく、先進事例の各条件の成功要因・工夫の本質が具体的なポイントとして見えるよう、個々の事例を切り口としながら、例えば、教育委員会において、各学校の危機管理マニュアルが実効性のあるものとなるために、どのような支援を行っているか、例えば、マニュアルの点検ですとか、研修の実施など。また、人事異動への対応などを含め、校内で各教職員に対してどのように危機管理マニュアル内容を習得させているか。また、マニュアル見直しについて実効性のあるものにするため、どのような校内体制で実施しているか、地域の関係機関等との連携、避難訓練等の実践結果の反映など、どのような仕組みを設けているかなどといった切り口について、10から15事例程度をベースとしながら、具体的な解説をそれぞれお示ししていければと考えております。
こちらについてはまだイメージの段階でございまして、ヒアリングの成果によってまた変わり得るものではございますけれども、現時点でこちらのイメージに御意見等ございましたら、いただければと考えております。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。
【渡邉座長】 今御説明ありました内容につきまして、御質問、御意見がありましたら、お願いしたいと思います。特にヒアリング対象の選定について、ほかにも切り口があるかどうかとか、成果物のイメージについて、御意見がありましたら、積極的にいただければと思います。Zoomの挙手機能を使っていただいて御発言いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
小川委員、お願いします。
【小川委員】 御説明ありがとうございました。
ヒアリングする際の項目としてお願いしたいことがあって、見直しのプロセスがどうだったのかということは重要かと思います。見直しの項目はおっしゃるとおりでいいのかなと思うのですけれども、プロセスとして、どれだけ負担がかかるかということもやはり大事な指標だと思います(どれぐらい時間を要したのか、何名の人が関わったのかなど)。
中核となる先生が一人で見直したというのは、それはそれでいいのかもしれませんが、全体として共有ができていないという問題があるし、多くの人が関わって見直したとなれば、それはそれで全体共有ができて実効性あるものとして評価できますが、多くの人に負担をかけてしまっている。実効性あるものにするために、どういう手続きで、どれだけコストをかけて、どれだけ時間を要したかという点も評価の対象になるのではと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。後でまとめて事務局より回答をいただきたいと思います。
次に、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。
御説明ありがとうございました。結構大変な調査をされているのではないかなと思っておりますが、ちょっと私の理解が不十分なので、教えていただきたいのですけれども、スライドの8ページですか、これが選定の手順ということで、ヒアリング先を選定するのに、こういう手順を取りましたという御説明なのだろうと思っております。
そのスタートポイントとして、収集すべき先進事例を設定というふうにあるのですけれども、これは恐らく、その次のスライドに書かれているお話を見ると、そもそも先進的な取組って何なのかを設定して、それから、それに該当するものをロングリストを出して挙げていくという意味なのかなというふうに理解しました。それがもし間違っていたら、そうおっしゃっていただきたいのですけれども。
そのときに、マニュアル見直しの先進的な取組って例えばどういうものなのというのをどうやって考えて挙げられたのか。例えば、9ページの右側にある手法について、要素としてこういうものですよ。恐らく、この要素と書かれているものが、これは先進的な取組に該当しますねということだと思うのですけれども、これで必要十分だというのはどうやって考えてどう決められたのかとか、下の内容については、要素というところは、そもそも「しっかりしているか」みたいな問いかけ文になっていて、しっかりしているとか、変更がないということが先進的な事例という位置付けに当たるという意味なのかしら、どうなのかしらとか、そもそもこういうのは先進事例だという根拠は何ですかというのを教えていただければと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。後でまとめていただきたいと思いますので。
桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 11ページ、成果物のイメージについてです。単純なレトリックの問題かもしれませんけれども、主な読者層として学校の管理や組織運営のリーダー層がきちんと読むようにというのは分かりますが、教育委員会の「学校安全関係者」という表記が気になります。教育委員会という組織そのものが、学校を含めて教育施設の管理・運営全体に責任を持っているわけで、あえてここで「関係者」という、個人に絞り込むような表現はやめたほうがいいのではないかと思います。この表現で、対象がぐっと狭くなってしまうという恐れを持ちました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
今、ほかには手は挙げていらっしゃらないですかね。
それでは、今3名の委員の方からの御意見と御質問がありましたので、これについて、事務局のほうから御回答いただきます。
【合田補佐】 事務局でございます。
まず、小川委員からいただいた御意見につきましては、おっしゃるとおり、見直しのプロセスのところに着目するのは非常に重要かと思っておりまして、今まさにヒアリングを始めておるんですけれども、各ヒアリングをする対象ごとにヒアリングの項目というのはオーダーメイドでつくりながら今聞いているようでございまして、いただいた御意見をしっかり踏まえながらヒアリングしていきたいというのがまず1点でございます。
続きまして、首藤委員から御質問いただいた件でございます。スライド8、9のこの大まかな流れについては、基本的には首藤委員がおっしゃったとおりの流れをイメージしてございます。
その上で、この収集すべき先進事例の設定をどのように行ったかということでございますけれども、基本的に、こちらに書いてございます学校の危機管理マニュアル作成の手引の考え方をベースに、基本的にはそれを要素として盛り込んで整理しているところでございまして、この「~しているか」というのが、ここからそのままコピー・アンド・ペーストして書いたものでございますので、基本的にはそれをちゃんとやっているかどうかというのが、この要素という意味でございます。また、有識者会議の1回目の意見なども参考にしながら設定をしているというところでございます。
最後、桐淵先生の御意見でございますけれども、成果物のところ、イメージといたしましては、教育委員会のほうでいわゆる担当課と呼ばれるところ、教育委員会によって若干担当している課が違う場合もあるかと思うんですけれども、学校安全を担当している課のところは研修等様々実施しているかと思いますので、基本的にはその担当の方々を想定して書いているところでございますけれども、関係者という表現が分かりにくいということでしたら、その辺りの修正は検討したいと思います。
以上です。
【渡邉座長】 多分、今のお話に関わると思うんですけれども、首藤委員のほうからまた御質問、御意見あると思います。お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。
