学校安全の推進に関する有識者会議(令和6年度)第3回 議事録

1.日時

令和6年12月20日(金曜日)14時00分~(最大2時間)

2.場所

Zoom利用によるWeb会議

3.議題

  1. 「学校安全の推進に関する組織体制の整備と地域等との連携について~複雑化・多様化する課題に対応するための、実効的・持続的で安全・安心な学校づくりに向けて~審議のまとめ(素案)」について
  2. 学校安全に関する施策(令和5年度)フォローアップ等について

4.議事録

【渡邉座長】 時間になりましたので、ただいまから第3回学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。座長の渡邉です。本日も御多用の中、委員の皆様には御出席いただき、誠にありがとうございます。
それでは、事務局から、本日の配付資料と出席委員の確認をお願いいたします。
【遠藤専門官】 文部科学省、事務局でございます。本日よろしくお願いいたします。
本日の資料ですけれども、次第の下のほうにございます配付資料になってございます。資料1-1、1-2、こちらは検討事項で使用させていただきます。それから、資料2-1、2-2、資料3、こちらは報告事項のほうで使用させていただきます。その他、参考資料1-1、1-2、以上が本日使用させていただく資料となってございます。
それから、本日欠席の委員でございますけれども、参考資料1-1の裏面にございます名簿でございますが、上から6人目、嵯峨委員が欠席の御連絡をいただいております。
以上になります。よろしくお願いいたします。
【渡邉座長】 配付資料等に不備はございませんか。何かございましたら、Zoomの挙手機能もしくはチャットで事務局のほうへお知らせいただければと思います。
それでは、議事に入ります。本日の1つ目の議事、有識者会議の審議のまとめ(素案)についてです。
当有識者会議の下に置いた学校安全を推進する組織体制の在り方検討ワーキンググループにおいて、コミュニティ・スクール等を生かした組織的な学校安全の推進について、「学校安全を推進するための組織体制の在り方について中間まとめ」として、この7月の有識者会議で提示いただいておりました。7月の有識者会議以降、ワーキンググループでは、学校安全の中核を担う教職員の役割をはじめとする校内組織体制及び研修について検討を進め、中間まとめを含めた審議のまとめ(素案)として取りまとめていただきました。本日はこの議案のまとめ(素案)を御報告いただき、有識者会議として取りまとめるため、皆様に御意見をいただきたいと思います。
それでは、当ワーキンググループの座長である藤田委員から説明をお願いいたします。
【藤田委員】 学校安全を推進する組織体制の在り方検討ワーキンググループ座長の藤田です。それでは、審議のまとめ(素案)について、御説明します。
まず、前回の親会議後、4回のワーキンググループを開催し、学校安全の組織的な推進について先進的な取組を行っている自治体や学校の校内組織やその取組の状況、各自治体の研修体制、さらに、私立学校から学校安全の校内体制や取組など、成果や課題も含めてヒアリングを行いました。また、これを踏まえ、中核を担う教職員を含む各教職員の役割や校内組織体制、各教職員の学校安全に関する資質能力の向上について内容を検討し、7月末に取りまとめた地域連携に係る中間まとめと合体させる形で、審議のまとめの素案として取りまとめましたので、今回報告させていただきます。
では、資料1-1により報告いたします。表題は「学校安全の推進に関する組織体制の整備と地域等との連携について」、副題には「複雑化・多様化する課題に対応するための実効的・持続的で安全・安心な学校づくりに向けて」とし、本まとめの内容・考え方を端的にまとめる形で表現しています。
続いて、次のページ。本まとめの構成として、目次で説明いたしますが、1と2が中間まとめをベースに、3と4が後半の議論を踏まえ、整理しております。中間まとめで校内組織体制等について言及していた部分については、後半3、4に移し、深掘りしてまとめています。
2ページ目になります。「1 学校安全を推進するための組織体制の整備・充実に関するこれまでの議論について」は、中間のまとめでまとめていた内容ですが、若干の文言整理を加え、全体的な課題意識、地域や関係機関との連携の必要性、実効的な学校安全の推進に向けた校内組織体制や研修の充実の必要性について記載しています。
3ページ目、「2 学校に学校安全を推進するための地域や関係機関等との連携体制の整備」についてです。まず、(1)基本的な考え方については、全体的な文言整理をした上で、白丸の1つ目に、安全教育と安全管理の取組を進めるために、地域との連携の充実が求められること、これまでの災害等の知見や子供の視点を生かすこと、また、地域の多様な連携主体を列挙する形で整理して示しています。
4ページ目、中段、(2)地域や関係機関等と連携した取組の実効性を高めるための留意点についてです。中間まとめにあった校内組織体制の内容は、後半3、4で読み込んでおり、そのほかは若干の文言整理をしております。
5ページ目、白丸の3つ目に、学校運営協議会だけでなく、地域の協議体がある場合には、積極的に活用することが重要であることを追記しています。
中段の(3)今後の施策に関する提言についてです。白丸の1つ目に「学校、保護者や地域住民、関係機関等が課題への対応について共通の認識をもって」としており、連携・協働を図っていくということを強調しています。白丸の3つ目に、安全について学校運営協議会の場で積極的に取り扱われるようにしていくことが重要であることや、国や教育委員会は、好事例の横展開、具体的な協議の手法等を学ぶ研修の実施など、各学校における取組を後押ししていく具体的な方策を講じていく必要があることとしています。ここまでが中間まとめをベースとした記載となります。
6ページ目、ここからが中間まとめ以降議論してきた部分となります。「3 学校安全の中核を担う教職員及び校内組織体制の整備・充実」についてです。まず、(1)基本的な考え方です。白丸の1つ目は、校内組織体制の整備・充実に当たり、学校経営方針の柱への位置づけ、校長等の管理職のリーダーシップ、教職員組織としての適切な役割分担により、児童生徒等の安全を最優先に考える安全文化の醸成を図ることを一番に掲げ、学校の設置者も、校内組織体制の整備・充実が図られるよう、必要に応じて指導・助言していくこと。
白丸の3つ目は、学校安全の取組を組織的に、実効的かつ継続的に推進するための学校安全の中核を担う教職員を校務分掌に位置づける必要があること、中核を担う教職員は、中堅教諭等、一定程度の幅広い業務経験や学校運営への関与経験のある人材を充てることが望ましいこと。
白丸、4つ目は、学校においては、全ての教職員が学校教育活動全体を通じた安全教育、事故の未然防止、緊急避難や救命処置などの適切な対応を行う必要があること、中核を担う教職員のみが学校安全の全ての役割を担うのではなく、教職員全体で適切な役割分担を行い、その円滑な実施を図ることが必要であること。
白丸の5つ目は、学校における働き方改革の観点から、教師の過度な負担とならないよう留意した上で、地域の多様な関係者を含め効果的な連携を図ることが重要であること。その際、学校安全に関する取組について、学校運営協議会の場で議題とすることも効果的であることを記載しています。
7ページ目、白丸の1つ目は、中核を担う教職員の人事異動や校務分掌の変更等がある際にも、切れ目なく組織的に推進される体制を整備することを記載しています。
次に、(2)各教職員に求められる役割です。基本的な考え方を踏まえ、各教職員に求められる役割を整理しました。全ての教職員は、直接子供たちに関わる観点から、学校安全の重要性を理解し、その推進のための具体的な課題の認識、教科等と横断的な視点に立った安全教育の実施、安全点検や事故の未然防止、緊急避難や一次救命処置など対応を行うこととしています。
校長等の管理職は、学校の組織運営のリーダーシップを発揮する観点から、学校経営への位置づけ、教職員全体に学校安全の方針を示すこと、中核を担う教職員の位置づけ等を通じた校内組織体制の整備、事故の未然防止、児童生徒等の安全確保を、リーダーシップを発揮して推進すること、関係機関等との連携体制を整備、学校運営協議会等における、事件・事故、災害等の発生に関する対応なども含めた協議や合意形成等を通じて学校安全の方針の共通理解を図ることなどとしています。
8ページ目、中核を担う教職員は、学校安全の組織的な取組の中心を担う観点から、安全教育・安全管理に関する取組が最大の効果を上げられるよう、牽引役として活動すること、実効性のある学校安全計画・危機管理マニュアル策定・見直しの中心的役割を果たすこと、学校事故対応に関する指針等、基本的な資料等に基づく取組を推進すること、校内研修を企画・実施などとしています。また、※印の注意書きとして、各学校で、規模や教職員数等が異なるため、各学校の実情に応じた分担を考える必要があり、校内組織体制を整備する必要があるなどを記載しています。
(3)今後の施策に関する提言についてです。白丸の1つ目は、全ての学校において、中核を担う教職員を位置づけた校内組織体制を構築することが重要であること、白丸の2つ目に、各学校における学校安全の中核を担う教職員について、職務内容を踏まえた適切な処遇等について検討するべきであること、白丸の3つ目に、次のページに続いていますが、本年8月に取りまとめられた中央教育審議会答申において、学校では、防災・安全教育などの学校が組織的に対応すべき事象が多様化・複雑化しており、学校の組織的・機動的なマネジメント体制の構築に向けて、新たな職を創設し、中堅層の教師をこの新たな職として学校に配置することができるような仕組みを構築することが必要と示されたところであり、各教育委員会は、今後、こうした動きを踏まえ、積極的に活用を検討していくべきであること。
9ページ目、白丸の1つ目に、都道府県によっては、各市町村の1校以上の学校の主幹教諭の業務として学校安全を担当している事例や、市区町村によっては、中核を担う教職員として、域内の各学校において学校安全推進責任者や学校安全主任を位置づけて組織的に取組を進めている事例もあり、学校の設置者は、これらも参考とすべきであること。
白丸の2つ目に、各学校の中核を担う教職員が、校内でその役割を適切に果たすことができるよう、校長等の管理職は、分担させる業務量の配慮や、取組等の進捗確認や適切な指導・助言などの役割を果たすことが必要であること、また、学校の設置者においては、市区町村や中学校区等の単位で、既存の会議なども活用しながら、各学校が有する課題の共有や意見交換等を行うことができる機会の設定などをしていくことも必要であること。
白丸の3つ目には、国は、中核を担う教職員の配置促進を踏まえ、セーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れたモデル的な取組の実施・展開を行い、その普及をさらに推進するべきであることを記載しています。
10ページ目、「4 各教職員に求められる学校安全に関する資質能力向上方策」についてです。まず、(1)基本的な考え方として、白丸の1つ目に、各教職員に求められる役割を踏まえ、必要となる資質能力及びその向上方策を整理しました。