御回答ありがとうございました。そういった状況だということは理解できました。
その上でなんですけれども、そもそもマニュアル見直しの取組として先進的な取組をしているかどうかというのは、過去の資料等からだけではなくて、実際の事例を見て、なかなかほかにはない取組だなというのが結構あると思うのですね。なので、先にこの枠を設定するのではなくて、机上調査で出てきたものを、多分グループヒアリングとかで有識者の先生に集まっていただいて検討いただくので、その先生方に見ていただいて、これはなかなかいい取組なんじゃないなどというふうな形でヒアリング対象に加えるとかをしていただいたほうがいいかなと思います。
もう一つは、あくまでも今回の調査は、見直しの取り組み方とか、やり方とか、そういったことについての調査ですけれども、良い取組であるかどうかということは、その取組によって見直されたマニュアルがよいものになっているかというのが大事だと思うのですね。すごく珍しくていい取組だけど、出来上がったマニュアルはそんなに大してよくなっていないというのでは意味がないので、見直されたマニュアルがどれだけよくなっているかというものは必ず見ていただいて、その上で、非常にいいマニュアルになっているから、詳しくどうやってやったのかということを調べてみようという観点も大事かなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
これについて、事務局から何かございますか。よろしいですか。
【合田補佐】 大変貴重な御意見ありがとうございます。
おっしゃるとおり、これからまだ深掘りしている途中だと思っておりますので、いただいた御意見を踏まえながら、NTTデータ様とも協力して、さらに調査を進めていきたいと思っております。
【渡邉座長】 議題(1)につきまして、ほかには何か御質問、御意見ございますか。よろしいですか。
それでは、次に進みたいと思います。議事(2)「学校における安全教育の取組の更なる充実」の進捗報告について、事務局から御説明をお願いします。
【合田補佐】 では、資料2を御覧ください。投映をお願いいたします。
こちら、学校における安全教育の更なる充実についてですけれども、こちらもNTTデータ様に委託して進めております調査研究の進捗報告という形でございます。先ほどの危機管理マニュアルに関するお話と基本的には同様の流れの御説明となります。
スライド4まで進めてください。まず、7月の第1回有識者会議の復習になりますけれども、今年度、安全教育の取組に関する先進事例等を収集し、各学校における安全教育の体系的な実施や指導内容を充実するための観点や手法等を整理した資料を作成することを目的としてございます。
続いて、全体のスケジュール感、こちらもほぼ同様でございますけれども、前回7月の第1回有識者会議の後、NTTデータ様において、調査の方向性、成果物のイメージなど検討を進めていただいております。こちらにつきましては、大木先生、小川先生、坂井先生、藤田先生、𠮷門先生に御協力をいただきまして、小グループヒアリングを1回開催させていただき、意見をいただきながら進めてきたというところです。
今回の第2回会議では、現時点の先進事例の選定方法や分析の状況、成果物のイメージについて報告をさせていただきます。
また、その後も小グループヒアリングを挟みながら、12月の第3回に成果物の素案、年明け2月の第4回の会議で成果物の案を協議いただければというところでございます。こちら、先ほどとほぼ同じ流れを想定してございます。
続きまして、調査の進め方について、こちらも同じなんですけれども、アンケート調査を当初は実施することを想定しておりましたけれども、やはり負担の観点などを踏まえまして、こちらも既存資料を活用した机上調査に切り替えたというところでございます。
全体の調査の流れです。こちらもほぼほぼ同じではございますけれども、まず、収集すべき先進事例を設定した上で、学校安全総合支援事業の成果報告ですとかセーフティプロモーションスクールの認証校の資料等々を基にいたしまして机上調査を実施いたしまして、まずロングリストを作成、さらにヒアリング対象を絞り込む基準を設定して、ヒアリング候補を決定していくという流れでございます。
続きまして、具体的なヒアリング先の選定の検討についてです。
まず、ロングリストの抽出に当たりまして参考といたします資料としては、『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』の第2章「学校における安全教育」の主なポイントに基づくことを基本方針といたしまして、具体的には、例えば、安全に関する資質・能力の育成を目標とした取組になっている、効果的な教育課程が編成されている、適切に学校安全計画に位置付けられている、児童生徒の主体的な行動が促進されている、様々な評価手法の検討、実施、改善がなされているといったことを挙げているところでございます。
続きまして、これに基づいて、収集すべき先進事例に合致するロングリストとして、250事例抽出いたしました。さらに、このロングリストの中からヒアリングする対象を選定するために、別途基準を設けまして、約25件程度候補を決定し、さらにヒアリングの内容を踏まえながら、最終的には15から20事例程度を成果物に掲載する予定でございます。
なお、ヒアリングの選定基準につきましても記載しておりますけれども、例えば、学校設置者または学校が主体的に実践していること、汎用性や模範性が高い(真似しやすい・多くのケースに当てはまる)といったこと、取組の阻害要因、プロセス、成功要因・背景の情報の把握ができること、先進事例の各条件について工夫して実践している事例が複数あること、といった内容について幅広く当てはまるものから優先的にヒアリング対象として選定をしているところでございます。
また、その際、学校の設置者の事例ですとか、日本全国の事例のバランス、私立の事例も含むといった点、また、学校種ごとの事例のバランス、さらに災害安全、生活安全、交通安全の3領域、このバランスにも考慮しながら選定していくということとしております。
なお、現在の進捗状況といたしましては、こちらもヒアリング対象を随時選定しながら対応いただけるか照会をかけて、随時開始しているという状況でございます。まだ途中の段階でございますので、本日、またこういった観点での対象も加えたほうがいいといった意見などありましたら、追加の検討などをさせていただければと考えております。
また、もし個別に推薦したいヒアリング対象などがありましたら、また後ほど事務局宛てに御連絡をいただくという形でも結構でございます。
次、お願いします。最後、成果物のイメージでございます。
現在、先ほどのヒアリング選定基準に基づきヒアリングを開始しているところでございますけれども、出口の成果物、現時点のイメージでございます。
まず、これまでも、例えば「実践的な防災教育の手引き」をはじめ、個々の実践的な授業事例に着目した安全教育の好事例集は作成されてきたところでございますけれども、今年度作成する資料については、教育活動全体を通じた安全教育が効果的に実践されるように、先進的な事例について、その背景やプロセス、成功要因、阻害要因などを分析しながら、主に学校の安全教育の評価の取組を含めまして、安全教育全体における運用上の仕組みに関する具体的なポイントを解説するといった内容としたいと考えております。
また、そのような内容ですので、主な読者層としては、教育委員会学校安全関係者、先ほど申し上げましたが、いわゆる学校安全担当の部署をイメージしております。また、各学校においては、学校安全の中核を担う教職員をはじめ、安全教育を実践する方々を対象とすることを想定しております。