丸ポツの1つ目、全ての教職員は、学校教育活動全体を通じた安全教育の実施、重大事故や校内等のヒヤリハット事例を知り、事故防止策を理解すること。児童生徒等の安全確保を最優先とした対応を着実に実施できるようにしておく必要がある。このため、外部の研修に加え、各学校による校内研修等を通じて、できるだけ速やかに必要な資質能力を習得できるように研修を実施する必要があること。
丸ポツ2つ目、校長は、教育者としての資質や的確な判断力、決断力、交渉力、危機管理等のマネジメント能力に加え、アセスメントやファシリテーションなどが求められ、これらは学校安全と密接な関わりを有します。管理職向けの研修の重要性についてはワーキングでも意見があったところであり、校長等の管理職や将来の管理職となることが想定される教師も含め、学校安全に関する研修を教員研修計画に位置づけて実施するなど、計画的に資質向上を図ることが必要であること。
丸ポツ3つ目、中核を担う教職員は、学校安全の組織的な推進の中心となって、主体的に活動に取り組むことが求められること、これらの役割を果たすことができるよう、各取組の実効的な改善、組織的な活動を牽引するための各メンバーに対する指導・助言などに関する能力の養成の観点が必要であることを記載しています。
白丸の2つ目、各役職の教職員に求められる資質能力や研修等の考え方は、国は、設置者の別にかかわらず必要な資質能力を向上させる機会が確保されるよう、好事例の横展開を含む積極的な情報共有や研修の機会の提供等を図るべきであることを記載しています。
11ページ目、今後の施策に関する提言についてです。白丸の1つ目に、(1)の基本的な考え方を踏まえ、教員研修計画等に位置づけた実施など、計画的に対象となる人材の資質能力の向上を図っていくことや、研修受講履歴記録を適切に記録し、参考とすることも考えられること、白丸の2つ目に、学校安全に関することを法定研修である初任者研修や中堅教諭等資質向上研修等の悉皆研修において積極的に取り扱うことも強く期待されること、白丸の3つ目には、様々な事件・事故、自然災害等の課題等に適切に対応できるような研修を実施していくことが必要であることを記載しています。
白丸の4つ目には、中核を担う教職員に対する研修においては、校内における研修や訓練等の実施計画立案に参考となる内容を取り入れていくことも必要であること、白丸の5つ目には、国や都道府県等の教育委員会が研修を実施する際には、域内の国立大学附属学校及び私立学校関係者にも参加を促すこと、白丸の6つ目には、国は、様々なケースの事例を収集し、横展開を図る必要があること。また、学校における働き方改革の観点を踏まえ、学校安全について負担を軽減しつつ、効率的・効果的に学べるよう、オンライン・オンデマンド型形式や、実習・演習形式を適切に組み合わせた研修の充実を図る必要があること。
12ページ目、白丸の1つ目に、校長等の管理職や中核を担う教職員は、なるべく早期にそれぞれの役割に応じた学校安全に関する基本的な知識等を身につけることが必要であるため、学校の設置者、校長等の管理職が、対象となる人材に対して、適切なタイミングでこれらの研修の受講を促していくことも重要であること。白丸の2つ目に、学校組織の一員として、全ての教職員が知識や対応方法等を習得することが重要であることから、校長等の管理職のリーダーシップの下、中核を担う教職員が中心となって、計画的かつ着実に校内研修や訓練等を実施していく必要があること。白丸の3つ目に、教員養成の観点から、学校安全の学修の着実な実施や、AEDを用いた実習を含む一次救命処置について、消防本部等と連携した実習等による取組の充実を図る必要があることを記載しています。
審議まとめ(素案)の説明は以上です。
なお、審議まとめ(素案)の内容を資料1-2において概要として取りまとめておりますので、御参考に御覧ください。以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。それでは、ワーキンググループにおいて取りまとめていただきました資料1-1、審議まとめ(素案)について、委員の皆様から御意見を伺いたいと思います。全体を通した意見で構いませんが、特に今回新たに取りまとめていただいた6ページ以降の3と4の項目、こちらのことについて中心に御意見をいただければと思います。ワーキングの委員でない方の御意見を今回いただきたいんですけれども、もちろんワーキングの方からの御意見も出していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。御意見のある方は挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょう。
木間委員、お願いします。
【木間委員】 全国学校安全教育研究会の顧問の木間です。よろしくお願いいたします。
中間を受けて審議のまとめ、御苦労さまでした。全部をしっかりと読ませていただいて、この3月まで現場で校長として携わっておりましたので、これを読んだときにまず第一印象としましては、これを読んだ現場の校長たちは、一つハードルが高いかな、これをどう進めていったらいいのかというハードルの高さを感じてしまうかなということをまず思ったんです。ただ、校長たちももちろん安全教育、命の大切さについては認識しているので、この審議のまとめが出たことで、今まで以上に意識を変えていくということにつながっていくかなとは思います。
その点でまず、地域との連携のことについて読ませていただいたときに、前にもちょっとお話をしたんですが、学校運営協議会というのは教育委員会がまず設置していくので、学校としてはどうにもならないものであるんですね。そうすると、教育委員会が設置しないと言っているものを学校長は設置できないときに、既存の学校でどこにでもあるのが学校評議員会であったり、学校関係者評価委員会というのはもう既に始まっているんですね。
そう考えてくると、この学校評議員会や学校関係者評価委員会で学校安全については話されているかというと、決して話されていないところも多いと思うんです。しかし、学校関係者評価委員会では、学校運営全体も評価していく上で学校安全の項目を必ず入れて評価をするとか、そういう皆どの学校でももう既存としてあるものから始めて、段階的にこのように進めていくという文言をどこかに入れていただけるといいのかなと思っています。学校関係者評価委員会や学校評議員の活用を図って学校安全についてまず評価し、そこから学校運営協議会へ発展していくような表記をしていただけると、我々区市町村の学校でも実践が可能かなと、まずこの地域との連携では1点思ったんですね。
2点目の、今回出たほうの学校組織につきましては、やはりこれについてもなかなか今、学校の働き方改革や教員の成り手がいないという中で、組織を運営していくのが難しい現状であり、それぞれ学校に課せられているものがある中で、学校安全だけに特化してやっていけるかという部分が実際あるなとは読んでいるんですが、これは進めていかなきゃいけないことだと思っていたときに、やはり8ページの今後の施策に関する提言の中に、教育委員会等が適切な処遇などについて検討すべきであるというような文言を入れていただいたのはありがたいかなと思うんですね。こういうことがないとやはり、安全を担当する教員は生活指導主任が兼務している学校がほとんどの学校だと思うんですけれども、しっかりとした体制にはなっていかないかなと思いました。
ちょっと長くなりますが、申し訳ありません。あと、3点目としましては、研修に関してもこのとおりだなと思っているんですが、これについても、現場がまず取り組むためにできることというのは、やはり文科省が……。
(音声途絶)
【渡邉座長】 ちょっと通信状態がよくないということですかね。何か止まってしまったようなんですけれども。こちらからも多分聞こえないでしょうね。ちょっと時間を置きましょう。ちゃんと対応ができないかと思いますので。
今の木間先生のお話は、御要望と御意見という形で承ったということにしたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。御意見ある方いらっしゃいませんか。ワーキングの方でも……、大木委員、お願いします。
【大木委員】 細部というか細かいところになるんですけれども、マニュアルの策定・見直しを誰が担うかというところの記述が、本文だと7ページの(2)のところに書かれています。概要のほうの資料1-2だと、右側の3ポツのところのクリーム色の「中核を担う教職員」というところに書かれています。
私からの意見は、「実効性のある学校安全計画・危機管理マニュアルの策定・見直し」を「全ての教職員」に移動して、その取りまとめは「中核を担う教職員」にするというものです。そうでないと、実際に資料1-1の本文のほうを見ると、(2)各教職員に求められる役割の「全ての教職員」の2つ目の白丸、「マニュアルに基づいて自らの役割に係る取組を進める」とあるんですが、これだと、何かマニュアルが配られてそれを一から順にやるみたいなことに、多分現状そういうところもあると思うんですけれども、なってしまうんですが、本来マニュアルは、例えば階段に近い教室の先生だったら、大地震の後は階段を見ないと転落して意識不明の子がいるかもしれないとか、安全担当の方が全部を把握できるわけではなくて、みんなでマニュアルを訓練のたびに見直す。
それをみんなが印刷したマニュアルに赤で書いて、それを最後取りまとめて、皆さんの意見まとめるとこうでした、じゃ、次の訓練はこの新しいこちらのマニュアルに基づいてやってみましょうとしないと訓練の意味も分からなくなってしまうし、せっかく訓練したことが次の訓練、そして本番に生かされなくなってしまうので、私からの提案は、先ほど申し上げたとおり、「危機管理マニュアルの策定見直し」を「全ての教職員」に移動させて、それらの取りまとめを「中核を担う教職員」が行うとするというものになります。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。こういう御要望、御意見ということで承りたいと思います。
先ほど木間委員のお話が途中で止まってしまったものですから、3つ目のところ、すみません、ほかの委員からも出ていますけれども、まずは木間委員からお願いします。
【木間委員】 申し訳ありませんでした。研修のことについては、続きを言えば、文科省から出ているe-ラーニングをどれだけの学校がやっているかというと、やっていない学校のほうが私は多いと思っているので、そういうところから始めていくということを明記したほうがいいかなと。
全体的に思うのは、この審議まとめが羅列的に書いてあって、現場の校長が受けたときに、これを全部やらなきゃいけないのかと受け取ってしまうと、それはできないなとなってしまうと、やはり実効的に進めていくためには、まずは何からやっていくかという段階を、この項目に、何はやってください、来年度にはこういうことはやってほしい、次はこういうことに進みましょうみたいな段階的な書き方を少し工夫されると、現場も取り入れやすいかなというふうなことを最後に言いたかったと思っています。