なお、こういった方針を踏まえまして、仮題は、「【教育委員会の学校安全関係者・学校の安全教育実践者必読】教育活動全体を通じた効果的な安全教育のための実践解説」といったものを考えているところでございます。
また、単に事例集ではなくて、先進事例の各条件の成功要因・工夫の本質が具体的なポイントとして見えるように、個々の事例を切り口としながら、例えば、安全教育の目標といたしまして、安全に関する資質・能力の育成を目標とした取組になっているといったこと、安全教育の内容として、効果的な教育課程が編成されていること、安全教育の進め方として、適切に学校安全計画に位置付けられていること、また、児童生徒の主体的な行動が促進されていること、安全教育の評価において、様々な評価手法の検討や実施、改善などがなされているといったことを切り口としてイメージしてございまして、これらについて、15から20事例程度をベースとしながら、具体的な解説をそれぞれにお示ししていければと考えております。
こちらにつきましては、まだイメージの段階ということでございまして、ヒアリングの成果で変わり得るものではございますけれども、現時点での御意見がありましたら、ぜひいただければと考えております。
説明は以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、同じく御質問、意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
では、桜井委員、お願いします。
【桜井委員】 ありがとうございます。事務局の皆さんも何本も調査が進んで、いろいろ大変かと思います。よろしくお願いします。
1点、気になったのですけれども、先進事例の選定の基準やその取りまとめの方向の中で、方針がすごく学校内で完結しているような印象を受けまして、安全教育、学校と地域の連携をいかにして進めるのかという点は、第3次学校安全推進会議でも掲げられている重要な目標になっておりまして、私の今までの経験や理解では、学校と地域の連携を進めていくに当たっては、私の経験は限られますけれども、教育というのが一番やりやすい分野かなと思っております。
訓練ももちろんそうなのですけれども、訓練に巻き込むよりも、教育に地域のリソースをどこまで動員するのかというところは、先ほどの実効性の高いマニュアルにもありましたけれども、地域特性を反映した防災教育というのは、地域の住民のほうがよく知っている。学校の先生だけでは限りがあるというところなので、その視点が今までの検討の中で入っているのか、今後入れていくのかについて確認ができればと思います。
ありがとうございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。後でまたまとめて事務局のほうからお話しいただきたいと思います。
それでは、𠮷門委員、お願いします。
【𠮷門委員】 𠮷門でございます。ありがとうございます。
私は、選定の基準のところでお尋ねしたいと思います。このスライドの9から10にかけて、どういうところを選定するのか、何が先進事例なのかということです。5つの項目に照らして、条件に照らして250事例を選出され、今のところ、そこからさらに絞り込んでいるという御説明であったかと承知していますけれども、この項目は全てを合致しているものを選んでいるのか。非常に重要な項目なので、全てが関連性を持っていると思うのですね。だから、全てに合致しているものとして選定しているのでしょうか、それともどれか一つにでも引っかかれば選定されているのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。後でまとめて回答いただきます。
それでは、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。
先ほどの危機管理マニュアルに引き続き、やはりここも選定基準の設定のところが、ほかの先生方からも出ていたように、非常に気になりまして、挙げられている何が先進事例なのかという条件、5点はもちろんとても大事なことなのですが、やっぱりこれって本当にこれだけで必要十分なのでしょうかというのが非常に疑問に思います。先ほど桜井先生がおっしゃられていたように、例えば、3次計画でも書かれていたりするので、「生きる力」に書かれていることだけではなくて、もっと最近のいろいろな計画ですとか、その他で安全教育の大事なポイントとして挙げられているものをしっかり拾い上げて、その上で検討されたほうがいいのかなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、村上委員、お願いします。
【村上委員】 いろいろと本当に様々な事例を選定していただきまして、御苦労さまでした。
その中で、皆さんがおっしゃっていますように、この選定の基準のことについて、やはり若干不安定なところを感じております。それはなぜかと言いますと、その事例が全ての学校に当てはまるのか、それとも特異性があるのかなどの視点も鑑みながら行っていかなければ、もしガイドラインが発表された後に、いや、これはなかなか使えないよねというような事例が多く出てしまうと、あまり効果が上がらないことがあります。そのことも鑑みながら、選定はどのようになっているのかお伺いできればと考えました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、小川委員、お願いします。
【小川委員】 御説明ありがとうございました。
私も選定基準のところが気になりました。10ページのところで、一番知りたいのは、なぜそういう先進的な取組を推進することができたのか、その背景要因を知りたいと思います。それを成果物のイメージとしてどう反映するは、また御検討いただきたいと思いますが。
例えば、管理者の理解があった、非常に熱心な先生がいたなど、いろんな要因が絡んで先進的な事例を取り組むことができたということになると思うのですけれども、先進的な事例を選定する基準(10ページ目の3つ目の黒丸のところ)にそれを書いているのですけれども、それを机上の資料の中から果たして読み取れるのかなと思いました。
先進的な事例があって、こちら側から、なぜこんなにすばらしい取組ができたのかを知りたくて選んでいくというのと、机上の資料からそれらを読み取れるのかどうかというのは方向性が異なるものと思いました。10ページ目の3つ目の黒丸をここで選定基準として入れるかどうかというのは、ちょっと疑問に思いました。これがなくても、こちら側から知りたいということで尋ねていく方法もあるのかなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
皆さん、選定基準のところがすごく疑問を持たれているというところだと思います。
事務局のほうに御回答いただく前に、私からも1点だけ質問させていただくんですけれど、成功要因と書いてあるんですけれど、一体ここの成功というのは何をもって成功と言っているのかというのが気になるんですね。つまり、学校の中の子供たちのけがとか事故とかが減ったということなのか、資質・能力が身についたのかどうか、ただ運営がうまくいったのかどうかという、その成功というのが何を指しているのかがよく分からなかったものですから、これもちょっと御説明いただければと思います。
それでは、事務局のほうから御回答をお願いいたします。
【合田補佐】 ありがとうございます。