すみませんでした。以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。それでは次、北村委員、では、お願いします。
【北村委員】 産業技術総合研究所の北村と申します。取りまとめ、ありがとうございました。私も先ほど木間委員のおっしゃっていたのと同じようなことをやはり感じで、これを受け取って読んだときに、まず何からしていいんだろうというのがかなり難しいなと思いました。まず、率直にそれが受けた印象です。
それで、今、最後に木間委員がおっしゃったように、かなり箇条書でばーっと並列で書いてあるんですけれども、多分これは順番があるし、ここまでできたところは次はこちらまでもう一歩上のレベルができるというような、少しそういう階層構造というか、そういう関係性があるんじゃないかと思います。その構造というかフローチャートというか、進めていく流れとか何か手順みたいなものが見えないと、ここのばーっと並んだのを見ると、うわー、いっぱい過ぎてと言ってそこで止まってしまって何もやらないということになりかねないので、やはり優先順位なり、まず、ファーストステップ、ここからやっていきましょうとかというような流れがないと、これはかなり、受け取っても情報が多過ぎて無理じゃないかなと思いましたというのが1点目です。
2点目は、これはまだ確定している話じゃないと思うので今後検討する部分なのかなとは思うんですけれども、9ページ目のところで、学校内外との連携とか調整機能を充実させるために新たな職を創設しというようなお話が入っているかなと思います。これもまだどういう形で入るかとかということも決まったものではないと思うんですけれども、この新たな職というのが、今いる先生方とは別に新たにそういう職の人が就いて配備されるんだったらいいんですけれども、単純に今いる先生方の中堅職員の1人にこの役割を持たせますというと、結局、今パンクしているところにさらに役割を与えてもまず機能しないと思うので、やっぱり新たにそういう職をつくるぐらいやらないと結構難しいかなと思っています。
そういう意味では内外の連携だけじゃなく、これまでの安全点検だったり安全教育とかそういうのを含めて扱ってくれるような人材がやっぱり必要ですし、ひょっとするとそれは全部の学校一校一校に必要というよりは、教育委員会にそういう人がいて、各学校をちゃんと回りながら少し現場のサポートもしながらやれるような人というような、そういう職をつくっていかないとかなり難しいのかなと思っています。
もう1点が、後半のほうの例えば10ページの辺りなどに、校長に求められるとか管理職に求められる能力ということでアセスメントとかファシリテーションとかということが書かれています。これは今いる校長とか今いる教職員の方には研修とかで少しそういうものに触れていただくというのは大事かなとは思うんですけれども、やっぱりそもそもこれから教員になろうとしている学生とかが学んでいる段階からこういうところも含めて少し学べるような仕組みをつくるとか、安全についてもやっぱり学ぶ仕組みが、教員になる前からちゃんと学ぶような仕組みがないと、その素地がないとパンと研修を1個やっていきなり能力が上がるかというそういうものじゃないので、そういうものもつくっていく必要があるかなと思いました。
今のにも少し関連するんですけれども、最後1点だけすみません。研修というのが、研修の内容は今後詰めていくとか今後検討される部分かなと思うんですけれども、私もいろいろなところで、学校安全だけじゃないところでも研修とかをやっていて感じるのが、研修会に来て何か話を聞いて、何となくいいことを聞いたような気がして帰っていって、その日は何となくいいんですけれども、次の日になると、もう日々の活動とかいろいろな業務に追われて結局何も変わらぬままで戻っていくということが起きてしまいます。話を聞くだけではなくて少し主体的に、トライアルができるとかワークショップをやるとか、何か受け身ではなくて、積極的に受けるような研修の在り方とかということも考えていかないと、これまでどおりのいわゆる研修という感じの研修だとなかなか変わらないし、特に学校現場みたい忙しいところだとそれがよく起きやすいなと思うので、研修の在り方も別途しっかり検討してもいいぐらい大きなテーマじゃないかなと思っています。
すみません、たくさん言ってしまいましたけれども、以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。これも御要望ということで承っておきます。また後で何かこれに関して、ワーキングの藤田座長もしくは文科省のほうから何かお話をいただければと思っております。
次に、では、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 私はワーキングのメンバーですので、その立場も含めてお話を申し上げます。事務方の皆さん、まとめていただいてありがとうございました。
我々は、素案の1、2で書かれているように安全を巡る課題が複雑化・多様化する中で、これからの学校安全はどうあるべきかについて議論してきました。子供たち、教職員含めての安全、命を守るという視点から、地域ともっと連携しなければいけない、行政機関と連携しなければいけない、そして、学校安全についてきちんと研修をして知識や経験のある先生が中心となって学校組織を運営していく。もちろん校長がその先頭で組織の力を高めていくということ、そういうことがこれからの学校の安全を確保するためには必要だろうということで、主に学校の在り方について議論をしてきました。
なので、先ほどの木間先生のおっしゃることに私は共感しておりまして、この審議の中身は学校の在り方について議論しているから、読み方によっては校長に全部これを投げるようにも読めてしまうのではないかという心配は確かにあると思います。
そこで、私の提案としては、設置者とか教育委員会が、こうした学校をつくるためにきちんとやらなければいけないということを、レトリックといいますか、構成できちんと、もっと強く打ち出すべきだと思います。そうでないと、校長や1つの学校の教職員だけでこれはとてもできませんので、正しく伝わらないのではないかと思います。
具体的には、2の地域や関係機関等との連携体制の整備の(3)、ここで設置者や教育委員会の役割に関する記述が薄い。ほとんど書いていない。それに対して、3というのは校内組織体制の整備、中核を担う教職員の議論、それから、4は資質能力の向上ですけれども、3の(3)と4の(2)の提言、ここでは設置者や教育委員会の役割について触れています。ですが、もっと強調してもいい。地域連携こそ教育委員会が前面に出ないと、設置者が前面に出ないといけません。もっと強調して、さらに、これを審議のまとめとして提出した後、文部科学省として行政施策にするときには、前面に設置者、教育委員会に向けて打ち出していくという姿勢で臨んでいただきたいと思います。
私自身が校長、中学校の教員、校長として経験してきて、これを1つの学校に任されてもとてもできないというのはよく分かりますので、設置者、教育委員会がこれを一つのモデルとして前面に立って取り組んでいくというふうに審議のまとめも強調してほしいし、行政施策としてもそこを打ち出してほしいというのが私の意見です。
つい先日も北九州市で中学生のお子さんの死傷事件がありました。あの事件は学校の管理下外で起きていますけれども、でも、無視はできない。事実、平成13年には、大阪教育大学附属池田小学校で侵入者によりお子さんが被害に遭った事件もありますし、昨年も埼玉県戸田市の中学校で侵入者に対して先生が子供を守るために障害を負ったという事件もあります。北九州市の事案のように、学校管理下外で起きたからといって、無視できません。今後の捜査の進展を見ながらですけれども、地域、関係機関と学校が連携すること、これは自然災害だけでなくて本当に、決定的に大切な事柄になっていますので、内容としてこれを打ち出すことはとても大事だと思います。しかし、それを進めるのが学校の職員だ、校長だというロジックになると、これはもう実効性が失われるという、そういう意見です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。御要望として、後でまた文科からも少しコメントをいただきたいと思います。
では次に、神内委員、お願いします。
【神内委員】 よろしくお願いします。先ほどから分かりづらいとかいう話もあったと思うんですけれども、多分読んでいて分かりづらいのは、やはり字ばかりだからだという部分もあると思うんです。それで、何か例示、何か具体例みたいなモデル図のような、例えばこういうやり方がありますよとか、学校の規模や校種とかに応じてそういうものがあるとイメージがつきやすいのかなと思いました。でないと、これ、字ばかりだから読んでいて具体的にはどういう組織構造とかをイメージすればいいのかというのがちょっとよく分からないというのは本当にそのとおりだなとは思いました。
あともう一つが、これも例だと思うんですけれども、例えば中核を担う教員はどのような教員が考えられるかという、これもやはり例がないんですね。どういう人がするかどうか、これも多分校種によって違うと思うんですね。例えば養護教諭とかいろいろ想定されるものがあると思います。中高なら部活動の中心になっている先生とか、要するに、事故とかが多い、遭遇する確率が高いようなそういった教員の方とか、そういう何かもう少し具体的な例示がないと、どういう教員を充てればいいかどうかというのもちょっと分からないので、そういったところがちょっと気にはなりました。
あとは、例示が9ページの辺りに、都道府県によっては、市区町村によっては、みたいな形で一応自治体ごとの例が出ているんですけれども、これだけだと不十分というか分かりづらいかなというか、もう少し具体例があっていいのかと。あと、この素案は私立学校にも示すことになるので、私立学校に対してもちょっとそういった具体例があると、私立のほうも取りかかりやすいかなと思いました。
あと、研修のほうも北村先生がおっしゃっていたとおりで、今、やはり教育学部での講義がちょっと不足しているところもあったりするんですけれども、研修そのものも効果がどうあるかというのは結構重要な話であって、そういうのも含めてですけれども、例えば研修の担い手としてはこういう人材が考えられると。例えば私とかもよくやっているのですが、スクールロイヤーとかを導入している自治体だと、学校安全とか危機管理とかの研修とかをスクールロイヤーが担当しているんですね。なので、こういった人材が研修の講師とかで想定されている、みたいなことを素案に書いてみると、ああ、なるほど、こういう感じでやればいいのかな、みたいに、ちょっとイメージできるのかなと思いました。