まず、先進事例設定のところがやはり一番大きく意見をいただいたかと思っておりまして、こちら、まず汎用的なところで「生きる力」を使いましたけれども、今回いただいた御意見も踏まえて、例えば、地域との連携の要素ですとか、また、安全教育の最近の計画等々のポイントをちゃんと網羅できたかどうかというところ、桜井先生ですとか首藤先生からいただいた御意見については、改めて今のロングリストのところで対応できているかどうかというのは確認をして、そういった要素も入れて選定を進めたいと思ってございます。
また、𠮷門先生から御質問いただきました件でございますけれども、こちらロングリストにつきましては、いろいろな要件について一つでも引っかかっているものをなるべく幅広に拾っていくというような形でやっておりますので、結構件数が多くなっているというところがございまして、その中でも、特に引っかかっている要素が多いものから順番にヒアリングの優先順位を上げているといった状況でございます。
また、村上先生からいただきました御意見でございまして、汎用性のところはおっしゃるとおりかと思ってございます。こちら、ヒアリング先の選定基準のところでも書いてございますけれども、選定するだけではなくて、実際に聞いていった中で、これがどれくらい汎用性を持っているかというところもきちんと確認をしながら、最終的に取り上げるものとして選んでいきたいと思ってございます。
また、小川先生からいただいた御意見のところもちょっと重複するところもあるかと思うんですけれども、おっしゃるとおり、プロセスの話については、机上調査である程度分かるものと、ヒアリングしないと分からないというところがあるかと思っておりますので、机上だけで分かるものは、それは一つプラスの要素として入れてはおりますけれども、そこに入っていないものも、ヒアリングの際にはきっちりそういったことは確認をしていくといったことで、なるべくそういったものが見えるものを抽出していきたいなと思っております。
最後、渡邉座長からいただきました御質問、成功のポイントのところなんですけれども、すみません、ここは言葉の要素が難しい面はあるんですけれども、イメージとして、やはりそういうレベルの高い安全教育をなぜ実施できていたのかというようなイメージでの成功なので、なかなか評価とか、成果とか、そこまでを想定したイメージの言葉というよりは、なぜこれができたのかといった意味で使っているというふうに認識しております。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
どうでしょうか。御質問いただいた委員の皆様、それについて、また何か。
首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 首藤です。いただいた回答は、取り入れていただけるということでしたので結構なのですが、もう1点申し上げたい意見があって、よろしいでしょうか。
【渡邉座長】 どうぞ。
【首藤委員】 成果物のことなのですけれども、特に防災教育、安全教育に関してなかなか難しいのは、過去に良好事例集が結構たくさん出ていて、そことどう差別化をするかというのはすごく難しいのかなと思っています。事務局からの御説明の中でも、全体の運用の仕組みの具体的なポイントを示しますよという御説明とかで、今までの個別の教育実践例とは違うということを恐らくイメージされているのかなとは思うのですけれども、そこをもうちょっと具体的にかなり考えないといけないかなと思っています。
なので、恐らくは、一つ一つの事例を取り上げるのではなくて、安全教育全体をうまく運用する仕組みにはこんなポイントと、こんなポイントと、こんなポイントと、こんなポイントがありますと、幾つか、それこそそれが15とか20になるのかもしれませんけれども、ポイントをまず整理して、そのポイントについてうまくやった事例がこれとかこれですみたいな、そういう形の整理をされるといいのかなと思いました。一つずつの事例で、この事例がこういういいところと、ああいういいところと、こんないいところがありますという示し方だと、今までの事例集と差別化できないので、そこは一工夫、二工夫していただく必要があると思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
では、𠮷門委員、お願いします。
【𠮷門委員】 ありがとうございます。
御回答もありがとうございました。恐らくそうではないかなと思いながら御質問させていただいたところがあります。
それであれば、この5つのポイントの中でも、先進事例の条件の中でも、適切に学校安全計画に位置付けられているというのは当たり前のことなので、それが本当に先進事例になり得る事例になるのかというところはありまして、そういうことも含めて関連していますよねということで御質問申し上げました。
それから、前回の第1回目のときにも申し上げたと思いますが、先ほど首藤委員もおっしゃいましたけど、今までの事例集で出てきている事例と何が違うのかということです。今回新しく先進事例として出すのであれば、何が先進事例なのかということをある程度イメージした上で選定していく必要があると思います。
そこで、私は何度も申し上げておりますとおり、この項目の中で、様々な評価手法の検討、実施・改善がなされているということ、これに尽きると思っています。学校安全計画の中にちゃんと年間指導計画をつくって位置付けているというのは当たり前のことですし、資質・能力の目標設定をしないで何の教育ができますかということもありますから、1番目の項目も、そもそも当たり前なのです。
こんなことをやってみましたとか、とにかくやってみるというレベルではもうないと思います。今まで全国で実践されてきたものから集めて、文部科学省として、これから安全教育の方向性はこういうことが必要なのだということを示すための事例集であると私は承知していましたので、例えば、評価手法の検討、目標設定をして、それから、それに併せて、発達段階に応じてこういう計画で指導しました。最終的には、効果をこんなふうに測ってみました。それは年度途中でも単元ごとでも構わないと思いますけれども、そういう成果意識を持ってPDCAサイクルを回そうとしているという事例が集まってくるのが、このタイミングで作る事例集としては必要ではないかなと思ったものですから、先ほどの質問もさせていただきました。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、坂井委員、お願いします。
【坂井委員】 ありがとうございます。
私も、成果物が最終的にどんなものが出てくるのか気になっています。また、学校に下ろされたときに、それが本当に活用して役に立つものになってほしいと願っています。本校が令和4年度全国・東京都学校安全教育研究大会の発表をさせていただいたときに、第3次学校安全の推進に関する計画に沿って、推進方策1だったらこんなことをやっている、2だったらこれをやっているというふうに冊子の中にまとめました。しかし、本当にこれをやっていると言ってオーケーなのか。まだまだこれは足りないとか、ここはいいところまで来ているとか、評価規準のようなものがあると、さらに学校としてはPDCAサイクルに乗せて、上を目指していけるなというふうに考えていました。今回第4次というところを目指す中でも、自分の学校の学校安全管理とか安全教育がどのレベルにあるのかを、それぞれの教育委員会なり学校なりが判断できる、先ほど首藤委員がポイントというふうにおっしゃっていましたけれども、レベルを明確にできたら、もうちょっと上を目指していこうとか、ここは足りているから、じゃ次の年はここをもう少し重点的にやろうというのが分かりやすいのではないかなと思いました。