いずれもしても、総論で言うと具体的な例示がちょっと足りないので、これだけだと分かりづらいのかなという、そういう印象を受けました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。ほかはございませんか。平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 ありがとうございます。青葉中学校の平塚です。私もワーキングの一員でしたので、改訂に関わらせていただきました。関わった者として言えるのは、まず、先ほどの木間先生の話は、確かに現場としてはそうなのかなとは思うのですが、かなり前の素案の段階からは、結構情報量的にはすっきりしたというか、かなり事務局でも努力されたなということは思っています。というか、これに限らず、いろいろ文科のほうから下りてくる文書については、基本的に国の指針とかそういうものは情報量が多いものなので、問題はこれに対して国としての姿勢を示すことであって、これをどう下ろしていくか、その下ろし方が大事なのかなと私は捉えていました。もちろんこれだけのものが現場に下りて、皆が皆ちゃんと読み込むかというとそうではないと思うので、そこを研修会等、もしくは教育委員会に下ろす際とか、そこでの強弱をつけるということは大事なのかなと思っています。
あと、木間先生にぜひお聞きしたかったのですが、コミュニティ・スクールの普及率が確か半分ぐらいですかね、そのことはワーキングでも議論になっていて、「地域学校協働活動の仕組み」ということが「コミュニティ・スクールや」の後に書かれているので、「コミュニティ・スクール」の方が印象が強くなっていることがあるので、ここの表現をどうしたらいいのかなと、言われてみて、思いました。「地域学校協働活動の仕組み」とは言っているのだけれども、そちらのほうがコミュニティ・スクールの印象に負けているなと思うので、この辺を順番を変えるとか、もうちょっと違う表現で書いたほうがいいのかと思います。言いたいことは、地域の力をうまく活用して学校安全を高めていくということが目的なわけなので、そういう印象になるとするのであれば、ちょっと考えていかなきゃいけないのかなということは思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。では、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。私もワーキングの一員でもありまして、ワーキングの場でいろいろと勝手といいますか、もっとこうしていただきたい、ああしていただきたいということを申し上げた立場でありまして、そちらについて最後のワーキングで申し上げたことも随分と取り入れていただいたことをまずは事務局に深く感謝したいと思います。
その上で、取り入れていただいた箇所の中で1か所ちょっと気になるところがあったので、まず一つそれを申し上げたいと思います。6ページの3の(1)の基本的な考え方のところなんですが、「安全文化の醸成」という用語が出てきております。これは鍵括弧でくくったらどうですかということで多分鍵括弧でくくっていただいたんですけれども、その前に書いてある「学校全体で常に児童生徒等の安全を最優先に考える」、ここの部分をいわゆる何とかというのであれば、安全文化の醸成が最優先に考えることなのでなくて、最優先に考えるという状態なのは安全文化なので、鍵括弧の閉じる場所は「安全文化」の後ろのほうが適切ではないかと私自身は思いますので、御検討いただきたいなと思います。
それから、もう1か所、9ページの上から五、六行目ですかね、新たな職についての記述の最後の箇所で、「各教育委員会は、今後、こうした動きを踏まえ、積極的に活用を検討していくべきである」ということを書いていただいています。これは分かるんですけれども、もうちょっと踏み込めないかなと。要は、学校安全をしっかりやってくださる方について新たな職に位置づけたりするというような、その積極的な活用というのは何を何のためにどういう活用をするのかということをもう少し具体的に書いていただくとより強いメッセージになるのかなと思いました。それが2点目です。
あと2点です。これまでのほかの先生方の御意見を伺っていての気づき事項をあと2つ申し上げます。一つは、先ほど大木先生が御指摘いただいた、マニュアルの策定・見直しについて、中核の教員がやるのか、それとも全ての教職員がやるべきことなのかということなんですが、私も大木先生がおっしゃるとおり、マニュアル等の見直しを中核の教員だけに担わせるというのは賛成しておりませんで、取りまとめというのが役割としてふさわしいんじゃないかと思います。
実際に、資料1-1の8ページを見てみると、中核を担う教職員の果たす役割は、そういったマニュアルの策定・見直しについて中心的役割を果たすと書いてあるだけで、決して自分が全部やるというわけではなくて、旗振り役というか取りまとめ役というか、そういうことをやるんだということが書かれています。ですので、その前のページの「全ての教職員」のところ、「基づいて自分の役割の取組を進める」と記載されているところを少し書き直していただくとともに、概要版のところの表現を見直していただければ多分いいのではないかなと私自身としては思います。
最後もう1点は、ワーキングでいろいろとこれが必要だ、あれが必要だと申し上げて、たくさんのことを羅列的に書き込んでいただいた結果として、優先順位がつきにくいとか分かりにくいとかそういう御意見があるのは、改めてほかの方々の目で見ていただくことの重要性をすごく認識したところです。ただ、私の個人的な意見ですけれども、これをまとめたことはまだ終わりではなくて、これがスタートの第一歩でして、これを具現化するのに誰が何をやるのかということはこれからしっかりと考えていく。その中で、もっと分かりやすくするとかそういったこともしたほうがいいのかなと。これからこの中身をまたいろいろさらい直していくよりも、そちらのほうが具体的・現実的なのではないかと思いました。
ですので、私の個人の意見としては、取りまとめ案の内容をもっとそれぞれ詳しく具体性を持たせるというよりは、「はじめに」のようなところに何か、こういうものが学校安全についての今の我が国の理想の姿なので、例えば国とか各学校の設置者とかはしっかりとこれに向けて一歩ずつ進めるような具体策をこれから検討してやっていってくださいというような呼びかけをすることで、次のステップへ進めていただきたいというメッセージを出せばいいのではないかと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。桐淵委員、では、お願いします。
【桐淵委員】 一番最後に書かれている教員養成についての意見です。
平成29年の「教員養成コアカリキュラム」で、学校安全に関する学修を必修科目の中に位置づけるという方針が出て、それから、令和4年の「第3次の学校安全の推進に関する計画」では、一次救命処置について、学校の死亡事故では一番多いのが突然死だという実態、そして学校にはAEDがもう配置されているという事実を踏まえて、きちんと対応しなきゃいけないということで具体的に実習などが打ち出されました。ですが、大学の現状などを見ると教員養成段階で学校安全をきちんと学ぶという体制はまだまだ出来上がっていないと思います。もっと強調したほうがいいと思いました。
今後の施策にどう具体化していくかですが、過去に起きた事件・事故をきちんと学び、どうすればそれが防げるのかを学ぶ。社会としてはいろいろな経験を積んできているわけなので、それをきちんと学ぶこと。基本的な知識や行動力は教員免許取得時にまず身につけて、就職後に現職教員の研修の中でそれを錬磨していく、磨き上げていくというふうなイメージで、今後の施策に反映するように強調したほうがいいかなと思いました。
私も埼玉大学で教えてきましたけれども、研究者、学校安全という専門的な科目で教える先生たちはまだまだ少ないですが、一次救命処置などは養護教諭養成課程や、学校保健の分野でやっている先生たちも増えていますので、養成段階で全ての学生が学校安全について学ぶことを、国として、審議のまとめとして有識者会議から国に提言する上ではもっと強調したほうがいいと思います。要するに、専門職として国民から期待されている、免許が必要な職でありながら、過去の事例を十分学ばないまま免許が取れるという状況は改善していったほうがいいと私は思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。皆さんにいろいろ御意見いただきました。やはりワーキングの委員の方とそうではない方では少し違うと思いますけれど、ワーキング以外の方からは、やはり内容が少し羅列的であり、あるいはプロセス・進め方というところが分かりにくいというところの御指摘があったかと思います。確かに去年の学校事故対応指針や安全点検要領から比べるとすぐに取り組めるというような書きぶりではないものですから、物足りないようなイメージを持たれるのかと思います。
これがどういうふうにその先まとめられるかというか進めていくかということについて何か方針がございましたら、文科省のほうから少しお話しいただければと思います。
【合田補佐】 ありがとうございます。文科省です。今日御指摘いただきました、今回のまとめているものをやはり現場にどういうふうに伝えていくか、下ろしていくかというようなところが大きな指摘としてはあったと思っております。これの下ろし方とか、また、研修への盛り込み方、あとは来年度以降も我々も調査研究などでの事例の収集とかいったことも進めていこうと思っておりますので、この取りまとめを一つのスタート地点としまして、これから我々がやっていく次年度以降の事業の中でさらにそれを広めていくということを併せてやっていくことによって、学校現場、教育委員会、設置者にきちんと届けていくということが重要かなと考えております。
【渡邉座長】 ありがとうございました。この報告書についてはこれで議論を終えたいと思いますけれど、最後に、ワーキングのほうを進めていただいた藤田先生に何か一言お願いできればと思います。
【藤田委員】 ワーキングを担当しました藤田でございます。いろいろと親委員会の皆様からの御意見をいただきまして、先ほどもお話がありましたように、今回の審議まとめというのが、いわゆる今後の我が国の学校安全の進め方の指針として提示いただくことになり、これが今後さらに具体化する方策については、多分学校の設置者等が中心になって検討を進めていただけるのではないかと期待しております。ですので、ぜひ今回の指針を基に、さらに具体的な具現化、また実践化ということについて、また委員の皆様から御意見等をお聞かせいただいた内容を今後の取組にさらに反映させていただければと事務局のほうに要望いたして、私のほうの担当者としての感想と致したいと思います。
どうもいろいろと御協力いただいたワーキングの先生方、ありがとうございました。
【渡邉座長】 ありがとうございました。それでは、本日の皆様の御意見を踏まえまして、ワーキングはもう終了しておりますので、最終的な報告書は座長扱いということにさせていただき、事務局とも相談の上、次回の有識者会議のほうで報告させていただきます。ありがとうございました。
それでは、議事2の報告事項のほうに移りたいと思います。学校安全に関する施策のフォローアップ等についてです。第3次学校安全の推進に関する計画に関わる令和5年度実績の取組状況がまとまったということで、第3次計画に掲げている施策の状況を整理したフォローアップと併せて事務局から御説明をお願いいたします。