本校もSPSの認証を取れたらいいなと考え、SPSを一つの判断材料にしているのですけど、なかなかレベルが高くてそこまで行けない、地域の連携もまだまだだなというふうに思っています。成果物に載る好事例が、推進方策1のここで選ばれているとか、推進方策2のここで選ばれているというような評価したポイントを示していただけるとありがたいなと思っております。
以上です。
【渡邉座長】 それでは、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 大阪教育大学、藤田です。
私のほうから、この安全教育の資料等を作成していくに当たって、現在、次期学習指導要領の改訂等が進められている中で、各教科や特別活動とかを含めながらの活動も入ってきますが、その際、どういう視点で子供たちの安全教育の活動をするのか、いわゆる知識・技能であったり、表現とか態度、学びに向かう力、人間性など、そういった観点について大きな評価ポイントが出てきていますので、ぜひ今回まとめられる成果物等の中にも、アピールできるようなものを編集方針の中に入れていただきたいと思っています。
この編集方針で、先ほどからいろんな委員の先生方から、評価手法であったり教育課程の編成等が出てきておりますので、その辺りも含めながら、具体的にこういったポイントで使われて実践されたということが共有され、今後の学習指導要領での安全教育の位置付けというものが強化されていく一つのきっかけにできればいいと考えていますので、さらに御検討いただきたいと感じた次第です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
今、藤田委員からもありましたように、ちょうど学習指導要領の改訂の時期と重なっているものですから、齟齬があってもいけないと思いますので、その動向を見て、合わせていただきたいなと思いますね。
皆さんからたくさんの御意見……。
大木委員から挙がりました。お願いします。
【大木委員】 ありがとうございます。
今、評価指標のお話がちょっと出てきたのですけど、安全教育について研究する立場として、現場が評価の指標が欲しいのだなということを今すごく実感しました。一方で、評価自体がすごく難しくて、評価指標がつくれるものだけで指標をつくっちゃうと、そっちばっかりやるようになってしまうという、いわゆる偏差値を測るようなものばっかりやって受験しているみたいな状況になるので、これどうしたらいいのだろうというのをずっと考えてきました。
今ちょっとお話を伺っていて、効果的に安全教育をやっていく中で、必ず全員できなければならないこと、例えば、机の下に入るとか、上履きのかかとを踏まないとか、絶対できるようにならければいけないこと、大人で言ったら、AEDとか、心肺蘇生とか、そういうのは点数付けができるのですよね。では、それだけできたら大丈夫かというと、そうではない。それだけできれば大丈夫の思想になっているから、避難訓練はストップウォッチで時間を計るみたいな方向に行っちゃったのだと思うのです。
航空業界のパイロットやCAがどういう訓練をやっているかというのを調べてみると、そういった誰でも絶対できるようにならなければいけない、体が動いてできるようにならなければいけないという訓練のほかに、そういったことを全て使って総合的な訓練、これは成功しようがない、どこかで失敗し得る訓練があります。例えば、停電の中でけが人を置いてみて情報伝達できるのか、とか、そういうのは、いわゆるコンピテンシー訓練というふうに航空業界で呼ばれています。そういった総合的な訓練、みんなが机の下に入るとか、けがをしたお友達に気づくとか、そういったことから、今度はそれを組織全体で見たときに、成功しようがないのだけれども、みんなでやってみるという総合的な訓練、こういった2種類があるということを認識しておかないと、1つ目の点数化できるものだけに行ってしまうような気がしております。
実際の災害で必要なのは総合的なコンピテンシーのほうの訓練なので、コンピテンシー訓練というようなもの、総合的な訓練をやっているところは、実は自ら振り返りをしたくなるのです。指標をつくらなくても、自分は前回に比べてどうだったとか、振り返りをしたときに出てくる言葉が、エンドレスでみんなもう延々出てくるみたいな傾向があります。
なので、先進的な事例として紹介されている学校が、このコンピテンシーのような総合的な安全教育をやっていて、それが非常に効果的である、と紹介された場合に、初歩段階の誰でもできるようになっておくべき訓練ができていない学校がこれに挑むと、指標がないとよく分かりません、というふうになってしまうと思います。取り上げた事例の中で、2つのグループというかレベルがあるということを認識してやらないと、評価の仕方も違ってくるし、どこから取り組んでいいかということも違ってくると思うので、そのような視点を持って分析していくといいかなと思いました。
すみません。長くなりました。以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
大分時間が過ぎていますので、皆さんの御意見は、一応これでこの議事に関しては止めたいと思うのですけれど、多くの委員の方から御意見が出ましたし、特にヒアリング時の条件のところと、それと過去のものとの違いを明確にすることが出てきました。
小グループヒアリングの委員の方全員から御意見がまた出ているのですよね。ですから、ヒアリングの前にもう一度ちょっと詰めていただいたほうがよいのではないかなと思いますので、お時間を取るのは大変かと思いますけれど、もう一回小グループのほうで条件等を決めていただければと思います。よろしいですか。それを検討していただきたいと思います。
【合田補佐】 進め方について検討させていただければと思います。ありがとうございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、次の議事に入りたいと思います。次の議事は、「学校安全に関する施策(令和6年度)フォローアップ」等についてです。このたび、第3次学校安全の推進に関する計画について、令和6年度の取組状況のフォローアップをまとめていただきましたので、その報告とともに、これを踏まえた来年度の第4次計画の検討に向けた課題について、事務局から御説明をいただきたいと思います。
【合田補佐】 続きまして、令和6年度の学校安全の施策のフォローアップ等について御説明いたします。
まず、資料3-1、非常に細かい資料で恐縮なんですけれども、こちら、毎年度作成しております様式で、3次計画の項目に沿って、それぞれ6年度の取組状況を書いたというものでございます。
ただ、こちら、かなりボリュームが多いこともございます。また、データの面では、いわゆる取組状況調査は令和5年度の調査から変わっていないということもございます。あと、来年度いよいよ4次計画に向けた検討が始まるということもございまして、今回は、この6年度のフォローアップを下敷きにしながら、4次計画の検討に向けた課題について抽出をして、資料3-2として、特に重視すべき点を整理してございますので、今回はこちらを中心に御説明をしたいと思ってございます。3-2を見てください。
こちら3次計画の項目ベースでございますけれども、まず、1の学校安全に関する組織的取組の推進についてです。こちら、学校安全を学校経営に位置付けている学校の数ですとか、学校安全計画の定期的な評価・見直しの状況などは、かなり数字としてはよくなってきているところでございますけれども、先ほど𠮷門委員からも御意見ございましたように、やはり教育活動全体を通じた安全教育の取組をさらに推進していく上で、この学校安全計画をどういうふうに活用していくのか。先ほどお話がありました目標、入り口のところ、そこをしっかり定めるということですとか、計画を実施した上での評価といったものをどうしていくのかといった点ですとか、そういったことを、やはりこれから次の安全教育としてしっかり進めていかなければならないと思っておりまして、そこをやっていく観点で、この学校安全計画をどう活用していくのかというところはやはり大きな課題だろうと思ってございまして、課題の1つ目として挙げております。