【合田補佐】 それではまず、今年度実施しました令和5年度実績の取組状況調査の結果が取りまとまりましたので、こちらから御説明をいたします。
まず、資料2-1、ポイント版から御覧いただければと思います。本調査は、第3次学校安全の推進に関する計画を踏まえた各学校における安全教育や安全管理に関する取組について、およそ2年に1回程度の頻度で調査を行っているものでございます。前回調査は令和3年度実績になっておりますので、そちらと比較しつつ御説明をいたします。
調査対象につきましては、こちらに記載しておりますけれども、令和6年11月末までに計3万8,171校に御回答いただいたものというものでございます。なお、学校基本調査に基づく全国の学校・園の数は約4万4,000弱でございますので、およそ9割程度回答いただいたというものでございます。
結果の主な概要につきまして、まず(1)学校安全計画についてです。学校安全を担う校内体制が整備されている学校は6.8%増の93.7%、また、学校安全の中核となる教員等を位置づけている学校は98.0%、うち、安全主任や主事として位置づけている学校は23.7%増の58.2%となっており、まさに先ほど御議論いただいておりました学校の校内安全の校内体制の整備につきましても、令和5年度時点においても一定充実してきているということがうかがえるところではございます。
また、学校安全計画を策定している学校は98.8%、また、今回新規の質問ですけれども、計画の評価や振り返りを行っている学校は97.0%、また、学校安全を意識化する機会を設定している学校は11.3%増の90.8%となっておりまして、計画の策定のみならず、評価や振り返りなども充実してきているということがうかがえます。
次、(2)学校施設及び設備の安全点検についてでございます。こちら、実施している学校は99.7%、ほぼ全てとなっております。実施者の内訳につきましては、引き続き教職員が99.0%と、複数回答でございますけれども一番高く、児童生徒等や保護者、地域住民の参画はやや伸びてはおりますけれども、有識者・専門業者、こちらが6.2%減の14.2%となっております。今年の3月に作成しました学校における安全点検要領におきましても、教職員以外の外部人材との連携・協力の重要性を打ち出しているところでございまして、引き続き、本点検要領の活用について研修等を通じて発信しながら、事故の未然防止のための安全点検の充実につなげていく必要があると認識をしております。
また、昨年度、消費者安全調査委員会より指摘されていた、窓際からの転落対策、固定されてない積み重ねられた棚の対策につきましては、それぞれ93.8%、91.5%の対応となっているところですけれども、命に関わる事故に直結する部分でございますので、引き続き着実な対策の実施を働きかけていく必要があると考えております。
めくって(3)通学路・通園路についてでございます。通学路・通園路の安全点検を実施している学校は98.9%、登下校中の安全確保を実施している学校は引き続き99.1%とほぼ全てとなっております。また、その実施状況につきましては、安全指導、また、保護者やボランティア等の見守りなどが増加をしていることがうかがえるところでございます。
続いて、(4)安全教育の実施状況についてでございます。こちら、学校安全3領域につきましては、いずれも95%前後とおおむね実施されていることが引き続き確認できております。また、弾頭ミサイル等の現代的課題への対応が21.5%、インターネットの適切な利用などが78.0%、性犯罪、性暴力防止が45%と、いずれも前回よりも増加が見られておりますけれども、学校安全計画の位置づけとともに、一層着実な実施が求められるところと認識しております。
続いて(5)校内研修・校外研修につきましては、校内のヒヤリハット事例を共有している学校が3.0%増の97.2%、学校安全の校内研修を実施した学校は94.6%となっており、研修機会の増加、中身の充実が図られてきているものと考えております。
次、(6)危機管理マニュアルにつきましては、策定している学校は99.5%、見直しを行った学校は3.6%増の96.3%となっています。また、見直しに関わった関係者でございますけれども、これも複数回答でございますが、学校設置者が29.4%、地域住民が12.4%、関係機関が19.0%となっており、前回調査からは減少が見られます。マニュアルの実効性を高めるために、今後見直しに当たって、学校の担当者だけでなく多様な関係者が関わっていくことにつきまして引き続き強く働きかけていく必要があると考えております。
めくって、(7)地域の関係機関との連携につきましては、関係者との協働による防災教育・避難訓練を実施している学校が5.9%増の88.9%、不審者侵入等を想定した防犯訓練等を実施している学校は21.1%増の82.5%、地域学校安全委員会やコミュニティ・スクール等の仕組みの活用が13.2%増の72.4%となっており、取組の充実が見られるところでございますけれども、先ほども御議論ありましたとおり、この点につきましては今後一層の推進が必要な部分かと考えております。
また、(8)安全管理の取組状況につきまして、休み時間の発災や管理職不在時などの場面に応じた実践的な避難訓練は95.4%とやや減少しております。子供の重大事故を想定した職員の訓練等の実施は、今回40.7%の大幅増となっており、95.0%となっています。さらに、熱中症対策につきましても、こちらで対策の個々の内訳も書いておりますけれども、様々な対策について全体的に取組の充実が見られたところでございます。
以上を踏まえた、ローマ数字3、主な分析です。まず、法定の学校安全計画・危機管理マニュアルにつきましては、一部未策定の学校が見られることから、引き続き100%達成を目指すことが必要。また、地域や関係機関等と連携した安全体制の構築について、コミュニティ・スクール等の仕組みの活用などにより一層推進すること。子供の重大事故を想定した訓練や熱中症対策の実施状況が向上しており、引き続き、事故の未然防止、発生時の適切な対応に関する取組の充実が求められるとしています。
また、ローマ数字4、今後の対応として、本調査結果から得られる知見を踏まえ、各学校等に対しポイントなどをお示しし、各学校における着実な取組の実施を依頼すること。国の研修等においてもこのポイントなどを踏まえた内容を取り扱うこと。担当者会議や学校安全ポータルなどを活用し、昨年度作成した改訂版の学校事故対応指針、また、安全点検要領など各種資料のさらなる活用促進を図ること。また、有識者会議において意見をいただき、さらに今後の施策推進につなげていくことといったことを書いております。
なお、より詳細な結果につきましては、資料2-2で概要版という形ですけれども個別に載せておりますので、御覧いただければと思いますが、幾つか注目すべき点をピックアップして補足で御説明させていただければと思います。
まず、1ページ目、校内組織体制の状況につきましては、新規で少しその中身を細かく聞いております。例えば複数の教員を担当として割り当てているが87.6%、学校安全を担う校内組織等の活動に保護者や地域の方の意見等を取り入れる仕組みがあるが54.1%となっており、学校全体での取組、また、地域との連携等の重要性が一定広がってきているものと考えております。
また、学校安全の活動に関する評価や振り返りについてもう少し細かく聞いております。こちら記載のとおり、データに基づくものとか、ヒヤリハット事例等を活用したものを一定行われているということが見られるところです。
めくって2ページ目でございます。先ほど申し上げた振り返りに関しての専門家の参画につきましては、消防や警察が7割超と多く、次いで自主防災組織員が2割超となっております。あと、取組の周知対象につきまして、保護者が前回74.3%だったんですけれども、63.0%、地域住民が前回40.4%のところ30.8%と少し減少が見られた点は懸念点かと思っております。
次、少し飛ばしていただきまして、8ページになります。安全教育につきまして、地域の災害リスクに応じた安全教育の実施について、火災、地震、津波など全体的に上昇の傾向が見られたところです。また、デジタル技術の活用につきまして、特にタブレットなどの活用について、前回37.0%から今回52.0%と増加が見られているところです。
次、9ページ目、校内研修・校外研修ですけれども、校外研修の受講について、校長は前回37.5%から66.7%、中核を担う教員が49.0%から60.5%と大分伸びているところです。一方で学校安全e-ラーニング等の活用につきまして、一部でも活用している学校は約半数程度となっているところです。学校安全の取組は全ての教職員で推進することが重要でございまして、教職員の負担にも配慮しつつ、広く活用できるe-ラーニングにつきましては、改めて活用の働きかけを進めていくことが重要かと考えております。
続いて10ページ目、危機管理マニュアルにつきまして、こちらについては、保護者へ周知している割合が36.0%から64.0%と大分伸びているのは好ましいところかと思っております。また、マニュアルの中身についてもいろいろ聞いておりますけれども、大きくは変わっておりませんけれども、新規で細かく聞いているところもございますので、御参考としていただければと思います。
少し飛びまして、14ページでございます。子供の重大事故を想定した訓練等の実施につきまして非常に高くなっていたという話がありましたけれども、その中身、内容についても聞いております。児童生徒等が突然倒れた際の応急手当ての訓練が82.8%と高くなっています。また、職員向けの訓練等の実施方法につきましては、消防等から講師を招くが68.7%、実習を含む形式で実施が79.6%となっております。
最後15ページ目、AEDの関係でございます。今回、設置場所を児童生徒等と共有しているが、前回70.6%から80.8%へ増加、児童生徒等を対象とした応急手当の実習も、前回44.9%から53.0%と伸びていることが見られるところでございます。
取組状況調査のほうの説明は以上とさせていただきまして、続いて学校安全の施策に関する令和5年度フォローアップにつきまして、資料3で続けて説明させていただければと思います。こちらは第3次計画に基づく施策の進捗状況について毎年度フォローアップをすることとしておりまして、令和5年度の実績をまとめたものでございます。第3次計画にあります主要指標につきましては、先ほど御説明した取組状況調査の最新の結果をベースにフォローアップしているところでございますので、その数字のことを踏まえた施策の取組状況の要点につきまして、資料3の1枚目、概要のローマ数字4のところから整理をしておりますので、そちらを中心に御説明します。
ローマ数字4のまず1ポツ、学校安全に関する組織的取組の推進につきましては、御案内のとおり、学校経営に学校安全を位置づけている学校が増加するとともに、安全計画や危機管理マニュアルの見直しについても増加が見られております。国においては、セミナーや担当者会議などを通じた発信を進めましたけれども、今後さらに実効性のある見直しをしていただくための支援等について検討していく必要があると認識しています。
また、まさに現在検討を進めておりました中核を担う教職員の配置をはじめとする学校の人的体制の整備や研修などにつきましても、令和5年度時点においても一定充実している傾向が見られておりますけれども、今般の有識者会議の議論を踏まえ、さらに国として後押しを進めていくことが重要だと考えております。
そのほか、教員養成における学校安全の学修の充実につきましては、昨年度の有識者会議において実態の把握について報告をさせていただき、その後、消防庁と連携して、AEDを用いた実習を含む一次救命処置の実施等を促す通知もさせていただいたところでありまして、今後さらなる充実を目指していく必要があると認識しています。
めくって2ページ目、2ポツの家庭、地域、関係機関等との連携・協働についてです。こちらも御案内のとおり、コミュニティ・スクール等の仕組みの活用は増加傾向にありまして、今後さらに力を入れていく必要がある部分だと認識しています。また、もう一つ、避難受入れ時の対応について、地域の関係機関と協議した学校は約8割となっているところ、特に防災の観点で引き続きこの事前協議の重要性について働きかけをしていくことが必要であると考えております。
続いて3ポツ、安全教育についてです。安全教育の時間の確保につきましては、こちらも御案内しましたとおり、9割以上の学校で3領域を位置づけた安全教育は実施されているところではございます。また、地域の防災リスクに応じた避難訓練、実践的な防災教育については、当室にて手引の策定なども進めているところでありまして、実施学校数についても増加が見られているところでございます。さらに、教育手法の改善については、特にデジタル技術を活用した学校の増加が見られているところでありまして、国として好事例の横展開等に取り組んでいるところでございます。また、幼児期、特別支援の関係につきましては、実践事例集のポータルサイトへの掲載、幼稚園教諭等を対象としたセミナーの開催などを行ってきたところでございます。さらに、現代的課題への対応につきまして、特に性犯罪・性暴力の防止のための生命(いのち)の安全教育について、国として実践事例集の作成など取組を促す中で、実践校の増加が見られているところです。
次に、4、安全管理についてです。安全点検については、昨年度、国として点検要領を検討・策定したところでございまして、令和5年度時点においても子供の視点を生かした点検の実施などは増加が見られているところです。また、設置者における専門家の活用状況の把握などを令和5年度に行ったところでございますけれども、専門的な視点からの点検体制の構築に向けて、実践的な研修の実施などを検討したところでございます。また、施設・設備の整備については、国公私立学校の老朽化・非構造部材の耐震対策等に向けた対応が進められているところでございます。そのほか、昨年度は事故対応指針の改訂の議論・策定も行ったところですけれども、令和5年度時点においてもヒヤリハット事例の活用の増加は見られているところでありまして、この点、今後さらに取組を普及していく必要があると考えております。
めくって3ページ目でございます。学校管理下で発生した事故等の検証と再発防止等については、事故対応指針の改訂に関する有識者会議の議論において、自治体の詳細調査の実施状況等の聞き取りなどを行うとともに、改訂指針を踏まえ、国への報告の徹底、結果分析を再発防止に生かすことなどを周知したところでございます。
最後、5ポツ、横断的な事項等についてです。まず、学校安全に係る情報の見える化については、昨年度は、前回の取組状況調査を公表したことや、安全点検要領において、災害共済給付データを用いた分析結果を掲載し周知を図ったこと、また、各学校に適切な情報や研修の機会が行き渡るよう、国においてもセミナー等の開催を行ってきたところです。
また、科学的なアプローチによる事故防止については、昨年度の有識者会議の議論においても様々意見聴取を行い、現状を把握するとともに、今後の取組についても検討しているところであり、引き続き検討課題として認識しております。さらに、学校安全を意識化する機会の設定については、当室においてもポータルサイトや担当者会議等を通じた情報発信等を行っているところですけれども、令和5年度調査においても実施校の増加が見られたところです。さらに、デジタル化とサイバーセキュリティーの確保につきましては、関係機関と連携した課題等の把握とともに、関係者会議において警察庁と連携し、研修機会の充実を促したところでございます。
その他、より細かい手法も含めたフォローアップの全体については、4ページ目以降の横長の資料を適宜御参照いただければと思いますけれども、1点、4ページ目をちょっと御覧いただければと思います。一番上のところ、推進計画の指標となっております学校管理下の重大事故件数及び学校管理下での負傷・疾病の発生件数、発生率を、こちら、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付データを基に参考として記載させていただいております。こちらは給付件数のみの公表で、年度内の発生件数とはなっていない項目でもあるため、参考の指標として記載させていただきました。本件については、今年度、文部科学省において、日本スポーツ振興センターの災害共済給付データを基にした事故データの調査分析の調査研究を行っておりますので、こちらがある程度進んだ時点で改めて委員の皆様の知見を頂戴したいと考えております。
また、本年3月に改訂した事故対応指針に基づく国への事項報告を踏まえ、今年度の事故報告分については、来年度、委員の皆様の御知見を頂戴し、国において事故の再発防止に資する分析を行うこととしておりますので、次年度以降、事故防止に向けて一歩踏み込んだアクションが起こせると思っております。皆様方にはぜひともその際また御知見を頂戴できればと思っております。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉座長】 ありがとうございました。調査結果及びフォローアップの内容を受けて、今後の学校安全の充実に向けて必要と考えられる点などについて皆様から御意見をいただければと思います。もちろん御質問があれば御質問でお願いします。
それでは、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 質問です。資料2-2の一番最後のページ15ページの(45)です。児童生徒を対象としたAEDの使用を含む云々という設問については、令和5年度実績だと、既に中学校と高等学校の保健体育では、実習を含めた指導が学習指導要領に位置づけられていると思いますが、この設問は授業外の実施を問うているのでしょうか。学習指導要領に記載がある事項をやらないとすると、それはそれで説明責任が生じますので、既に学習指導要領に記載されて実施年度に入っているのに中・高が100%ではないとしたらおかしなことになります。この調査はどんなものを対象にしているのでしょうか。
【渡邉座長】 ほかに御質問ありますか。その御質問でよろしいですか。
では、御質問は、時間の関係で後でまとめてお話しいただきます。では、桜井委員、お願いします。
【桜井委員】 ありがとうございます。私は質問というよりは、すみません、議題としては今日、検討事項と報告事項で分かれているんですけれども、今日ここで示されているこの調査の結果を見ると、明らかに弱点の分野が最初の議題1のほうの審議事項で取り扱う内容になっているということが明確になっています。先ほど羅列しているとかというような議論もあったんですけれども、この第3次学校安全の推進に関する計画の推進の中で、今、取組が弱い部分を改善するためにこの取りまとめをしたんだというようなのを、さきの議題に戻ってしまって申し訳ないんですけれども、審議のまとめに盛り込まれると、受け取った現場の先生方が、全部やらなきゃいけないんだという反応ではなくて、今までやってきていることの中でやっぱり足りないところを強化していくためにこういう取組をさらに必要としているんだという認識に変わるのかなと思います。
ちょうど並行して進んできた取りまとめと、このアンケートのフォローアップが並行してきたのであれだったんですけれども、今日このタイミングで一緒にこの形で出たので、最終的に取りまとめの最終調整する際にこのアンケート結果を少し盛り込むと、何でこれが必要なのかの意味づけがよりはっきりするので、図表だけでなくてやはりこういうデータを活用して盛り込んだらいいかなということでコメントでございます。申し訳ありません。
【渡邉座長】 ありがとうございました。御意見ということで。
次に、では、平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 ありがとうございます。ちょっと興味深いデータがあったのでここでお聞きしたかったのですが、資料2-2の3ページ、(6)番です。学校安全推進の中核となる教員等を位置づけている学校の割合というところで、この2年で安全主任や防災主任等の学校安全を担っている主任・主事というところがかなり上がっているんですね。多分学校経営というか校務分掌の中に位置づけたということですよね。どういうふうな下ろし方でこういうふうになったのかということを、分析できていればぜひお聞きしたいと思いますし、それは今後の、先ほど議論になった、どういう下ろし方というところのヒントになるのかなと思っています。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございます。後でまたまとめて回答いただきたいと思います。
では、北村委員、お願いします。
【北村委員】 ありがとうございます。今回の資料2-1ですかね、調査のところで出ていた、もともとのこの発端にもなっているような、窓際の足がかりとか、あと、固定されてない積み重ね棚への対策というのが、ここで言う対策というのが物理的な対策のことなのか、学校によっては、「ここは危ないから近づいちゃ駄目だよ」と言っているのが対策と思って回答しているのかなと思うぐらい、93.何%も実施されてないような印象を持ったので、ここは具体的に聞き方として、物理的な対策をしているという言い方で聞いているのか、漠然と対策と聞いているのかによっても、捉え方を考えないといけないかなと思いました。
実際、今年も私、幾つもいろいろな学校に行きましたけれども、窓際に棚があるところがかなりいっぱいありましたし、固定されてない棚もいっぱい見たので、それがこの6.何%に全部入っているとは思えないので、ひょっとすると回答の取り方とかというのも、今後フォローアップをしていく中では、実態を捉えるためにも考えなきゃいけないかなと思いましたというのが1点目です。
あと、同じ固定とかそういうのも含めてですけれども、今後、安全の支援をしていくということを考えると、やっぱり対策の仕方がいろいろ学校の現場に合わせて見てみると、確かにここでは固定できないよなとか、実態に合わせるとか、対策が結構難しいものとかいうのも現場を見ていると出てくるので、そういうものをやっぱり吸い上げて、場合によっては、学校向けの棚とかそういうのを作っているような業者さんなんかともうまく連携しながら、うまく対策できるようなやり方とかもつくっていかないと、そこも含めて全部学校で何とかしなさいと言っても、難しいよねと言って終わっちゃうというので、ここはちょっと解決が、もうちょっと支援がそういう点も必要かなと思いました。