また、昨年度の本有識者会議の審議のまとめでも強調してございます学校安全の中核を担う教職員の配置の促進、また、研修の充実などを含めました校内組織体制の更なる充実も、引き続き重要な課題だと考えてございます。
さらに、教員養成段階をはじめ、教職員に対するAEDを用いた実習を含む一次救命処置(BLS)に関する研修の充実につきましては、やはり数字的にもまだまだのところがあるというものでございまして、令和6年度に消防庁との連携に関する通知の発出などを進めているところではございますけれども、更なる検討課題として考えております。
次に、2の家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全の推進についてでございます。
こちらも、昨年度の審議のまとめでも強調しておりますコミュニティ・スクールの仕組みの更なる活用を、一つ重要な課題と考えております。
また、昨今の学校を取り巻く事件・事故の状況を踏まえますと、スクールガード・リーダーをはじめとする地域人材の育成・確保、これも大きな課題であると認識をしております。
さらに、令和5年度に策定しております「学校における安全点検要領」、こちら、更なる普及を行いますとともに、やはり働き方改革の観点からも、外部の専門家やデジタル技術の活用、地域住民等の参画促進などにつきましては、数字的にはまだまだなところもございますので、さらに進めていく必要があると認識しております。
また、災害対策に関しまして、自治体・地域・学校間での避難所運営に関する事前協議等につきましては、約8割程度が実施できているという状況にはございますけれども、今般の能登半島地震の経験なども踏まえまして、早期の学校再開や学びの確保支援なども含めまして検討課題であると思っております。
なお、避難所運営に関する事前協議等につきましては、基本的には学校主導ではなく地域側主導で取組が進むことがあるべき姿と考えておりますので、そういった点も踏まえつつ、どのような働き方が必要かといった点は、関係者等の連携も含め対応を検討したいと考えております。
続きまして、3、学校における安全に関する教育の充実についてです。
こちら、一つには、現在中央教育審議会において検討が進められております次期学習指導要領の検討状況、こちらも踏まえながら、3次計画でも課題となっております指導時間の確保や指導方法の工夫、評価の在り方などにつきましては、引き続き、更なる検討が必要だと思っております。今年度の調査研究も踏まえて、さらに深掘りしていくということかと思っております。
また、特に実践的な防災教育、自転車等に関する交通安全教育につきましては、関係省庁の動きも活発なところでございまして、学校だけでなく地域の関係機関等々と連携した教育の充実、これは課題の一つと考えております。
さらに、近年の一人一台端末、また、生成AIなどのデジタル技術を踏まえました効果的な安全教育、こちらにつきましても、今の最新の状況を踏まえまして、さらに検討が必要だと認識しております。
そのほか、いわゆる現代的課題と呼ばれるもの、性被害・加害防止のための「生命の安全教育」ですとか、昨今の猛暑を踏まえました熱中症対策、また、SNSに起因する犯罪被害などへの対策といった点についても、改めて課題となってくると考えております。
最後、4、学校における安全管理の取組の充実でございます。
こちら、今年度の有識者会議のテーマの一つでもあります事故データの分析の話ともリンクしておりますけれども、今年、令和5年度に改定いたしました「学校事故対応指針」の改訂版の更なる普及、また、事故情報の集約・分析、取組の改善等につなげる仕組みの構築、これは引き続き課題となると認識しております。
また、下は再掲ですけれども、「学校における安全点検要領」につきましても、やはり引き続き課題というふうに書いてございます。
さらに、学校の施設・設備の安全性確保のための整備につきましては、3次計画にも記載がありまして、一連の取組が進められておりますけれども、昨今、特に避難所となる学校における体育館のエアコンの確保など、学校施設の防災機能強化など、更なる推進については、学校安全という観点でも課題であろうというふうに認識をしております。
また、生成AI等のデジタル技術、事故データの活用など、科学的なアプローチによる取組の推進、こちらは安全管理の世界におきましても、さらに検討を深めていくべき課題と認識してございます。
なお、これら一連の課題の検討に当たりましては、全体を通してセーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた学校安全の推進といった観点も必要と考えております。
説明は以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思いますけれど、特に来年度の第4次計画の検討に向けた課題については、さらに必要と思われるような点がありましたら、お願いしたいと思います。
では、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 資料3-2、1の学校安全に関する組織的取組の推進に関わる意見です。3つ目の○に、教員養成段階をはじめ、教職員に対するBLS、一次救命処置の研修の充実が取り上げられています。これはとても重要なことです。
しかし、救命処置というのは誰もができるようになってほしいというコアな部分、核になる内容ですが、実際の学校現場では、救命処置の周辺の活動が極めて重要です。救命処置そのものは大体4、5名で可能ですが、それを実行するには、まず人を呼んでくる、AEDを持ってくる、119番通報をする。先生であれば、周りにいる児童生徒に対する指導も、保護者への連絡も必要です。また、救急車の誘導路を確保したり、傷病者を遮蔽する、人目にさらされないように囲んであげたりするなど様々な活動が必要です。
私は、それを「救命活動」と呼んでいますが、救命処置を支える、それを支える周りの応援の活動、救命活動。この訓練をやっている学校が少ないのではないかと心配しています。つまり、想定訓練ですね。総合的な対応訓練です。子供が倒れたときに、例えば、AEDが3分以内に電気ショックできるように届けられるかどうか、処置だけではなくて、それを支える全体的な活動について、やっぱり学んでほしいし、訓練してほしいということ、その視点を入れてほしいというのが1点目です。想定訓練の重要性は学校事故対応指針の改訂版でも指摘されています。
それから、もう1点。最近、教職員による盗撮など、犯罪行為・不祥事防止策として、スマホなどを持ち歩かない、教室に持ち込まないなどという策を打ち出している教育委員会もあると報道されていますが、これで緊急時の通報体制が確保できるのかどうか、非常に心配しております。
心臓に病気のある子などは、教室で倒れて突然死の危機に遭う実際の例があります。最近だと、熊が学校の敷地内に侵入してきたという事例も報道されていますし、不審者の侵入はもうどの学校でも注意しなければいけないことです。
特に突然死の防止のためには、まず現場からの迅速な119番、これが極めて大切で、傷病者の様子を電話口で伝えながら口頭指導を受けることが大切です。これが、子供が倒れたときに職員室まで行って、職員室から電話をしても、子供の様子が伝えられませんので、口頭指導もうまく受けられないし、もしそれで万一重大な結果が生じたときに、校長や教育委員会は多分責任が取れないと思います。
そこで、私的なスマホ、通信機器を勤務中に使用するというのは、もちろん厳禁です。厳禁ですが、緊急事態には、それに対応する策をちゃんと打たなければいけない。例えば、校務用のスマホを職員に配るとか、これは民間企業だと当たり前ですよね。私的なスマホを業務で使ってはいけないわけで、それも含めて、学校の緊急通報体制をいかに確立するかということをぜひ打ち出してほしいと思います。
万一重大事故が起きたときに、もし教職員に通信機器を持たせないで対応が遅れたときには、本当にこれは困ると思います。校務用のスマホが整備されるまでの間は「勤務中の使用厳禁。ただし緊急事態と除く」といったルールを再度徹底するなど、何らかの策を講じておくことが喫緊の課題だと思います。文科省からも呼びかけてほしいと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 藤田です。私のほうからは、家庭、地域、関係機関等との連携の中で、第3次学校安全の推進に関する計画に、保護者の安全点検への参加が入っていたかと思いますので、そういった中で、さらに、子供目線を活用した安全点検、安全活動というのも重要かと思います。
今回の働き方改革等の中で、例えば、休憩時間、休み時間等において安全を確保するために、教員だけではなくて、支援員等を雇い入れる提案も出ていますが、子供たちへの教育を通じて、子供たちの目線で、休憩時間、上級生が下級生に指導できるような体制がつくられていく、そういった学校文化を創造していくという、子供たちの目線を生かした安全点検、安全教育であったり、さらにすぐに達成することはなかなか難しいかもしれないのですが、保護者が通学路であったり、学校の安全点検への参加、第3次学校安全の推進に関する計画で書かれていたことが充実されるような方向へ進むような記述部分をつくっていただければいいなと感じています。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
村上委員、お願いします。
【村上委員】 私からは、これから考えられる少子化の問題がすごく大きい問題だと考えています。2024年度の出生数は約69万人ということで、予想以上に少なく、さらに子供がどんどん減っていくと予測されています。その中で、地域コミュニティがしっかりと出来上がっていくのか、そして、学校統廃合が進むことによって、通学路の拡大など,これまでと違った様々な課題が考えられます。
これから益々進む少子化を考えた中で、学校はどう取り組むべきなのか、地域とどう関わっていくべきなのか、そして、保護者の数も減っていきます。これらの視点も踏まえながら、今後の未来を予測して考えることも重要ではないのかと考えています。
それと、もう1点は、AIの活用が子供の中で頻繁に使われることが予想されます。特に安全ということに関しては、判断力の点において非常に重要な視点になってきます。このことから考えますと、AIの活用が判断力の低下にならないのかという視点も踏まえながら考えていくべきではないのかということで、御報告させていただきました。
以上となります。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、桜井委員、お願いします。
【桜井委員】 ありがとうございます。
私からは、実は、去年の有識者会議のときに、コミュニティ・スクールの学校安全の活用のところでお話しさせていただいた内容、幾つかのポイントに関連してのコメントなのですけれども、今頂いた資料、かなり詳細にわたった資料なのですけれども、項目に分かれているので、この状況だと、項目をまたぐようなアジェンダについて触れることができていないのが、今の状況は限界かなと思っていて、第4次計画に向けて検討する際は、ぜひこの項目間の連携をどういうふうに把握できるかというところを考えていただきたいなというのが大きなコメントです。
具体的には、例えば、今、ちょっと細かい資料なのですけど、最初の1の組織的取組の(1)が、学校経営における学校安全の明確な位置付けとなっているのですけれども、今の主要指標というのを見ると、学校安全を学校経営に位置付けている学校数というのはもう97.4%もあって、非常に進んでいるように一見見えるのですけれども、去年の発表のときに、例えば、横浜市港北区でも、公開されている学校の計画の中で、安全とか防災というのは計画に位置付けているのだけれども、例えば、それを地域と一緒になって連携してやるということについて位置付けられているところは、事例を紹介した北綱島小学校とあと数校しかなかったというような感じで、一見取組が進んで、もう大丈夫と見えるところも、学校安全の3領域を分けて、かつ、そこに学校と地域の連携が進んでいるようにこの計画に位置付けられているのかというのを見ると、実は進んでいないということが見えてくるような、そういったものがこれ以外にもたくさんあるのではないかなと思っていまして、そこの部分をどう対処できるのかというのは一番のチャレンジかなと思います。
そして、2点目は、例えば、避難所運営の話もそうですけれども、今の資料によると、避難所運営は、2の丸3のところにあって、ここについても、地域住民の避難受入れ時の対応について地域の関係機関と協議している学校の割合は8割まで来て、結構進んでいるように見えるのですけれども、一番災害が起きて学校の教職員が避難所運営をしなくて済む方法というのは、事前に地域の自主防災組織なり避難所運営を担当する人たちと、学校が避難所となった場合の運営について協議をして、避難所の初期対応は学校がするにしても、その後の運営についてのマニュアルが事前に検討されてあるとか、それについての避難所運営訓練が地域主導で行われているかというところまでないと、結局、大きな大規模災害が発生したときには、学校に人ががっと押し寄せて、行政も来られないまま、教職員の方が負担を強いられるという状況が変わらないのですね。そういったところまでやはり踏み込んだ指標に変えていかないと、実効性の高まりというのが、一見見えていい数字になっているものに隠れてしまうかなと思っています。
3点目は、教育に関連してなのですけれども、3のところに教育と訓練の連携部分が載っているかと思うのですけれども、(2)地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育の充実というところに、実践的な避難訓練の実施を推進しというふうになっていて、これも一見できたように見えるかもしれないのですけれども、災害種別でかなり差はありますけれども、例えば、学校で避難訓練を地域の災害リスクを踏まえてやるためには、子供たち向けに先生が避難訓練をやりますという教育の問題ではなくて、管理の問題で、学校の避難訓練計画が地域の災害リスクに基づいてきちっと計画されていて、それがマニュアルに書かれて、避難訓練計画というセクションがありますから、そこに入っていて、それに基づいて訓練が行われているという形にならないと、結局、行われているというのが、子供に対して避難訓練を授業でやりましたみたいな形でごまかされて終わってしまっていて、なかなか実際にはうまくいかない。
それに、先ほど言ったように、地域と連携して地域住民や保護者を巻き込んだものになっているかというところ、これはもう物すごく学校防災と地域防災の協働の部分、連携の部分にもなってくるところかと思うのですけど、これがカバーされていないというところがあるかと思います。