あと、同じ対策の部分で、これまでも何回か申し上げていますけれども、やっぱり現場で聞くと、対策に使える予算がなくてここができていないんですというのを毎回どこでも聞くので、安全点検する前の状態がそもそも危険な状態で安全点検してもしようがないので、危険な状態をまず対策された状態にしなきゃいけない部分は、どうしても予算がないと学校は、たくさんいろいろな箇所があると現場で持っている予算とかだけでは足りないと思うので、やっぱり予算の面も何とか考えないと難しいかなと思いました。
最後1点だけ、情報提供になるかどうか分からないんですけれども、過去のやっぱり学校の事故の中で木製のオブジェとか柱だったり、あと、木とかそういう木製のものでいろいろ事故が起きているというのもあるんですけれども、木製はやっぱりなかなか普通の人が見ても分からないというのがあったかなと思います。ちょうど一、二か月前ぐらいに消費者庁の安全調査委員会のほうで、全く別物なんですけれども、遊園地とかにあるような大型の木製の迷路が腐って床が抜けて落ちて事故が起きたというものの調査報告書が出ていました。
その中にやっぱり、専門家との連携が必要ですということが書かれている中で、具体的にここがそういうちゃんと連携してくれるような体制として相談に乗ってくれる場所というので、幾つかそういう法人というか、例えば日本木材保存協会とかそういう具体的な名称が挙がっているので、何かうまくここはちょっと、せっかく今、消費者庁がそういうコンタクトを取って、相談も乗りますよというような体制が出来ているみたいなので、これに乗ってちょっとうまく学校現場のそういう木製の、どう見たらいいかよく分からないのも一緒に相談に乗ってくださいというような形で連携体制を整えていくといいかなと思うので、そういう外部の専門家みたいな、ここに相談したらいいですよという体制もつくっていくと、現場の困り事も少しは解消されるのかなと思って、最後は単なる情報提供でした。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。先ほどの窓のところの対策については、後で併せて回答いただくということにしたいと。
それでは、𠮷門委員、お願いします。
【𠮷門委員】 ありがとうございます。少し遅れて入りまして、申し訳ございません。皆さんの御意見をお聞きしながら一生懸命ついていっておりました。
先ほどの御説明の中で、幾つか従来から言われていることの中で、まだそんな状況のことなんだなと思いながら、この御提供いただいたデータについてなんですけれども、まず、質問は学校安全計画とかマニュアルの策定が100%にまだなっていないというのは、私がいたときには、やはり私学のほうがそこが弱くてということがずっと来ていたと思うんですけれども、あるときには公立については、教育委員会を通じてどこができてないですかみたいなこともぎちぎち詰めた時期もありました。その辺り、今回の調査方法を見ていると、なかなか都道府県の教育委員会が自分ところがどこができてないのかなって分からないんじゃないかなと。それぞれ学校がフォーマットで答えていくということがあったりするので、都道府県や市町村の教育委員会がどこまで押さえているのかなということが疑問だったんです。
文科省としてそういうふうなアプローチを、この調査に関して少し疑義が生じるところとかやっぱりこれはと思うことについて何かアプローチをされて精査された数字だとは思うんですけれども、どんなふうなアプローチされたのかなということが一つお聞きしたいなと思います。ここが何年もたって、ここがやっぱり100にはなりたいなと思うところではあるところでしたので、そこをお聞きしたいなと思うことがありました。あとは、意見のところで申し上げたいと思います。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。それでは、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】 ありがとうございます。社会安全研究所、首藤です。私は2点、1点は非常に純粋な質問なんですけれども、もう1点は質問から生じた意見になるかと思います。
最初の純粋な質問のほうは、最後に御説明いただいた資料ですかね、ありがとうございます、今まさに見せていただいている画面のところで、負傷・疾病の発生件数、発生率のところで発生率というのが挙がっているんですけれども、この率というのは何を母数にしたときの発生率なのかというのがちょっと分からないので教えていただきたいと思いました。
もう1点、質問から生じた意見というのは、多分ほかの先生方も、結果を見ながらここはどうして? ということで、今、これまで複数の先生がそれぞれ御質問されていたんですけれども、私も資料2-2ですかね、詳しい取組状況調査の結果を拝見していて、例えば、(19)で校外研修を受ける人の割合が非常に伸びているとかそういったことがあったりとか、あるいは(43)ですかね、重大事故を想定した職員の訓練がすごく増えていますとか、そういうところを拝見していて、これ、どうして増えたのかとか、あるいは先ほど𠮷門先生がおっしゃられたように、これは100%目指してほしいのにそれが達成できていないんだとすると、どういうところがうまくできてないからできていないのかとか、結果をこういった単純集計と前回との比較だけではなくて、多分いろいろなクロス集計をしたりとか、最後のフォローアップの資料で出されたような、ここ1年間とか2年間の取組と比較して、こういう取組が奏功しているのでないかとか、もう少しデータを基に分析を、考察というか、できるといいかなと思いました。
特に気になったのは(43)のところで、重大事故を想定した職員向けの訓練を実施している学校の割合が40ポイントぐらい増えているんですけれども、これは多分純粋に増えたというより、恐らく訓練の内容という設問が今回この後について、それを見て、ああ、これだったら、うちは前からやっているなというところが多分、やっていますと言ったんじゃないかなとか、そういうことが可能性としてあり得るんですね。なので、もうちょっとこの数字をどうして増えたのかとか、どうして増えないのかとか、どうして減ったのかというものをいろいろ考察してみていただいて、それを今後どうしていくかに生かしていただけたらいいなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。では、ここで、先ほどの御質問にまとめて文科省のほうから御回答をお願いしたいんですが、状況調査のことについて、AEDの使用のところ、その数値が低いというようなことは、すでに学習指導要領でやっているはずなのにというところの御質問。それと、最初の安全主任のところになりますけれども、その数値が上がっているんですが、それがなぜそうなのかということ。それと窓の足がかりのところ。それと、学校安全計画と危機管理マニュアルが100%になっていないが、その後そういうことについてのアプローチの仕方、それから、文科がこれまでの調査で何を、どういうことをしたかというようなこと。それとフォローアップの調査ですけれども、先ほど発生率の母数は何かということが御質問で出ていましたので、これらについて御回答をお願いします。
【合田補佐】 ありがとうございます。まず、1つ目のAEDの件でございますけれども、こちらの取組状況調査の性質が、この質問をそのままフラットに投げて各学校に基本的にお答えいただくという形になっていますので、そこで回答者の解釈が分かれている可能性があるというのが一つはあるかと思っております。併せて、指導要領のほうでは、AEDなどを用いた心肺蘇生法という形になっておりまして、少しこちらと表現が異なっている。AEDが我々の質問のほうが強調されていたりしていますので、その辺りでちょっと解釈が異なっている可能性もあるかなとは思っているところがございます。1点目がそちらです。
続いて、安全主事・主任等が伸びている理由でございます。こちらも推測にはなるんですけれども、私どもはこれまで学校安全の総合支援事業という形で各自治体におけるモデル的な取組、特にセーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れたモデル的な取組の支援をしてございます。中ではいわゆる中核の人材を位置づけて組織的に行っていくということも入ってございますので、そういった国のほうのモデルの取組を進めていく中でこういった位置づけをしていただける自治体も増えてきているのではないかなというのは一つ考えているところでございます。
続いて、窓際の設置物等の話でございます。こちらも先ほどと若干かぶるんですが、どういった対策をしたことについては、こちらはフラットに聞いているものですので、回答者の解釈が紛れている面はあるかと思っております。一方で、消費者事故調査委員会の対応の関係につきましては、昨年度この調査とは別にまたもう少し詳しく各自治体の調査とか働きかけもしておりまして、その中では単に注意喚起だけではなくて、より具体的な対策、また、すぐに予算がつかない場合も鍵のストッパーをつけるとか暫定的な対策も含めて効果的な対策をするように働きかけております。それにつきましては、今も継続的にお願いしておりますので、そういった形で確実な実効性のある対策をしていただくように呼びかけていきたいと考えております。
続いて、𠮷門委員からお話がありました安全計画・危機管理マニュアルが100%なってないという形につきまして、こちらにつきましても、先ほど申し上げました回答者のところが基本は学校ベースということはあるんですけれども、一応我々のほう、今年度のものにつきましては、公立学校につきましては、都道府県と市町村教委については一度フィードバックをさせていただいて、明らかな間違いとかおかしいところはないかというところの修正はさせていただいておるところです。その中で公立で見ますと99.8%になっていて、私立が91.8%ということです。公立の0.2%の問題はございますけれども、やはり私立学校がやや低いという状況はございますので、先ほどの審議のまとめでもありましたけれども、研修とか情報提供とか、公立だけではなくて私立学校、また、自治体の私立学校主管課などへの働きかけをしっかりしていく必要があるなと考えております。
続きまして、首藤委員からいただきました発生率の話ですけれども、こちらは、共済に加入しておられる方の中でこれを実際使った率ということで発生率という形になっているところです。
取り急ぎ、以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。ほかに、この調査に関しまして、御意見とかございますか。小川委員、お願いします。