というところで、最初のメッセージのとおりでございますが、あとは、先ほど村上委員からお話のあった統廃合と少子化に向けてということで、地域の保護者を通じて、地域の住民を発掘して育てていくという責任を誰が持つのかというところにかかっているような気がして、地域が弱体化している中で、地域に人がいないよねと言っているだけでは、学校への負担がどんどん増してしまう。
【渡邉座長】 申し訳ありません。桜井委員、ちょっと時間が押しているものですから、少しまとめて、よろしいですか。
【桜井委員】 すみません。では、これで失礼します。
【渡邉座長】 それでは、首藤委員、お願いします。
すみません。時間が大分押しているものですから、皆さん、できるだけ簡潔に発言をお願いしたいと思います。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全の首藤です。
私は、資料3-2に、あれ、何で書いていないのだろうと気づいたことが2つあるので、それだけ申し上げます。1つは、危機管理マニュアルの見直しについて、もう一つは、ヒヤリハット報告の活用についてです。
いずれも3-1を見ると、見直しが結構進んでいるとか、ヒヤリハットを定期的に共有していますという形で、あたかもやっているような数字が出ているから多分載っていないのだろうと思いますけれども、現場のお話を伺うと、危機管理マニュアルの見直しというのは、例えば、担当者が異動したから担当の名前を変えたのを、見直しをやりましたと取組状況調査には答えているというところがとても多い、ほとんどはそうだと聞きます。ヒヤリハット報告も、ただ共有するだけでは決して活用はできていなくて、これは一般の企業も、ヒヤリハット報告制度はできて、いっぱい上がってきているけど、それをどうしようと困っている状況なので、現状でできているとは決して言えない状況だと思いますので、それもきちんと課題として取り上げていただきたいと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、小川委員、お願いします。
【小川委員】 私が心配しているのは、学校間の格差がどんどん広がっていくのではないかということです。私たちは専門家ですからいろいろなことを知っているので、あれもこれも盛り込んでほしいとどんどん項目を増やしていき、ハードルをどんどん上げていく。必死になってついていこうとする学校は水準を上げていくことになりますが、そこまではしんどいよねという学校は絶対に出てくるし、私も研修会で全国を回っていますが、それは肌で感じますね。ここまでするのかということをおっしゃる先生も実際いるし、何でこんな研修を受けないといけないのかと言う先生方も実際にはいるのです。一方で、かなり先進的な取組をやっている学校、たとえばITを駆使して共通プラットフォームをつくって、学校安全3領域の危険箇所情報を全部そこに取り入れて、生徒一人一人に個別対応できるような体制までつくっている学校もあります。そうすると、どんどん格差が広がっていくのではと、とても心配しています。熱心に水準を上げていく学校がある一方で、まだ入口のところにいる学校があるということは果たしていいことなのかと思いました。
先ほど坂井委員がおっしゃっていた、自分たちの学校が今どの水準にいるのかということを自己評価できるような仕組みはとても大事だと思います。水準の学校間差を縮める上で、有効に働くのかなと思いましたので、第4次に向けての課題として、学校間差がないようにする、また、入口の段階にいる学校が少しでも水準を上げていけるような仕組みや働きかけを私たちはどうつくるのかというのが大きな課題だと思いましたので、そういう観点の項目を入れていただけたらと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
長塚委員、お願いします。
【長塚委員】 ありがとうございます。
地域とか学校によっても随分差があるかもしれませんが、外国人の子女が非常に増えている地域あるいは学校が、特に都市部ではございます。子供たちがあまり日本の学校の文化も知らないとか、特に親御さんも、地域のことも含めてよく分からないというような場合に、学校の安全のことを、これからの時代の安全を考えるときには、分かりやすく配慮するような、伝えていくようなことも留意しておいたほうがいいのではないか、そういうふうに感じたところでございます。
以上でございます。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
皆様から御要望がかなり出たと思います。時間の関係もありますので、皆様からいただいた御要望をまた事務局のほうでまとめて、次の4次計画のほうに生かすようにしていただきたいと思っております。
それでは、時間もちょっと押しているものですから、次の議事に行きたいと思います。議事(4)、その他報告事項です。昨年度の有識者会議において取りまとめられた「審議のまとめ」を踏まえた文部科学省における最新の対応状況について、事務局から御説明をお願いします。
【合田補佐】 時間も押しておりますので、簡潔に御説明させていただきます。
昨年度の「審議のまとめ」を踏まえたその後の状況なんですけれども、大きくコミュニティ・スクールと、あとは、学校安全の中核を担う教職員の関係で「新たな職」の動きがありました。
コミュニティ・スクールに関しましては、現在担当課において改訂作業中なんですけれども、コミュニティ・スクールの作成の手引というのがございまして、こちらの改訂をしている中に、今、学校運営協議会の承認事項、法律で書くべきものとそれ以外のものがありますけれども、その事項の例として、この学校安全の推進に関することといったことを盛り込むことをはじめ、学校安全に関する記載を様々充実する方向で今調整をしてございますので、これができた暁には、コミュニティ・スクールの中でも、さらに学校安全を積極的に扱っていただけるようにしていきたいと思っております。
また、来月11月8日には、文科省が主催しますコミュニティ・スクールの全国大会、仙台で行われますけれども、防災を関係のテーマとしてやっているということがございまして、こういった取組を通じて、コミュニティ・スクールの関係者にも学校安全のことをもっと知っていただくといったことを進めていきたいと思っております。
また、2つ目の学校安全の中核を担う教職員の件でございます。こちら、9月の末に、委員の皆様には一報でメールもさせていただきましたけれども、いわゆる給特法等の一部改正法が6月に成立いたしましたけれども、今般、9月に施行に向けた通知が出てございます。この中で、「主務教諭」の扱いについて、こちらに書いてございますように記載がございまして、具体的には、例示という形でございますけれども、学校安全といった学校横断的な取組への対応などについて担当し、教職員間の総合的な調整を行うことが考えられるといったような形で説明を盛り込んでいるというところでございます。こちらにつきましては、今後我々のほうで学校安全の関係者の研修ですとか、また、担当者会議の場などにおいても積極的な周知を図りまして、学校安全の中核を担う教職員の配置促進に活用していただけるように進めてまいりたいと思っております。
報告は以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
恐れ入りますが、進行上、次の協議に時間をかけたいと思いますので、今の御説明につきましては、御意見、御質問がありましたら、後ほどメールで事務局までお寄せいただければと思います。
それでは、冒頭でも御説明いたしましたけれど、これ以降の議事につきましては、議論において個々の学校事故に触れる可能性もありますから、非公開で行います。YouTubeで会議の模様を傍聴されていた皆様は、ここで終了となります。
―― 了 ――