【小川委員】 御説明ありがとうございました。まず、フォローアップ調査なんですけれども、アウトカムとアウトプットを分けて考えていかないと、施策により成果が上がったかという評価がなかなか難しいなと思っています。最終的な成果、最終的なアウトカムはやっぱり事故が減ったというところですよね。先ほどのデータを見るとそれほど減っているようには思えないし、事故率・発生率はどうなっているか、減ってないとすれば何が減っていないのかということをもう少し分析をして、減っていないところにもっと重点を置かないといけない、そういう施策の戦略性というのが見えてこないんです。
先ほどから、こういう点検はしていますかとか、こういう人はちゃんと配置していますかとか、マニュアルをちゃんとつくっていますかというのは、これはアウトプットということなんですね。一応やっていますよということであって、実績をただ求めているだけであって、ここで大きな課題になっているのは、いかに実効性のあるものにしていくかということです。
したがって、アウトカムの部分、最終的なところの結果を見て、子供たちが事故に遭っている、けがをしているという結果が出ているので、もう少し分析をして、なぜ減っていないのか、どこに課題があるのか、そこに重点的に力を注いでいかないと、あれもこれもやっていると学校はとても大変です。重点を置いて施策を展開してほしい。何度も私、文科省の方とお話ししているんですけれども、施策に戦略性が見えません。もっと戦略を持って施策を展開してほしいなと思いました。
先ほどの持続可能な学校安全の問題についても、中核となる教員の役割とか仕事を羅列していますが、そういう方々を育成するにはどうしたらいいのか、それも戦略なんですね。若い人たち、若い先生方に協力してもらう。では、そうするためにどうしたらいいのかとか、やっぱり戦略を持って施策を展開し、その成果をきちっと評価をしていくという施策評価、すなわち施策の展開の戦略性と施策評価というのが今、文科省に求められていることかなと思いました。御検討いただきたいと思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。ほかはいかがでしょう。よろしいですか。
今の小川委員のお話と、先ほどの首藤委員のお話もあったんですけれども、いろいろデータが出てきたものを割と単純集計して出しているという形なので、それを踏まえてもうちょっと分析していくようなそういうような取組もこの中にあってもいいのかなとは思います。そういうのができるかどうか分かりませんけれども、ちょっと文科省のほうで検討いただけると。というのは、次の第4次の学校安全推進計画が再来年辺りにスタートすると思うんですけれども、そこに役立つような結果というか分析があると、さらにいいものがで出来るんじゃないかと思います。
それでは、𠮷門委員から手が挙がっています。よろしくお願いします。
【𠮷門委員】 ありがとうございます。自分もやっていてなかなか手が届かない、思いが届かないもどかしさはずっと感じていましたので、こういうものを、データを取るときも聞き方一つで答えは違っていきますし、先ほども詳細に例示をして、枝の問いで具体的なことを聞くと、そういうことだったのねということですごく数値が上がってきたということの御説明もありましたけれども、まさにそういうことだと思うんです。具体的に何を問おうとしているのかという、聞き方によっても全然データが違うので、もう少しほかの項目も、聞き方が違えば、これはどこまでやっても100%きちんと実態が取れるものではないとは思うんですけれども、そういうことも問い方としては、経年変化を見るためには同じという形でないといけない部分もあるのでしょうけれども、そういうところも本当に実態をつかむのであればということは、問い方の工夫というのも必要かなと思ったところでした。
先ほど審議まとめについては、皆さんの御意見をお聞きしていたところなんですけれども、それから、委員の方もおっしゃられましたが、今の現状がこうで、それだったら、やっぱりもう少し強く打ち出しておかないといけないところがあるようにも見えているんですけれども、もともと今年度のワーキングとこの親会とですけれども、ワーキングで議論したのはやっぱり中核となる教員の位置づけを明確化してちゃんとそこを制度化するところまでが、今の取りまとめをして書いてあるものというのは、こういうことが大事ですということで、3次計画とほぼレベル的には変わらないんです。
そこをもうちょっと本当は踏み込んで、次に持っていくためにもう一歩前に出るための今年度であったと思っているし、これまでも申したかと思うんですけれども、そこのところが制度設計が確約できなければ、先ほどのところにもあった、新たな職のところをもう少しどうやってちゃんと学校での実効性が高まるような、文科省のこれからの動きとしてその関係課とどういうふうに確約を取っていくのか。そういうことは紙面上は現れないと思いますけれども、裏でどういうふうに確約を取っていくのかと。
あるいはもう一つはコミュニティ・スクールの枠組みを使うと。例えばコミュニティ・スクールや地域学校協働本部の枠組みというのはこれもずっと、2次計画の終わりの辺りから地域との連携の中で少しそういう言葉がずっと出てきて、3次計画には色濃く書かれていて、これも本当はできればコミュニティ・スクールの議論の中に、学校安全計画を必ずそこで見てもらうとかそんなことが書かれればよかったのでしょうけれども、全国的な学校の実態もあって、今これぐらいの書きぶりにはなっていると思うんです。でも、書きぶりは書きぶりで、もう少し強く書けるところの工夫ができれば、今後、あと僅かな時間ですけれども、もう少し検討していただきたいです。
書きぶりはここだとしても、実を取るというか実効性が高まるような水面下の動きをぜひ御期待申し上げたいということを改めて、3次計画のときも同じことを申し上げて、ここで書いたことがどう実現できるかということが大事ですよねということは申し上げたつもりです。やっぱり都道府県に届いてないとかというところの課題はどこにあるのかということを見ていく必要があると思います。公立については99.8%で、ほぼ100といっても、ほぼ100では駄目で、公立で100じゃなかったら、どこの県のどこの市町村が駄目なのかというところまでついて、そこは必ずこの調査をした時点では駄目だったけれども、今年度中にはちゃんとしておいてくださいねというところまで例えば言うとかぐらいの厳しさを持ってやっていかないと、私学のところはなかなか難しいところがあったとしても、公立はせめて100じゃないといけないかなとも思っています。今後のどういう施策をどういうふうにつくっていくのかということなんかも併せて、今回の数値データと、今回の審議まとめを踏まえて水面下の動きをぜひお願いしたいと思います。すみません、漠然とした意見になってしまって申し訳ありません。お願いします。
【渡邉座長】 ありがとうございました。とても大事な話だったと思います。
それでは、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 先ほどの質問にお答えいただきまして、ありがとうございました。教科書にはAEDを含めた応急手当、救命処置がきちんと書いてありますので、恐らくこの調査に回答を書いている先生は別の人で、保健体育の授業、学習指導要領に載っていることを御存じない方もいるのではないかという気もします。なので、保健体育の教科として、学習指導要領、教育課程の実施状況を調査するものと、それから学校全体で安全教育の一環として子供たちに教えているものというのをきちんと回答者も分かるように質問したほうがいいかなと思いました。
というのも、スポーツ振興センターが出している「災害共済給付ナビ」12月号に、学校内の突然死がすごく減ってきているというデータがあります。元日大医学部小児科にいらした鮎沢先生が書いていらっしゃるもので、1980年代の最初の頃は1年間で150人前後いた突然死のお子さんが、近年は10人台まで、もう10分の1くらいまで減ってきています。もちろん少子化もありますが、それをはるかに上回るスピードで減らしてきています。つまり、学校にAEDが配備され、周りにいる人たちの応急手当、一次救命処置によって、ここまで減ってきた。しかしこれは、だからよかったと安心するということではなくて、やればできるという証拠としてとらえることが大切です。教職員はもちろん子供たちも救命処置をしっかり学んで、突然死ゼロを目指すということがすごく重要なことだと思います。学習指導要領に位置づけられた意味はそこにあると思います。
それと、もう1点。教員養成については、この有識者会議以外の場面、教員養成に関する審議をするところなどにもぜひ協力を呼びかけていただければと思います、文部科学省としてですね。
今教員のなり手が減っていることなど、懸念が広がっています。過去にどんな事故が起き、どうすればそれは防げるのか。実際に突然死をこれだけ減らしてきているということを含めて、教員免許を取る人にきちんと自信をつけさせる。自信がつくことが教員志望を固める効果もあるので、学校の安全について教育の専門家としてきちんと学ぶという体制に、日本の教員養成制度はその方向にも充実を図っていくということについて、ぜひ働きかけていただきたいと思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。大分終了時間が迫ってきております。2番目の議事2については、これで一応終了させていただければと思いますが、ちょっと私のほうから1点だけ。今回の状況調査については、先ほどの資料は概要だったんですけれども、詳細版がきちっと発表されるというふうに考えてよろしいんですよね。これについて、いつ発表されるかということも併せて、文科省のほうで教えていただきたいんですけれども、いかがでしょう。
【合田補佐】 後ほど委員にもメールをさせていただければと思いますけれども、本日の会議が始まった2時の段階で一応公表をさせていただいております。詳細のデータも含めたものをホームページに載せておりますので、また後ほど委員の皆様にもURLを紹介させていただきます。
【渡邉座長】 よろしくお願いします。ちょうど会議が始まったかだったので分からなかったんですけれども、ありがとうございました。
それでは、この議事2につきましてもこれで一応終了させていただきます。
予定された議事ですけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、もし何か御意見がある場合は、メールで事務局のほうへお伝えいただければと思います。
それでは、事務局から次回の予定等について御説明をお願いします。
【遠藤専門官】 事務局でございます。本日ありがとうございました。
次回の会議ですけれども、2月頃の開催を予定しておりますので、詳細が決まりましたら、改めて御連絡をさせていただきたいと思います。
事務局からは以上になります。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、第3回学校安全の推進に関する有識者会議は以上とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、本日もありがとうございました。

―― 了 ――

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)